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第2回(令和元年10月15日開催)議事要旨

日 時:令和元年1015日(火)10001200

場 所:財務省4階 第1会議室

出席者:川村座長、神作委員、高田委員、武田委員、津曲委員、家森委員

    (一社)全国銀行協会 萩原企画委員長((株)三井住友銀行 常務執行役員)

    (株)三井住友銀行ファイナンシャルソリューション統括部  牧業務推進グループ長

    (一社)日本ベンチャーキャピタル協会 赤浦会長、村田企画部長

(株)日本政策投資銀行 地下取締役常務執行役員、玉越執行役員業務企画部長、

 高澤執行役員経営企画部長

    金融庁

 

議事要旨:

全国銀行協会及び日本ベンチャーキャピタル協会から資料に沿って説明を行い、それぞれに対して質疑応答を行った。その後、日本政策投資銀行から補足説明を行った後、委員による自由討議を行った。その主な内容は以下のとおり。

 

(成長資金供給市場の現状)

〇 国内リスクマネー市場は緩やかに拡大してきたものの、諸外国と比較すれば未だ投資金額が少なく、特にベンチャー投資などはその差が年々兆円単位で広がっている。民間が投資可能な領域はなお限定的で、とりわけマーケット・プラクティスが確立していない領域には民間資金が集まりにくい。

〇 国内リスクマネー市場の課題は、@機関投資家による投資呼び込みや大企業の内部留保を活用することによる量の拡大とA民間の投資領域拡大の両方に取り組むこと。

〇 民間投資家は、流動性の高さと、収益性・キャッシュフローの安定性を考慮するためリスクマネーへの投資が少ないが、エグジット実績のあるPEファンドやIPOが見込めるVC、安定したキャッシュフローが見込める一部のインフラファンドなどは投資先として選択されている。

〇 ディープテック/リアルテック領域ならびに新産業創造など、長期かつ大型の資金が必要となる領域では、民間資金には限界があり官の支えが必要。また、民間が投資可能な領域が限定的であるため、国内外のPEファンド等には待機資金が積み上がっている。官民が連携し、民間投資家が投資可能な領域を広げていくことが必要。

〇 シード期やレイターステージ(プレIPOへの大型資金やポストIPO)に出資するプレイヤーが不足している。本来、レイターステージこそ民間が出ていくべき分野であるが、あまり進んでいない。また、日本のベンチャー市場ではM&Aによるエグジットが少ないことも課題。

〇 機関投資家からの資金供給が少ないことも課題。日本のVCの質や量が低いため、複数回ファンドを組成した実績のある個人がGPをとっているファンドを10個以上揃え、ベンチマークを比較検討できる状況を作ることが必要。また、機関投資家へのノウハウ共有も必要。

〇 地方では、大学に大きなシーズが眠っている。大学の研究者がアントレプレナーシップをもつことと、外部の投資家が積極的にマッチングを図ることで、地方の資金がまわるようになる。

 

(特定投資業務の評価)

〇 特定投資業務は、制度上、民業補完の趣旨を反映した設計となっており、これまでも民間金融機関等と適切に連携・協調してきた。特にマーケット・プラクティスが確立していない案件で民間投資家の呼び水となり、また量的補完機能を発揮してきたと認識。

〇 地銀とDBJの共同ファンドや人材交流により民間へのノウハウ共有を進めているが、未だ道半ばという状況。

〇 DBJは、人材紹介を含めた管理体制の構築や、関連企業の紹介など、質の高いハンズオン支援を行ってきている。

〇 これまでのベンチャーエコシステムでのDBJの貢献は極めて大きく、本体からスタートアップへの直接投資、VCファンドへのLP投資、子会社DBJキャピタルからのVC投資はそれぞれ重要な存在。

〇 DBJの投資は非常にうまくやっており、この機能を弱めるといった議論はこれまで出ていない。

 

(成長資金供給の促進を図るための取組)

〇 最終的に「民間だけで完結する領域」を増やしていくことが目標。官は、未だ民間が投資できていない領域に先駆的なリスクマネーを供給するべき。また、5%ルールなどの規制の柔軟化やノウハウの共有を進め、民間投資家の裾野を広げるための施策を実施するべき。民は、官との協働やノウハウ蓄積により、自らもリスクテイク可能な方法を検討すべき。

〇 未だ民間の投資領域が限定的であるということを踏まえ、特定投資業務の継続は必要。

〇 特定投資業務を継続する際は、民間がこれまで投資対象にできていない領域を中心に取り組むこと、案件に係るリスク評価などのノウハウ共有に一層力を入れること、一定の期限を区切って延長してレビューすることが必要。

〇 もし10年間の長期資金の需要があるのであれば、特定投資業務が継続する間、10年間の資金を供給できるような方法を考える必要がある。

〇 特定投資業務では「競争力強化」のテーマにおけるスタートアップ企業への投資は極めて限定的であったが、今後は成長性が高いスタートアップへの投資アロケーションの増加を期待する。

〇 中国や韓国では政府によるLP出資が呼び水効果となりスタートアップ市場が拡大した。ファンドサイズを大きくしないと機関投資家が出資する規模感にならないため、DBJによるLP出資に期待している。また、仏独英において官民共同でベンチャーエコシステムを作ろうとしているように、現在のグローバルな経済競争では官が関わることが必要。

〇 地方ではリスクマネーを成長戦略につなげることが大きな課題。地方の案件は量も収益率も期間も厳しく、また、地域金融機関にシーズを掘り起こして成長戦略に生かすノウハウが不足しているため、DBJによる支援が重要。

〇 一次産業の効率化など地方活性化のためにはドローンやMaaSMobility as a Service)などのデジタルトランスフォーメーションを活用する観点が重要であり、特定投資業務には最新技術のマッチングも期待している。

〇 他国が官民あげてリスクマネー供給を増やす中で、官の中での特定投資業務の位置付けをどうするのか、特定投資以外の部分にもどう取り組めるかというのも重要。どの段階の案件にどれくらいの長さの資金を供給するかを踏まえ、投資業務の時限性を検討することが重要である。

〇 VCに関しては、日本人のリスクアバースなカルチャーにより投資が増えないという議論を30年前からしている。特定投資業務の次の課題として、例えば集団投資スキームのような何千億のロットで投資できる法制的なスキームの革新があってもいいと考えている。

 

                                          (以上)