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第66回 財務省政策評価懇談会(6月24日開催)議事録

日時    令和元年6月24日(月)15:00〜16:36

場所財務省第3特別会議室

出席者(懇談会メンバー)

懇談会メンバー

秋池玲子

ボストン コンサルティング グループ
シニア・パートナー&マネージングディレクター

秋山咲恵

株式会社サキコーポレーションファウンダー

江川 雅子

一橋大学大学院経営管理研究科 教授

和夫

阪急電鉄株式会社代表取締役会長

田中直毅

国際公共政策研究センター理事長

田辺国昭

東京大学大学院法学政治学研究科教授

冨山 和彦

株式会社経営共創基盤 代表取締役CEO

山本

鎌倉女子大学教授、東京大学客員教授

座長吉野直行

慶應義塾大学名誉教授

(敬称略、五十音順)

(財務省)

宮島大臣政務官、岡本事務次官、矢野官房長、三村副財務官、茶谷総括審議官、太田主計局長、星野主税局長、中江関税局長、可部理財局長、武内国際局長、美並財務総合政策研究所長、木村会計課長

(国税庁)

藤井長官、武藤審議官、天野監督評価官室長

(事務局)

岡本政策立案総括審議官、江島文書課長、渡部政策評価室長

議題等

(1)平成30年度財務省政策評価書(案)について

(2)令和元事務年度国税庁実績評価実施計画等(案)について

議事録

○吉野座長 
  それでは、時間になりましたので、ただいまから第66回の財務省政策評価懇談会を開催させていただきたいと思います。
 本日は、宮島大臣政務官に御出席いただいていますので、一言御挨拶をお願いしたいと思います。

○宮島大臣政務官 
 こんにちは。委員の皆様には大変お忙しい中、財務省政策評価懇談会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日は、財務省の平成30年度政策評価書(案)と国税庁の令和元事務年度実績評価実施計画等(案)につきまして、御議論をお願いしたいと思います。
 政府といたしましては、引き続き経済再生を図りつつ、歳出・歳入両面での改革を進めていくことで、2025年度のプライマリーバランスの黒字化を実現し、債務残高対GDPの安定的な引下げを目指すこととしております。
 財務省では、こうした状況下において、経済再生と財政健全化の両立といった政府の方針に沿った財政政策を行っており、今回は平成30年度における政策についての評価を行ったところでございます。
 また、執行官庁である国税庁の実施計画につきましては、昨今の経済社会のグローバル化やICT化の進展がめざましいところ、その環境の変化に適応するための計画策定に努めたところでございます。
 評価の客観性の確保、質的な向上、国民に対する行政責任を徹底するという観点から、委員の皆様には忌憚のない御意見と御指導をいただきますようお願いいたしまして、御挨拶に代えさせていただきます。

○吉野座長 
 宮島大臣政務官、どうもありがとうございました。
 それでは、カメラ撮りはここまでとさせていただきたいと思います。

○吉野座長 
 それから、宮島大臣政務官は所用のためにここで御退席ということでございますが、どうも今日は御出席ありがとうございました。

○宮島大臣政務官 
  よろしくお願いいたします。

○吉野座長 
 それでは、議題に入らせていただきたいと思います。
 議題は、財務省の平成30年度の政策評価書及び国税庁の令和元事務年度の実績評価実施計画の2つであります。
 一括してこれを議論させていただきたいと思いますので、まず最初に、岡本政策立案総括審議官から2つの議題について御説明をお願いいたします。

○岡本政策立案総括審議官 
 それでは、説明させていただきます。
 初めに、資料番号4ページでございますけれども、順次御説明させていただきたいと思います。資料の4ページをお願いいたします。これは30年度における財務省の「政策の目標」の体系図に目標ごとの評定を括弧書きで付記しております。AとかS、B、そういったものが見られるところでございます。
 次に、5ページから7ページでございますけれども、目標ごとの評定の結果を前年度と比較した一覧がございます。評定が上がったものは青く、下がったものには赤く色付けをしております。
 5ページにおきましては、総合目標3、財務管理の評定につきまして、前年度BであったものをAとしておるところでございます。
 次に、6ページと7ページでございます。政策目標2−1など5つにつきまして、前年度SであったものがA、また政策目標3−3でございますけれども、3つにつきまして、前年度BであったものをAとしておるところでございます。
 それぞれの理由につきましては、後ほど説明させていただきます。
 次に、8ページを御覧いただければと思います。総括の集計結果でございますけれども、30年度においては、右端の箱の一番右のところの欄でございますけれども、Sが16、Aが14となっております。
 次に、9ページから13ページにかけまして、評定が前年度より低くなったものにつきまして、その理由について説明を加えさせていただきます。
 まず、政策目標2−1につきまして、こちらにありますように、「税制についての広報の充実」に係る施策のうち、「財務省の税制関連ウェブサイトに関する評価」が目標値を達成していないことから、目標達成のSではなくて、評定を「A 相当程度進展あり」としております。
 10ページを御覧いただきたいと思います。政策目標3−4でございます。「国庫金の出納事務の正確性の確保」に係る施策のうち、平成30年度の国庫原簿と歳入歳出主計簿との金額に若干の差異が生じました。本件につきましては、日銀の国庫金出納事務は正確に行われていたものの、一省庁で処理誤りがあったもので、その結果として目標値を達成していないことから、評定はAとしたところでございます。
 次に、11ページを御覧いただきたいと思います。政策目標4−1につきまして、「国家的な記念事業としての記念貨幣の発行」に係る施策に関しまして、測定指標の達成度は「○」でございましたけれども、明治150年記念貨幣につきまして追加発行するなどの対応すべき事態が発生したことを受けまして、評定はAとしたところでございます。
 次に、12ページを御覧いただきたいと思います。政策目標5−2に関しまして、「税関分野における貿易円滑化の推進」に係る施策のうち、「税関相互支援等の枠組みを構築した国・地域数」が目標値を達成していないものの、WTO改革に関する議論に積極的に参画・貢献したほか、TPP11協定及び日EU・EPAへの取り組み、WCOにおける改正京都規約見直しの検討において重要な役割を果たすなどの大きな前進があったことから、評定はAとしたところでございます。
 次に、13ページを御覧いただきたいと思います。政策目標8−1でございます。「地震保険検査の実施」に係る施策のうち、「地震保険検査先数の推移」が目標値を下回ったということがございましたけれども、平成30年度は比較的大規模な自然災害が頻発したことから、支払いを優先して検査を若干延期する措置をとったということで、評定につきましてはAとしたところでございます。
 次に、14ページから17ページでございますけれども、30年度の評定が前年度より高くなった目標につきまして、その理由でございます。まず、総合目標3及び政策目標3−3につきましては、学校法人森友学園に対する国有地の売却事案への国会での御指摘や会計検査院の検査結果を踏まえ、公共随契を中心とする国有財産の管理処分につきまして、関係通達の改正など手続を明確化するとともに、これに基づき普通財産の管理処分業務を行うことにより、適正性の向上に取り組んでまいりました。また、公文書管理において電子決裁を徹底するなど、一層適切な管理を行うよう取り組みました。また、これと同時に、コンプライアンスの確保などの取り組みにつきましても引き続き財務省全体で取り組んでいるところであり、評定はAとしたところでございます。
 次に、16ページをお開きいただければと思います。政策目標の5−3につきまして、「税関手続における利用者利便の向上」に係る施策のうち、「輸出入通関における利用者満足度」が一部目標を達成していないものの、他の重要性の高い施策が「s 目標達成」であったことなどから、評定はAとしたところでございます。
 17ページを御覧いただきたいと思います。政策目標7−1につきまして、「政府関係金融機関等の財務の健全性及び適正な業務運営の確保」に係る施策のうち、商工中金の危機対応業務における不正事案につきまして、業務改善計画や中期経営計画の提出を受け、中小企業庁や金融庁と連携しつつ、同金庫の業務改善状況の把握に努めたところでございます。当該計画は年度中に策定され、実行に移されたばかりであるほか、規律を遵守するよう引き続き主務省として監督すべきであることから、評定につきましては「相当程度進展あり」のAとしておるところでございます。
 以上が平成30年度財務省政策評価の説明でございます。
 続きまして、令和元事務年度国税庁実績評価実施計画等につきまして御説明いたしたいと思います。
 19ページを御覧いただければと思います。こちらにつきましては「実施計画の概要」ということで、今回の実施計画の策定方針については、平成30事務年度の目標を継続しつつ、各施策や指標について、これまでの取り組み結果、今後の取り組み方針などを踏まえ、実施計画のさらなる充実に向けた見直しを行ったところでございます。
 次の20ページでございますけれども、これは「国税庁の使命」と「実績評価の目標」の体系図でございます。こちらにつきましては、前年度と変更はございません。
 次に、21ページから22ページの「各目標の施策一覧」を御覧いただきたいと思います。施策数は昨事務年度より変更はございませんけれども、定量的・定性的な測定指標につきまして増減がございます。内容につきましては23から25ページ、後ほど御説明いたしたいと思います。
 23ページをお開きいただければと思います。「測定指標」の主な変更のうち、まず、新たに設定した定量的な測定指標について御説明いたしたいと思います。
 1つ目の「酒類の製造免許」関係の指標でございますけれども、酒類の製造免許に係る事務が増大する中で、適正な免許処理を行う観点から、処理が迅速に行われているかを測定するため、「標準処理期間内での処理件数割合」を新たに設定したところでございます。
 2つ目でございます。「租税教室」に関する指標でございますけれども、取り組みに対する成果を参加者の理解度を示すほうがより適切であるということで、新たに指標を設定したところでございます。
 3つ目でございます。「日本産酒類の輸出促進」に関する指標でございますけれども、輸出促進のためには、国際的な情報通信、ビジネスマッチング、ブランド化の推進等を確実に実施していくことが重要であります。これらの取り組みの実施を目標として明確にするために、新たに定量的な測定指標を設定したところでございます。
 4番目でございます。「税理士等の指導監督」に関する指標につきましては、担当であります税理士専門官の指導監督に係る事務量を確保することが必要であることから、新たに定量的な測定指標を設定したところでございます。
 24ページを御覧いただきたいと思います。廃止した測定指標関連でございますけれども、測定指標の新設に伴い廃止するもののほか、2つ目、3つ目にございますけれども、引き続きこれらは参考指標として設定して、モニタリングしていくこととしておるものでございます。
 25ページを御覧いただければと思います。目標値の変更でございますけれども、施策の「e-Taxの普及と利用満足度の向上」に関する5つの測定指標及び「調査関係事務の割合」につきましては、これまでの取り組みの実績や今後の取り組み等も踏まえまして、記載のとおり目標値を引き上げたところでございます。
 26ページを御覧いただければと思います。これは名称を変更した測定指標でありまして、施策名の変更に伴うものや、指標名が混同してわかりづらいとの御意見を先生方からいただきました。そういったものを踏まえて変更したものとなっております。
 27ページにつきましては、以上御説明した内容を反映した総括表でございます。定量的な測定指標は4増3減で、前年比で1つ増えております。定性的な測定指標が1つ減って、参考指標は10増3減で、前年比7増となっておるところでございます。
 以上で、令和元事務年度国税庁実績評価実施計画等につきましての説明を終わらせていただきます。以上でございます。

○吉野座長 
 岡本政策総括審議官、どうもありがとうございました。
 それでは、いつものように各委員の先生から3〜4分程度ずつコメントをいただきたいと思います。またあいうえお順で恐縮ですけれども、秋池委員からお願いいたします。

○秋池委員 
 資料の取りまとめをありがとうございました。毎回感じますけれども、この資料自体が大変よくわかるように年々なってきているということを前回も申し上げたんですけれども、やはり大変勉強になる資料でもありまして、この仕組みそのものが国民にとっても政策を知る場になるということが、非常に価値のあることだと思っております。
 そういった中で、本日御説明いただいた財務省の政策評価(平成30年度分)ですけれども、評価のSやAの数が変わってきているということはありますが、財務省のお仕事は外生的な要因で変わるところも結構あって、例えば8−1のようなものでありますとか、4−1をどう捉えるかというのはあろうかと思うんですけれども、そういったものも自らのものとして、外部の要因だからいたし方ないとするのではなくて、評価を厳しく変えているというあたりは、本当はそこまでしなくてもいいのではないかと少し思うこともないではないんですけれども、財務省さんの自らのお仕事に対する厳しい姿勢がそこから見えるということにおいては、初めてこの議論に参加したときからそういうふうに取り組んでいかれるのだなと思っております。もしかしたらほかの省庁と少しその辺には考え方の違いがあるのかもしれませんが、各省庁が横比較をしてどうこうというものではないと思いますので、自らを高めていくということに御活用されているというふうに解釈をしております。
 外生的な要因でできなかったことも含めまして、知見は省内に蓄積されていって、また次のときに活用されるということだと捉えております。知の蓄積というものがますます重要になってきている時代ですので、そのように扱っていただければと思います。知の蓄積が重要だと申しますのは、世の中のいろいろなことの振れ幅が大きくなっていく中で、その理由には、知らないことと不確実なことの両方がありますが、知らないことを知るのは多分努力で何とかなります。一方、不確実なことに対する対応というのは、過去になかったことを解いていくという要素も多くございますので、課題をいろいろな角度から要素分解して、それを過去の経験も使いながら解いていく必要がありますので、その知見の蓄積にこの評価もあわせて活用していかれればというふうに考えておる次第です。

○吉野座長 
 どうもありがとうございました。では、お隣の秋山委員、お願いいたします。

○秋山委員 
  ありがとうございました。私も毎回コメントさせていただいておりますが、今、秋池さんがおっしゃったとおり、年々ブラッシュアップされているという点が、今回も資料を拝見して、またさらに進歩していらっしゃるなというふうに思いました。その上でなんですけれども、今回は元号も変わって令和の時代が始まったということで、1年ずつのものというよりは、もう少し長期的なスパンで改めてこの政策評価というものを見たときに幾つか気がついた点について申し上げたいと思います。
 まず1つは、4ページに示されている財務省の「政策の目標」の体系図でございますけれども、基本目標に書かれていることは非常に普遍的なことが書かれておりますので、このこと自体がということはございませんが、この言葉の意味合いが時代の進化によって変わってきているということがあろうかと思います。
 例えば、総合目標1や2のところに「社会保障と税の一体改革」というようなキーワードが両方に出てきておりますけれども、これが近年、あるいは今から向こう10年とか20年というスパンで考えたときには、今、国民の間で広く認識されている格差問題、特に若年層ですとか、あるいはシングルマザーの貧困問題ですとか、こういったところに正面から向き合うということなしに、ここに書かれている所得再分配機能の回復というものは、国民の実感、納得を得られないのではないかなと感じております。このあたりを将来に向けて財務省はどういうスタンスで取り組んでいくのかというようなところのブレイクダウンが少しずつでも示されてくると、大変大きなメッセージになるのではないかと思います。
 私、個人的には、給付付き税額控除のような仕組みの導入というのはもっと進められるべきだと思っておりますし、それは何より今の制度の複雑さというものが理解を妨げていたり、あるいはなかなか納得してもらいづらいというような背景にもなっていると思いますので、この辺の大きな枠組みの取り組み姿勢は、またこれから示していくべきところではないかというふうに思います。
 あと、同様に総合目標の4になろうかと思いますけれども、この目標に関連しては、ブロックチェーンなどの新しいテクノロジーの登場によって、ここもまた意味合いが変わってきていると思います。ちょうど今日でしたか、海外ではロシアなんかがいわゆる仮想通貨を合法化の方向で検討しているなんていうニュースが出ていたりというようなこともあります。あるいはフェイスブックがリブラ(Libra)という新しい通貨をインターネットの上で展開することを前向きに進めている。こういう中で日本はどういうふうに取り組んでいくのかということが、高い品質の通貨を円滑に供給するとか、通貨に対する信頼の維持に貢献するというところにまさにどうなんだと問われている時代がいよいよ来ておりますので、このあたりもまた今後の大きなメッセージを出していただきたいなというふうに思っているところです。
 あともう1点だけ。これも最近報道されておりますけれども、財務省で新しく有識者会議を設置するということがニュースになっておりまして、これは昨年からずっと取り組んでいらっしゃる再生プロジェクトの流れの中というふうに承知しておりますけれども、その中で「組織風土の抜本的な改革」というようなキーワードが出ていると承知しております。
 実はこれに関連して、政策評価の中でひとつ取り組んでみたらどうかという提案をさせていただきたいのが、評価をするときに、今、Sから5段階評価で評価をしておりますけれども、実は民間企業の、あるいはもっと広く言えば一般的な皆さんの感覚からいえば、立てた目標を100%クリアすれば、大概B評価なんですね。
 数値目標の場合、達成率85%ぐらいから105%ぐらいまでの範囲であれば、大体B評価をつける。すごく頑張った人、120%ぐらいに超えるような成果を出した人にはA評価をつけて、やっぱりほかの人とは違う成果が出たねということをちゃんと評価する。それからそれ以上に、実現可能性はあるんだけれども、それを達成するには本当に人一倍の努力が必要だということについてSをつけるというようなことが、比較的一般的なんだろうというふうに思います。
 そういう中で、この評価基準でいけば、目標達成でAだったり、あるいはSだったりというものが割とついてきますので、成績としてはSがずらっと並ぶという形になって、何となく昔の通知簿がオールAみたいな、そういうふうにも見えるんですけれども、このあたりが少し自分たちがやっていらっしゃる仕事に対する自負というか、矜持というところは裏打ちされるものがあってということとは思いますけれども、むしろこれから頑張った人はちゃんと認める。やるべきことをやれば、それはもちろん認めるけれども、それ以上にやった人、あるいはやった部署をしっかり褒めるということと、財務省としての自己評価がほかに広く一般に公開されたときにも、なるほどねとより思ってもらえるという意味では、このあたりの見直しというのは一つ大きなメッセージになるのではないかと思います。
 何より働く皆さんの気持ちを明るく前向きにするということが一番大事なことだと思っておりまして、エリートの矜持という言葉がありますけれども、矜持というのはプライドだとか自負という意味もありますが、一方で自分を抑制するとか、自分を抑えつけるという意味もあります。元号が変わって新しい時代の風も非常に強く吹いているという時代でもありますので、なるべく皆さんが明るく前向きな気持ちで仕事に取り組めるような工夫というものをしていただきたいというふうに思っております。以上です。

○吉野座長 
 ありがとうございました。次に、江川委員、お願いいたします。

○江川委員 
 ありがとうございます。私も、政策評価は毎年不断の見直しをしていらっしゃることに関しては、非常に前向きでいいことだと思います。今回の国税庁の評価に関して2点申し上げます。
 1つは酒類業に関して、前回、2−3の酒類業の発展について積極的に支援するような取り組みもぜひやってくださいと申し上げたところ、すぐにそれを実行していただいて、指標も実際に増やしていただきました。それから日本産酒類の輸出促進のためにいろいろな取り組みをやっていただいているということが資料から確認できましたので、非常にうれしく思いました。
 それから2点目は、1−4の「国際化への取組」ということで、今、個人も企業もグローバルな活動が非常に増えていて、徴税という面でもいろいろ課題が増えてきていると思います。その中で指標を2つ増やしていただいて、ここの部分をしっかりやっていくのはいい方向だと思います。引き続き課題はたくさんあると思いますので、国際化への対応というのはしっかり取り組んでいただけたらと思います。
 それから、財務省全体の評価というか、政策に関して、多少大所高所というか、ちょっと変わった視点から2点コメントさせていただければと思います。
 1点目は、財政健全化の重要性ということで、これは私も毎回申し上げていることなのですけれども、今日はちょっと普段と違う視点でソブリンシーリングということについて申し上げたいと思います。金融にかかわっている方はよく御存じだと思いますが、日本企業の社債などの格付は、本社を置いている日本国債の格付を上回ることができないという方針をとる格付機関があります。一部非常にグローバルに活躍している会社はそれに縛られないところもありますが、金融機関など多くの会社は、やっぱりそのシーリングは超えられません。
 そうすると、90年代半ばぐらいまでは日本の国債の格付はAAAでしたけれども、現在、ムーディーズ、S&Pとフィッチ、みんなAですし、それから、S&Pとフィッチは今後の見通しもネガティブになっていますから、場合によってはBBBに落ちてしまうかもしれません。日本企業の格付けはそれを超えられないということになると、結局、民間企業がグローバルに活動しようと思っても、資金調達で国際競争で不利になりますから、ある意味で政府に足を引っ張られているようなところがあります。そもそも財政の健全化は、社会保障といった面でも国民の関心が高いところですので、ぜひ引き続き力を入れてやっていただければと思います。
 それから2点目は、地方創生に関することです。地方分権ということが昔言われていましたが、今はそれが実際にはあまり議論されなくなって、でも、一方で地方創生は大きな課題になっているという現状が続いています。これは本当に難しい問題で、簡単に解ける問題ではないというのは私も重々承知しております。しかし、東京への一極集中が過去10年間でもどんどん進んで、つい最近も東京湾に物が集中し過ぎて物流が課題になっているという報道もありましたし、政治・経済・文化などの中心がここまで東京に集中しているというのは、国としても本当にリスクだと思っています。例えば大きな地震があったときに、本当に経済も政治も全部止まってしまう。
 一方で、今の若い人は地方でいろいろ起業したり、Iターンをしたり、あるいは2拠点居住をしたりということで、地方に住むということに関して私たちの世代とは違う考え方を持っているので、もう少し何かできないかと思います。簡単ではないと思いますけれども、徴税権を地方に移譲するということも含めて、本当の意味で地方分権を進めないとだめなんじゃないかと思います。
 なぜこういうことを考えたかというと、今月の初めに外務省の審議会の関係でテキサス州に出張して、そのときに知ったんですけれども、テキサス州にはアメリカにあるフォーチュン500の会社で最も多くの会社が本拠地を置いているんですね。トヨタもアメリカの本拠地をテキサスに移しましたけれども、その理由の1つが、個人の所得税の税率が低いので、ニューヨークなどにあった会社がテキサスに本拠を移したということです。そうやってそれぞれの地域が税を工夫することによって、結果的には国の中にたくさんの中心ができて、それがリスク分散にもなっているし、あるいは地域間競争を通じて活力を生んでいると思いました。
 勿論、連邦制のアメリカと日本とは事情が異なりますし、今の仕組みをすぐに変えるのは難しいと思いますけれども、今の日本の状況というのは東京に一極集中し過ぎていて、リスクもあるし、一方で地方創生が問題になっているということであれば、徴税権を移すということも含めてしっかり根本的に議論するべきではないかと思います。以上です。

○吉野座長 
 どうもありがとうございます。それでは、角委員、お願いいたします。

○角委員 
 ありがとうございます。秋山先生から評価の話が出ましたけれども、先般、日経新聞にも出ましたが、早稲田のラウンドテーブルといういろんなチームに分けて、その中でCEOとか事業責任者の評価をどうするかという話で、予算達成率というのは当然固定報酬以外に反映されるわけですけれども、それについては85%をDとすると、115%もDだという会社がありました。というのは、予算が115と、15%も予算をオーバーするというのは、予算の立て方がおかしいと。保険を掛け過ぎているというか、状況の変化を見ていないということで、逆にオーバーし過ぎると評価が低い。
 ですから、個人の社員がどれだけ頑張っていますかというのは、確かに秋山先生のおっしゃるとおりだと思うんだけれども、組織として見たときは、やっぱり適正な予算を立てているかというのがまた1つの重要な要素でもあると思いますので、ちょっと異論があるところです。すみません。
 今回、3−3をBからAにお上げになったということにつきましては、前にも申し上げましたけれども、近畿の国有財産処分の近畿地方審議会に当初から委員として出席していて、いきさつをある程度わかっている者とすれば、私は、先ほど岡本審議官がおっしゃったように、その後のコンプライアンスの確立に向けて前向きにきちっと膿を出してやっておられるということですので、私は、BからAにお上げになるのは賛成です。
 同じく6月14日に今後の国有財産の管理処分のあり方についてという答申を出していただきまして、今まで定借については介護と保育にある程度限定をされてこられました。ただ、これからは、いろんなまちづくりとかということを考えていきますと、介護・保育以外でも定借を導入されるというのは、じゃ日本の人口は50年先どうなっているのかと考えたときに、今の介護・保育の需要と50年先の介護・保育の需要は全然違いますから、それと同じようなことがほかの要素でも言えるかもわからないので、一旦非常に大事な土地は定借でお貸しになって、状況が変わればまた国庫に戻してもらって、その時代に合った使い方をしていただくという考え方を進めていくという方針ですので、非常にいい方向だと思います。
 例えばそれを159ページで見ましても、高齢者関連では売却3件で、定借が15件ですから、非常に定借が進んでおりますし、160ページを見ましても、これはちょっと別の話ですけれども、3-3-4-B-3、地区計画活用型一般競争入札や二段階一般競争入札の活用というのが書かれています。近畿でも神戸港の古い倉庫街を対象に、そこをいわゆる神戸市と一緒になって、こういう新たな制度を使いながらまちづくりをしていくというケースが審議されました。平成30年にも2件それができているということですので、非常に国有財産の活用方法としてはいい方向に進んでいかれているんじゃないかなというふうに感じました。
 それと、財政審でもよく議論になりますけれども、要するに、財政規律の話を幾ら我々が議論していても、それが国民の人にどれだけ認識してもらっているのかということで、広報の重要性ということを、マスコミの委員の方が多いこともありますけれども、もう少し国民にきちっと知っていただく必要があるということがよく議論になります。
 それについては、今年の5月13日でしたか、久しぶりに大阪で財政審の地方公聴会というのが開催されました。これにはアカデミアの方、そして経済界の人間だけじゃなくて、奈良県知事、滋賀県知事、大阪府の副知事と3人出てこられまして、3人とも同じテーマです。
 何をお話しになったかといいますと、ちょうど国民健康保険が基礎自治体から府県に移管される。奈良は十数年前から、国保だけの問題じゃなくて、道路のメンテナンスの話も、これは逆バネなんですけど、平成の大合併のときに奈良県はほとんど基礎自治体が合併統合されなかったということがあって、広域行政に10年以上前から取り組んでおられて、国保については奈良県内どこでも同じ負担で行ける。あるいは上乗せ補助が一切なくて済むようにするということを奈良モデルとして構築された。これが財政審で出たときに、それを横展開したらどうですかという委員がおられて、これはなかなか難しいですよと言ったんですが、それが実に横展開されて、滋賀県でもされている、大阪府もされているということで、非常にいい刺激をほかの自治体にも与えたんじゃないかなと思います。
 これからも関西以外で先進的な取り組み、例えば水道事業について先進的な取り組みをされている自治体もおられますし、そういったところも、そのエリアで、アカデミアと、そして経済界と、行政のトップが出てきて意見交換をするということをぜひ進めていただけたらというふうに思います。
 そのときに私もパネリストで出まして、2点ほど申し上げたんですけれども、今回骨太方針に消費税10%がきちっと明記されたことはある意味当然といえば当然ですけれども、よかったなと思います。それにあわせて、2025年のプライマリーバランス黒字化についても引き続き記載をされています。
 それで、私が申し上げたのは、仮称ですけれども財政健全化基本法を制定する。1997年に消費税が5%になりましたときに財政構造改革法が定められた。私は、とりあえず財政健全化基本法を制定して、アメリカは議会の予算局に経済将来推計とかをつくる部局が内閣じゃなくて議会にありますから、非常に公平公正な将来予測ができる。国民も安心できるという財政予測がアメリカではされているわけです。例えば、財政健全化基本法でそういう独立した機関の設置を決めるとか、そういうことぐらいからスタートしていただければと思っていたんですけれども、財政健全化基本法では97年の赤字のGDP比が5.4%、これを03年には3%以下にするという数値目標まで立てられた。
 非常に画期的な法律ができたんですけれども、御承知のようにアジア通貨危機が起こり、そして日本も都銀が破綻を来したり、証券会社が破綻を来したりということで、残念ながら、その法律は翌年の年末に停止をされてしまったということなので、今回は、もちろん今年どうこうじゃないですけど、来年ぐらいには、2025年に向けた中間地点を設けるわけですから、そのときまでぐらいにはせめて基本法だけ、数値目標は後に送るとしても、基本法ぐらいはもうそろそろ決めるべきじゃないかなという気がいたしますので、よろしくお願いします。
 もう1点申しましたのがマイナンバーです。マイナンバーは、ある銀行にお聞きしますと、一応今のところは新規口座について原則適用。ですから、恐らく原則適用はほとんど適用されていると思いますね。証券口座とか信託口座、あるいは外国への送金は必ずマストになっていますので、一応任意ではありますけど、原則銀行はそれを求めていますので、多分大体いけているんじゃないか。それでは何%ぐらい来ているんですかと聞いたら、今ちょうど名寄せをやっていますと。名寄せをやって、その辺が大体全貌が見えてきた後に、3年後を目指して既存口座についてもマイナンバーを付番していく方向で検討していますと。そのマイナンバーをつけるためのアプリについては既につくっていますということでございましたので、その3年というのはちょうど税と社会保障の一体改革をきちっとやらないと25年黒字化できないので、時期もちょうど合いますので、その辺はぜひともよろしくお願いしたいと思います。以上です。

○吉野座長 
 ありがとうございます。では、田中先生、どうぞ。

○田中委員 
 どうもありがとうございます。政策評価書の作成をいろいろされている皆さん、大変御苦労さまだと思います。これは20年ぐらいになるのだと思うんですが、そろそろもう歴史的な使命は終えたんだろうと思います。目標を役所の中で掲げて、それとの関係で、現業あるいは企画の分野においてどこまで仕事が進んでいるのかチェックしてくださいというのが当時の国民の要請で、各役所がやっておられるわけですが、これまで皆様方の御評価にもありましたように、政策評価書そのものがこういうことなんだろうというので定着といいますか、こういうことなんでしょう。
 ただし、日本社会の存続性というか、継続性については、国際社会からも大きな疑問が上がっているんですが、私が気になっている幾つかの日本に対する警告は3点あると思うんです。そういうことについての財務省の評価といいますか、我々の社会が抱えているリスクというものに対して、正面から向き合うためにどういうことをしなければいけないのかという議論をすべきでないかと思います。
 1つは、人口の問題を海外の人は気にしていまして、去年だったら40万人人口が減っている。しばらくすると、10年間で800万人以上日本の人口が減る。10年間で東京都1つ消えるということに対してどう考えているのか、ちゃんとしたメッセージが出たように思わないなというのが1つです。
 もう1つは財政赤字でして、OECDの中で最悪の債務残高とGDP比率。これも日本の低金利の国債の利払いが、借金をしても増えないという構図はあるものの、本当にそれでいいんですかと。抱えたリスクについての評価の議論が乏しいのが残念ですねと。
 3点目は、研究開発論文のことを最近言う人が出てきまして、聞いてみると、どうも日本の大学では若手の中心的な人たちが5年程度の契約で在任していると。5年たったらどこかに出なければいけないというのは多いようだけど、そんなことをやっていて、減少し始めている研究開発論文が本当に出てくるんですかと。こういう日本社会のサステイナビリティのところでの疑問が提示され、しかし、それについてはちゃんとしたディスカッションも日本社会で起きているように思わないんだけれども、どうなんだろうというたぐいの話です。
 これは、もちろん財務省だけで、あるいは財務省にかかわる研究だけで答えが出るわけではありませんが、少なくとも大きな疑問は、日本社会のサステイナビリティの問題について提示されざるを得ないような状況の中で、我々はどういう目標を掲げればいいのかというときに、これまでの政策評価書の目標の立て方と、それに対してどの程度まで進んでいるか、今年1年どこまで行ったという議論では、私は間違いなく不十分だと思います。
 低金利の話も、抱えたリスクの大きさについてのイメージをどうつくり上げるかということなんですけれども、21世紀に入ってしばらくして、グリーンスパンがコナンドラム(conundrum)と言いました。いろいろ問題があるはずなのに、いろんな実績、例えば成長率もいいし、それから物価とか金利等についてもすごくいい。しかし、なぜだろうというのでコナンドラムと言ったんですが、その状況に対して最晩年のチャールズ・キンドルバーガーが答えをある種提示しました。そのとき彼は施設に入っていたんですが、自分が現役だったら、サブプライムローンをフレディマックとファニーメイが買い続けることによってリスクの顕在化、リスクにかかわる評価がマーケットでリビールされないようになっている。これが問題だと。こんなことを続けたらパンクする。やがてバブルが崩壊すると。キンドルバーガーはそれを言って、それから1年半ぐらいして死んだんですけれども、そういう発言がある。
 すなわち、国債の利払い費が抑制されているというのは、大変なリターンといいますか、メリットを得ているんですけれども、他方でリスクがどうなっているのかということについての評価が行われなければ、我が社会における公論の筋立てができないわけです。古来から「極まれば而ち転ず」、ぎりぎりまで行けば当然局面が変わるというのは、社会の歴史現象を見てきた人は「而ち転ず」、転じたときに何が起きるかということに想像力を発揮するのが知識人の役割だというふうに言ってきたわけですから、我々はやっぱり目標を、20年前にはこれは意味があったんだと思います。各役所ごとに不祥事もあったし、コンプライアンスにかかわるそれぞれの働いている人に目標提示とその達成との関係で身を律してくださいという。だけど、もうそういう話じゃなくなっている。
 財務省だけでこういう懇談会をやめればいいという話にならないことはもちろん承知していますけれども、衣替えはやったほうがいい。目標の挙げ方から、それに対する役所のそれぞれの関与しておられるところに対して、自己評価システムをつくり直したほうが私はいいと思うし、それが心ある国民の皆さんにさすが財務省という評価を得られるし、恐らくそのことは政治との関係においても、しかるべく専門家としての自己点検という形で出るわけですから、その自己点検は国民の政治の議論にも反映するのではないかというふうに思います。もうこの表式といいますか、図式はお蔵入りにするという決定を岡本次官ならできるんじゃないかと思うので、そうされたらいかがかなと思います。以上です。

○吉野座長 
 ありがとうございました。田辺先生、お願いいたします。

○田辺委員 
 3点ほどコメントさせていただきます。
 まず1点目は、今年評価が上がったものとか、それから下がったものを見ていきますと、例えば下がったところで言いますと、国庫金の出納で6,243円のミスがあったというようなこととか、それから通貨業務に関しまして、記念の通貨に関して追加発行せざるを得ないような事態に陥ったというようなことが挙げられております。
 他方、上がったものを見ますと、国有財産管理というかなり問題のあったものの、管理体制が確保されてコンプライアンスが確立されたであるとか、それから、主としては恐らく経産省のほうだと思うんですけれども、商工中金の危機対応業務に関する不正というのが、管理体制ができてきちっと回るようになった等々の部分というのが出てまいります。
 何が言いたいかというと、かなりの部分が内部管理が失敗してミスをしたとか、その失敗を回復してコンプライアンスの状態が確立したというところで評価が上がったり下がったりするものが、大体半分ぐらいを占めてしまっているということでございます。襟を正すという点では、こういう内部管理がきちっとしたから評価を上げるということ、コンプライアンスが確立したから評価を上げるというようなことは確かに必要ではあるんですけれども、ただ、これをやり過ぎますと、簡単に言うと減点主義になって、減点して、それで直ったから上がるみたいな形になるので、ちょっと内向きの評価になり過ぎていないのか。
 それがこの評価の全体の配置というもの、S、A、B、Cというのを決めてしまい過ぎていませんかという感じが若干しないでもない。個々のところを見れば納得はしますけれども、全体として見たときに、やはり評価の管理の部分だけに集中するというのはちょっと問題があるのではないか。
 むしろ他の委員の方々がおっしゃったように、財務省が社会・経済に対してどういう貢献をしたのか、サステイナビリティを確保したのかとか、リスクを軽減したであるとか、そこの部分が評価の主要な部分で動くようなものにそろそろ変えていかないと確かにまずいのではないのかなと思ったというのが、第1番目のコメントでございます。
 2番目は、今ともかかわりがあるのかもしれませんけれども、例えば地震保険のところで言いますと、検査の件数が十分できなかったというので評価を下げておりますけれども、他方、支払いのほうに集中したということは、支払いはきちっとやったということなんだろうと思います。制度官庁でありますから、複数のバランスさせなきゃいけない目標みたいなものがありまして、それをどう有限な資源の中で配分して効果を出していくのかということが大切なんだろうと思います。
 恐らく今回の場合で言いますと、地震保険のところは、検査に関しては数値目標が立てられていて、逆に支払いのところは数値目標的なものが落ちていて、一方のこっちの上げ下げのところしか見えないで、それで評価が左右されているという側面がありますので、あちらを立てればこちらが立たずという関係に資源が限られているときはなりますので、その2つを、どっちというものの両方をきちっと目標設定するようにしたほうがいいのではないのかなと思ったという次第であります。
 3番目は、国税庁の計画のほうでありますけれども、恐らく今年直面する最大の問題は消費税の改正ということで、10月に確実にやってほしいと思いますけれども、その中で軽減税率の問題が出てまいりますし、5から8に上げたときもそうですけれども、消費税の確実な転嫁ということも必要になってくるわけであります。
 数値目標を見ますと、相談のところでとらまえるという目標設定になっております。他方、軽減税率とか転嫁に関しましては、PRと広報という側面がありますので、広報をやればやるほどみんな理解してそのとおりやりますので、逆に言うと相談件数は減る可能性はないわけではない。それを考えると、相談のところだけ数値目標を立てて、PRに関する数値目標というか、参考指標ではありますけれどもそこの区分を、例えば説明会を何回やったとか、ウェブサイトの説明のところにどのくらいアクセスされたとか、そういうものをやっておかないと、若干バランスを失するのではないのかなと思ったということでございます。以上、3点ほど申し上げました。

○吉野座長 
 ありがとうございます。では、冨山委員、お願いいたします。

○冨山委員 
 ありがとうございます。全体のプロセス論というか、経営論的にちょっとお話を申し上げたいと思うんですが、組織経営上、こういうある種PDCAサイクルを回していくということは当然やるべきことなので、当然やるべしと。その一方で、特に国税庁のものは毎年かなりしっくり感があるんですよね。それは多分理由があって、オペレーショナルな業務をやっているので、PDCAとの相性がいいんですよ。データを読んでいて、一番ストレスが毎年ないのが国税庁のパートで、毎年ある種のストレスが出るのがどうしても本省のほうの政策マター。多分各委員が指摘されたこととかぶるんですけど。
 なぜかというと、恐らく本省側でやっていることというのは、政策の立案にかかわる部分、ある種ポリシークリエーションの部分、政策創造性の問題と、それから政治プロセス、意思決定をするという問題と、それからそれをエグゼキューションするという全部が入ってきちゃうので、特に今日的な環境においては、政策創造の部分にかなりストレスがかかっているはずです。要は人口問題を含めて、財政もそうですけど、デジタルエコノミーなんかもそうかな、要するにかなり環境的に不連続な変化に、世界中そうなんですけれども財政当局はさらされているので、当然クリエイティビティにかかわる話が出てくるわけですよね。
 それから、その後には必ず政治的な、これは民主国家なので役所ではどうにもならないことが当然あるわけですし、そこにもある種のポリティカルなクリエイティビティが求められるわけです。そうなってくると、PDCAにどこまで馴染むかというのは、確かにやや限界があると言えばある。なので、大きく立案決定的な部分と実行という部分に分けると、多分立案なり決定なりの重心が重くなればなるほど、PDCAアプローチにどこまで馴染むかという問題がどうしても出てくるのだと思います。
 ただ、もちろん本省の中にもエグゼキューションマターは当然ありますから、その部分においては改良改善的な努力は当然継続しなきゃいけないので、そこは引き続きやっていかれることが私は正しいと思っていますし、その限りにおいては今回のいろんな評価、あるいは評価変動に関して私は違和感がないです。
 これは、実は日本の会社全般も直面している問題で、私もパナソニックの役員をやっていますけれども、特にグローバル競争をやっている電機産業とか、IT産業とか、あるいは自動車も最近そうなんですが、やっぱりPDCAは得意だったんですよね。TQC王国で改良改善的な品質改善をやってきて、それで世界を席巻してきたのが多分昭和の後半の30年間です。
 ところが、平成になってからどうも旗色が悪くなってきて、幾つか要因はありますけど、問題の本質は、どちらかというと、そういったパナソニックも含めて電機産業、あるいは自動車産業、自動車産業は今でも比較的それが通用しているからまだ頑張っているんですけど、ここがデジタル革命、あるいはグローバル革命にもろにやられて、どうも改善改良だけで頑張っても足らなくなってきたという現象があります。
 改善改良型で行くのであれば、それこそ今度もっと根本的な長期的マターになるんですけど、新卒一括採用で優秀な人を集めて、その人たちがずっと働き続けるという同一的・連続的組織って強いんですよ。まさにこれがかつてのパナソニック、松下電産の姿であり、つい最近までのトヨタ自動車の世界なんですけど、これがグローバル革命、デジタル革命が起きると、突然不連続にとんでもないことが起きちゃうんですよね。
 とんでもないことが起きたときに、とんでもないことがとんでもなく過去に経験がないので、そうなっちゃうと同一的で連続的な組織ってすごくもろいんですよ。要はワンパターンの対応しかできないので、何をしたらいいかわからなくなっちゃうんですね。かつ、やらなきゃいけない対応というのがやっぱり組織内にすごく光と影をつくるし、今までやってきたことをある意味で否定しなきゃいけないような意思決定を短時間で決定かつ実行しなきゃいけないということにいっぱい直面してきたわけです。
 その過程でテレビが消え、ウォークマンも消えるということが起きてきたんですけど、でも消えちゃうんですね。どんなにアナログ型テレビの改善改良をやったって、デジタルテレビに置き換わっちゃうんですよ。そうなっちゃうと、残念ながらTQCは通用しないんですよね。
 私は、財務省というのは、同世代の方がいっぱいいらっしゃいますけれども、30年前、40年前にはそういった秩序の頂点にあった組織だと思っていて、ということは、恐らくこの後やっぱり似たような政策状況になっていくということを考えると、次に私が気になっているのは、かつて財務省が持っていた組織能力上の優位性というのを今後は維持できない可能性があるわけで、これをどうしていくのか。
 私もほかの委員と同感で、やっぱり非常に財政的に厳しくなる、あるいは国家運営の最後のところというのは、ありていに言っちゃうと軍事と金なので、国が存亡の危機というのはお金と軍事なんですよね。安全保障とお金です。最終的にお金を見ていくのはやっぱり財務省の仕事なので、そういった状況下で、ある種不連続な状況に対してはどう対応していくかということが本当に求められるのは僕は財務省だと思っているので、そういった意味で、本当にbest and brightestの人間が、出入りはあるにしても少なくとも財務省の中心部を担っていくようにするにはどうしたらいいかということをかなり真剣に考えていかないと、20年後、30年後も。
 大体僕は、30年単位で物を考えるようにしているんですけれども、今年、令和に変わりましたと。多分岡本次官と私と今の天皇陛下は同じ年になりまして、そうすると、我々の寿命を考えるとあと30年間ぐらいですよね。令和は長くても30年なんですよ。この30年という単位を真面目に考えるとすると、30年後に財務省が今の組織能力をどうやったら維持できるかということは、少なくとも今、岡本事務次官以下我々の世代が真面目に、これは実はパナソニックも同じなんですね。日立も同じです。みんなその問題についてかなり深刻な危機感を持っているわけです。
 その流れにおいて、恐らく中西さんがもう終身雇用が無理ですよと言い出したのは、経済的にもつもたないということを言っているんじゃなくて、終身年功型の同一的・連続的組織ではもう今の時代は戦い抜けないということを言っているんです。別に途中で首を切りたいから言っているわけではないです。はっきり言って日立もパナソニックも人手不足で困っているので、今はリストラなんていう贅沢なことはできない状態なので、そんな理由で言っているんじゃないんですよ。
 そこは私は財務省も同じくだと思っていて、ちょっとこの本題からずれるかもしれないんですけれども、ただ、そういった人材が全部コンサルティング会社とベンチャーだけに行って、日本の経済、日本の国家がもつかというと、それは違うわけで、やっぱりそういった優秀な人材が役所を含めた既存の大組織にも当然貢献しなきゃいけないし、自分もそういうつもりでこういう仕事をできるだけ引き受けるようにしているんですけれども、そういった循環を持続的につくるということはぜひ考えていただきたいですし、何人かの委員の方が言われたような課題というのは、くどいようですけど、連続的な漸進的なPDCA、改良的PDCAでは多分間に合わないマターが今後必ず出てきますし、増えてくるはずです。
 ある意味残念ながら、私もやや自虐的に申し上げると、例えばさっき言った電機産業なんかは私も随分かかわってきましたけれども、やっぱりこの30年間は敗北の歴史ですよ、残念ながら。その敗北の歴史というのは、その一番根幹的なところにやっと今日立も含めてメスを入れようとしているんですよね。やっぱり30年は遅かったんですよ。私は、これを国のレベルで繰り返してはいけないと思うので、ぜひ私のお願い事としてはそういったところに手をつけていくというか、要は、常に新卒採用でずっと入れる必要はないんですけれども、よりどりみどりでも構わないので、財務省にいるコアメンバーはその世代世代のbest and brightestが、同世代から見てもリスペクトできる人間がいるという状況が、やっぱり政策の中身の有効性と、それから説得力の有効性を決めると思うんですね。
 そういう意味で言っちゃうと、「ええっ、何だ、あんなやつがつくった政策かよ」と思われちゃうと、やっぱりそれは影響力がなくなりますよね。権威がなくなってくる。私は、岡本さんの世代は僕らの同世代から、さっきいなくなった武内さんもそうだけど、そう見られていたと思うんです。やっぱりそのぐらいのレベルの人間が皆さんは行っているので。だけども、多分20年後、30年後にそうであり続ける保証は僕は全くないと思っているので、そこはぜひ頑張ってもらいたいと思います。それが1つ。
 それから、これも何人かの方が触れましたが、コミュニケーションの問題なんですけど、すごく真面目に不真面目なことを言っちゃうと、最近の政策コミュニケーションで最も成功したのは2,000万円問題です。皮肉なことですけど。要するに、あの手の報告書を一般国民があれだけ読んだのは、多分読まれた度合いで言っちゃうと空前絶後ですよ。だから、ある種あの報告書で言わんとしたかったことが最も有効に伝わっちゃったんですね。
 何を言っているかというと、あれって、僕はある種今のネット時代的現象だと思っていて、あまりテレビニュースを見ている人はいないので、実は蓮舫さんのあの姿を見ている人は意外と若い人ではいないのですが、やっぱりネットでめちゃくちゃ拡散しているんですよ。ネットで読めちゃうので、若い人たちもいっぱい読んでいるんですね。ですので、政策コミュニケーションという問題も、デジタルトランスフォーメーションが起きちゃっている中でどうやっていくかということは、ここはぜひシリアスに、これもひょっとしたら政治マターも入ってきちゃうんだけど、そこはシリアスに考えるべきで、例の建議のときも申し上げましたけれども、あれはすごくいい文書、立派なものをつくっているんですよね。なんだけど、今回もしょうもないところをマスコミに取り上げられていて、一番大事なところは何となく取り上げられていないところがあったりする。
 ですので、これもある種組織能力の問題にちょっとかかわるかもしれませんけれども、もうこれはもとに戻らないですよね。要は、若い人たちは新聞を読まないということは戻らないですよ。彼らは紙の新聞を読まないし、不可逆的な変化が起きちゃっている。そうすると、それは予見として、我々は、私も来年還暦なのでめちゃめちゃおじさんの世代なんですけど、まだ30年弱は生きているとすると、やっぱりそのぐらいの時間軸には保証責任はあると思うので、そこも含めてぜひともいろんな改革をしていってもらえればうれしいなと思っております。以上です。

○吉野座長 
 山本先生、お願いいたします。

○山本委員 
 簡潔にしますが、ほかの田中委員をはじめ出てきた、ここの自己評価的な評価制度については見合わせたらどうかという話なんですが、事実上この懇談会はそれを超えた内容になっていると思うんですが、あえて変えるとすると、現行制度との整合性から言えば、例えば実務的には「財務省の政策評価懇談会」という名称を「財務省の政策と評価の懇談会」に変えるとか、そういうことで財務省の政策そのものも扱うのだと。ただ、現行の制度上、評価は外部的なチェックを受けなきゃいけないとなっているので、そういうことが考えられるというのが個人的な意見です。
 それで、今、冨山委員がおっしゃったコミュニケーションであるとか広報との関係というのはたまたまそういうことかもしれませんが、私、今回の評価書でインターネットのアクセス数をそれぞれ業務別に見ていくと、まさしくそういう現象が起こっているんですね。具体的に言うと、この懇談会でも問題になっている予算と決算という項目は約26万件ぐらいなんですね。税制は1,600万件ぐらい、国税は9万、財政投融資は9万件で、公共財産が9万、税関は427万かな。こういう具合で、いわゆる我々の関心が一番高い予算決算については、まさしくおっしゃったように財政審などというのはほとんど残念ながら聞いてこないということになっているんですよ。だから、ここはやっぱり財務省を挙げて、なぜこういう状態になっているかということについてはぜひ御検討を賜れればというふうに思います。
 時間がないようですので1つだけ。私、あまり褒めないんですけれども、非常に頑張っておられるということで、やっぱり国庫金の効率的な管理というのは非常にここのところ改善が見受けられまして、非常に顕著に目標を超えておられますので、私は、この改善努力は高く評価したいというふうに思っております。
 それで、細かい点は既にペーパーで出しておりますので省略させていただきまして、国税庁について申し上げますと、これは江川委員からお話がありましたように、酒類業の振興については、具体的な輸出促進についての記述がございまして、これはある意味一種の産業政策的なことをされるということでございますので、非常に計画としてもいいのではないかというふうに思っております。以上でございます。

○吉野座長 
 ありがとうございます。
 最後に、私も何点かコメントさせていただきたいと思います。ずっとこの政策評価をやっていますと、毎年非常にきれいになって整理されてきているというふうに思います。
 それで、少し先生方の御意見も含めてですが、中長期の財政が日本でどうなるかというのをある程度きちんと分析する必要があるのではないかと思います。現在のような低金利がしばらくは続きますけれども、その後上がってくると思いますから、そのときの国債の利払い費への影響なども含めた形でいろいろシナリオ分析をして、こういう形のシナリオがあり得るんだということを国民の前に示す必要があると思います。例えば財務省からですと大変ですから、学者なんかを集めていろいろなケースをやっていただければと思います。それが例えば財政安定化基本法とか、そういうものにつながっていけば一番いいのではないかと思います。
 2番目は、データの活用というのがこれからもっと財務省もやっていけると思います。これができないと、せっかくの日本の様々な動きというものをきちんと把握できないと思いますので、国の歳出・歳入に関するデータは一番財務省が持っておられますので、本来一番いいのは少しこういうのも学者に分析させるようにして、守秘義務を守って、それで活用してもらうということがいいことだと思います。
 これは国税に関しても全く同じことが言えまして、デジタルな世界になりますと、これまでの個別の紙での対応ではなくて、もっとデータによる分析ができるようになると思います。それによって人員を非常に減らして、もっといろんなところの税務調査をするとか、そういうふうに向けることができると思いますから、全体として国税庁も財務省も含めてデータによる活用、それによっていろんなことを見ていくということが必要だと思います。
 それから、私がアジアとか海外で見るところでは、日本人の国際競争力がすごく落ちてきてしまったということがあります。これは、韓国などは非常に英語での教育をしっかりしていまして、それから中国はやっぱり相当の人数で海外に留学をしておりますが、日本人の留学生の数が減っていることと、やっぱり国際競争力が落ちてしまってきています。
 これは国際機関に採用される日本人の数がどんどん減ってきているということにもつながっておりますので、どうやったらいいかということが問題なんですけど、私の同僚なんかに言わせると、ここ数年で大学生のレベルが相当落ちてきているという実感もあります。人材開発、それから田中先生がおっしゃいました研究開発もそうですし、どうやったら日本人の人材の力をもとに戻せるというか、そこがとにかく中国と韓国にも完全に負けてきていますね。それが非常に日本全体として大きな問題であるということは頭に置いておいていただきたいと思います。
 それから、地方創生のところも、今はやっぱりインターネットとかいろんなものを使いながら、そこに人がいなくても外国人を呼ぶとか、いろんなことができるようになってきていますので、地方が自由にやれるようにいろんなことを自由な発想でやらせてあげるということが非常に重要ではないかというふうに思います。
 以上が私のコメントでございます。
 それでは、最初に岡本政策立案総括審議官から御発言いただきたいと思います。

○岡本政策立案総括審議官 
 全ての委員から政策評価全般の話がございました。冨山先生からは、漸進的なPDCAという話がございましたけれども、山本先生からもお話がありましたように、政策評価法という法律があって、それに基づきルールを定めているものについては、様々な会社の事例紹介もありましたけれども、しっかりそこは厳しく見ていくということは続ける必要があると思っております。ただ、全体としてそれだけやっていても十分ではないというお話も、個人的にはそのとおりかなというふうに思います。
 今日の議論については、評価全体を所管しております総務省にも状況をお話しして、そのような問題意識を私どもとしてはしっかり伝えたいと思います。また、今のこのやり方というものはしっかりと続けていくにしても、もっと中長期的な、田中先生から御指摘いただいたような、将来的なリスクというか、もっとこういう大きな問題があるんじゃないか、また、江川先生から地方創生の話も出ましたけど、例えばふるさと納税とか、予算も地方創生交付金で頑張っているとか、切り口としてそういうテーマに対してどう取り組んでいるかというところは、確かにテーマ別に評価する形にはなっていないということも事実であります。我々だけですぐどうこうできるわけではありませんけど、問題意識はしっかりと伝えるとともに共有していきたいと思います。私からは以上です。

○吉野座長 
 財務省の方々からお答えいただければと思いますが、もし関係がないところがあれば特に結構ですけど、主計局長からお願いしたいと思います。

○太田主計局長 
 主計局に関係する部分は、財政健全化の関係について、何人かの委員から正直に申し上げて応援をいただいている、叱咤激励をいただいているという状況だと思っています。今日の議論はというか、私ももう大分年をとったので、何回かこの会にも出させていただいていますが、基本的には、特に角先生とか、田中先生、冨山先生がおっしゃっていることは、過去も聞かせていただいたこともあるようなお話だったと思っています。
 正直に申し上げれば、個人的な意見になってしまうと、私ごときがそんなことを申し上げるのは失礼かもしれませんが、恐らく最初に20年ぐらい前につくったときの要請と、今先生方がおっしゃっておられることは、もっと大きい政策としてどういうことをやるべきだという話をされておられて、そういう中で、ある意味で我々はあくまで事務方としてやっている仕事なので、民主主義国家で大きいことを決めるのは政治の世界だということなので、その中で評価のしやすいというか、事務方としてやりやすい部分と、財務省の場合どうしても政策として皆さんから評価としてどうかと思っていらっしゃるようなことがあって、それがどこまでできるのかというか、どこまで我々として目標を立てて、それに対して評価をしていくことは何ができるのかという話がまざっていると思います。
 おっしゃられることは、それぞれの先生の力点の置き方とか、あるいは視点が多少違うことはもちろんわかっているつもりですが、基本的にはおっしゃることはわかっているつもりで、これから先30年だというふうにおっしゃいましたが、その30年ということを考えてみると、やっぱり政策として何をやるかということと、それから財務省という組織として維持、あるいは政策をやるための組織としてのということですが、どうすればいいかということは考えないといけないということで、格好いいことなんか全然言える状況ではないんですけど、やっぱり政策で何らかの形を、今すぐにはわからなくても、あるいはその瞬間評判が悪くても、2年、3年、5年たったところで、あれでよかったんだと思ってもらえるような政策の結果をどれだけ積み上げられるかが我々に課せられている使命だと、特に予算の話は総枠主計局に課せられている使命だというふうに思っております。

○吉野座長 
 ありがとうございます。では、主税局長、お願いいたします。

○星野主税局長 
 税に多少関係する御指摘をいただいた部分についてちょっとコメントさせていただければと思います。秋山先生から、若年層の貧困とか、シングルマザー問題とか、そういった所得再分配といった観点から、今後、社会保障、税の一体改革だけではなくて税制改正みたいなものを考えていく。そういう中で、例えば給付付き税額控除の考え方はどうかといったような御指摘がございました。
 こういった所得再分配の考え方は、所得税改革の中でいろんな控除の見直しの議論ですとか主税局としても積極的に議論をやっていて、具体的なその制度の改革も進めているところではあります。ただ、それに伴ってやっぱり制度がなかなか複雑化する。それはもうちょっとシンプルにしていったほうがいいのではないかという御指摘があるのもそのとおりだと思います。そこは、政策の組み合わせ自体が非常に難しいということを思い悩みながらやっているということでございます。
 税制は、どうしても税金を負担していない人には恩典が行かないものですから、そういう方に対しては給付をあわせて行うということで給付付き税額控除の議論が出てくるんですけれども、ただ、なかなか悩ましいのは、議論を突き詰めていくと、結局税額控除の金額と給付する金額というのがある意味同じになっていかないと変だという話になっていく。
 例えばベーシックインカムの議論とかそういう話につながっていくような議論ですけれども、政策としてそういうものを本当に財源が限られている中でどこまで統一的にやっていくのかというのはなかなか難しい話でして、この議論をいろいろ考えると、やっぱりある程度は集中と選択で給付制度を考えたり、担税力がある範囲内でどこまで税制の負担を求めるのかという議論になっていって、所得控除と税額控除とどっちがいいのかとか、そういった議論を悩みながらやっているということでございます。ただ、御指摘については非常によくわかりますので、今後もそういうことも頭に入れながら検討したいと思っております。
 それから、江川先生から御指摘があった徴税権というんですか、課税権を地方に移すということで、テキサス州のお話をしていただきました。地方の自主的な分権なり、創生のために課税権を移したらどうかというような話は、国税と地方との間の税源移譲の話から始まっていろいろこれまでも議論があるんですけれども、悩ましいのは、東京一極集中みたいなこととの関連で考えると、結局地方に税制の権限を移せば移すほど、具体的な税源がないものですから、それをやるとかえって都市部に税収が集まっちゃって、税源の集中を直すということと逆行するというのがまず基本的にあります。
 そういう中で地方の工夫をある程度引き出しながらやっていこうと思うと、減税をものすごくやらせるみたいな話になるんですけど、それはそれでなかなか地方の財政も含めて考えると難しい部分があるので、おっしゃっておられる趣旨もよくわかりますので、そういうことも思い悩みながら、今後も考えるのかなというふうに思いました。やや感想的なことで申し訳ございません。

○吉野座長 
 ありがとうございます。では、関税局長、お願いいたします。

○中江関税局長 
 関税局長の中江です。
 特に関税局のことについて明示的な御指摘はいただいていなかったと思います。そういうことで、私が先生方の御意見を伺って、それについてどうこうと言う立場でもありませんが、関税局の場合、国際的な話と、いわゆる関税という税制の企画立案と、それから税関という現場を執行するという3つの仕事、三位一体と言っていますけれども、ある意味そこで完結するというなかなか面白い部署であります。
 いただいた御意見は、財務省の政策評価というよりは、もう少し日本はどうあるべきとか、その中で財務省はどうあるべきだというようなお話だったというふうに思いますし、私も個人的にはいろいろな思いがありますけれども、いただいた御意見を踏まえながら、関税政策、税関行政に生かせるところは生かしていきたいと思います。

○吉野座長 
 ありがとうございます。それでは、理財局長、お願いいたします。

○可部理財局長 
 ありがとうございます。理財局の関連で3点御指摘をいただきました。
 1つは、秋山委員のほうから、新しいブロックチェーンなどの技術を踏まえて、高い品質の通貨を円滑に供給する、あるいは通貨に対する信認の維持に貢献していくという中身もどんどん変わっていくんじゃないかという御指摘がありまして、全くそのとおりだと思っております。
 実際セントラル・バンク・デジタルカレンシーに関しては、日本銀行でもいわゆる金融機関向けの日銀ネットの部分は完全に電子化されていますが、ここにブロックチェーンを応用できるかどうかというのはECBと共同研究をしておられます。一般の個人向けの通貨を電子化するかどうかということについては、今その計画はないということではございますけれども、御指摘のとおり、海外の中央銀行ではそういう試みも始まっておりますので、その行方は非常に注目していまして、理財局並びに財総研は、恐らく日本の中でも最もそういう研究を一生懸命やっているところであろうと思っています。
 今回、5年後に新札と新硬貨を発行することにしているんですが、実は、キャッシュレスの比率が日本は2割ないし3割を4割にすると言っておりますが、これよりはるかに高い先進国でもまだキャッシュは増え続けているというのがございます。9割と言われている韓国でもまだ増え続けていまして、そういう意味ではしばらく現金通貨のネットワーク効果がある限り、やはりその通貨というのは増え続けますし、災害とか高齢者用に必要な部分がありますので、流通している通貨については信認をきちんと確保できる、偽造防止をしていくという一方で、御指摘のような新しいトレンドについては、最新の動向をフォローして対応していきたいと思います。
 2点目に、角委員のほうから国有財産について御指摘をいただきました。学校法人に対する土地の処分に関しては、国有財産分科会のほうで御検討いただきまして、必要な通達改正を昨年末までに全て終え、既に実施をいたしております。これをきちんと監査も含めて徹底していくというのが、私どもに課せられた使命だというふうに思っておりますので、しっかり取り組みたいと思っております。
 また、御指摘をいただきました国有財産分科会の答申を13年ぶりにいただくことができました。これから人口が減少していく。一方で、今ある国有財産の処分可能財産のストックというのは、ひところの物納財産等の処分が終わりまして、非常に少ないレベルまで落ちてきましたので、真に必要な財産、あるいは貴重な財産については保持しながら、御指摘のとおり定期借地等で活用していくという新しい方向を打ち出していただきましたので、介護・保育のみならず、その他の目的も含めてそうした活用方法を探っていきたい。
 その際には、御指摘ございましたようにまちづくりということになってまいりますので、地元自治体との連携を大事にしていきたいと思っておりますし、それから処分をする場合であっても、御指摘いただきました二段階競争入札等でまちづくりに貢献する形でやっていくということが大変大事だと思っておりますので、いただいた答申に魂を入れていくという作業をこれからしっかりやらせていただきたいというふうに思っております。
 3点目に、山本委員のほうから、国庫金の効率的な管理について目標を上回って達成してきているので、これからもしっかりやってもらいたいというお話がありました。国庫余裕金の発生が少なくなるように受け払いのタイミングを調整する。あるいは余裕金を使った繰替使用によって資金調達を抑制するという努力はしてまいりましたけれども、引き続き努力していきたいというふうに考えております。

○吉野座長 
 ありがとうございます。それでは、国際局の総務課長、お願いいたします。

○土谷国際局総務課長 
 国際局でございます。武内が所用で離席しておりまして、代わりに申し上げさせていただきます。
 直接国際局にかかわる御指摘はいただかなかったと思うのでございますが、深く我々の業務に関連することといたしまして、吉野座長のほうより国際的な人材の育成、これはまさに我が局の業務を支えていくためには最も重要な点でございますが、その点について御指摘をいただいたと思っております。
 今年1年間、日本はG20の議長国として、ちょうど私どもは福岡での財務大臣会合を終えたところでございます。こういう議長国を引き受けますと、これまでであれば、今では中国であるとそういうことになるかもしれませんが、資金パッケージのようなものを用意して、お金に頼って成果を上げていくということであったかもしれませんが、冨山委員の御指摘にも関係するところだと思いますが、なかなかそういうわけにもいきませんので、日本といたしましては、今年はやっぱり知恵で勝負していくということでございました。
 必死で皆で頭を働かせまして、例えば質の高いインフラ投資でございますとか、今の米中貿易紛争を念頭に置いたグローバルインバランスの議論といったものを仕掛けてきたわけでございます。ただ、お金に頼らない貢献となりますと、他国の説得でございますとか、なかなか私ども職員に求められる能力も非常に高まってきたというのが実態ではないかと思います。
 なかなかこうした貴重な経験というのはそうくるものではないと思っておりますが、今週大阪サミットも迎えるわけでございますけれども、大変我々職員にとって貴重な現場で、いい経験を積む機会になったのではないかと思っております。改めまして、吉野座長の御指摘も踏まえまして、また国際的な人材の育成といったものにしっかりと努めてまいりたいと考えております。

○吉野座長 
 それでは、総括審議官、お願いいたします。

○茶谷総括審議官 
 私のところでは、今日の個別の話になりますけれども、秋池委員と田辺委員から地震保険の話があったと思うんです。地震保険はまさに検査件数が1個減ったということで下げているところでございますが、また田辺委員からもお話がありましたように、平成30年はたまたま大阪北部地震とか、あるいは北海道の胆振地震とかで支払い件数が非常に多かったものですから、結果として検査件数が減ってしまったのですが、今後は、例えば円滑な支払い件数がどれだけ増えたかということもきちっと総合的に判断できるように、これは指標の工夫でございますが、そういう形で対応させていただければと考えているところでございます。

○吉野座長 
 それでは国税庁長官、それから最後に、岡本事務次官からお願いいたします。

○藤井国税庁長官 
 国税庁の計画について何点か御指摘を頂戴しました。
 冨山委員から、国税庁はPDCAサイクルを回しやすいので、非常にこの実績評価はよく馴染むという御指摘をいただきました。私もその点は実感しておりますので、今後も全体としてよく活用しながらやっていきたいというふうに思います。
 今回新たに日本産酒類の振興というのを付け加えました。国税庁も現場も振興行政にそう慣れているわけではないのですが、これから力を入れて、輸出に適合した免許の運用も含めて、定量指標もできましたので、これから一生懸命やっていきたいと思います。
 また、国際課税分野は極めてウェイトが高まっております。これも、まさに実績評価で毎年毎年どの程度きちっとできているかということを検証しながらやっていきたいと思います。
 吉野座長からデータ活用について御指摘をいただいております。今後、5年以上かかりますけれども、データを活用しやすいようにシステムの全面見直しをかけているところでございます。これによってかなり学者の先生方その他の要望に応えやすい形になろうかと思います。また、現在でも、一定の手続を踏めば学者の先生方にはデータを使っていただけるような仕組みもございますので、研究に役立てていただければというふうに考えております。以上でございます。

○吉野座長 
 最後に、岡本事務次官からお願いいたします。

○岡本事務次官 
 本日はお忙しい中御出席を賜り、また大変貴重な御意見を頂戴いたしましたことを改めて御礼申し上げます。
 本日御提示させていただきました政策評価につきましては、幾つか御評価もいただきました。政策評価の役割というのは、やはり日本の行政はかつて必ずしも説明責任を十分果たしていないのではないかということもあって、制度としてスタートをしてここまで続けてきているわけでありますけれども、やはり国民に対する説明責任をしっかり果たす。また、組織として自ら自己点検をしっかり行ってPDCAサイクルを回すというのは、私ども組織は、どうしても政策立案のみならず、お話にもありましたように多くの執行機関を抱えておりますので、この役割はしっかりと今後も果たすべくやっていきたいというふうに考えています。
 ただ、本日御意見にもありましたように、一方で単純に手段が目的化してはならないと思います。評定が上がったからとか、目的ができたらこれで満足だとか、こういったことにはならないようなことはしっかりと考えていきたいと思います。
 また、さらにこういう点も田中委員から御指摘がありましたように、そもそもということがございました。これはまさに私ども財務省として、今後の日本の財政の問題等とどのように向き合っていくかということかと思います。本日御指摘いただきましたように、当然中長期的なスパンでの視点、今後の財政、経済、また人口がどうなっていくか。まさにおっしゃったように日本社会そのもののサステイナビリティをどう考えていくかという問題を考えるに当たっては、当然今の技術の変化のスピードといったものを考えていかないといけないと思います。
 冨山委員からも30年スパンということがありましたが、まさに平成がちょうど30年で元号が、時代が変わったわけでありますけれども、私も個人的にも、平成の元年の時点で私どもが平成の30年、日本がどういった状況になるのかということをその時点でどの程度想像ができたか。正直全くできていなかったというやはり反省があります。
 令和の時代になって、また30年後を完全に予測することは不可能だといたしましても、大きな変化のうねりが起きている。またその変化のスピードが非常に速いということは少なくともわかっているわけでありまして、本日まさに御指摘いただいたように、そういった日本がこれから向かう変化というものをどのように考えて、それを財務省としてどのように受けとめて、今後のまさに財政の問題等々に向かっていくかということは、政策評価の文言になってくる前の問題かもしれませんけれども、しっかりと向かっていきたいと思います。
 またその際、やはり国民に対する説明をしっかり果たすという意味において、広報の問題につきましても様々御指摘をいただきました、また、地方公聴会を今回久しぶりに行っていただいて大変な効果があったというふうに伺っておりますし、またそういったことに加えて、デジタル社会のもとでの広報のあり方ということもまたしっかりと考えながら、国民に対する説明等をしっかり果たしてまいりたいというふうに思います。
 また、本日はまだ御説明ができる段階ではございませんでしたが、ちょうど1年前は決裁文書の改ざん問題等々、私どもは大変な批判を受けておる中でございました。そこから1年間組織の見直しにつきまして議論を重ねてきておりまして、近いうちに私どもの職員にも説明するような形で行ってまいりたいと思いますが、これもまさに財務省が今後どうあるべきかということの一つの大きな方向を示すものでありますので、最終的にまとまりますればまた委員の皆様方にも御紹介させていただく中で、今後の財務省につきまして、また引き続き御指導をいただきたいというふうに思います。
 本日はどうもありがとうございました。

○吉野座長 
 岡本事務次官、どうもありがとうございました。
 それでは、これをもちまして今日の懇談会を終わらせていただきたいと思いますが、今後に関しましては、10月ごろに国税庁の実施評価についての会議がある予定でございます。
 それからまた、今日の議事内容につきましては、各委員に御確認の上、財務省のウエブサイトに公開する予定でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、今日の審査を踏まえて、財務省におかれましてもPDCAサイクルとしてぜひ回していただければというふうに思っております。
 これをもちまして、政策評価懇談会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。

──了──