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令和8年上半期の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況(令和8年9月25日)トピックス・主要事例

1.不正薬物等

不正薬物全体の摘発件数は387件(前年同期比27%減)、押収量は約929kg(同58%減)とともに減少した。

【不正薬物の摘発件数と押収量の推移】

不正薬物の摘発件数と押収量の推移

(注)・令和7、8年は速報値である(以下、資料内の数値についても同じ)。

・その他とは、あへん、麻薬(コカイン、ケタミン、MDMA等)、向精神薬及び指定薬物をいう。

・端数処理のため数値が合わないことがある。


【密輸形態別摘発実績】

~航空機旅客からの摘発件数 コロナ禍以降、半期ベースで最多(※)~

令和8年上半期の不正薬物全体の摘発実績を密輸形態別に見ると、航空機旅客からの摘発件数は216件(前年同期比22%増)と増加し、コロナ禍以降、半期ベースで最多となるも、押収量は約349kg(同55%減)と減少した。

(※)コロナ禍による出国制限の影響を踏まえ、外務省の海外危険情報が全世界一律レベル1となった令和4年10月以降を基準とした。なお、同時期が半期途中であることから、令和5年1月からの半期ベースで比較し、最多となったものである。

密輸形態別摘発実績

(注)1.数量の表記について、「0」とは500g未満の場合を示し、「-」とは全く無い場合を示す。

2.航空機旅客には、航空機乗組員を含み、漂着等には、船員、船舶旅客及び洋上取引を含む。航空貨物には、航空での別送品を含み、海上貨物には、海上での別送品を含む。

~海岸に漂着する不正薬物が急増(前年同期比7倍の押収量)~

令和8年上半期の漂着等の摘発件数は10件(前年同期比67%増)、押収量は約7kg(同約7倍)とともに増加した。特に、摘発件数10件のうち、5件(同5倍)は海岸への漂着物であり、押収量は約7kg(同約7倍)である。

[事例1]

沖縄県宮古郡多良間村へ漂着したコカイン約1kgを摘発した。

(令和8年3月・沖縄地区税関)

事例1

[事例2]

長崎県対馬市へ漂着したケタミン約2kgを摘発した。

(令和8年3月・門司税関)

事例2
~密輸形態別の覚醒剤の摘発実績~

令和8年上半期の覚醒剤の摘発件数は46件(前年同期比16%減)と減少し、押収量は約523kg(同40%増)と増加した。密輸形態別に見ると、航空機旅客からの摘発件数は23件(同21%減)及び押収量は約104kg(同59%減)であり、航空貨物からの摘発件数は7件(同53%減)、押収量が約45kg(同57%減)とともに減少した。一方で、海上貨物からの摘発件数は3件(同300%増)、押収量は約370kg(同約80倍)と大幅に増加した。

密輸形態別の覚醒剤の摘発実績

~密輸形態別の大麻の摘発実績~

令和8年上半期の大麻の摘発件数は147件(前年同期比10%減)、押収量は約175kg(同87%減)とともに減少した。密輸形態別に見ると、航空機旅客の摘発件数は79件(同58%増)と増加し、押収量は約62kg(同69%減)と減少した。国際郵便物は42件(同45%減)と減少し、押収量は約63kg(同2%増)と増加した。航空貨物は24件(同27%減)と減少し、押収量は約51kg(同63%増)と増加した。

密輸形態別の大麻の摘発実績

(注)1.数量の表記について、「0」とは500g未満の場合を示し、「-」とは全く無い場合を示す。

2.航空機旅客には、航空機乗組員を含み、漂着等には、船員、船舶旅客及び洋上取引を含む。航空貨物には、航空での別送品を含み、海上貨物には、海上での別送品を含む。


◆令和8年上半期の摘発状況

(1)覚醒剤

[事例3]

アラブ首長国連邦から神戸港に到着した海上貨物(綿)に隠匿された覚醒剤約200kgを摘発した。

(令和8年4月・神戸税関、名古屋税関)

事例3

[事例4]

タイから成田空港に到着した旅客の携帯品(段ボール箱に収納されたバック側面部)に隠匿された覚醒剤約30kgを摘発した。

(令和8年1月・東京税関)

事例4

(2)大麻

[事例5]

タイから羽田空港に到着した旅客の携帯品(スーツケース)に隠匿された大麻草約7kgを摘発した。

(令和8年1月・東京税関)

事例5

[事例6]

アメリカから到着した航空貨物に隠匿されたTHC類製品約12kgを摘発した。

(令和8年3月・函館税関等)

事例6

(3)麻薬・指定薬物

[事例7]

ドイツから関西空港に到着した旅客の携帯品(スーツケース)に隠匿されたケタミン約15kgを摘発した。

(令和8年1月・大阪税関)

事例7

[事例8]

スロバキアから到着した航空貨物に隠匿された指定薬物(亜硝酸イソペンチル)約162gを摘発した。

(令和8年4月・長崎税関等)

事例8

(4)知的財産侵害物品・輸出事案

[事例9]

中国から到着した国際郵便物により商標権(シャネル等)を侵害するピアス101組を密輸入しようとした法人1社及び日本人2名を関税法違反で告発した。

(令和8年2月・横浜税関)

事例9

[事例10]

海上貨物により台湾へ加熱式たばこ約168万点を不正に輸出しようとした台湾人1名を関税法違反で告発した。

(令和8年6月・神戸税関)

事例10

2.金地金

  • 金地金の摘発件数は95件(前年同期比26%減)、押収量は約316kg(同15%減)とともに減少した。一方、前期(令和7年7月から12月まで)と比較すると、摘発件数は51%増加し、押収量は約6倍となった。

【金地金の摘発状況】
H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 R6 R7 R8
(1-6)
(1-6) (7-12) 前年
同期比
摘発件数(件) 1,347 1,086 61 51 5 9 219 494 192 129 63 95 74%
押収量(kg) 6,277 2,054 319 150 27 135 302 1,334 425 373 52 316 85%

(注)1.金地金には、金塊に加えて一部加工された金製品も含む。

2.令和7、8年は速報値である。

  • 密輸形態別の摘発実績では、摘発件数95件のうち、航空機旅客によるものが70件と全体の74%を占め、押収量約316kgのうち、航空貨物によるものが約244kgと全体の77%を占めた。
  • 密輸仕出地別の摘発実績では、摘発件数95件のうち、香港からの摘発件数が46件(全体の48%)、中国からの摘発件数が29件(同31%)と、両者で全体の79%を占めた。

密輸形態別の摘発実績(R8上半期)

密輸形態 摘発件数(件) 押収量(kg)
航空貨物 17 244
航空機旅客 70 72
国際郵便 7 1
船舶旅客 1 0
海上貨物 - -
総計 95 316

(注)1.数量の表記について、「0」とは500g未満の場合を示し、「-」とは全く無い場合を示す。

2.端数処理のため数値が合わないことがある。

密輸仕出地別の摘発実績(R8上半期)

円グラフ


  • 全国税関が行った犯則調査の結果、令和8年上半期に処分(告発又は通告(注))した件数は62件(前年同期比37%減)となった。そのうち、告発が2件(全増)、通告が60件(同39%減)であった。
【金地金密輸入事件に係る処分実績】
R5 R6 R7 R8
(1-6)
(1-6) (7-12) 前年
同期比
処分件数 130 135 191 98 93 62 63%
告発件数 6 7 5 0 5 2 全増
通告件数 124 128 186 98 88 60 61%

(注)告発:犯則調査の結果、その情状が拘禁刑に相当するとき、又は通告処分を履行する資力がないとき等に、検察官に告発し、刑事手続に移行する。

通告:犯則調査の結果、その情状が罰金刑に相当するときに、税関長がその罰金に相当する金額、没収に該当する物件の納付を求める行政処分をいう。

なお、犯則者がこれに応じないときは検察官に告発することになる。

◆令和8年上半期の摘発・告発状況

【事例11】

令和8年1月から3月の間に、中国から到着した航空貨物(等身大人形)に隠匿された金地金約242kgを摘発し、同年7月に中国人5名及び日本人1名を関税法違反等で告発した。【東京税関】

事例11

金地金の密輸のスキーム図(イメージ)

【事例12】

令和7年2月、香港から関西空港に到着した航空貨物(①電気スタンド、②充電器)に隠匿された板状の金約25kgを摘発し、令和8年6月に中国人等2名を関税法違反等で告発した。【大阪税関】

事例12

①電気スタンド内に隠匿 ②充電器内に隠匿

【事例13】

令和8年1月から3月の間に、香港から成田空港に到着した航空機旅客30名(香港人25名、中国人5名)から粉状の金約45kgを摘発した。【東京税関】

写真

香港人女性による体腔内隠匿約2.7kg(7塊)