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第87回 財務省政策評価懇談会(10月20日開催)議事要旨

1日時令和8年10月20日(火)13:30~15:02

2場所    財務省国際会議室及びWEB会議

3出席者

懇談会メンバー
(懇談会メンバー)

           秋池 玲子

ボストン・コンサルティング・グループ 日本共同代表

           秋山 咲恵

株式会社サキコーポレーション ファウンダー

           翁  百合

株式会社日本総合研究所 シニアフェロー
一橋大学大学院 特任教授

           田中 直毅

CIPPS 理事長

           田中 弥生

元会計検査院長 東京大学 客員教授

           広瀬 道明

東京ガス株式会社 相談役

           山本  清

東京大学 名誉教授、

一般社団法人青山公会計公監査研究機構 主任研究員

 座長    吉野 直行

慶應義塾大学 名誉教授、金融庁金融研究センター 顧問、

東京都立大学経済経営学部 特任教授

(敬称略、五十音順)

(財務省)

 宇波事務次官、前田官房長、菅野大臣官房審議官、八幡主計局次長、藤井国際租税総括官

(国税庁)

 青木国税庁長官、武田国税庁審議官、上村監督評価官室長

(事務局)

 神谷政策立案総括審議官、木下政策評価室長

4議題

(1) 令和7事務年度国税庁実績評価書(案)について

(2) 令和8年度財務省政策評価実施計画及び事前分析表の一部変更(案)について

5議事概要

事務局より議題について説明を行い、その後、メンバーから意見等を伺った。

メンバーからの政策評価に関する主な意見等は以下のとおり。



≪令和7事務年度国税庁実績評価書関係≫

全体

  • 国税庁の実績評価について違和感はなく賛同する。
  • 国税庁の評価については、自らに対して厳しい評価だと思うが、それを含めて妥当な評価だと解釈する。
  • 資料内の「国税庁におけるデジタル化に関する主な取組」では、AIの活用について具体的な事例が紹介されており、理解ができ大変良かった。

実績目標(小)1-1(税務行政の適正な執行)

  • 内部事務のセンター化の推進については、長い時間軸の中でより効率的により良い仕事のためにやっており、移行期は困難なこともあると推測するが、おおむね順調に導入されていると感じた。
  • 「所得税還付金の6週間以内の処理件数割合」については、2年前は94.3%で今年の93.1%は大きく下がったと思う。
  • 個人情報の取扱いに係る不適切事案が毎年生じているが、根本的な対策を是非とっていただきたい。特に守秘義務違反については納税者の信頼に関わる問題だと思う。

実績目標(小)1-2(税務行政のデジタル・トランスフォーメーション)

  • AI活用やデジタル化が進んでセキュリティの問題が社会で頻発している中、国税庁の今のAIの導入については、安全性を鑑みながら業務の効率化を進めていると思う。
  • 民間では、AIの導入による業務効率化の次の段階として仕事のプロセスの見直しを検討しているところもある。国税庁は巨大な組織で簡単にはできないとは思うが、長期的な観点でそのようなことも念頭に、着実に取り組んでいくと良いと思う。
  • AI導入によるセキュリティに関する懸念については、国税庁の組織の在り様に沿った取組を進めていただきたい。
  • マイナポータル連携においては、利用者の利便性・効率性の観点も踏まえて進めていただきたい。また、国税庁の扱う情報は非常に機微であるため、関連機関等にしっかりとしたセキュリティ対策を求めていくことが重要だと思う。
  • 確定申告については、多くの情報が記入済となり、ワンクリックでできるようになることが本来目指すべき方向だと思っている。
  • 「就業者負担軽減支援金」について、給付と税額控除の組合せが将来の課題であり、確定申告が分かりやすく利便性が高くなり身近になることが色々な意味でインフラとして重要と考えている。
  • 国税庁のデジタル化については、セキュリティについてしっかり対策をとりながら、ぜひ今後も続けていただきたい。また、BCPのためのバックアップ体制についても重要であり、点検をしながらしっかり検討を持続していただきたい。
  • AIの活用についても、様々なリスクがあるため、安全性確保と両立しながらしっかり進めていただくことが大事であると思う。
  • 国税庁のDX化については、難しい問題が顕著に数字で表わせるよう、しっかり進められており、大変良かったと思う。
  • サイバー攻撃を完璧に防ぐことは難しいとは思うが、次年度以降実績目標の中に明示的に掲げておく必要があるのではないか。
  • 国税業務のDX化を進めるにあたり、事業者の方たちにDX化を協力していただくことが、一番難しいと思う。
  • キャッシュレス納付の割合については、50%近くになっているが、そこまでに相当の努力があったと思う。
  • デジタル化やAI活用については、様々な教育の推進を行っていると思うが、更に充実させ、オンライン等で職員が自宅にいても勉強できるように進めてほしい。
  • スマートフォンを使用した納税も進められているが、国民の方々の使いやすさ等不断に改善していただきたい。
  • デジタル化やAIを使用することで、国税業務の効率化が進むと思うので、効率化によって余った人材を様々な調査に使用する、また、滞納者等の傾向などのデータ分析もしっかり行っていただきたい。
  • サイバー攻撃については、サイバー攻撃を受けない、また受けたときに迅速に対応できる体制になっているかが重要。国税庁でも監視体制やバックアップ体制が重要だと思う。また、サイバー攻撃者については、国際的な連携や制裁を加えるシステムが必要だと思う。

     

    ≪令和8年度財務省政策評価実施計画等の一部変更関係≫
    全体

    • 財務省の政策評価実施計画等の変更については、政府の方針に沿って目標の見直しを行ったが、目標達成のための手段の難易度が上がったのではないか。
    • 「骨太の方針」を踏まえた目標の変更ということは理解するが、国の借金状況などこれまでの経験則から言えば、適合性の乏しい総合目標ではないかと思った。
    • 財務省の政策評価実施計画等の変更については、国の方針が変われば財務省の実施計画等が変わるということは制度上理解している。その中で、「財政の健全化」に代わり「財政の持続可能性」という文言が入ったことは、こだわりや意味があると受け止めている。

    財政・税制・経済運営等関係

    • 責任ある積極財政の方針のもと、予算を複数年度で管理するという大きな方針が打ち出されたが、具体的にどうやっていくかは新しいことにチャレンジするため、国民目線でも不安な気持ちが先行しているのが今の状況だと思う。
    • 国・地方の総債務残高対GDP比の安定的な低下を複数年で管理するために、様々な指標を見ながら財政規模や市場の信認も視野において通年の国債発行額を具体化することは大変難しいチャレンジだと思う。また、毎年度実施する政策評価になじむのか、或いは適切に評価を行うためにはどのような評価の在り方が望ましいのか、というテーマが提示されていると思う。
    • 今年から予算編成の考え方も大きく変わり、金利上昇、インフレの中で、また必要な歳出項目も大きくなり、様々な税制改革の議論も行われる中で、市場の反応を検討しながらしっかり予算編成をやる必要があり大変重要な年だと思う。
    • 日本政府のように、借入金がすごく増えているということは、リスクの問題というより不確実性の問題のため、不確実性の処理は歴史的に見ても経験則に学ぶ以外は無いと思っている。
    • 骨太の方針の中で、債務残高対GDP比の安定的な低下の道筋として、PBを明記いただいたことは非常に良かったと思う。
    • つなぎ国債は債務残高対GDP比の指標に表れないが、間違いなく将来世代の負担となる。現在の金利上昇下では利払い費も発生するため、つなぎ国債をどう扱うのか、今後に向けて検討いただきたい。
    • 物価高対策のガソリンや電気・ガスの補助金については、新型コロナウイルス感染症対策から断続的に続いているが、関係省庁一体となり検証を行うことを視野に入れた政策評価を行っていただきたい。
    • 経験から申し上げれば、複数年度の事業は以前からあり、会計年度ごとに帳票を付け実績報告書も各省提出するが、計画書のつくりが甘くなる傾向があるため、複数年度予算については、概算要求の段階で厳しくチェックしていただきたい。
    • 年末にかけて来年度の予算編成が始まっているが、飲食料品に係る消費税引き下げ等もあり、今までにないような大変な予算編成になると思う。歳入歳出の相当な改革をしないと予算の編成が難しいと思うが、遺漏なきように対応をお願いしたい。
    • 中小企業の賃上げ促進税制について、財務省の評価と中小企業庁の評価が違っていたことについては、なぜそういう事態になっているのか或いはそのメカニズムはどうであるかを知ることがEBPMに繋がることになる。
    • 税制の政策について、国税庁の現場サイドと財務省の主税局の間で、どのように情報交換が行われているのかが重要だと思う。
    • 選挙の時には、どうしても分かりやすい消費税の数字が議論されるが、将来の財政リスクについて現在考えてどうかということを本来は示していただく必要があると思う。
    • 「責任ある積極財政」とは、技術進歩等で効率を上げ、AIやDXを使用することにより生産性を向上させ、できるだけインフレにならないようにすることが本当の「責任ある積極財政」だと思う。
    • 今行われている様々な財政政策が、各業種の生産性に与える影響を複数年度で見て行くことが、今の責任ある積極財政の一つの評価になるのではないか。

     

    以上

    (速報のため事後修正の可能性あり)