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第62回 財務省政策評価懇談会(3月15日開催)議事録

1 日時

平成30年3月15日(木)14:59〜16:24

 

2 場所

財務省第3特別会議室

 

 

3 出席者

(懇談会メンバー)

 

秋池 玲子

ボストン コンサルティング グループ

シニア・パートナー&マネージングディレクター

 

伊藤 元重

学習院大学国際社会科学部 教授

 

江川 雅子

一橋大学大学院商学研究科 教授

 

小林 喜光

株式会社三菱ケミカルホールディングス 取締役会長

 

田辺 国昭

東京大学大学院法学政治学研究科 教授

 

山本 清

東京大学大学院教育学研究科 教授

 座長 

吉野 直行

慶應義塾大学 名誉教授

(敬称略、五十音順)

(財務省)

 福田事務次官、田中副財務官、可部総括審議官、岡本主計局長、
 星野主税局長、飯塚関税局長、市川理財局次長、武内国際局長、
 土井財務総合政策研究所長、渡邊会計課長

(国税庁)

 藤井国税庁次長、松崎監督評価官室長

(事務局)

 山崎政策評価審議官、田平政策評価室長

 

4 議題等

(1)平成29年度財務省政策評価実施計画等の一部変更(案)について
(2)政策評価に関する基本計画(案)について
(3)平成30年度財務省政策評価実施計画等(案)について
(4)「平成30年度予算編成等における政策評価の活用状況」について

 

5 議事録

 

 

○吉野座長 

 伊藤先生は今日、後から遅れて来られるということですので、委員の先生方皆様お集まりですので、ただいまから第62回の財務省政策評価懇談会を開催させていただきたいと思います。

 最初に、福田事務次官から一言お願いいたします。

 

○福田事務次官

 本日は、委員の皆様には大変お忙しい中、財務省政策評価懇談会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。懇談会に先立ちまして一言申し述べさせていただきます。

 昨今、報道等でご存じのとおり、森友学園の国有地売却等に関する複数の決裁文書について、昨年2月下旬から4月にかけて理財局において書き換えが行われておりました。これはあってはならないことであり、深くお詫び申し上げます。財務省としては、捜査に全面的に協力することは当然でありますが、財務省自身として二度とこうした事態が起きないよう引き続き更なる調査を進め、その上で信頼回復に向けて最大限努力してまいりたいと考えております。

 いずれにせよ、本日は、財務省の行政全般についてぜひ忌憚のないご意見とご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。


○吉野座長

 福田事務次官、どうもありがとうございました。

 それでは、議題に入らせていただきたいと思います。

 議題の(1)から(3)につきましてまとめてご議論いただきたいと思いますので、山崎政策評価審議官からご説明をお願いいたします。

 

○山崎政策評価審議官

 それでは、始めに、平成29年度政策評価実施計画等の一部変更についてご説明いたします。

 右下にページ番号を付してありますが、4ページをご覧いただければと思います。4ページは財務省の政策目標の体系図でございます。変更内容につきましては、赤枠で囲った4カ所の財政に関してでございますが、変更内容につきましては次のページをご覧ください。

 5ページですが、消費税率の引上げ分の使い道の見直しによるプライマリーバランスの黒字化目標の達成時期の延期に伴う変更でございます。

 次のページですが、この変更を受けて、総合目標を構成するテーマについても変更させていただいております。

 それから7ページ、次のページですが、測定指標につきましても同様に変更してございます。

 次に、政策評価に関する基本計画についてご説明いたします。

 8ページをご覧ください。政策評価法に基づきまして、5年ごとに基本計画を策定しております。今回、平成30年度から5年間を対象として策定いたします。具体的には、総務省において政策評価に関する基本方針等の一部変更が行われまして、事前評価を実施した規制における事後評価の実施が義務付けられる等の変更があったことから、それらを盛り込むための改正を行っております。

 最後に、平成30年度財務省政策評価実施計画についてご説明いたします。

 10ページをご覧いただきたいと思います。総合目標の2と6に変更がございます。内容につきましては、また後ほどご説明いたします。

 次の11ページをご覧ください。今回の実施計画策定の大きな変更点ですが、まず取組内容について直近の内閣の基本的方針に沿ったものとなるよう見直しを行っております。また、実施計画と事前分析表における記載内容の重複を解消することにより、一覧性の確保、読みやすさの向上を図りました。

 12ページをご覧ください。総合目標の変更内容です。総合目標2について、骨太の方針2017と同様の文言に修正しております。総合目標6につきましては、「等」は熊本地震等を指しまして、「経済再生と財政健全化」に用語を統一しております。

 次に、13ページをご覧ください。施策には取組内容を幅広く記述しているところでございますが、環境や情勢の変化、またそれに対応した新たな取組などを盛り込んでいます。ここでは、変更、追加のあった主な施策を取り上げております。

 まず1つ目ですが、国有財産の管理処分手続の一層の適正性の向上を図ることから、事務負担を勘案し、施策名から「事務の効率化などによる」を削除しました。こちらにつきましては、後ほど理財局より補足の説明をさせていただきます。

 2つ目ですが、社会問題となっている金密輸の取締りを取組内容に追加しております。

 3つ目ですが、開発途上国において全ての人々が基礎的な保健医療サービスを負担可能な費用で享受できる状態であるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ─UHCと言っておりますが、UHCの実現に向けて、世銀等と共同して途上国におけるUHC推進のイニシアティブを積極的に進めていることから、取組内容に追加しております。

 4つ目でございますが、商工中金に対する適切な監督、適正な業務内容の確保を内容に追加しております。

 5つ目ですが、熊本地震を起因とする保険金支払い等によりまして、地震保険制度における民間の責任準備金が大きく減少していること等から、新たな施策として地震保険制度の安定的な運営を追加しております。

 14ページをご覧ください。施策の達成度を測る測定指標の変更についてでございます。

 1つ目は、指標を設定する施策を政策の3−1−4(市場との対話)というところに置いていましたが、これを政策3−1−5(国債に係る国民等の理解の向上)へ変更するものです。

 2つ目ですが、審査過程をオープンにする観点から、財政制度等審議会財政投融資分科会の議事録等を速やかにウェブサイトで公表することを新たな指標に設定するものです。

 3つ目ですが、国家公務員宿舎の削減目標を既に達成しまして、今後は宿舎の長寿命化によるコスト軽減を図ることから、宿舎戸数の推移は参考指標とし、宿舎の改修工事に関する測定指標に変更するものでございます。

 4つ目は、全ての案件の見積り合せの実施及び契約金額の公表により、国有財産の管理処分手続の適切性の向上を図るものです。こちらにつきましても、後ほど理財局より補足のご説明をいたします。

 5つ目は、取組内容にUHCに関する取組が追加されたことに伴い、新たに指標を設定するものでございます。

 次のページをご覧ください。1つ目でございますが、地震保険制度の安定的な運営の施策が追加されたことに伴いまして、新たな指標を設定するものでございます。

 2つ目でございますが、地震保険普及率は他律的な要因に左右されることが多いものですから、普及率等については参考指標といたしまして、普及促進に向けた取組につきまして測定指標を変更するというものでございます。

 3つ目は、定性指標から定量指標に変更するものでございます。

 16ページをご覧ください。測定指標数の推移でございますが、平成30年度は前の2ページの内容を反映いたしまして、定量的測定指標が1減、定性的な測定指標が5増した結果、全体として4増というふうになっております。

 続いて、理財局よりご説明させていただきます。

 

○市川理財局次長

 国有財産関係の政策目標及び施策について補足説明を申し上げます。

 冒頭、次官からも申し上げましたとおり、森友学園への国有地売却等に関する複数の決裁文書について、当理財局において書き換えが行われていたことが明らかになりました。これはあってはならないことでありまして、深くお詫び申し上げます。私どもといたしましては、信頼回復に向け、まずは捜査にも全面的に協力し、また引き続きさらなる調査を進め、そうした行為の背景や実態を解明することが必要と考えております。

 一方、国有財産行政に係る文書管理につきましては、1月19日の財政審国有財産分科会からも、今後重要な打合わせ記録についての文書の作成、保存の徹底、決裁文書に編てつする資料や記載内容の明確化による決裁文書の充実化等のご意見をいただいております。

 これらはきちんと実施することとしておりますが、文書管理は各局横断的なテーマでもありましたため、お手元の資料も含めまして、これまでは文書管理を国有財産行政の政策目標体系のもとで明記しておりませんでした。

 しかしながら、今般の一連の問題を踏まえれば、国有財産行政に対する国民からの信頼を回復するため、こうした厳正な文書管理を国有財産行政分野で何らかの形で明記することも必要になってくると考えております。今後、森友決裁文書問題等の調査結果も踏まえつつ、その具体的な内容について検討してまいりたいと思いますので、引き続きご指導のほどよろしくお願いいたします。以上でございます。


○山崎政策評価審議官

 以上で、議題(1)から(3)までのご説明を終わらせていただきたいと思います。


○吉野座長

 それでは、いつものように各委員の先生方からコメントをいただければと思います。通常のようにまた秋池委員から最初にお願いいたします。

 

○秋池委員

 プライマリーバランスの黒字化につきましては、過去1年間の中でもいろいろな議論がありましたけれども、やはり財政が健全であるということは非常に重要なことであります。ごく短期にこれを全て解消するということはできませんけれども、やはりこれを言い続けるということ、それからそれに向かって努力を続けるということが、財務省の仕事の中で非常に重要なことの1つだというふうに考えております。

 そういった中で、もちろん歳出を適切なものにしていくということ、それから歳入を増やしていくということ、その両面において継続的な努力が続いていくことを期待したいと思っております。それはこの目標の中に既に入っていることだと思いますが、やはりそこに向けてたゆまずに取り組んでいくということかと思います。そういう意味では、財政制度等審議会などでもそういった議論が続いているということは、来年度というか、足元のことで申しまして、評価できることと考えております。

 それからもう一つですが、偏りのないファクトを元に説明して国民に広く理解を深めていくということが非常に重要だと思っておりまして、財務省からもさまざまな資料やパンフレット、それからウェブサイトでのさまざまな情報の開示というのは行われているのですけれども、こういったものはどうしてもプロの人が読む資料になっているところもあろうかと思いますので、さまざまな外部の力なども活用しながら、一般の人にもわかりやすい形で伝わっていくということが、国民の理解を深める上で非常に重要だと思っておりますので、そういった努力が今後も続いていくということを期待したく思います。

 

○吉野座長

 どうもありがとうございました。伊藤先生、よろしいですか。着いてすぐで恐縮ですけれども。

 

○伊藤委員

 出張で遅くなりまして、失礼しました。私も、概括的なコメントを一つ二つさせていただきたいと考えております。

 今の財政健全化の問題にもかかわると思うのですけれども、こんなことを皆さんに申し上げても釈迦に説法ですけれども、景気の状況とか、あるいは人口構造の変化によってやはり微妙に変わってきてくると思うのですね。例えば、内閣府がこの前出したシミュレーションでかなり楽観的な成長シナリオを仮にとったとしても、何もしなければということですから、することによってよくなると思いますけれども、何もしないと2027年までにプライマリーバランスの黒字は達成できないというあまりうれしくない結果が出てきたわけです。

 だからもちろん何かしなきゃいけないのですけれども、ただ、それ以前として、それの一つの大きな背景というのは、そこまで成長してもプライマリーバランスの達成が難しくなるような状況が2020年以降に起きてくる。簡単に言うと、高齢化が非常に顕著になって、医療費を中心とした社会保障費が伸びていく。そういう意味では、現在ももちろん厳しいのですけれども、現在の状況と2020年以降の状況は違うと思います。

 あるいは、この前、今さらながら数字を見て思ったのですけれども、例えばGDP統計の中に政府の貯蓄・投資差額がございまして、ご存じのようにこれはいわゆる3つの要素ですか、つまりプライマリーバランス、それから国債の利払いの2つが恐らく国と地方の財政収支だと思うのですが、それに社会保障の基金の出入りを全部合わせて広義の財政赤字。

 よくわかりませんが、社会保障の分はいろいろ付替えがあったりするものですから、数字がどこまで実態に対応しているかわかりませんけれども、これを見ますと本当に2012年あたりはひどい状態で、これは異論のないわけですけれども、私の見た数字は2015年か2016年ぐらいの数字で、GDP比の赤字幅がアメリカとかイギリスあたりと並ぶところまで下がってきている。

 恐らく理由は3つあって、1つはプライマリーバランスの赤字が少し縮小ながら、同時に金利がこれだけ低いものですから利払い費が非常に低くて、さらに社会保障のほうは、よくわかりませんけれども、いろいろなことで多少今足元で少しあるということだと思うのです。だから、財政収支がよくなったということを申し上げたいわけじゃなくて、事ほどさように5年前と現在ではいろんな状況が変化してきているということです。

 ですから、こういう財政評価のやり方、手法が非常に難しいと思うのは、そういうふうにいろんな変動があるにもかかわらず、やはり中長期の目標をきちっと出す。いわば長期性とか、あるいはしっかり先を見据えるということが重要であると同時に、他方で、ただかたくなに一方向を出すのではなくて、その都度その時期の重要なマクロ環境だとか政策の微妙なツボの変化みたいなことを、もちろんどこまできちんとやるかということは別ですけれども、そういう両方がしっかり見えてくるようなのが、別に政策評価だけじゃなくて一般的政策全体の議論だと思いますので、特にこれから恐らくいろんなことで大きな変化がありますので、そういう意味でもこういう形でしっかり評価を見直しながら政策を考えていくということが重要だというふうに思います。

 もう1点は、もうちょっと概括的な話なのですけど、最近、政府のいろいろな方と話すと、エビデンスベースト・ポリシーということが盛んに言われるようになっていて、言われれば当然のことで、今いろんな政策をすることが結果的にどういう成果があるかということをある程度認識しながら政策をやっていく。だから、これをやれば何とかなるだろうというインプットだけを出してやるのではなくて、やはりアウトカムだとか、アウトプットへの影響をある程度考慮に入れながらやるということは重要で、財務省のおやりになっている政策は多くて、なかなかそれに乗りにくい面があるということも事実だと思いますので、全く乗らない部分だけではないと思うのですけれども、そういう意味だからこそ、ますます財政評価をそういう形に近づけるような努力は必要です。

 それから、今日は遅れてきたので冒頭のご挨拶を聞いていなかったんですけれども、やはり外に対してしっかり説明を果たしていく。あるいはアカウンタビリティというのは政策実行の上で非常に重要だと思いますので、そういう意味では大変な努力をされて毎年こういうものをお作りになっていると思うのですけれども、今後さらに磨きをかけていただきたいというふうに思いました。どうもありがとうございました。


○吉野座長

 ありがとうございました。では、次は江川委員、お願いいたします。


○江川委員

 まず、政策評価に関しまして常に見直しをして向上を図っていくという意味で、今回も実施計画と事前分析表の記載内容を見直してシンプルにされたということに関しては、とてもよかったと思います。

 内容に関しまして3点申し上げたいと思います。1つ目は、他のお二人がおっしゃったことと共通しているのですけれども、財政の健全化に向けてしっかり総合目標として取り組んでいただきたいということです。

 プライマリーバランスに関しても少しずらさざるを得なかったという状況は理解しているのですけれども、思い返すと、プライマリーバランスという言葉が一般の新聞に載り始めたのは随分昔で、そのころはまだ2010年代の半ばまでにとか言っていたわけなので、それから考えると本当に逃げ水のようにどんどん先延ばしになっているということに改めて危機感を覚えました。今、伊藤委員もおっしゃいましたけれども、今後、社会保障の経費とか、それから金利が上がった場合には利払いとかがどんどん増えていくわけですから、緊張感を持ってしっかり構造改革をやっていくということを政府全体として推し進めていただければと思います。

 それから2つ目は、国有財産の処分に関して見積り合せをしますという3−3のところに出てきたことで、今まで全部に関してやっていなかったのをもう少し範囲を広げましたというふうにご説明を受けたのですけれども、私も大学の現場などを見ておりまして、100万円以上だと、実際には価格だけでなくて質の面も含めて評価をして、何か発注したいことであっても、やはり法律にのせなければいけないので、小さなプロジェクトに分けて工夫をしてやったりとか、いろいろなことをやっているのを目にするにつけて、これは長期的な課題だと思いますけれども、実際の行政に携わる方が合理的にやりやすくて、しかも国民に説明ができやすい、いい意味での効率性ということを将来的には考えて見直しをされるということもあり得るのではないかなというふうに思いました。

 最後は、8−1の地震保険制度の安定的運営ということで、今回普及率を参考指標にしたというのは理解しておるのですけれども、首都圏での地震もあり得べしということで、しっかり普及率を上げて地震保険制度を安定的に運営していくというのは本当に大切なことだと思いますので、今回指標の見直しということで政策の位置づけが軽くなるということにつながらないように、いろいろな形で普及に力を入れていただければと思います。

 以上です。


○吉野座長

 ありがとうございました。では、小林委員、お願いいたします。

 

○小林委員

 財政の話についてはこれまで三人の皆さんがお話しされた内容とほとんど変わりませんが、「慣れ」というのは本当に怖いなという気がします。内閣府の2つのケースのシミュレーションは、単純に算数でしかなかったにも関わらず、どうして2020年という目標を去年まで続けてきたのか、当然2020年は困難であるということをわかっていながら、政治という名のもとに目標にせざるを得なかったかもしれませんが、遂にどうしようもなくなり、2025年に。それがまたシミュレーション上のアサンプションを少し変えると2027年に。

 普通であればちょっと考えられない状況の中で、ましてここの総合目標1の空しさというか、これはむしろ皆さんが一番感じているのではないかと思いますが、そもそもこれを政策の目標とする感覚はいかがなものかというのが一番の問題意識としてあります。
 議論するよりも行動する時であるにもかかわらず、行動が全然伴っていないということを強く感じます。国の財政赤字は、結局国民の資産なり企業の資産を考えれば、やはり重要なのは政府広報、特に財務省の広報であり、危機感を煽るというのではなく、もっとわかりやすく現状の日本は相対的に他の国と比べてこうした状況であるということを伝えていくことが、地道であるとはいえ具体的なアクションであるという気がします。

 一方、政策目標6−2−2では、開発途上国支援策という形で保健医療サービス、UHCに対して財政当局が積極的に参画する取組を新たに追加されました。持続可能な保健財政の枠組みを日本が引き続いてイニシアティブをとって推進するということについては大いに頑張っていただきたいと思います。

 また、これは以前申し上げたと思いますが、政策目標が123あるうちで、定量的指数と定性的指数に分ければ、定量的な指数が若干減って、むしろ定性的なものが増えている。やはり評価というのは全て定量的でなければならず、目標設定に対するKPIをはっきりさせていくという努力をぜひやっていただきたいと思います。

 最後になりますが、先ほど理財局次長のほうからお話がございましたとおり、国民が今非常に関心の高い部分を政策目標にどう入れるかは大変難しいとは思いますが、3−3−5または6に何も記載がないというのも、何か白ける話だという気がいたします。以上です。


○吉野座長

 どうもありがとうございます。では、田辺先生、どうぞ。

 

○田辺委員

 私のほうからも何点か申し上げたいと思います。ただ、かなりの部分が委員の皆様のご発言にも重複する部分がありますので、そこは適宜端折って申し上げたいと思います。

 まず、今回の政策評価に関する実施計画等計画の部分の変更に関しては、プライマリーバランスのところに関してはいろいろなご意見がありましたけれども、必要な改定を行っていったのではないかと思っているところでございます。特に財務省の政策評価書というのは、財務省全体を覆う白書がない中で、財務省は一体何をやってきて、どういう成果を上げたのだということを国民に対して表明する唯一の文書になっていると思います。

 逆に申し上げますと、財務省のやっている仕事というのは実に多様なものがあるのですけれども、それを一覧性を持って見せるという文書としては恐らくこの評価書が唯一のものになると思いますので、そこに関する努力というのは怠っていただきたくないなと思っているところでございます。

 恐らく国民の大きな関心といたしましては、例えば予算編成がどうなるかであるとか、税制がどうなるかというような政治、それから各団体との調整の結果の部分というのはあろうかと思いますけれども、実に多様なことをやっているかなりの部分というのは、きちっと決めたことを管理していくという部分が結構多いのではないか。

 例えば、若干今問題になっていますところの国有財産の管理というのは、恐らく理財局がやっている中からいいますと、財政投融資をどうするというような議論からすると目立たない部分ではありますけれども、やはり管理としてきちっとやっていかなければいけない。

 関税等に関しても、関税のTPPとかいう議論の中ではどう変えるのだという議論はありますけれども、それを水際でどういうふうにきちっと取り締まっていくのだというような問題があります。

 それから、財政投融資の中の政策金融に関しても、どこに使うのだという問題ではなく、それが正しく使われていたのか。商工中金の問題なんかは恐らくそれだと思いますけれども、管理的な業務の部分をどうやったかというのを一覧性を持ってきちっと見ていくという仕掛けになっておりますので、逆に言うと、この瞬間、評価書の中で初めてスポットライトが当たるという側面もありますけれども、きちっと仕上げていただきたいなと思っているところでございます。

 今回の変更の中では2点ほど申し上げたいと思います。1つは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの問題でございます。私、ODA等々の部分で個別の対象業務をこういう形で挙げたものがあったのかどうかというのは存じ上げていませんけれども、ただ、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジのところは非常に意味があるのではないか。

 1つは、これは、明らかにインフラ整備というところから制度を整備するという方向に視点が動いたということの表明であります。それを財務省がある意味この評価書の計画の中に書き込むことによってコミットするのだという意味では、非常に意味のあるものだと思っているところでございます。

 ただ、難しいところは、インフラの場合で言いますと、例えばあまり好きではないですけれども、IMFのほうからグッドガバナンスみたいな形で枠づけられて、その下でということはあるのだと思うのですけれども、ユニバーサル・ヘルスの確立というのは、例えばイギリスみたいな形の税金でやってしまうというものも採り得ますし、日本のような保険制度で覆うという場合もありますし、それから、民間の保険に強制的に加入させるというようなさまざまなやり方がありますので、その制度の構築と運用に関するノウハウというのを伝授しないと、インフラの整備とはちょっと違う成功のポイントというのがあるような気がしております。

 財務省だけがそのノウハウを持っていると思いませんけれども、厚生労働省その他いろいろな関係部局があると思いますので、そこを通じまして、ある意味日本の制度のいいところを諸外国にもきちっと運用できるようなノウハウの伝授みたいなことを心がけていただければというのが1点でございます。

 2番目は、地震保険の部分であります。普及率自体は参考指標のほうに落とす。これが目標自体にはなりづらいというのはそのとおりだと思います。そのかわりに定性的なものとして、普及活動を進めるということは言っております。ただ、普及活動というのは、昔からずっと言っているにもかかわらずなかなかうまくいかないところがある。

 例えばよく言われますのは、売っている保険のところで、売るインセンティブが全然ないではないか、手取りがほとんどないじゃないかというようなこともあります。あと、保険の率に関しても、ある意味保険率のカバーがその半分であるとか、危険なところと危険ではないところが全部一律になっている等々いろいろ言われていましたので、そういう側面も含めまして広くご検討いただいて、さらに地震保険に入っておいたほうがいいのだよということを国民に理解ができるような活動を進めていただければと思います。

 以上でございます。


○吉野座長

 ありがとうございます。では、山本先生、どうぞ。

 

○山本委員

 私、事前にペーパーを出しておるのですけれども、細かいところは省略いたしまして、政策評価に関しては3点、あと1点追加で、冒頭お話があった事件についての感想めいた話をしたいと思います。

 他の委員のお話にも既に出ておるのですけれども、総合目標1の例の財政健全化の話ですが、この中でこれまでの取組を精査した上でという非常にいい表現があるのですけれども、これは非常に財務省にとっても重要なことをお書きになっておられますので、是非その内容がわかるように国民に開示、説明していただきたいということでございます。

 それと、国有財産についてはご批判もあるのですけれども、頑張っておられるところもありまして、総合の3−3−B−1ですか、国有財産の有効活用に向けた取組状況というのは、結構今、待機児童問題においては国有地を活用するとか、いろいろな国有地の有効利活用等もされておられますので、そういったプラスの活動については、定量的な実際の業績指標にはできなくても、参考指標等でそういう状況を国民に対して開示されたらどうかというのが2点目でございます。

 3点目は、少しテクニカルな話ではあるのですが、政策評価としては重要なことなので申し上げますが、政の5−3−3−A−1のAEO事業者新規承認者の30年度目標値というのがあるんですけれども、これが29年度では45になっておったのですが、平成30年度には35ということで、10も下回っておるのです。それが諸般の事情等と、たしかそういう文言があったと思うのですが、これでは国民が納得いただくには少し不明瞭であるというふうに思いますので、是非それは考えていただきたいと思います。

 最後に、例の今問題になっている案件でございますけれども、これにつきましてまず政策評価的にどういうふうに考えるかということを少し。この委員をされている方の何人かはご案内のことでもあるのですが、当初、財務省の政策評価体系は他の省庁とかなり異質な面がございまして、政策以外に組織目標というのがあったのですね。

 財務省としてこういうスタンスで行政に取り組みます。あるいは、その中には若干今の状況では変だと思うところもあるのですが、事務次官の記者会見回数なんていうのもあって、それはややどうかなという議論が当然外野席からあるかと思いますが、そういうことが実はあって、それが、総務省の雛型等ができて他の省庁等に合わせるということで多分なくなったのだと思うのですが、今回のような事案が発生いたしますと、やはりこの際、対国民、あるいは対国会に対してもそういった組織目標的なものを、この政策評価体系とは別でもいいと思いますが、是非この改革の中でそういうことを検討していただいてもいいのではないかというふうに思います。

 と申しますのは、財務省というのはまさしく資源の調達、配分、管理ということを担っておられるわけでありますから、当然行政に対する信頼性、国民の信頼性というのは非常に重要になってまいります。したがって、その意味では公文書管理も重要ですが、プライマリーバランスが云々という話は政治的によるという話があったのですが、まさしく政官関係の中で財政制度を運用されておられるわけでありまして、非常に難しい立場におられるということもそのとおりで、私も全く同感なんですが、だからこそ政と官の関係においてどういうふうにするか。

 アカウンタビリティという話も先ほど伊藤先生から出たのですが、政治家の行為規範も必要でしょうし、あるいは官僚としての行為規範というのも必要なんですが、日本の衆議院とか参議院議員の行為規範というのは一応決まってはいるのですけれども、来る前にちょっと読み直してみたのですけど、ほとんど何も書いていないんですね。実質的な行為規範になっていない。

 したがって、逆に言うと、財務省の職員としてぎりぎりのことをされるのは当然なことだと思うのですけれども、最終的なアカウンタビリティをどこまで負えるのかということがやっぱり決まっていないと、場合によってはグレーゾーンというところにもなりかねないわけでございますものですから、一部の行政学者の方のご意見を受ければ、政官のスクラム型の官僚制は崩壊しているのだから、新しいタイプの政官関係のモデルを考えなきゃいけない。

 そうなると、間接的な、インフルエンス的な政治家に対する行政機構からの働きかけなり、ご理解をいただくということになろうかと思うのですが、そういうモデルに移行する中においては、財務省職員としてどこまでの権限と責任を負っていくのかということについて、多分組織改革等はこれから進められると思いますものですから、是非その中でご検討を賜ればと思います。以上でございます。

 

○吉野座長

 山本先生、ありがとうございました。

 それでは、最後に私からも数点コメントさせていただきたいと思います。重複するところもあると思いますけども。

 まず1つは、プライマリーバランスのところですけれども、このプライマリーバランスは利払費が入っていませんので、金利が上がっていったときに、例えば今1,200兆円残高があるとすると、インフレ目標を2%達成されれば、必ず3%以上に金利がなりますから、それだけで歳出が36兆円になるわけですね。これは大変なことだと思います。そういう意味では、プライマリーバランスを含めた財政の健全化というのは本当に喫緊の課題であるということをいかに国民にわかっていただけるかというのを、我々はみんな本当に考えなくちゃいけないと思うのですね。

 政治家の方は4年単位で考えられますし、そこでずっと自分が再選されて政治家として続くということが一番目標ですけれども、財務省とか官の方々は長期で考えられるというところが、短期で考える方々と長期で考えるところが違うのだと思います。そういう意味で、やはり財務省の方々に、今回の問題はありますけれども、財政の健全化に向けてとにかく一番政策手段を持っているのは財務省ですから、破綻がないような形の概念図のようなものをきちんと作っておいていただくことが必要であるというふうに思います。

 それから、2番目は関連するところですけれども、普通のマクロ経済の教科書には財政政策とか金融政策でいろいろ解決しなさいと書いてあるわけですけれども、構造改革という章がほとんどの本にありません。ところが、前も申し上げましたけれども、高齢化というのは構造問題でありまして、財政金融政策では解決できないところの問題を日本は抱えているわけです。

 金融政策というのは、前も申し上げましたけれども、働いている人たちがそこで給料をたくさんもらって、それで生活がよくなっていく。ですから、退職した人たちは金融政策の影響の外にあるわけです。それから、堅実的な財政政策も、失業している人がそこで雇ってもらえる。退職した人というのは雇用・労働の外にいますから、財政金融政策が効かない人たちがものすごく増えてきているわけです。そうすると、構造改革しか日本はできないわけです。

 我々がやっているモデルですと、一番いいのが、なるべくみんな長く働いて、前にも申し上げましたが、死ぬ前の日まで働くと。それで、賃金は限界生産性に応じて払う。それでいくと大体一番いいわけでして、そうすると、今の労働のいろいろな働き方の中では、退職しそうな人たちをいかに長く雇っていって、それでなるべく社会に貢献していただいてという分野が本当は一番必要なのではないかなと思います。

 ですから、構造改革が日本は一番必要で、伝統的な財政金融政策では解けない問題であるというのをぜひ財務省の方々に認識いただいて、その政策手段を一番持っているのは財務省だと思います。いろいろな問題が今起こっていますけれども、そういうところから財務省の信頼をもう一度勝ち得られるというふうに私は思います。

 それから、3番目のところでは、国債の市場がマイナス金利になりましてから非常に異常になってきております。ご承知のように、10年債までマイナスになると言ったわけですけれども、マイナス金利で買える人は日銀しかいないわけです。誰もマイナス金利を持とうとしませんから、今は日銀が買っているので済んでいるわけですけれども、これをやめたときに誰が買い出すか。

 それである程度は市場は戻ってくると思うのですけれども、海外がたくさん買い出すとギリシャにすぐ近くなると思います。外国人というのは何かリスクがあればすぐ売ります。当たり前ですけれども、今まで日本がもっていたのは国内の人がほとんど持てていたから。最近は日銀が持っているので、それが安定しているように見えている。

 そうすると、それが見えない方々はまだまだ発行できるじゃないかというふうになっていると思うのですけれども、日銀以外の国内の買手がつかなくなってきているということもありますので、国債市場にこの次影響が出てくる。それを何とか防がないといけないのではないかというふうに思います。

 それから、4点目は海外との関係ですけれども、日本の政府は、IMFとか、世銀とか、ADBとかいろいろなところに出資されて、海外活動に貢献されていると思います。先ほどのユニバーサル・ヘルス・カバレッジもその1つだと思いますけれども、こういうお金を出しているところに対してやはり声も出していくと。そういうところを通じて日本の企業が海外で活躍できるように、一緒にそういう政策とともにやっていただく。

 ビジネスが海外でうまくできなければ、日本の収益につながらないわけです。中国とか韓国は非常にこれを巧みにやられていまして、ご承知のように中国は随分外に出ていっているわけですし、韓国もやっております。ですから、いろいろな国際機関への出資と同時に、日本の企業がそこできちんとビジネスをやって、そして仕事ができる。そういうことがもう一つ必要な感じがいたします。

 それから、関税に関しましては、いろいろ関税のやり方を学びたいというところがアジアの国々にはございますので、日本のいいシステムのところはいろいろな国にそれを伝授していただきたいというふうに思います。

 最後の2つは、フィンテックが進んだデジタルガバメントといいますか、これは全省庁に関係するのですけれども、いかにデータを各省庁で蓄積し、エビデンスベーストに乗せられる政策となるようにしていただけるかどうか。これまで財務省でも、他の省庁もそうですけれども、データは大体紙で残っていますから、エクセルでほとんどない。それから、人が変わるとまたそのデータを別の方が別ので集めてくる、こういうようなことがやっぱり多いような気がいたします。

 そういう意味では、財務省も含めてデータを管理し、そのデータが継続していろいろ使われ、それが政策に反映できる。これがまさに見える化だと思いますので、特にこれだけビッグデータがいろいろ使われるようになりましたから、日本全体としていかにデジタルガバメントとして対応していくかということを考えていただきたいと思います。

 最後は、最近の問題のところで、この文章が出るのは多分今の問題がいろいろ公になった後に公表されると思います。そのときに、国有財産と文書管理のところを今のこのままの文章でいいかどうかというのは、委員の先生方も含めて後でご意見をいただければと思います。

 これが今の件が落着した後に出たとすると、政策評価でそういう議論をしていないじゃないか、何だということになると思いますので、私の希望としては、少し国有財産のところはきめ細かく加えていただいて、それから文書管理とか、あるいは財務省のガバナンス・アカウンタビリティのところをもう少し加えておいていただいたほうが、国民への将来に対する信頼性というのをリゲインしていただけるという意味ではいいのではないかというふうに個人的には思います。以上が私からのコメントであります。

 ただいまの先生方と私のコメントも含めまして、まず最初に、山崎政策審議官から発言をお願いいたします。

 

○山崎政策評価審議官

 委員の皆様方から大変貴重なご意見をいただきまして、誠にありがとうございました。私からは、政策評価全般に関することについてコメントさせていただきたいと思います。

 先ほど、伊藤先生から、長期から短期まで見据えた適正な政策目標を徹底すべきではないかというお話をいただいたと思います。また、これは以前にも小林委員から、経済社会のダイナミズムに合わせた目標の充実とか適正な目標の設定が必要だというお話をいただいております。

 財務省では、政策の体系で総合目標と政策目標の2つを策定いたしまして、その全てを対象に政策評価を実施しているところです。総合目標につきましては、特定の年度において執行する事務処理的なものではなくて、閣議決定とか政策方針演説等といったような内閣の基本方針を踏まえて、中期かつ大局的な観点で取り組む大きなテーマを設定するというふうな形にしております。一方、政策目標ですけれども、これは単年度評価を前提とした、個別の政策に係る目標というふうな形でやっております。

 いずれにしましても、目標設定は、やはり社会情勢の変化とか、基本方針の変更とか、政策効果の把握の手法に関する調査・研究・開発の動向等々を踏まえて、必要に応じて適切に見直すことは必要だと思っておりますので、引き続き努力してまいりたいと思います。

 また、小林委員から、なるべく定量的な指標にすべきだというご指摘を伺いました。私どもも定量的な評価指標の開発を進めるように努めておりまして、できる限り定量的な評価指標を使おうと考えております。ただ、財務省の政策は外部要因に大きく左右されるようなところもありまして、なかなか定量的な目標を設定するということが困難な場合もあります。定性的な指標を設定する場合にも、経済統計とか、先ほどEBPMの話もありましたけれども、定量的な指標を参考指標として公表するということで、国民に対する説明責任にできるだけ応えていきたいと思いますが、できる限り定量的な指標を導入するよう今後とも努力してまいりたいというふうに思っております。

 それから、山本先生から若干経緯を含めてご説明がございましたけれども、以前、財務省の政策目標において組織運営の基本方針というものが入っていました。組織運営の基本方針においては、財務省が政策の目標を達成するための基盤となる組織をどういうふうに維持構築するかということを内容とする財務省独自の取組として、政策評価法に基づく政策評価には該当しないのですが、評価を実施しておりました。

 本件につきましては、平成25年に目標管理型の政策評価の実施に関するガイドラインというのが定められて、各行政機関の統一性、一覧性を確保するということから、ガイドラインに示された評価書様式を用いるということになりまして、これを受けて財務省独自の取組である組織運営の方針が変更されたという経緯がございます。

 ただ、組織運営の方針というのは、高度な専門性に裏打ちされた効果的、効率的かつ透明性の高い行政運営を実施するための組織の維持・構築を行うという理念で行っておりまして、こうした組織運営の方針に示された指針、精神というのは大変重要だと思っておりますので、引き続き継承してまいりたいというふうに考えております。

 本日いただいた委員の皆様方からお知恵を借りながら、計画案を今一度見直したいと思っております。また、山本委員からは事前に事務局にコメントをいただいておりますが、本日ご発言いただいていない部分につきましても、適宜反映を検討させていただきたいと思っております。どうも本日はありがとうございました。


○吉野座長

 それでは、各局のほうから、ただいまのご意見と平成30年度の予算編成等における政策評価の活用状況を一緒にして、時間の関係がありますので、それぞれの局長の方からお話しいただきたいと思います。

 では、並んでいる順番で、まず主計局長からお願いします。

 

○岡本主計局長

 主計局長の岡本でございます。本日は大変ありがとうございます。

 まず、各先生方からいただきましたご意見は、財政健全化に向けての取組の重要性をしっかりと踏まえて取り組むべきということ、また、その際には中長期的な視点と、もちろん毎年毎年の予算編成はそのときどきの経済情勢を見ながらやるということがあるわけですけれども、中長期的な視点、あるいは吉野座長からもありましたように構造的な問題に対する視点、こういったものに向けての取組をしっかりとということであったかと受け止めさせていただいております。

 ちょうど新しい経済財政計画を伊藤先生のもと経済財政諮問会議でこれからご議論をいただくことになりますけれども、私ども財務省といたしましても、この計画で新たなプライマリーバランスの黒字化の目標、またそれに向けての具体的な歳出改革のあり方をしっかりと示していけるように、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。

 特に、今度の新しい計画は2020年代に入ってまいりますので、団塊の世代の方々が75歳以上になっていく時期、まさに本格的な高齢化社会に入っていくところを踏まえての計画という形になりますので、特に社会保障の問題を含めまして、そういったことにどのように対応していくのかということをできるだけ具体的な工程表の形で示していく計画にしていただくよう、私どもとしてもしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

 また、特に財政の話を国民にわかりやすく伝えるべきというご意見をたくさんいただきまして、全くそのとおりだと思っておりますし、これまでもご指摘をいただいておりました。かつて私どもが作っておりましたパンフレットは、財政を研究しておられる研究者の方々には資料としてはいいのですが、一般的な資料としてどうかということで、年々工夫をして作りかえていって、これまた各財務局、あるいは国税局での説明でも使っていただく中で、この説明を聞いていただいた一般の方々からの受け止めのアンケートなども行いまして、そのアンケートを踏まえた改善というようなことを今行っております。

 また、いろいろな取組の中で今財務局においては、小・中学生を対象にしたこういった財政の説明、勉強といったことをいろいろな形で今取組を始めておりまして、本日いただきましたご意見を踏まえてさらにそういった取組をし、できるだけわかりやすく国民の皆様に日本の財政の現状、諸問題はどういうことか伝えるように行っていきたいというふうに思っております。

 最後に、30年度予算編成におけます政策評価の活用状況につきまして、簡単にご説明をさせていただきたいと思います。

 資料では21ページになります。ここで予算編成に反映させていただいた事例という形で2つほど載せさせていただいております。主計局におきましては、各省庁が行っております政策評価の結果を予算編成過程で非常に重要な資料として活用して、予算への反映ということをさせていただいております。

 21ページの下のほうに例えば農林水産省の事例を挙げさせていただいております。農業の構造改革の中で農業法人を増やしていって、しっかりとした経営体として担い手になってもらう、また規模拡大をやってもらうということで進めておる政策がございます。これに対しまして、農水省の政策評価の中では、平成35年までに法人の経営体制を5万法人に増加させるということで、例えば平成28年度までにまず2.3万法人に増加させるということを目標としておりましたが、必ずしもそれに到達していない。

 もちろん、法人数を増やしていくということも大事ですが、ただ法人にすればいいということではなく、やはりきちんとした経営をやっていける形にするといった取組が十分ではないのではないかというご指摘を受けまして、予算では、この制度につきましてより法人化をサポートしていくという中で、単に専門家を法人に派遣するということではなく、専門家による支援チームを作って、それぞれの経営の質の向上に向けてそれをサポートする体制にするというような制度に組み替えるという反映を行っております。

 このように、政策評価でいろいろいただいているご意見というのは、最初にございましたように財政が非常に厳しい中で予算を効率化するということも当然ですけれども、限られた予算で最大限の効果を上げるためにはどういうふうにしていくのかという意味におきまして、政策評価を反映させるということは私どもは非常に重要なツールだと考えておりますので、今後ともこの政策評価の予算編成の反映ということをしっかりと活用させていただきたいと考えております。

 私のほうからは以上でございます。ありがとうございます。

 

○吉野座長

 ありがとうございます。では、次は主税局長、お願いいたします。

 

○星野主税局長

 主税局長の星野でございます。本日は誠にありがとうございます。

 今日は、具体的な税制に関するご指摘はございませんでしたけれども、PBの黒字化も含めまして、今、主計局長からもお話があったとおり、財政を健全化させていくためにいかに歳入部分について確保していくかということは、極めて重要な政策課題だと考えております。ここは主計局とよく緊密に連携をとりながら、国民に対する説明責任をちゃんと果たしていく。特に、税については直接国民に関わっていくものでございますので、今日お話のありましたエビデンスベースト、またその偏りのないファクトをちゃんと国民に説明をして、納得感が得られるような形で政策立案に反映させていきたいと考えております。

 また、吉野先生からお話がありましたデジタルガバメントは、税で扱ういろんな計数についても、これは国税庁とも連携していく必要があると思いますけれども、いろいろな形でデジタル化を進めていく必要があると考えております。

 例えば、30年度の税制改正の中でも、法人税について、特に大法人が行う納税については電子申告の義務化を今回義務付けるといったことですとか、それから、年末調整についてできるだけ電子的な処理が行えるように制度改革を行っていくといったことを制度面からも盛り込むようにしておりまして、こういった税にかかわるいろいろな計数の扱い方についても、デジタルガバメントという方向でなるべく対応していくような取組をしているということでございます。今後も今日いただいたご指摘を踏まえて、いろいろと政策に反映させていきたいと考えております。

 それから、政策評価の活用状況でございます。主税局の関係は主計局の次ですので、23、24ページでございます。30年度の税制改正の政策評価の活用状況について簡単にご紹介いたしますと、租税特別措置の拡充・延長について要望を行う場合には、各省庁は政策評価(事前評価)を行っておりまして、総務省は政策評価書の内容を点検して、適用数・適用額に関する説明が不十分な例などを公表しているということでございます。

 それから、財務省は毎年度、いわゆる租特透明化法という法律に基づきまして「租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書」を作成して、これを国会に提出しております。

 税制改正プロセスにおきましては、総務省における政策評価の点検結果ですとか、今申し上げた適用実態調査の結果を活用いたしまして、租特の必要性、政策効果を検証しておりまして、平成30年度税制改正では、特に期限が到来する法人税関係租特の21項目のうち、その大宗について廃止または縮減を伴う見直しを行うこととしております。

 具体的な事例について2つ付けております。事例1は、「国際戦略特区において機械等を取得した場合の特別償却又は、税額控除制度」というものでございます。総務省の行政評価局による政策評価の点検におきまして、「国際海上輸送網の拠点となる港湾等の整備等に関する事業」、それから「国際的な事業機会の創出等に係る国際的な規模の事業活動の促進に関する事業」については、適用実績・見込みともに非常に小さいということで、目標達成をするのに十分寄与しているかどうかというのは明らかになっていないという指摘がございまして、こういう点も踏まえまして、今回の税制改正においてこれらの事業については廃止をするといった取組をしているところでございます。

 次の24ページが、「地方における企業拠点の強化を促進する税制措置」ということでございます。これは東京一極集中の是正を図るために、東京23区から地方に本社を移転した場合などに、設備投資や雇用促進に対して特別償却や税額控除を認める制度でございます。本制度につきましても総務省の行政評価局による点検結果におきまして、実績が前年評価時の見込みを大幅に下回っていて、本社機能の一部移転等による企業の地方拠点強化の増加目標件数、地方拠点における雇用者数の増加目標件数の達成を十分寄与することが明らかにされていないのではないかという指摘がなされております。

 こうした点も踏まえまして、今回の税制改正におきまして、この特例部分について縮減を伴う見直しを行うということでございます。それから、雇用促進税制の本体部分につきましては、最近の雇用情勢を踏まえて廃止することにしております。

 政策税制の見直しは重要な課題であると思っておりまして、今後とも今回の例のように効果の検証等をしっかり行いながら、政策評価を活かしていきたいと思っております。

 以上です。

 

○吉野座長

 ありがとうございました。引き続きまして、関税局長、お願いいたします。


○飯塚関税局長

 関税局長の飯塚でございます。今日はありがとうございます。

 関税局では、関税制度を所管するとともにEPA等の貿易交渉等に携わっておりますが、それに加えて関税局の場合には現場に税関がございまして、いわば現場行政をやっているところでございます。現場のほうでは、厳格な水際取締りを通じた安全・安心な社会の実現、適正かつ公平な関税・消費税等の徴収、あるいは迅速通関等を通じた貿易円滑化の推進、こういったミッションに取り組んでいるというところでございます。

 今日、先ほどのご発言の中で2点、税関に関するお尋ね、ご意見があったと思いますので、まずその点についてお答えをさせていただきたいと思いますが、まず1点目、山本先生のAEOの承認件数について、目標値が29年度は45だったものが30年度に35に下がっている。これについてのご意見があったと思います。

 もう少し数字を紹介させていただきますと、26年度から30年度までの5年間を見ますと、目標値の変遷ですが、山本先生ご承知のように、30、30、30、29年度に45とぽんと上がって、それが30年度に35に落ちている。29から比べると10落ちておりますが、その前の3年間から比べると5上がっているという状況でございます。

 やや技術的な話になって恐縮でございますけれども、我々の目標値の設定の仕方は、年度初の相談件数がございまして、その相談に対して我々が審査をして、どれぐらい認めるかということでございます。過去3年間の相談件数のうちどれぐらい認めたかという要は打率のようなものを年度初の相談件数に掛けて、機械的に出すということをやらせていただいております。そういう意味では、29年度に目標値がぽんと45に上がっておるのですけれども、先ほども少し触れられましたが、昨年の10月から輸出入申告官署の自由化というものをやっておりまして、これがAEO事業者についてのメリットになるということでございます。

 したがいまして、こういう新制度が去年の10月から実行されることになったものですから、その直前にAEOに関する相談が非常に増えまして、その結果、昨年度初に非常に相談件数が多かったということを反映しまして、昨年度の目標が上がっていったということでございます。去年の10月にこの制度が実行されましたので、少し今落ちついた状況になっておりまして、相談が下がっておるということを踏まえて、30年度については35にさせていただいたということでございます。

 1点、これに関して補足させていただきますと、先生ご承知のように、AEO制度というのは、そもそもセキュリティ面を含めてコンプライアンスが優れた事業者を認定して、例えば検査の面とか通関手続の面でメリットを与えるという仕組みでございまして、要は厳格な取締りと迅速通関を両立させるための制度ということでございます。そういう意味で、我々はこれを普及して拡大していく必要もあると思っておりますが、かたがたやはり厳格取締りというニーズもあるものですから、その辺を両立させながらきちっと普及を図ってまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 もう1点、吉野先生の日本の税関のシステムは非常にいいシステムなので、外国に伝授していったらどうかというお話がございましたけれども、おっしゃるとおりでございまして、私も去年の7月に着任して非常に感じるのは、日本の通関システムに対する途上国の関心が非常に強いということでございまして、特にアジア諸国とアフリカ諸国は、日本の通関システムが極めて優れているということで、ここから学びたいというニーズが極めて高うございます。

 実際に幾つもの国から視察に見えておりますし、その場合には関税局のみならず、税関の現場でございますとか、あるいは税関の研修所、研修システムですとか、麻薬とか覚醒剤を分析する分析所のシステムに対する関心も高うございます。そういったことで、我々はきちっとこれに対応していきたいと思いますし、また、WCOという国際機関がありますので、ここを通じて日本のいろんなシステムを広げていきたいと考えております。

 あと、NACCSという電子通関システムが日本にはございますけれども、これも世界的には非常に評価が高うございまして、アジアの途上国の中ではこれを導入したいという国もありますので、その辺はサポートしていくようなことを今後ともやっていきたいというふうに思っております。

 それから、来年度の関税改正における政策評価の活用でございますが、主税局の次の26ページをご覧いただきたいと思います。毎年度改正におきます関税率の設定や制度の見直しに当たりましては、各府省からも要望が出てくるわけでございますけれども、そのときに政策評価書の提出も併せて求めまして、その活用を図っているところでございます。政策評価書の中には、政策の目的ですとか、必要性、適正性、理由ですとか効果等、あるいは評価内容等を記載していただいているということでございます。

 具体的な事例を1つここに挙げさせていただいておりますが、30年度改正の中で1つ、バイオエタノールの暫定税率の無税の延長という要求がございます。これについては所管省庁は経済産業省でございますけれども、政策評価書が出ておりまして、そのポイントを下に要約しております。

 特にご覧いただきたいのは措置の必要性のところでございまして、バイオ燃料を混合したガソリンの普及促進のためには引き続き関税を無税にする必要があるというニーズが出されていると。一方で、やや技術的になるのですが、関税定率法上別途基本税率というものがございまして、国内産業保護等の観点から一定の税率が定められております。それを政策的なニーズから1年限りで無税にするという措置が行われております。

 その基本税率との兼ね合いで申しますと、2つ目のポツでございますけれども、今後、バイオエタノールの国産化を実現した場合には、やはり保護が必要になる可能性があるので、基本税率は残したまま暫定税率のほうを適用する必要があるということが示されておりまして、ここは議論をしまして、我々関税局としてもうなずける部分がございますので、結論として申し上げれば、30年度改正ではこの暫定税率の適用期限を1年間延長するのが適当だという判断を下したところでございます。

 いずれにしても、次のページでございますけれども、今後ともできるだけ客観的な指標の提示を求めながら、この政策評価を活用して毎年度の関税改正に生かしていきたいと考えております。以上でございます。

 

○吉野座長

 ありがとうございました。それでは次に、理財局次長、お願いいたします。

 

○市川理財局次長

 貴重なご指摘、多々ありがとうございました。

 理財局は、財政投融資、それから国有財産、そして国債・国庫業務と、非常に色合いの異なる3分野を抱えておりますが、とりわけ国有財産行政に関しましては、先ほど田辺先生からもご指摘のありましたとおり、色合いの異なる現業部門でございますので、きちっと管理してまいりたいと思います。

 それでは、先生方のご指摘につきまして、順にご説明させていただきたいと思います。

 まず江川委員から、見積り合せに関して長期的には合理的な事務処理体制を検討すべきであるというご指摘をいただきました。大変ありがとうございます。実はもともと見積り合せに関しましてはなるべく実施するということで、能力上相手方がみずから見積もることが困難と認められる場合には、必ずしも見積り合せを実施しないということでやってきたわけでございますが、今回の森友の事案がまさにこの見積り合せを実施しなかったという事例でございましたので、今後につきましては100%の実施ということをやってまいりたいと考えておりまして、そのように取組を変えたところでございます。ただ、これからの取組でございますので、まずは100%見積り合せを求めるということを実施いたしまして、その中でどのような課題が出てくるかということを抽出いたしまして、今後、長期的な施策を検討してまいりたいと考えております。

 それから、小林委員からは、今般のこれだけの問題があったにもかかわらず、改善努力することをきちんと示すということが足らないのではないかというご指摘をいただきました。誠にありがとうございます。実は、今回の政策目標における施策の変更は、例えば13ページをご覧いただきますと、冒頭3−3−5というところに、管理処分手続について一層の適正性の向上に努めることを主要な取組とするということが書いてございますが、実はこれも先ほど少し申し上げました1月19日の(財政制度等審議会)国有財産分科会からのご意見を踏まえての措置でございます。そして、国有財産分科会のご指摘というのは、まさに今回の森友事案を踏まえてご検討いただいたものでございます。ですので、そういう意味では、まさにこういう施策の改善というのが森友事案を踏まえての反省点、そして改善点の1つであると。

 ただ、これだけしか書いていないのでは、そういう努力も国民にきちんと伝わらないというご指摘と思いますので、そこのところは同様のご指摘を山本先生からも、あるいは吉野座長からも頂戴いたしたと考えておりますので、先ほど私が申し上げました国有財産における文書管理の問題とあわせて重くご指摘を受け止めまして、どのように表現していくべきかということを検討させていただきたいと存じます。

 それから、田辺委員からもう1点、商工中金のお話、財政投融資が正しく使われているかを確保することが大事ではないかというご指摘をいただきました。まさに我々は財政投融資の査定官庁でございますが、一方で財投機関についてはそれぞれ監督官庁がございますので、監督官庁との役割分担の中できちっと確保してまいりたいというふうに考えております。

 それから、山本先生からは、先ほどの森友関係のご指摘のほかに、保育所等への国有地の貸し出し、有効活用についてプラスのご評価をいただきまして、それであればきちんと参考資料等々で示したらいかがかというご示唆をいただきました。まさに定期借地の状況につきましては私どももモニターしているところでございますので、今後、活用状況、例えば定期借地の件数などを参考指標として公表してまいることを考えたいと、そのように存じます。

 次に、政策評価の活用状況についてご説明したいと存じます。29ページをお開きください。主に財投計画編成における政策評価の活用ということになるのでございますが、私ども、各省庁・機関に対し、財政投融資計画の要求時に、あわせて要求内容に係る政策評価の結果を提出することを求めておりまして、理財局では、この計画の審査に関しまして政策評価を積極的に活用しております。

 活用事例を2点ほどご説明いたします。まず第1が、日本政策金融公庫(農林水産業務)におけるスーパーL資金と呼ばれる融資制度でございますが、農水省からは、一層の経営規模拡大等に取り組む農業法人を支援するため、融資の特認限度額の引上げの要求がございました。

 この要求につきましては、私どもの審査の中で、民業補完性の観点からの政策評価につきましてもう少し踏み込んだ議論を行いました。農業者が民間金融機関からも設備資金の資金調達を行うことを適用の要件とするという査定を行いました。これを特認限度額の基準にも関連づけることとして、特認限度額を認めております。

 第2点は、次のページでございます。独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)におきます探鉱・開発事業等に対する出資事業でございます。この出資事業に関しましては、収益性を確保する観点から政策評価について踏み込んだ議論を行いました。投資案件は個々に見てしまいがちでございますが、機構の投資案件には、国、地域特有の経済環境等の変動要因があることを踏まえまして、ポートフォリオ・マネジメントが必要であろうという議論をいたしました。投資案件の積み上げに当たり、外部有識者による評価を業務に反映する仕組みを導入して、より効果的なポートフォリオ・マネジメントを実現するということを求めた上で、産業投資を措置することといたしました。

 このように、政策評価につきましては、相手省の評価をさらに議論するということで、今後ともきちんと対応してまいりたいと考えております。以上でございます。

 

○吉野座長

 ありがとうございました。それでは、国際局長、お願いいたします。
 

○武内国際局長 

 国際局長の武内でございます。本日はどうもありがとうございました。

 政策目標にユニバーサル・ヘルス・カバレッジを加えたことにつきまして言及いただきまして、ありがとうございました。開発途上国が経済成長を果たすためには、ハードとしてのインフラの整備に加えて、ソフト、いわゆる制度としてのユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成が不可欠であると考えておりまして、財務省では最近特にこれについて力を入れてございます。と申しますのは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成により、健康な労働人口が安心して働ける状況を確保することが、各国の成長に不可欠だと考えているからでございます。

 ご指摘いただきましたとおり、もとよりこれは財務省だけで果たせるものではございません。持続可能な保健財政枠組みを構築するということにつきましては、財務省としての知見はあるわけでございますけれども、私ども、これをやっていくに際しましては、外務省、厚労省とも一緒にやらせていただいておりますし、国際機関で申し上げれば、世銀、アジア開発銀行等の開発金融機関に加えて、国連、WHOにも広く声をかけて巻き込んで展開してきているところでございます。このユニバーサル・ヘルス・カバレッジは、2019年に日本がG20の議長国をやるときにも重点を置いてやらせていただきたいと思っておりますので、引き続き頑張らせていただけたらと思っております。

 また、国際局の関係で、海外支援につきまして日本の声が届くように、さらには日本企業の海外展開支援に役に立つようにと、政策目標の6−3にもありますけれども、そういったようなお話を頂戴しました。先ほどユニバーサル・ヘルス・カバレッジと並んでインフラ整備についても私のほうから申し上げさせていただきますけれども、まさに伊勢志摩サミット以来、インフラ整備について質の高いインフラということを提唱させていただいております。

 このようなコンセプトが国際社会で根づくことによって、開発途上国がより安定したインフラを享受できるようにということで言わせていただいているわけでございますけれども、これは実は、あわせて申し上げれば、日本企業のビジネスチャンスにもつながるから質の高いインフラだということを申し上げさせていただいているところでございます。

 これらのことも、引き続きG20議長国のときにもさらにブラッシュアップして提示させていただければと思っていますし、日本のプレゼンスを上げることができ、また、日本が信頼できるパートナーとして国際社会でやっていけるように引き続きやらせていただきたいと思いますので、どうぞご指導のほどよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。


○可部総括審議官

 総括審議官の可部でございます。本日は誠にありがとうございました。

 江川委員、田辺委員のほうから地震保険についてご指摘を賜りました。お手元のパソコンでは、通しページで223ページのほうに地震保険に関する記述がございます。測定指標として従来、地震保険の普及率を挙げておりましたけれども、これは行政事業レビュー、あるいは本日もご指摘がありましたけれども、地震が起こると皆様方の関心が高まって加入率が高まるというようなこともかなりあるものですから、参考指標として維持はいたしますけれども、この数字自体が財務省の努力そのもののあらわれというわけではないのではないかということで、今回、参考指標のほうに位置づけ直しております。

 ただ、もちろん、この普及というのは被災者の生活の安定並びに制度の安定的運営の観点から大変重要であることに何ら変わりはございませんので、223ページにございますように、ウェブサイト、あるいはSNSなどを通じた広報活動を引き続き精力的に行ってまいりたいと思いますし、また、あわせましてその際、先ほど田辺委員からご指摘のございました制度設計も重要であると考えております。

 1ページ前になりますけれども、222ページのほうに今回新たに施策として追加をさせていただきましたのが、地震保険制度の安定的な運営でございます。その中にもございますけれども、これまで阪神・淡路大震災等の経験を踏まえまして、例えば加入限度額を引き上げる、あるいは保険金額の支払い割合を引き上げる、耐震等級の割引を導入する、あるいは免震建物について割引を導入するといったような取組をしてまいりましたし、また東日本大震災を受けまして、損害区分をよりきめ細かくするといったような取組もいたしております。

 例えば、地域に応じて地震の発生確率が違うものですから、もともとその地域に応じて異なる保険料を設定しているという状況でございますけれども、それに加えて、今申し上げたような取組をすることで、リスクを反映した保険料率の設定ということで、逆選択を防ぎ、かつニーズに応じた保険となるようにという取組をこれまでもしてまいりました。

 ノーロス・ノープロフィットという原則を法律上設けておりまして、プロフィットを与えないかわりに、保険料を低廉に抑えるという思想で制度設計をしているものですから、保険会社からすると利潤が出ないというご指摘がある一方で、利潤を出そうと思うとそれが保険料にはねていくというようなこともあるものですから、利用者のニーズとその保険料の両方を見合せながら、今後とも引き続き制度の設計については、現場の声もお聞きしながら検討してまいりたいというふうに考えております。誠にありがとうございました。


○吉野座長

 どうもありがとうございました。

 それでは最後に、全ての議論を踏まえまして、福田事務次官からお願いいたします。
 

○福田事務次官

 本日はお忙しい中ご出席いただきまして、忌憚のないご意見を賜りまして、本当にありがとうございました。

 大体ご意見にはお答えしたかと思いますが、やはりこの年明けで一番政策的に大きい議論は、プライマリーバランスの黒字化の時期を見直していくというところかと思いますので、そこに向けては主計局を中心に、経済財政諮問会議で議論するということになろうかと思いますが、きちっと対応していきたいと存じます。

 それから、今般起こりました国有財産、あるいは文書管理の問題につきましては、理財局から申し上げましたけれども、この会議としても何か対応を考えさせていただきたいということかと思います。

 それから、広報が少し足りないじゃないかとか、財務省の姿勢そのものに対しても非常に有意義なご議論をいただきました。そこはぜひ心して頑張っていきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

 

○吉野座長

 それでは、皆様、どうもありがとうございました。

 今日のご議論をいただきました内容に関しましては、財務省のウェブサイトで公表をお願いしたいと思います。

 それから、次回の懇談会でございますけれども、通例ですと大体6月ごろの予定でございます。またご連絡させていただきたいと思います。それから、議事内容とか具体的な開催日につきましても、事務局から連絡させていただきたいと思います。

 それでは、これをもちまして第62回の政策評価懇談会を閉会させていただきたいと思います。ありがとうございました。

 

──了──

財務省の政策