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第4回 急増する少額輸入貨物への対応に関するワーキンググループ(令和7年11月17日)議事要旨

1.     日時 令和7年11月17日(月)16:00~17:30

2.     場所 財務省第3特別会議室(オンライン併用)

3.     出席者 

(関税分科会委員)注:◎は座長

阿部 克則    学習院大学法学部教授

内山 智裕    東京農業大学国際食料情報学部教授

大橋 弘     東京大学副学長・東京大学大学院経済学研究科教授

木村 旬     (株)毎日新聞社論説委員

木村 福成    慶應義塾大学名誉教授・シニア教授

古城 佳子    東京大学名誉教授

佐藤 英明    慶應義塾大学大学院法務研究科教授

杉山 晶子    東洋大学経営学部会計ファイナンス学科教授

高橋 裕子    (一財)消費科学センター企画運営委員

田邊 國昭(◎)   東京大学大学院法学政治学研究科教授

田村 善之    東京大学大学院法学政治学研究科教授・北海道大学名誉教授

樽井  功     (一社)全国農業協同組合中央会副会長理事

手塚 広一郎   日本大学経済学部学部長・教授

野原 佐和子   (株)イプシ・マーケティング研究所代表取締役社長

樋口 容子    (公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会副会長

松島 浩道    (一財)大日本蚕糸会会頭

山口 博臣    日本労働組合総連合会経済政策局長

若江 雅子    朝日新聞東京本社編集委員

(オブザーバー)

岩水 満       株式会社国際エキスプレス 専務取締役

今野 孝一    (一社)日本通関業連合会 専務理事

坂本 瑛子    楽天グループ株式会社 政策渉外部 デジタル政策課 シニアマネージャー

佐々木 勝也   DHLジャパン株式会社 カスタムズ&レギュラトリー アフェアーズ シニアマネージャー

松田 友加里   アマゾンジャパン合同会社 渉外本部長(物流、製品コンプライアンス)

松本 義則    フェデラルエクスプレスジャパン合同会社 顧問

宮澤 恭一    ヤマト運輸株式会社 通関管理室室長

                                           (敬称略、五十音順)

(財務省) 中澤大臣官房審議官、大関総務課長、三浦関税課長、藤中業務課長、井田監視課長、坂本事務管理室長他

4.     事務局より中間とりまとめ(案)について説明を行った後、委員・オブザーバーから意見等を伺った。

主な意見等は以下のとおり。

(水際取締り)

・ 適正な業務運営に取り組む事業者に対する直接的なベネフィットの拡充のみならず、悪質な通関業者に対する抑止力を働かせることによる間接的なベネフィットの提供もしっかり行っていただきたい。

・ BtoCによる貨物を取り扱う通関業者に対して、年に一回のスクリーニングを実施することや株主・資本状況に着目して規制をかけること等により、厳しい監視体制をとるべきではないか。

・ 現状は、保税地域に対する処分が非違の内容に応じて算出された点数に基づいて決定されている。BtoCによる輸入の増大に併せて、対応を見直す必要があるのではないか。

・ プラットフォーム事業者は、一般的に、販売者による国内消費者との売買契約や運送業者との配送契約に関与しておらず、販売者とは商品の売買や輸入取引への関与の度合いが異なる点に留意いただきたい。

・ 今後の当局との協力においては、プラットフォーム事業者に一定の負担が生じる。国外の事業者を含めた全てのプラットフォーム事業者に対する適切な執行の確保及び、問題のあるプラットフォーム事業者の行動変容を促すような制度設計をお願いしたい。

・ プラットフォーム事業者が関税関連法令で法的に位置づけられておらず、税関との間では、協力ベースの連携が想定されている点が懸念。EUのみなし輸入者のように、プラットフォーム事業者にも通関上の責任を負わせる方向での検討も行っていただきたい。

(課税制度)

<消費税に係る少額免税制度>

・ 国税当局に対するプラットフォーム事業者等の登録については、任意ではなく義務にすべき。任意とした場合、登録をしていないコンプライアンス意識の低いプラットフォーム事業者等の貨物のみを扱う通関業者が発生する懸念がある。

・ 消費税は、消費者からは商品代金に含まれて見えるものであり、1万円以下で販売時の課税か否かを分けることに理由を見出せない。1万円以下に限らず全ての通販貨物において、プラットフォーム事業者が納税する形とするのはどうか。

<関税に係る少額免税制度>

・ 国内産業を保護する必要のある品目は既に本制度の適用除外とされているほか、本制度が適用され免税となっている貨物には、EPA税率等が無税になっている品目も含まれているように思う。

・ 日本におけるECの総売上(約15兆円)に対する少額免税が適用された貨物の輸入額(約4,300億円)は約3%であり、国内産業への影響の程度は、今後議論する余地があるのではないか。

(注)ECの総売上は、経済産業省「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」

少額免税が適用された貨物の輸入額は、政府税制調査会 第2回 経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合(2025年5月13日)資料

・ 将来的には本制度を撤廃するように見えるとりまとめの記載ぶりを懸念。免税基準の引上げも排除せず議論すべき。

(包括的な事項)

・ 通関業者は輸入申告等を代理・代行する立場との考えであるが、現状は関税等の納付も付随して行わざるを得ない。通関業者から納税を切り離すことを検討いただきたい。

・ 税関が対象を絞って効果的な水際取締りを行う方向性に賛同。スマート税関構想の関連施策により、人ではなく技術で対応できる業務を整理し、業務の性質に応じて人員を適切に分配する観点も必要ではないか。

・ NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)について、利用者との接続をメール処理方式ではなくAPI連携とするなど、将来的には、基本設計を全体的に見直していただきたい。

問い合わせ先

財務省関税局関税課

電話:03-3581-4111(内線5277)