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第68回 財務省政策評価懇談会(8月24日開催)議事要旨

日時    令和2年8月24日(月)14:59~16:53

場所WEB会議(財務省第3特別会議室を含む)

出席者(懇談会メンバー)

懇談会メンバー

秋池玲子

ボストン コンサルティング グループ
マネージング・ディレクター&シニア・パートナー

秋山咲恵

株式会社サキコーポレーションファウンダー

伊藤元重

学習院大学国際社会科学部教授

江川 雅子

一橋大学大学院経営管理研究科 教授

百合

株式会社日本総合研究所理事長

小林喜光

株式会社三菱ケミカルホールディングス取締役会長

和夫

阪急電鉄株式会社代表取締役会長

田中直毅

国際公共政策研究センター理事長

田辺国昭

国立社会保障・人口問題研究所所長

座長吉野直行

慶應義塾大学名誉教授、金融庁金融研究センター長
政策研究大学院大学客員教授

(敬称略、五十音順)

(財務省)

太田事務次官、茶谷官房長、阪田総括審議官、矢野主計局長、住澤主税局長、田島関税局長、大鹿理財局長
神田国際局長、宮原財務総合政策研究所長

(国税庁)

可部長官、小宮審議官、椎谷監督評価官室長

(事務局)

藤本政策立案総括審議官、大森政策評価室長

議題

(1)令和元年度財務省政策評価(案)について

(2)令和2事務年度国税庁実績評価実施計画等(案)について

議事概要

事務局より議題(1)及び(2)について説明を行い、その後、メンバーから意見等を伺った。

メンバーからの主な意見等は以下のとおり。

≪令和元年度財務省政策評価書関係≫

  政策評価全般

  • 令和元年度の財務省の評価について、いつもながら自らに厳しめな評価だと思うが、妥当なものと思う。
  • 財務省の評価全般については、妥当な評価がされていると思う。
  • 今回の新型コロナという、特別な状況を斟酌せずに評価をするという方法もあり得る一方、これでは職員の努力が反映されないということにもなりえる。そこで、次年度以降に繋がるものであれば評価をしていくといったことも考えられるのではないか。
  • 新型コロナの影響で、デジタル化を初めとする社会経済環境の変化が加速している。目標設定もこれを踏まえたものとし、明確な強い意志を持って取り組むことが必要である。
  • 新型コロナへの対応が政策ごとに分かれているため、参考としてでもよいので、後でまとめて検証することが必要ではないか。
  • デジタル化を個々の政策の手段ではなく、省全体の目標とすることは出来ないのか。
  • 新型コロナの発生を契機に、社会の内部の、若者への教育機会が不足したり、多額の国債発行も将来世代の負担になる等、世代間での亀裂が非常に大変な問題になってきていると思う。政策目標に関しても、議論が必要ではないか。
  • 新型コロナのような外的なショックがあった際は、目標値を立てて実施できたのかという実効性ではなく、適応性の観点からの評価をまとめるということも考えられる。

  財政・税制・経済運営関係

  • プライマリーバランス、財政赤字の状況を見ると、毎年、しっかり目標を立てて取り組んでいるが、日本における金融危機、リーマンショック、今回の新型コロナのように、一定の周期で財政に大きな影響を与える事態が発生している。その中で、中長期的に財政をどう守っていくのか、踏み込んだ議論が必要である。
  • 東日本大震災の時の復興財源のような長期的な措置を採れないものなのか。
  • プライマリーバランスの黒字化については、民間企業を参考により、悲観的なシナリオの採用を検討すべきではないか。
  • 新型コロナを受けて、国民の生活スタイル、価値観等は変化しており、これからの予算、税制について、再分配機能を含め、これらをしっかりと分析した上で取り組んでいく必要がある。
  • 新型コロナを受けて、将来世代にツケを回さないための財源の検討と平時における財政健全化の実現が重要ではないか。
  • 財政健全化について、外的要因があっても民間企業と同様、検証とリカバリープランを並行してやっていただきたい。
  • 増税を始め、痛みの伴う改革を進めながら、経済の腰折れを防ぎ、安定的な成長を続けるには、イノベーションと生産性向上しか手段はない。社会全体の変革の芽は、いくつも出てきているように感じる。
  • 財政規律を法的に担保することができないか。
  • 新しい財政シナリオを考えて、年度毎に実効性のある目標設定が必要ではないか。
  • 新型コロナを契機に、今後、世界的に財政赤字解消についての議論が進む中で、日本は先行して、しっかりとした計画を立てる必要がある。高齢化への対応、国有財産の有効活用などを考えていかなければならない。

  財務管理

  • 国有財産の管理について、売却から利用へ方向転換し着実に成果が出ているのは評価できる。

  通貨・金融システム

  • 通貨の発行について、改刷・改鋳が決まっている中で着々と準備が行われていることは評価する。

  世界経済

  • 自由貿易体制の維持に関し、地道ではあるが財務省が一定の成果を残しており、敬意を表したい。
  • 財政赤字の下で、アジアにおける日本の役割をどのように維持できるか考えるべきではないか。

  EBPM・データ活用関係

  • データが蓄積されるような体制を整え、経済の実態及び政策効果を把握し、迅速に政策を見直していけるようにすべきではないか。

  その他

  • 地震再保険事業について、その取組みは評価しているが、未だ地震保険の普及率が低いため、今後も力を入れてもらいたい。

≪令和2事務年度国税庁実績評価実施計画等関係≫

  • 今回の新型コロナという、特別な状況を斟酌せずに評価をするという方法もあり得る一方、これでは職員の努力が反映されないということにもなりえる。そこで、次年度以降に繋がるものであれば評価をしていくといったことも考えられるのではないか(再掲)。
  • 新型コロナのような外的なショックがあった際は、目標値を立てて実施できたのかという実効性ではなく、適応性の観点からの評価をまとめるということも考えられる(再掲)。
  • 国税庁は、e-Tax含めデジタル化を率先してやっていることは評価すべきだが、コロナ対策としてデジタル化を急ぐ中、目標を高く持ちスピードを上げるべき。
  • 新型コロナの後、税務調査など対面型の行政について、そのやり方及び目標を工夫しなければならない。

以上