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財政融資資金からの借入金を繰上償還することは可能ですか

【答】

繰上償還(前倒し返済)を行う場合、貸し手は、本来、繰上償還以後も受け取り続けられるはずであった利息収入を失うことになる一方で、借り手から繰上償還を受けた資金を元手に新たに貸付けを行って利息収入を得ることが可能です。結局、貸し手にとって、失った利息収入と、新たに得られる利息収入の差額が繰上償還に伴って生じる損失となります。

財政融資資金の貸付けは収支相償うよう運営されていることから、このような繰上償還に伴って生じる損失をそのまま受け入れることは出来ません。したがって、繰上償還に応じる場合には、繰上償還に伴って生じる損失に対応する補償金の支払いが前提となります。

補償金を免除した繰上償還については例外的な措置であることから、財政制度等審議会財政投融資分科会(平成16年12月23日開催)において要件として設定した、(1)抜本的な事業見直し、(2)繰上償還対象事業の勘定分離、(3)経営改善計画、(4)最終的な国民負担の軽減、という「4条件」を満たした上で、法律に基づいて行われることが必要となります。

上記の要件に基づき、平成17年度編成において旧住宅金融公庫(現在の(独)住宅金融支援機構)、(独)都市再生機構及び年金資金運用基金(現在の年金積立金管理運用独立行政法人)に対して、補償金を免除した繰上償還を認めました。

また、平成19年度から平成21年度においては、財政状況が厳しい地方公共団体に対して補償金を免除した繰上償還を認め、さらに、1回限りの特例として当該措置を3年間延長し、平成22年度から平成24年度においても補償金を免除した繰上償還を認めました。

なお、地方公共団体による上下水道事業への公共施設等運営権方式(コンセッション)の導入を促進する観点から、今後の横展開の呼び水となる先駆的取組を支援するため、財政制度等審議会財政投融資分科会(平成29年11月1日及び12月20日開催)でも議論の上、令和3年度までに実施方針条例を制定した地方公共団体を対象に、厳しい経営環境にあり自助努力を行っていること等、支援要件を満たしていることを条件として、令和5年度までの間において、最初に受け取った運営権対価を上限に、当該コンセッションの事業範囲に係る債務を繰上償還する際の補償金の免除を特例的に認めることとしました。