結果の概要
(1) 抽出状況
令和２年４月中に請求を受けた明細書は、1,287,312枚で、本調査で抽出された調査票は65,956枚、抽出率は5.1％であった（表１を参照）。
(2) 医療機関別受診状況
受診状況を医療機関別にみると、組合員・被扶養者とも保険医療機関を受診する率が高い（組合員96％以上、被扶養者99％以上。表２を参照）。
(3) 請求書の審査決定所要月数別の状況
診療を行った月から請求書を組合支部において審査決定した月までの所要月数別に各医療機関ごとに請求件数割合をみると、直営及び契約医療機関では１月が最も多く、保険医療機関では２月が最も多くなっている（表３を参照）。
(4) 診療行為別の状況
診療種別ごとに診療行為別点数百分比をみると、入院では「包括評価分」（32.6％）、「処置・手術」（29.6％）、「入院」（28.5％）の割合が高く、外来では「検査」（20.8％）、「初診」（13.3％）、「再診」（10.0％）の割合が高く、歯科では「処置・手術」（28.4％）、「歯冠修復欠損補綴」（26.3％）、「医学管理」（13.7％）の割合が高くなっている（表４－ａを参照）。
次にこれを診療種別ごとに過去４年間で比較してみると、令和２年４月において、入院では、「入院」が28.5％（前年度26.5％）に増加し、「処置・手術」が29.6％（前年度32.8％）に減少している。外来では、「在宅」が5.9％（前年度4.6％）に増加し、「注射」が9.5％（前年度11.6％）に減少している。歯科では、「処置・手術」が28.4％（前年度27.4％）に増加し、「歯冠修復欠損補綴」が26.3％（前年度27.9％）に減少している（表４－ｂ及び図を参照）。
また、抽出件数における初診料請求件数の割合をみると、入院では15.1％、外来では41.3％、歯科では38.8％となっている（表４－ｃを参照）。
(5) １件平均診療状況
診療日数、診療費（給付金額）及び診療点数を１件平均でみると、入院では、8.4日、462,483円、46,256.5点、外来では、1.4日、10,458円、1,047.2点、歯科では、1.5日、11,110円、1,112.1点となっており、これを前年と比べると、入院、外来、歯科のいずれにおいてもほぼ横ばいで推移している。（表５を参照）。
(6) 年齢階級別の診療状況
１人当たりの診療件数を年齢階級別にみると、年齢の高い層が多く、60～64歳が1.07件、65～69歳が1.32件、70歳以上が1.32件となっている。
１人当たりの診療点数をみると、55～59歳が1699.4点、60～64歳が2586.9点、65～69歳が4471.5点、70歳以上が3186.9点と、55歳以上の層が高くなっている。（表６を参照）。
(7) 療養期間別の診療状況
診療件数及び点数の割合を療養期間別にみると、療養期間１月以内の割合が高く、期間が長くなるに従って順次低下の傾向にある一方で、療養期間が37月以上の者が一定割合存在する（表７を参照）。
(8) 病類別の診療状況
診療件数、点数及び日数の割合を病類別にみると、入院の件数割合で高いのは、新生物12.6％、消化器系の疾患12.0％等、点数割合で高いのは、新生物19.9％、循環器系の疾患14.6％等、日数割合で高いのは、新生物13.2％、精神及び行動の障害11.5％等である。
外来・歯科の件数割合で高いのは、消化器系の疾患23.9％、呼吸器系の疾患23.7％等、点数割合で高いのは、消化器系の疾患26.4％、呼吸器系の疾患16.0％等、日数割合で高いのは、消化器系の疾患25.4％、呼吸器系の疾患22.9％等である（表８－ａ－1、2を参照）。
また、診療件数及び点数の全体に対する割合の高い病類上位５種を件数割合についてみると、消化器系の疾患、呼吸器系の疾患、皮膚及び皮下組織の疾患、眼及び付属器の疾患、循環器系の疾患が占めており、点数割合についてみると、消化器系の疾患、呼吸器系の疾患、新生物、循環器系の疾患、筋骨格系及び結合組織の疾患が占めている（表８－ｂ－1、2を参照）。
(9) 点数階級別の診療状況
組合員について診療種別ごとに点数階級別の件数百分比による診療状況をみると、入院では、90,000点以上が13.7％と高い割合を示している。外来では、600点未満までに全件数の約半数が分布しているが、300点以上400点未満(11.3％）、400点以上500点未満(17.5％)が特に高い割合を示している。歯科では、900点未満までに全件数の約半数が分布している一方で、1,200点以上から2,000点未満が比較的高い割合を示している（表９、ａ、ｂ、ｃ、及び図を参照）。
正誤情報
なし
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