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第86回 財務省政策評価懇談会(6月16日開催)議事要旨

1日時    令和8年6月16日(火)13:00~14:42

2場所財務省第3特別会議室及びWEB会議

3出席者

懇談会メンバー
(懇談会メンバー)

秋山 咲恵

株式会社サキコーポレーション ファウンダー

伊藤 元重

東京大学 名誉教授

翁 百合

株式会社日本総合研究所 シニアフェロー、

一橋大学大学院 特任教授

田中直毅

CIPPS 理事長

田中弥生

元会計検査院長 東京大学 客員教授

広瀬道明

東京ガス株式会社 相談役

山本 清

東京大学名誉教授、
一般社団法人青山公会計公監査研究機構 主任研究員

座長吉野直行

慶應義塾大学名誉教授、金融庁金融研究センター顧問、
東京都立大学経済経営学部 特任教授

(敬称略、五十音順)

(財務省)

 新川事務次官、坂本官房長、弓大臣官房審議官、宇波主計局長、
 藤井国際租税総括官、寺岡関税局長、井口理財局長、緒方国際局長、
 木村財務総合政策研究所長

(国税庁)

   江島国税庁長官、武田国税庁審議官、祝監督評価官室長

(事務局)

   湯下政策立案総括審議官、熊澤政策評価室長

4議題

(1)令和7年度財務省政策評価書(案)について

(2)令和8事務年度国税庁実績評価実施計画等(案)について

5議事概要

事務局より議題について説明を行い、その後、メンバーから意見等を伺った。

メンバーからの政策評価に関する主な意見等は以下のとおり。

≪令和7年度財務省政策評価書関係≫

  政策評価制度全般

  • 丁寧に分析されており、全体の評価について異論はない。

  • 政策評価の観点から、財務省の努力でできること、環境の要因で影響を受けるものを混然一体として評価することに課題があると思う。

  • 政策評価のシステムは、関わっている職員にとってよりよい方向に仕事を変えていくというインセンティブになるものでなければならない。

  • 財務省の政策評価にあたっては、財務省自身の政策による要因に加え、政治的要因もあり、考慮する必要がある。

 財政・税制・経済運営等関係

  • 国際情勢や経済環境等のボラティリティが大きくなっている時代における財政規律の考え方を整理する必要がある。
  • 租税特別措置補助金見直し担当室の取組について、しっかり進めていただいていると思う。
  • 租税特別措置の見直しや補助金の見直しは、データでしっかりエビデンスベーストの議論を積み重ねていくことが大切である。
  • 財政の結果だけを見ると、プライマリーバランスと債務残高対GDP比に大きな変化があるが、その裏側で大きな構造変化があり、そういった変化の中で財政運営をどうすべきかということは政策評価の分析の中では難しいかもしれない。
  • インフレにより財政が楽になったという話ではなく、プライマリーバランスや債務残高対GDP比が、時間軸の中でどう変わってくるかということを議論していく必要があるのではないか。
  • 財政については、税収が上がり、全体としてプライマリーバランスがよくなりA評価となったが、インフレがどういうルートで財政に影響を及ぼしているか、歳入歳出両面で今後の影響も含めての要因解析が非常に重要である。
  • 政策目標1-1で、現在の動きとして好ましいと思っているのは、補正予算を緊要性の高いものに限定するという方向になっている点で、この方向に向けてしっかり努力することが大切である。
  • 給付付き税額控除は、大変重要な取り組みであり、インフラや社会保障の改革など様々な周辺の課題も出てきているが、財務省として必要なことはしっかり受け止めて着実に進めていただきたい。
  • 財政規律がマーケットで問われる局面は来るが、財政規律の問題にマーケットを通じてのみ言及するのではなく、内閣にも国会にも、財政規律が関わる重要な情報を有権者が理解できるような形で提示することが重要である。
  • マーケットの様々なデータを通じて、財政規律についても議論すべきではないかと思う。
  • プライマリーバランスについても債務残高対GDP比についても、インフレによる影響を受けていることは否めず、一旦改善したからと言って、手綱を緩めてはいけないと思う。
  • 利払費が発生することに鑑み、補正予算のあり方というものを厳しく見ていく必要がある。
  • 補正予算の緊要性というものをどう解釈し、どのようなタイミングでどの程度の金額で編成していくのかという点について、今までガイドライン等がなかったので、これを作っていく必要があると思う。
  • 財政規律というと、予算の方に目が向きがちであるが、予算と決算を両方見た上で補正予算をより効率的に合理的に使う術がないかと見ることにより、正にPDCAを回すことができるのではないか。
  • 財政関係の評価が今回Aと改善されたことについて、政策評価制度ではそうなるのかもしれないが、今の財政状況はそのように楽観視できる状況ではないと一般国民は受け止めるのではないか。
  • 総合目標1に記載されている「今後の変化に留意が必要である」という旨がまさに一番のポイントであると思うので、財政健全化は、財務省の一丁目一番地であり、引き続き着実に進めていただきたい。
  • プライマリーバランスが28年ぶりに黒字化したことは、あくまで一般会計におけることであり、それがどこまで国民に正確に伝わっているか疑問がある。慎重に表現、広報をしてほしい。
  • 租税の広報については、児童、生徒に租税の役割等を理解してもらう上で非常に重要である。
  • プライマリーバランスが改善したことにより総合目標1がA評価となっているが、これはあくまで通過点で、今後はインフレによる利払費の増加を踏まえ、プライマリーバランスではなく、オーバーロールバランスを指標にすべきではないか。
  • 利子率と成長率の比較に関して、日本国債の場合は、債務の供給残高と安定的な需要があり続けられるかどうかが重要である。
  • 財政規律における最悪のシナリオは、債務残高が増え続けることで、大インフレになることである。後に延ばすほどそのショックは大きくなるので、オーバーロールバランスをしっかり保ち、過去の財務残高を減らすことの目標を立て、着実に実行することが大切である。

  税関業務関係

  • 日本の財産であり、一番の魅力は安全・安心であるところ、特に銃や薬物がないことは誇るべき。特に薬物は税関職員が水際での押収に努力をされていると思う。
  • 最近は金の価格が上がり、消費税の還付を目的とした犯罪なども増えている。金の密輸関係も含め税関業務は大変だと思うが是非努力してほしい。
  • NACCSの指標廃止については問題が無いが、それに変わる指標があればよいと思う。
 その他
  • これからはAIを使っていかないといけないが、やはり最後は一人一人の能力ややる気であり、財務省の人材力アップは極めて重要だと思う。
  • 財務省・国税庁含め、公務員の魅力をいかに高めていくかが重要であり、そのためには、人材の育成、人材の知識の確保に様々な魅力あるプログラムを作っていただきたい。

≪令和8事務年度国税庁実績評価実施計画等関係≫

  実施計画全般

  • 国税庁の実施計画案については非常に改善が見られ、前向きな姿勢が評価できる。

  デジタル化

  • 国税庁のデジタル化が着実に進んでいることについて、大変心強く思っている。
  • 一層AIを活用していく必要があるが、フロンティアAIの高度化により、セキュリティの観点から新たに備えなければならない点も出てきていると思う。
  • 人口のボリューム層がシニアになる中、地方自治体においてはシニア層への対応がデジタル化の課題となっている。国税庁においてはデジタル化がかなりのスピードで進んでいるが、同じような課題を抱えているのではないか。
  • 国税業務においては、オンライン化・デジタル化が着実に進展していて、これ以上の数字は難しいというところまで来ている点は評価できる。
  • 税務行政のデジタル化促進のためには、国税当局だけでなく事業者側もデジタル化を進める必要があるが、手法や財源が制限されている中で、国税当局から事業者側へデジタル化促進を直接働きかけられるかどうか。ロジックを整理して、管理可能な指標を設定するとよいのではないか。
  • 国税庁のDXが進むことで、調査に時間が割けるようになるほか、内部事務のセンター化により一層の効率化が期待出来る。
  • 国税のシステムやDXが、アジアの国々のロールモデルとなるよう進めていただきたい
 その他
  • 租税に関する啓発活動については、主税局との連携を図る必要がある。
  • 日本産酒類の輸出促進の取組については、行動変容に着目し指標を設定したことについて非常に高く評価したい。
  • 日本酒の魅力の発信に努めてもらいたい。

以上

(速報のため事後修正の可能性あり)