域内の自然災害に対する財務強靱性を強化することを目的とし、日本主導の下、2023年5月の第26回ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議(於:韓国・仁川)においてASEAN+3財務トラックにおける「第4の柱」として定例議題化されました。
2024年には事務局を設置し、 DRFの取組を効果的に推進するための体制を整備し、東南アジア災害リスク保険ファシリティ(SEADRIF)を通じて、世界銀行と連携した国向けの災害リスク保険を提供しています。
日本は、最大のドナー国として、SEADRIFの立上げから議論を主導しており、現在、日本の他にはカンボジア・ラオス・ミャンマー・シンガポール・インドネシア・フィリピン・ベトナムの8か国が参加しています。
<アジア太平洋地域におけるDRF>
(1)DRFの概要
DRFは、自然災害に対する財務強靱性を強化するために、災害発生前に計画的な資金調達メカニズムを構築する体系的アプローチです。
日本は、長年にわたる地震等の災害経験を踏まえ、地震保険を整備する等、従来からDRFを強く認識しており、アジア太平洋地域においてもその取組を進める重要性を主張し、東南アジア諸国向けのSEADRIFと太平洋島嶼国向けの「太平洋災害リスク保険会社(PCRIC)」の2つの取り組みを支援しています。
(2)SEADRIFの展開
SEADRIFは、東南アジア諸国が災害後の迅速な復旧・復興に必要な資金を確保できるよう、災害保険の提供を通じて財務強靱性の向上を目指す枠組みです。
2017年5月、大洪水に見舞われた、カンボジア・ラオス・ミャンマーと日本財務省が「DRF・保険に関する地域技術作業部会」の設立に関する覚書を交わし、SEADRIFの制度設計の準備に着手しました。その後、2018年12月には日本、シンガポール、ラオス、ミャンマー、カンボジア、インドネシアがSEADRIF設立の覚書に署名、2019年にフィリピン、2022年にベトナムが加わり、現在8ヵ国が参加しています。
(3)DRFイニシアティブの展開
2021年3月のASEAN+3財務大臣・中央総裁銀行代理会議にて、災害リスクに対する財務強靱性向上を目指すワーキンググループが設置され、日本がその議論を主導しました。
2023年5月のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議では、DRFがASEAN+3の金融協力の「第4の柱」として正式に位置づけられ、「DRFイニシアティブ(DRFI)」として新たな枠組みが構築されました。本イニシアティブは、ASEAN+3におけるDRFの方向性について議論を行い、SEADRIFや世銀、ADB等の既存の取組を活用し、各国のDRF関連の取組を推進することを目的としたプラットフォームです。また、同会議では上記の道筋を示す「DRFIに係るアクションプラン 2023-2025」が承認され、2024年8月には「DRFI事務局」が発足しました。
<DRFIロードマップ(2026年~28年)策定に向けたコンセプトノート>
2025年のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議において、2026~2028年のDRFIロードマップの3つの柱を示したコンセプトノートが承認されました。2026年5月のASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議でDRFIの具体的な取組を体系化したロードマップ本体の承認を目指します。

