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国債市場特別参加者会合(第120回)議事要旨

 

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日時 令和8年9月28日(月)15:55~16:25

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場所 中央合同庁舎第4号館 1208特別会議室

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内容 
1. 令和8年10-12月期における物価連動債の発行額等について

〇令和8年10-12月期における物価連動債の発行額等について、理財局から以下のように説明を行った。

・物価連動債の発行額等については、P.3に掲載のとおり、令和8年度発行計画において、「市場環境や投資ニーズに応じて、柔軟に発行額を調整」することとされているほか、買入消却についても、P.4に掲載のとおり、「市場の状況や市場参加者との意見交換も踏まえ、必要に応じて実施する」こととされている。

・令和8年7-9月期の発行額等は、P.5に掲載のとおり。前回会合で多くの方から現状維持を求める意見が聞かれたことを踏まえ、令和8年4-6月期の発行額・買入消却の金額を据え置くこととした。

・最近の入札の結果についてはP.6、BEIの推移をP.7に掲載している。この間、BEIは、ひと頃に比べて低下しているものの、中東情勢の緊迫化を受けた原油高を受けて、1.9~2.0%の高い水準で推移している。

・令和8年10-12月期の発行額等について、事前に皆様のご意見を伺ったところ、一部の方から、インフレ意識が広がる中で第Ⅱ非価格競争入札の再開や発行額の増額余地をご指摘いただいた一方で、多くの方からは、発行額・買入消却額ともに現状維持を希望する声が寄せられた。

・これらを踏まえた当局案は、P.8に掲載している。現状通り、11月に2,500億円の発行入札を行いつつ、入札のない10月・12月に150億円の買入消却入札を行うことを想定している

〇出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・8月の物価連動債の入札については、原油価格がやや落ち着いていたことに加えて、日本銀行による利上げペースの加速が意識され始めるなど、物価の見通しに対してはややネガティブな環境下で実施されたが、BEIについては195bps程度と堅調な結果となった。
・その後、カレント銘柄のBEIは200bps程度で推移してきたところ、直近については、中東情勢が緊迫化し原油価格が上昇したことを背景に、6月以来の210bps台後半まで上昇している。
・ただ、この過程での業者間取引を見ると売買高は非常に少なく、売買高を伴っていない中のBEIの上昇であり、当該水準のBEIが定着したとみるのは時期尚早と考えている。
・また、当社の店頭を見ても、依然として投資家の裾野の広がりは限定的であると認識しており、10-12月期については、発行額及び買入消却額は現状維持とすることが適当であると考えている。
・今後の見通しについて、足元の状況が維持されれば、徐々に市場の流動性を拡大していくことを目指して、ネットの市場供給量を増加させるべく、来年度に向けて第Ⅱ非価格競争入札の再開などを検討していくことが可能になっていくと考えている。

・当社としては、当局の提案を支持したい。物価連動債の流動性の問題以前に、引き続き10年債の需給環境が極めて良くない状況であるため、10年債に相当する物価連動債を増額するのは、非常に難しい。
・物価連動債自体の投資家ニーズは引き続き高いことが当社店頭でも見受けられているものの、物価連動債を増額することは、依然として高い水準にある10年債のリスクプレミアムを増大させる方向になり得るため、当局の発行コストに悪影響を及ぼしうる。
・今後、新発10年債の大幅な減額がなされれば、第Ⅱ非価格競争入札の再開や、物価連動債の増額の余地が初めて検討できるようになるイメージを当社としては持っている。

・現在、物価連動債のBEIが2.2%に近づくような状況にまで上昇しており、海外の期待インフレの動向からは少し外れ始めているというのが、率直な印象である。足元、顧客と話をしていると、実際の市場の期待値としての長期的なBEIの見通しは2%から大きく外れていないと思っており、現在の水準は、需給のタイト化が要因となっている可能性がやや高いと感じている。
・当社の店頭を見る限り、取引量自体は拡大していないものの、実際に投資家からの注目度は高くなっている一方で、市場の流動性が低いことから参加できないといった声が聞かれている。
・これまで投資家の購入需要に対して、保有債券を売却してきた短期勢の保有量が大きく減少し、また、業者の在庫も減ってきていることが、足元の市場のタイト化に寄与しているのではないか。
・今まで市場の調整弁としての役割を果たしていた短期的な在庫が、大きく縮小している可能性があり、そういった観点から物価連動債は現在の発行額から増額を検討する段階に入っていると考えている。具体的には1回の入札当たり500億円の増額を行い、3,000億円程度であれば需給的には問題ない。需給のタイト化がさらに加速してしまうと、短期的に不要なボラティリティを生み、市場機能がさらに低下する可能性があると考えている。
・発行増額に伴う需給悪化を懸念するのであれば、バイバックについて、現在買入消却入札を行っていない入札月にも実施し、毎月150億円に増額することによって投資家の売却による流動性の向上にも寄与しつつ、マクロ環境の変化による相場の急変といったリスクを低減できると考えているため、検討してほしい。

2. 令和8年10-12月期における流動性供給入札の実施額等について

〇令和8年10-12月期における流動性供給入札の実施額等について、理財局から以下のように説明を行った。

 

・流動性供給入札については、P.10 に掲載のとおり、令和8年度発行計画において、「市場参加者との意見交換を踏まえ、市場環境や投資ニーズに応じて柔軟に調整」することとされている。

・令和8年7-9月期の実施額等は、P.11に掲載のとおり。前回会合で多くの方から現状維持を求める意見が聞かれたことを踏まえ、令和8年4-6月期の各ゾーンの実施額を据え置くこととした。

・最近の入札の結果等については、P.12-13に掲載している。

・令和8年10-12月期の発行額等について、事前に皆様のご意見を伺ったところ、残存5-11年ゾーンについて、他のゾーンと比較して需給に緩みが継続しているため、残存5-11年ゾーンについては減額してはどうか、とのご意見を多くの方からお寄せいただいた。

・これらを踏まえた当局案は、14ページに掲載している。令和8年10-12月期の発行額等については、
 ・ 毎月発行の残存5-11年ゾーンは、現状から1,500億円減額の5,000億円
 ・ 奇数月発行の残存1-5年ゾーンについては、現状通り7,000億円
 ・ 偶数月発行の残存11-39年ゾーンについては、現状通り2,500億円
とすることを想定している。なお、残存5-11年ゾーンの減額見合いについては、個人向け国債の発行が上振れていることなどを勘案し、他のゾーンの増額は行わないことを考えている。

〇出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・当社としては、当局の提案に賛成である。個人向け国債の発行が上振れており、発行減額見合いを他のゾーンに振り替えることなく、流動性供給入札の総額を減額するということであれば、相対的に発行額が多い残存5-11年ゾーンを減額するという当局の提案の方針に賛成である。
・ただ、1回の入札当たりの実施額を急速に変更することは、市場に予期せぬ影響を与えかねないため、減額する場合でも急激ではなく、当局の提案する5,000億円程度への減額に留めるべきと考えている。

・足元の国債補完供給(SLF)の利用は、以前よりも利用額が限定的となっており落ち着いていると見ている。また、チーペスト銘柄のレポレートに関しても落ち着いた動きが継続している。
・流動性供給入札の目的を鑑みると、市場の状況を確認しながら発行額を調整していくことが適当であり、10-12月期の流動性供給入札に関しては減額が適切と考えている。
・当社は、当局が提案する残存5-11年ゾーンの発行額5,000億円よりも、実際はもう少し減らせるのではないかと考えており、1回の入札当たり2,000億円の減額も十分可能ではないかと考えている。
・また、国債の安定消化の観点では、流動性供給入札だけではなく、通常の利付国債の入札における発行額を含めて、総合的に検討していくことが望ましいと考えている。

・当社としては、残存5-11年ゾーンの発行額を1回の入札当たり5,000億円に減額した上で、残存1-5年ゾーンの発行額を1回の入札当たり8,000億円に増額することを提案したい。今年度に入ってから長期ゾーンについて、相対的に需給が重い状態が継続していると感じているため、残存5-11年ゾーンの流動性供給入札の発行額を減らすという当局の提案に、ベースラインとしては賛成する。
・しかしながら、前回の本会合において、長期ゾーンよりも寧ろ超長期ゾーンに関しての需給状況を懸念する声や、20年債・30年債の減額を要望する声が多かったこと、また、長期金利が3%に近づく中で実施された、先月の残存5-11年ゾーンの流動性供給入札の結果が非常に堅調であった点等を踏まえると、足元の水準では長期ゾーンに一定の投資家需要が見られ始めている。したがって、残存5-11年ゾーンの流動性供給入札の発行量だけを局所的に大幅に減額することは望ましくない。
・残存1-5年ゾーンに関しては、前回の本会合でも要望したが、市中に十分流通していないオフ・ザ・ラン銘柄を中心に引き続きカバー需要が旺盛であると感じている。長期ゾーンの流動性供給入札の発行額を減らして、中期ゾーンの発行量を増やすことによって、平均発行年限の短期化を更に推進し、全体的な市場機能度の改善に引き続き取り組んでいくことが肝要である。
・最後に、残存11‐39年ゾーンに関しては、超長期ゾーンの需給懸念が未だに根強いことから、増額すべきではないものの、当該ゾーンにも需給がタイトな銘柄が依然として散見されるため、減額の緊要性はそこまで高くない。しかしながら、必要であれば1回の入札当たり500億円程度の減額は可能であると考えている。

・当社としては、残存5-11年ゾーンの流動性供給入札の発行額を1,500億円減額する当局の提案が適切であると考えている。長期ゾーンについては、金利先高観からか様子見姿勢の投資家が多く、需給バランスが悪化している状況にあると認識している。一方で、SLFの利用は減少しているが、日銀保有割合の高い残存5-7年ゾーンでは、依然としてレポレートが低位で推移している銘柄が散見されている。
・そのため、供給量の調整にあたっては、流動性供給入札の金額のみを見直すのではなく、本会合のテーマからは外れるが、カレント債の発行額とのバランスを踏まえて発行計画全体との整合性に配慮した調整を行うことが望ましい。したがって、需給改善の方向性には賛同するものの、流動性への影響や発行計画全体とのバランスに配慮する観点から、段階的に調整を進めることが望ましいと考えており、減額規模が比較的小さい当局の提案を支持する。

3. 新たに発行を予定する変動利付国債に係る検討状況について

〇新たに発行を予定する変動利付国債に係る検討状況について、理財局から以下のように説明を行った。

・新たに発行を予定している変動利付国債について、来年1月以降の発行に向けて準備を進めており、当局として、投資家の金利見通しの変化に対して柔軟に対応できるよう、初回発行については2年債を想定している。

・発行規模については、市場のニーズをしっかり見極めた上で決定したいと考えているが、令和6年2月中旬に初回入札・発行を実施したクライメート・トランジション利付国債の場合、令和5年12月上旬に初回発行の条件等を公表しており、同様に、約2ヶ月前までには発行条件等を公表できるよう準備を進めている。

・「金利のある世界」となり、多様な商品による安定的な調達が今後より一層重要となることが想定される中、変動利付国債の市場形成の観点から、全ての国債市場特別参加者に一定の関与をお願いしたいと考えているところ、改めて次回会合において、ご意見を伺いたいと考えている。

4. 最近の国債市場の状況と今後の見通しについて

〇出席者から出された意見等の概要は以下のとおり。

・10年債利回りが3%を超えた9月1日は、来年度予算の概算要求締め切りの翌日であり、また、先週末に記録した3.115%は、1996年8月以来の高水準となっている。
・したがって、長期金利について、3%も通過点になりかねない勢いがあると言わざるを得ない。根強い財政悪化懸念に加えて、日本銀行が物価上昇の上振れを警戒する中でも継続利上げを阻む様々な圧力があり、ビハインド・ザ・カーブ懸念をなかなか払拭できず、さらに、国内だけではなく、アメリカなど海外金利高が背景として指摘されている。
・先週末から関係大臣の発言等で金利上昇が一服する場面が見られているが、金利上昇という市場の警告や価格発見機能が、例えば、積極財政という現政権の基本政策を大きく変更させることは想定しづらい。また、日本銀行に対する政府の姿勢について、現政権下で指名された2名の審議委員が利上げに反対票を投じたことを鑑みると、表面上は少し変わっているように見えたとしても、根本は変わらないと考えるのが妥当と思っている。
・さらに、アメリカの長期金利上昇について、足元は期待インフレ率よりも実質金利の上昇が顕著である。長期の自然利子率や中立金利が切り上がっている可能性も指摘されており、アメリカにおいても財政悪化懸念やAI需要に伴う社債の発行増加等が影響し、金利低下が見込み難くなっているのは間違いない。
・したがって、持論として、AIブームの一旦の収束や想像したくない国内外株価の急落などが無ければ、利回りが反落し、その後金利低下がトレンドとなる展開は想像できなくなっている。
・節目である3.25%や3.50%といった水準が、市場では既に意識されている。市場からの警告が届かない以上、国債市場特別参加者を含めた市場参加者・関係者にできることは限られており、金利上昇を止めるという観点では、国債市場特別参加者にはボールがない状況と思っている。ただ、このような状況においても、本日議論した流動性供給入札の減額等の需給調整を行うことや、様々な流動性の向上に努めることが、国債市場特別参加者の責務ではないかと強く認識している。

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問い合わせ先

財務省 理財局 国債業務課 市場総括係
電話 代表 03-3581-4111 内線 5700