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アジア開発銀行千野総裁の辞任についての財務大臣談話

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財務大臣談話

平成16年8月31日

 
1.

 アジア開発銀行(ADB)千野忠男総裁は、本日のADB理事会において、来年1月31日をもって辞任されるとの意向を表明された。
 
2.

 千野総裁は、1999年1月の就任以来、これまで約5年8ヶ月にわたって、ADBの最重要目標として貧困削減を掲げ、ADB全般にわたって徹底した改革を行うとともに、アジア・太平洋地域の開発途上国に対する支援の強化等に強い指導力を発揮された。さらにアフガニスタンなどの加盟国の紛争後の再建に尽力された。また、アジア開発基金第8次財源補充の交渉を成功裡に終結させる等アジア・太平洋地域の特に貧しい国への支援について新たな道筋もつけられた。改めて、これまでの御功績に敬意を表する次第である。
 
3.

 我が国は、ADBに対して資金面のみならず人的にも大きな貢献を行っており、ADB創立以来、日本人が総裁を務めてきている。現内閣官房参与である黒田東彦一橋大学大学院経済学研究科教授は、千野総裁の後任として十分な能力を有していることから、黒田氏を次期総裁として推薦したいと考えている。
 
4.

 黒田氏は、財務省国際局長、財務官を歴任するなど、開発問題を含め国際金融の経験が豊富であり、また、アジア諸国の状況にも精通していることから、ADB総裁には最適任の人物であると考えている。今後各加盟国に対し、千野総裁の後任として黒田氏への支持を働きかけていく所存である。