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第65回 財務省政策評価懇談会(3月12日開催)議事録

1 日時

平成31年3月12日(火)10:29〜11:54

 

2 場所

財務省第3特別会議室

 

 

3 出席者

(懇談会メンバー)

 

秋池 玲子

ボストン コンサルティング グループ
シニア・パートナー&マネージングディレクター

 

秋山 咲恵

株式会社サキコーポレーション ファウンダー

 

角  和夫

阪急電鉄株式会社 代表取締役会長

 

田中 直毅

国際公共政策研究センター 理事長

 

田辺 国昭

東京大学大学院法学政治学研究科 教授

 

山本 清

鎌倉女子大学 教授、東京大学 客員教授

 座長 

吉野 直行

慶應義塾大学 名誉教授

(敬称略、五十音順)

(財務省)

 岡本事務次官、矢野官房長、三村副財務官、小宮総合政策課長、太田主計局長、
 彦谷主税局総務課長、高見関税局審議官、可部理財局長、武内国際局長、
 美並財務総合政策研究所長、木村会計課長

(国税庁)

 藤井長官、武藤審議官、天野監督評価官室長

(事務局)

 岡本政策立案総括審議官、江島文書課長、渡部政策評価室長

 

4 議題等

(1)平成31年度財務省政策評価実施計画等(案)について
(2)政策評価に関する基本計画等の一部改正(案)について
(3)「平成31年度予算編成等における政策評価の活用状況」について

 

5 議事録

 

 

○吉野座長
 
皆様お集まりですので、1分ほど早いようですけれども、会議を開始させていただきたいと思います。第65回の財務省政策評価懇談会でございます。

 今日は、議題の(1)と(2)につきまして、まず最初に岡本政策立案総括審議官から御説明をいただき、それから皆様から御意見をいただきたいと思います。

 では、お願いいたします。


○岡本政策立案総括審議官

 それでは、初めに平成31年度財務省政策評価実施計画等(案)について御説明いたします。

 右下に付しておりますページ番号の4ページを御覧いただきたいと思います。財務省の政策の目標の体系図となっております。今回、目標自体に変更がございましたのは1カ所でありまして、上段の総合目標2、下線部を引いてございますけれども、骨太の方針2018と同様の文言に変更してございます。

 5ページを御覧ください。今回の実施計画等における主な変更点についてですが、取組内容について直近の内閣の基本的方針に沿ったものとなるよう見直しを行いました。また、31年度の事前分析表につきましては、各施策等における成果を説明するに当たって、データを用いて対外的にわかりやすく説明できるかという観点から、より一層国民にわかりやすい形となるように、まず目標が達成できたかどうかを明確に測定できる測定指標が設定されているか、2番目としまして目標とそれぞれの測定指標の関係が曖昧になっていないか等の観点から、定量的な測定指標の見直しや定性的な測定指標の定量化等を検討するとともに、測定指標を補完する参考指標を活用するなど、当省の政策評価の更なる改善に取り組みました。

 6ページを御覧いただきたいと思います。政策目標における「施策」の主な変更についてでございますけども、国有財産関係の政策目標3−3における6施策につきまして、国民に対する説明責任を果たすとの政策評価の目的を踏まえ、国民の視点に立ってわかりやすく簡潔に項目を整理するとの観点から、まず1番目として、行政財産、普通財産の分類に沿って整理しつつ、2番目として、「国有財産の有効活用の推進」は、現在の国有財産行政における主要な論点であることなどを踏まえまして、4施策に整理いたしたところでございます。

 なお、未利用国有地の適正な管理・処分に関しましては、学校法人森友学園への国有地の売却等事案に対する国会での御指摘や会計検査院の検査結果を踏まえまして、国有財産の管理・処分手続の明確化に取り組んだところでございます。今後とも一層の適正性の向上を図るため、公文書管理や電子決裁を徹底するなど、法令等に基づいて国有財産の適正な管理・処分を行うとともに、コンプライアンスの確保など再発防止に向けた取組を進めてまいりたいと思います。

 7ページを御覧いただきたいと思います。施策の達成度をはかる測定指標の変更についてでございます。

 まず1番目でございますが、政策目標1−1、左の上に書いてございますけれども、財政に関する迅速かつ正確な情報提供を行うための取組としまして、財務省ウェブサイトでの公開につきまして、期限を目標値として定性的な測定指標を定量的な測定指標に変更いたしております。

 2番目でございます。次のページにかけましては、国有財産関係の政策目標3−3において、これまでは類似する複数の測定指標により評価をしていたものにつきまして、国民の視点に立ってわかりやすく簡潔に項目を整理するとの観点から、既存の測定指標の評価の観点を維持しつつ統合いたしまして、各施策における取組について定性的な測定指標を設定してございます。

 なお、定性的な測定指標の政3-3-3-B-1、「国有財産の管理・処分における法令等に基づく公正、透明な処理の実施」につきましては、公共随契による売却や貸付けを行う際には、全ての場合において処分等価格の見積もり合わせを実施するともに、契約金額につきましては公表の同意を随意契約の要件としまして、全て公表することといたしております。また、売却や貸付け等を行うに当たり、地下埋設物等を原因とする処分等価格の減価が大きいと見込まれる場合等には、不動産鑑定士や弁護士等の外部の有識者による第三者チェックを行うこととしております。

 次に、8ページでございます。8ページの中段にあります「国有財産物件情報メールマガジンの登録者数」につきましては、国有財産の売却等に関連する更新情報を電子メールによりタイムリーに情報提供を行うとともに、国民の皆様に更に登録していただくよう、前年度より登録者数の増加を目標値としまして、定量的な測定指標を新たに設定しておるところでございます。

 次に、9ページを御覧ください。施策6-1-2でございます。国際金融システムの安定等に関する項目でございますが、本年はG20財務大臣・中央銀行総裁会議が日本で初めて開催されることになります。議長国として世界経済の持続可能で包摂的な成長を実現するために、G20での議論を牽引することが重要であることから、当該取組につきまして定性的な測定指標を新たに設定しております。

 また、2つ目以下のところにつきましては、定性的な測定指標の定量化などにつきまして検討した結果、アジアにおける地域金融協力につきましては、「ASEAN+3における現地通貨建て債券による資金調達の状況」を、また、その他国連安保理決議等を踏まえた外為法に基づく制裁措置の適時の実施につきましては、「外国為替検査の実施状況」等につきまして、それぞれ定量的な測定指標を新たに設定しておるところでございます。

 10ページを御覧いただければと思います。全体の測定指標数の推移でございますが、そちらにございますように、平成31年度は測定指標等の見直しを反映しまして、定量的な測定指標が、この真ん中ほど、42から50に増えておりますけれども8増、定性的な測定指標は5減した結果、全体として3増、139が142となっております。

 最後に、11ページを御覧いただければと思います。政策評価に関しまして基本計画を策定しておりますけれども、これの一部改正について御説明いたします。

 まず1番目が、政策立案総括審議官の新設に伴う所要の改正をしております。

 2番目といたしまして、真ん中ほど、目標・測定指標の適切な設定を行う上で有効と考えられる方策の1つとしまして、ロジックモデル、これはEBPM的な考え方から導入されているものでございますが、そういったものもPDCAサイクルの中に政策評価の実施要領への記述を追記したいと考えております。

 3番目でございます。租税特別措置等に係る政策評価の評価書様式の改正、これが第3番目の改正点でございますが、それらを盛り込むための所要の改正を行いたいと存じます。

 以上で議題(1)から(2)に関する御説明を終わります。


○吉野座長

 岡本政策立案総括審議官、簡潔にどうもありがとうございました。

 それでは、いつものようにあいうえお順で各委員の先生方から御意見をいただきたいと思います。今日も恐縮ですけれども、5分以内でお願いしたいと思います。

 まず最初に、秋池委員からお願いいたします。


○秋池委員
 御説明いただいた評価の点につきまして1つ、それからそれ以外に2つと思っております。

 評価につきましては、昨年も申し上げたところですが、この数年間で評価の資料がとても理解しやすいものになったと考えております。ですので、一般の国民の方も、ホームページにこれが開示をされているわけですけれども、そこまでたどり着いてくれるかどうかはともかくとして、見ればわかりやすいものになっているというふうに思っています。

 それから、評価の内容そのものですけれども、きちんと厳しめに見ておられるということかと思っておりまして、恐らくきちっと評価をされているというふうに添付資料などを拝見いたしましても思いました。財務省の場合は非常に長期のテーマも多うございますので、1年で達成できないことでありますとか、状況によってターゲット自体が更にハードルが上がるような類いのものもあろうかと思うのですけれども、そういったことも含めて公正な評価がなされているのではないかと思います。

 もう1点ですが、今回の御説明にもありました総合目標の5のところですけれども、この中に「世界経済の持続的発展」という言葉がありますが、持続性というものは今後の世界の中で非常に重要なキーワードになってきておりまして、これは財政の健全化自体も持続的発展のためにやられていることだと思いますけれども、さまざまな部分にそういったキーワードが恐らく財務省の仕事の中にはあると思いますので、そういったところに光を当ててみるとさらに進められることなどもあるのではないかと考えております。

 それから、最後に3点目ですけれども、政策を定量的な指標で評価をするというふうに変わってきていること自体はよいことだと思うんですが、ただいまの説明にもおありだったように、目標と測定指標の関係というお言葉がありましたけれども、ここがずれると間違えた指標でいびつな取組になってしまうということも、民間にもたくさんそういう事例がございますので、いい測定指標が選べればというふうに考えております。

 また、ロジックモデルを使って証明をしていくというようなことも今後多くなっていくと思うのですけれども、これは頭のいい人が幾らか都合のいいようにある部分を切り出してロジックモデルを作って、あたかも説明したかのように見せてしまうことができるということも実際にございますので、例えば予算を見たり、税の問題を御覧になったり様々な部分で使われると思うのですけれども、そういうものが出てきたときに財務省側はそれを見極める能力を高めていく必要があるということで、やはりより一層経済の分析力といったものが求められていくのではないかと考えております。以上です。


○吉野座長

 簡潔にどうもありがとうございました。では、次に秋山委員、お願いいたします。


○秋山委員
 ありがとうございます。私も秋池さんと同様に、ここ何年か拝見しておりまして、着実な見直しが進められているということについては同意でございます。この着実な見直しの次に向けてということで1点申し上げたいのが、測定指標ですとか、数値目標を置いてわかりやすくするというところです。

 これを今後更にEBPMの手法なども取り入れながら、データを活用してやっていこうということになったときに、財務省だけではなくて政策全般でEBPMを広げていくために、政策評価で財務省が示したリーダーシップをEBPMの浸透にもぜひ発揮していただきたいです。そのためには、例えば評価のフォーマットの標準化ですとか、あるいは評価基準の標準化ですとか、これを省庁縦割りではなくて横に、例えば財務省でやったいいものを他で使えるようなものをどんどん提案していくですとか、そういったことをぜひしていただくように期待をしております。

 それから、全体的な観点でコメントさせていただきたいなと思っていることがございまして、前回も少し申し上げたかと思いますけれども、やっぱり気になりますのが、今の法律だとか制度が前提にしている社会のありようというのが今大変大きく変わってきております。

 行政マンのマインドというのは、法律だとか仕組みにしっかりのっとってそのとおりやるということで皆さん一生懸命やっていただいているんですけれども、結果的に現実との乖離が起きる部分においては、政策の打ち手がどうしても追いついていないというような状況が長く続くと、特に現場の人たちを含めて行政の皆さんのやりがいに問題が起きて疲弊をしたり、その結果、人材確保に困難を来していくというようなことを考慮していく必要があるだろうと思っております。

 あともう1つ、今の状況としては景気が転調し始めております。これは世界経済の転調から来る要素が大きいという部分がありますので、国内が悪くても海外で、あるいは海外のどこかが悪くても別の地域でというようなことができずに、逃げ場がないようなこともこれからは十分に起こり得るというふうに思っています。

 そうなりますと、財政再建への逆風がこれから強くなるのではないかということが想定されますし、税収アップの見通しもなかなか見通しづらいということも懸念されます。そうしますと、税制の構造と予算配分の仕組みというものをできる限り合理的でシンプルなものに変えていく努力をますます進めていく必要があるということを強く感じております。複雑過ぎる仕組みが、まさに現場の人たちを含めて行政の人たちの疲弊の原因の1つにもなっている部分があるということは、民間の目線で申し上げたいというふうに思います。

 1つの例として地方創生で、ほぼ今全ての自治体が人口問題で苦しんでおります。人口問題というのは、実は各自治体だけの努力で改善できることというのは非常に限られておりまして、全体が減る中では取り合いみたいな構図にならざるを得ない。では、そもそも住民が幸せに暮らしていくのに、本当に人口という目標設定が地方創生のベンチマークなのかという疑問はだんだん強くなってきているんじゃないかなと思います。

 特に危機感の強い中山間地の自治体で、私も国家戦略特区の関係などでお付き合いさせていただいている自治体の現場の方の声を聞いても、人口1人当たりの面積が広いことにより、行政のコストが高くなってしまうという状況を解決するために何か改革を進めようと思っても、地方交付税というのは基本的には分配ルールが人口ベースになりますので、このあたり、仕組み、制度がそのままだとどうしても意識が変わらない。そうすると、現場の行政手法もなかなか変わりづらいというような現状があるのではないかと感じております。

 そういった意味で、今回提案されているような、いろいろ数値目標を入れたり、ロジックモデルの活用というところは非常に意欲的で、ぜひいい形で活用していただきたいと思うんですけれども、1点だけ、まさに秋池さんがおっしゃったことと同じ点だけお願いしておきたいのは、このロジックモデルに反映されるロジックが、今の価値観、これまでの価値観というよりは、将来に向けての新しい価値感を反映していくようなロジックモデルでなければならないということと、それを一回決めたからまたずっとそれでいくということよりは、常にその状態を維持できるような仕組みでレビューをしていくということは重要だと思いますので、ぜひそういう取組をお願いしたいと思います。以上です。


○吉野座長
 ありがとうございます。それでは、角委員、お願いいたします。

○角委員

 まずこの政策評価に関しましては、基本計画が一部改正されましたように、立案の総括審議官が設置されたことは非常によかったと思います。

 さらに、エビデンスに基づく政策決定、そしてPDCAを回すという中で、チェックの定量的に評価をするという項目がさらに増えたこともよかったと他の先生もおっしゃっているとおり思います。

 あと、ちょっと今回とは離れますけれども、国有財産の処分について売却と貸付けという御説明がありましたけれども、やはりこれから、民間ではあるけれども、保育とか、介護とかを充実させていくためには、将来の人口動態を考えますと、売却ではなくて貸付けの部分を、もう少し定借の部分を増やしていくべきではないかなというふうに感じておりますので、よろしくお願いします。

 それと、エビデンスに基づく政策立案という方針がありながら、残念ながらエビデンスに対する信頼が今回損なわれたということは、非常に残念なことであります。これを見直す動きが出ておりますけれども、そのときのポイントは、やはりアナログからデジタルに変わっていっている社会の中で、もう少し近代的な手法がないのかなということ。

 それと、できれば民間の活用といいますか、三セクというのは評判が悪い部分もありますけれども、やはり行政に精通した方と民間の方をあわせて、例えば、昨年の5月、次世代医療基盤法が改正されて医療のデータの匿名化によってビッグデータで二次利用できるようになりましたけれども、匿名化の認定機関はまだ発表されていませんけれども、恐らく行政と民間のような形になるのではないかと思うので、エビデンスについてもその辺が変わっていけばなというふうに思います。

 それと、政策評価とはちょっと離れますけれども、先般の新聞報道で、雇用者報酬が増えているにもかかわらず個人消費が伸びないという記事が出ておりました。私、5年ほど前に財政審である大手の保険会社が、新しく入ってくるような社員に「給料をもらったら何に使いますか」という調査をしたら、1位が「貯蓄」だったというお話を聞いたことがあったんですけれども、これはまさに将来の不安ですよね。社会保障は大丈夫か、あるいは賃金は上がっていくのかという不安が消費を抑えてしまっているということなので、社会保障の持続性ということをやはり国民に広く知ってもらう必要があるのではないか。

 私は毎年、大阪大学で新入生向けの講座をしているんですけれども、そのときに財政規律の問題とか社会保障についての話をします。確かに医療、介護は大変だけれども、年金についてはマクロ経済スライドも入っているので、君たちが年が行っても大丈夫だよという説明をしても、ほとんどの学生が「そんなことないですよ」という反応が返ってきます。ですから、何とか将来不安を取り除いてほしいなと。

 雇用報酬は5年間で7%以上増えています。ところが、消費性向が5年間で5ポイント下がって、74%から69%に下がってしまったという現実があります。ですから、1つは消費性向を上げていく努力。

 それと、賃金について。民営鉄道は、95年の阪神・淡路大震災があったときに、例えば阪急とか阪神は甚大な被害を受けたわけです。1月に地震があって、3月の春闘のときに個別交渉を導入し、私鉄総連と民営鉄道協会が交渉するのではなくて、個社がそれぞれ交渉する方式に変えました。95年からですから、24年前に集団交渉はやめたわけですね。ところが、残念ながら、他の業態では依然として集団交渉方式がとられている部分があります。

 集団交渉というのはある意味楽なんですけれども、どうしてもやはり業績の悪い会社に足を引っ張られてしまうという側面があるので、企業の実力に応じたベースアップ賃金を決めていく方式を入れていくべきではないかなというふうに思います。

 それと、昨年6月の財政健全化計画の中で、残念ながら、2020年のプライマリーバランス黒字化が5年間延期されました。ただ、そのときに、2019年から2021年の3年間でいわゆる社会保障の抜本的な見直しをするということが掲げられました。ですので、まさにこの参議院選挙が終わった今年の後半からラストチャンスというふうに思います。22年になりますと団塊の世代が75歳に入っていきますのでぜひともよろしくお願いしたいと思います。

 それと、先般、衆議院の財務金融委員会で、軽減税率による所得階層別の軽減度合いはどうかという調査を野党からの要請によって出されました。238万円未満の軽減額は1,430億円、738万円以上の高所得者層は2,880億円で倍あると。こんなことは当たり前の話で、当然可処分所得の多い層はたくさん消費をするから軽減額が上げるのは当たり前なのに、野党の方はどういう趣旨で聞かれたのかわからないんですけれども、こんなことは当然なわけなのです。

 というよりも、次回、この10月の次に例えば10%から12%に消費税を上げるという時期が来たときには、当然軽減税率の8%は僕は10%にすべきだと思いますし、もともと税と社会保障の一体改革の議論ができたときに、低所得者に対しては当然所得再分配機能がないわけですから、低所得者には現金で支給をするという議論が出ました。

 それは、やっぱりマイナンバーカードによって所得と資産をきちっと把握しないとそれはできないわけですから、当時はマイナンバーカードはこれで本当に入っていくなというふうな空気になったのをものすごく経済界としても歓迎したわけですね。負担できる人は負担するということからいっても、その負担できる人をきちっと掌握しなければならない。それが今はできていないわけですよね。ですから、次の消費税を上げるまでに、少なくとも銀行の口座は既存口座も含めて全てマイナンバーとリンクをしていただくということを今から始めていっていただいて、次の消費税のときはきちっとそういうことができるようにしていただきたいと思います。

 変な話ですけど、カジノだって、別に僕はカジノを賛成するわけではないけれども、当然マイナンバーカードでチェックをしないと、常習賭博の方のこととかできないわけですね。そんな細かい話もありますけれども、ぜひとも既存口座も含めてマイナンバーカードとつなげていただきたい。残念ながら今10%ぐらいですよね。非常に低いわけですので、ぜひともそれをよろしくお願いしたいと思います。

 長くなりまして、すみません。ありがとうございました。


○吉野座長

 どうもありがとうございました。それでは、田中委員、お願いいたします。

○田中委員

 政策評価の前提として、国民に対してどういうメッセージを一つ一つの政策で伝えるのかというのは重要だと思うんですが、今回の消費税率の引上げに伴う諸措置は鮮明性を欠く。国民に対してメッセージを伝え切れていないというおそれがあると思います。

 今回消費税率を引き上げていくのは、現役世代が税負担を先送りしない、財政赤字について放置しないという国民の意思を体現して、それを消費税率の引上げとしておくことであるにも拘わらず、ポイント還元等々の極めて複雑な、そして一部には税率の引上げに伴って、特定のところではそれを利用して、税に伴って何かプロフィットが生まれるかもしれないみたいな話が飛び交っていること自体、鮮明にメッセージを伝えるということに私は失敗し始めているんじゃないかという懸念を持っています。

 私が文章を書く商売を始めたときに、先輩の腕の立つ論文の書き手から言われたことがあります。小論で幾つものことを書いちゃだめだと。ボートには荷物は1つ載せる。ボートはどこに着けるかという目的があるんだから、目的に持っていくためには荷物は1つしかだめだ、ボートに1つ以上載せるなと言われました。それは、論文でどうしても伝えたいことは1つに絞って、それを伝えろと。

 今回の消費税率の引上げについて言えば、明確なはずなんです。現役世代はこれ以上先送りを続けることはしません。これが政治のメッセージであり、それは国民全員が賛成するわけではないでしょうけれども、大半がそれはそうだということになろうかと思うんです。

 国際的には政治もなかなか難しくなっておりまして、アメリカの民主党では、Modern Monetary Theoryというやつで、連邦政府と中央銀行の統合勘定、すなわち一体管理でエクスペンディチャーを、ニューディールを続けられると。今日のことですからグリーン・ニューディールということになるんですけれども、そういう主張が出てきていまして、要するに負担は飛ばせる。セオリーからいってもそういう議論があるよと言い始めていて、一部には日本でやっていることだと。

 財政ファイナンス、Modern Monetary Theoryに最も忠実なやり方をやっているのは日本だという議論があって、飛ばし、先送りというのが経済に大きな歪みをもたらすことなくできる秘密のわざがあるみたいな議論が広がる中で、我々はそうではないと、ここで踏ん張るために消費税率の引上げを論じている。にもかかわらず、それが極めて不鮮明になってきている。

 それは、税率が上がる前と後では多少消費動向に歪みが出ることは避けられない。駆け込み需要も発生するでしょうし、その反動も生まれるでしょう。だけど、そんなことを消費税率の引上げのプロセスで国政のレベルでかんかんがくがく議論しているような国はないので、財務省の政策評価の前提として鮮明なメッセージを伝えるというここにやっぱり絞って我々は議論すべきではなかったか。

 もちろん、こういう経緯をたどっていること自体は言論の不毛さといいますか、私どもの業界の非力ももちろん認めます。そういう議論がなぜ展開できていないのかということについては、私自身は恥じ入らなければならない者の一人なんですけれども、これだけ鮮明さを失ってくると、政策の項目立てをしていろいろ評価するのもさることながら、メッセージに鮮明を欠き始めるとやっぱり国民に伝わらないというおそれが私は広がっていると思います。

 これは、財務省だけの力でできるものでもないかもしれません。大きくは政治、分析にかかわる話、あるいは政策の打ち出し方にかかわる問題ですから、財務省の省内のチェックリストに入るかどうかは別として、相当問題がもう起きているし、それを止めることに我々は成功していないという自覚が要るのではないかと思っていまして、岡本政策立案総括審議官がまとめる枠に入るかどうかはわかりませんけれども、ちょっとそんなことを感じております。


○吉野座長

 ありがとうございます。では、田辺先生、お願いいたします。

○田辺委員

 3点ほどコメントでございます。

 まず第1点は、「内閣の基本方針等に沿った取組内容の見直し」というところでございます。幾分しようがないことはわかるのでありますが、2019年度の財務省の活動を骨太方針の2018を中心に見ていくというのは無理があると思います。恐らく平成31年度の6月に骨太方針の2019ができ上がって、それが2019年度の例えば主計の予算編成であるとか、主税の税の改正等の査定のところで生きてくる指針になるのだろうと思います。

 現段階ではそれがありませんので、骨太方針の2018というのを入れ込むのはわかるのでありますが、これはやっぱり後のところの、3月から6月ぐらいになって次の2020年になったときに、2019年度を2018を軸として評価するというのはちょっと無理がありますので、6月過ぎた段階で、2019年度の財務省の実施計画ないしは基本計画かもしれませんけれども、そちらにローリングする仕掛けというか、そのお考えみたいなものを取り入れていただかないと、主計とか主税という査定官庁、調整官庁の評価というのは難しくなるのではないのかなという感じがしたと。現段階ではこれでしようがありませんけれども、そこの工夫は何かないのかなというのが1点目のコメントでございます。

 2点目は、特に国有財産と国際金融に関しまして、基本的な方向は項目を減らして、それで指標を増やしていく。その指標の中でも定性的なものに加えまして定量的なものも入れ込んでいくということでございます。基本的には私はこの方向を支持したいと思います。つまり、見えやすくするというときは項目が少ないほうがいいわけでありますので、そこのところをきちっと国民に対して見やすい形でまとめる。

 他方、評価をするときは複数の軸できちっとした指標で事後的に判断するということが必要になりますので、今回の改正というのは見やすさというアカウンタビリティの側面と、それから評価のしやすさ、エバリュエータビリティというんですか、そちらを調和させる改正であったのかなという気がしております。これが2点目でございます。

 3点目は、EBPMとの関係でございます。各省におきましても、評価というものと、それからEBPMという発想が、ポストの中で同じ評価部局がEBPMの担当みたいな形で割と位置付けられることが多いということで、この結び付きをどういうふうに実行に移していくのかなというところが、今後のポイントになってくるのではないかと思うところでございます。

 ただ、あまり大声では言えませんけれども、財務省のやっている活動をロジックモデル化してもあまりうまくいかない気がしておりまして、これはやっぱり社会とか経済に実質的に規制とか補助金で働きかける省庁のほうが、ロジックモデルというのはどこでつまづいたというのがわかりやすい部分がありますので、私としては、財務省に関してはあまりロジックモデルでうまくいくという期待はありません。ただ、他の省庁で作ったロジックモデルをどう使うのかというところにやはり財務省の腕の見せどころがあるような気がしております。

 恐らく、従来でありますと、例えば政策の必要性であるとか、政策の成熟度、それから政策の達成度等々を見て査定をかけるということになってくるのだと思いますけれども、それに加えまして、相手省庁の出しているエビデンスがどのレベルなのかということも、やはり査定の1つの軸になってくるのではないかということでございます。

 エビデンスと言っていますけれども、エビデンスというのは非常に高いレベルからほとんどいいかげんというレベルまでいろいろありますので、それを見極めて、査定にどう生かすのかというところがポイントになってくるのではないか。エビデンスのレベルの高いものは確実ですから、やればそれが実行されて効いてくるということははっきりして、率を上げろとは言いませんけれども、それを例えば補助のほうに持っていくことは必要です。

 他方で、エビデンスレベルが低いというものは、チャレンジの契機が大きいということでありますので、ある種政策革新のもとというのは、エビデンスは低いけれどもいろいろアイデアとして出ているというところをどうバランスをとっていくのかということが、査定側の腕の見せどころになるのではないかということでございます。

 その意味で、こういう使い方を査定側がすると、出してくる各省庁もエビデンスをちゃんとそろえなきゃねということと、評価を活かせるように作り出すということになりますので、その好循環を今後作り出していくような契機になっていただければと思います。

 以上でございます。


○吉野座長

 ありがとうございます。では、山本委員、どうぞ。


○山本委員
 まず最初に、事前に事務局の方に申し上げたことはほとんど改善していただきまして、ありがとうございましたというのが1点です。

 それで、今日は、他の委員、とりわけ田中委員からも御発言があったように、今回の議題というのはあくまでも政策評価の実施計画と事前分析表に係るものであって、ある意味では2019年度を目指して、それの一つのメッセージをどうやって国民とか対外的に発するかということになろうかと思います。

 したがって、どういうふうに評価していくかということの基本にはなるんですが、対外的なメッセージということから言うと、逆にコミットメント的なものを打ち出せれば一番いいのだというふうに思います。ただ、これは政治的に非常に難しいというなんですが、ただ、難しいゆえに不当な外圧等々に対して対抗できるという意味もあるので、ここは表現の仕方等も含めて、ぎりぎりのもうちょっと違ったアプローチがあるのかなという気はしております。

 2番目は、メッセージとしては、将来それについて達したかどうかという実績を、目標管理型評価でございますから、アカウンタビリティを検証できなきゃいけないという意味で、定量的な指標がかなり増えたということはいいことだと思うんですが、私が一番気になっておりますのは、政策評価の位置付けからいえば、組織管理とか組織目標との関係の扱い方があるのだろうと思うんですね。

 例えば、財務省の中にもいろいろな局がありますし、あるいは所管課もあるわけでございますから、例えば所管の局であるとか課というのが、実施計画に掲げられたような政策目標等について本当にコミットメントしているのか、あるいは職員レベルで大体うちの課の政策目標がどうなっているのかということをどれぐらい本当に自分のものにされているかどうかということもちょっと気になるわけですね。人事管理には使わなくていいと思うんですが、組織管理とか、組織目標との絡みでこの実施計画をもうちょっとバージョンアップできるのではないかと考えております。

 それと3番目は、ちょっと気になった点だけ申し上げますと、さすがに財務省ですから、2019年度の予算原案については英文のウェブサイトにも載っているんですが、残念ながら、財務省は私は政策評価に非常に御熱心だと思っているんですけれども、現在のところ、2017年度の計画が載っているだけなんですね。2018年度は残念ながらポリシー・エバリュエーション、実施計画も載っていないんですよ。

 ですから、そういう意味では、将来財務省の応援部隊なり、プレッシャーグループになってくるであろう例えば外国の政府であるとか、国際機関であるとか、あるいは有力なインフルエンサー等々が、やっぱりそれに対してアクセスしていただいて、場合によっては援軍になっていただかなきゃいけないということからいえば、そこら辺はもう少し改善の余地があるのではないか。

 とりわけ、今日は広報室長はおられないかもしれませんが、英文のサイトの単なるアクセス数がどうであったかということではなくて、どういう人がアクセスしているのかどうか、何を見ているのかということをもうちょっと分析して、それなりのクリティカルな人がチェックしているのか。あるいはどういうときにアクセスが多くなってくるのかということも、広報なり、政策評価の一環としてぜひやっていただきたいというのが、ちょっと違った観点から申し上げたいと思います。以上でございます。


○吉野座長
 どうもありがとうございます。

 では、私からも最後に何点か申し上げさせていただきたいと思います。

 1番目は、財務省の皆様がおっしゃっていますように、財政の健全性というのが一番重要な目標で、田中委員からもありましたけれども、国債を発行するということはツケを将来に回しているんだという、まさにそれは国民みんなが考えないといけないことだと思います。

 それから、Sustainable Development GoalsのSDGsで、財政のサステイナビリティと同時に、経済をある程度成長させないといけないということはあるわけであります。それで、今回の政策評価を見ていますと、皆様の御意見のように政策評価がだんだんわかりやすくなっていまして、非常に読みやすくなっているというふうに思います。

 ロジックモデルに関しては、田辺先生からも御意見がございましたけれども、ロジックモデルというのは、どういうプロセスを通じながら政策が効くかというところなんですが、もうちょっと違うモデルもありまして、DSGEモデルというのはもうちょっと一般均衡で考えるんですね。だから、そういういろんなモデルがありますので、ロジックモデルというのは一つのモデルであり、これを使うのは結構だと思いますけれども、まだまだいろんなインターアクションがあって、それが動学的にどうかというところまではできていないのがロジックモデルだと思います。

 それから2番目は、財務省のいろいろな省内でのデジタル化をやっぱりもっと進めていただきたい。紙ベースが、どの省庁もそうですけれども、まだまだ多いと思います。これがもっとデジタル化されれば、もっと効率的になるところがたくさんあると思いますので、ぜひ省内でもこういうところはもっとデジタル化できるんだということを考えながら、皆さん仕事をしていただきたいと思います。

 それから、これまで国債は大量発行でしたけれども、利払いがほとんどゼロ金利でなかったわけですが、一番心配なのは、これから少しずつ金利が上がって利払い費が増えたときに、イタリアでは既にそうなっているそうですけれども、利払い費で首が絞まってきている。ですから、今の状況は異常なのであってもっているわけですけれども、金利が上がってきたときに相当大変になってくると思いますから、今のうちにプライマリーバランス、それから金利まで含めた意味でのバランスというのを考える必要があると思います。

 それから、データの活用に関しましては、国税のデータとか、いろんなデータがもっといろいろなところに使えると思います。全然違う分野で、災害が起こったときにどういうふうにそれが経済に影響を与えたかというのをある東大の工学部の先生方と一緒にやったんですけれども、そのときの私のやり方は、税収がどれくらい増えて、その下がった税収がどれくらいしたら戻っていったかというのを見ることによって、名古屋にある水害があったんですけれども、豊田市が結構早く戻っていったんですね。それから、市によってはすごく時間がかかる。さらにその税収を見ますと、法人、企業、個人、農家、どういうところにどういう影響があって、どれくらいダメージがあったかというのがある程度できたんですけれども、もしそういう細かいデータを出していただければ、もっといろんな研究ができると思うんです。

 それがインフラに関しても同じことが言えまして、経済効果でいいんですけれども、それがどういうふうに税収に影響を与えて、どういう業種に影響を与えるか。ですから、これから財務省が持っているデータもうまくいろいろなところで使っていただき、それを使って政策評価ができるというふうに思います。

 それから、G20が今年行われるわけですが、昨年のG20は政治的な問題であまりうまくいかなかったわけですが、ぜひ日本のG20でいい発信をしていただきたいと思います。ユニバーサル・ヘルスケア、あるいは質のインフラ、様々な視点があると思いますけれども、さすが日本のG20はうまくまとめて、それを世界に発信したというのをぜひ頑張っていただければと思います。

 それから、最後に何点かありますが、現場を見るというお言葉が委員の先生からありましたけれども、これはまさに必要なことだと思います。様々な政策をやられて、それが地域、あるいはミクロで見たときに、どういう影響を与えているかというのを財務局を通じながらやっていらっしゃると思いますけれども、やっぱり現場を見る力というのをぜひ続けていただきたいと思います。

 2つ例を挙げますと、昔、我妻栄先生が民法の体系を作られたんですけれども、我妻先生は不動産屋さんに行って全部不動産のことを勉強されたというんですね。不動産屋さんはびっくりしちゃうわけです。東大法学部の先生が来られた。ところが、そういうところを見ながらあの民法の体系を作られたわけです。

 もう一つは、ウィリアム・シャープさんというのがポートフォリオ理論を作って、ノーベル賞をもらったんですけれども、その方が東工大に来られて講演されたときに一番前で質問しまして、どうしてこんな理論を見つけたんですかと聞いたら、シカゴの現場に行って、シカゴの現場でどういうふうに取引しているかを見て、そこから自分はこの理論を作っていったんだと。だから、全てみんなやっぱり現場からなんですね。

 ですから、霞が関で見る政策、それから現場から見て、そこから本当にこの政策がいいのか、どういうのが必要かというのは、ぜひ財務省の方々に全国を回る時間も力も作っていただきたいと思います。

 それから、最後の二、三点です。前も申し上げましたけれども、歳出と歳入を同時方程式で考える。ですから、歳出がこれだったら、歳入はここまで上がらないといけないんだ。歳入を10とか12%だったら歳出を下げなくちゃいけない。財務省は2つともコントロールされているわけですから、歳出と歳入を常に同時方程式で考えて、それによって国民の方にどういう選択をするかというのを考えていただきたいと思います。

 現在は、歳出はこう決めて、歳入はこう決めて、残りを国債という形にしていると思います。理論的には国債を最後の式埋めにしてはいけないので、理論モデルで安定化させるためには、当たり前なんですけど、税を内生変数としなくちゃいけないんです。歳出が決まったときには税を内生変数として、そこに合うように税率を変えていくようにならないと安定化しないわけです。ですから、歳出と歳入をぜひ一緒に考えていただきたいと思います。

 それから、一時、埋蔵金とかという議論で、今も少しあるんですけれども、そういうのはよくないんだという議論があるんですが、高齢化の中では高齢化対策準備金というような形である程度今のうちにリザーブを積んでおかないと、将来すごく変になるんですね。一般の方々、マスコミの方々が埋蔵金はよくけしからんとか言うんですけども、そういう言い方ではなくて、やはり準備金みたいなものはある程度積んでおかないと、最後のところで大変になってしまうというふうに思います。

 それから、経済全体で行けば、アジアの経済成長というのは、日本と中国、それからアメリカの関係はだんだん少し、先進国のほうは成長率が落ちると思いますけれども、アジアの中産階級が出てきていますので、アジアを対象とした様々なビジネスというのはこれからも動く可能性は高いと思います。そういう意味では、欧米を見ながら、それからアジアも見ながら、財務省の国際局の政策はやっていただければと思います。

 以上が私のコメントであります。

 小林委員から1つコメントがありますが、皆様のところに配付しております。

 では、岡本政策立案総括審議官のほうからまずコメントをお願いいたします。


○岡本政策立案総括審議官
 それでは、政策評価の関係でたくさんコメントをいただきました。順次御説明いたします。

 まず秋池委員から、定量化の方向というのは望ましいんだけれども、目的をちゃんと見据えた上で、それが指標として正しいものであるかということを常に検証する必要があるとの御指摘がありました。我々もまさにそうだと思っています。これは各局とよく議論をしながら、しっかりと対応していきたいと思います。

 次に、秋山委員からのロジックモデルについての御指摘。一旦形をつくってしまったら、それで終わりではなくてフォローするという形にはなっていると思います。政府全体の取組から説明しますと、財務省もやっておりますけれども、財務省だけではなくて政府の方針でしっかりとした統計を整備し、着実に進めていくということ。

 先程、田中委員からもありましたけれども、データを使って政策をいろいろ考えるということで、閣議決定に基づいて、今、行革本部というのがあるんですけれども、そこで総務省が全体を支えながら、しっかりとそれを推進していくという体制ができています。その一環で政策立案総括審議官も設置されているわけです。そういう意味では、我々も一生懸命やっていますけれども、各省横並びでなかなか進まないということがあるといけないので、行革本部に協力しながら進めていくこととしております。

 また、角委員のほうから、大本のエビデンスのところがまさに一番重要だという御指摘がありました。これまでも政府の中で議論してきたところで、現在、少し問題が起きてきておりますが、このようなことがないようにしていくことが大事だと思いますし、また、せっかく今の時代、アナログでとっているところをなるべくデジタルでと。他の先生からもお話がありましたけれども、そういう効率化ですね。きちんとしたデータを効率よく収集できて、それをなるべく多くの人が見て、研究、あるいは政策に活用できるという仕組みができるようにということで政府でも検討が進んできておりますので、この点何か答えが出てくるのではないかというふうに期待をしておるところでございます。

 次に、田中委員のほうから全体の政策評価の枠組みということで御指摘がありました。これは非常に大きな問題提起でございますので、なかなか財務省の政策体系の中では反映し切れないメッセージというところもあると思いますが、他の委員からもありましたように、それを少しずつどうやってにじませていくのかというのは大変重要なことだと思いますので、そこには限界もあると思いますけれども、それを意識しつつ工夫を凝らしていきたいというふうに考えております。

 また、田辺先生からの骨太の方針の反映の仕方については、6月にそれが出ても、6月の時点では入れ込みができないので、通常秋にそれを入れ込むということでやってきております。昨年はタイミングが異例になったものですから少し混乱したということはあるかもしれませんけれども、基本的には6月に出たものをすぐにまた秋に直して、そのベースに評価をしていくということにさせていただいているところでありますので、そういうプロセスがもっとわかるようにこれからも説明と評価に努めてまいりたいと思います。

 更に、田辺先生からはEBPMに関し、財務省は査定官庁であるので留意が必要、というお話がありました。当然EBPMの議論をするとき、他省庁との違いは、まさに主計局、主税局というところで、政策の議論をする際に、まさにちゃんとしたエビデンスがあるのかどうかというところをまずきっちり押さえる。次に、そのエビデンスを使ってどういう政策を展開することが財政上最も適切なのかということを考えていくということが重要だと思っております。我々、省内で、若い職員も含めてEBPMの勉強、研修もしていきたいと思っておるところでございますので、御指摘の点に留意しながら進めてまいりたいと思います。

 なお、ロジックモデルは、国税庁とか、関税局とか、割と現場に近いところですね。田辺先生がおっしゃるように、財務省の政策全体からいえばそう多くではないんですけれども、現場を抱えて執行的な業務をやっているところがございます。そういうところでチャットボットとか、電子化ゲートとか、デジタルサイネージといったものをどのように実施していくのかどうか、我々も勉強しているところであります。

 それと、山本委員の御指摘の点、なるべく政策評価を組織全体で共有せよという話は、まさに私どももそういうふうに思っているところです。幹部クラスと議論すると共有できているなと思いますが、果たして係員とか係長クラスまでがちゃんと共有できているかなと少し疑問に思うようなときもありますので、なるべく全体での共有に努めてまいりたいと思います。

 また、英語のウェブサイトの件については、これは反省でございますが、これまで作っておったものをアップしていたところ、あまりアクセスがないなということで、正直申し上げますけれども、業務的に一旦休止しておるというのが現状でございます。それは本末転倒でありますので、きっちりと英文でも財務省の政策評価を読んでいただけるように、これは至急そういうふうに対応してまいりたいと考えております。

 吉野先生から、これは何回も言われていますが、省内のデジタル化ですね。前はペーパーでやっておりましたけれども、こういうことで少しずつ会議、幹部会も含めて進んできておりますけれども、まだまだ至らないところがあると思います。いつも言われますけれども、そういうところの人員をなるべく政策のほうに振り向けるということが非常に重要だと思っていますので、政府全体としてのITの推進も踏まえながら、それに従っていればいいということではなくて財務省独自に、これは業務の効率化、政策機能の強化とも結びつくものですから、今、次官をヘッドに秋池先生にもいろいろと御指導いただいています再生プロジェクトの中でも、効率的な業務の工夫も一つの中心に据えて議論をしておるところであり、しっかりと対応していきたいというふうに思っております。

 私のほうからは、長くなりましたが、以上です。


○吉野座長

 どうもありがとうございました。

 それでは、局長の方々から。最初に、国際局長の武内局長が所用に行かれるということですので、先にお答えいただきたいと思います。


○武内国際局長
 すみません。順番をちょっと乱して申し訳ございません。

 吉野座長のほうから、G20の話、それからアジアに向けてという話を両方いただきまして、ありがとうございます。それはもちろんやっていきたいということで、今回、特に政策目標の中にあえて今年の目玉は何だということで、毎年毎年新しい目玉をきちんと政策目標の中に位置付けることが大事だと思いまして、今回はG20を入れさせていただきました。

 G20の中では、秋池委員からも持続性の話がありましたけれども、国際社会での持続性の議論、質の高いインフラだとか、ユニバーサル・ディスカバリーズだとか、そういったものを売り込んでいきたいと思っていますし、それがちゃんとできたら、政策評価のときにもいい点がつけられるのかなと思って頑張りたいと思っています。

 それから、アジアについても、サーベイランスのこと、それから現地通貨建ての債券等々について取り上げさせていただいています。これらについては、田辺委員のほうから、項目を減らして定量的にするのはよかったというふうにお褒めいただきましたけれども、なかなか定量的にどこまでやれるのかというのはありますけれども、まずは定量的なことをやってみて、それが馴染むか馴染まないか、トライアンドエラーをお許しいただけたらと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。


○吉野座長
 
どうもありがとうございます。

 それでは、順番で、太田主計局長のほうからお願いいたします

○太田主計局長
 ありがとうございました。それぞれ大所高所からというか、大変大きい課題をおっしゃっていただいて、基本的にはこのメンバーの皆様はいつも応援をしていただいているので、応援団からの叱咤激励だというふうに受け止めてお話を承っておりました。

 応援団の方の叱咤激励には全然応えられていないんじゃないかというのも、多分そこまで厳しいことはおっしゃりませんけど、そう思いながらしゃべられているなとは重々承知しつつ、別に繰り言を言うつもりはありませんし、弁解をするつもりもありませんし、だけど、ちゃんとやりますと格好いいことだけを言うつもりもありません。

 基本的に長らくこういう商売をやってきていて、要すれば、戦争直後ないしそれから後の時代で、例えば政治の世界でいけば、今はもう聞いたことがないですけど、政治の世界にも官僚派と党人派という2大派閥というか、2大人種がいると言われた時代がかつてあるんですが、今はそんな表現は誰も使わないので、正直言えば官僚派という軍団はもういなくなっているという政治の世界になっているからということだと思っています。

 ある意味で民主主義が進んだというか、定着したという中で、先生方のおっしゃることは十分わかるし、我々だってそうしたい。もちろん財務省の人間ならそうしたいという中で、ただ、要すれば今の日本国憲法のもと、民主主義のもとで、基本的には主権者は国民で、国民の声は選挙によって反映されているというのが、それが本当かどうかは、本当かどうかと言ったら怒られるので、そういうシステムのもとに成り立っているというもとで何ができるか、どこまでどうできるかということだと思っているので、ただ、なかなか気づいていただけないことをどういうふうに説明をして、やってもらえるかということを考えてやるという仕事だと思っています。

 財務省としてはこうだということだけをやっていて、財務省としてはそうだろうけど、それが世の中に通るかどうかというのをずっと苦しんできているという世界だと思っていますので、先生方のおっしゃることは全くそのとおりで、お前がそんなふうに困っているなり、うまくいっていないことはよくわかっているけど、だけどちゃんと頑張れと言っているんだということだと思って受け止めさせていただいて、引き続き努力をさせていただきたいと思っております。

 できないことは怒っていただいて、できることはあまりないので褒めていただけることはそんなにないと思いますが、たまにあれば褒めていただければ、褒めてもらってもしようがないかもしれませんが、できないことは何だと言っていただければありがたいというふうに思っています。


○吉野座長

 ありがとうございます。では、主税局、お願いいたします。

○彦谷主税局総務課長
 局長が国会に出席しているものですから、代理で失礼いたします。

 いただいた御意見について若干御説明させていただければと思います。1つは、秋山委員から、まさに今の制度の法律というものが前提としている社会自体が変化しているということで、それにきっちりと対応していくべきであるという御指摘をいただきました。政策目標の中でも、2−1のところでございますけれども、税制については我が国の経済社会の構造変化を踏まえてしっかりと対応するということで、こちらは定性的な目標ではございますけれども、しっかりと書き込んだ上で対応させていただいております。

 昨今の改正では、働き方の多様化に応じた控除の見直し、それから、31年度の税制改正においては、シェアリングエコノミー等のCtoCの世界での取引が増えているという中で、そういった方にもきっちりと申告をしていただくということが、まさにそういう世界の適正な発展のためにも必要だということから、そういった所得の申告を促すとともに、情報についてはしっかりととって対応をしていくというような措置をとらせていただいているところでございます。

 それからまた、税制構造については合理的でシンプルにすべきということでございます。これもおっしゃるとおりでございまして、昔から簡素、中立、公正ということで3つの大きな原則がございますけれども、場合によっては、公平、公正の特に公平の部分をやりますと、シンプルがどうしても犠牲になる面が出てくるということも確かでございまして、そういったところについてしっかりとバランスよくやっていく必要があるというふうに考えております。

 角委員から、軽減税率について国会に提出した資料の中で逆進性対策になっていないのではないかという御指摘があったということで、これはまさに国会議員の先生から、所得階層別に軽減税率による軽減額を機械的に家計調査に基づいて積算してくれという御依頼がありまして、出したものでございます。もちろん所得が多い人は、当然ながら食費に使っている金額も多いわけでございますので、軽減税率によるものは金額的には大きくなります。ただし、所得に対する比率で見ると、やはり低所得者のほうは相当大きく減額を受けているということもこの資料から見て取れるところでございまして、そういった点についても丁寧に説明していく必要があるというふうに考えております。

 軽減税率については、やはり制度としては決まったものでございますし、10月から執行していくということで、税率の引き上げとは異なるまさに新しいことをすることでございますので、現在は国税庁とも連携して、しっかりと制度を混乱なく実施していくということが一番重要かというふうに考えております。

 それから、田中委員から御指摘がありましたメッセージについて、おっしゃるとおりだと思います。我々としましては、まさに税の広報をこれからしていく立場でございますので、以上の御指摘も踏まえながら、しっかりと広報をさせていただければというふうに考えているところでございます。

 それから、吉野座長から歳出歳入について一体で考えてほしいというのは、もちろんのことでございます。これまでもでございますけれども、引き続き主計局とよく連携してやっていきたいと思っております。以上でございます。

○吉野座長
 どうもありがとうございます。それでは、関税局、お願いいたします。

○高見関税局審議官
 審議官の高見と申します。局長にかわって出席させていただいております。

 本日は、関税局の関係で個別に特に御指摘いただいたわけではございません。ただ、我々関税局としましても、貿易を取り巻く環境の変化、あるいはEPA交渉がいろいろと進んでいるというようなこと。また、今年、来年と国内で開催される大型の国際的な行事というものを控えて、税関としてのテロ対策の強化の必要性といったものもあります。こういった点を踏まえて、取組内容や参考指標について所要の修正をさせていただいております。

 吉野座長から御指摘いただきましたアジアの成長に関して申し上げると、昨年から今年にかけてTPP11、あるいは日・EUのEPAというものが発効して実施に移されております。今年はRCEPの交渉を年内にまとめるというのが大きな目標になっております。RCEPについては、我が国企業のサプライチェーンをきちんと構築していくというメリットのほか、成長するアジアの消費市場、あるいはアジアの企業の成長といったものを我が国の成長にどう結び付けていくかという点があると思います。RCEPの交渉も政府の一部局としてしっかり取り組みたいと思います。

 また、空港の旅客でありますとか、クルーズ船で多数来られるような旅客、こういったものもアジアの成長という点では、大変取り締まり、あるいはスムーズな入国という点で影響がございます。こういった点についても税関の現場をしっかり回していきたいというふうに考えております。以上です。

○吉野座長

 ありがとうございます。それでは、理財局、お願いいたします。


○可部理財局長

 理財局長の可部でございます。

 角委員のほうから、人口減少等を踏まえると、定期借地による人の活用が必要ではないかとの御指摘をいただきまして、ありがとうございます。冒頭、岡本政策立案総括審議官のほうからご紹介がございましたように、今回、国有財産の部分の施策の柱建てを大きく変えさせていただいております。通し番号で言うと111ページになります。四角の中に「111」と打ち込んでいただくと国有財産のページが出てまいりますけれども、これの下から3分の1のところに「「政策目標」を達成するための「施策」」というのが4つあります。

 これは従来、国有財産部局の部署別に6つあったものを、国民の皆様方からわかりやすい重要な施策の柱ということで4つにまとめさせていただいたものでございまして、これは先ほど田辺委員のほうから言及していただいて、ありがとうございました。その4つのうちの一番冒頭に、私どもが今一番大事だと考えております国有財産の有効活用の推進を挙げさせていただいております。

 次のページに進んでいただきますと、まさに国有財産の有効活用の推進の施策の箱が出てまいります。これの冒頭に書いてあるのが、まさに角委員から御指摘がございましたように、国有財産の有効活用の観点から、例えば保育、介護などに関して地方公共団体などからの要望に応じて、売却に加え、定期借地制度を利用した貸付けを行うというものでございまして、これを重点的に推進していきたいと思っております。

 それを政策評価の枠組みの中できちんと測定をしていくという意味で、その次の113ページになるんですけれども、新たに参考指標の1といたしまして、国有地の定期借地件数の推移というのを挙げさせていただいていまして、まさにこのPDCAの中で今御指摘の点については重点的にやらせていただきたいと思っています。

 あわせまして、現在、国有財産分科会のほうで国有財産の有効活用について、特にこれまではどちらかというと売却という方針で進んでおりましたけれども、物納された財産の売却も相当進みましたし、これから将来のことを考えた場合には留保して、定期借地で活用するということも将来世代の観点から大事ではないかという観点からの御議論をまさにしていただいておりまして、それをしっかりと施策として立てていきたいというふうに思っているところでございます。足元では、例えば介護施設の定期借地権の賃料の5割軽減などもして、施策を促進させていただいているところでございます。


○吉野座長

 ありがとうございました。それでは、総合政策課長、お願いいたします。


○小宮総合政策課長

 総括審議官欠席のため、代理で総合政策課長のほうからお答えを申し上げます。

 個別に御指摘といいますよりは、例えば秋山委員からも世界経済の影響で景気が転調している、あるいは吉野座長からも現場を見ていく必要がある等々、金利が上がったときに財政が首が絞まるといった形で、経済・財政運営ということを一体的にというか、マクロ経済をしっかり見ていく必要性についての御指摘をいただいたというふうに受け止めております。秋池委員からも、経済分析力をより一層求められるというお話を頂戴いたしました。

 総合政策課におきましても、マクロ経済分析にさらに一層力を入れて、エビデンスに基づいた経済政策が立案できるように努めてまいりたいというふうに考えております。


○吉野座長

 どうもありがとうございました。

 これまで実施計画などにつきまして皆様から御議論いただきましたので、財務省の側としましても、今日の御意見を踏まえてしっかりとPDCAサイクルを回していただければというふうに思っております。

 最後に、平成31年度の予算編成における政策評価の活用状況について、各局から簡潔にお願いできればと思いますので、まず主計局から御説明をお願いしたいと思います。


○太田主計局長

 資料3の全体の16ページに「政策評価の結果の反映状況」ということで整理をしてあります。

 先ほど田辺委員から、基本的に各省がやったものをどう評価してやるかというのは、本当は主計局が一番こういうのを使わないといけないところだろうと思っているんですが、金額で見ると、そこに書いてあるようにそんなに大きい金額になっていません。もうちょっといろんなことをやらないといけない。

 実際上はある意味で査定するときにいろんなことを本当はやっているんだと。私も昔かつてやったことはやっていましたけど、こういう格好の政策評価そのものを使っているという整理がうまくできていなくてということかもしれませんが、とりあえず2つ挙げています。時間もあれなので上のほうだけ、金額は小さいですけど割ときれいにというか、こういうふうにやりましたと言えそうな理屈になっているものなので、上のほうだけちょっと御覧いただければと思います。

 法務省なんですが、矯正施設の収容者の処遇ということで、大きく言うと2つあって、1つは、出所した後に働かれることを安定させないといけないという政策評価が法務省のほうにあって、それを反映させると、結局訓練する、あるいは練習するだけでは意味がなくて、出た後にそれが使えるものにならないといけないということで、フォークリフトの訓練科目について、その後使おうとする企業からすれば、単にその免許を持っているというだけではなくて、ちゃんと本当に使えるような即戦力になっている状態のものにしておいてほしいということだったものですから、ある意味でこういうことをやりたいという就労意欲があるかどうかである程度人を絞って、その上で人員を絞り込んだ上で、1人当たりの訓練実習時間みたいなものを増やして、それで対応できるようにした。そういう予算のつくり方にしたということが1つ。

 それからもう1つは、ややこれは主計局的というか、予算を節約するという観点のものですが、収容者の処遇のほうですけれども、少年鑑別所があって、一方で近隣に刑務所があって、それぞれ食事をつくっているということなんですが、それを共同炊事から弁当に切りかえる。私も初めて聞いたときには、共同炊事のほうが安くつきそうだと思ったんですけれども、運搬費のほうが高くつくそうなので、弁当に切りかえてやるとむしろ配送コストが下がるということで、そういうふうにかえた。

 典型的に主計局が少しでも予算を節約しようと思ってやったパターンの部分ですけれども、それも評価結果を踏まえてそういうふうにした。金額はあまり大きくないですけれども、割とえっと思うことも含めてわかりやすそうなので、一応御紹介をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。


○吉野座長

 どうもありがとうございます。それでは、主税局、お願いいたします。


○彦谷主税局総務課長

 主計局の次の資料でございますが、18ページ、19ページを御覧いただければと思います。税制改正における政策評価の活用の方法には大きく2つ現在ございます。

 1つは、要望の時点におきまして、租税特別措置の拡充、延長を行う場合には、各省庁が事前の評価を行っていただくということになっております。事前評価につきましては、主税局としてもその内容を見させていただくわけでございますけれども、主税局と別途総務省の行政評価局が評価の内容を点検した上で、毎年11月にその効果に関する分析、それから説明が不十分な評価書を取りまとめて各省庁に通知する。あなたの事前評価書はこんなにちゃんとできていませんよということを明示的に通知するとともに、公表するという取扱いをしております。

 そういったものを踏まえて、財務省としても対応を行っているというところでございまして、31年度税制改正におきましては、法人税関係の租税特別措置が42項目ございましたけれども、このうち5項目を廃止する。また、20項目については縮減を行うという取扱いをしております。

 もう1つの政策評価的なものの活用としては、こちらは法律がございますけれども、租税特別措置の適用実態調査の結果というものを国会に報告するということになっております。これは民主党政権時代にできた法律でございますけれども、それまでは租税特別措置それぞれの項目が、何件適用されてどれだけの減税額があるかということが明確になっておりませんでした。こちらは現在明確になっておりまして、それを取りまとめた上で公表しております。これに基づいて効果があるもの、どれだけの減税額があるか等も踏まえて、税制改正を行っているところでございます。

 1つだけ例を紹介いたしますと、18ページでございますけれども、今年廃止した租税特別措置でございます。公害防止用の設備に係る特別償却制度というのがございまして、これはそういったものを中小企業者が取得したときに8%の特別償却を認めるものでございますけれども、実際の適用が少ない上に、それが少ない中でも実際にどれだけの目標の達成に対して寄与するのか明らかになっていないという御指摘がありまして、それらを踏まえて廃止したものでございます。以上でございます。


○吉野座長

 ありがとうございます。それでは、関税局、お願いいたします。


○高見関税局審議官

 資料は22ページになります。来年度の関税改正における政策評価の活用につきまして、御説明申し上げます。

 毎年度の関税改正における関税率の設定や制度の見直しに当たりましては、各府省から要望が提出されておりますところ、その際に政策評価書の提出もあわせて出していただき、その活用を図っているところであります。具体的な事例として、31年度改正において、バイオマスプラスチックの原料であるバイオポリエチレンの関税の暫定無税化という要望がございました。この物品の所管省庁は経産省でありまして、経産省の政策評価書が提出されております。

 特に御覧いただきたいのが、中ほどちょっと下のところにございます措置の必要性でございます。バイオマスプラスチックのさらなる普及促進を図るために、原料であるバイオポリエチレンの関税率について、現行税率を下回る無税とする必要があるというニーズが出されております。

 一方で、若干技術的な話になりますけれども、関税率上に基本税率というものがありまして、これは国内産業保護等の観点から一定の税率が物品ごとに定められております。それを政策的なニーズから暫定的に限って無税にするという暫定措置という2つのやり方があると。

 この兼ね合いを申し上げますと、今後、バイオポリエチレンの国産化が実現した場合には、国内産業保護が必要になる可能性があるため、基本税率は残したまま暫定税率により措置する必要があるということが示されております。これらにつきまして、私どものほうでさまざまな検討を行った結果、31年度改正においては、暫定税率を無税として措置するのが適当としたところでございます。

 今後とも可能な限り客観的な指標の提示を求めながら、政策評価を活用して毎年度の関税改正に生かしていきたいと考えております。以上でございます。


○吉野座長

 ありがとうございます。それでは、理財局からお願いいたします。


○可部理財局長

 理財局でございます。

 通し番号25ページに財政投融資計画編成における政策評価の活用について書いてございますように、各省庁から要求をいただくときに政策評価があわせて提出されておりまして、それを拝見した上で、政策的必要性、民業の補完性、事業の有効性、償還確実性などを検証して編成を行っております。

 2つ事例を御紹介させていただきますが、1つ目の事例は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構、いわゆるJOGMECでございまして、資源開発を日本の企業が行うときに支援をしております。具体的には債務保証による支援を行っているものでございます。

 右側の箱に、理財局のほうで検証した政策評価について書かれていますけれども、政策的必要性としては、資源エネルギー開発に資するものであり、また民間では担えないリスクを担保するものということで民業補完性、有効性も認められるのですが、財務の健全性を確保するための方法として、今、石炭・金属鉱物という分野と、それから地熱という分野で、それぞれ最大案件の金額まで債務保証の原資を積み立てているのですけれども、これを一体といたしますと最大案件の規模が増えないものですから、35億円の追加出資要求はございましたけれども、きちんとリスクはカバーできるということで、その追加出資は行わない形で対応させていただいたというものでございます。

 次の通し番号で申しますと26ページにまいりますと、こちらのほうは、日本政策金融公庫の農林水産業者向け業務でございます。こちらについては農林公庫の当時から、政策的な必要性としては天候等に左右されやすい、あるいは非常に長期にわたるといったことで、民間金融機関のみでは資金供給が困難ということで、政策的必要性、民業補完性、それから有効性、財務健全性等については認められるわけですけれども、2番目の民業補完性の部分については、近年、畜産分野の設備投資などの資金需要が増大する中で、公庫の事業規模が増加傾向にあります。これが過度な増加となって民間金融機関による融資の阻害とならないように、要求額から780億円減額を行ったと。具体的に申しますと6,080億円の財政融資要求に対して5,300億円に抑制をしたという形で、民業補完性のチェックを活用させていただいております。以上でございます。


○吉野座長

 どうもありがとうございました。

 それでは、最後に岡本事務次官のほうからコメントをいただければと思います。よろしくお願いいたします。


○岡本事務次官

 次官の岡本でございます。本日は、政策評価の懇談会にお忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

 この懇談会も65回ということになりますが、少しずつわかりやすくなってきたという御評価をいただいたこと、大変ありがたく思います。どうしても財務省の政策目標というのは、例えば財政健全化でありましたり、それが予算、税ということになりますと、なかなか定量化に馴染みにくいという意識があったことは正直ございます。

 ただ、一方で、私ども、7万人を超える組織のほとんどは現場の職員でございまして、そうしたことを踏まえますと、できることからまず定量化に取り組んでいこうということはやはり大事だと思っております。先ほど国際局長からトライアンドエラーというお話がありましたが、今回、定量化の目標の数を増やしておりますけれども、ただ数を増やせばいいということではなく、まずどういったところがやっていけるかという意識を持ちながら、今後とも取り組んでまいりたいというふうに思っております。

 その際、先ほどロジックモデルの御議論をいただきました。全くそのとおりでございまして、やはり目標のための目標であっては意味がないわけでありますし、私どもの行政施策は常に社会情勢の変化に敏感に反応しながら、制度の見直し等々に取り組んでいかないといけないということは全くそのとおりでありますので、常にその意識を持ちながら、毎年毎年の見直しをまた御叱責いただきながら進めてまいりたいというふうに思っています。

 また、田中委員からいただいた、しっかりとしたメッセージをというのは全くおっしゃるとおりでありまして、本年10月消費税引上げを控える中で、ややもすると個々の施策への説明がどうしても目立ってしまっているというのはちょっと私どもも感じているところでありまして、そもそも何のための消費税引上げか。もちろん財政健全化ということはありますけれども、まさに現在の社会保障が将来世代の負担で賄う現状をきちんと持続可能性のある社会保障制度にしていくということが、まさに角委員に御指摘いただいたように、若い人たちの将来への不安の解消ということにつながるわけでありまして、そもそもなぜ必要なのかということを、また原点に立ち返ってしっかりと国民に説明していけるように努めてまいりたいと思います。

 また、現在、財務省の再生プロジェクトに省内で検討を進めてきております。この6月には一定の整理をして、またそれに取り組んでいくということで努めていきたいと思っておりますけれども、そういった中で、今日は例えば組織管理の面をどのように政策評価に落としていくか。これはなかなか容易ではないところではあるんですけれども、私ども、やはり組織のマネジメントの強化ということを今回の大きなテーマの1つに考えておりますので、一定の結論が出ますれば、それにつきましての御意見をいただきながら、また財務省政策評価全体の中にどのように位置付けていくかということもあわせて考えていきたいというふうに思っております。

 本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。


○吉野座長

 岡本事務次官、どうもありがとうございました。

 それでは、今日の御議論に関しましては、議事内容、それから政策評価の実施計画につきまして、財務省のウェブで公開させていただきたいと思います。

 それから、次回の懇談会ですが、通例ですと大体6月ぐらいの予定となっておりますが、また後日、皆様の御予定を勘案させていただきながら、御連絡させていただきたいと思います。

 それでは、これで第65回の財務省政策評価懇談会を閉会させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

──了──

財務省の政策