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たばこ事業等分科会(令和3年4月23日開催)議事録

財政制度等審議会
たばこ事業等分科会(第44回)

令和3年4月23日
財政制度等審議会

財政制度等審議会たばこ事業等分科会(第44回)議事次第

令和3年4月23日(金)10:00~11:28

財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.各委員挨拶

  • 3.分科会長互選等

    • 1分科会長互選

    • 2分科会長挨拶

    • 3分科会長代理の指名

    • 4部会の設置及び部会委員・部会長の選任

    • 5分科会の運営等

    • 6理財局長挨拶

  • 4.たばこ・塩を巡る最近の諸情勢について

    質疑・応答

  • 5.たばこ製造業における取組状況(事業及び地球温暖化対策)

    日本たばこ産業株式会社説明

    質疑・応答

  • 6.閉会

  • 配付資料

    資料1 財政制度等審議会たばこ事業等分科会名簿
    資料2-1 財政制度等審議会令(抄)(平成12年6月7日政令第275号)
    資料2-2 財政制度等審議会関係法令等
    資料3 定価等部会の設置及び同部会に付託する事項(案)
    資料4 たばこ・塩を巡る最近の諸情勢について
    資料5-1 地球温暖化対策計画(平成28年5月13日閣議決定)(抜粋)
    資料5-2 たばこ製造業における取組状況(事業及び地球温暖化対策)
    (日本たばこ産業株式会社説明資料)
  • 出席者

    分科会長

    五十嵐

    大鹿理財局長

    窪田理財局次長

    湯下理財局総務課長

    古渡理財局たばこ塩事業室長

    関係団体

    日本たばこ産業(株)

    菊池執行役員

    妹川執行役員

    委員

    安藤光義

    宮島香澄

    臨時委員

    荒谷裕子

    江川雅子

    国松麻季

    泉水文雄

    専門委員

    牛窪

    川村雄介

午前10時00分開会

古渡理財局たばこ塩事業室長予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会たばこ事業等分科会を開会いたします。

理財局総務課たばこ塩事業室長の古渡と申します。よろしくお願いいたします。皆様方におかれましては、ご多用のところご出席いただきまして誠にありがとうございます。本日は4月1日付で財務大臣より任命させていただきました委員の皆様による初会合となります。分科会長選任までの間、事務局として私が議事進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

今回、テレビ会議システムを活用いたしました開催となりましたので、まずは何点かお願いを説明させていただきます。

会議室にお集まりいただいております委員の皆様におかれましては、ご発言をなさる際に、テレビ会議システムの設定は変更せず、会議室のマイクをオンにしてからご発言をお願いいたします。

また、テレビ会議システムを通じてご参加いただいている委員の皆様におかれましては、カメラをオンにしたまま、マイクはミュートの設定をお願いいたします。ご発言いただく際にはご自身でミュートを解除し、発言が終わりましたら再度ミュートの設定をお願いいたします。また、質疑の際にご発言を希望なさる場合におきましては、「参加者一覧」の箇所に手のマークの「挙手ボタン」がございますので、そちらをクリックして意思表示をお願いいたします。また、ご都合により途中退出をなさる場合には、「ミーティングから退出」のボタンを押してご退室いただければと思います。

お願いは以上でございます。

なお、当分科会におきまして、テレビ会議システムを活用した開催は初めての試みでございます。不慣れな点も多く、ご不便をおかけするかもしれません。申し訳ございません。よろしくお願いいたします。なお、会議中にインターネット回線等の不具合がございましたら、事前にお送りしております事務方の連絡先までご連絡を頂ければと存じます。

それでは、まず初めに、分科会長の互選に先立ちまして、委員の皆様をご紹介させていただきます。

4月1日付でたばこ事業等分科会の委員にご就任いただきました皆様は資料1の名簿のとおりでございます。私からご出席の委員の皆様を名簿順にご紹介させていただきますので、各委員の皆様におかれましては一言ずつご挨拶を頂ければと存じます。

まず、安藤光義委員でございます。

安藤委員東京大学の安藤と申します。専門は農業経済です。たばこの生産面について詳しいので委員に選んでいただいたのだと思っております。私はたばこは吸わないので、そうした点でそぐわないところがあるのですが、よろしくお願いいたします。

古渡理財局たばこ塩事業室長五十嵐隆委員でございます。

五十嵐委員成育医療研究センターの五十嵐と申します。どうぞよろしくお願いいたします。医療側の一人として参画をさせていただきます。

古渡理財局たばこ塩事業室長宮島香澄委員でございます。

宮島委員日本テレビの宮島香澄と申します。どうぞよろしくお願いいたします。ふだんは経済と社会保障を中心に解説委員をしております。どうぞよろしくお願いします。

古渡理財局たばこ塩事業室長荒谷裕子委員でございます。

荒谷委員法政大学法学部の荒谷と申します。専門は会社法・金融商品取引法ですのでたばこ事業とは直接関係がございませんので、いろいろお教えいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

古渡理財局たばこ塩事業室長江川雅子委員でございます。

江川委員一橋大学経営管理研究科の江川雅子です。専門はコーポレートガバナンスです。それから、以前、外資系の投資銀行にいた頃に、日本たばこの株式の売出しのお手伝いをさせていただきました。どうぞよろしくお願いします。

古渡理財局たばこ塩事業室長国松麻季委員でございます。

国松委員おはようございます。中央大学国際経営学部の国松麻季と申します。この4月から参加させていただきます。専門は国際経済法で、関税などの水際措置、あるいは、WTOのパッケージングの紛争などの観点からも関心を持っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

古渡理財局たばこ塩事業室長泉水文雄委員でございます。

泉水委員神戸大学の泉水と申します。法学研究科に属しておりまして、専門は独占禁止法、競争法、競争政策であります。どうかよろしくお願いいたします。

古渡理財局たばこ塩事業室長牛窪恵委員でございます。

牛窪委員初めましての方もいらっしゃいます。マーケティングライターの牛窪恵と申します。マーケティング会社、インフィニティという会社を20年ぐらいやっております。企業さんとの商品開発が主な仕事で、ほかに今は立教大学大学院のほうで消費者行動論を教えております。どちらかというと、消費者の現状やトレンドなどを研究しておる立場でございます。専門は経営学です。どうぞよろしくお願いいたします。

古渡理財局たばこ塩事業室長川村雄介委員でございます。

川村委員おはようございます。グローカル政策研究所というところをやっております川村雄介であります。長らく証券市場に関わってきておりまして、10年ほど大学で教えたり、いろんなことをやっております。たばこ事業等分科会も大分長くなりましたが、引き続きよろしくお願いいたします。

古渡理財局たばこ塩事業室長皆様、どうもありがとうございました。

なお、本日、ご都合によりご欠席ではございますけれども、国家公務員共済組合連合会虎の門病院の門脇孝院長が引き続き委員にご就任いただいておりますので、ご紹介をいたします。

続きまして、資料2-1にありますとおり、財政制度等審議会令第6条第4項に基づきまして、分科会長の互選を行いたいと思います。

分科会長の選任につきましてご意見等がございましたらお願いいたします。

宮島委員、お願いいたします。

宮島委員ありがとうございます。私は五十嵐隆委員を推薦いたします。理由ですけれども、もちろん医学ですとか、たばこに関しても優れたご知見やご経験をお持ちです。さらに、これまでも2年間、分科会長として私たちの議論をリードしていただきましたので、推薦いたします。よろしくお願いします。

古渡理財局たばこ塩事業室長ありがとうございました。

川村委員、お願いいたします。

川村委員私も宮島委員のご提案に大賛成であります。五十嵐委員の医学におけるご知見の深さは無論のことですが、この分科会でも非常に大きなリーダーシップを発揮してこられまして、最適任だと思っておりますので、ぜひとも引き続き分科会長をお務めいただければと思います。

古渡理財局たばこ塩事業室長どうもありがとうございます。

ほかにご意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。

それでは、ただいま宮島委員及び川村委員から頂きました五十嵐隆委員を分科会長に推薦する旨のご提案につきまして、皆様、ご異議ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

古渡理財局たばこ塩事業室長どうもありがとうございました。委員の皆様のご了解によりまして、五十嵐委員が分科会長に再任されることとなりました。恐縮ではございますが、五十嵐委員、分科会長席へお移りいただきますようお願いいたします。

(五十嵐委員、分科会長席に着席)

古渡理財局たばこ塩事業室長それでは、五十嵐分科会長よりご挨拶を頂戴したいと思います。なお、この後の議事は五十嵐分科会長に進めていただきます。よろしくお願いいたします。

五十嵐分科会長分科会長にご指名いただきました成育医療研究センターの五十嵐と申します。どうぞよろしくお願いいたします。この分科会では、2年以上前になりますけれども、たばこの注意表示の在り方について検討いたしました。その結果として、海外とほぼ同様の状況を実現することができました。一方、加熱式たばこなどの新しいたばこも出てまいりましたので、今後、注意表示の在り方などについても検討することになるのではないかと思います。その可能性があるのではないかと今から心配しております。そのときには適切に対応することが必要になってくるのではないかと思います。皆様のご協力がぜひ必要ですので、よろしくお願いいたします。

それでは、早速ですが、議事に入りたいと思います。

まず、財政制度等審議会令第6条第6項に基づきまして、分科会長に事故があるときは、あらかじめ指名する者がその職務を代理するということになっております。分科会長代理を指名させていただきたいと思います。

代理は引き続き安藤委員にお願いしたいと思います。安藤委員、いかがでしょうか。

安藤委員お引き受けいたします。よろしくお願いいたします。

五十嵐分科会長どうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

続きまして、部会の設置についてです。

財政制度等審議会令第7条第1項の規定によりまして、分科会は、その定めるところにより、部会を置くことができるとされています。つきましては、当分科会に定価等部会を設置することにつきまして、ここでお諮りをしたいと思います。

では、定価等部会につきまして事務局からご説明をお願いいたします。

古渡理財局たばこ塩事業室長それでは、定価等部会につきましてご説明させていただきます。

資料3をご覧ください。定価等部会の設置及び同部会に付託する事項(案)をご覧いただければと思います。

定価等部会に付託する事項は5点ございます。

第1はたばこ事業法施行令に定める事項でございます。これは、二以上の者から製造たばこの同一の品目につきまして異なる小売定価の認可の申請が行われた場合にご審議を頂くものでございます。

第2は成人識別自販機に関するものでございます。たばこの自動販売機を導入する場合には成人識別機能を付与することを製造たばこ小売販売業の許可の条件としておりまして、本分科会におきまして成人識別自販機に係る判定基準が定められておりますので、新たな機種や方式が出てきた場合などに、この基準に該当するか否かについてご審議を頂くものでございます。

第3から第5までにつきましては、たばこ事業者及び塩事業者が行う環境問題への取組に関しまして、エネルギーの使用の合理化に関する法律などに基づきまして財務大臣が是正措置を命ずる場合には、あらかじめ審議会でご意見を伺うというものでございます。

これらはいずれも技術的な審議事項でございますので、機動的に対応すべく、これまでも定価等部会に付託してきたものでございます。

以上でございます。

五十嵐分科会長ご説明ありがとうございます。

それでは、定価等部会を設置し、定価等部会の議決をもって当分科会の議決とすることについて、ご異議はございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

五十嵐分科会長ありがとうございます。では、定価等部会を設置することといたします。

続きまして、財政制度等審議会令第7条第2項、第3項に基づきまして、部会に属すべき委員等、それと、部会長につきましては分科会長が指名することとされております。ということですので、私のほうから指名をさせていただきます。

定価等部会につきましては安藤委員、荒谷委員、江川委員にお願いしたいと存じます。また、定価等部会の部会長につきましては安藤委員にお願いしたいと思います。いかがでしょうか。安藤委員、荒谷委員、江川委員、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

五十嵐分科会長ありがとうございます。では、どうぞよろしくお願いいたします。

続きまして、分科会の運営についてです。

分科会の招集、議事の公開など、資料2-2の関係法令に従いまして運営を行ってまいりたいと存じます。また、関係法令以外の議事の手続、その他分科会の運営につきましては私にご一任を頂きたいと思います。

それでは、ここで大鹿理財局長からご挨拶をお願いいたします。

大鹿理財局長皆さん、おはようございます。昨年の7月から理財局長を務めております大鹿と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

まず、本日は、皆様、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。そして、委員の皆様方におかれましては、ご就任をお引き受けいただきまして誠にありがとうございます。五十嵐委員におかれましては、引き続き分科会長をお引き受けいただきましたこと、心より御礼を申し上げます。また、安藤委員におかれましては、分科会長代理及び定価等部会の部会長をお引き受けいただきましたこと、厚く御礼を申し上げたいと存じます。

皆さんご案内のとおりでありますけれども、本分科会におきましてはたばこ塩事業に関する重要事項を審議いただいております。最近では、平成30年に、先ほど分科会長からのご挨拶にもありましたけれども、たばこのパッケージの注意文言表示規制、それから、広告規制の見直しに関しましてご議論いただき、お取りまとめを頂きました。その後、その取りまとめに沿った省令改正を行い、昨年の7月から全面適用となったところであります。本日は、その内容も含めたたばこ・塩を巡る諸情勢や、昨今課題となっております地球温暖化対策についてご説明をさせていただきたいと思います。本日から新体制、新メンバーによるご審議がスタートするわけでありますけれども、先生方におかれましてはどうか忌憚のないご意見を賜りますようにお願い申し上げまして、簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

五十嵐分科会長どうもありがとうございました。

それでは、議事に入りたいと思います。

まず、たばこ・塩を巡る最近の諸情勢について、事務局から説明をお願いいたします。

古渡理財局たばこ塩事業室長それでは、たばこ・塩を巡る最近の諸情勢につきまして、資料4に沿ってご説明を申し上げます。

資料4の1ページ目をご覧ください。まず、たばこ事業の全体像というところを示させていただいております。我が国のたばこ事業は、昭和60年に専売制度改革がありまして、その後、たばこ事業法に基づいて、各種の制度に基づき規制がされております。下のほうに川上から川下までの流れを示しております。まず、葉たばこ耕作者による葉たばこ生産、そして、JTによる葉たばこ全量買取り、製造独占ということがありまして、JTによるたばこの製造、それから、輸入業者によるたばこの輸入と卸売業者による流通というものがございまして、小売店舗で販売をしておるという、このような流れになっておるところでございます。

続きまして、葉たばこ農家、まず、川上からご説明を差し上げます。葉たばこ農家におかれましては、作付面積、農家戸数、生産額のいずれについても減少傾向が続いております。一方で、農家1戸当たりの生産額は増加傾向が継続しておりましたが、近年は横ばいという状況になってございます。

続きまして、たばこの製造という意味で、JTについてご説明いたします。たばこ事業法に基づきまして、我が国における製造たばこの製造というものはJTが独占をしております。また、JTはたばこ事業法、JT法に基づきまして事業を実施しておりまして、政府はJT法に基づき、発行済株式総数の3分の1超を保有しておるというところでございます。JTの売上げは2兆円ほどございますけれども、たばこ事業が約9割、また、そのうち海外たばこ事業が約6割、国内たばこ事業が約3割という状況でございます。

続きまして、製造たばこの売上げというところでございます。販売数量は平成8年をピークといたしまして減少傾向が続いております。一方で、先ほど分科会長からもご案内がありました加熱式、これはいわゆる電子たばことはちょっと異なりまして、電子たばこというのは、専用カートリッジ内のニコチン等の液体を加熱して、それを吸入するというものですが、それとは異なる加熱式たばこは、たばこの葉を燃焼させるのではなく、専用の機器を用いて加熱することで煙を発生させるというものでございますが、この加熱式たばこがシェアを大きく近年伸ばしてきておりまして、4分の1を占めるというところになっております。そこも含めると、近年はおおむね横ばいとなっております。また、その小売定価は、たばこ事業法に基づきまして財務大臣の認可事項でございますが、近年は500円を超える価格ものも多くなってきているところでございます。

続きまして、その販売でございます。たばこ小売店数の推移等についてでございますが、こちらも平成13年頃をピークといたしまして減少しておりますが、現在は約24万店舗がございます。たばこ事業法に基づきまして、小売販売については財務大臣の許可を受けることが必要となっており、一定の距離制限というものが設けられております。その営業形態につきましては、コンビニエンスストアが4分の1以上を占めております。また、酒類販売業、たばこ専業店、雑貨屋といったところが大宗を占めておるところでございます。

続きまして、たばこに関する規制、まさに分科会長からもお話がありましたけれども、注意文言表示・広告規制、先生方にご議論を頂いたものでございます。左側ですけれども、喫煙が本人または周囲の者に健康リスクがあるという観点から注意文言を表記しております。表示面積は主要面の50%を占めるようにしております。また、広告の規制に関しまして、未成年者の喫煙の防止、あるいは、健康との関係に配慮せよと。また、右側に広告の指針を示しておりまして、テレビ、ラジオ等では、成人のみを対象とすることが技術的に可能な場合を除いて行わないといった内容を財務省の告示で定めております。また、たばこ事業者で組織する一般社団法人日本たばこ協会において、それを上回る自主的な基準を定めておるところでございます。

続きまして、国際的な規制の動向でございます。FCTCと呼ばれますたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約というものがございます。これは、たばこの健康に対する悪影響を減らして人々の健康の改善を目指し、各国の事情を踏まえ、たばこに関する広告、包装の形容的表示等の規制について規定しております。2003年5月に採択され、日本は2004年に条約を締結しております。内容といたしまして、下の左側でございます。(2)公共の場所でのたばこの煙にさらされることからの保護を定める措置、(4)たばこ製品の包装及びラベルに関する措置、(5)たばこの広告、販売促進及び後援を禁止または制限するための措置といったものが内容となってございます。これまで計8回、いわゆるCOPと呼ばれる締約国会合を開催しておりまして、本年に第9回を予定しております。

続きまして、最終的なたばこの消費と申しましょうか、喫煙者率でございます。ずっと減少をし続けておりますが、近年におきましては、男性の喫煙者率が約28%、女性が約9%、トータルで18%程度となっております。なお、諸外国については下に示させていただいております。

以上がたばこについてでございます。

本分科会の所掌事項のもう1つであります塩につきましても併せてご説明を申し上げます。

我が国はいわゆる岩塩資源、あるいは天日塩といったものがなかなか気候面等から少ないものですから、国産では海水を濃縮し煮詰めて、主に瀬戸内、九州で製造をしておるところでございます。また、輸入塩は主に岩塩や天日塩というものが多く、全体としては輸入のほうがずっと多いという状況になっております。需要側といたしましては、今申し上げた原塩等は主にソーダ工業用というものが大宗を占めておりますが、そのほか、生活用、一般の口に入るような塩、それから、業務用として食品工業用や融氷雪用の塩というものもございまして、それぞれが卸売業者を通じて一般消費者等に行き渡っているというところでございます。なお、塩に関して、規制はもうほとんどなくなっておりますが、塩事業法という法律に基づきまして指定された塩事業センターというところが塩の調査・研究や備蓄といった業務を行っているところでございます。

続きまして、塩の需給でございます。先ほど申し上げましたように、左のグラフをご覧いただければお分かりかと思いますが、国内の塩の需要というものは多くがソーダ工業用となっております。真ん中のグラフでございますが、それ以外の部分のうち食品工業用と生活用という、間接または直接に人の口に入るものの需要量を右側のグラフに示しておりまして、減塩志向等に基づきまして総じて減少傾向でございますが、その自給率といったところは75%程度から85%程度で推移をしておるところでございます。

以降につきましては参考資料として、説明は割愛させていただきます。

私からの説明は以上でございます。

五十嵐分科会長ご説明どうもありがとうございました。

では、ただいまのご説明に対しましてご意見、ご質問がありましたら頂きたいと思います。テレビ会議システムでご参加の方は「挙手ボタン」をクリックしていただきたいと思います。進行上の観点から、まず初めに、会議室にお集まりいただいている委員の皆様から指名をさせていただきます。いかがでしょうか。

どうぞ。

宮島委員ご説明ありがとうございます。久しぶりですので、最近の状況について少しお伺いしたいと思います。

1つは、葉たばこ農家がどんどん減っているという状況ですけれども、これは、実感として、本当は継ぎたいけれども、後継ぎ、あるいは人材がいないというような状況なのか、売上げが減っているし、そろそろ閉じようかというようなことなのか、それはどんな感じなのかということが1つです。

2つ目は、広告のところを私たちの議論で変える議論をしましたので、その後がどういう反応かがとても気になります。例えば、たばこの表示を変えたことですとか広告の規制を変えたことに関して、一般の消費者や事業主などから、アンケートとかはしていないかもしれませんけれども、どのような反応があるかということを教えていただければと思います。

以上です。

古渡理財局たばこ塩事業室長ご質問ありがとうございます。

葉たばこ農家の関係でございます。おっしゃるように、人材、売上げという点でいろいろあると思います。特に、一応基本的にはJTの全量買取りということになっておりますので、そういった面で後継者というのは一定程度は存在するのだというふうに聞いておるところでございます。一方で、なかなか、特に東北なんかを中心に、ほかの作物との兼業というものが難しいとか、そういった面から辞められる方、高齢で、なかなか継ぐ方がいないので辞められる方、そういった方も一定程度いらっしゃるというふうに聞いておるところでございます。

それから、広告の関係、表示の関係でございます。おっしゃるように、特にアンケート等を取っておるというところではございません。すみません、私も規制が変わってから着任しておるもので、これまでそういった大きな反応というものは特に聞いておらず、たばこ会社、あるいは輸入業者等においてきちんと対応していただいているというふうに考えております。

五十嵐分科会長よろしいですか。──ありがとうございます。

ほかは。

川村委員、どうぞ。

川村委員ありがとうございます。いろいろなご説明、久しぶりで、ちょっと頭の整理になったのですけど、幾つかお聞きしたいことと、若干所感みたいなものがあります。

まず、質問のほうは、財政収入という観点。財務省にこの分科会が置かれている大きな理由の1つはそこにあると思うんですが、従前から2兆円ぐらいということが私の記憶なんですけども、一方で、喫煙者が激減する反面でどんどん値上がりしていく。最近のたばこは1箱500円ぐらいですから、私がたばこに手を染めた頃からすると5倍の値段になっていて、国立大学の授業料と同じぐらい高くなっている珍しい物資だと思うんですね。その大宗が税金ということになっているわけですが、こういうほとんどチキンレースみたいな税収源というのは今後サステナブルなのかなということを素朴に疑問に思うところでありまして、財政から考えたたばこというものを今後どう考えていくのかということは非常に重要な視点で、すぐお答えいただけるような話ではないと思いますが、ちょっと所感を伺えればなということが1点目です。

それから、もう1つは受動喫煙の問題で、受動喫煙で被害を及ぼすということが一番私は大きい問題だと思っていて、特にそういう意味でいくと、公共の場での喫煙所の充実ということが非常に重要だと思います。この辺が、喫煙者から見ると、少々値上げがされても、喫煙所の整備で受動喫煙を防ぎ、自分たちも堂々と吸える場が欲しいというのは当然で、最近は加熱式の部分と従前の紙巻たばこの部分と分けている喫煙所がほとんどなので、非常にそれは進展があると思うんですが、場所そのものはどうなっているのか。例えば、JTとかフィリップモリスとか、業者のほうが間接的にそういうものを負担してやってもらえばいいなと思っているのですけど、その辺の実情は。これは質問であります。

3つ目はJTもたばこの品種ばかりを増やしていて、店へ行っても、例えば「メビウスのスーパースリムのゴールドの100の1を下さい」とか言うわけです。店員さんだって分からない。これにそっくりなものが10種類ぐらいあるんですね。そこで、ましてや、最近はコンビニはビニールシートをかぶせているから、うっかりこうのぞくと駄目ですと断られる。もうちょっとマーケティングを工夫したほうがいいのではないかと。

以上です。

古渡理財局たばこ塩事業室長ご質問とご意見の両方を頂戴したと思います。

まず最初に、財政収入、あるいは、たばこの価格の上昇といったところのご意見だったと思います。おっしゃるとおり、すぐお答えするのはなかなか難しい問題かと思いますが、たばこにつきましてはずっと財政物資として捉えられてきておりまして、その点については引き続きそのような形で続いていくのかなというふうに考えております。

また、2つ目の受動喫煙、あるいは喫煙所といったところでございます。恐らく、おっしゃるところでは、改正健康増進法というところも大きいのかなと思います。これが全面的に施行されまして、施設内における喫煙が制限されて、特に路上のポイ捨てとか、そういったことの防止のためにも、屋外喫煙所の整備ということは重要であろうと考えております。こうした喫煙所の整備というのは基本的には各自治体等が行っているところでございますが、委員ご指摘のように、たばこ会社においても喫煙所に対する整備、支援ということを行っておるところでございます。また、先ほどの税収のところと若干関連しますけれども、総務省におきまして各自治体に対して、屋外の分煙施設のより一層の整備を図るために、積極的に地方のたばこ税の活用ということを検討していただきたいという旨の通知も発出しておるところでございます。

五十嵐分科会長ありがとうございます。

では、国松委員、お願いします。

国松委員分科会長、ありがとうございます。ご丁寧なご説明をどうもありがとうございました。

私は1点だけお伺いしたいのですけれども、WHOのFCTCの枠組みについて簡単に教えていただければと思います。日本政府がどのような立場で臨まれているか、例えば、どういう貢献を予定されているかとか、立場の近い国はどのような国があるかといったところを教えていただけますでしょうか。お願いします。

古渡理財局たばこ塩事業室長ご質問ありがとうございます。

FCTCは、2004年に日本は採択しておりまして、アメリカは採択をしていないという特徴もございます。我が国におきましては、外務省を中心に、我々財務省、あるいは厚生労働省といったところがそれぞれの立場によってそれぞれの各種議論に関わってきております。例えば、たばこの広告に関するガイドライン等の議論に参加をしてきておりまして、一応、この条約自体がたばこをどちらかというと減らしていこうというところもあり、我々財務省としては立場として難しい点はありますけれども、一定の貢献をしてきているのかなと。一方で、日本以上にたばこに関して厳しい国は結構ありますので、そういう意味で多少立場が違う面はありますけれども、同じ目標を持って対応してきているのかなというふうに考えております。

五十嵐分科会長それでは、オンラインでご出席されている江川委員、ご質問、ご意見をお願いいたします。

江川委員ご丁寧なご説明をどうもありがとうございました。

2点お伺いしたいのですけれども、1つは、加熱式たばこが伸びているというお話でしたが、この伸びている人の中で、例えば男性とか女性とか青少年とか、属性による違いとかは顕著な傾向があるのかということが1点目です。

それから、2つ目は、先ほど川村委員がご質問になった受動喫煙との関係で、先ほど、地公体等に路上の禁煙、あるいは分煙に関していろいろ配慮を求めているというお話でしたけれども、実際にそういったことというのは進んでいるのか、実態としてどうなのかということを把握されている限りで教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

古渡理財局たばこ塩事業室長ご質問ありがとうございます。

まず1つ目、加熱式たばこについてでございます。これは厚生労働省のほうで調査をしておりますけれども、加熱式を喫煙する者という意味では、男性でいえば、30代とか20代の比較的若い方が加熱式を好んでお使いになる傾向があるようでございます。女性に関しましても基本的には同様の傾向がございまして、やはり30代が一番多く、次いで20代、40代という順番になっております。傾向といたしましては、最近開発された新しいものでもございますので、比較的若い世代の方がお使いになっているのかなというふうに捉えておるところでございます。

それから、2点目、受動喫煙でございます。この点については、改正健康増進法が昨年4月に全面施行になったというところで、路上の分煙は恐らくある程度は進んでいるのだと思いますが、コロナ禍等もありまして、必ずしも十分でない点もあるのかなと思います。そのような関係で、小売販売業者等は、やはり喫煙所の整備というものを強く地方自治体等に要望なさっているという部分もあろうかと思います。

以上でございます。

五十嵐分科会長そのほか、ございますか。よろしいですか。

安藤委員がございますか。どうぞ。

安藤委員質問というよりもコメントになるかと思いますけれども、よろしいでしょうか。

五十嵐分科会長どうぞ。

安藤委員宮島委員からたばこ生産農家についての質問がありました。たばこ生産の面積が縮小して、生産者も減少している中で、たばこ生産は一部の地域に集中が進んでいると思われます。そうした地域ではたばこは重要な作物になっていて、特に、中山間地域では鳥獣被害に遭わない確実な現金収入が得られる作物になっています。一部の地域に限定されるかもしれませんが、たばこはかなり重要な作物になっている地域があるというのが1つ目の補足的なコメントになります。

川村委員からのたばこ税の収入の話がありました。これに加えてJT株からの配当もそれなりの金額になっていたと記憶しております。財政がかなり厳しい中で、JT株の売却が今後求められることがあるかもしれませんが、その場合、そうした株からの配当収入というものも1つの論点になるのかなと思って川村委員のお話を伺っておりました。

私からはコメントだけで、特に回答を求めるものではございません。以上です。

五十嵐分科会長貴重なコメントをありがとうございました。

ほかはよろしいですか。

牛窪委員が手を挙げていらっしゃいます。お願いいたします。

牛窪委員丁寧なご説明をありがとうございました。

1点だけごめんなさい。タスポの件なんですけれども、先ほど、販売の形態のところで、自販機というか、小売店でどのくらいというご説明があったのですが、タスポ自体がどれぐらい使われているかということをお聞きしたいと思いました。発行はたしか1,000万枚ぐらいだと以前ご説明があったかなと思うんですが、実際はどれぐらい使われているかということを伺えれば思います。財務省さんから予算は出ていないと思うんですけれども、実際、私も取材を受けるときなどによく質問を受ける事項なので、ぜひちょっとお聞かせいただきたいと思ってご質問しました。

古渡理財局たばこ塩事業室長ご質問ありがとうございます。

タスポについてでございます。タスポの累計の発行枚数は、委員のおっしゃるとおり、約1,000万枚強となっておるところでございます。ただ、これは3年間の有効期限というものがございまして、どれだけ皆様が更新をなさっているかという意味で、アクティブユーザーがどの程度かはちょっと我々としても把握をしておらないというところでございます。なお、まさにおっしゃるとおり、タスポに関する経費は財務省からは負担しておりません。

以上でございます。

五十嵐分科会長ほかはよろしいですか。

それでは、もしほかにご意見等がございましたら事務局までお寄せいただきたいと思います。本件につきましてはここで終了させていただきたいと思います。

続きまして、たばこ製造業における取組状況(事業及び地球温暖化対策)につきまして、事務局と日本たばこ産業株式会社からご説明を頂きたいと思います。

これから日本たばこ産業株式会社の関係者の方がご入室されます。そのまましばらくお待ちください。

(関係団体入室・着席)

五十嵐分科会長それでは初めに、事務局から地球温暖化対策に係る背景につきましてご説明をお願いします。

古渡理財局たばこ塩事業室長それでは、資料5-1、地球温暖化対策計画についてご説明申し上げます。

2020年以降の地球温暖化対策を定めましたパリ協定が平成27年に採択されたことなどを踏まえまして、平成28年5月に地球温暖化対策計画が閣議決定されておるところでございます。その中で、我が国の中期目標といたしまして、その時点のものですけれども、2030年度において、2013年度比26%減、また、2020年度の温室効果ガス削減目標につきましては、2005年度比3.8%減以上の水準にするということが目標とされておるところでございます。

この目標の達成のための対策・施策といたしまして、下段のほうに書いてございますけれども、産業界の各業種が計画を策定し、定期的な評価・検証を踏まえ随時見直しを行うということとされております。

次のページですけれども、一番下のところでございます。政府は、各業種により策定されました計画に基づいて実施する取組につきまして、関係審議会などによりまして厳格かつ定期的な評価・検証を実施することとされております。たばこ製造業におきまして、JTさんがございますので、本日は同社よりたばこ製造業界における地球温暖化対策、あわせて、事業に関する取組につきましてご案内を頂ければと思っております。

以上でございます。

五十嵐分科会長どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、たばこ製造業における取組状況につきまして、日本たばこ産業株式会社の菊池執行役員と、それから、妹川執行役員からご説明を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。

菊池執行役員ただいまご紹介いただきました、JTで総務担当をしております菊池でございます。よろしくお願いいたします。

初めに、委員の皆様におかれましては、日頃より当社事業に関しましてご理解とご関心を賜り誠にありがとうございます。

それでは、早速ではございますが、当社の概要及び事業活動を私よりご説明させていただきますので、資料の2ページ目をご覧ください。まず、当社の概要ですが、1985年の会社化以降、海外たばこ事業のM&Aや事業の多角化、その後の選択と集中の結果、現在では国内・海外たばこ事業、医薬事業、加工食品事業を4つの柱として事業展開をしております。2020年の実績は、当社グループ全体で、売上収益は約2兆900億円、事業そのものの実力を明確にした調整後営業利益は約4,900億円となっております。

続いて、3ページ目をご覧ください。当社は、経営理念として、お客様を中心として、株主、従業員、社会の4者に対する責任を高い次元でバランスよく果たし、それぞれの満足度を高めていくという4Sモデルを掲げております。中長期にわたる持続的な利益成長につながる事業投資を最優先し、これによる利益成長と株主還元のバランスを重視していくことが企業価値を継続的に向上させ、それぞれのステークホルダーにとっての価値を最大化できると確信しております。

続いて、4ページ目をご覧ください。以降、各事業の概要をご説明させていただきます。

まず、たばこ事業についてですが、国際的な政治情勢の変化や為替変動リスクなどに加え、コロナ禍により不確実性は一層増大していると認識しております。また、紙巻たばこは総需要の減少や低価格帯への移行の影響を受ける一方、現在、市場の約26%を構成する加熱式たばこの更なる伸長など、これまでのトレンドが加速しているものと考えております。引き続き当社においては、紙巻たばこはキャッシュ創出の源泉、加熱式たばこは将来の事業成長の柱と位置づけ、必要な資源を積極的に配分してまいりたいと思っています。

続いて、5ページ目をご覧ください。こうした環境認識のもと、長期的な事業環境を見据えた持続的な成長の実現に向け、競争力、収益力を強化すべく、今般、改めて優先投資カテゴリを定義しております。具体的には、高温加熱型の加熱式たばこと紙巻たばこに経営資源を集中させ、お客様のニーズ、期待を超える製品、サービスを提供すべく、当社グループの持つリソースを結集してまいります。その中でも、資源配分の最優先は高温加熱型の加熱式たばことし、JTと海外たばこ事業を担うJTIとが一体となって開発を進めている次世代製品の投入、拡大をグローバルベースで展開してまいります。また、キャッシュ創出の源泉である紙巻たばこについては、効率的な投資によるシェア成長と同時に、収益性の向上に取り組んでまいります。

続いて、6ページ目をご覧ください。これらの実現に向けたたばこ事業における事業運営体制の強化についてご説明をいたします。まずは、たばこ事業の運営体制の一本化についてです。加熱式たばこカテゴリにおいて、グローバルで競合に伍していくためには、現在の海外たばこ、国内たばこの2つの事業体制を統合させ、グローバルベースでのリソースの最大活用と明確な優先順位づけによる迅速な資源配分を行ってまいります。また、日本国内は我々グループの利益の約3分の1を占め、かつ、加熱式たばこの最大市場でもある重要なマーケットです。将来にわたって持続的な利益成長を果たすために、お客様満足向上に向けた体制構築及び事業量に応じた体制への見直しを行います。具体的には、営業支社を全国47都道府県に設置するなどの営業組織の再編や、製造余力解消のための一部工場の閉鎖、及びこれらに伴う希望退職の募集等を実施してまいります。

続いて、7ページ目をご覧ください。医薬事業につきましては、国内、海外共に引き続き薬価の引下げが見込まれるなど、事業環境は厳しいと認識しておりますが、開発品及び導出品の価値最大化に加え、導出入の機会も積極的に探索し、事業基盤の拡充に努めてまいります。また、当社グループであるテーブルマークが担う加工食品事業につきましては、中核である冷食・常温事業において、より収益性の高い商品の販売強化など、更なる選択と集中を通じて成長を図るとともに、生産性の向上に向けた最適な体制構築も着実に推進してまいりたいと思っています。両事業とも引き続き当社グループの利益成長を補完するものとして、適切な事業運営を行ってまいります。

続いて、8ページ目をご覧ください。これまで各事業の取組等についてご説明いたしましたが、長期的な事業成長を支えるサステナビリティへの取組が重要であることは言うまでもありません。また、当社の経営理念であります4Sモデルの考え方と非常に親和性が高いと認識しており、従来から経営の中核に据えております。当社グループのサステナビリティ戦略は、我々が社会と共に持続的に成長するために取り組むべき重要な課題を特定した上で、グループ全体に共通する事業継続に不可欠な3つの基盤と、各事業の特性を踏まえて優先的に取り組む注力分野とその目標を策定しております。こうした具体的な活動を通じて、スライドにお示しする9つの関連するSDGsの目標の実現に向けて貢献してまいりたいと思っております。なお、本日は時間の都合上、説明は割愛させていただきますが、当社のサステナビリティの主な取組につきましては参考資料に記載しておりますので、後ほどご確認いただければと存じます。

今後ともお客様、株主、従業員、そして、社会から必要とされる存在であるために、JTグループの弛まぬ進化に取り組んでまいりたいと思っております。

以上、当社の概要及び事業活動についてご説明させていただきました。

引き続き妹川より地球温暖化対策の取組みの説明をさせていただきます。ありがとうございました。

妹川執行役員それでは、引き続きよろしくお願いいたします。JTのサステナビリティマネジメントを担当しております妹川と申します。本日はお時間を賜りましてありがとうございます。

本日は、弊社グループにおきます地球温暖化対策の取組につきまして、主に弊社が2019年に策定いたしましたJTグループ環境計画2030、こちらの取組を中心に資料に沿ってご説明させていただきます。お手元の資料並びに画面のほうの資料をご確認いただければと思います。

まず、目次でございますが、本日は記載のとおりの内容に沿ってご案内させていただきます。

では、早速3ページに移りたいと思います。まず、業界と当社グループの概要でございます。皆様ご存じのとおり、日本国内で製造業としてたばこ製造を行っておりますのはJT、1社でございますので、企業数・団体加盟企業数は1社となります。表の数値は、国内たばこ事業や医薬事業など、JT単体の売上規模を記載しているということをご確認いただければと思います。

今般ご案内させていただきますJTグループ環境計画2030でございます。こちらは2019年に策定しておりますが、目標年を2030年としまして、直接的温室効果ガスの削減に加え、間接的温室効果ガスの削減も企図して計画を策定いたしました。また、再生可能エネルギーの導入につきましても新たに目標を設定して導入を推進しているところで、計画に基づき新たな取組が緒に就いたというふうにご理解を賜れればと思います。

具体的にサマリーを4ページでご案内させていただきたいと思います。JTグループ環境計画2030でございます。こちらにつきましては、海外たばこ事業も含めましたJTグループ全体が、対象となっております。具体的な環境負荷軽減に向けた取組としまして3つの目標を掲げております。そちらをご案内させていただきたいと思います。

まず1点目としましては、当社グループが直接使用します燃料、それから、電気等のエネルギーに起因して発生します直接的温室効果ガスの排出、いわゆるスコープ1・2と一般的に呼ばれておりますが、こちらにつきましては、2015年比で2030年までには32%削減するという目標を2019年に策定しております。

続きまして、間接的に排出する温室効果ガス、いわゆるスコープ3と呼ばれておりますが、これのうち、排出割合の最も高いカテゴリとなります購入する原材料・サービスに由来する排出量を23%削減するという目標を設定しております。なお、そのうち、葉たばこ調達に関連する排出量につきましても削減目標を具体的に策定しております。こちらは後ほどご案内させていただきます。

最後に、事業活動で使用する電力につきまして、2030年までに25%相当を再生可能エネルギー由来とするものに変えていくという目標を定めております。

参考の項目に記載しておりますが、この削減目標はパリ協定の目標達成を前提としました科学的根拠に基づいた長期的目標としまして、SBTイニシアチブという団体が提案したルールがございます。この団体は、2015年にWWFやCDP、国連グローバル・コンパクト、WRIが共同で設立したものでございます。そして、こちらのイニシアチブから認定を取得し、係るルールに基づいて算定をしたという数字でございます。ちなみに、SBTは Science Based Targets と呼ばれておりますが、世界の気温上昇を産業革命前と比べて2度未満に抑えるための科学的根拠に基づく温室効果ガスの削減の指標というガイドラインでございます。なお、当該団体より認定を受けることについてはパリ協定に準じた内容であると認識していただければと思います。

それでは具体的な説明に入りたいと思います。5ページでございます。進捗等を併せてご案内させていただきます。まずは、直接的温室効果ガス排出量の推移でございます。なお、こちらに記載しております数値につきましては、国際的なルールに則って、過去の排出量の数値をアップデートしております。具体的には、GHGプロトコルに則って買収や資産の売却等の影響を除き、同一条件で比較させていただいているとご理解を賜れればと思います。総論でいきますと、現在、2030年の目標に対しましては、JTグループ全体で2015年比14%削減まで来ております。順調に推移していると見ております。2030年目標のマイナス32%に対して、2019年時点での目安はマイナス8.6%と想定しておりましたが、現在ではマイナス14%に来ているとご認識を賜れればと思います。

6ページでございます。間接的温室効果ガス排出量につきましてご案内させていただきます。最も大きい排出源となっておりますのは、先ほども申しました購入する原材料とサービス由来の排出量でございます。こちらにつきましては、葉たばこ調達関連の一時的な増加がございまして、2019年は基準年と比較して一定程度増加となっております。ただし、こちらはそもそも一時的に増加し、その後低減されるということを見込んでおりましたので、計画上はインラインの数字でございます。一過性で上がっているとご認識を賜れればと思います。現在、これらの起因となりました葉たばこ産地で、削減の取組を目標達成に向けて継続しているというところが現状のステータスでございます。なお、参考までに、右下の円グラフにて、2019年当社のグループにおきますバリューチェーン全体の温室効果ガスの排出量、また、排出別の割合を記載しております。前述の直接的排出量は、円グラフでいきますと緑の一番上の9%程度、つまり、大宗は間接的排出量で占めているというのが現状でございます。そのうち、赤枠で示しているとおり、購入する原材料とサービス、こちらに由来するもので72%を占めているというのが当社グループの現状でございます。

続きまして、7ページでございます。再生可能エネルギーの導入に関してでございます。こちらも緒に就いたところでございますが、使用電力に占めます再生可能エネルギーの割合は、2019年は13.9%までに至りました。目標年であります2030年の25%に対しては一定程度順調に推移していると認識しているところでございます。ただし、こちらはグループ全体の数字でございます。JT単体、つまり、ほぼ国内とご理解を賜れればと思いますが、太陽光発電パネルの設置やグリーン電力証書の購入といった取組を継続して行っておりますが、まだまだこれからの伸び代に期待するところかと思っております。グループ全体に占める割合としては僅少というのが現状でございます。

続きまして、8ページでございます。主な削減施策を何点かこちらでご案内しております。ポイントとしましては、例えば製造部門で、冷凍機、ボイラー等の更新といった施策や、グリーン証書の購入等を実施したという例をご案内させていただいております。後ほどご確認を賜れればと思います。

続きまして、9ページでございます。環境マネジメントに関しましては、工場でのISO14001の取得や、工場以外でもそのレベルに応じたマネジメントシステムを導入し、環境負荷の低減活動を行っております。その他、詳細がございますが、資料に記載のとおりでございますので、ご覧賜れればと思います。

最後になりますが、10ページでございます。今後も弊社の地球温暖化対策への取組は非常に重要なミッションと定義しておりますので、不断の計画の見直しとセットで、あらゆる施策、取組を通じて貢献をしてまいりたいと思っているところでございます。

駆け足となりましたが、私からのご案内は以上となります。

五十嵐分科会長ご説明ありがとうございました。

では、事務局と参考人から頂きましたご説明に対しましてご意見、ご質問を頂きたいと思います。テレビ会議システムで参加されている方は「挙手ボタン」を押してください。初めに、会議室にお集まりいただいている委員の方からご質問、ご意見を頂きたいと思います。

それでは、川村委員からどうぞ。

川村委員ありがとうございます。ご懇切な説明を頂きまして大変勉強になりました。

幾つか申し上げたいのですけども、まず最初に、JTは、会社としては国が重要な株主である中、今後のエクイティーストーリーについてどう考えていったらいいのかということなんですね。ご説明で、いろいろ多角化されていて、2ページにあるように、加工食品、医薬事業等々に出ておられるわけですが、やはり、内外合わせて、まだまだ圧倒的にたばこ事業のウエートが高い。ここのところを今後どう考えていくべきなのか。それで、マーケットをどう評価するのか、JTの経営戦略としてここをどういうふうに説明していくのかということがまず1点目であります。

それから、2点目はやや細かくなって、ちょっと気になるところは何かといいますと、4ページ、5ページなんですけども、ここで言っているのは、要するに、投資もほぼ終わって、あまり新たなものがかからない紙巻たばこでいっぱいもうけます。それを加熱式たばこのほうに投入しますというふうに読めるのですが、一方でサステナビリティとかSDGsを標榜されているわけですが、そういうサステナビリティとはちょっと違うのではないかと。現実は分かっています。ちなみに、私自身は紙巻たばこと加熱式たばこと両方吸っている、加熱式を吸うとまた紙巻たばこが吸いたくなる、一日吸っている人間であるということを前提に申し上げておきますと、JTとフィリップモリスが行ったり来たりしているわけですけども。ただ、そうはいっても、4ページ、5ページの紙巻たばこと加熱式たばこのデマケというか、一方でもうけてこっちでみたいなことは、かなり抵抗がこの世の中ではあるのではないかなと非常に気になるところであります。それについて伺いたいなと思うんです。

それから、CO2、環境問題の絡みで伺いたいのは、これはまた、加熱式と従前の紙巻たばこと、直接、間接を含めて部門別で見たときに、CO2の排出はどうなのか。紙巻たばこは、確かに乾燥させるとか、それから、もっと言えば、吸うときに煙を出す。ちなみに、CO2の室内の計測器で測ってみますと、こういうきれいなところは400から450ぐらいでありますけども、2メートルぐらい離れて1吸いすると1,200ぐらいまでいっちゃいますね、紙巻たばこのCO2というのは。すごいなと思うわけです。水蒸気しか出さないはずの加熱式も実は上がります。600から700まで上がります。ただ、そういう中で、加熱式たばこもリチウム電池だ、何だかんだといっぱい部品があるわけですから、ここを全部トータルで考えたときの、EVの議論ではないですけども、トータルのCO2の排出というのはどういうふうに捉えておられるのか、ちょっと教えていただきたいなということです。

もう1つは、先ほど出た加工食品、直接、間接ということでご発表がありましたけど、事業部門別で見たときのCO2の排出というのはどんなものなのか。

あと、再生可能エネルギーの活用についての大変力強いお話があったのですが、最近は、水素を燃やして水だけになる、CO2はゼロだし、それを燃料とかにしたらいいのではないかと、水素研究が非常に今は盛んだという話も聞いていますが、そういう分野についてのJTとしての研究とか、あるいは利用についてご検討をされているのかということをお聞きしたいと思います。

ただ、総じて非常に環境に対しての取組はJTさんはかねてから大体超過達成しておられて、これは大変頼もしいと思っております。

以上です。

菊池執行役員川村委員、ご質問ありがとうございます。

当社グループのエクイティーストーリー、つまりどのような形で将来の成長に繋げていくのかということにつきましては、まずは、先ほども申し上げたとおり、過去において様々な事業の選択と集中を繰り返した結果として、利益成長の中核である国内外のたばこ事業と、それを補完する医薬・加工食品事業という事業ポートフォリオを構築していることを改めてご認識いただければと思います。

そうした中、全体の約9割の売上収益を占めるたばこ事業においては、多様なお客様のニーズにお応えすべく紙巻たばこと加熱式たばこを展開しており、それぞれをどのように伸ばしていくのかが今後の成長につながると思っています。足元では、市場が成長している加熱式たばこに経営資源を分散ではなく集中して配分していくことが今後グローバルで競争に勝っていくために必要であると考えていますが、私どもは、紙巻たばこ・加熱式たばこの両方とも重要であるというスタンスに立ち、いかに両立を図っていくかということが重要であると思っております。よって、先ほど紙巻たばこから得たキャッシュを加熱式たばこに回すのかというご意見であったかと思いますが、そうした発想ではなく、トータルとしての資源配分をどのようにすればよいか、どうバランスさせるかが我々の将来にわたる成長の実現につながると考えているところでございます。

妹川執行役員私のほうから、ご質問について簡単にご案内させていただきたいと思います。

まず、順不同になりますが、事業ユニット単位という意味では、もちろんモニタリングをしておりますが、具体的に何割、何割というような開示には至っていないのが現状でございます。イメージとしては、当社の事業量はたばこ事業が大宗でございますので、CO2の排出量、あるいは由来する量も、事業量とほぼ相応の割合とご認識いただければと思っております。

また、ご指摘いただいた紙巻たばこと加熱式たばこ、いわゆるRRPと我々は申していますが、どちらがCO2の排出が多いのかということについては、現在我々も、どのように算定して把握すべきか、ということのトライをしているところでございます。具体的には、紙巻たばこを燃焼して吸いますと、その瞬間で確かにCO2が排出されますが、原料となっている葉たばこ自体は植物であり、大気中のCO2を吸い取って生育されていて、燃焼して発生するCO2と葉たばこが取り込んだCO2が相殺しているというふうに理解できます。一方、委員のご指摘のとおり、RRPというものは充電して使用する形式が現在は多いため、充電のときにご家庭でどのようなエネルギーを使われているのかによっても変わってきますので、一概には比較しにくいというのが現状でございます。こちらはどのようにトレーサビリティーを担保していくのか、あるいは、トレーサビリティーが可能かどうかに関わらず、どのように算定していくのかということも課題と思っており、現在その検討も進めているとご認識を賜れればと思います。

また、水素エネルギーの関係もございましたが、弊社自体がそのインテリジェンスを持って何かをやれているということではございませんが、我々も非常に関心がございまして、そのようなコンソーシアムや、様々な業界団体ともコミュニケーションを取っているところです。どのような可能性があるかということは、個別に様々なネットワークを通じて研究の概要を聞いたり、あるいは、我々の知見、インテリジェンスの向上に努めていたりというところがございまして、何かしら貢献できることがあればと考えているというのが現状でございます。

以上、お答えを申し上げました。

川村委員ありがとうございました。

五十嵐分科会長それでは、宮島委員、お願いします。

宮島委員ありがとうございます。

今のお話の紙巻たばこのところは、私も地球温暖化対策との関係でちょっと気になったのですが、今のご説明で、トレーサビリティーがまだこれからということですね。

7ページの再生可能エネルギーの導入を拝見しますと、海外においては相当使用が増えているけど、日本はまだこれからということですが、この理由は、単純に日本の再生エネルギーが手に入りにくいとか高いとか、そういうことなのか。それとも、やはり海外のほうがCO2の対策に対して世の中の目とか、そういうものが厳しいから、そういった要素、あるいは、そういうものが影響しているのかどうか。プラス、先ほどの紙巻たばこは、印象としてはやっぱりCO2を出すかなと思っちゃうのですけれども、そういうようなことに対する目が海外でどうなのかということが1つです。さらに言いますと、今、順調に計画が進んでいるというふうには理解しておりますけれども、ちょうど昨日、日本は2030年度で46%削減ということを総理がおっしゃったので、恐らく、それぞれの事業体に関して、もうちょっと積上げができないかというようなお話があると想像されます。そういったことに関してどのようにお考えか、よろしくお願いいたします。

妹川執行役員ありがとうございます。

まず、計画そのものにつきましては、弊社も、2019年に策定したとはいえ、不断に見直すべきではないかという観点で考えております。そのような意味では、現在の我々の計画では先ほどSBTに基づく目標ということを申し上げました。こちらは2度上昇に抑えることを想定したシナリオをベースに策定したものでありますが、1.5度の上昇に抑えるというシナリオでの検討の必要性も認識しております。今般の日本政府の方向性に即した内容、あるいはそれを上回るような形で何かしら検討できればというところでございますので、少々お時間を賜れればというのが現状でございます。

また、もう1点について、弊社の海外たばこ事業の本社はスイスのジュネーブにございますが、欧州は再エネのマーケットも存在して、日本より手に入れやすいということがございます。そのような意味では、日本は、もちろんマーケットがないわけではないのですが、どうしてもマーケットバリューで言うと少し高めになっているという現状でございますので、今日時点だけでは一概に比較することは難しいかと考えております。再エネのマーケットがもっと拡大していくと、我々としても導入しやすいということがありますので、これを待つだけではなくて、そのような促進も含めてどのように貢献できるかということを検討していくが今のステージとご理解を賜れればと思います。

五十嵐分科会長続きまして、オンラインで参加されている委員の方から頂きたいと思います。

まず、荒谷委員からお願いします。

荒谷委員大変詳しく説明をしていただきましてどうもありがとうございました。

1点お伺いしたいのですが、今のご質問とちょっとかぶる点があるかと思いますが、7ページのところで、2019年は13.9%と順調に推移しているとおっしゃっていましたけれども、JT単体で見ますと、2015年からずっと0.0%とか、2018年にやっと0.5%になったと思ったら、2019年にまた下がったりしていて、ほとんど単体のほうでは進んでいないように見えます。確かに、全体像を見ますと13.9%と目標に近づいて努力されているのは分かるのですけれども、JT単体としては全然再生可能エネルギーの導入が進んでいないように思われるのですが、その原因は何なんでしょうか。あと、どういう努力をしようとされているのか、ちょっとお伺いしたいと思いました。よろしくお願いいたします。

妹川執行役員ありがとうございます。

先ほどのご回答にかぶるところがございますが、ご指摘のとおりでございまして、ここは、単体ベースで見るとまだまだこれからというところで、努力していきたいと考えております。決して国内を軽視しているとか、そういうことではございません。メニューやツールがどれだけ出てくるのかというところも見極めながら導入していきたいと思っています。例えば、国内の製造拠点では、工場の上に太陽光発電装置を置き、発電エネルギーを使っていくという方法もございますし、あるいはグリーン証書という形で購入するという方法もございます。いずれにしましても、まだまだ削減の余地はあると考えております。そういう形で再エネを進めつつ、小さな努力ですが、各拠点の電気をLEDに変える、あるいは、執務環境上において節電をする、そのようなこともセットになって取り組んでいるということでございます。他のサプライチェーン、あるいはグローバルベースで見ると、確かに相対的には弱く見えますが、日本国内においてもしっかり進めていきたい、そのような現状とご理解を賜れればと思います。

五十嵐分科会長続きまして、泉水委員、お願いします。

泉水委員ありがとうございます。

私のほうからも似たような質問なんですけれども、今の資料の1ページ前、6ページをちょっと拝見しているのですが、これについて、温暖化対策を頑張っておられるということはよく理解できるし、いろいろなことをやられていると思うんですが、国内におけるガス排出量の減少、これは結構大変なのかなということを拝見しながら6ページを見ているのですけれども、対策として、燃焼効率の高い乾燥室の導入等となっておりますが、たしか、葉たばこ農家の数とか推移とか規模とか収入等を見ると、減少傾向にあって、決して規模も拡大はしていないという感じになるのですが、これはどの程度可能なのでしょうか。つまり、燃焼効率の高い乾燥室を導入すると、それなりに費用がかかりますね。この分野については私はよく分からないので発言をするのですけど、葉たばこ農家については、規模が拡大していけば、それによって効率が増して、それによって生産性が高まるというようなことがある程度期待できるのでしょうが、そのような期待ができるのでしょうか。例えば会社化するとか、野菜なんかの場合は、大規模にして買い取らせることによって相当利益がうまくいっているということもありますが、葉たばこについてはどうなのかということが1点です。

もう1点は再生可能エネルギーの利用ということでありますが、葉たばこ農家について考えてみますと、葉たばこ農家は南のほうと北の遠くのほうに集中しているのではないかと思うんですけども、南のほうについては、例えば九州については太陽光が非常に広くあって、あまりにも生産量が多過ぎて連携線から切断するというようなことも起こっているぐらいですので、九州のようなところでは太陽光の導入ということで一定程度対応できるのかなという印象を持っているのですが、そうなのかどうかです。それから、他方で、東北のほうについては太陽光についてはあまり期待できない。もちろんパネルはたくさん設置されていますが、日照の関係で生産量はそんなに高くないと思いますし、他方、風力はかなり、青森とかにたくさんあるわけですけれども、そうはいっても、全体の中に占める風力発電の割合は少ないと思いますので、今後はどれだけ再生可能エネルギーへの転換ということが期待できるのかなという、この辺りの見通しがございましたら教えていただきたいと思います。

私からは以上です。

妹川執行役員ありがとうございます。

1点目のご質問でございますが、例えば、国内の葉たばこ農家様につきましては、環境負荷軽減型の循環乾燥室の導入ということが1つの削減に資する取組みでございます。こちらは導入に1台当たり数百万円かかりますが、その3分の2の助成をJTからさせていただき導入を促進する等、サプライチェーンの観点から、我々もしっかり取組ませていただいているということを1例としてご案内させていただければと思います。

次に、2点目でございます。ご指摘のとおり、再エネといいましても、例えば太陽光1つを取っても、日照等、エネルギー効率の問題がございます。よって、太陽光パネルの設置も然りでございますが、それに至らない場合は、グリーン証書の購入や、そもそも電力会社が提供する再生可能エネルギーを利用するといったことの推進に努めてまいりたいという現状でございます。

以上、簡単ではございますが、ご回答をさせていただきました。

五十嵐分科会長では、江川委員はどうでしょうか。

江川委員どうもありがとうございます。Science Based Targets を含めて環境への対応をすごくしっかりやっていらっしゃるのはすばらしいと思いました。2点ご質問、あるいはコメントをさせていただければと思います。

1つ目は、先ほども何人かの委員がご質問された加熱式たばこと紙巻たばこの環境負荷に関することなんですけれども、先ほどのご説明で、どちらが高いかということは判断しにくいと。それで、特に、加熱式たばこに関しては充電時の電力のお話がございました。もう1つ、加熱式たばこというのは、少量ではありますけど、金属とかプラスチックとか、そういうものが使われていて、全部が環境に戻る紙巻たばこに比べると製品そのものは環境には優しくないなというふうに思っておりまして、できれば、体にもよくて環境にもいい本当の新製品というものを開発していただくイノベーションの努力を続けていただければなというふうに思っております。なぜこういうことを思いついたかというと、私たちはずっと、例えば自動車も、EVというのは無理だというふうに思ってきたわけですけれども、やはり環境の問題が非常に重要だということで、今、だんだんそういうことが現実的になってきているので、たばこの分野でももしそういうものができれば、いろんな課題が解決できるかなと思いました。

それから、2点目はサステナビリティで、8ページのところにSDGsのことが書いてあって、これは環境だけではなくて、社会のいろんな課題も含まれていると思います。実際、8ページのところに人権の尊重とか、そういうものも入っているのですけれども、例えば、持続可能なサプライチェーンの構築という観点で、発展途上国での児童労働ですとか、劣悪な環境を避けるとか、そういったことは既にやっていらっしゃると思いますが、その分野の目標、それから、日本の会社は女性の活用が進んでいないということで、女性の活用に関して目標を掲げていらっしゃる会社もあるのですけれども、それについてもお伺いできればと思います。よろしくお願いします。

妹川執行役員ありがとうございます。

1点目、ご助言等をありがとうございました。加熱式たばこの特性を踏まえまして、どのような環境負荷があるのかということは、しっかり計画を立てていきたいと思いますし、製品の開発も然りでございます。また、サプライチェーンマネジメントも通じて、貢献していきたいと思っております。それから、リサイクルの概念も出てきたかと思いますが、こちらもトータルパッケージで、どのように弊社として貢献できるかということが重要なテーマだと思っておりますので、その観点も踏まえながらしっかり対応していきたいと考えております。

また、SDGsへの貢献、例えば、女性マネジメントの比率も、2030年までにグループ全体で25%に引き上げていこうと再定義する等、ターゲットをアップデートしたところでございます。各方面で、まさしくサステナビリティに資する様々な取組、人権の問題も含めてですが、個別で具体的な目標を設けて取組んでいるところでございます。詳細は割愛させていただきますが、児童労働撲滅も1つの大きなテーマとして掲げておりまして、具体的な取組を各国で進めているという現状でございますので、そのように理解を賜れればと思います。

江川委員分かりました。どうもありがとうございました。

五十嵐分科会長大分時間も押しておりますので、これで最後です。牛窪委員、手短にお願いいたします。

牛窪委員今日はありがとうございました。SDGsの取組をJTさんがここまでやられているというのはすごく勉強になりました。ありがとうございます。

今の江川委員のご質問と共通するのですが、JTさんはたばこリサイクルプロジェクトというものをやられていると思います。その中で、加熱式もそうなんですが、紙巻たばこも、恐らくプラスチックとか、リサイクルの試みをされていると思うので、今分からなくても、どのくらい実際進められているかとか、あと、加熱式に関しては、多分最近始められたと思うので、店頭での反応とか、そういった現場の状況も、何かの機会に伺えればと思いました。すばらしい試みだと思うので、もうちょっと具体的に知りたいというところが1つです。

それから、もう1つは新型コロナ関連なんですが、ちょっとおっしゃりにくいかもしれないですが、分煙コンサルティング活動もされていると思います。ただ、これは飲食店に対してはある程度されていると思うんですが、企業ですね。企業さんによって結構取組みにばらつきがあるようなのが気になります。今、喫煙所が1つの新型コロナの感染源になっているのではないかというような言われ方もしていますけれども、JTさんのほうでその辺りの指針を出していらっしゃったりとか、例えばポスターをこういうふうに出しなさいと指導しているとか、何かありましたら教えてください。私が取材した限り、自治体さんが行っているところもあるようなんですけれども、かなりばらつきがあるようなので、その辺りについてJTさんのほうで指針を出されているようであれば教えてください。

菊池執行役員牛窪委員、ご質問ありがとうございます。新型コロナの関係について、少し私のほうからご説明します。

私どもでは、喫煙所の中において、ソーシャルディスタンスを取ること、長居をしないこと、会話を控えることなどの呼びかけのツール、ポスターやステッカーを作成して貼付させていただいております。また、喫煙所を設置している企業の皆様に対しても、自治体でお示しされているガイドラインを情報提供するなどの形で、分煙コンサルの一環として積極的に活動を進めているというところでございます。

以上です。

五十嵐分科会長どうもありがとうございました。

大分時間も超過いたしておりますので、ここまでにしたいと思います。

日本たばこ産業株式会社の菊池執行役員と妹川執行役員におかれましてはここで退席をされます。どうもありがとうございました。

(関係団体退室)

五十嵐分科会長それから、今日はたくさんご意見を頂きましたので、事務局におきましてはこれをまとめまして、引き続き適切に事務を進めていただきたいと思います。

ほかにもまだ追加でご質問等がございましたら、後ほどで結構ですから、事務局までお寄せいただきたいと思います。

本日の会議資料につきましては、会議の終了後に財務省のホームページに掲載をいたしたいと思います。それから、議事録につきましては、委員の皆様のご了解を頂いた後に財務省のホームページに掲載したいと思います。

本日の分科会はここまでにしたいと思います。

全体を通して何か発言されたい方がもしありましたらお願いしたいと思いますが、いかがですか。よろしいですか。

それでは、本日はお忙しいところご出席いただきまして誠にありがとうございました。これにて閉会いたします。

午前11時28分閉会