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日時 令和7年3月21日(金)16:00~17:00
場所 財務省 第3特別会議室
内容 1. 令和7年度における固定利付債のリオープン方式について〇令和7年度における固定利付債のリオープン方式について、理財局から以下のように説明を行った。・翌年度の固定利付債のリオープン方式については、毎年3月の本会合において議論し、皆様のご意見を踏まえて決定することとしている。本日は、令和7年度におけるリオープン方式についてご意見をお伺いする。・当局案はP.3の通りであるが、令和7年度は、5年債およびCT債のリオープン方式を変更したいと考えている。なお、10年債も5年債に合わせて記載ぶりを変更しているが、技術的な変更であり、これまでの運用の変更を意図したものではない。・まず、5年債については、現状「償還日及び表面利率が同一となる場合リオープン発行」することとしているが、ここもとの金利変動幅の拡大により、シングル・イシューでの発行が増加している。事前に皆様のご意見をお伺いしたところ、多くの参加者から、流動性の観点から、よりリオープン発行に近づける方策を検討すべきとのご意見を頂戴した。また、別途ご意見をお伺いした投資家の皆様からも、ある程度のリオープン発行は許容できるといったご意見を頂戴した。一方、投資家の簿価分散需要等に配慮して現行方式を維持すべき、とのご意見も複数頂いた。・こうした様々なご意見を踏まえ、当局としては、5年債について「入札日の市場実勢利回りと償還日が同じ銘柄の表面利率との乖離がおおむね0.1%を超える場合を除き、リオープン発行」することとしたいと考えている。詳細については、後ほどご説明する。・また、CT債については、令和6年度は原則リオープン発行としたが、一部の参加者から新発債を望む声が聞かれていたことも踏まえて、今回、新発債とする案について皆様から事前にご意見をお伺いした。この結果、一部の参加者からは、流動性の観点から原則リオープン方式を継続してはどうかとのご意見を頂戴したものの、そもそもCT債の発行額は通常の国債と比べて相当に小さく、通常債のような流動性を期待するには限界があること、CT債の投資家の多くは持ち切りを前提としているところ、こうした投資家の需要をより喚起しやすい新発債発行にした方が良い等のご意見を頂戴したため、すべて新発債として発行することとしたいと考えている。・その他の年限については、現行方式を維持することを想定している。10年債については、一部の参加者から、流動性の観点から年間4銘柄の原則リオープン発行に変更すべきとのご意見を頂戴したものの、多くの参加者から、投資家需要の観点から新発債発行とする余地を残した方がよく、現行方式を維持することが適当とのご意見を頂戴した。また、超長期債については、全ての参加者から、現行方式を維持することが適当とのご意見を頂戴した。・続いて、P.4で5年債のリオープン方式の見直し案について、設例を用いて詳細をご説明する。なお、あくまで明確化の観点から原則的なルールをご説明するものである点、あらかじめご留意頂きたい。・まず、現行方式は左上の通りである。市場実勢利回りが図表のように推移した場合、4~6月債はいずれもシングル・イシューでの発行となる。4月債のリオープンとなる範囲を青色、5月債のリオープンとなる範囲を赤色でお示ししているが、改めてご説明すると、現行方式は、償還日が同じ銘柄のクーポンと入札日当日の市場実勢利回りとの差がおおむね上下5bpの範囲内であればリオープン発行となる仕組みであるといえる。・今回の見直しのイメージは左下(設例1)の通りであり、リオープンとなる範囲を現行方式から上下5bp拡大し、おおむね上下10bpとする。左上の設例と同様に市場実勢利回りが推移した場合、5月債は4月債のリオープン発行となり、6月債は入札日時点の市場実勢利回りがリオープンとなる範囲外であるため、新発債発行となる。・右側(設例2)と(設例3)は四半期中に金利が往って来いの形となった場合の例である。確認的になるが、(設例2)の通り、5月債を1.3%のクーポンで新発債発行したのち、6月債の入札日時点の市場実勢利回りが4月債のリオープンとなる範囲まで低下した場合、6月債は4月債のリオープン発行となる。・やや複雑なのが(設例3)の例である。5月債が1.2%での新発債発行となった場合、「おおむね上下0.1%」を単純に適用すると、4月債のリオープンとなる範囲(おおむね1.0%~1.2%)と5月債のリオープンとなる範囲(おおむね1.1%~1.3%)に一部重複が生じる。このケースで6月債の入札日時点の市場実勢利回りが重複する位置で推移していた場合には、6月債は、4・5月債のうち、より市場実勢利回りにクーポンが近い銘柄としてリオープン発行を行うこととすることとしたい。(設例3)の場合、入札日の市場実勢利回りがおおむね1.15~1.2%の範囲内にあるため、6月債は5月債のリオープン発行となる。また、おおむね1.1~1.145%の範囲内にあった場合には、4月債のリオープン発行となる。 ・最後になるが、5年債のリオープン方式について今般見直しを実施した場合は、その効果等について、令和7年度中に再度皆様からご意見を伺うことを想定している。以上を踏まえ、改めて皆様のご意見を頂戴したい。
〇出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。・全体的には当局の提案に賛成。10年債、5年債について、金利急騰時を含め、何らかの新発債発行余地を残すべき。当社は、10年債について現状維持、5年債について何らかの新発債発行余地のあるルールを用いるべきと考えている。・5年債は足元のマーケットのボラティリティを考えると現状の表面利率±5bpsの乖離幅を拡大すべき。今年度の発行銘柄はほとんど新発債発行となっており、乖離幅の拡大措置によってもう少しリオープン発行の余地を残した方が良く、マーケットの健全性を図ることが望ましいと考えている。・その中で、投資家の需要を勘案した上での乖離幅±10bpsは全く異論なし。乖離幅を更に拡大する場合、もう少し議論しなければいけない点もあると思うが、その点についても当局から説明があったため、当局提案のルールで実施して、年度中に改めて考えていくことで問題ない。・超長期債については当局の提案で問題ないと考えている。・2年債について、投資家需要の背景として担保需要があり、償還時期が分散している方が望ましいとの声も聞かれるため、現行方式のままで問題ない。・クライメート・トランジション利付国債(CT債)について、当社は年間2銘柄発行が望ましいと考えている。流動性の観点から年間1銘柄発行にすべきとの考えも理解できるが、現状では入札での投資家需要がほぼ全てであり、その後の流動性は上がってくる見込みがない。まずは入札を安定的にこなしていく点を重視し、年間2銘柄発行とすべき。・当局の提案に全て賛成。超長期債は原則リオープン発行となることで各銘柄の流動性が確保されており、引き続き現行方式が望ましい。・他方、10年債と5年債は、金利の急変動により新発債発行の余地を残しておく必要がある。金利急騰時に最終投資家が簿価通算を嫌って需要が減退することのないよう、ある程度新発債発行の余地があった方がよい。5年債は現状維持で問題ないと考えていたが、当局の提案は一定程度の新発債発行余地が残されているので、賛成する。・CT債は、年間1銘柄発行の場合、同年限の通常の国債対比で償還期限が短期化し、利回りが低下することで投資家の目が行かなくなり、需要減退の懸念がある。年間2銘柄発行だと、投資家の興味、購入意欲は高まるのではないか。・CT債を除き、全年限で原則リオープン発行とすることがベストと考える。・超長期債は当局の提案に賛成。流動性の観点から3ヵ月に1回の新発債発行にすべきと考えている。・10年債と5年債について、マーケットの流動性の観点から1銘柄当たりの流通量が一定程度確保されている方が望ましいほか、証券会社としても入札でリオープン発行と決まっている方が入札に向けたショートメイク、ポジショニングがしやすいため、原則リオープン方式を希望。・5年債についての当局の提案は、現行方式よりリオープンとなる可能性が高いため、この点では賛成したいが、あくまで当社は原則リオープン方式が望ましいと考えている。・CT債について、他社からも話があったが、基本的にセカンダリーマーケットがほとんど存在していないため、投資家の需要を最優先に考えるべきであり、年間2銘柄発行が望ましい。・基本的に当局の提案に賛成。10年債について、日銀買入オペが当面継続することから、1銘柄当たりの市中流動性に配慮した現行方式を支持。・超長期ゾーンについては、流通市場における流動性維持の観点から現行方式が望ましい。・5年債について、足元でシングル・イシューとなる銘柄が増えているが、これは金融政策を理由とした金利上昇局面であるため。現状では特段大きな問題が生じてないため、現行方式の維持が望ましい。一方で、当局の提案には一定の新発債発行の余地が残されているため、乖離幅の小幅拡大に反対はしない。・2年債について、5年債と同様の認識で、特段の問題が生じてないため、現行方式が望ましい。・CT債について、他の参加者の発言と同様、現在、投資家需要の発掘段階と考えており、要望に応じた発行形式へ柔軟に見直す必要があるため、当局の提案に賛成。・5~40年債について、原則リオープン方式への変更を希望。10年債について、ボラティリティの上昇に伴い、現行方式では、リオープン発行とならずシングル・イシューとなることで流動性低下の可能性が高まっていると感じている。5年債について、当局の提案はこれまでよりシングル・イシューになる可能性が低下すると思われるため、反対はしない。・2年債についても、流動性向上の観点から年間4銘柄での原則リオープン発行を希望。・CT債について、当局の提案を支持。投資家は、各年限のカレント銘柄の利回りと比較し、より利回りの高い銘柄を求める傾向が強い。すべて新発債とし、年度後半に発行する銘柄の償還期限を長くすることで利回りが向上し、安定消化に繋がると考えている。・質問だが、今回5年債について、レンジを±10bpsとした背景を教えていただきたい。(当局)±10bpsとした背景については、流動性と投資家需要とのバランスを考慮したため。一部の市場参加者からは、投資家の簿価分散需要に配慮し、現行方式の維持を希望する声も聞かれたことや、10年債と異なり、将来チーペスト銘柄としての流通量を確保する必要がない点を踏まえた次第。・5年債の見直し案に関して、表面利率の決定方法としては、市場実勢利回りを四捨五入することにより決定するのか。また、どの時点の市場実勢利回りでリオープン発行の判断を行うのか。(当局)当局では基本的に四捨五入の考え方により表面利率を決定しているものの、厳密に決まっているものではない。市場全体の状況から判断するものであり、明確に答えることはできない。判断時点について同様だが、日本銀行との事務手続き等に一定の時間を要するため、入札発行条件の公表よりある程度前の時点で判断している。2. 令和7年度における固定利付債の入札方式等について〇令和7年度における固定利付債の入札方式等について、理財局から以下のように説明を行った。・翌年度の固定利付債の入札方式については、リオープン方式同様、毎年3月の本会合において議論し、皆様のご意見を踏まえて決定することとしている。P.6に当局案をお示ししているが、事前に頂いたご意見等を含めてご説明する。・固定利付債の入札方式のうち、40年債やCT債について、一部の参加者から価格コンベンショナル方式への変更を希望するご意見を頂戴したものの、多くの参加者から、現状の利回りダッチ方式を維持すべきとのご意見を頂戴した。・その他の入札方式については、一部の参加者からダッチ方式に変更すべきとのご意見を頂戴したものの、多くの参加者から、現状の発行方式を維持することが適当とのご意見を頂戴した。・これらのご意見等を踏まえ、当局案では、入札方式についてはいずれの年限も現行の方式を維持することを想定している。改めて皆様のご意見を頂戴したい。〇出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。・当局案に賛成。40年債について、意見が分かれていると認識。40年債は来年度から減額となるが、これは投資家のニーズが減少または不安定なためと認識しており、この先の入札時も不安定と考えている。このため、しばらくはダッチ方式の継続を希望。・40年債に加えて20年債及び30年債もダッチ方式を希望。日本銀行の金融政策と、米国の通商政策及び米金利上昇によって、円金利上昇が後押しされている中、2020年6月に財務総合政策研究所が公表したディスカッション・ペーパーで論じられた、入札で高値掴みとなってしまう「勝者の呪い」と定義される現象が今まさに発生している。この現象下で、ダッチ方式は発行コストの低減という点で比較優位とされているが、他方、共謀が懸念される場合、コンベンショナル方式が優位とされている。茲許のコンプライアンス意識の高まりを勘案すると、日本において共謀が行われる可能性は極めて低く、ダッチ方式が発行当局にとっても優位と考えている。・需給面では、特に今、超長期ゾーンの需要が不安定な状況のため、発行市場に新しい投資家を呼び込むことが、中長期的に重要と考えている。その新しい投資家は、米国の投資家と考えている。彼らはダッチ方式に慣れており、「入札がダッチ方式であれば参加する」という投資家が少なからず当社には見えている一方、「ダッチ方式だから入札に参加しない」という意見は聞いたことがない。ダッチ方式の拡大により、発行市場に今より多くの投資家が参入することで、発行コストを安定させることに繋がると考えている。・40年債は、来年度から発行額が減額されるところ、現行のダッチ方式だと流通市場と比べ金利が低い方に大きく乖離する傾向が強まると思うため、価格コンベンショナル方式への移行を希望する。平成19年11月の発行開始以来、時間が経過し、40年債入札の市場は成熟したと考えており、コンベンショナル方式への移行が、流通市場を含め40年債市場の更なる価格発見機能の向上や市場の成熟に繋がると考えている。・CT債についても、来年度から発行額が減額されることもあり、コンベンショナル方式への移行を希望。40年債と同様、最終投資家が実際に買いたい水準よりも金利低下方向に乖離する可能性が高いと考えているため。・落札上位陣の意見を聞くべきと考えるが、当社としてはCT債以外、全てコンベンショナル方式を希望する。3. 令和7年4-6月期における物価連動債の発行額等について〇令和7年4-6月期における物価連動債の発行額等について、理財局から以下のように説明を行った。・物価連動債の発行額・買入消却額等については、P.8とP.9のとおり、令和7年度発行計画において、「市場参加者との意見交換を踏まえ」、柔軟に調整する等とされている。・令和7年1-3月期に実施した入札等結果および流通市場の状況についてはP.10~P.13に記載している。この間、BEIは、日本銀行の買入れ減額・やや弱めな入札等の逆風はあったものの、上昇基調を維持している。・令和7年4-6月期の発行額等について、事前にご意見を伺ったところ、ほぼ全ての参加者から、現状を維持することが適当とのご意見を頂いた。・これを受け、P.14に当局案をお示ししている。令和7年4-6月期については、現状通り、2,500億円の発行入札を1回行いつつ、毎月200億円の買入消却入札を行うことを想定している。また、同7年度におけるリオープン及び入札方式についても、現状の方式を維持することを想定している。・今回の事前の意見交換では、流動性への懸念が引き続き聞かれた一方、期待インフレ率の高まり等もあって、これまでと比べて需給への不安感は低下した印象を受けた。当局としては、引き続き、皆様のご意見等をお伺いしつつ、前向きに市場拡大に向けた対応を検討していきたいと考えている。今後の対応の方向性も含めて、改めて皆様のご意見を頂戴したい。〇出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。・当局の提案通り現状維持が適切。・BEIは2月にかけて上昇していたが、その要因は物価連動債の市中残高減少や投資家層が拡大している可能性があること、足元の国内インフレ関連指標の高まりと考えている。一方で、2月発行入札の結果は弱く、この点、足元のBEIの上昇により魅力が若干減退し、海外投資家の需要が後退したことが要因と考えている。また、入札後の当社店頭での海外投資家動向を見ても、BEIの高まりや円高を受けて、売り優勢となっている。また、海外経済の減速懸念によるインフレ期待の減退や日銀買入の減額、年度末のリスク資産のアンワインドによる売りを受けて、足元、BEIはやや低下している。しかしながら、株等、他のリスク資産のセルオフの状況と比較すると、物価連動債の需給自体は底堅く、先述したポジティブな材料は現状も残っているため、総じて考えると需給は均衡している。・今後についても引き続き海外経済の不透明感や日本銀行による利上げ観測は継続していくが、先述のポジティブな要素も継続する可能性が比較的高い。堅調な需給状況が続く場合、かなり慎重な見極めが必要ではあるものの、第Ⅱ非価格競争入札の再開や、その後の発行額増額の検討も視野に入ってくる。・当局の提案に賛成。・BEIは安定的に推移しているが、当社は慎重な見方を継続している。BEIは1月後半以降の急速な金利上昇についていけず、結果的にほぼ実質金利の上昇であり、実質金利はゼロ%に近づきつつある。これは金融政策の更なる正常化を反映したものと考えられるが、足元の堅調な物価統計や各種の調査結果を考慮するとやや違和感のある動きと認識。・今年1月からの日銀買入減額の影響が出ていると見ており、金額は些少ながらも減額が実施されたということが、育成段階にある市場に水を差したと考えている。当然、足元で日銀買入の減額が進む中、物価連動債も減額されることは承知しているが、投資家の確立されている通常の利付債とは全く違い、安易に需給バランスを崩すことは今後の市場の育成を妨げることに繋がる。当局は引き続き慎重に各種検討を進めてほしい。・当局の提案に賛成だが、従前から希望している、第Ⅱ非価格競争入札再開の検討を開始すべき。当社店頭では、国内外の投資家から新規もしくは再投資希望の相談が寄せられているが、一部の投資家から、市場規模の小ささを理由に、投資を見送る投資家がいる。今後の課題として、投資家層の裾野を拡げ、より物価連動債市場の規模拡大に繋げていくため、発行増額となる方策を希望。4. 令和7年4-6月期における流動性供給入札の実施額等について〇令和7年4-6月期における流動性供給入札の実施額等について、理財局から以下のように説明を行った。・流動性供給入札の実施額については、P.16のとおり、令和7年度発行計画において、「市場参加者との意見交換を踏まえ、市場環境や投資ニーズに応じて柔軟に調整」することとされている。・令和7年1-3月期に実施した流動性供給入札の結果等についてはP.17~P.20のとおりである。P.18とP.19に入札結果をお示ししているが、年初来の金利先高感の高まり等もあって、直近やや弱めの入札結果がみられている。・令和7年4-6月期の流動性供給入札について、皆様から事前にご意見を伺ったところ、一部の参加者から、 ✓ 残存5-15.5年ゾーンを減額して残存15.5-39年ゾーンを増額すべき、や ✓残存1-5年を増額すべき、といったご意見を頂いたものの、多くの参加者から、令和7年度発行計画に沿った発行が適当であるとのご意見を頂戴した。・これを受け、P.21に当局案をお示ししている。残存1-5年ゾーンは奇数月に5,000億円、残存5-15.5年ゾーンは毎月6,500億円、残存15.5年-39年ゾーンは偶数月に4,500億円の発行とすることを想定しているが、改めて皆様のご意見を頂戴したい。〇出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。 ・実施額については、当局の提案を支持。一方で、年限区分については残存5-10年と残存10年超に変更を希望。残存5-7年は日銀買入によって流動性が低いため、この年限を追加発行されやすい形に変更する必要がある。・残存15.5-39年の実施額について、4月から30年債と40年債の入札発行額が減額されるが、例年、4月と5月は投資家の需要が強くなるため、流動性供給入札は計画通りとし、減額の影響を評価するとよいのではないか。・実施額について、残存15.5年超を今年度当初の1回の入札当たり5,000億円に戻す事を提案。そもそも今年度前半に超長期ゾーンの需給が悪くなっていたところ、本来であれば30年債と40年債の減額をもう少し手前の今年度に希望していたが、それではなく流動性供給入札をまず減額したと考えている。来年度から30年債と40年債が減額となるため、元の5,000億円まで戻せると考えている。投資家の需要も残存15.5年超のオフ・ザ・ラン銘柄にはそこそこの需要があると思っており、カレント銘柄以外の需要にも対応するため、ある程度の発行額が必要と思っている。・一方で、残存15.5年超の代替として減額する場合、残存5-15.5年だろう。先ほど、残存5-7年の需給がまだタイトという話が出ていたが、実際にはこの1年で当該年限は結構発行されているほか、足元、日本銀行の減額措置の利用額増加もあり、国債先物にかかるチーペスト周辺銘柄も含めそこそこ市中流通玉が増加している状況。完全に流動性があるとまでは言えないが、他年限と比べてタイトかと言われると、そこまででもないと考えているため、当社は減額してもよいと思っている。・当局の提案に賛成。引き続き各ゾーンとも投資家の既発債需要、ディーラーのショートカバーニーズが強く、ゾーン毎に需要の偏りはさほど見られない。5. 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて〇出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。・現在、世界的に不透明感が高まっているという状況と受け止めている。最大の焦点は米国の関税政策だと思っており、インフレの高進が懸念される一方で、実体経済にはマイナスという意識もされており、それを反映させるような形で、各国で金融政策に対する見方、その分布自体が大きな広がりを持っているように感じている。・また、財政政策に対する警戒感もある。直近ユーロ圏では防衛関係で大きな動きがあり、その相場変動が日本にも波及した。つまり、各国で見られているリスクプレミアム拡大は日本にも影響を及ぼしているということが言えそう。4月に入れば関税についての不透明感はある程度剥落することが期待されているが、実際にどうなるかは分からない。もし、日本経済にとって過度な悪影響がないことが確認されれば、日本銀行から利上げ継続という姿勢が出てくると思われ、基本的には円金利の上昇基調が続くだろうという見方が市場でなされていると見ている。・ただし、超長期ゾーンは既に大きなリスクプレミアムを織り込まれた状況。今年度は1年間を通じて需要不足が顕著だった。来年度から発行減額となっているが、日銀買入オペ額の調整も予想されている中、仮に需要の不足する傾向が続く場合、再度発行額を見直す等の必要性が出てくるのでは。見直しの頻度や重要性も、以前よりも非常に重くなっている。・極めて不確実性の高い中、相場の動きについても相当な乖離が起きている。株式市場でも乖離が起きているが、債券市場でも乖離は大きく、米金利が1月対比で大きく下がっている一方、欧州金利は非常に上昇した。これらは米国による関税政策がきっかけと思っている。関税は米経済にとってはマイナスとなる一方、欧州にとっては関税への対応として、防衛費等を含めた極めて大きな財政支出が出てしまった。今までは米国だけを見ていれば、世界経済について語れる状況だったが、今後は各国の米国政策への反応や財政についても非常に注目が集まっていくだろう。・日本に関しても、金融政策の正常化、今後起こりうる財政の負担、足元の年収103万円の壁の引き上げだけではなく、よりグローバルなテーマになり得る、米国以外の防衛費の拡大に注目が集まりうる。・日本の金融政策について、教科書通りであれば、おそらく正常化の流れと思っている。本日公表された全国消費者物価指数でも既に物価上昇率は上振れているが、4月のサービス部門の改善が織り込まれれば、マーケットが予想している7月ではなく、6月あるいは5月の利上げすらあり得る。通常であれば正常化の場面でイールドカーブはベア・フラットで反応すべきだが、一方で財政出動がチラつくと案外ベア・スティープしてしまう可能性もある。・もう一つ不確実性を大きくしているものは、年金のリバランスの動き。コロナ禍以降、円安・株高が続いており、相対的に円債資産はアンダーパフォームし、リバランスでは買いフローとなり、超長期ゾーンを含め、全年限で年金が買う状況が継続していた。今後万が一、不確実性を嫌気しての円高化、あるいは株高の停止となってしまう場合、コロナ禍以降とは少し変わる可能性がある。即ち、日本国債の需要減退となり、そういった状態が続く場合、よりフレキシブルな発行計画の見直しも視野に入れるべき。
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