1日時 令和8年3月16日(月)10:28~11:45
2場所財務省第3特別会議室及びWEB会議
3出席者
| (懇談会メンバー) | |
|
秋池玲子 |
ボストン・コンサルティング・グループ 日本共同代表 |
|
翁 百合 |
株式会社日本総合研究所 シニアフェロー |
|
田中直毅 |
CIPPS 理事長 |
|
田中弥生 |
元会計検査院長 東京大学 客員教授 |
|
田辺国昭 |
東京大学大学院法学政治学研究科 教授 |
|
広瀬道明 |
東京ガス株式会社 相談役 |
|
山本 清 |
東京大学名誉教授、 |
|
座長吉野直行 |
慶應義塾大学名誉教授、金融庁金融研究センター顧問、 |
|
(敬称略、五十音順) |
|
|
(財務省) 新川事務次官、坂本官房長、前田総括審議官、吉沢主計局次長、青木主税局長、 |
|
|
(国税庁) 江島国税庁長官、武田国税庁審議官、祝監督評価官室長 |
|
|
(事務局) 湯下政策立案総括審議官、熊澤政策評価室長 |
|
4議題
令和8年度財務省政策評価実施計画等(案)について
5議事概要
事務局より議題について説明を行い、その後、メンバーから意見等を伺った。
メンバーからの政策評価に関する主な意見等は以下のとおり。
≪令和8年度財務省政策評価書関係≫
政策評価制度全般
- 今回の実施計画、目標等、適切であり特に異論はない。
- 今回の実施計画は、債務残高対GDP比というところで、安定的な財政の確保ということを打ち出している点、経済安全保障をかなり強めに打ち出している点、EBPMというデータを租特や補助金、財投等に積極的に適用して判断しようとしている点が特徴であると思う。
- 目標に対して、市場がどのように反応してくるかは非常に大切なことであり、財務省の各部局もそれを気にしながら施策を展開していると思う。また、財務省の難しさは、目標を政治的にどのようにとられるかについて反応が大きいところだと思う。
- 将来日本がどのようになっているかをいろいろな指標を並べて示すことによって、GDPや為替やFDIなどに対する信認が必要だということを政治へのメッセージとして出せるかもしれない。
財政・経済運営等関係
- 長期の目線で見たり、マーケットからの信認ということを考えると、財政が健全性を保っていることは非常に重要で、事前分析表に記載されていることを取り組んでいただけると良いと期待する。
- 「マーケットからの信認の確保」は日本財政の在り方を考える上で重要であり、今後の実施計画においてマーケットの信認をチェックし評価する項目を入れていただきたい。
- 中東情勢については、エネルギー価格の高騰、インフレ、円安傾向といった不確実性が高まっており、国民生活にもかなりの影響を及ぼす可能性があるため、マーケットも、実体経済の動きもよく見て、迅速かつ適切な経済財政運営をお願いしたい。
- PBの黒字化について、今回の目標からは記載がなくなっているが、このことによって、債務残高対GDP比を引き下げていくために必要なロードマップが見えにくくなったと思う。例えば、IMFの基準によれば、複数の財政指標について目標値があることが望ましいとされていることに比べると、財政健全化に向けた目標が以前よりも曖昧になっているのではないかと懸念される。
- 財政の目標については、「債務残高のGDP比」について、政権の変化に対応して、財政のサステナビリティの指標を若干変えて施策を展開するということで了解する。
- 予算については、戦略的な危機管理投資や成長投資が盛り込まれており、スタートアップやイノベーション、地域産業クラスターといったところに配慮がされている。一方で、当初予算ではPB黒字化が実現し、新規の国債発行を抑制するという財政規律の配慮もされているため、一定の評価はできる。
- 債務残高対GDP比の「債務残高」について、いわゆるSNAベースの国と地方を合わせたものを指しているのか、あるいは一般政府を指しているのか、抽象的な概念としての政府の債務残高を指すのかによっていろいろ違ってくるため、今後明確にしていただきたい。
- PBの黒字化については、利払費も含めたバランスを念頭に置いた形の政策に変えることが必要だと思う。
- 補正予算の平時化については、予算の透明化、予算の執行を促すという意味ではいいことであるが、当初予算で積んだのに、何らかの理由で補正予算にも積むということになると、予算が膨張してしまう可能性があるため、補正予算について何らかのルールを設けておく必要があると思う。
- コロナ後の数年続いてきた巨大な補正予算の在り方を見直すという点には大いに期待しており、令和8年度予算も、当初予算の段階ではPB黒字化になっているが、補正予算でまた元に戻っては元も子もないので、この方針を堅持していただきたい。
- 「強い経済」と財政の健全性・持続性というのは相反するものではなく、強い経済に欠かせない一つのピースとなるのが財政の健全性・持続性であるということを改めて確認する必要がある。
- 「デフレからの脱却を確実なものとし」という文言がまだ残っているが、中東の原油価格の関係で今後いろいろな問題が出てくるため、このような表現でいいのか、少し違和感がある。
- インフレに対しては、AIやDXを家計や企業、農業、漁業も含め政府でも徹底的に使うことにより、生産性を改善すればインフレの抑制になると思う。各省庁が、政府の効率性を高めることを考えながら予算を付けて行くように、何かインセンティブがあるといいのではないか。
- 財政政策がいろいろ言われているが、給付金、政府の消費支出、投資支出はあまり効果が無く、一番効果があるのは、R&DやAIやDXだと思う。
税制関係
- 給付付き税額控除は、制度設計が非常に難しいと聞くが、知恵を集めて、いい制度になっていくと良い。
- 給付付き税額控除については、中低所得者への支援という意味だけではなく、インフラとして所得把握を実現していくことは、危機的なときに、スピーディーに、本当に必要なところに届けていくためにとても大事であり、省庁横断的に自治体も含めてしっかりと取り組んでいただきたい。
- 給付付き税額控除については、所得の捕捉の問題や、制度設計が非常に難しいということでなかなか進まなかったが、国民会議もできたので、完全でなくてもいいので、まずはできることからこの制度をスタートさせることが必要ではないか。
- 食料品の消費税を2年間ゼロにするという点については、中東情勢によって状況が大きく変わっており、エネルギー価格の高騰は避けられず、これが日用品も含めたいろんな製品に波及していくので、年間5兆円の原資があるのであれば、エネルギー価格を抑えるための対策に使った方が、国民生活や経済活動にとっては、即効性もあり、有効になるのではないか。
- 税制の目標の中で、将来の有権者、納税者に対する広報が重要であるという点は全く同感であるが、この点に係る活動指標のようなものを、参考指標でもよいので、検討いただきたい。
世界経済・安全保障関係
- 経済安全保障に関しては、経済産業省の独断場に近かったと思うが、財務省が主要な観点として入ることによる変化はかなり大きいのではないかと思う。
- 気候変動については、パリ協定以降、COP30もあったので、新しい動向も踏まえて書けるものがあれば検討いただきたい。
- 気候変動に関しては、グリーンエネルギーがもっと進められることが必要。
EBPM・データ活用関係
- EBPMについて、最終的には、グランドデザインの中で同じものに対してアプローチしている取組がいくつかある中で、別の省庁のものではあるがこれとこれを組み合わせるとよりよい効果がでる、これがあればこちらは不要、といった大きな目で見ていくことを念頭に取り組んでいけると良いと思う。
- EBPMについて、税制調査会の専門家会合で、公表データを用いるなどして相当洗練された分析を行っており、少しずつ予算の見直しに反映されてきている。特に、担当省庁も参加して専門家と議論することで、担当省庁もEBPMの重要性や技術的な面も含めてしっかりと取り組んでいただくことが大事だと思っており、こういう取り組みを地道に続けていただきたい。
- 日本版DOGEについては、ある政策に対して、補助金がいいのか、税制がいいのか、それとも財政投融資がいいのかといった、本当に有効な手段は何かというような点も含めて、効果的かつ効率的な財政運営に生かしていただきたいと期待している。
- 税調のEBPM専門家会合の資料は、まさに制度を大きく見直す、あるいは改正するということに寄与している良い例で、本来のEBPMの使い方ではないかと思う。
- EBPMについては、各省庁の各事業で展開されているものであり、事業の資源配分に結びつけるのは大きな一歩。資源配分の根拠として使っていくという方向性は長期的に影響があると思う。
- 実施計画の変化は外からはあまり大きく見えないが、中長期的には資源配分や財政安定に結びつくというところでは、EBPMを入れ込むことによって他省庁に影響を与えるものになると感じている。
- EBPMは予算編成上も重要で、確かに評価からのフィードバックで、日本版DOGE等を通じて無用なものはやめるというのは非常にいいことだと思うが、EBPMを目指すということは、本来、新規の政策等について、証拠がないものはできるだけ実施しない、証拠があるものに限ってできるだけ実施していくといった考え方でスタートしているので、予算編成の中で積極的にお伝えいただきたい。
以上
(速報のため事後修正の可能性あり)

