各紙幣の図柄と、その図柄を採用した理由は以下のとおりです。
※新紙幣(2024年7月発行開始)については、こちら(表面・裏面)をご覧ください。
1万円(E券)
表面:福沢諭吉
最高券面額として、品格のある紙幣にふさわしい肖像であり、また、肖像の人物が一般的にも、国際的にも、知名度が高い明治以降の文化人の中から採用したものです。
福沢諭吉の肖像画は東京都港区の慶應義塾福澤研究センター所蔵の写真を素材としています。
裏面:宇治平等院の鳳凰堂の鳳凰像
最高券面額として、品格のある紙幣にふさわしいものとして、瑞鳥(ずいちょう)であり、旧1万円券の裏面でも図案化されていた鳳凰を採用したものです。
鳳凰は、我が国の国宝である宇治平等院の鳳凰堂の鳳凰像を素材としています。
5千円(E券)
表面:樋口一葉
女性の社会進出の進展に配意し、また、学校の教科書にも登場するなど、知名度の高い文化人の女性の中から採用したものです。
樋口一葉の肖像画は東京都台東区の一葉記念館所蔵の写真を素材としています。
裏面:「燕子花図(かきつばたず)」(尾形光琳作)
表面の肖像が女性であることから、動物や建造物よりも花をあしらうのが適当と考え、国宝級の美術品で花をモチーフにしたものから採用したものです。
2千円(D券)
表面:沖縄の守礼門
2千円券が発行された2000年には、九州・沖縄サミットが開催されることとなっていたことから、その図柄には沖縄のものがふさわしいと考え、沖縄の建造物の中から、戦前には国宝に指定されていた文化財である守礼門を採用したものです。
裏面:「源氏物語絵巻」と「紫式部日記絵巻」
源氏物語が、今からおよそ千年前の平安時代中期、紫式部により書かれた、我が国が世界に誇るべき文学作品であることから、採用したものです。
左側には「源氏物語絵巻」の「鈴虫」の絵と詞書を重ねたものが、右側には「紫式部日記絵巻」の紫式部の絵を素材としています。
なお、「鈴虫」の詞書については、絵の場面とは異なりますが、「鈴虫」の冒頭にあたり、「すずむし」の文字がみられ、また、文字の美しさという点で評価が高いことなどから採用したものです。
「源氏物語絵巻」の「鈴虫」の絵と詞書及び「紫式部日記絵巻」に描かれている紫式部の絵は、いずれも東京都世田谷区の五島美術館が所蔵しています。
千円(E券)
表面:野口英世
今まで日本銀行券の肖像として選択したことのなかった科学者を採用することとし、また、学校の教科書にも登場するなど、知名度の高い文化人の中から採用したものです。
野口英世の肖像画は福島県猪苗代町の野口英世記念館所蔵の写真を素材としています。
裏面:富士山と桜
1万円券、5千円券のテーマ(鳥・花)とのバランスを考え、風景を選択することとし、国民にも馴染みがあると思われる富士山と桜を採用したものです。
富士山については、本栖湖近くの山の上から、岡田紅陽氏(1895年~1972年)が撮影した写真をベースにしています。