1.日時令和7年5月23日(金)13:52~15:30
2.場所財務省国際会議室(本庁舎4階)
3.出席者
(委員)佐藤主光(座長)、纐纈一起、清水香、鈴木隆樹、中埜良昭、堀田一吉、渡邊千穂(敬称略)
(オブザーバー)一般社団法人日本損害保険協会、一般社団法人外国損害保険協会、日本地震再保険株式会社、損害保険料率算出機構、金融庁監督局保険課
(事務局)寺岡総括審議官、田中信用機構課長
4.議題
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保険金支払に関する対応
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民間危険準備金の現状
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南海トラフ地震臨時情報を受けた地震保険の対応
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地震保険の加入促進について
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討議
5.議事内容
(保険金支払に関する対応)
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日本損害保険協会から、令和6年能登半島地震への対応、損害状況申告方式のシステム化について説明を行った。
(民間危険準備金の現状)
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日本地震再保険株式会社から、「再保険料配分の特例措置」開始後の民間危険準備金残高の推移について報告を行った。
(南海トラフ地震臨時情報に関する地震保険の対応)
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事務局から、「地震保険制度等研究会における議論のとりまとめ(令和2事務年度)」について説明を行い、日本損害保険協会から、2024年8月の南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の発表後における地震保険・中途付帯状況について説明を行った。
(地震保険の加入促進について)
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事務局から、地震保険の加入状況、加入促進上の課題、今後の加入促進に係る方向性(案)について説明を行った。また、日本損害保険協会から、2024年度の地震保険の加入促進取組、地震保険広報の2025年度取組方針について説明を行った。
(討議)
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討議における委員からの主な発言は次のとおり。
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物価等が上昇する中で、火災保険料率の上昇、保険期間の短期化に伴う保険料負担の増加が生じており、例えば、生活者の方に入院リスク等と比較して地震リスクを正しく認知してもらうなど、加入促進に向けて、より丁寧な情報提供が重要。
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高齢者を含めて能動的な情報収集活動が困難な人々に対しても情報が届くよう、行事等での案内や、リフォーム業者の説明を受けて加入する人も多いことを踏まえ、保険代理店や事業者、自治体等を通じて地域に根付いた身近な普及活動を進めてはどうか。
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高齢化が進む中、高齢者の災害時のすまい確保やリフォームなど住宅再建は難しい問題であり、高齢者の地震保険契約更新や損害査定時の対応などの対策を検討すべき。
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未加入者の未加入理由を分析した上で、高齢者に限らず、経済的理由で加入が困難な方に対する対応は、他施策の対象かもしれないが、検討できないか。
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民間の地震補償と比べれば保険料が安価である点や、仕組み的に保険金の出し渋りは考えられない制度となっており、地震保険制度の特徴であるノーロス・ノープロフィットでの運営や、国が再保険でバックアップしているという2点を普及啓発の中で強調するべき。
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一部の県で設立されている災害保険・共済普及協議会などの各地域の好取組を全国的に横展開すれば、都道府県との協力関係の構築にも資するなどより効率的・効果的ではないか。
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様々な業界等のバックグラウンドを持つファイナンシャルプランナー(FP)が加入する、日本FP協会との加入促進に関する連携の強化には波及効果が見込まれるため、現行の取組の強化を検討してはどうか。
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損害状況申告方式のシステム化について、平時における模擬申告訓練の機会 があると良い。
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その他、日本損害保険協会及び事務局から、次の発言があった。
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デジタルツールや保険加入時における意思確認プロセスを通じて、代理店含めて顧客への丁寧な説明・対話をしっかり進めてまいりたい。
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未加入理由としては、家財の場合は消耗品であり、損害は貯金で賄えるとの誤解があるほか、アンケートで「保険料が高い」、「必要性を感じない」等のご意見をいただくことが多いため、地震リスクや地震保険加入の必要性を認識いただくべく 地震保険付帯率が低い地域等にターゲットを絞った取組を実施している。
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財務省としては、これまでの損保業界・代理店等と連携した取組に加え、金融機関等や住宅・不動産関連業界、地方自治体等、関係者の皆様にご協力いただきながら、更なる加入促進に向けて新たな取組を進めてまいりたい。
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経済・社会が変化する中、高齢化、所得水準、住宅事情、ライフスタイルやニーズの変化等のエビデンスを揃えて、引き続き、加入促進について議論させていただきたい。
(以上)