1.不正薬物等
不正薬物全体の摘発件数は387件(前年同期比27%減)、押収量は約929kg(同58%減)とともに減少した。
【不正薬物の摘発件数と押収量の推移】

(注)・令和7、8年は速報値である(以下、資料内の数値についても同じ)。
・その他とは、あへん、麻薬(コカイン、ケタミン、MDMA等)、向精神薬及び指定薬物をいう。
・端数処理のため数値が合わないことがある。
【密輸形態別摘発実績】
令和8年上半期の不正薬物全体の摘発実績を密輸形態別に見ると、航空機旅客からの摘発件数は216件(前年同期比22%増)と増加し、コロナ禍以降、半期ベースで最多となるも、押収量は約349kg(同55%減)と減少した。
(※)コロナ禍による出国制限の影響を踏まえ、外務省の海外危険情報が全世界一律レベル1となった令和4年10月以降を基準とした。なお、同時期が半期途中であることから、令和5年1月からの半期ベースで比較し、最多となったものである。

(注)1.数量の表記について、「0」とは500g未満の場合を示し、「-」とは全く無い場合を示す。
2.航空機旅客には、航空機乗組員を含み、漂着等には、船員、船舶旅客及び洋上取引を含む。航空貨物には、航空での別送品を含み、海上貨物には、海上での別送品を含む。
令和8年上半期の漂着等の摘発件数は10件(前年同期比67%増)、押収量は約7kg(同約7倍)とともに増加した。特に、摘発件数10件のうち、5件(同5倍)は海岸への漂着物であり、押収量は約7kg(同約7倍)である。
[事例1]
沖縄県宮古郡多良間村へ漂着したコカイン約1kgを摘発した。
(令和8年3月・沖縄地区税関)

[事例2]
長崎県対馬市へ漂着したケタミン約2kgを摘発した。
(令和8年3月・門司税関)

令和8年上半期の覚醒剤の摘発件数は46件(前年同期比16%減)と減少し、押収量は約523kg(同40%増)と増加した。密輸形態別に見ると、航空機旅客からの摘発件数は23件(同21%減)及び押収量は約104kg(同59%減)であり、航空貨物からの摘発件数は7件(同53%減)、押収量が約45kg(同57%減)とともに減少した。一方で、海上貨物からの摘発件数は3件(同300%増)、押収量は約370kg(同約80倍)と大幅に増加した。

令和8年上半期の大麻の摘発件数は147件(前年同期比10%減)、押収量は約175kg(同87%減)とともに減少した。密輸形態別に見ると、航空機旅客の摘発件数は79件(同58%増)と増加し、押収量は約62kg(同69%減)と減少した。国際郵便物は42件(同45%減)と減少し、押収量は約63kg(同2%増)と増加した。航空貨物は24件(同27%減)と減少し、押収量は約51kg(同63%増)と増加した。

(注)1.数量の表記について、「0」とは500g未満の場合を示し、「-」とは全く無い場合を示す。
2.航空機旅客には、航空機乗組員を含み、漂着等には、船員、船舶旅客及び洋上取引を含む。航空貨物には、航空での別送品を含み、海上貨物には、海上での別送品を含む。
◆令和8年上半期の摘発状況
(1)覚醒剤
[事例3]
アラブ首長国連邦から神戸港に到着した海上貨物(綿)に隠匿された覚醒剤約200kgを摘発した。
(令和8年4月・神戸税関、名古屋税関)

[事例4]
タイから成田空港に到着した旅客の携帯品(段ボール箱に収納されたバック側面部)に隠匿された覚醒剤約30kgを摘発した。
(令和8年1月・東京税関)

(2)大麻
[事例5]
タイから羽田空港に到着した旅客の携帯品(スーツケース)に隠匿された大麻草約7kgを摘発した。
(令和8年1月・東京税関)

[事例6]
アメリカから到着した航空貨物に隠匿されたTHC類製品約12kgを摘発した。
(令和8年3月・函館税関等)

(3)麻薬・指定薬物
[事例7]
ドイツから関西空港に到着した旅客の携帯品(スーツケース)に隠匿されたケタミン約15kgを摘発した。
(令和8年1月・大阪税関)

[事例8]
スロバキアから到着した航空貨物に隠匿された指定薬物(亜硝酸イソペンチル)約162gを摘発した。
(令和8年4月・長崎税関等)

(4)知的財産侵害物品・輸出事案
[事例9]
中国から到着した国際郵便物により商標権(シャネル等)を侵害するピアス101組を密輸入しようとした法人1社及び日本人2名を関税法違反で告発した。
(令和8年2月・横浜税関)

[事例10]
海上貨物により台湾へ加熱式たばこ約168万点を不正に輸出しようとした台湾人1名を関税法違反で告発した。
(令和8年6月・神戸税関)

2.金地金
-
金地金の摘発件数は95件(前年同期比26%減)、押収量は約316kg(同15%減)とともに減少した。一方、前期(令和7年7月から12月まで)と比較すると、摘発件数は51%増加し、押収量は約6倍となった。
| H29 | H30 | R1 | R2 | R3 | R4 | R5 | R6 | R7 | R8 (1-6) |
||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| (1-6) | (7-12) | 前年 同期比 |
|||||||||||
| 摘発件数(件) | 1,347 | 1,086 | 61 | 51 | 5 | 9 | 219 | 494 | 192 | 129 | 63 | 95 | 74% |
| 押収量(kg) | 6,277 | 2,054 | 319 | 150 | 27 | 135 | 302 | 1,334 | 425 | 373 | 52 | 316 | 85% |
(注)1.金地金には、金塊に加えて一部加工された金製品も含む。
2.令和7、8年は速報値である。
- 密輸形態別の摘発実績では、摘発件数95件のうち、航空機旅客によるものが70件と全体の74%を占め、押収量約316kgのうち、航空貨物によるものが約244kgと全体の77%を占めた。
- 密輸仕出地別の摘発実績では、摘発件数95件のうち、香港からの摘発件数が46件(全体の48%)、中国からの摘発件数が29件(同31%)と、両者で全体の79%を占めた。
密輸形態別の摘発実績(R8上半期)
| 密輸形態 | 摘発件数(件) | 押収量(kg) |
|---|---|---|
| 航空貨物 | 17 | 244 |
| 航空機旅客 | 70 | 72 |
| 国際郵便 | 7 | 1 |
| 船舶旅客 | 1 | 0 |
| 海上貨物 | - | - |
| 総計 | 95 | 316 |
(注)1.数量の表記について、「0」とは500g未満の場合を示し、「-」とは全く無い場合を示す。
2.端数処理のため数値が合わないことがある。
密輸仕出地別の摘発実績(R8上半期)

- 全国税関が行った犯則調査の結果、令和8年上半期に処分(告発又は通告(注))した件数は62件(前年同期比37%減)となった。そのうち、告発が2件(全増)、通告が60件(同39%減)であった。
| R5 | R6 | R7 | R8 (1-6) |
|||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| (1-6) | (7-12) | 前年 同期比 |
||||||
| 処分件数 | 130 | 135 | 191 | 98 | 93 | 62 | 63% | |
| 告発件数 | 6 | 7 | 5 | 0 | 5 | 2 | 全増 | |
| 通告件数 | 124 | 128 | 186 | 98 | 88 | 60 | 61% | |
(注)告発:犯則調査の結果、その情状が拘禁刑に相当するとき、又は通告処分を履行する資力がないとき等に、検察官に告発し、刑事手続に移行する。
通告:犯則調査の結果、その情状が罰金刑に相当するときに、税関長がその罰金に相当する金額、没収に該当する物件の納付を求める行政処分をいう。
なお、犯則者がこれに応じないときは検察官に告発することになる。
◆令和8年上半期の摘発・告発状況
【事例11】
令和8年1月から3月の間に、中国から到着した航空貨物(等身大人形)に隠匿された金地金約242kgを摘発し、同年7月に中国人5名及び日本人1名を関税法違反等で告発した。【東京税関】


【事例12】
令和7年2月、香港から関西空港に到着した航空貨物(①電気スタンド、②充電器)に隠匿された板状の金約25kgを摘発し、令和8年6月に中国人等2名を関税法違反等で告発した。【大阪税関】

| ①電気スタンド内に隠匿 | ②充電器内に隠匿 |
【事例13】
令和8年1月から3月の間に、香港から成田空港に到着した航空機旅客30名(香港人25名、中国人5名)から粉状の金約45kgを摘発した。【東京税関】

| 香港人女性による体腔内隠匿約2.7kg(7塊) |

