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外国為替資金特別会計におけるESG投資について

令和3年10月8日

財務省

外国為替資金特別会計におけるESG投資について

 ESG投資については、株式運用のみならず、債券運用においても、機関投資家の間で関心が急速に高まりつつあり、今後も、その傾向が一段と拡大する見通しである。ESG要素が、投資先の持続的価値、ひいては中長期的な投資パフォーマンスにも影響するとの考え方が、市場参加者に浸透してきている。

 そのような中、外国為替資金特別会計(以下「外為特会」という。)が保有する外貨資産についても、その運用に当たってESG要素を考慮する重要性が高まってきている。

※ ここで言う「ESG投資」とは、特定の金融商品(ESG関連銘柄等)への投資のみを意味する訳ではなく、「ある金融商品への投資にあたってESG要素を考慮する投資スタンス」を指す。

 上記の背景を踏まえ、外為特会が保有する外貨資産の運用においても、従来からの安全性、流動性及び収益性についての基本原則は堅持しつつ、今後、環境(Environment)のみならず、社会(Social)及びガバナンス(Governance)の要素を考慮して、投資を行っていくこととする。

 具体的には、外部委託等も通じて知見の蓄積を図りながら、リスク管理の強化の観点から、ESG要素が資産価値に与える影響を投資対象の分析・選択・管理の各プロセスに組み込み(いわゆる「ESGインテグレーション」)、運用の持続可能性の向上に努めていく。これにより、今後、ESG債市場が拡大・発展していく中で、ESG債への投資が増えていくことも見込まれる。

 このような取組を進めることで、外為特会が保有する外貨資産のより持続可能な運用を実現するとともに、他の主要国の外貨準備当局や民間を含む広い分野でも同様の取組が加速し、結果として、環境や社会問題の解決につながっていくことを期待する。