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第2回マニラフレームワーク会合議長総括(1998年3月26日、27日 於 : 東京)(仮 訳)

第2回マニラフレームワーク会合
議長総括
(1998年3月26日、27日 於:東京)
(仮 訳)

 

1.オーストラリア、ブルネイ、カナダ、中国、香港特別行政区、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、及び米国の蔵相代理及び中央銀行総裁代理は、現在の通貨危機に取り組み、将来の持続される成長のための基礎を用意する上での進展をレビューするため、1998年3月26日及び27日に東京で会合した。IMF、世界銀行、アジア開発銀行からもハイレベルの代表が出席した。

 

2.域内サーベイランスの議論においては、代理達は、IMF、世界銀行及びアジア開発銀行によるプレゼンテーションに基づき、当地域の経済状況について意見交換を行った。全体として、代理達は、重要な政策課題が残っているものの、アジア通貨危機の解決に向けて重要な進展が見られたと感じた。当地域の成長の見通しは、アジア危機の影響により消費、投資、貿易及び資本移動が低迷したことを反映して、引き下げられた。代理達は、本地域の各国が、適切な構造改革とともに、健全な経済政策・金融行政を採用し継続することが必要であることを再び強調した。

 

3.議論は主として、タイ、韓国及びインドネシアにおける経済調整プログラム下での進展に焦点をあてたものであったが、地域の動向についてもレビューを行った。代理達は、プログラム上の政策の精力的かつ持続的な実施により、韓国及びタイの経済状況が改善したことに留意した。インドネシアにおける状況は、より大きな努力を必要とする。代理達は、インドネシア経済を安定させ、かつ持続的な成長に向けた道のりに戻すため、インドネシア当局とIMFとの間での迅速な合意を期待した。代理達は、マクロ経済政策の枠組み、金融システム、及び構造問題にわたる包括的なアプローチが採られていることを歓迎し、企業の債務問題が、依然として早急な解決を必要とする主要課題の一つであることを強調した。

 

4.代理達は、アジア危機の様々な教訓について議論した。彼らは、危機に陥った国を支援するに当たってのIMF及び多国間開発金融機関の決定的な役割に留意し、それをどのように効果的にしうるかについて議論した。この文脈において、そして前回の本グループの会合における要望に照らし、彼らは、IMFが去る12月に設立し、韓国のプログラムにおいて成功裏に発動された新たなファシリティー(補完的準備融資制度、SRF)を歓迎した。代理達はまた、世界的に統合された資本市場を踏まえた経済運営についても議論を行い、資本移動の監視を強化することの重要性について留意した。

 

5.代理達は、こうした課題の他、国際金融システムの新たな枠組みを強化することにかかる他の課題につき、議論を継続することについて関心を共有することを認識した。彼らは、マニラ・グループは、率直かつオープンな議論を通じ、彼らが健全な経済・金融政策を維持する上で、相互にサーベイランスを行い助け合える有益な議論の場を提供していることにつき合意した。

 

6.マレーシアは、本年度後半に次回会合を主催することにつき同意した。IMFは、今後も会合のために、ホスト国と調整しつつ、事務局としての技術的な支援を行うことに合意した。

 

7.代理達は、日本政府の暖かい歓迎と素晴らしい準備に一致して感謝の意を表した。