このページの本文へ移動

第84回 財務省政策評価懇談会(10月14日開催)議事録

日時令和7年10月14日(火)14:59~16:18

場所    財務省国際会議室及びWEB会議

出席者

懇談会メンバー
(懇談会メンバー)

           秋山 咲恵

株式会社サキコーポレーション ファウンダー

           伊藤 元重

東京大学 名誉教授

           田中 直毅

CIPPS 理事長

           田中 弥生

元会計検査院長 東京大学 客員教授

           田辺 国昭

東京大学大学院法学政治学研究科 教授

           広瀬 道明

東京ガス株式会社 相談役

           山本  清

東京大学 名誉教授、

一般社団法人青山公会計公監査研究機構 主任研究員

座長    吉野 直行

慶應義塾大学 名誉教授、金融庁金融研究センター 顧問、

東京都立大学経済経営学部 特任教授

(敬称略、五十音順)

(財務省)

 新川事務次官、坂本官房長、坂本総合政策課長、吉沢主計局次長、藤井国際租税総括官

(国税庁)

 江島国税庁長官、武田国税庁審議官、祝監督評価官室長

(事務局)

 湯下政策立案総括審議官、熊澤政策評価室長

4議題

(1) 令和6事務年度国税庁実績評価書(案)について

(2) 令和7年度財務省政策評価実施計画及び事前分析表の一部変更(案)について

議事録


○吉野座長 
 それでは、皆様おそろいですので、ただいまから第84回財務省政策評価懇談会を開催させていただきます。
 今回も前回と同様に、対面とオンラインを併用したハイブリッドの形とさせていただいております。オンライン参加者の方々は、音声が聞こえないなど何かトラブルがございましたら、事務局まで御連絡いただきたいと思います。
 今回は伊藤委員と田中弥生委員が途中で御退席の御予定となっております。
 また、公募によりまして傍聴を希望された方々がオンラインで視聴されています。
 それでは、議題に入らせていただきたいと思います。議題はお手元の議事次第にございますけども、2つございまして、1つは国税庁の令和6事務年度の実績評価書(案)及び財務省の令和7年度政策評価実施計画等の一部変更(案)、この2つであります。一括いたしまして湯下政策立案総括審議官から御説明をお願いいたします。

○湯下政策立案総括審議官 
 湯下でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず1つ目の議題である令和6事務年度国税庁実績評価書(案)について御説明させていただきます。
 右下4ページ目をお開きください。令和6事務年度の実績目標と業績目標の評定一覧となっております。各項目欄に評定を示し、括弧内は昨年の評定を示しております。前事務年度からの変更点については緑色の四角囲みで示しております。左下、業績目標1-2-3、事業者のデジタル化促進を今回から新たに追加しており、この評定はAとなっております。また、評定が変更となった目標は1か所であり、中央下の業績目標1-3-2、相談等への適切な対応がAからSに上昇しました。設定変更の要因については後ほど説明いたします。
 次のページを御覧ください。各目標の評定の数を集計したものとなります。令和6事務年度についてもSとAのみの評定となっております。
 右下6ページ目から8ページ目までは各目標を評定する上で内訳となる各種施策の評定も加えた表になります。緑色の網かけ部分が前年と異なる評定であり、ほとんどが施策に対する評定の変更となります。7ページ欄外の※は、冒頭で申し上げた前事務年度と評定が異なった目標であり、9ページで評定理由等を説明させていただきます。
 右下9ページ目を御覧ください。評定が前事務年度と異なった目標の評定理由となります。業績目標1-3-2、相談等への適切な対応については、評定結果が令和5事務年度Aから令和6事務年度Sとなっております。当該業績目標を評価する上で内訳となる施策の中に「納税者からの苦情等への迅速・適切な対応」があり、その測定指標として「苦情の3日間以内の処理件数割合」を設定しております。具体的には、苦情処理件数のうち3日以内に処理した件数の割合です。なお、来週回答してほしいといったような納税者側の事情によるものは除いております。
 令和5年度は例年同様、迅速かつ適切な対応に努めましたが、より適切に対応するための事実確認に時間を要したことや納税者の理解を得るのに時間がかかったことなどの個別事情から実績値(89.7%)が目標値(90%)を0.3%下回りました。目標値と実績値の差が1%以下であったため、施策の評価がaとなり、業績目標はAとなりました。この目標は、苦情に対し迅速かつ適切に対応するという、いわば規範的なものであり、今年度に特別な取組をしたわけではございませんが、地道な取組の結果、実績値(91.2%)が目標値(90%)を上回り、目標を達成したため、施策についての評定がsとなり、全ての施策の評定がsとなったことから、業績目標はSとなったところでございます。
 次のページから11ページにかけましては、令和6事務年度に国税庁で実施したデジタル化に関する主な取組を例年と同様に参考として記載しております。納税者の利便性の向上、業務の効率化・高度化等に分類して表示しております。オンライン申告等の推進については、所得税の全ての画面でスマホでも操作しやすい画面を提供したほか、スマホ用電子証明書搭載サービスを利用することで、マイナンバーカードをスマホで読み取らなくても申告書の作成・e-Tax送信ができるようになるなど、さらなる利便性向上に取り組んだことがe-Taxの利用率向上等につながったものと考えております。
 なお、令和5年6月に税務行政のトランスフォーメーション、税務行政の将来像2023を公表し、従前の納税者の利便性の向上、課税徴収の効率化・高度化等に新たに事業者のデジタル化促進を加えた3つの柱に基づいて税務行政のDXをさらに前に進めていくこととし、4ページでもお伝えいたしましたが、事業者のデジタル化促進については令和6事務年度の業績目標から新たに設けているところでございます。
 右下12ページは評定基準でございます。この評価マニュアルに沿って評定を行っております。
 以上が議題1、国税庁令和6事務年度実績評価書(案)の説明となります。
 続きまして、右下13ページを御覧ください。議題2、財務省令和7年度政策評価実施計画等の一部変更(案)について御説明いたします。
 右下14ページは、今回の変更の概要でございます。骨太の方針2025において、「2025年度から2026年度を通じて、可能な限り早期の国・地方を合わせたPB黒字化を目指す。(中略)債務残高対GDP比を、まずはコロナ禍前の水準に向けて安定的に引き下げること目指し、経済再生と財政健全化を両立させる歩みを更に前進させる」等とされたことを受け、本年3月に策定した令和7年度財務省政策評価実施計画及び政策評価の事前分析表について所要の変更を行うこととしたいと考えております。
 右下15ページ目は財務省の「政策の目標」の体系図です。赤線で囲みました6か所が変更になっております。
 右下16ページから19ページは、総合目標1(財政)につきまして、今回変更がありました項目の新旧表となっており、変更がありました箇所に下線を引いてあります。
 右下20ページ目は総合目標2(税制)について、今回変更がありました項目の新旧表となっております。PB黒字化の記載のほか、骨太の方針2025の税制改正の記載を踏まえた変更を行っております。
 そのほか、総合目標6、政策目標1-1、1-5、2-1についても同様の変更を行っております。
 以上が議題2の説明となります。
 私からの説明は以上でございます。

○吉野座長 
 湯下政策立案総括審議官、どうもありがとうございました。
 それでは、これから会場の皆様とオンラインの方々に御意見を頂きたいと思います。伊藤委員が途中で退席されるとのことですので、オンラインの最初のところで御発言いただきたいと思います。また、会場にいらっしゃる委員の方々はお手元のマイクをオンにして御発言いただきたいと思います。それからオンラインの御参加の皆様はミュートボタンを解除して御発言をお願いしたいと思います。恐縮ですけども、時間の関係でお一人当たり5分以内で御意見を頂ければと思います。
 それでは早速ですが、会場の田中直毅委員から、最初にお願いしたいと思います。

○田中直毅委員 
 どうもありがとうございます。国税庁の仕事の仕方について、自ら評価されているわけですが、結果として大変立派な評価になっています。日本の政治をめぐる大きな転換点が御存じのように今やってきました。各政党に対しては有権者それぞれ厳しいんですが、問題はそういう中で日本で安定した仕組みとでもいうべきものがどういう形で持続するのかということだと思います。私は国際比較したときに、国税庁が国民との間で、すなわち納税者との関係で持っているこの信頼感、国民の信頼感というのは国際比較してみても大変立派なものだと思っています。したがって、これから政治が大きく変化、変動する中で、こういうベースが存在するということは大変ありがたいことだと思っています。
 高市総裁はアイアンレディに関心があるということです。サッチャーさんは雑貨屋さんの次女ですけれども、選挙に出たのは生まれ育ったところではありません。すなわちイギリスの保守党は政治資金にしろ、選挙の運営にしろ、全体として統治にかかわる構図を持って、言うならばこういう候補者はぜひ保守党として議席を与えたいということになると、党が「東京2区で出なさい」みたいな形で指定してくる、そういう中で上昇を遂げた方です。対比して日本をみると政治資金の問題でも、個人と党とが事実上区分できないとか、あるいは親子関係で地盤を相続するときにはお金も同然の扱いとかというたぐいの話は起きない形になっています。だから高市総裁は、サッチャー首相にもし何か刺激を受けられたということならば、サッチャーを生み出した政治システムそのものも党改革の中で取り上げるんだというお話をされれば、これは本当だ、本気なんだとなる。日本の政党政治の根幹が変わるかもしれないと、有権者はそう思い描くんだろうと思います。
 要するに、今私が申し上げていることは、政治制度については残念ながら我が国は最先端に進んでいるというわけにはいきません。深層学習じゃありませんが、いろいろなものを残差接続で、えっ、そんなところに淵源があるんですかというようなものを日本政治は継承しております。我々は行政もいろいろ総括せざるを得ないし、歳出に関わって言えば、残差接続に関わって得も言われぬメカニズムが持続しています。しかしこんなことは長い目で見て持続するはずもない。あえて言えば次世代にツケを回す形でしか持続しないものが多々ある。こんなのはもうやめるべきだというのは我々が議論しなければいけないことです。国税庁についての国民の評価はまた議論したら良いと思いますけれども、こういう実績を上げておられる。それぞれの時点において、何でも先に飛ばしている、本来向き合うべきことに向き合っていないということが政治行政のあらゆるところに蔓延しているわけではない、ということの証左だと私は思います。他方国際社会では日本社会の持続性について疑問を持つ人も増えています。国債残高ってこんなふうに伸びていって良いのか。プライマリーバランスという表示の仕方も再考すべきです。経済予測をやった人はみんな経験されたと思いますが、差にかかわる予測は難しい。歳出と歳入と2つの要因があるときに、その差であるプライマリーバランスが何ぼだという記述については、こんな不安定な数値はない。提示の仕方が、例えば国債の債務残高対GDP比というようなのが本来取り上げるべきであって、不安定なノイズのいっぱい入るプライマリーバランスを目標として掲げていること自体が本気じゃないという評価にもなる。私はトリプル安は本当にあり得るシナリオだと案じています。レポ取引は、リポゼッション、ちょっと先に買い戻すことを前提にして今売るという取引です。円為替についても日本国国債についても、買い戻し条件つきで売却を急ぐ取引はいつ起きてもおかしくないというところに来ています。私は本来、分析的に言えば、レポの研究、レポの最前線でとりあえず売り、下がったところで買い戻す、これで大きな儲けをしようと、その良い取引材料に日本が今入ってきていると。間違いなく入ってきている。そのことに対する私は危機感を持っている。そういう人たちに日本の納税者と国税庁との関係はこれだけ安定しますよということは折に触れて言うべきだと思っています。これはトリプル安が起きるレポ取引で日本が材料にされるおそれがあるときに、それを押し返す1つの材料として何らかの形で、誰かに書いてもらったほうが良いと思います。そしてそれは英語にして提示すべきだと思っています。
 以上です。

○吉野座長 
 どうもありがとうございました。
 それでは、田中弥生委員、お願いいたします。

○田中弥生委員 
 これは財務省のほうと、それから国税庁と、合わせての意見ということでよろしいでしょうか。
 まずこの2つの評価書を見てつくづく思ったのですが、いわゆる制度官庁と、事業に近い官庁とで、どっちが書きやすいかといえば、やっぱり事業に近いほうの官庁のほうが書きやすいフォーマットになっていると思います。したがって、どこかで制度官庁向けの評価フォーマットのあり方を検討したほうが良いと思いました。
 次に財務省について、質問が1つと意見が1つあります。
 まずPB黒字化目標に関して、骨太の方針に従っていくと徐々に緩やかになって行っている兆候が見られます。また、インフレ率の上昇傾向をPBにどのように加味しているのでしょうか。インフレ率を加味された場合、財務指標上は数値が改善されるのではないかと思われるのですが、この点がどういうふうに配慮されているのかどうかというのが、これが質問が1点です。
 そして2点目は、骨太の方針が緩やかになったとしても、財政健全化を訴える、最後の砦、すなわち、公の文書できっちりと言うのは財政審と、この政策評価懇談会になると思いますので、ここはやはりしっかりと言い続けることが必要だろうと思います。これが意見になります。
 それから国税庁のほうになります。今、田中直毅先生もおっしゃられていたと思うのですけれども、滞納率がここまで低く、さらに低く抑えられているというのはすごいことであると思います。よくやっていらっしゃると思うんですが、滞納について損切りのルールはあるのかどうかというのが1つ目の質問になります。
 2つ目なのですが、マイナンバーとの連携ですね。マイナンバーカードをスマホで読み取らなくても申告できるようになったというのは、これはすごいことだと思うのですが、ただ、電子申請率も含めて、特に中小企業等がネックになっていると思います。電子申請データであれば、いろいろと分析ができるのですが、手書きの紙の申請になってくるとPDFで、スキャナで読ませるにしても限界があるので、電子申請率をどんどん上げていってほしいと思うのですが、この辺りの周知をどのように行っているのか、あるいは周知した結果、どういう効果が上がっているのかという指標は設定されているのでしょうか。それから電子化されたことによって業務効率が改善されることが何よりも大事なことだと思うのですが、この点はどのように把握されているのか、これらの点について質問させていただきたいと思います。
 以上になります。

○吉野座長 
 どうもありがとうございました。
 それでは、広瀬委員、お願いいたします。

○広瀬委員 
 ありがとうございます。今日はタイミング的に良い日なのか、悪い日なのか、大変難しいタイミングでこういう会議があるので、なかなか申し上げにくいんですけれども、令和6事務年度の国税庁の実績評価について2点ほど申し上げたいと思います。
 1点目はオンライン申告です。オンライン申告が年々増加しているというのは大変結構なことだというふうに思っておりますけれども、これもある程度のところで頭打ちというか、限界が来る可能性があるのではないかなと。そこをさらにもう一段進めていけるかどうかというのが今後の課題になると思うんですけれども、オンライン申告をしない、あるいはできないという人たちがたくさんいらっしゃるわけですから、そういう人たちに対するアプローチをこれからどうしていくのかというのが今後の大きな課題になるのかなと。これはこれから、いろいろ検討していただいていると思いますけれども、もうひと踏ん張りオンライン申告を進めていただければというふうに思います。
 2点目は納税者サービスでございます。国税庁の皆さんは事の性格上、あまり好かれないというか、あまり好まれない仕事をされていて、現場では大変御苦労されていると思います。ただ、今そういった現場というか、国民との関係で何か大きな問題があるというふうには認識しておりませんし、あまりそういう声も聞こえておりません。むしろ先ほど田中先生もおっしゃったように、納税者と国税庁、いろいろな御努力で、大変丁寧に対応してもらった、あるいは親切にしてもらったという声がいろいろ聞かれます。場合によっては気持ち悪いぐらい親切に対応していただいたなんていう、褒め言葉なのかどうか分かりませんけども、そのぐらい現場の人は国民というか、納税者に気を遣われながら仕事をされているということで、精神的な御苦労も大変なことではないかなと。今回、苦情対応で評価が上がって、全体的にSになったというのはよかったと思うんですけれども、ぜひこれを今後もキープしていただきたいなというふうに思っております。
 次に令和7年度の財務省の計画変更ですけれども、これは6月に骨太の方針が変わったので、それに合わせて変更したと、こういうふうに受け止めておりますけれども、そもそも骨太の方針ですけれども、前に比べると何となくファジーになったというか、ふわっとしたような感じがいたします。これは多分いろいろな事情があるんだろうなと。不確定要素が増えた、あるいは不透明感が高まったということが背景にあると思いますけれども、やっぱり最近、これも田中先生がおっしゃったように、歳入のほうは歳入のほうで相当ぶれが大きくなっておりますし、それから歳出のほうも、特に政治的な状況からなかなか確たる見通しが難しくなったと。恐らくそういうふうな背景でいろいろな数字的な見通しが立ちにくくなった中で、こういったふわっとしたものになったのかなと。ただ、いずれにしてもPBをこれからも大事にするということについては、ぜひこれは堅持していただきたいなと思っております。
 さらに、その骨太の方針を決めた6月からも、参議院選挙の結果とか最近の政局などから見ますと非常に見通しがつかなくなってしまったという状況で、恐らく多くの国民が今後の経済財政政策、あるいは経済財政運営について、何か漂流してしまうのではないか、どうなってしまうんだろうという、非常に不安感みたいなものが今あるのではないかなというふうに思っております。
 ただ、世界的に見れば、予算が決まらないというのは、アメリカでもしかり、フランスでもしかり、ほかのヨーロッパ諸国でもしかりですから、そんなに珍しいことではないわけですけれども、日本ではなかなか今まではそういうことがなかったので、いよいよ日本もそういう欧米の国に近づいてきたのかなという感じがしております。そういう面で今後について非常に国民が不安に思っているということは十分認識しておく必要があるんだろうなと。
 そういった中で、財務省が果たすべき役割というのが大きくなっているとはいっても、これはあくまで政治的な安定性があった上での話ですから、あまり財務省に責任、期待を負わせたり、抱いたりするというのはあまり良いことじゃないなというふうに思っております。
 したがって、今回は制度的な話なので、ぜひ当面、この7年度の目標を粛々と実現していただけるように努力していただきたいなと。非常に難しいタイミングで、今回財務省のほうにお話しできるのはそういうことかなということで、ぜひこの目標を大事にしていただければというふうに思います。
 以上でございます。

○吉野座長 
 ありがとうございます。
 それでは、山本先生、お願いいたします。

○山本委員 
 まず財務省の政策評価実施計画(案)の改定ですけども、これは骨太方針が変わったので財務省としては致し方ないんだと思いますが、両田中先生からお話があったように、あまりプライマリーバランスだけでチェックするのはどうかという御議論なんですが、それはそのとおりなんですが、債務残高対GDP比という場合でも、イギリスでもちょっと問題になったんですけど、純債務で何をとるかなんていうのも、結構バイアスがあって振れるわけですね、定義次第によって。何を資産と考え、何を債務と考えるかということで。ですから、そこら辺について新しい指標が出てくるとなれば、今両先生からお話があったように、あまりぶれないといいましょうかね、ハードな指標になるように、内部的に御検討されるのが良いんじゃないかというふうに思います。
 国税庁のほうにつきましては、個別で3点申し上げたいと思います。
 既に事務局を通じて細かいことは申し上げておりますので、あえて申し上げませんが、1点はデジタル化による業務の効率化・高度化というのを掲げておられるんですけれども、もしできますれば、もう少し具体的な、どの程度業務の効率化をされるのか、高度化、質を改善されるのかということについて、目指すべき方向性を明確にしていただくと良いのではないかというふうに思います。といいますのは、例えば金融機関の預貯金情報の照会、回答業務のオンライン化というのはかなり日数が削減されているわけですね。こういうふうに具体的に明示できるものがございますものですから、そこら辺はぜひとも評価の中でも織り込んでいただくと良いのではないかと思います。
 2点目は、調査・査察・滞納ということで、先ほど田中弥生先生から滞納がかなり減っているということがあって、ちょっと申し上げにくいんですけれども、確かに比率では減っているんですが、金額ベースの発生割合でいきますと過去5年間で最大の1.2%になっているわけですね。ですから、評価書の中において確かに比率としては減っているかもしれませんが、金額ベースではこの5年間で一番大きくなっておるものですから、できましたらそこら辺の要因の記述があると、より良いのではないかというふうに思っております。
 3点目は、税理士業務の適切な運営でございますが、これもなかなかいろいろ不祥事等でやむを得ない点もあるかと思うんですが、税理士等に対する懲戒処分件数が昨事務年度におきましては64件と5年間で最大になっておりますものですから、やむを得ない事情があるにせよ、かなり大幅に増加しておるものですから、少なくとも何らかの注意書きなりをお書きになったほうが良いのではないかというふうに思っております。
 あと、全般に渡る問題といたしましては、やはり優秀な職員、あるいは信頼される職員の確保というのが非常に国家公務員全体で大きな問題になっておりますが、ITとかデジタル人材の採用をこの2~3年来頑張っておられているのは高く評価するものなんですが、例えばIT・デジタル人材については初任給においても少し差を設けるとか、そういうふうなことをしないと予定された採用人員を埋められていないように私は統計的に思ったものですから、そこら辺の取組をより一層頑張っていただくと良いのではないかというふうに思いました。
 以上でございます。

○吉野座長 
 どうもありがとうございます。
 それでは、オンラインの先生で、先に退席されます伊藤先生から最初にお願いいたします。

○伊藤委員 
 どうもありがとうございます。
 国税庁の実績評価書につきましては、毎年申し上げているんですけども、非常に丁寧に対応されて、結果も非常に好ましい状況であるので、ぜひこういう形のものを続けていただきたいと。特に私のほうからそれ以上コメントすることはございません。
 もう1つの財務省の評価につきまして、皆さんいろいろお話になりましたように、世の中の環境が変わってくる中で、いろいろな指標だとか、そういうものをどう見るかということについて、常時議論を重ねる必要があるんだろうと思います。とりわけ私は、今日の話とどこまでつながるか分かりませんけど、今の環境変化の中で、財政のいろいろな指標について非常に気になるのは、インフレをどう見るのかということでございます。先ほどの田中弥生委員のお話の内容にも関係するのかもしれません。一般論として見れば、インフレは財政運営にとってフォローの風になるはずなんですね。財政収支で見ますと、財政収支の収入のほうはインフレに比例して増えていく。歳出がどうなるかということはいろいろな議論があるんですけど、一般的に財政収支バランスはどちらかというとフォローの風になってきているし、それからDebt to GDP比につきましても、これも債務者にとってみるとデフレの状況というのは非常にアゲンストなんですけど、インフレになってくるとフォローになってくると。世の中ではインフレタックスなんていう言葉もあるわけで、これをどう見るかと。逆に言うと、過度にインフレが持っている好ましい、好ましいと言うかどうか分かりませんけど、財政運営に対する好ましい面を過大評価すると、それが結果として歳出を増やす圧力になるものですから、ここは非常に難しいと。
 要するにポイントは何かというと、インフレという、環境が大きく変わっている中で、デフレからインフレに変わる中で、財政収支と債務残高対GDP比のようなストックベースのものがどういう影響を受けているのか、どう考えるべきなのかということをどこかでまとめて整理しておく必要があるんだろうと思うんですね。
 もう1つ気になるのは、長期金利の上昇みたいな話ですよね。御案内のように10年ぐらい前が特にピークだったと思うんですけど、世界経済の議論をするときにセキュラースタグネーション、日本語に訳すと構造的不況とか長期停滞というふうに訳すんだと思うんですけど、その議論が非常に多かったんだと思うんです。いろいろな論点があるんですけど、一番重要な論点は高齢化とか経済が低迷の中で、貯蓄が非常に膨らんで、結果的に貯蓄投資バランスをさせるような金利が非常に低く抑えられていると。そういう中で経済が非常に長期停滞に陥るときに、財政政策をきちっとやる必要があると。多少財政をやっても金利はそんなに上がらないよという議論が多分セキュラースタグネーションの議論だったと思うんですよ。御案内のようにそれから10年たってみて、世の中はがらっと変わってきているわけで、その背後には何があるかよく分かりませんけども、インフレの中で少し手を抜くと長期金利ががらっと上がっていくという状況になる可能性があるわけで、特に日本の場合には、御案内のように債務の金額が非常に大きい、あるいは債務残高対GDP比が非常に大きいものですから、金利が上がっていくと、それに対するマイナスの効果も非常に大きいと。これは今のインフレ的というか、あるいは長期停滞から脱却した状態の中で起こっている問題で、この程度をマクロでどういうふうに考えるのかと。
 両方ともなかなか難しい問題ですが、申し上げたいことは何かというと、5年前、10年前に議論した状況と現在ではかなり状況が違う中で、インフレの持っている財政に対する影響というのはどんなふうにやるのかということを一度整理する必要があるなというのを個人的に考えております。今回の実績評価とか、そういうこととはあまり関係ないのかもしれませんけど、ここで取り上げられているいろいろな指標というのはそういうものと非常に密接に関連しているということを申し上げたいと思います。
 どうもありがとうございました。

○吉野座長 
 伊藤先生、どうもありがとうございました。
 それでは、秋山委員、引き続きましてお願いいたします。

○秋山委員 
 ありがとうございます。国税庁、財務省、それぞれ1点ずつコメントをさせていただきます。
 まず国税庁の実績評価について、目標の中に事業者のデジタル化促進という点が新規に追加され、それに対しての評価が出てきたということを今回一番評価したいと思っているところです。例えばマイナンバーについても、普及させるまでに大変な努力があったわけですけれども、一定程度の普及率が上がったことによって実現可能な政策の選択肢が増えたということになり、このことが社会経済に対するインパクトが大きい政策を生んでいくということになりますので、今度は事業者、特に中小事業者のデジタル化を進めるということが大きな社会経済のインパクトを生んでくると確信をしております。
 1点注意しなければならないのは、昨今、セキュリティの問題が非常に複雑で高度なものになってきていて、大企業でも深刻な事案が発生しています。こういったことは脆弱なポイントを狙って起きることもあり、セキュリティの問題が大きな影響を及ぼすということも想定されますので、この辺りについての政策の検討もぜひ深めていただけると良いな、あるいは関連する目標設定なども御検討いただくと良いのではと考えます。
 それから、財務省の総合目標等の一部変更については、既に多くの皆様のコメントにあったとおり、私も骨太方針を起点にしたものとはいえ、表現が非常に分かりにくく、客観的に、例えば初見で読んだときに真意をつかみかねるというか、うまく伝わらないような、分かりにくい表現になってしまっていることを残念に思います。体系図の一番上には財務省の使命として、「国の信用を守り、希望ある社会を次世代に引き継ぐ」ということが掲げられていますが、その下の目標のコメントが分かりにくくなったことで、使命の格調がかすんでしまわないかということが大変心配です。正にただ今、政治の安定が確保しづらい状況がこれから起きるという現実に直面している中、だからこそ財務省のこういう使命や目標の体系図が羅針盤として、政権交代など大きな変化があったとしても、間違った方向に行かないようにする羅針盤となるのではないかということを期待しておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思っている次第です。
 以上です。

○吉野座長 
 ありがとうございます。
 それでは、田辺先生、お願いいたします。

○田辺委員 
 私のほうからも何点かコメントさせていただきたいと思います。
 まず国税庁の実績評価ですけれども、国税庁さん自体は昔、内閣府の窓口調査で各府省の窓口を持っているところの比較をしていたことがございますけれども、その中でも断トツに信頼感が高い。20年ぐらい前でありまして、あと5年ごとにこういう調査をやっていたんだと思いますけれども、それは窓口というところをどう対応するのか、言葉を換えますと納税者と直に接するところでどういう行動をとるのか、どういう振る舞いをするのかというところの重要性に関しまして、昔から国税庁はお気づきになっているという、それを非常に大切な組織文化として守ってきたんだろうということであります。田中直毅委員がおっしゃいますように、やはりこの信頼関係が国民と政治との間で生まれれば良いとは思うんですけど、国税庁と納税者の間に生まれて、そういう中で適切な仕事をしていくということを続けられているというのは非常にすばらしいことだと思いますし、また、それが実績としても出てくるということに関しては評価したいと思っております。
 その中で、デジタル化に関しまして、ある意味窓口というのがなくなっていく一端なのかもしれませんけれども、ほかの省庁と比べましてもデジタル化、特に個人相手のデジタル化の進捗状況、そのスピードというのは非常に速いと思っております。スマホでもって納税ができるというところは非常に大きな革新だったと思っております。ほかのところでやっているものを見ていきますと、要するにマイナカードに依存していますので、マイナをまず持たなきゃいけない、その上に何ができるという、2段階、3段階の障壁をつくってしまいますので、なかなか進展しないというのがほかの省庁で見聞したところでございます。こういうある意味自由度が非常に高いところで、利用者目線でもって納税のチャネルというのをつくったというところは非常に評価しております。今後どういう展開になるのか分かりませんけれども、利用者目線でもってこのデジタル化、良いもの、使いやすいデジタル化というものを進展させていただければと思っている次第でございます。これは国税庁でございます。
 財務省のほうは、計画の文言等を若干変えたというので、プライマリーバランスのところと、それから債務残高に関して加えていったということなんだろうと思います。ただ、これが財務省と、それから政権との間でどういった意味を持つのかなというのが今一つ分からないところでございます。政治学者として申し上げるならば、政治学は結構いろいろなところで外しているんですが、そのうちの予測というか、法則的なものの1つは、小選挙区制になれば政党が二大政党になって政権交代をやるんだろうという制度論、制度がかくかくしかじかになれば政党の方向というのも規定されるんじゃないのという議論がありましたけれども、ただ、昨今見てみると多党化が進行しているわけでありまして、この制度論的ロジックは一体何だったんだろうなと、よく反省しているというのが1点目です。
 2点目が、にもかかわらず、ほかにも政治学の中で言われていることがありまして、連立を組むような政権のところというのは大体財政膨張のほうに向かうということでございます。1個目を外しているので2個目も危ないなと思ってはいるのですが、これが適用されるとするならば、今後、日本の政権の運営が単独ではいきませんので、連立ということ、しかも多くの政党を入れるということによって、非常に歳出膨張の圧力というのが増えてくるのではないのかなと予測されるところでございます。そういうところとプライマリーバランス、それから債務残高のところで、読みづらくなっているのは、このところの幅をとったからかなとは思うのですが、非常に重要な、ある意味財政膨張で歳入がそれほど増えなかったというので金利がガンと上がってというのは崖っぷちに立たされることになりますので、非常にここをどういう形で守っていくかということに関しては御配慮願いたいというか、気をつけてバランスをとりながら運営していただきたいと思っているということでございます。
 以上、何点か申し上げました。

○吉野座長 
 田辺先生、ありがとうございました。
 それでは、私からも幾つかコメントさせていただきたいと思います。
 まず最初は、国税庁に関しては、山本委員もおっしゃいましたけども、優秀な人材をいかに確保していくか、これは全部官庁に関係することだと思うんですけども、特に国税庁の場合にはやっぱり熟練というか、経験を積んでいって、優秀な方々が調査もし、それから地道に徴税していただくというためには長く働いていただいて、優秀な人材に来ていただくということが本当に必要だと思います。昔、国税庁、地方でも良い方々が来られていたわけですけども、だんだんに民間の給与が高くなって、どうしても避けるようになられてしまったので、給与体系も含めて、良い人材をいかに官のほうにも来ていただくかというのは重要だと思います。
 2番目はデジタライゼーションのところで、ここは皆さんおっしゃっていますように、スマホでできるということは非常に良いことだと思います。さらに使い勝手をよくしていただいて、e-Taxの比率を上げていただくと。それから今度、中小企業のほうは、恐らく中小企業によって相当こういうところは使い勝手が悪いんだ、個人と大分違うと思いますから、利用者目線に立って小さな中小企業の方々が使いやすいデジタルなやり方をぜひ生み出していただきたいと思います。もしそれができれば、アジアなんかは中小企業がいっぱいあるので、それの先導役として非常に役立つと思いますから、特に小企業の方々が使いやすいものにお願いしたいと思います。
 それから、秋山委員からサイバーセキュリティのお話がありましたけども、これは私の個人的な意見なんですけど、個別企業とか個別金融機関にサイバーセキュリティをやりなさいと今日本で言っているんですけど、それは無理だと思うんですね。それよりはデジタル庁とか国がそういうサイバーセキュリティのプログラムを全部に配信できると。さらにはグローバルな組織にもう一つ国の上をつくって、北朝鮮とかロシアとか、いろいろなところから出ていると言われていますけども、それぞれに対応したプログラムをきちんと提供してあげて、それを中小企業も含めた利用者、我々も含めた利用者に提供することをしない限り、個別には絶対対応できないのではないかと個人的には思っています。
 それから、こういうデジタライゼーションによって調査とか、様々なことが時間として追加的になりますから、きめ細かい納税の捕捉というのができるようになると思います。これについてもいろいろ、先ほど御質問がありましたので、デジタライゼーションの中から、どういうところにほかに時間が割けているのかというのも教えていただければというふうに思います。
 それから納税サービスの相談のところでも、オンラインのところでビデオで、大体質問される内容が同じ方はたくさんおられると思いますので、既に対応されているとは思うんですけども、そういう相談は全部テープで対応して、個別相談が必要なところはそこで個別にやるというふうな形で、ぜひ時間をうまく使えるようなデジタル化、それから納税サービスをお願いしたいと思います。
 財務省に関しましては、プライマリーバランスのバランスもまだできないようだと金利支払いがものすごく大きくなりますから、先ほど伊藤先生もおっしゃいましたけど、利子率が上がるわけで、そうするとプライマリーバランスで入っていない利払費がめちゃくちゃに増えていくと思います、何年かするとですね。そうすると、これだけの残高ですから財政への数年後の打撃はものすごく大きいと思います。これまで国債残高は上がっていたんですけど、金利が下がっていたので利払費がそんなに増えなかったという幸運だったわけですけども、インフレの名目金利の上昇による利払費の上昇というのはすごく大きいと思います。
 それから、今度は歳出のほうでどれくらいインフレに関連した歳出があるかというのと、税収のほうのインフレに連動した税の増加、これのバランスだと思いますから、そうすると普通のプライマリーバランスのところでのインフレの効果というのは、まさに歳出へのインフレの影響と、それから税収のほうへのインフレの影響がどうかというところの差によってどっちに動くかというのが出てくると思います。
 いずれにしても、プライマリーバランスは全然間に合わなくて、金利まで含めた全体のバランスというのを目指さなくちゃいけないので、ぜひプライマリーバランスの下にでも、国債の利払費も含めた、国債費を含めたバランスがどうなっているかというのもしっかり明記していただいて、まずそれのバランスを早急に行うと。その次は、今度は貯まってしまった国債をどうやって返済していくかという、こういう議論にその次がなると思います。だから、これに関しても本当はやっていかないと、今まだ赤字が出ないようにしましょうと言いながら、そこの利払費の部分も入っていないところでノロノロしているので、こういうことが続くと今回のように海外の国債を買おうと、こうなりますと円安になって、それがインフレになるわけですから輸入インフレになってしまうと。ですから、インフレの場合にもこういう円安になって、石油価格とかいろいろな、小麦とか輸入材の価格が高くなるインフレサプライサイドと、もう一つは景気が本当によくなって、需要サイドでよくなるインフレと、両方あるわけで、後者のインフレのほうはまだ良いわけですけど、前者のインフレのほうはコストプッシュですから全然よくないわけですね。財政の健全化が結局は為替に影響してしまって、それがインフレに結びついてしまうというチャンネルもあることもぜひ国民の方々に理解していただく必要があると思います。
 最後は、高齢化が進むと財政政策、金融政策の有効性が落ちてきます。これは簡単な概念的なことを言いますと、例えばケインズの財政政策ですけども、景気が悪いときには職を探している方々に公共事業で職を見つけていただいて、その方の所得が増えて、消費が増えて、それによって景気が戻りますと、これがケインズ的な景気回復です。ところが、高齢者の方が増えてくると、職を探している方々が少なくなってくるわけです。それから高齢者の方々の所得というのは社会保障に主に依存していますから、そういう財政政策と関係なく、いつもある程度しかないと。そうだとすると財政政策をやっても効く勤労者の部分が減ってきますから、財政政策の効果が減ってきます。それから金融政策も同じでして、金利を下げて、それによって企業の設備投資が増えて、企業の業績が増えて、働いている方々の所得が増える。それによって消費が増えて景気が回復すると。これも勤労者の部分に働くわけで、高齢者の方々はそういう投資が増えたりする恩恵を受けませんから、その方々には金融政策の影響はないと。むしろ金融政策で金利が下げられると、日本の場合、預貯金が多いですから金利収入がマイナスになると。こういうことになって、財政政策も金融政策も高齢化になればなるほど効果が落ちてきちゃうんですね。
 そういうことが分かっていない方々が、今財政政策でふかしなさいとか言っているんですけど、高齢化になればなるほど効かなくなっちゃうので、そうするとますます財政をふかさないといけない。そうなれば財政赤字になってしまうと。最後はDebt to GDP ratioとかDeficit GDP ratio、やっぱりいろいろな指標で、財政の説明のところには出ているんですけども、あまりにもプライマリーバランス、プライマリーバランスということだけに国民の目が行ってしまって、いろいろな指標のところを見て、いかにこれが大変で、じゃこれを解消にするには何年かかかるのか、何十年かかるのかと、こういうシミュレーションもきちんとしておかないと皆さんの議論が全然伝わらなくて、大丈夫だとかそういう議論になってしまうと思います。そういう意味では、財政のところはいろいろな形での指標を出していただいて、金利支払いの部分も含め、それからDebt to GDP ratioDeficit GDP ratio、そのほかいろいろな指標も、諸外国と比較した数字があると日本が突出しておかしいなというのが分かっていただけるのではないかと思います。
 そういう意味では早くプライマリーバランスじゃなくて、全体の利払費まで含めた、このようなバランスを達成していただいて、それから今度はたまってきた国債をどうやって解消するか、そのためには金利まで含めた財政が早く黒字にならないといけないので、まだそこまでいっていないわけですから、そうしたらマーケットの不信が出てきて、海外のほうに資金が流れて円安になってという、本当に悪いインフレになってしまいますので、ぜひいろいろな指標を示しながら全体の国の財政の黒字化というのを進められるように、財務省のいろいろな指標もぜひそういうふうにしていただければというふうに思います。
 それでは、皆様から御意見を頂きましたけども、もし何か追加の御意見があれば挙手をお願いします。よろしいでしょうか。
 それでは、国税庁と財務省から今のコメント、あるいは御質問に対してお答えいただきたいと思います。
 最初に江島国税庁長官、お願いいたします。

○江島国税庁長官 
 国税庁でございます。
 令和6事務年度の実績評価に関しまして、委員の皆様からたくさんの御意見、御指摘や励ましをいただきまして、本当にありがとうございます。今回の評定結果は、前事務年度と比較しまして一部向上したものもございまして、全体としては概ね良好な結果を得られることができたと考えております。いただきました御意見について、可能な限りお答え申し上げます。
 まず、田中直毅先生から、納税者の信頼感を得られている。国税庁と納税者の関係は安定しているという、大変な、身に余る御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。これを維持できるように引き続き頑張ってまいりたいと思います。それから国税庁の今回の評価は現行の基準に従って評価したわけですけれども、この評価基準のままでいいのかという議論もありうるという御指摘をいただきました。私どもも全くそのとおりだと思っておりまして、デジタル化・国際化は日々進んでいるわけでございまして、経済社会情勢の変化に応じてこの評価自体も不断に見直すことを考えてまいります。
 田中弥生先生からいくつかコメント、御質問をいただきました。滞納について、いつまでも追いかけ続けるのではなく、損切り、見切りをつけるべきではないかと。これはおっしゃるとおりでございまして、私どもも納税の猶予などと呼んでおりますけれども、法令の要件に該当する納税者に対しては適切に納税緩和制度を適用しております。また、滞納処分の停止というものがございまして、納付義務の消滅ということになりますけれども、これはかなり限定しておりまして、滞納処分を執行することができる財産がない。或いは滞納処分を執行することによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるなど、法令に要件が定められておりまして、それに該当する場合は、滞納処分の執行を停止することができる。この場合、停止後に納税者の納付の資力が回復しないときは、3年後に納付義務が消滅するとなっております。法令の要件に該当するかは厳密に見ております。このように滞納整理にあたっては、引き続き事務の効率化を意識しながら、滞納者の個々の実情に即しつつ法令に従って適切に対応してまいりたいと思っております。
 それからマイナンバーとの関係で、紙の申請というのは引き続きあるのではないか、ではこれをどう周知し対応していくのか、また効果は上がっているのかと、いう御指摘をいただきました。私どもペーパーレスそれから非対面、要するに税務署に来ないことがお互いにいいので、ペーパーレスで非対面ということを目指しております。呼び方と中身が必ずしもダイレクトではないかもしれませんが、これを総称してキャッシュレスというふうに、キャッシュレスを推進しようという旗を掲げてやっております。数字で申しますと、キャッシュレス納付割合は45.3%となっており、少しずつ上がってきておりますが、まだ半分以上がキャッシュレスではない。対面であったり、紙であったりと、まだまだ改善の余地が多いと思っております。この中身をよく見ますと、多いのが源泉所得税です。企業が源泉所得税を払うときにe-Taxを使ってオンラインでやっていただければよいのですけれども、何かのついでに金融機関に行ったときに所得税徴収高計算書の紙を持って行って、紙を出して、銀行口座と日銀の口座を振り替えてもらうと。そこだけ取るとキャッシュレスですけれど、紙を持って金融機関に来られている時点で要件に該当しない。これが結構根強く残っていますので、この辺を中心に、私どもだけではできませんので、金融機関、それから関係民間団体とか或いは地方公共団体などと共に個々の実情に即した利用勧奨、周知広報を行うということを全国的に展開しておりまして、先ほど申し上げたキャッシュレス納付割合を少しでも上げていきたいというふうに考えております。
 また、電子化を進めるということで、これがどう効率化に繋がるのかという話でございます。これは山本先生からも御指摘をいただいております。私ども、一生懸命デジタル化を進めておりまして、AIなどを使ってなるべく課税・徴収の効率化、高度化に向けて取組を進めているところでございますけれども、定量的に、例えば何人日、何時間、縮減できたか或いは効率化できたかをお示しすることは、なかなか私ども苦心をしており、難しいという状況ではございますけれども、具体的な数字で表れるものもあれば、そのクオリティ・質、例えば同じ1人を投入しても、1件当たりどのぐらいの脱税が見つかったか、その大きさとかもあると思います。様々な手法を照らし合わせながら、デジタル化することにより、実が上がっているということを引き続き求めてまいりたいと思っております。
 広瀬委員からオンライン申告率が年々に上がっていくというのは非常にいいことであり、もうひと踏ん張り、引き続き頑張っていただきたいという励ましをいただきました。御指摘どおり頑張ってまいりたいと思っております。それから納税者に直面する現場の苦労があるのではないか、精神的な苦労があると思うという非常に温かいをお言葉いただきました。様々な苦情はあると思いますけれども、めげずに現場で頑張ってということで、お褒めいただき本当に光栄でございます。今回、苦情相談に係る評価が少し改善したということで、これを励みに引き続き現場で頑張ってまいりたいと思っております。ありがとうございます。
 山本先生から幾つかお話をいただきました。デジタル化による高度化、効率化でどういう効果があるのかという話。預貯金照会のお話をいただきました。先ほど田中弥生先生にもお答えしたとおりでございまして、なかなか具体的な数字でお答えするのが難しいという事情もございますけれども、引き続き頑張ってまいりたいと思っております。
 それから滞納の絶対額が増えておりまして、今回Sという評価をさせていただいていますけれども、その辺の要因を記述すべきではないかという御指摘をいただいております。確かに額で申しますと、御指摘のようになっておりますけれども、率で申しますと令和6年度の滞納発生割合が1.2%ということで、過去と比べますと、そこまで悪い数字ではないのかなと。相対的に低い水準となっているのではないかなと認識はしております。これは滞納の未然防止ということで、納期限はいつですとか、周知広報を徹底するとか、振替納税の制度を利用勧奨するとか、或いは過去に滞納実績がある納税者は分かっておりますので、期限前にちゃんと納付をしてくださいという指導をするなど、一生懸命取り組んでおりまして、その結果、発生割合ということでとらえますと、相対的には1.2%と低い水準になっているということでございます。そうはいっても、やはり額が大きいというのは気にすべきことでございますので、なるべく期限内に納付していただけるよう引き続き各施策に取り組み、滞納の未然防止を図ってまいりたいと思っております。
 また、要員確保というお話がございました。特にデジタル人材の確保という御指摘でございます。ご承知のように理工・デジタル系人材は、民間企業との奪い合い、競合になっておりまして、人材確保を巡って大変厳しい状況が続いているということでございます。給料など、処遇の御指摘もいただきました。私どももなるべく優秀な人にきていただきたいということで、これは私どもだけでなく公務員全体に関わる話かと思いますけれども、我々が取り組んでいる事業の内容がデジタル化と切っても切り離せない業種になっておりますので、そういった分野に優位な人材を確保できるよう、今後とも積極的に広報等に取り組んでまいりたいと思っております。
 伊藤先生からは、今回の評価結果は満足であってこのまま続けていただきたいという温かいお言葉をいただきました。ありがとうございます。引き続き頑張ってまいりたいと思っております。
 秋山先生から2点お話をいただきました。事業者のデジタル化促進ということで、今回新しく評価に入れたわけですけれど、高評価したいというお話をいただきました。ありがとうございます。我々三本柱でやっている内の一つでありますので引き続きやってまいりたいと思っております。
 それからその関連で中小企業のデジタル化を進めるということが非常に重要であるけれども、その中でセキュリティの問題が非常に大きいのではないか。大企業はいいけれども中小企業には脆弱なポイントがあって、ここが重要であるというお話をいただきました。大変重要な御指摘と受け止めております。私どもはデジタル化を進めるということを主に税という側面から旗を振っているわけでございますけれども、このセキュリティあっての話でございますので、関係する中小企業庁などとともに、意識を高く持って取り組んでまいりたいと思っております。
 田辺先生から2点お話をいただきました。窓口での対応が非常に親切或いは親切すぎるということで、断トツで信頼度が高いというお話をいただきました。ありがとうございます。こういった評価が損なわれないように引き続き努力してまいりたいと思っております。
 また、デジタル化については他省と比べ、特に個人に関してスピードが速い、様々なことがスマホで出来て革新的であるというお話をいただきました。これからも利用者目線で分かりやすくやってほしいとお寄せいただきましたので、その方向で引き続き頑張ってまいりたいと思っております。
 吉野座長からいくつかお話をいただきました。まず優秀な人材の確保という点でございます。山本先生からもデジタル人材というお話をいただいておりますけれども、そもそも総員として一定数の確保が重要であると思っておりまして、私ども毎年大体2,000人前後の採用数を確保していきたいと思って頑張っているところでございます。ただライバルですと民間企業或いは地方自治体ですね。各国税局も自治体、県や市がライバルになっておりますので、そういった厳しい採用環境の中で国税の魅力をアピールして頑張っているところでございます。そもそも受験していただかないと話になりませんので、その裾野の拡大に向けて試験制度の改革、見直しに取り組んでおりまして、例えば令和7年度の試験からは、専門試験科目の必須科目の出題数を大幅に削減したほか、人物試験の配点比率を引き上げ、人物重視の試験に見直すなど、受験者の負担軽減を図っているところでございます。まずは1人でも多くの方に国税庁の職場に関心を持っていただく努力をして、人事院などの人事関係機関との協議の上、採用者の確保に取り組んでまいりたいと思っております。
 それからデジタライゼーションの話で、中小企業に特に使い勝手がよい取組を進めるべきではないかという御指摘をいただいております。おっしゃるとおりであると思います。私ども事業者のデジタル化を進めるということで、私どもの都合というよりも、むしろ社会全体に裨益する話だと思っておりまして、事業者の方、特に中小企業の方の経理や会計等の様々な業務がデジタル化されれば、単純誤りの防止になりますし、正確性も向上すると事業自体が効率化されて生産性も向上するということが期待されるというものでございますので、進めていきたいと思っております。
 税務面ということで申しますと、例えばクラウド会計ソフトですとか、デジタルインボイス。この周知広報など、中小企業の方を中心に事業者の業務のデジタル化に向けた活動を一層進めてまいりたいと思っております。
 また、サイバーセキュリティは、これは個別の企業などではなかなか無理で国がプログラムを配布すべきではないかという御指摘をいただきました。非常に大所高所からの御指摘で、国税庁限りではなかなかお答えできませんけれども、デジタル庁と認識を共有しながら考えてまいりたいと思っております。
 デジタルを進めることで、所得の捕捉なども強化されるということで時間的にどのような効率化・効果が発生しているのかというような御指摘もいただきました。こちらについては田中弥生先生若しくは山本先生にお答えしたとおりでございます。
 それから納税者相談について、なるべく人を出すのをやめて、時間をうまく使ったらという御指摘をいただいております。御指摘のとおりでございます。国税に関しては様々なものすごい数の御質問、御相談をいただいておりますけれども、ホームページ上にチャットボットやタックスアンサーを既に用意しております。これを積極的に活用していただくということを第一にやっておりまして、これらのツールで解決できない場合には電話相談センターに電話をかけていただいて人が出てくるという2段構えでやりたいと思っています。AIの活用についても税務行政全般のDX・BPRを推進する観点からは有用でありますが、他方で、回答内容の正確性に問題があると困りますので、これを確保しつつ相談業務への活用を検討してまいりたいと思っております。
 山本先生から税理士の処分が増えているということ、その原因分析或いは注記すべきではないかというお話を頂いておりましたが回答が漏れていました。処分件数が増加しているということで、その要因については、私ども一生懸命、検討・調査しているのですけれども、それぞれ概要の個別性が強く、また1年当たり処分件数も数十件程度でございまして、増加している要因についてなかなかこれという要因、特徴的なものを一概に申し上げることが困難な状況です。処分件数が増加した要因として考えられるものを強いて探しますと、コロナ禍を期に一時的に抑制していた税理士調査の件数が増加したこと、それから、私どもの取組として重点的に懲戒処分が見込まれる者を調査したことなどによって、結果として懲戒処分の件数が増加したというのではないかと考えております。ただコロナ禍前は、概ね年40件から50件程度で推移をしており、令和7年度についても同程度の数字になると見込んでおります。これがいいことか分かりませんが、必ずしも処分件数が増加傾向にあると考えておりません。いずれにしても税理士業務の適正の確保という任務を果たすべく、限られた人員の中で事務運営を行って違反行為をした税理士には厳正に対処してまいります。
 以上でございます。

○吉野座長 
 ありがとうございました。 それでは、吉沢主計局次長、お願いいたします。

○吉沢主計局次長 
 ありがとうございます。PB目標あるいは財政健全化について、御質問と御意見を頂きましたので、その点についてお答えします。
 まず田中弥生委員からの御質問の点で、PB目標が緩やかになっているけれども、インフレ率を加味しているのかという御質問だったかと思います。PB目標を骨太で議論する際には、内閣府の中長期試算を基に議論をしておりまして、内閣府の中長期試算の中では経済見通しなどに基づいて一定のインフレ率、あるいは歳出増、あるいは歳入の見込みなどを加味して試算をしているものと思っておりますので、そういう意味ではインフレ率を広い意味では加味をしているということになろうかと思います。
 今回、目標が変更されました背景には、昨年7月の時点の中長期試算と本年1月の中長期試算を比べますと、税収が上振れしたという一方で、経済対策などに基づきまして歳出増がありましたので、その結果、2025年度のPBは黒字化しない見込みである一方で、2026年度のPBは、今のところということですけれども、黒字になる試算結果となっていると、こういったことを踏まえまして、現在の目標のように変更されたということかと思っております。
 それから、財政健全化、インフレの中でこれで良いのか、あるいは金利が今後上昇していくと財政の負担が大きくなるという御指摘を頂きました。この点は本当にごもっともといいますか、そのとおりだと思っておりまして、ただ、今回の骨太の中では、例えばPBだけではなくて、債務残高対GDP比もまずはコロナ禍前の水準に向けて安定的に引き下げるといったような記述も追加されておりますし、そういったいろいろな指標を見ながら対応していくということなのかなと思っております。
 いずれにしましても、財務省としましては引き続き財政健全化にはしっかりと取り組んでいきたいと思っておりますし、御指摘いただきましたように今後とも経済状況、あるいは海外の状況、それから政治状況などによってもいろいろ状況が変わると思いますので、そういったことも見ながらしっかりと分析、検討していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○吉野座長 
 それでは、湯下政策立案総括審議官、お願いいたします。

○湯下政策立案総括審議官 
 今の主計局の回答に関連してなんですけれども、先ほど田中弥生委員より御指摘いただきましたが、従来より、財務省の政策評価を重点化するべきではないかとか、制度官庁である部分と事業官庁である部分を分けるべきではないかというような御指摘を頂いております。一点目としては、毎年毎年変わり得る骨太の方針より広い政策目標を設定すれば、確かに政策目標の変更が少なくなるかと思いますが、骨太の方針、これが内閣の大きな方針でございますので、それを踏まえて財務省の政策目標、評価の指標という形にさせていただいているところであります。もう一点として、毎年毎年それを評価するのかということにつきましては、いくつかの省庁で行われているように、何年かに1回、重点化して評価をまとめてというところもあろうかと思いますが、財務省のこれまでの基本的な考え方としては、毎年度作成される予算や税制、そういったものについて説明責任を果たす観点から毎年毎年評価を公表して説明責任を果たすべきだという考え方で行ってきているということでございます。ただ、全体の重点化、簡素化につきまして、読みづらいかどうかも含めまして、引き続き検討してまいりたいと思いますので、委員の先生方の御指導を引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○吉野座長 
 それでは、新川事務次官から最後の御発言をお願いしたいと思います。

○新川事務次官 
 委員の先生方、本日は大変ありがとうございました。
 この政策評価そのものは、もちろん外からいろいろ見ていただいた上で、様々な指標を見ながら財務省や国税庁の事務事業の見直しですとか、あるいは組織の見直しですとか、そういうものに役立てさせていただくということが主眼であろうと思いますけれども、昨今はそれ以上に国民の目から見て、財務省、あるいは国税庁なり、どういった仕事をしていて、どういったことが取り組むべき課題なのかというのを国民の目から見て分かるように説明をしていく、あるいはそういう新しい今日的な視点を頂戴するという面も大きいと思います。
 特に今日は政治制度から、高齢化の影響から、あるいは個々の様々な財政指標ですとか、あるいはIT化とか、幅広く御提言を頂いたわけでありますけれども、政治情勢も大きく変わっておりますし、それから経済の動向も国民自身が、例えば為替レートとインフレの関係ですとか、そういうものを強く意識するようになってきたり、あるいはプライマリーバランスや債務残高対GDP比についてもかなり広く議論されるようになってきておりますので、そういったことも踏まえて、説明の仕方なり、力点の置き方なりも、最近の状況なんかも踏まえて工夫していかなきゃいけないと強く感じております。殊に財務省の使命としております「希望ある社会を次世代に引き継ぐ」ということについても、本当にこういうことをしていって大丈夫か、あるいはこういうことをしなきゃいけないんじゃないのかというところをより強く意識されるような世間の状況でもあろうと思いますので、気を引き締めて今日頂いたこと、それから我々自身も頂いた御意見を基に、一体どうやったら国民の理解が得られるんだろうか、あるいはどういうふうに見直していったら良いのだろうかというのを改めて虚心坦懐で考えて対応していきたいと思います。
 いずれにいたしましても、大変お忙しい中、貴重な御意見をたくさん頂戴いたしまして大変ありがとうございました。

○吉野座長 
 新川事務次官、どうもありがとうございました。
 これをもちまして本日の議題は全て終了となりました。
 通例ですと来年3月頃に、議題としては現時点では財務省の令和8年度の実施計画を予定しております。具体的な議題とか開催日時につきましては、改めて事務局から御連絡させていただきたいと思います。
 また、本日の懇談会の議事内容につきましては、各委員に御確認の上、財務省のホームページに公表させていただく予定でございます。また、国税庁におかれましても、今日委員の方々から頂きましたいろいろな御意見を踏まえて、しっかりとしたPDCAサイクルを回していただければというふうに思います。
 それでは、これをもちまして第84回財務省政策評価懇談会を閉会とさせていただきます。今日は御参加いただきまして、ありがとうございました。

── 了 ──