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日 時:令和元年1126日(火)10001030

場 所:財務省4階 第4会議室

出席者:川村座長、神作委員、高田委員、武田委員、津曲委員、家森委員

(株)日本政策投資銀行 地下取締役常務執行役員、高澤執行役員経営企画部長、
 玉越執行役員業務企画部長

    金融庁

 

議事要旨:

事務局からとりまとめ(案)を説明した後、委員による自由討議を行った。その主な内容は以下のとおり。

 

〇 戦後の資本市場では、特にバブル崩壊以降、エクイティ性資金が失われてしまい、デットガバナンスを中心に対応してきたが、特定投資業務はエクイティカルチャー、エクイティガバナンスを作っていくモデルケースとして重要なものである。

〇 民間ができるところがあるなら民間に任せた方が良いが、モニタリング・ボード議長、民間銀行やファンド関係者、事業者などからのヒアリングを行い、民間が育ってきている部分もあるが民間からも特定投資業務を必要としている部分がたくさんあり、今後もDBJがエクイティ性資金の隙間を埋める重要性が確認できた。また、DBJが地銀に対して人を派遣し、知識、ノウハウを伝授していくという触媒機能が重要。

〇 特定投資業務モニタリング・ボードは、単に形式が整っているだけでなく、特定投資業務の適正な実施の確保という観点から実際に機能していることを確認した。

〇 事業会社と金融とのかけ橋を作るといった機能も重要であり、特に大企業はこれだけ現預金が大きいという中で、いかにそれを成長につなげるかが重要。

〇 地方自治体や、大企業と地元の中小企業をつなぐことによって点を面にして全体のパイを膨らませる機能も重要。地域の地場産業、金融機関、自治体は、県内でビジネスをすることを考えてしまうため、横展開がDBJの強みだと思う。

〇 地域企業の再生・成長モデルは、郡部から県都、県都から首都圏、そして首都圏から海外という垂直展開が依然として強いため、地域企業が直接海外に展開するのは難しいが、DBJが支援することによって、勇気を持って外に踏み出せようになる。

〇 過疎地域のスタートアップの企業を育てていくためには、その地方の伝統ある製造業や地場の大手企業の力が非常に重要であり、DBJにはそこをブリッジする力もある。

〇 特定投資業務はこれまで、良いパフォーマンスを上げてきた。負けを恐れているとエクイティカルチャーはできないため、国費が入っていることを十分に認識しながら、トータルで黒字を出し、それが結果として政策目的に寄与するという意義を、DBJがいわば率先垂範していると思う。

〇 最近、官民ファンドの課題が出ているが、特定投資業務は突出した成功例となる。DBJのこれまでの成功モデルをもっと検証・勉強し、活用していくべき。

〇 今の段階で、こうしたDBJの機能が重要であることが確認されたが、資本市場は様々な局面で変化が予想されるため、今後の定期的なモニタリング、また評価・検証が必要である。

〇 すぐには難しいだろうが、国の財源が入っているため、特定投資業務のアウトカムを見せる必要がある。件数や金額、黒字であることは中間指標としては大事だが、それが政策目的に繋がっていることが重要である。

〇 一定期間後に定性・定量両面で、地域にどれだけ貢献できたのか、或いは企業競争力の観点から、マーケットシェアを伸ばせたかなどを点検し、モニタリング・ボードで報告してほしい。

〇 今後、この検討会に提出した程度の資料を毎年ホームページに開示して、国民の皆さんのご理解をいただく必要があると思う。ぜひ銀行や利用者にも周知すべき。

〇 これまでの検討会での議論を踏まえ、特定投資業務を5年延長することが適当。最終的なとりまとめの文言については座長一任。 
                                          (以上)