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第4回CBDC(中央銀行デジタル通貨)に関する有識者会議 議事要旨

1.日時 令和5年9月5日(火)10:00~11:50

2.場所 財務省本庁舎4階第3特別会議室 / オンライン

3.出席者

(委員)
柳川範之委員(座長)、石井夏生利委員、井上哲也委員、翁百合委員、長内智委員、國枝繁樹委員、河野康子委員、小早川周司委員

(オブザーバー)
日本銀行、金融庁

4.議事
論点整理①(垂直的共存)(事務局説明)

5.議事要旨
開会挨拶の後、事務局より、資料に沿って説明があった後、出席者による意見交換を行ったところ、主な内容は以下のとおり(当日欠席した委員からの意見を含む)。

(論点1:二層構造)
○ 現在、金融機関は決済サービスで得た情報を収益機会に活用していることも踏まえ、二層構造が適当。

○ 中央銀行に情報が集まることは、現実的でない上に、適切でもないことから、二層構造が適当。

○ 二層構造を前提としたうえで、国債の振替決済制度のように、金融機関等が仲介機関の機能を垂直的に分業する仕組みも利用可能とする余地を残すべき。

(論点2:日本銀行の役割)
○ 中央銀行の役割として、台帳やシステムの管理・運営だけではなく、民間のイノベーションを促進するための「カタリスト(触媒)」としての役割もある。

○ 技術面のあり方については、今後の技術動向等も踏まえつつ、コアサービスについては、堅牢性・正確性を期す一方、それ以外のサービスについては柔軟性を持ったアジャイルなものとすべき。

(論点3:仲介機関の役割)
○ 仲介業務については、利用者との間の流通に関する業務のみを担う仲介機関を想定できる。

○ 基礎的な決済サービスと追加サービスの境界を考えていく必要。

○ 基礎的な決済サービスだけでは、利用が進まない可能性があることも踏まえ、どのように民間事業者に追加サービスを担ってもらうかを考える必要。

○ CBDCならではの価値創造の余地を残せるよう、民間の事業者による創意工夫を可能とする必要。

○ 民間事業者のイノベーション促進の観点から、多様な事業者が参加できるようにすべき。

○ 情報の利活用について、社会全体として役立てるという視点も重要。

○ 仲介機関を含む民間事業者間における情報管理の分担も含め、情報の利活用と保護とのバランスを図ることが重要。

(論点4:仲介機関の範囲と規制のあり方)
○ 仲介機関の範囲と規制のあり方について、既存の法体系をベースとしつつ、議論を整理していくことが現実的。

○ 仲介機関の範囲と規制のあり方について、セキュリティの確保や個人情報保護の視点も含めて議論する必要。

○ CBDCの利活用は、消費者に影響を与えるものであることから、仲介機関に対しては、政府が適切な規制を行うべき。

○ 仲介機関の規制を考えるにあたっては、必須の業務範囲を設定するのか、業務範囲を事業者の選択に委ねるのかも重要な論点。

(その他)
○ CBDCの検討動機が国・地域により異なることから、主要国の最大公約数ではなく、どういう軸で考えていくべきか整理する必要。

○ 目的・意義・利用イメージについて、導入に際しては、国民への周知・広報を丁寧に行うべき。

○ プログラマビリティについて、今後の技術動向や消費者のニーズも踏まえつつ、民間に委ねることも選択肢。

○ プログラマビリティについて、必要性は高くないと思われるものの、利便性の向上のために必要・有用ということであれば、現時点では決め打ちせずに引き続き検討すべき。

○ 利用者の視点からは、現在の他の決済サービスとの比較でCBDCが不便なものにならないようにする必要。

○ 利用者が店舗でCBDCを利用することをどのように担保していくべきかなど、一般受容性について整理をしていく必要。

○ CBDCの導入・運営によるコストを見るとともに、デジタル化による現金コストの減少も併せて勘案する必要。

○ 現金を扱うコストの減少を見る場合には、民間によるキャッシュレス化に伴う低減もあるので、CBDCによる低減だけを取り出せるかという問題がある。

○ 主要国の動向のみならず、アジアにおける検討状況や導入の動向にも目を配っていく必要。

○ 各国が置かれている状況の違いを踏まえて、個別論点について議論していくべき。

問い合わせ先

財務省理財局国庫課(デジタル通貨担当)
電話:03-3581-4111(内線6475)