1日時令和7年6月16日(月)14:58~16:51
2場所財務省第3特別会議室及びWEB会議
3出席者
(懇談会メンバー) | ||
江川雅子 |
成蹊学園 学園長 |
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翁 百合 | 株式会社日本総合研究所 理事長 | |
田中直毅 |
CIPPS 理事長 |
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田中 弥生 |
元会計検査院長 東京大学 客員教授 |
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田辺 国昭 |
東京大学大学院法学政治学研究科 教授 |
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広瀬道明 |
東京ガス株式会社 相談役 |
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山本清 |
東京大学名誉教授、 |
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座長吉野直行 |
慶應義塾大学名誉教授、金融庁金融研究センター顧問、 |
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(敬称略、五十音順) |
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(財務省) 新川事務次官、坂本官房長、藤﨑審議官、宇波主計局長、田原主税局審議官、高村関税局長、窪田理財局長、土谷国際局長、小宮財務総合政策研究所長 |
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(国税庁) 奥国税庁長官、中村国税庁審議官、松代監督評価官室長 |
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(事務局) 渡邊政策立案総括審議官、佐藤政策評価室長 |
4議題
(1)令和6年度財務省政策評価書(案)について
(2)令和7事務年度国税庁実績評価実施計画等(案)について
5議事録
少し早めですけれども、皆様おそろいだということですので、ただいまから第83回財務省政策評価懇談会を開催させていただきたいと思います。
今回も前回と同様に対面とオンラインの併用のハイブリッドとさせていただいております。オンライン参加の方々に関しましては、音声が聞こえにくいなど何かトラブルがございましたら、事務局まで御連絡いただきたいと思います。
秋池委員は少し遅れての参加とお伺いしております。スケジュールの関係で残念ながら参加できないことになるということもあり得るということです。
それから、財務省側からは宇波主計局長、坂本官房長が30分ほど遅れての参加となる予定です。その間は主計局の中山次長に御参加いただいております。
今回も傍聴の皆様がオンラインにて御覧になっていらっしゃいますので、よろしくお願いいたします。
それでは、資料の説明に入る前に事務局から、渡邊政策立案総括審議官、お願いいたします。
○渡邊政策立案総括審議官
よろしくお願いします。
開会に先立ちまして、事務局から2点お伝えいたします。
まず、今回から元会計検査院長で東京大学客員教授の田中弥生様を新たに委員にお迎えすることになりました。最初ですので一言御挨拶いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○田中弥生委員
ただいま御紹介にあずかりました田中弥生と申します。今年3月まで会計検査院長を務めてまいりました。財政を執行面から見るという非常に貴重な経験をさせていただいておりまして、そこでの経験が少しでもこちらのほうでお役に立つことができればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○渡邊政策立案総括審議官
田中委員、ありがとうございました。これからよろしくお願いいたします。
事務局からもう1点でございます。これまで長きにわたってこの懇談会の委員を務めていただきました阪急電鉄株式会社会長の角和夫様が4月26日に御逝去なされました。この場をお借りして、これまでの懇談会への御尽力へ感謝の意を表するとともに、謹んで哀悼の意を捧げます。
事務局からは以上でございます。
○吉野座長
どうもありがとうございます。私からも、角和夫委員がいろいろなところで民間の御経験から財務省のいろいろな政策に対して御意見を頂けましたことは非常にすばらしかったと思います。心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
また、本日から、先ほど御挨拶いただきました田中弥生委員に加わっていただきますので、ぜひこれまでの御経験からいろいろお考えになるところを率直にお話しいただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議題に入らせていただきたいと思います。財務省の令和6年度政策評価書(案)、それから国税庁の令和7事務年度の実績評価実施計画(案)の2つでございます。一括いたしまして渡邊政策立案総括審議官から御説明をお願いいたします。
○渡邊政策立案総括審議官
それでは、初めに財務省の令和6年度政策評価書(案)につきまして、資料1の概要ペーパーに沿って御説明いたします。資料の右下に通しでページ番号を付しておりますが、3ページからとなってございます。
4ページでございます。令和6年度における財務省の政策目標の体系図に目標ごとの評定を括弧書きで付記しておりまして、昨年度と異なる評定は黄色を付してございます。
5ページから7ページでございますが、目標ごとの政策評価を前年度と比較した一覧表でございます。前年度と評価が異なる目標については緑色をつけてございます。評定がBとなった目標及び評定に変化のあった目標については、その理由を後ほど御説明させていただきます。
8ページを御覧ください。こちらは評定ごとの集計結果です。6年度においてはSが17、Aが9、Bが4となってございます。
9ページから10ページは令和6年度における財務省の主な取組について、各局ごとに記載したものでありまして、基本的には新たに取り組んだ内容や継続案件で進捗のあったものを取り上げております。お時間の関係から説明は割愛させていただきます。
11ページでございます。こちらは令和6年度の評定が「B 進展が大きくない」となった目標について、評定理由と今後の政策への反映について記載したものでございます。B評定となった目標は合計4つございますので、順番に御説明いたします。
まず総合目標1でございます。財政は、真ん中の評定理由欄に記載がございますように、財政健全化に向けた取組を実施したものの、賃金・所得の増加に向けた施策や物価高への対応等を含む総合経済対策等の影響もあり、我が国の財政状況は極めて厳しい状況が続いていることを踏まえ、Bと評定してございます。右側の政策への反映欄に記載がございますように、このような評価結果も踏まえ、引き続き経済再生を図りながら、歳入・歳出両面において財政健全化に取り組むこととしております。
続きまして、総合目標6、財政・経済運営は各関係府省と連携しながら、経済成長と財政健全化を両立できるよう、骨太の方針等に沿って適切な財政・経済の運営を行ってきましたが、先ほどの総合目標1と同様に、賃金・所得の増加に向けた施策や物価高への対応等を含め総合経済対策等の影響もあり、我が国の財政状況は極めて厳しい状況が続いております。このような状況を総合的に勘案し、B評定としておりますが、評価結果も踏まえまして、引き続き骨太の方針等に沿って適切な財政・経済の運営を行うとともに、自然災害からの復興の加速に取り組むこととしております。
12ページでございます。ここは政策目標でございます。政策目標の1-1でございます。財政の効率化・質的改善は、必要な予算措置を行うとともに、様々な改革努力も積み重ねてまいりましたが、我が国の財政状況は極めて厳しい状況が続いており、今後とも歳入・歳出両面の改革を着実に推進し、歳出構造のさらなる平時化を進める必要があることから、B評定としてございます。引き続き重点的な予算配分を通じた財政の効率化・質的改善を図ることとしてございます。
その下の政策目標1-2、歳入の確保でございます。物価上昇の影響やそれらへの対応が財政に及ぼした影響等については留意する必要があるものの、政策的経費を賄うのに十分な歳入の水準を確保できていないことなどから、Bと評定しております。今後も物価上昇の影響等、足元の経済情勢を踏まえつつ、経済指標や課税実績等の幅広い要素を基に見積りを行うことにより税収及び税外収入の確保に努めることとしております。
13ページでございます。こちらは令和6年度の評定が前年度の評価より低くなった目標について、評定の理由等を記載したものでございます。評定が低くなった目標は2つございますので、順番に説明いたします。
まず政策目標1-4、決算の作成を通じた国の財政状況の的確な開示でございますが、前年度はSの評定だったところ、令和6年度はA評定となりました。これは決算の作成を通じた国の財政状況の的確な開示について、令和6年度においては国会からの早期提出要請に応えることができたため、測定指標の達成度は〇となり、本来sの評価ができるところでしたが、令和5年度歳入歳出決算とともに国会に提出した令和5年度決算の説明において誤りが見つかりまして、国会へ正誤表の提出を行ったことなどを踏まえまして、当該施策の評定を「a 相当程度進展あり」として、政策目標1-4の評定を「A 相当程度進展あり」としたものでございます。
下の政策目標9-1、安定的で効率的な国家公務員共済制度等の構築及び管理についてでございます。前年度はS評定だったところですが、今回はA評定としてございます。令和6年度においては、関係各所との調整に一定の時間を要し、現時点でデジタル完結は実現しなかったものの、デジタル庁との必要な調整やデジタル完結に向けて関係省庁と連携を図り、共済手続の標準化等を進めてきたことから、測定指標の達成度が△となりまして、施策についての評定がaとなったため、この政策目標9-1の評定をAとしたものでございます。
14ページでございます。令和6年度の評定が前年度の評定より高くなった目標について、評定の理由等を記載したものでございます。
政策目標3-3、庁舎及び宿舎を含む国有財産の適正な管理・処分及び有効活用と情報提供の充実でございます。前年度はAの評定だったところ、今回はSと評定してございます。前年度においては、資材価格高騰等の影響により一部の計画を取りやめざるを得なくなり、目標を達成できなかった施策に関する主要な測定指標が令和6年度においては、次年度以降に予定している改修工事を前倒しで実施することなどで目標を達成したことから、達成度が〇となりまして、これにより全ての施策についての評定が「s 目標達成」となったことから、政策目標3-3の評定を「S 目標達成」といたしました。
15ページでございます。理由を付して評価を行ったものでございます。こちらは理由を付して評定を行った目標につきまして評定の理由等を記載したものでございまして、前年度の評定より低くなった目標の説明箇所、政策目標1-4で説明してございますので、内容は割愛いたしますけれども、今後、同様の誤りが生じないよう再発防止に取り組んでまいります。
16ページと17ページは、参考として令和6年度における財務省のデジタル化の取組をまとめてございます。
以上が財務省の令和6年度政策評価(案)の説明となります。
続いて、国税庁の計画でございます。国税庁の令和7事務年度実績評価実施計画(案)等につきまして、資料2の概要ペーパーに沿って御説明いたします。
通し番号の20ページを御覧ください。こちらは概要となっておりまして、令和7事務年度の実施計画では目標に変更はなく、各目標に係る施策について変更はございません。
21ページでございます。令和7事務年度の目標の体系図となります。目標に変更はないことから、前事務年度の体系図を踏襲してございます。
22ページでございます。ここからは今回の計画における施策及び指標等の見直しについて記載してございます。
まずは実績目標、税務行政の適正な執行についてでございます。納税者の方が自身が提出した申告書の内容を確認するには個人情報保護法に基づく開示請求による方法がありますが、所要の手続に手間がかかることや手数料負担が発生することから、こうした納税者に対しては、利便性の観点から申告書等情報取得サービスという制度を利用していただくよう案内してございます。このサービスは、書面で確定申告書を提出した納税者がe-Taxを利用して無料で申告書等の情報を、PDF化して取得できるサービスで、令和4年5月から開始してございます。こうした取組によりまして、今後は個人情報保護法に基づく開示請求件数等が減少し、申告書等情報取得サービスの利用件数の増加が見込まれることから、これを参考指標として新設いたします。
23ページでございます。業績目標、オンラインによる税務手続の推進に関する見直しは4点でございます。まず1つ、上欄の本目標の測定指標の1つであるe-Taxの利用状況等につきましては、令和6年10月に公表したオンライン利用率引上げに係る基本計画を踏まえて利用率の目標設定をしており、令和7年度の目標値を引き上げることとしてございます。
次に、下の欄のキャッシュレス納付の利用状況に関する指標につきましては、国税納付全体に占める件数が多く、特に力を入れてキャッシュレス納付の利用拡大に取り組んでいる源泉所得税に関するキャッシュレス納付の利用状況の推移を参考指標として新たに設定いたします。
24ページをお願いいたします。上の欄の測定指標の1つであるe-Taxの利用満足度につきましては、これまでe-Tax全般の利用満足度をアンケート調査の対象としていましたが、より利用実態に即した測定を行うため、申告手続、納付手続、その他手続の利用場面ごとの満足度を調査し、これらの合算により利用満足度を集計、公表することに変更いたします。また、この見直しに併せて、これまで別の測定指標としていた確定申告書等作成コーナーの利用満足度については、アンケート項目をe-Taxの利用満足度に一本化いたします。
次に、下の欄の一般相談に占めるデジタル相談の割合に関する測定指標につきましては、2年連続で目標値を上回ったため、目標値を引き上げることといたします。
25ページをお願いいたします。業績目標、デジタルの活用による業務の効率化・高度化の測定指標の1つであるオンライン照会可能な金融機関数についてでございます。国税当局では、税務調査等の過程で金融機関に対して預貯金等情報の照会を行っております。オンライン照会可能な金融機関数を増加させるべく測定指標として設定しておりますが、過去の実績値や金融機関等との協議状況を踏まえ、目標値を引き上げることといたします。
次に、参考指標の新設項目である匿名データの提供状況及び公表研究成果物についてでございます。税務大学校では、外部研究者との共同研究の方法により確定申告データを活用した研究を実施しており、令和7年4月から外部研究者に対して共同研究以外の研究についても申告内容等に関する匿名データの提供を開始いたしました。この取組を踏まえて、新たに匿名データの提供状況と研究の成果物の内容を参考情報として掲載いたします。
次に、下の欄の測定指標、モバイル端末の活用の推進につきましては、令和7年7月からデジタル庁が提供する政府共通の業務実施環境、GSSが国税庁においても導入され、現在使用している事務用モバイル端末は順次GSS端末に移行することによって利用する機会がなくなることから、関連する参考指標と併せて廃止いたします。
26ページをお願いいたします。業績目標、広報・広聴活動等の充実につきましては、定量的測定指標の目標値変更が2点ございます。
確定申告の広報に関する評価につきましては、2年連続で実績値が目標値を大幅に上回っているため、目標値を引き上げます。
租税教室等受講者の理解度につきましては、3年以上連続で実績値が目標値を上回っているため、目標値を引き上げます。
次に、業績目標、相談等への適切な対応についてでございます。定量的測定指標である苦情の3日以内処理件数割合につきましては、令和5事務年度の実績評価書において実績値が目標値を下回りました。この実績値の減少要因は、3日超事案の処理件数が着実に減少している一方で、全体の処理件数がそれよりも早いペースで減少しているためでございます。全体の処理件数の減少は、チャットボットなどにより納税者自身で解決できる環境整備が進み、国税当局への納税者からの相談が減少することで苦情に発展する機会自体が減少していることが理由の1つと思われます。今後はこの傾向が続き、実績値が目標値を下回ることが予想されるので、その理由を示すために全体の処理件数を参考指標として新設いたします。
最後に、実績目標、酒類業の健全な発達の促進に関する見直しでございます。日本産酒類の輸出促進のための新規販路の開拓支援を主要な測定指標として、展示会等参加事業者数、セミナー参加事業者数を目標値として設定してございます。展示会等参加事業者数につきましては、行政事業レビューで令和7年、550者を目標としていることを踏まえて、550者に目標値を引き上げることといたします。また、セミナー参加事業者数につきましては、直近3年連続で目標値800を大きく上回っていることを踏まえまして、1,100者に引き上げることといたします。
27ページから29ページは、参考資料として各目標とこれに係る施策の一覧を掲載してございます。
30ページから31ページは、令和7事務年度における税務行政のDX推進に関する取組の概要を業績目標ごとにまとめてございます。
32ページは令和3事務年度以降の施策及び各種指標数の推移を掲載してございます。
以上で国税庁の令和7事務年度実績評価実施計画(案)の説明を終わります。
私からは以上でございます。
○吉野座長
御説明どうもありがとうございました。
それでは、各委員に御発言いただきたいと思いますけども、最初に一言私から、昨今のいろいろな、SNSのいろいろな議論などを聞きまして、私が思っていますことから最初に述べさせていただきまして、皆様から御意見を頂ければと思います。
一部の意見では、国債を幾らでも発行していいんだ、それを日本銀行が買えばいいじゃないか、そういう意見を言う方々、これをプッシュしていたのがMMT理論というものでありまして、実はこのMMT理論というのは私の知る限り、査読付きの論文は1本もなくて、本で書いているだけなんですね。ですから自分たちの意見だけを言っていて、そこで抜けているのは、まず国債を誰が買うんだというのがモデルに入っておりません。それから今度は、じゃお金をどんどん印刷すると、その国のお金の価値が下がってくるわけですから、そうしますと為替が安くなるわけですね。このモデルはオープンエコノミーという、いわゆる為替も含んでいない。ですから今の現状であれば、日本の円がすごく印刷されて、それで為替の円の価値が下がって、為替が安くなって、そして輸入インフレになっているわけですけど、それも入っていないと。
こういうように、いろいろなところで、ある時期にうまくいっていると、それを一生懸命説明しようとする意見がありまして、さらには利子率と成長率を比べるというのをみんなエコノミストの人たちが言っているんですけど、やっとこの論文がMIT Pressから査読付きでちゃんと出ましたので、私の間違いじゃないと思うんですけども、これはアメリカにしか成立しない式でありまして、日本とかギリシャには成立しない。それは国債の需要だけが入っている、利子率と成長率を比べるという式は国債の供給だけを考えて、需要は幾らでもあるんだという、そういう条件で利子率と成長率を比べるというのが出てくるんです。そうでない国は国債の需要がどこまであるかということを入れないといけなくて、そうするとこの利子率と成長率を比べるのは正しくないということが分かりまして、それを発表しましたが、こういうようにいろいろなところで議論されているんですけども、必ずしも正しくない。そういう議論が一部のSNSで拡散しますと、じゃ本当なのかと、こういうことになってしまいまして。やっぱり国債というのは、最終的には誰かが負担しなければいけないものでありますから、そうすると今たくさん発行しているということは、今の世代が負担しないで将来にそれは先延ばしをしているんだと、こういうことを我々は毎日やってしまっているわけですから、それは将来世代に負担をかけないためにも財政の規律をしっかりしていくということが重要ですし、それができるのが国の省庁でいけば財務省しかいないわけですから、ぜひ私はこの政策評価懇談会も含めながら皆さんと一緒にどうあるべきかというのを議論させていただければというふうに思います。
今日は対面の御出席の方々と、それからオンラインの方々が両方おられますが、今回もまず対面の先生方から御意見を頂きまして、それからオンラインで御参加の方々から御意見を頂きたいと思います。オンラインで御参加の方々は、御自分の御発言のときにはミュートボタンを外して御発言いただきたいと思います。お一人5分以内でお願いしたいと思います。
それでは、まず最初に田中直毅委員からお願いしたいと思います。
○田中直毅委員
どうもありがとうございます。この政策評価懇談会のそもそもの趣旨は、各役所が怠慢であったり、あるいは緩みがあるんじゃないかという国民が猜疑心を持った時期がありまして、それを自らの手でチェックしようと、努力目標との間に関連評価をして、それで身を正すというところから来ています。このこと自体は間違っているわけでも何でもありません。しかし現在の国民の関心は、適切な政策が経済実態あるいは社会実態に果たして割り当てられているや否や、これを点検したいという点にある。その分野において国民の立場から観察し、あるいは提案したい。そして熟慮すれば、結果は観察する立場からいくと霞が関の各役所は一番近いかもしれない。一般国民に比べれば、霞が関は政策割り当ての評価における専門家集団である、意見が聞きたいというのが実際ではないか。
では、実態はどうか。戦後80年になろうとしていますけれども、敗戦直後に成立した我々の先輩たちの認識をそのまま受け持ってきているという面があります。なぜか。あの日本軍国主義はなぜ阻止できなかったのか、しかしそれにしてもどうして市場メカニズムはアナーキーで、かつ国民1人1人に対して冷酷なものだったのか。これを何とか克服したいというところから、役所ごとに受益者を一つ一つ認定して、その周りを固める仕組みをつくっていく、これこそが社会の安定化政策という理解だったと思います。歴史的に言うと、これを残差接続と呼ぶことが多いようです。Residual Connectionということの典型と考えれば極めてアナーキーな価格に対して、当時はどう対応したのか。結局国民が失業する、職がない、ということを経験する中で日本軍国主義はそのエネルギーを得たわけですけれども、敗戦の後は、残差接続で、だからあれを否定する、価格メカニズムというのは当てにならないと。何せあれだけの価格下落、そして為替の下落を生じさせた仕組みですから、価格メカニズムの外側に直接政策をほどこして人なり仕事なりを割り当てていくということになった、これが戦後のいわば族議員の発生であり、票と金の固定化につながってきたわけです。
これをもう変えなければという議論はいろいろあったんですが、残念ながら政治構造もこれあり、今日までこれが続いてきているわけです。我々の社会や経済の現状は御存じのように大変厳しいことになってきています。年金の問題も年金支給を充実させようと思えば、将来の厚生年金受給者の何かを剥がす以外にないということになるわけです。普通言葉で言えば先送りをやる。子どもを産もうかなと思う人にとってみると、子どもが当面するであろう将来状況はどうなんだろうかとなる。最初は働き始めて年金拠出者になりますけれども、彼らが年金受給に回ったときには一体どれだけ残っているのか。普通に社会生活を送っている人にはこれは分かることですから、年金の危機はすなわち少子化に直結する。恐るべき少子化のスピードが今続いているわけですが、こういう関連について、政府の中でアサインメント、どういう政策をどう割り当てるかという議論がなされているようには思えない。私は国民の間に政治に対しての不信が広まっているのは間違いないと思うんですが、問題は霞が関の各官庁に対しても、怠慢や緩みのチェックはもちろん重要なんだけれども、目標設定があまりにも行政的な目標設定に過ぎるのではないか。すなわち国民の生活、あるいは社会の在り方についての尺度づくりへと結びついていないという感触が広がっているんだと思います。
現実はどんどん厳しくなってきています。例えば我が国で国債の発行、どんどん続けているわけですけども、御存じのように非常に多くの地銀のバランスシートが圧縮され、小さくなっている。金利がつく時代になりましたから、預金を集めて貸出しを増やしたい、収益動機からいけば銀行は当たり前のこととしてそれがある。しかし現実には預金が減る、結果としてバランスシートを圧縮する。国債をかつては保有していたけれども、国債を新たに保有するゆとりはない。あるいはバランスシートの圧縮に従って国債の保有額を減額するということが現実的に起きています。こういう状態の中でも国債の発行にストップがかかりそうにもない。国の財務残高とGDP比で言えば、とうの昔から日本はヨーロッパの沖合にある国だとするとEU加盟なんかできるわけがないという数値をずっと記録しております。理財局にも、今や借換債のみならず、新発債についても、どういう金利に落ち着くのか、分析を続けておられると思いますけれども、容易ならざる国のファイナンスに関わって金利変動という形で足元に問題が起きています。
我々はそういうことからいくと、厳しい現実が幾つかあるといわざるをえない。例えば小学校で実質上の栄養不良といいますか、十分食が得られていないとおぼしき子どもが7人に1人は平均的にいる、そういうデータもありますから、1クラスに5人ぐらいは小学生・中学生でお腹を空かせて、食べるものにも困っている人たちがいる。必要な人にお金を給付するというのは戦後の日本の国の在り方として当然なんですけれども、ところが無差別にお金を配布する。一体どこを見て政策は行われているのかという疑問を多くの国民が今や持っている。ですから我々は、政策評価について努力目標を役所ごとに掲げて、その充実具合をチェックするというのはもちろん重要なことなんですけれども、それはあまりにも初歩的な話ではないかと。もっと本来的に向き合うべきことがあるにもかかわらず、それに対応していないという国民からの批判を我々はこういう委員会でどう受け止めればいいのか。私はそこまで我々が追い込まれている。だから、どういうアサインメント、具体的な政策の割り当てをどうやって提案できるのかという、それが問われているところまで来ていると思いますので、こういう席で申し上げる機会を与えられたことを大変ありがたく思っておりますけれども、歯を食いしばって、ここは具体的な政策割り当て、アサインメントの問題に取り組まなければいけないと一研究者として思っております。
以上です。
○吉野座長
田中直毅委員、ありがとうございました。
それでは、田中弥生委員、お願いいたします。
○田中弥生委員
ありがとうございます。私、今MMTの御議論がありましたけれども、そこから発展して今起きている財務省解体デモですね、これを中心に申し上げたいと思います。実際に解体デモでは、国債をもっと発行しろと主張している声も聞こえているというふうに聞いております。ただ、これは財務省のみがターゲットになっているというよりも、社会への不安やこの社会のポピュリズム化の1つの象徴であって、ほかの省庁で起こってもおかしくない現象だろうというふうに私は認識しています。
こういった運動というのは今多くの国でも起こっていますけれども、そうした中で最も気になるのは、メディアと知識層がサイレントであるということです。メディアの方々と非公式に話をする機会があったんですけども、SNSを通じて主張をする者に対して、真っ向から戦ってしまうと社としてのスタンスが問われてしまうのでということで口を濁していらっしゃって、沈黙を維持されている。恐らく多くの知識層も程度の差こそあれ、同じような態度をとっていないかと思います。
大変手前味噌な話になりますが、私の恩師であるピーター・ドラッガーはユダヤ人で、そして筆の力でナチスと戦っていた時期がありますが、そのときに、このとき20世紀最大の罪は知識層が黙っていた「無関心の罪」であると指摘しています。今も同じような問題が起こっていないかと思います。
その上で、財務省はこれからどういうふうにアクションをとっていけば良いのかということも考えました。財務省はいろいろな広報をされていて、会計検査院もそこから学ばせていただいた点がとても多かったのです。ただ、評価書にも書かれている使命に、「納税者としての国民の視点に立ち」というところに立ち返りますと、まだ努力の余地があるのではないかと思います。確かに子ども向けとか、いろいろな層に対してアプローチをしているのですが、肝心の知識層、ここは所謂、学者や財界人と呼ばれる人だけでなく、たとえば管理職層も含みますが、これらの層に対してどうでしょうか。私自身が会計検査院長のときに苦労したのはメディアを通じた広報活動でした。テレビに生出演をして説明をしたときに経験したのですが、いわゆる知識層と言われている視聴者の方から、「初めて知ったとか、税金の使い方についてそのようなことがあるとは知らなかったとか、もっと知りたかった」という声が寄せられました。ただ、テレビ出演の際、会計検査結果を説明するために、TV局と何度もやり取りをしまして、相当言葉を崩して説明をしましたが、そうしないと知識層の方でも通じないことも分かりました。そういう意味で、ターゲットをある程度知識層に絞る、そこにより分かりやすくアプローチをしていって、その方たちの意見や声が表に出ていくような努力というのを工夫してみてはどうかと思います。今、一番サイレントで、恐らくマジョリティはその層ではないかと思いますので、デモに立っている方というよりも黙っている方に丁寧に説明していく必要があるだろうと思います。
以上です。
○吉野座長
御意見ありがとうございました。
それでは、広瀬委員、お願いいたします。
○広瀬委員
ありがとうございます。まず6年度の評価ですけれども、政策目標のうち、5年度から低くなったものが2つ、逆に高くなったものが2つありました。低くなったものは、厳正に評価した上で次の改善につなげようと。逆に高くなったものは、その改善効果が表れて今回リカバリーができたと、こういうことだというふうに理解をしておりまして、そういう面ではこの評価制度が一定程度有効に機能しているなと私は前向きに受け止めさせていただきました。
次に、総合評価ですけれども、これは財政に関するところが大変厳しい評価になっております。しかもこれが数年ずっと変わっていないと。今お話がありましたとおり、財政というのはまさに国家の根幹を成すものですから、これが長期にわたって厳しい評価ということは、とりも直さず国家的な大変大きな問題であるということかなと思っております。先ほど田中(直毅)先生のお話からしますと、いわゆる行政評価ではあるものの、結果としてこれは政治評価につながっているということで、そういう警鐘をここで感じ取るというか、ここでそういったものが改めて認識をされるということかなと思っております。
話は変わりますけれども、来月、参議院選挙があります。3年前、今となっては相当昔のような気がしますけれども、参議院選挙が終わったときに、黄金の3年間と言って、しばらく国政選挙がないのでじっくりと財政再建できるのではないかというふうなことをここでも申し上げたと思いますし、多くの人がそういうふうに期待したわけですけれども、結果として、これは必要だったのかもしれませんけれども、少子化対策とか防衛力強化とか、そういった新たな政策、あるいは、にわかに選挙モードになってエネルギーの補助金など、そういったことがありましたし、結局、昨年の選挙によって少数与党になって、今はそれぞれの野党の看板政策を取り込まざるを得ないと、こういう状況かなというふうに思っております。
そうした経過を経て、今また参議院選挙がめぐってきたわけですけれども、相変わらず与野党がアピール合戦というか、そうした動きになっているわけですけれども、ただ、私は少し安心するというのは、最近世論調査などを見ると結構一般国民のほうは冷めているというか、冷静に見ておりまして、財源をどうするんだと、こういう声がだんだんと出てきておりますので、そういう面で今いろいろな動きがありますけれども、多くの国民はそれなりに実態を理解し、そんな甘いことにはならないんじゃないかなというふうな気がしております。
そういう面で、これは1つお願いというか、要望ですけれども、せっかく財政に対する世の中の関心が高まってきたわけですから、ぜひこのムードを、今までも地道にやっていただいていると思いますけれども、PRというか、マスメディア、あるいはSNSなどを通じて財政についての発信を引き続き強化していただきたいと思っております。
1つ質問というか、心配なのは、これも先ほど出ておりましたけれども、今後の国債の発行・消化についてであります。これから日銀の購入がだんだん縮小されると。ただ、そのペースはいろいろ言われておりますけれども、いよいよ来るべきものが来るのだというふうに我々はどうしても身構えるわけですけれども、日本国債の評価が落ちると、当然それは民間のファイナンスまで影響してきますので、私どもとしては、あるいは経済界としては、大変これは心配をしているところでございます。
そういう面で、これから国債のマーケット、新たなマーケットを例えば個人まで広げるとか、いろいろなアイデアがあると思うんですけど、少しそういったことが検討されていくのかどうか。あるいは、去年、私この場でグリーンボンド、非常に頑張っていただいているというお話をしましたけれども、最近、世の中的に若干逆風が吹いているようでありますので、その辺の状況ですね、国債についての議論が非常にここに来て出ておりますので、そういった国民の声というか、心配があることについてはぜひ御認識していただきたいと思います。
ただ、2~3か月前ですかね、NHKで財務省の皆さんが非常に苦労されている特集がありまして、あれは結構、財務省にしてはうまくメディアを利用して、非常にインパクトがあったのではないかなと。ただ、ちょっと心配だったのは財務省のオフィスがあまりにもみすぼらしいオフィスで、外資系の金融機関のオフィスは本当にきれいな立派なオフィスなんですけど、あのオフィスで大丈夫かなと思った方もいらっしゃるかと思いますけど、いずれにしてもそういう面で非常に努力していただいているのは分かるんですけど、今後の国債の消化についてどういうふうに努力されているのか、気になるところでございます。
最後に、国税庁の計画について、特に異論はありませんけれども、1点、所得税のオンライン目標、75%から78%に3%引き上げるということで、このレベルまで来て3%上げるというのは相当野心的というか、意欲的な目標だと思うんですけれども、何か秘策というか、見通しというか、その辺がどうなのかと。難しくしている1つの理由として、書類添付というのがあると思うんですけれども、最近は医療費控除なんかの領収書は5年間留保するとか、あと、相当な方が今ふるさと納税を始めていますので、その辺の書類の扱いとか、そういったことも含めて、いろいろな改善をしないと75から78というのは相当な目標ではないかなと思っておりまして、その辺いかがなのかなということで、もし何かコメントがあれば聞かせていただきたいと思います。
以上でございます。
○吉野座長
どうもありがとうございます。
それでは、山本先生、お願いいたします。
○山本委員
ありがとうございます。前回は途中で切れまして、十分伝わらなかったので出てまいりました。
まず財務省の政策評価書(案)から申し上げますと、細かい点は除きますと3点ばかりあるんですが、まず財務省全体としての総合評価といいましょうか、全体的にこういうことをやって、こういう結果になったというのが2~3行でポンと打ち出していただいたほうが対国民向けには良いのではないかということが1点ですね。
それと、財政再建というのは非常にネガティブに特に捉える人がいるんですが、なるほどなと今日ラジオを聞いていて思ったんですけど、半分は僕は考え方が違うんですけど、慶應大学の土居先生が財政再建によって得る面もあるのではないかということをお話しされていたんですが、むしろ対国民とか一部の勢力については、財政再建するとこういう良いことがあるんだということを、むしろポジティブな面を主張されたほうが結果的に財政再建は進むような気がいたします。それが1点ですね。
それと、これは田中弥生委員がおっしゃったことにも関連するんですが、実は専門家でも十分知られていないということは、プライマリーバランスの2025、あるいは2026年度黒字化でいいんですよね、例えば先ほど出たようなGXであるとか、あるいは災害復旧等については除外されているわけですね。だから、単純な推計でやると2029年までになるわけなんですが、こういったことはまさしく玄人的にも知られていないことなんですね。こういう正しい情報というのは、きちんと主張すべきは主張したほうがいいんじゃないか。それと財政教育に若年層に対してきちんとやるという、これは非常に重要なことなので、ぜひともこの評価書の中においても、実施状況と効果について記述をしていただくと有難いなということがあります。
国税庁の評価計画については2点ございます。国税庁は非常にDX、デジタル・トランスフォーメーションに御熱心であるということは私も高く評価しておるんですけれども、デジタル利活用の税務執行の効率化・高度化、これが書いてあるんですが、具体的にどのようにされるのかということについて、ちょっとよく分からなかったということでございます。とりわけデータを抽出・加工・分析する場合に、徴税以外のデータをどうやって入手されるおつもりなのか、そういうふうなのが確かに手に入れば、マッチングとか分析すれば税務執行の効率化になると思うんですが、そこら辺、なかなかマル秘になるかもしれませんが、支障がない範囲で、こういうことは公表しているんだということはむしろ積極的にアピールしていただいたほうが良いのではないかということであります。
それと、私ちょっと気になっておりますことは、国税モニターのアンケート調査を使った一部評価指標があるんですけれども、よくよく見ておりますと、国税モニターの層のかなりの層はオピニオンリーダーの方が入っているということらしいんですけれども、これは国税モニターの調査結果をどう活用するかということにも関わると思いますが、場合によってはオピニオンリーダー以外の、まさしく一般の国民の方のほうがいい場合もありますし、あるいはオピニオンリーダー的なことに特化したほうがいい場合もあるだろうと思いますので、ここら辺は、もし可能であれば将来に向けて御検討いただければありがたいと思います。
もう1点、財務省解体デモへの対応について私も非常に気になっております。逆に言えば、先ほど、広瀬委員からもお話があったように、財務省は従来から、いわゆる大手のマスコミ対策というのは割合上手にされておられるのではないかと。多分、検査院よりは上手にされているのではないかという気がしております。むしろ、今まさしく変な国債発行であるとか、税の控除等どう対応ということから言えば、2点、私はあると思うんですね。
1点目は対政治、あるいは対一般の国民へのコミュニケーション能力をもっと、あるいはチャンネルをもっと増やしていくことが重要だろうと思います。財務省は一定の、確かに田中弥生先生によるとまだ不十分だということらしいんですけれども、一定の知識層に対するそれなりの財政当局からのコミュニケーションはされていると私は評価しておるところなんですが、むしろ足りないのは、まさしくSNS依存型の一般国民へのコミュニケーション能力を高めていただきたいというのが1点。
それと、新しく入る方への対応というのも重要で、今の時代ですと、座長がいつもおっしゃっておられるように、非常に優秀なポテンシャルを持っておられるし、いわゆる地頭というんですか、それが非常にすばらしい方であるということは私よくよく承知しておりますが、もう少し政策立案・分析のテクニカルな面というふうな層ももうちょっと入れられたほうが、これから勝負ですから、いいのではないかという気がしております。
以上でございます。ありがとうございます。
○吉野座長
山本委員、どうもありがとうございました。
それでは、リモートの江川委員、お願いいたします。
○江川委員
どうもありがとうございます。先ほど御説明いただいた財務省の政策評価、それから国税庁の計画、共に賛同いたします。特に国税庁のDX化というのは着実に進めていただいておりますけれども、やはり全体の効率化という面からも大切だと思いますので、さらに力を入れていただければというふうに思います。
私から3点申し上げたいと思います。1点目は財政健全化で、ほかの委員もおっしゃっておりますけれども、やはり今、超長期の国債の利回りが上がったりして、市場も不安定になってきていますし、日銀も徐々に国債を減らしていかなくてはならないですし、この健全化の問題というのは本当に喫緊の課題と考えております。その観点で問題意識を持っているのが補正予算で、いつも規模ありきみたいな感じで、本予算に比べるときっちりした議論がないまま、チェックも甘いまま決まっていくということを非常に憂えています。補正予算というのは後からの検証もしにくいとか、いろいろ課題があるように思うので、仕組みそのものも含めて、財政健全化に資するように見直していただけるようにしていただきたいと思います。
2点目は政策の執行方法についてお話ししたいと思います。数年前にこの懇談会のときに、政策を実行するのに結構手間暇がかかる、例えば補助金などで手続が面倒くさいとか、それは補助金を受け取るほうも面倒くさいけれども、実際にそれを担当している役所のほうも相当手間がかかっているので、そういった政策の執行方法の効率性ももっと、コストを見える化したほうがいいんじゃないかということを申し上げた覚えがあります。その後、私も会計検査院の懇話会に出るようになって、国の予算や政策について理解が深まって、2つ問題があると思っています。
1つは再委託の問題で、以前、経済産業省の持続化給付金の関連で、9次にわたる再委託が行われて、延べ700社以上が関わって、再委託比率が9割を超えていたということが報道されておりました。例えばその問題は、まだ解決していなくて、今年の会計懇話会の資料を先立って見たんですが、現在もその問題が解決していないと。つまり再委託比率が原則として5割を超えない、超える場合には理由を確認するとか、そういうルールが定められているにもかかわらず、それがしっかり守られていないということが私は問題だと思います。ルールを守っていないところは、例えば予算を大幅に減額するとか、そういった対応も含めて、きちっとルールを守っていただくようにしていただきたいと思います。
2つ目はインフラの問題で、コロナ禍以降、給付金がたくさん出されましたが、それを実際に市町村が配ったりするときにいろいろなミスが生じてしまったり、どうしてもマイナンバーカードがうまく使えなかったりとか、いろいろな不都合が生じて、それがまた批判されております。それから市町村でも相当な数の自治体で、負担が大きくなっているということも見聞きしています。ですから本来であればマイナンバーカードをうまく使って、プッシュ型で給付が効率的にできる体制を整えることが本当に大切で、それにプライオリティを置いて、それができない場合はあまり給付金を出さないようにするとか、そういうふうにしないと政策執行にお金がかかるばかりで、真水の部分が減ってしまうというのが懸念点です。
3点目が予算の配分ですが、それに関して2つ気になっています。1つはこれから人口が減っていく中で、戦後つくられたインフラがどんどん老朽化していて、実際に水道だとか道路だとかトンネルだとか、いろいろなところで事故が起きたり、多くの問題が生じています。ですからそれをしっかりメンテするということに計画的にやっていくのを最重要課題にすべきだと思っております。必ずしも必要と思われない新しいインフラ、例えばリニア新幹線みたいなものは思い切って見直すとか、プライオリティ、めり張りをつけるということを考えていただきたいと思います。
もう1つは未来世代への投資を増やすべきだということです。教育の現場に身を置いておりまして気になるのが、よく言われておりますけれども、日本は教育に対する公的支出が8%で、OECDの12%を大きく下回っていますす。例えば奨学金もJASSO、日本学生支援機構が出している奨学金というのは、給付型が15%しかなくて、ほとんどが貸与型で、ですからローンですよね、それが取り立てが問題になったり、自己破産が問題になったりしています。結果的に教育格差、経済格差を拡大する方向になっていると感じますので、そういった未来世代への投資もしっかり考えていただきたいと思います。
最初に座長がおっしゃいました財務省に対する厳しい見方というのは、私も本当に気になっています。もちろんマスコミへの対応とかSNSの対応も重要だと思いますが、今、私が申し上げました特に政策の執行方法のいろいろな無駄は、マスコミで報じられて、国民も気になっているところだと思いますので、そこをしっかりやっていただくのがあらゆる人にアピールできる材料になるはずだと思います。
以上です。
○吉野座長
ありがとうございました。
それでは、リモートの翁委員、お願いいたします。
○翁委員
それでは、意見を申し上げさせていただきます。財務省の政策評価書については、今回特に大きな異論はございません。政府税制調査会の専門家会合が昨年からかなりEBPMに熱心に取り組むようになりました。要求省庁、所管省庁と財務省と専門家の間でしっかり議論が始まっていて、EBPMの手法についても改善を目指して、より公正で効果のある税制にしていくというような、そういった議論が始まっております。例えば研究開発税制などの法人税等の租特とかを取り上げて議論をしておりますけれども、こういった議論を通じて、それが公表されることによって、そうした税制がどのような効果が出ているか、どのようなデータ分析がさらに必要なのか、こういった議論が深められること自体は非常に重要であると思います。ここでも深めることも大事ですし、ほかの分野でも、こういったEBPMをさらに広げていくということは、とても大事なのではないかと考えているという点が1点目です。
2点目は、先ほどの江川委員の御意見に類似しているんですけれども、今回の選挙でも給付の議論が政府・与党のほうから出てきまして、これに対して随分いろいろな意見が出てきております。千葉県の熊谷知事なども、自治体職員の事務負担も含めて正面から問題提起をしておられます。減税と比較した場合に、確かに所要財源というのは小さいのかもしれませんが、こういった一律の給付についての批判は非常に大きく、真に必要な対象者を絞り込むことができていないという今の執行体制を少しでも改善していく努力が必要だと思っています。公平・効率の観点からも非常に望ましいと思っております。これはコロナ禍の一律給付のときから議論されていることですけれども、システム面での改善ができていないということについて大きな問題意識を持っております。
今後、大きな方向としては、現状では生活保護を上回る低所得の勤労者世帯向けの支援が不十分でございますし、また、税と社会保障の一体改革というのは進めていかなければならないので、例えば英国のユニバーサル・クレジットのような仕組みということも考えていかなければいけません。また、いざというときに迅速にマイナンバーと結びついた銀行口座に国が迅速に給付できるという仕組みも整えていかなければならないのではないかと思っております。これは省庁横断的な取組も必要ですけれども、やはり少しでも前に進めていくということが大変重要だと思っておりまして、こういった取組について財務省としてリーダーシップをとって、ぜひ目標に掲げていただけないか、御検討いただきたいと思っております。
次の財務省についての厳しい見方については、前回の懇談会でも申し上げたんですけれども、やはり財政健全化という総合目標を財務省が大事に考えていることは比較的認識が広がっているんですけれども、財務省には、それをもって健全で活力ある経済、安心で豊かな社会を実現するという一段上の使命があるわけなので、その財務省の使命と総合目標がいかに結びついているかということを丁寧に説明していく必要があると思っております。低所得者の若年層とか就職氷河期の方々、こういった方々の不満が大きいと思っていますけれども、そういった人たちの声も受け止めているんだという、そういう姿勢が見えることも大事であり、プライマリーバランスの黒字化という目標に関しましても、どういうふうにそれが豊かな社会に結びついていくのかということを分かりやすくどう発信できるか、さらに工夫していくことが必要だと思っております。
先ほども御指摘ございましたけれども、超長期の金利も上がってきておりますし、日本銀行の国債購入の減額が進み、生命保険会社などの長期国債の需要も一段落するということで、どうしてもこれから巨額の国債の買い手が海外により依存するというようなことになってくる場合のことを考えますと、やはりそういうメッセージについても、国債の消化を考えると大変難しい状況にあるということも含めて、分かりやすく発信していくことが大事だと思っております。
少し前に「NHK特集」で財務省に取材が入りまして、非常に分かりやすい報道が出ていて、よかったと思っております。財務省の理財局と、それから大変厳しい見方をしている海外投資家との面談が放映されていまして、海外からの率直な日本の財政に対する不安が聞こえてきましたし、また、それを丁寧に説明しようとする理財局職員の方々の姿勢というのも伝わってきました。いずれにせよ、いろいろな形を通じて、より工夫した発信とか相互のコミュニケーション、対話、こういったことを続けていっていただきたいなというふうに思っております。
最後に、国税庁については、デジタル化を進めていくという方向の取組になっていて非常に良いと思っております。この中に、税についての仕組みの分かりやすい発信をよりデジタル化でやっていくという目標が掲げられているわけなんですけれども、今回のいろいろな一連の壁の議論などを通じて、いかに税制が複雑なのかということを多くの一般の方々は改めて感じられたんじゃないかなというふうに思っております。より制度自体を分かりやすく簡素なものにしていくという努力も必要なんですけれども、それを分かりやすく発信していくということ自体も大事で、デジタルでのアクセス数が広がるということを通じて、全体として税の仕組みの分かりやすい発信というのはどのぐらいできているのかということについても、よく見ていっていただきたいなというふうに思っております。
以上でございます。
○吉野座長
翁委員、ありがとうございました。
引き続きまして、田辺先生、お願いいたします。
○田辺委員
田辺でございます。何点かコメントさせていただきたいと思います。
評価のところでございますけれども、本年度は財政健全化に対してかなり厳しい評価というか、厳しい目が入っているなという感じがいたします。2025年度という目標がちょいと難しいというので、2026年のほうに持っていくようでございますけれども、これを含めて財務省としての厳しい自己規律というか、自己評価が出ているんだろうなと思ったという次第でございます。
配分のところで幾つかの効率化というのを図っていかなければならないということで、個別の介入等を行っているようではございます。これに関して、そんなにうまくいっていないよというところの評価も含めて、自己規律を高めていらっしゃるのかなという感じはいたします。
財政のマクロ的な健全化というのも必要ですけれども、もう少し分解していきますと、間違いなく一番巨大な図体で動いているのは社会保障でありまして、ここを簡単にコントロールできないというところの難しさというのはあろうかと思います。
国会の中で年金の改革がある程度動くということで、これは私自身は非常に良い方向に向かったのではないかと思っております。ただ、年金というのは負担のほうがお金で、出ていくほうもお金なので、お金とお金の組み合わせというのは割とコントロールしやすいと思っております。これに対して、コントロールが難しいのは、入ってくるほうがお金で、出ていくほうが具体的なサービスになっているようなもの、例えば医療であるとか介護というものに関しては、要するにサービスの体制自体が下手すると壊れてしまう可能性がありますので、結構気を遣って動かされていかないと、あまりうまくいかない。この課題というのは特に少子化というのが急速に進行していきますので、それに伴うサービスの提供体制も恐らく長期的には縮小していくのだろうと思いますけれども、一気にやるとつぶれてしまいますので、どういう負担の部分と実際の組織、病院とか介護施設の組織のところを平仄合うようにコントロールしていくのかという問題、まだまだ残っているのではないのかなと思ったという次第でございます。これが財務に関する全体の評価のところです。
それから、国税庁のほうでありますけれども、国税庁のほうも例年、オペレーションを担当していますので、かなりきちっとした、かつやりやすい評価にはなっております。その中でDXを中心に全体の目標値を上げていくということ、それからより使いやすいDXに向けてというところは賛同できる部分であります。
ただ、同じようなDX絡みのことで、マイナカードの保険証という実に評判の悪かった制度に関わっておりまして、そこで今、出てきている問題というのはマイナカードの電子証明書としての期限が5年ごとに切れると。あんなにデジタルなものを何でわざわざ市町村というところまで行って対面で更新しないといけないのだ、何とかしてくれという議論が出ています。これは厚生労働省、要するにマイナカードの保険証だけを担当しているところではどうしようもないところであります。恐らく同じような、落とし穴とは申し上げませんが、ボトルネックというのは国税庁のDXの推進の中でも出てくるのではないか。これはこういうDXを使って、かつそれが電子証明書とリンクしているというような部分に関してもう少し、本人確認というのはある意味難しいのではありますが、デジタルのことはデジタルで処理できるようにしていただけないかなというのが私なんかが感じているところでございます。
より一般的な吉野座長からの問いかけにある種のコメントを申し上げますと、某イギリスの行政学者が行政の価値、一般的な価値って一体何なんだろうといったときに、3つの価値があるということを言っております。1つはエフェクティブネス、有効であること、政府がやることが実際の社会・経済に対して影響を与えているということ、2番目の価値というのは効率的であることであります。3番目の価値が、これが若干わかりづらいんですけれども、一言で言うならば適応という問題であります。要するに適応できなくて、政策が硬直化してしまう、行政が折れてしまう、組織が折れてしまうというのではなく、変わりゆく社会・経済に対して適切に更新していく、それによってある種のレジリエンスというのを確保していくということであります。
財務省、それから国税庁の評価にせよ、中心はやっぱりオペレーション部分になっていて、他方で国民の関心というのは、むしろ社会環境の変化に適応しているかどうか、「これ古くない?」というクエスチョンになるわけですけれども、これはポリシーに関わる部分なので、直に政策評価の中で扱えるかどうかという問題はございますけれども、やはり財務省という様々な資金であるとか、関税であるとか、いろいろな政策手段の査定を行っている省庁におかれましては、やはりポリシーの見直しというところも不断に呼びかけていただきたいなと思ったという次第でございます。
それから、MMT理論、あれを信じるのはちょっとどうなのと。私自身は経済学者ではありませんけれども、横で見ていて、これは変なのではと誰もが思うところであって、やはりこういうときに頼るべきなのは、なんだかんだいって、メインストリームのきちんと実証された経済学の上に乗っかって物事を運んでいったほうがいいのではないかと思っております。ほぼ同じことは、例えば国際貿易学みたいな、ないしは国際経済学みたいな分野も、アメリカの教科書なんかで書いてあることなどがやっぱり標準だと思いますので、あれから外れることを行うとあまりよろしくないのではないかというように感じているところではございます。
ただ、いろいろな財務省に対する抗議というのが出てくるのは、ある種の信頼感が喪失しているということなんだろうと。この信頼がどこで喪失しているのかというのが今一つ分かりません。財務省だけ、デモをやるんだったら何で経産省の前でやらないんだとか、厚労省の前でやらないんだとか、いろいろなことを感じます。省庁別の信頼感が違うのかなと思うと、どうもそうではないのではないか、むしろ公的な領域に関する信頼感というのが失われつつあるのではないかというような局面、つまり一般的なシステムに関する人々の関心というか、視線が非常に冷たくなっているのではないかと思っております。信頼がないと結局、専門性というところに届かずに、それを生かすという形で自立的な組織運営ができなくなってきますので、結局悪循環に陥る可能性があるということなんだろうと思います。
これに対する対応としては、当然のようにパブリックリレーションズというやり方があるわけですけれども、ただ、アテンションエコノミーとかという言葉が出ていますけれども、割と今のSNS系のメディアというのは非常に、本人の持っているアテンションの方向に合う形で情報を送りつける、見られるようにするということになりますので、ここに力を入れたとしても必要な人には届かないということですし、逆に関心の局所化というのを生んでしまうのではないのかなという感じがしております。
もちろんオールドメディアだけがいいとは、安全だとは思いませんけれども、他方でオールドメディアの筆頭である新聞などを取り上げていきますと、例えば首相の日程みたいな、誰が読むんだというようなものからスタートして、下には週刊誌の広告もありますし、もうちょっとページをくっていくならば海外の情勢もありますし、もうちょっとページをくっていくと大谷がホームランを打った、打たないとかという様々な、関心のなさそうなものを含めて広く横を見渡せるような形での情報提供というのができていた世界があったということなんだろうと思います。こちらに対するある種の生かし方、つまりSNSだけでPRを行おうとすると、なかなか届かないし、あと反感を買うだけという危険がありますので、こういった側面に注意しながら情報の発信というものを続けていただければと思います。
以上、コメントを幾つか申し上げた次第です。
○吉野座長
田辺先生、どうもありがとうございました。
それでは、今日急遽御欠席になりました秋池先生のコメントを読んでいただけますか。
○渡邊政策立案総括審議官
秋池委員からの御意見を代読させていただきます。
まず財務省に関してですが、全体について異論はないと。財務省の目指すものは長期の取組も多く、単年では難しいものもあるが、進捗に向けた取組を期待申し上げる。
国税庁に対してでございますが、異論はない。今後に向けてだが、目標の中には例えば酒造業者が減少していることなど、単年では難しいものもあるが、進捗に向けた取組を期待申し上げる。デジタル化など過去にはなかった変化もあるので、都度適切に織り込んで、現実感があり、かつ社会の変化を前向きに取り組む目標であればと考えている。
以上でございます。
○吉野座長
ありがとうございます。
それでは、最後に私からもコメントさせていただきたいと思いますけれども、幾つかの皆様の御意見を踏まえまして、1つは財政健全化がなぜ良いかというところなんですけども、先ほどから御意見があったように預金が徐々に減り出して、若い人が少なくなっていますから保険の契約も少なくなり、それから年金も出すほうが多くなりますからリザーブが減ってくると。こういう中で、もし国債をさらに買わなくてはいけないとなるとすると、民間に流れる資金が減ってしまう、まさにクラウディングアウトであります。それから金利が上がってしまうと。そういうことを避けることがまさに財政健全化で、なるべく民間に安いお金が流れる、これが必要で、そのためには財政規律がちゃんとしていないといけないというのは1つだと思います。
それから、これで日本の国債がどんどん発行し続けたときに国内消化ができなくなると。そうすると今度は外国人が買わざるを得ないと。そこで格付けが下がると、より高い金利でないと外国人は買ってくれないということになりますから、国債利払い費がどんどん上がってしまうと。それから、外国人はさらにほかの国の国債と比べながら日本の国債を買いますので、ものすごく逃げ足が速いわけです。国内の投資家の場合には円で見ていますから非常にゆっくりなわけですけども、ギリシャが破綻したときもそうですし、アルゼンチンもそうですけども、外国の投資家が増えたことによって破綻してしまったわけですから、それはそういうリスクがないようにするというところかなというのが印象です。
それから、先ほど給付金の話がたくさんございましたけども、これもDSGEモデルでいろいろな財政政策を比較しますと、一番日本で必要なのは生産性向上のためのいろいろな財政支出をする、R&Dとか、それが一番長期的な効果を上げまして、給付金で必要な人以外のところの給付金が一番効果がないと。しかも効果の時間がものすごく短いんですね。だからやはり一番重要なのは、生産性向上のためのいろいろな支援をしていくということが日本の長期にとっては重要というふうに思います。
プライマリーバランスのお話もたくさんありましたけれども、これは1979年の「The American Economic Review」で、プライマリーバランスだけじゃ結局駄目だと。やっぱり国債費がどんどん増えていくわけですから、とにかく早くプライマリーバランスに行って、そこは本当の通過点でありますから、最終的には全体のバランスの財政バランスでないと、これは破綻してしまうということではないかと思いますので、ぜひそれをどういう形で皆さんと一緒に広報しながら普通の方々に分かっていただけるかということだと思います。授業では学生に分かるように説明しているつもりなんですけども。
それから、インフラのメンテナンスの維持補修費のこと、江川委員から御説明がございました。昔からずっとアジア会議だとかインフラのことをやっているんですけども、インフラの問題点は、収入の大半が利用者料金だけからしか来ないということであります。そうしますと、上下水道ですと必需品ですから、収入というのは自ずと安くなるわけです。そうすると維持補修費は出てこなくなる。そうするとどうなるかというと、地方議会の一般会計で4月に、申し訳ないけど少しこっちに維持補修費に回してくれと、こうなりますからなかなか回らない。そうするとこれから、先日の埼玉の事故と同じようなことが多分いろいろなところで出てくるんだと思うんです。
私の当時の研究の論文では、こういう水道事業というのは、その周りの地域にすごく新しい事業が来たり、新しいマンションが建ったり、すごいスピルオーバー効果があるわけです。そうすると、それによって様々な税収が増えていくわけですから、上下水道による貢献分は本当は戻してあげないといけない。それがない限り、維持補修費というのはメンテナンスできないんだと思うんですね。同じようなことが今フランスの新幹線に起こっていまして、フランスの新幹線は維持補修費が全然できていない。このために遅れが相当発生しちゃっているわけです。それは利用者料金だけからフランスの新幹線の維持補修をしようとしているわけで、そうだとしたら、税金といきませんけど、日本の場合にはいろいろな、今JRも駅ビルを造ったり、それからホテルを造ったりして、周りからの収入があるわけで、そういうものがない限り、メンテナンスが難しいというふうに思いますので、これから維持補修費をどうするかと。必要でないところは多分各家庭で、コンパートメントで上下水道の処理をするとか、何かいろいろなことを、特に地方の場合には考えなくてはいけないのではないかというふうに思います。
最後は、国税庁のところですけども、デジタル化をどんどん進めていただいておりまして、良い面が多いとすれば、これが給付金などのいろいろなインプリメンテーションのときに同じようなノウハウが使えるということが重要だと思いますし、更にe-Taxを進めるためにはインセンティブが必要だと思いまして、例えば県別の進捗度を見るとか、いろいろな形でインセンティブをつけていただければ良いと思います。
最後に、デジタル化、e-Taxで人員が少なくて済んだ部分は、ぜひ調査のほうに仕向けていただいて、それで不正なりを摘発していただくと、そういうところを増やしていただければというふうに思います。
以上が私からのコメントでございます。
それでは、少し時間をオーバーしてしまいましたけれども、ただいまの皆様から頂きました御意見、御質問を踏まえまして、財務省と国税庁から発言を頂きたいと思います。
田中弥生委員、どうぞ。
○田中弥生委員
1点だけ。細かいことは後でメモをお渡ししたいと思いますけれども、政策評価の1-4について意見を言わせてください。いわゆる国会に提出した後でミスがあったために、国会提出の早期化に若干支障が出たので、評価を落としますという話です。これは、どのぐらいのミスだったのかということにもよると思いますが、たった1つのミスでSから落ちるというのが私はちょっと腑に落ちません。というのも評価フォーマット自体の課題だと思うからです、アクションとアウトプットの積み重ねの中で、それを足し合わせて1個でも駄目だと、アウトカム目標結果が、Sから一ランク落ちるという仕組みになっていますね。そこの小さなミスと言ったら申し訳ないんですけど、1個のために全体の評点が下がってしまうというのは、私は腑に落ちなかったのです。会計検査院で重箱の隅をつつくような検査はもうやめましょうと言ってきたんですけれども、たった1つで落とすというのは厳しすぎるのではないかなというのが率直な意見であります。
○吉野座長
追加の御意見、ありがとうございます。
それでは、最初に渡邊政策立案総括審議官からお願いいたします。
○渡邊政策立案総括審議官
では、私から2つ申し上げます。1つは山本委員からお話のありました2行程度の概括的なということでありまして、確かにこの大部のものを簡単に説明できるような分かりやすい説明というのは心がけてきたところでございます。その一方で、財務省の政策は予算のほか、国際的な話とか税関とかいろいろありまして、国民の関心度合いというのはその時々に変わるものですけれども、我々からするとどれもが重要だということがありますので、これを簡単にというのはなかなか難しいところがあって、その辺の説明責任の果たし方の関係から検討すべき課題があるのではないかというふうに思ってございます。
それから、翁委員のEBPMに関するものでございます。EBPMは皆様御案内のとおり各施策の有効性を図る大変有効な手法とされております。一方で、財務省の政策評価はもうちょっと大くくりにした政策そのものに対する目標との関係がどうかということで、必ずしもデータがとれるような、予算編成とかデータとかがとれるものではないんですけれども、そういうところで限界はあるんですけど、ただ、個々の事業でそれぞれの政策評価の全体を構成している粒々の部分でできるところがございまして、税のところもそうですけれども、あと、うちでやっている行政事業レビューでも、そのレビューに関してEBPM的手法を入れられないか、そういうところも研究しているところでございますので、そうしたもので入れられるものは入れることによって、この政策評価を充実させていきたいというふうに思っております。
○吉野座長
ありがとうございます。
それでは、田原主税局審議官からお願いいたします。
○田原主税局審議官
主税局の田原でございます。
私からは1点ですが、翁委員から、これは国税庁のデジタル化の文脈でございましたが、税制、非常に複雑なので分かりやすい発信をしていくべきだという御指摘がございました。主税局におきましても、令和6事務年度で税制のパンフレットでありますとか、ウェブサイトでありますとか、メールマガジン、SNS、あるいは講演や説明会といった従来からの取組も引き続き推進しておりますが、本年度は若者世代を中心とした働きかけの強化ということで、アニメーションの動画を作成するなどの新しい取組もやっていますし、いわゆる年収の壁の関係でも厚労省と政府広報室とも協力いたしまして、事業者向けのリーフレットをつくったりでありますとか、あるいはテレビ番組、テレビ広報をやったりとか、こうした取組を進めております。引き続き関係省庁とともに取り組んでまいりたいと思います。
以上です。
○吉野座長
ありがとうございます。
それでは、窪田理財局長、お願いいたします。
○窪田理財局長
国債についてですが、現状、国債は発行・消化に支障が生じるような状況ではないということをまず申し上げた上で、私どもとしては市場と対話を進めて、投資家のニーズを踏まえて、的確にニーズを捉えて年限構成を見直したり、あるいは日銀の買入れ減額といった状況の変化を踏まえた商品の開発、現在は変動利付債の導入や個人向け国債の販売対象の拡大などを検討しているところであります。その際、いろいろな事情にとらわれて、国債の魅力は相当な額を大きな値段の変動をせずに市場で売却ができるという点がありますので、そうした国債の魅力を損なうことのないように検討していくように留意することが重要だというふうに考えております。
格付けについては、大事な論点ではありますが、これは国債当局というよりも財政当局、あるいは日本政府全体が財政状況について関心を有していることを継続的に発信していくことが重要であると思います。そのことは現状認識において立場の異なる人の間でも理解が得られるのではないかというふうに考えています。
○吉野座長
ありがとうございます。
それでは、奥国税庁長官、お願いいたします。
○奥国税庁長官
国税庁でございます。
令和7事務年度の実施計画に関しまして委員の皆様方からいくつか御意見、御指摘をいただきました。大変ありがとうございます。
まず、吉野座長それから広瀬委員、田辺委員からもe-Taxの利便性向上等についてのコメントをいただきました。e-Taxの導入以来、約20年になりますけれども、この間、納税者の皆様の御理解、御協力を頂いて、申告手続に係るオンライン利用率というのは着実に伸びてまいりまして、その結果、直近の令和6年分の個人の所得税の確定申告は74%の方、4人に約3人の方々にe-Taxを利用して申告いただいているという状態でございます。
令和7年度目標値の75%から78%への引き上げについて、でありますけれども、何か達成の秘策があるというわけではないのですが、これは直近の実績や、過去3年間の伸び率などを踏まえつつ、更なる利便性の向上を進めることで達成を目指していくということで、例えば、国税当局においては、これまで確定申告におけるマイナポータル連携の提供、これによって自動入力をする「書かない確定申告」の実現を目指していくといったようなことや、確定申告書等作成コーナーの所得税の画面を全てスマホでも操作しやすいものに改めるなど、様々な利便性向上を進めてまいりました。今後もe-Taxの利便性を高めつつ、より多くの納税者の皆様に御利用いただけるよう、積極的な周知を実施してまいります。
次に、DXを活用した業務の効率化・高度化について、吉野座長、それから山本委員、江川委員、そして秋池委員のコメントの中にも入っていたかと思います。そのことについて申し上げます。限られた国税の人員等を活用し、効果的・効率的にコンプライアンス水準を確保していくためには、納税者の状況に応じた最適な接触体系を選択し、調査の必要度が高い納税者には深度ある調査を実施できるというような事務運営を行っていくことが重要だというふうに考えております。このため、データの分析・活用の強化などによって、調査する必要が高い納税者を的確に抽出し、消費税の不正還付や、国際取引、富裕層、租税回避スキーム事案などに対しては積極的に深度ある調査を実施するなど、調査の重点化を図る一方で、例えば計算誤りや法令の適用誤りなどが想定される納税者には行政指導等の手法で幅広く接触をするといったような状況に応じたメリハリのある対応を行っているところです。
また、滞納整理におきましても、AIを活用した高度なデータ分析を行って、滞納者ごとに最適なアプローチを予測したコールリストというようなものを作成し活用しております。活用した結果、当局から滞納者に対して電話をした場合、応答していただける割合がコールリストを使用しない場合に比べて8.6ポイント上昇したといったような結果・成果が出ておりまして、事務の効率化が進んでいるというふうに認識をしております。
そのほか、地方公共団体や金融機関等、他の機関への照会等の事務についても、オンライン活用などのデジタル化を進めて双方の事務の効率化に取り組んでいるところです。国税当局としては、急速な進化を続けるAI等のデジタル技術を、今後とも積極的に業務に取り入れまして、これを最大限に活用することで、調査・徴収事務の高度化や内部事務の効率化に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
それから、秋池委員のコメントの中に酒類行政に関するお話がございましたので、一言申し上げます。日本産酒類の市場、マーケットは、人口減少や若者の酒離れ等の要因によりまして中長期にわたって縮減傾向にある中、最近の米価格の高騰や、国際環境の変化もあって、酒類事業者を取り巻く環境は非常に厳しい状況というふうに認識をしております。こうした厳しい環境のもとでありますけれども、日本産酒類の輸出は近年拡大傾向にあり、足元では2030年の農林水産物・食品の輸出額5兆円という政府目標もありますので、それも踏まえまして、新規販路の開拓支援などに積極的に取り組んでいるところです。
先般、日本の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録をされましたし、最近のインバウンドの復活・増大傾向等を追い風として引き続き日本産酒類の輸出促進や国内消費喚起など、酒類業振興の機運醸成に努めてまいりたいというふうに考えております。
あと、委員の先生方から幾つか御質問をいただいておりますので、審議官からお答えをさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○吉野座長
ありがとうございます。
それでは、中村国税庁審議官、お願いいたします。
○中村国税庁審議官
私からは、山本委員から御指摘のございました国税モニターに関する件につきましてお答えさせていただきたいと思います。国税モニターの制度は、昭和46年度に導入しました。当初は、国税に関する納税者等の意見・要望等を収集し、事務運営の改善に役立てるなど、納税者利便の向上に資するとともに、税務行政に対する納税者等の理解の向上を図ることを目的としておりました。したがいまして、その際は主婦を含む多様な職種の方にもモニターをお願いしていたということでございます。その後のIT技術の進歩により、国税庁ホームページ等への意見・要望等、パブリックコメントの募集、インターネットを利用したアンケートの実施など、納税者等から直接御意見・御要望を聴取する環境が整ってきたことから、モニター制度の見直しを行っております。その結果、平成25年度以降は、広報や租税教育に精通したオピニオンリーダー等から主に広報広聴施策等に関する意見を聴取するという運用にしているということでございます。
また、オピニオンリーダー以外の層からの税務行政全般に関する御意見・ご要望等については、引き続きインターネットを利用したアンケートのほか、納税者等との応接やあるいは会議、様々な会議等がございますので、そうした様々な機会を通じて把握して、的確に事務運営に反映させるよう努めてまいります。以上です。
○吉野座長
ありがとうございます。
それでは、宇波主計局長、お願いいたします。
○宇波主計局長
宇波でございます。今日はありがとうございました。財政について多岐にわたる御意見を頂戴いたしましたので、少しずつコメントさせていただきたいと思います。
まず1つは御紹介でありますが、財政健全化目標でございますけれども、先立って新しい骨太の方針を閣議決定しておりまして、まずフローの目標については2025年度から2026年度を通じて可能な限り早期の国・地方のPB黒字化を目指すということが決まっております。それからストックの目標については、債務残高対GDP比の安定的な引下げというのを従来から掲げておりますけれども、2030年までの間にまずはコロナ禍前の水準に向けて安定的に引き下げることを目指しというのを追加しております。こういった目標を掲げて経済財政と財政健全化を両立する歩みをさらに前進させるということになってございます。
今回御評価いただきましたように、財政健全化目標についてまだ達成されないまま長きにわたっております。そういうことも背景に総合目標1についてはBという評価が続いておりますけれども、財政当局といたしましては、この新しい目標の下、早期のまずはPBの目標の達成に向けて引き続き努力してまいりたいと思います。
この際、委員からお話があったように補正予算も含めて、概念としてはSNAベースですので、補正予算の影響も含めてPB目標の達成に努めてまいりたいと考えております。補正予算についてはコロナ禍でかなり大きなものを編成しておりましたが、これの正常化ということをうたっておりますので、できる限り必要な、重点的な投資に努めてまいりたいと考えておりますし、また、山本委員から御指摘のあったように、GX、AI、半導体といったものについては、補正予算に計上しておりますけれども、併せて将来的な財源を確保して、多年度にわたる投資スキームに変革をいたしまして、そういう意味では財源とセットで、こういった投資を予見性を持って取り組むようなことをしておりまして、これもある意味、補正予算を計上する中で財政健全化と両立しながら社会的に必要な投資を前に進めるという取組をしているところであります。
財政健全化についての発信について、多くの先生方から御指摘を頂いております。対象をどうするのか、あるいはメッセージをどうするのかということ、御意見を踏まえまして、さらなる改善に取り組んでまいりたいと考えております。今御指摘があったように、恐らく1つは、長らくISバランスは民間投資部門が常に資金が過剰な状態にありますけれども、やはりここは座長からお話があったように、民間資金を誘発するということで、金利が上昇していく中で、できるだけクラウディングアウトの来ないような財政の健全化を進めるというメッセージ、それから国債への信認の確保、御指摘のあった社会保障の持続可能性、それから今日御意見は出ていなかったのですが、有事への対応の余力を確保するというのも併せて私どもは説明をしております。そういったこともあって、ストック目標について、まずはコロナ禍前の水準に戻すと。有事の都度、国債の残高対GDP比が10%ずつぐらい上がっている、そのままそれが高止まりしている状態にありますので、まずはコロナ禍前の水準に戻そうという目標を今般掲げております。
こういう財政健全化を進める中で、田中委員、江川委員、吉野座長から御指摘のあったように、やはり政策の割り当て、あるいは優先づけということが大事なんだろうと思います。御指摘のあったインフラの老朽化への対応、あるいは生産性向上といったものに政府の支出を重点化していく必要があると考えておりますので、御意見を踏まえて引き続き努力してまいりたいと思います。
給付金について、江川委員、翁委員ほかから御指摘がありました。ここはシステム整備と裏腹でありまして、財務省だけではなかなか難しいんですけれども、マイナンバーカードの利活用、いろいろな行政主体との情報連携が鍵になるので、こういったことについて改善を進めたいと思っております。現状ですと、所得で重点化しようにも、住民税非課税世帯だけはフラグが立てられるんですけれども、途中の所得のところで所得制限をかけようとすると非常に煩雑な行政手続が必要になるので、今回総理から申し上げたように住民税非課税世帯と子どもの2つに重点化をしておるわけです。所得の途中で割るということがなかなかシステム上難しくて、かなり高所得者まで、経済対策の給付金が対象になってしまうことについて、世論の中からもいろいろな御指摘があるということだと思いますので、このシステムの整備ということが非常に急務だと受け止めております。住民税非課税世帯だけに限定すると、私たちは納税しているのになぜ給付金は税金を納めていない人だけなのかというのが最近強い世論として出てきております。例えばお二人で子育てをしておられて、納税をしておられるけれども、かなり所得状況の厳しい家庭というところへどういうふうに手を伸ばすかということは非常に大きな課題ではないかというふうに財政当局としても考えております。
最後に、田中委員から1-4について、評定を引き下げたことについて御意見をいただき、ありがとうございます。むしろ温かいお言葉かと思います。ここは御説明申し上げたように、5年度の決算の説明書の中に誤りがあったということであります。過去何度か誤りがあった都度、国会の場などにおいて財務大臣から再発防止に努めると答弁してきている中での間違いでありますので、ある意味、私ども行政当局としても身を律するという意味を込めて引き下げておりますが、引き続きここは誤りのないように行政執行に努めたいと思います。ありがとうございました。
○吉野座長
主計局長、ありがとうございました。
それでは、最後に新川事務次官から、まとめをお願いいたします。
○新川事務次官
本日は大変お忙しい中、多くの貴重な御意見を賜りまして誠にありがとうございました。
私からも、4月に御逝去なさいました角和夫委員の長年にわたる当省に対する御貢献に感謝申し上げます。改めてこの場で御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
それから、本日から新たに田中弥生委員をお招きいたしまして、会計検査院長の時代からも含めていろいろと御指導を頂戴しております。ぜひ引き続きアドバイスをお願い申し上げたいと思います。
今日は各般の御指摘がございました。ただいま担当のほうからも説明をさせていただきましたが、私からは特に財務省のミッションといいますか、政策的に何をなすべきなのかという点について、恐らく財務省だけの責任で達成し得ないような目標があまりに増えてしまう、あるいは財務省以外の様々な事情で達成が難しくなったと、こういうエクスキューズがあまりその割合が大きくなるような目標ですと、財務省自身のミッションといいますか、国家国民のために我々は一体何をすべきなのかというところがぼやけてしまう懸念もあるかもしれません。きちんと我々自身が責任を果たしていくべき目標というものは何なのかということはしっかり我々のほうでもよく考えてみたいと思います。
それから、昨今の様々な情勢を見て、前回もそうでありましたけれども、例えばデモの問題、その他も含めて様々な観点から、激励のお言葉も併せて御提言を頂きました。私どもも実際はどのような形でアプローチをしていくのがいいのか、直接響いている声、あるいは間接に皆さんが良識として持っておられるサイレントマジョリティの方々の御意見等々も踏まえた上で、どのようにアプローチしていくのがいいのかということについても、かなり試行錯誤の面もございますけれども、多くの国民の健全な常識に訴えかけるというのはやはり基本だと思っておりまして、それに加えて様々なアプローチを使って、できるだけ御意見も頂戴する、それから、やや今日のテーマから外れますけれども、職員全体の士気にもかなり関わる問題とも考えておりますので、そうしたものも含めて、どういった形で対応したらいいか、改めて真剣に考えてまいりたいと思います。
いずれにいたしましても、長時間にわたりまして非常に貴重な御意見を賜りました。吉野座長をはじめ、委員の先生方、大変ありがとうございました。
○吉野座長
新川事務次官、どうもありがとうございました。やはり財政をきちんと切り続けるというのは財務省しかできないことですから、これが本当にきちんとやっていただかなかったら本当に日本は破滅しちゃうわけですから、ぜひ皆さんの士気を高めながら、必要なことをぜひ進めていただければというふうに思います。
今日も皆様から貴重な御意見を頂きまして、どうもありがとうございました。これをもちまして本日の議題は全て終了させていただきます。
次回の懇談会は、通例ですと10月頃の予定でございます。現時点では、国税庁の令和6事務年度の実績評価書を予定しておりますけれども、具体的な内容、開催日時につきましては、また皆様に御連絡させていただきます。
本日の懇談会の議事内容につきましては、各委員に御確認の上、財務省のウェブサイトで公表する予定でございます。財務省におかれましては、今日の委員の方々からの御意見をしっかり踏まえいただきまして、PDCAサイクルで回していただければというふうに思います。
それでは、これで第83回財務省政策評価懇談会を閉会とさせていただきます。どうも御参加ありがとうございました。
──了──