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令和7年の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況(令和8年2月17日)詳細

1.不正薬物等

不正薬物全体の押収量は約3,211kgと増加(前年比15%増)し、令和元年以来6年ぶりに3トンを超え、過去2番目を記録し、引き続き極めて深刻な状況となっている。

不正薬物の摘発件数と押収量の推移

グラフ(不正薬物の摘発件数と押収量の推移)

(注)
  • 令和7年は速報値である(以下、資料内の数値についても同じ)。
  • その他とは、あへん、麻薬(ヘロイン、コカイン、MDMA等)、向精神薬及び指定薬物をいう。
  • 端数処理のため数値が合わないことがある。

(1)覚醒剤

  • 覚醒剤の摘発件数は126件(前年比10%減)、押収量は約840kg(同53%減)と共に減少し、特に押収量については約半減となる大幅な減少傾向が見られ、総じて減少基調が見られる。
  • 押収した覚醒剤は、薬物乱用者の通常使用量で約2,799万回分、末端価格にして約487億円に相当する。
  • 密輸形態別の押収量では、航空機旅客が約664kgと増加(同93%増)し、全体の約8割を占めている一方で、国際郵便物が約18kg(同66%減)、航空貨物が約153kg(同62%減)、海上貨物が約5kg(同99.5%減)と、大幅に減少した。
  • 覚醒剤の密輸仕出地別摘発実績では、件数の割合をみるとアジアが37%(46件)と最多となった。また、押収量の割合については、北米が58%(約488kg)と最大となった。

グラフ(航空機旅客の摘発件数と押収量の推移)

グラフ(国際郵便物の摘発件数と押収量の推移)


グラフ(航空貨物の摘発件数と押収量の推移)

グラフ(海上貨物の摘発件数と押収量の推移)


グラフ(船員等の摘発件数と押収量の推移)

(注)

  • 数量の表記について、「0」とは500g未満の場合を示し、「-」とは全く無い場合を示す。
  • 航空機旅客には、航空機乗組員を含み、船員等には、洋上取引、船舶旅客等を含む。また、商業貨物には、別送品を含む。

円グラフ(覚醒剤・仕出地域別件数)

円グラフ(覚醒剤・仕出地域別押収量)



【事例1】

南アフリカから関西空港に到着した旅客の携帯品(スーツケース)に隠匿された覚醒剤約5kgを摘発した。(令和7年6月・大阪税関)

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【事例2】

ドイツから福岡空港に到着した旅客の携帯品(フライトバッグ)に隠匿された覚醒剤約1kgを摘発した。(令和7年5月・門司税関)

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【事例3】

イランから到着した国際郵便物(食品)に隠匿された覚醒剤約1kgを摘発した。(令和7年3月・名古屋税関)

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【事例4】

タイから新千歳空港に到着した旅客の携帯品(ポーチ)に隠匿された覚醒剤約1gを摘発した。(令和7年8月・函館税関)

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(2)大麻

  • 大麻(大麻草・THC類製品)の摘発件数は316件と減少(前年比17%減)した一方で、押収量は約1,531kgと増加(同約3.5倍)した。
  • 大麻草の押収量は約1,213kgと増加(同約4.5倍)し、THC類製品の押収量は約318kg*であった。大麻草の押収量が大幅に増加した要因として、令和7年6月に東京税関が摘発した大麻草約1トンの事件が挙げられる。
    • *法改正により令和6年12月12日以降の摘発分から計上されているため、前年比を示すことはできない。

  • 大麻の仕出地別摘発件数の割合では、米国が43%、タイが27%、ベトナムが8%となり、北米及びアジアで約9割を占めた。

グラフ(摘発件数と押収量の推移)

円グラフ(仕出地別摘発件数)



【事例5】

米国から成田空港に到着した旅客の携帯品(スーツケース)に隠匿された大麻草約25kgを摘発した。(令和7年1月・東京税関)

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【事例6】

タイから到着した国際郵便物(ドッグフード等)に隠匿された大麻草約9kgを摘発した。(令和7年5月・名古屋税関等)

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【事例7】

タイから到着した国際郵便物に隠匿された大麻草約401gを摘発した。(令和7年1月・函館税関等)

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【事例8】

米国から到着した航空貨物に隠匿された液状大麻約215gを摘発した。(令和7年6月・長崎税関等)

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(3)麻薬

  • 麻薬(ヘロイン、コカイン、MDMA等)の摘発件数は311件と減少(前年比3%減)した一方で、押収量は約798kgと増加(同49%増)した。
  • コカインについて、摘発件数は85件と増加(同57%増)した一方で、押収量は約238kgと減少(同12%減)し、小口化の傾向が見られる。
  • MDMA等について、摘発件数は64件と減少(同29%減)した一方で、押収量は約202kgと増加(同9%増)し、大口化の傾向が見られる。

【事例9】

カナダから羽田空港に到着した旅客の携帯品(スーツケース)に隠匿されたコカイン約22kgを摘発した。(令和7年1月・東京税関)

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【事例10】

ブラジルから到着した国際郵便物(カレンダー)に隠匿されたコカイン約767gを摘発した。(令和7年6月・名古屋税関)

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【事例11】

オランダから到着した国際郵便物(外装ダンボール箱)に隠匿されたMDMA約5,100錠を摘発した。(令和7年3月・横浜税関)

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【事例12】

ドイツから羽田空港に到着した旅客の携帯品(スーツケース)に隠匿されたケタミン約41kgを摘発した。(令和7年4月・東京税関)

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(4)指定薬物

  • 指定薬物の摘発件数は239件(前年比46%増)、押収量は約41kg(同約3.8倍)と共に増加していることから、総じて増加基調が見られる。

【事例13】

インドから到着した航空貨物に隠匿された指定薬物(エトミデート)約101gを摘発した。(令和7年7月・門司税関等)

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(5)銃砲等

  • 銃砲の摘発件数は34件(前年比26%増)、押収丁数は37丁(同32%増)と共に増加していることから、総じて増加基調が見られる。

2.金地金

  • 金地金*の摘発件数は192件(前年比61%減)、押収量は約425kg(同68%減)と減少した。

    *金地金には、金塊に加えて一部加工された金製品も含む。

【金地金の過去10年間の摘発状況】
H28 H29 H30 R1 R2 R3 R4 R5 R6 R7
摘発件数(件) 811 1,347 1,086 61 51 5 9 219 494 192
押収量(kg) 2,802 6,277 2,054 319 150 27 135 302 1,334 425
  • 密輸形態別摘発実績では、摘発件数192件のうち、航空機旅客によるものが158件となり、全体の約82%を占め、押収量約425kgのうち、航空貨物によるものが約283kgと全体の約66%を占めた。
  • 密輸仕出地別摘発実績では、アジアからの摘発件数が大宗を占め、香港からの摘発が75件と最も多く、全体の約40%を占めた。

密輸形態別の摘発状況(R7)

密輸形態 摘発件数(件) 押収量(kg)
航空機旅客 158 136
国際郵便物 9 3
航空貨物 21 283
海上貨物
船員等 4 4
合計 192 425
(注)

・数量の表記について、「-」とは全く無い場合を示す。

・端数処理のため数値が合わないことがある。

・航空機旅客には、航空機乗組員を含み、船員等には、洋上取引、船舶旅客等を含む。また、商業貨物には、別送品を含む。

密輸仕出地別の摘発件数(R7)

円グラフ


【事例14】

韓国から関西空港に到着した旅客らの身辺や携行品内に隠匿された金製品 計約3.5kgを摘発した。(令和7年1月・大阪税関)

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3.知的財産侵害物品等

(1)知的財産侵害物品等

  • 商標権を侵害する人形等の知的財産侵害物品の密輸入事件を5件告発した。

【事例15】商標権を侵害する人形等の密輸入事件

中国から国際郵便物により商標権を侵害する人形10点 及び 偽造外国通貨40点を密輸入しようとした日本人1名を関税法違反で告発した。(令和7年4月・横浜税関)

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(2)ワシントン事案

  • リュウキュウヤマガメ等のワシントン条約該当物品の密輸出入事件を5件告発した。

【事例16】リュウキュウヤマガメ等の密輸出事件

香港へ国際郵便物によりリュウキュウヤマガメ70匹 及び ホルストガエル1匹を密輸出しようとした香港人3名を関税法違反で告発した。(令和7年10月・沖縄地区税関)

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(3)輸出事案

  • 中古自動車等の不正輸出事件を13件告発した。

【事例17】高級中古自動車の不正輸出事件

ロシアへ海上貨物により高級中古自動車4台を不正に輸出した法人1社及び2名を関税法違反で告発した。(令和7年3月・神戸税関)

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【事例18】冷凍和牛肉の虚偽申告輸出事件

海上貨物により冷凍和牛肉約25トンを、最終仕向地が香港であるにもかかわらず、カンボジアである旨偽った申告をして輸出した法人1社及び3名を関税法違反で告発した。(令和7年10月・横浜税関)


(4)その他

  • 米の不正輸入事件を告発した。

【事例19】米の不正輸入事件

ベトナムから海上貨物により米約45トンを、緑豆と偽って輸入しようとした法人1社及び2名を関税法違反で告発した。(令和7年10月・大阪税関)

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