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たばこ事業等分科会(平成31年4月25日開催)議事録

財政制度等審議会
たばこ事業等分科会(第41回)
議 事 録

平成31年4月25日
財政制度等審議会

財政制度等審議会 たばこ事業等分科会(第41回)議事次第

平成31年4月25日(木)10:30~11:40

財務省国際会議室(本庁舎4階)

  • 1.開会

  • 2.各委員挨拶

  • 3.分科会長互選等

    • マル1分科会長互選

    • マル2分科会長挨拶

    • マル3分科会長代理の指名

    • マル4部会の設置及び委員・部会長の選任

    • マル5分科会の運営等

    • マル6理財局長挨拶

          
  • 4.たばこ製造業の地球温暖化対策に係る取組について

  • 5.質疑・応答

  • 6.たばこ・塩を巡る最近の諸情勢について

  • 7.質疑・応答

  • 8.閉会

  • 配付資料

    資料1財政制度等審議会たばこ事業等分科会名簿
    資料2財政制度等審議会関係法令等
    資料3定価等部会の設置及び同部会に付託する事項等について
    資料4-1たばこ製造業の地球温暖化対策に係る取組について
    資料4-2

    たばこ製造業の地球温暖化対策に係る取組について

    (日本たばこ産業株式会社説明資料)

    資料5たばこ・塩を巡る最近の諸情勢について
  • 出席者

    分科会長

    五十嵐

    可部理財局長

    古谷理財局次長

    井口理財局総務課長

    小坂田理財局たばこ塩事業室長

    関係団体

    日本たばこ産業(株)

    菊池執行役員

    小川執行役員

    委員

    安藤光義

    宮島香澄

    臨時委員

    門脇

    細野助博

    村上政博

    専門委員

    牛窪

    川村雄介

午前10時30分開会

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕予定の時間となりましたので、ただいまから財政制度等審議会第41回たばこ事業等分科会を開会いたします。

理財局総務課たばこ塩事業室長の小坂田でございます。

皆様方におかれましては、ご多用のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。本日は、4月1日付で財務大臣より任命させていただきました委員の皆様による初会合となります。

分科会長選任までの間、事務局として私が議事進行を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

それでは、まず初めに、分科会長の互選に先立ちまして、委員をご紹介させていただきます。

平成31年4月1日付で、たばこ事業等分科会の委員にご就任いただきました皆様は、資料1の名簿のとおりでございます。私からご出席の委員の皆様を、名簿順にご紹介させていただきますので、各委員におかれましては、一言ずつご挨拶いただければと存じます。

安藤光義委員でございます。

〔 安藤委員 〕引き続き、よろしくお願いいたします。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕五十嵐隆委員でございます。

〔 五十嵐委員 〕五十嵐です。どうぞよろしくお願いします。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕宮島香澄委員でございます。

〔 宮島委員 〕宮島です。引き続きお世話になります。どうぞよろしくお願いします。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕門脇孝委員でございます。

〔 門脇臨時委員 〕門脇です。どうぞよろしくお願いいたします。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕細野助博委員でございます。

〔 細野臨時委員 〕細野でございます。引き続き、よろしくお願いいたします。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕村上政博委員でございます。

〔 村上臨時委員 〕村上でございます。よろしくお願いいたします。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕牛窪恵委員でございます。

〔 牛窪専門委員 〕牛窪でございます。よろしくお願いいたします。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕川村雄介委員でございます。

〔 川村専門委員 〕川村でございます。引き続き、よろしくお願いいたします。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕ありがとうございました。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

なお、本日ご都合によりご欠席でございますが、法政大学法学部の荒谷裕子教授、一橋大学大学院経営管理研究科の江川雅子教授、立教大学法学部の角紀代恵教授が、引き続き委員に就任されましたのでご紹介いたします。

次に、財政制度等審議会令第6条第4項に基づきまして、分科会に分科会長を置き、当該分科会に属する委員の互選により選任していただきます。

分科会長の選任につきまして、ご意見がございましたらお願いいたします。

では、細野委員お願いいたします。

〔 細野臨時委員 〕私は、五十嵐隆委員をご推薦したいと思います。

推薦理由でございますけれども、この分科会に必要不可欠な医学につきまして、豊富なご知見、ご経験をお持ちであるということ、それから国民の幅広い関心を集め、多様なステークホルダーを抱えた極めて公共性の高い政策課題を議論する当分科会で、これまで2年間、分科会長として議論をリードしてくださいました。

私は、分科会長代理の立場で、2年間五十嵐委員のリーダーシップのもとで深く考えさせられ、議論もさせていただきました。よって、五十嵐委員が分科会長として最適任であるというふうに思いますので、推薦させていただきます。

以上でございます。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕ありがとうございます。他にご意見ございますか。

宮島委員、お願いいたします。

〔 宮島委員 〕ありがとうございます。私も、五十嵐委員にお願いしたいと思います。

たばこの問題は、いわゆる財政の問題というだけではなくて、本人の健康の問題、あるいは、昨今では本当に社会環境や子どもたちの成育、いろいろな側面が考えられる非常に重要な問題になっていると思います。そんな中で、多角的な視点からリードしていただける五十嵐委員をご推薦いたします。よろしくお願いいたします。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕ありがとうございます。他にご意見ございますか。

それでは、ただいま細野委員、宮島委員よりいただきました五十嵐委員を分科会長に推薦する旨のご提案につきまして、皆様ご異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕どうもありがとうございました。

委員の皆様のご了解によりまして、五十嵐委員が分科会長に就任されることとなりました。五十嵐委員、分科会長席へお願いいたします。

(五十嵐委員、分科会長席に着席)

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕それでは、五十嵐分科会長よりご挨拶を頂戴したいと思います。なお、その後の議事は、五十嵐分科会長に進めていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

〔 五十嵐分科会長 〕ただいまご指名いただきまして、会長に就任させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

本分科会の仕事は、国民からも注目されております。特に、健康との関係、たばこ事業の今後のあり方、社会の中でどの様な影響を与えるかなど、重要な分野でございます。先生方のご指導、ご支援のもとで、会長を務めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

では、早速議事を始めたいと思います。

初めに、財政制度等審議会令第6条第6項に基づきまして、分科会長に事故があるときは、あらかじめ指名する者が、その職務を代理するということになっております。

ということで、分科会長代理を指名させていただきたいと思います。

安藤先生にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 五十嵐分科会長 〕どうぞよろしくお願いいたします。

続きまして、部会の設置についてです。同じく、財政制度等審議会令第7条第1項の規定によりまして、分科会は、その定めるところにより、部会を置くことができるとされております。つきましては、当分科会に定価等部会を設置することにつきまして、ここでお諮りしたいと思います。

この定価等部会につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕それでは、定価等部会につきまして、ご説明させていただきます。

資料3でございます。定価等部会の設置及び同部会に付託する事項等についてをご覧いただければと思います。

定価等部会に付託する事項は、資料3に記載されておりますように5点ございます。

第1は、たばこ事業法施行令に定める事項でございます。これは二以上の者から製造たばこの同一の品目について、異なる小売定価の認可の申請が行われた場合などにご審議いただくものでございます。

第2は、成人識別自販機に関するものでございます。自販機を導入する場合には、成人識別機能を付与することを、製造たばこ小売販売業の許可の条件としておりまして、分科会で成人識別自販機に係る判定基準が定められておりますので、新たな機種、新たな方式が出てきた場合などに、この基準に該当するか否かといった点について、ご審議いただくものでございます。

第3から第5につきましては、たばこ事業者及び塩事業者が行う環境問題への取組に関しまして、財務大臣が省エネ法などに基づきまして、是正措置を命ずる場合には、あらかじめ審議会でご意見を伺うというものでございます。

これらは、いずれも技術的な審議事項でございますので、機動的に対応すべく、これまでも定価等部会に付託してきたものでございます。

以上でございます。

〔 五十嵐分科会長 〕ありがとうございました。

それでは、定価等部会の議決をもって、当分科会の議決とすることについて、ご異議はございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 五十嵐分科会長 〕ありがとうございます。それでは、定価等部会を設置することといたします。

続きまして、財政制度等審議会令第7条第2項、第3項に基づきまして、部会に属すべき委員、部会長につきましては、分科会長が指名するということになっております。ということで、私のほうから指名させていただきたいと思います。

定価等部会につきましては、安藤委員、細野委員、角委員、村上委員にお願いしたいと思います。また、定価等部会の部会長につきましては、安藤委員にお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 五十嵐分科会長 〕ありがとうございます。なお、今日ご欠席の角委員につきましては、後日ご了解いただいた上で、正式な決定とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

表示等部会につきましては、注意文言表示規制・広告規制に係る専門的な検討について付託されているところです。

この案件につきましては、昨年12月に報告を取りまとめさせていただきました。ということで、何か不測の事態ということもあるのでわかりませんが、当面は審議いただく事項がないということになっておりますので、今回は、設置しないということにいたします。

続きまして、分科会の運営ですけれども、分科会の招集、議事の公開など、資料2の関係法令に従いまして、運営を行ってまいりたいと考えております。

また、関係法令以外の議事の手続、その他分科会の運営につきましては、私にご一任をいただきたいと思います。

それでは、ここで可部理財局長からご挨拶をお願いいたします。

〔 可部理財局長 〕おはようございます。本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、前期間に引き続きまして、委員の皆様方におかれましては、この分科会の委員にご就任をいただきまして、まことにありがとうございます。

また、五十嵐委員におかれましては、分科会長をお引き受けいただきましたこと、心より御礼を申し上げます。また、安藤委員におかれましては、分科会長代理並びに定価等部会の部会長をお引き受けいただきましたこと、厚く感謝を申し上げます。

昨年は、注意文言表示規制・広告規制に関する熱心なご議論をいただきまして、12月にお取りまとめをいただきました。今週22日に、そのお取りまとめに沿った省令改正、あるいは、その指針につきまして、改正案をパブリックコメントに付しておりまして、その手続を終えた上で、順次実施に移してまいりたいというふうに考えております。

たばこをめぐる状況、昨年のご審議の中でも健康問題、あるいは、産業としてのあり方、様々ございました。今後も先生方から忌憚のないご意見を賜り、ご指導いただけますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

〔 五十嵐分科会長 〕どうもありがとうございました。

では、早速議事に入りたいと思います。

まず、たばこ製造業の地球温暖化対策に係る取組につきまして、事務局と日本たばこ産業株式会社からご説明をいただきたいと思います。

これから、日本たばこ産業株式会社の関係者の方が入室されます。そのまましばらくお待ちください。

(関係団体入室・着席)

〔 五十嵐分科会長 〕では、初めに、事務局から地球温暖化対策に係る背景説明をお願いいたします。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕それでは、資料4-1、たばこ製造業の地球温暖化対策に係る取組についてに沿いまして、ご説明申し上げます。

2020年以降の地球温暖化対策を定めたパリ協定が2015年(平成27年)に採択されたことなどを踏まえまして、平成28年5月13日に、地球温暖化対策計画が閣議決定されております。

その中で、我が国の中期目標といたしまして、2030年度において、2013年度比26.0%減の水準にする。また、2020年度の温室効果ガス削減目標につきましては、2005年度比3.8%減以上の水準にすることが目標として定められております。

目標達成のための対策・施策といたしまして、下段に書いてございますけれども、産業界の各業種が計画を策定し、そして定期的な評価・検証を踏まえて、随時見直しを行うということとされております。

続きまして、2ページ目をご覧いただければと思います。

そこの一番下のところでございます。

政府は、各業種により策定された実行計画に基づいて実施する取組につきまして、関係審議会などによりまして、厳格かつ定期的な評価・検証を実施するとされております。

たばこ製造業につきましては、日本たばこ産業株式会社1社のみでございますので、本日はJTより、たばこ製造業界における取組をご紹介いただければと思っております。よろしくお願いいたします。

〔 五十嵐分科会長 〕ありがとうございました。

では、続きまして、たばこ製造業の地球温暖化対策に係る取組につきまして、日本たばこ産業株式会社の菊池執行役員と小川執行役員から、ご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

〔 菊池執行役員 〕おはようございます。JTにおきまして、総務担当を仰せつかっております菊池でございます。

まず冒頭、委員の皆様におかれましては、平素より当社事業の様々な取組や活動に、ご理解とご関心を賜り、誠にありがとうございます。

本日は先ほど分科会長からご説明がありましたように、当社グループの地球温暖化の取組についてご説明させていただきます。

具体的には、2017年の取組の実績を中心にしながらも、昨年この分科会におきまして、お話しさせていただいた2030年の目標についても、最後に触れさせていただきたいと思っております。

内容については、当社のサステナビリティマネジメント担当の執行役員である小川より、説明させていただきます。よろしくお願いいたします。

〔 小川執行役員 〕サステナビリティマネジメントを担当しています小川でございます。よろしくお願いいたします。

本日は、当社グループにおいて、2014年に策定いたしましたJTグループ長期環境計画における地球温暖化に対する取組を中心に、お配りしております資料に基づいて、ご説明させていただきます。

まず、2ページ目、目次をご覧ください。本日はこちらの内容に沿って、ご説明を申し上げます。

1枚おめくりください。3ページ目、まず、業界と当社グループの概要です。

ご存知のとおり、日本国内でたばこ製造を行っておりますのは、JT1社のみでございます。したがって、企業数・団体加盟企業とも1社であり、表の数値はJT単独の数値となっております。

2014年に策定したJTグループ環境長期計画では、京都議定書の第二約束期間の最終年である2020年を最終年としまして、温室効果ガスをJTグループ全体で、2009年比20%削減するという計画になっております。

世界的な流れとして、削減目標を会社単独ではなく、グループ会社も含めた全体で持つ流れとなっていること、また、当社グループの国内たばこ事業は、連結売上収益の3割程度であることから、グループ全体の目標設定としております。

それでは、1枚おめくりいただき、4ページ目をご覧ください。

「JTグループ環境長期計画」の地球温暖化対策に移ります。

この計画では、3つの課題を設定し、取組目標及び方針を定めております。

まず、1番目として、当社グループが直接使用する燃料・電気等のエネルギーに起因して発生する直接的温室効果ガスの排出量を、2020年には2009年比で20%削減する目標を設定しました。

この目標を達成するため、当社単体では45%削減することを目安としております。日本政府の2020年に向けた削減目標3.8%マイナス以上に対して、上回る目安と考えております。

2番目として、当社グループの海外も含む、たばこ事業におけるたばこ製品100万本当たりの直接的温室効果ガスの排出量を20%削減する目標も設定しました。この目標を達成するために、国内たばこ製品工場では、5%削減することを目安としております。

3番目として、当社グループのバリューチェーン全体からの温室効果ガス排出量の把握を掲げており、継続的な把握を通じて、効果的な削減策を2020年までに作成していきたいと考えております。

ご参考として、目標設定の根拠や算定に使用している電気の排出係数について記載しておりますので、ご参照くださいませ。

続きまして、1ページおめくりいただいて、5ページ目です。

計画の進捗状況に移ります。当社グループからの直接的温室効果ガス総排出量の推移ですが、こちらに記載しております数値については、2017年の事業の買収や売却など、事業変化の影響を過去にさかのぼって取り除くことで、本質的な取組レベルを明確にする国際的なルールに沿って、過去のデータの修正をしっかりと行っております。

技術用語としましては、GHG(グリーンハウスガス)プロトコルによる過年度修正と言われています。2017年には、基準年と比較して、グループベースで21%削減と目標を前倒しで達成いたしました。当社単体では、2020年目安の45%削減目標に対して、50%削減を達成しております。

続いて、6ページ目に移ります。

たばこ事業における、たばこ製品100万本当たりの直接的温室効果ガスの排出量についてご説明いたします。

一般的に製品の数量当たり排出量は、原単位と呼ばれており、当社グループでは、分母をたばこの製造本数相当量、分子をたばこ事業部門が直接的に排出する温室効果ガスの排出量といたしておりますので、資料には「原単位」と記載させていただいております。

JTグループの原単位ですが、緑の棒グラフのとおり、2011年以降改善の傾向を維持しておりまして、2017年時点で18%の削減を達成しており、現在まで順調に推移しております。

青色のグラフであらわしている国内のたばこ工場ベースでは、13%削減と目安の5%を達成している状況です。原単位については、目標の20%削減に取組を今後も継続してまいる所存です。

続きまして、7ページ目のバリューチェーン全体の話に移ります。

当社グループでは、2011年よりバリューチェーン全体からの温室効果ガス排出量を算定しており、2017年は7度目の算定ということになります。

下の円グラフでお示ししているとおり、当社グループが直接的に排出する温室効果ガスは12%となっています。この傾向は過去においても同様です。

バリューチェーンからの温室効果ガスの排出は、当社グループが直接管理できるものではありませんが、バリューチェーン全体からの排出を継続的に把握することで、多くの温室効果ガスを排出する分野を特定でき、その分野での対応を集中的に検討することで、効果的な削減につなげることができると考えております。

当社グループにおいては、最も大きな排出源が、購入した製品とサービスにかかわる分野であり、次に大きいものは、当社グループ原材料や製品の輸送と流通にかかわる分野になります。

続きまして、8ページ目、主な削減施策へ移ります。

2017年において、製造部門では、冷凍機・ボイラー等の更新取組といった施策や、グリーン証書の購入等を実施いたしました。グリーン証書を購入することにより、購入分のエネルギーは、再生可能エネルギーを利用したとみなせるため、温室効果ガスの発生量がゼロとなります。

運輸部門では、営業車や配送トラックなどの低燃費車への切り替えを実施いたしました。

業務部門においては、照明の間引きやクールビズ・ウォームビズに基づく室温の調整を実施しております。

削減施策に係る主な投資としましては、工場における生産設備の改善があり、こういった大きな施策で1.6億円ほど投資いたしました。

また、バリューチェーンの取組としまして、2017年は葉たばこ農家に対する環境負荷低減型循環乾燥室の導入に関する助成として、約3.1億円の助成を行いました。

続きまして9ページ目、その他の取組となります。

時間の関係もございますため、主な取組のみご説明させていただきます。

環境マネジメントに関しては、工場におけるISO14001の取得、工場以外でもレベルに応じたマネジメントシステムを導入するなどの取組をしておりまして、関西工場が京都府、京都市の両自治体から地球温暖化対策条例の優良事業者として表彰されるといった栄誉もいただきました。

また、当社グループでは、地球温暖化への取組の情報発信も行っているところですが、中でもCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)という、この世界では有名なNPOが質問状を送って、企業の取組を評価しておりまして、当社グループでは、2017年もリーダーシップレベルの評価をいただいております。

10ページ目に移りまして、今後の取組についてご説明いたします。

取組の基本は、JTグループ環境長期計画に基づいて、引き続き各種温暖化対策を実施することにあります。具体的には、工場における生産工程の効率化・運用改善、低燃費車への切り替えやモーダルシフトの推進継続、業務部門においても、2017年と同様の取組を継続し、直接的温室効果ガス排出量を削減してまいります。

バリューチェーンに関しては排出量の大きな「購入した製品とサービス」「輸送と流通」の分野を分析したところ、葉たばこ・原料調達由来の排出割合が高かったことから、現在8ページ目でもご紹介いたしました、国内原料の環境負荷低減型循環乾燥室導入に対する助成を行っております。

その他の分野においても、引き続き削減余地を検討し、中期的に効果的な削減策を考えてまいります。

最後になりますが、11ページ目です。

2030年目標についてご説明いたします。2030年までの温室効果ガス削減目標として、直接的温室効果ガス排出量を、2015年度比で32%削減、購入した製品・サービスから排出された温室効果ガス排出量を、2015年比23%削減するという目標を設定いたしました。

この目標は、SBT(Science Based Targets)、こちらの認定を取得しております。SBTとは、世界の気温上昇を産業革命前と比べて2度未満に抑えるための、科学的根拠に基づく温室効果ガスの削減設定のためのガイドラインのことです。

こちらの認定を受けることで、パリ協定に準じたものであると宣言することができます。

具体的な取組としましては、直接的温室効果ガスの排出量の削減については、日々の省エネ活動を基本として、再生可能エネルギーの積極的な活用を通じて達成を目指してまいります。

購入した製品・サービスから排出された温室効果ガス排出量の削減については、葉たばこ農家や事前材料サプライヤーとの協働を通じ、達成を目指してまいります。

さらに、2050年までに目指す姿として、GHG排出量が実質ゼロになるカーボンニュートラルを目指すこととしております。

JT環境計画2030年、こちらの重点取組領域といたしまして、そのほかに自然資源、廃棄物に関しても目標を設定しております。詳細につきましては、来月5月に発行予定の2018年JTグループサステナビリティレポートの中で公表してまいります。

駆け足でございましたが、私からの説明は以上でございます。ご清聴ありがとうございました。

〔 五十嵐分科会長 〕どうもありがとうございました。

それでは事務局と参考人から、ただいまご説明いただきましたけれども、何かご質問等ございますでしょうか。

〔 細野臨時委員 〕随分努力を重ねて対策をやっていらっしゃると思うのですけれども、運輸部門のところが、直接の生産のところでは12%で、運輸のほうは11%とあったのですが、その11%の運輸の部分というのは、低燃費車へのシフトとかモーダルシフトのことをおっしゃっていますけれども、低燃費だけじゃなくて、環境負荷が低い電気自動車とかいろいろ、そのあたりのこともお考えなのでしょうか。

〔 小川執行役員 〕ご質問ありがとうございます。運輸部門においては、低燃費車への切り替えのほか、営業車両へ燃料改質器を後付けすることによる燃費改善に取り組み始めたところであり、改質器メーカーによると最大で10%の燃費向上が見込めるとのお話がございます。そのほかモーダルシフト化も推進しており、2017年度は67%という実績を出しております。

〔 五十嵐分科会長 〕よろしいですか。

ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

〔 牛窪専門委員 〕よろしいでしょうか。バリューチェーンに関して、ちょっとご質問させていただきたいんですけれども、バリューチェーンと呼ばれるものは通常、R&Dから含めて、最後の販売のところまで入ると思うんですけれども、先ほどおっしゃっていた農家からの調達の部分に、基本的には、農家が製造というか葉たばこをつくる上においての環境負荷という部分が、少しかかっているという解釈でよろしいのかということと、JTが考えられているバリューチェーンというのは、研究開発から調達、製造、マーケティング、販売、流通とか、その辺を全部含めてバリューチェーンとおっしゃっているのか、その認識で正しいか、その2点を教えていただきたいと思います。

〔 小川執行役員 〕ご質問ありがとうございます。

1点目の農家のお話でございますが、おっしゃるとおり、葉たばこの乾燥をはじめとした、生産に係る一連の流れをバリューチェーンに含んでございます。

2点目のバリューチェーン全体はどこまで含むのかについては、世界資源研究所、持続可能な発展のための世界経済人会議によって共同開発されたGHGプロトコルという国際的なルールに則りまして、研究開発等も全てバリューチェーンに含んでおります。

〔 五十嵐分科会長 〕どうぞ。

〔 川村専門委員 〕ありがとうございます。2点教えていただければと思うんですが、1つは、このようなJTのご努力、同じような海外の事業者、例えばフィリップモリスであるとか、こういう海外の主要メーカーの地球温暖化取組と比較したときに、どのように位置づけられるかということが1点目。

もう一つは、大変ご努力されていると思うんですが、一方でメインの取り扱いがたばこということの中で、JT、あるいは海外のたばこメーカーも含めて、ESG投資の対象として除外されているんじゃないかと思うんですが入っているのか、その辺についての現状と考え方をお聞かせ願えればと思います。

〔 小川執行役員 〕ご質問ありがとうございます。

競合他社の実績ですけれども、フィリップモリス社が2017年の実績で、2010年比31%削減、BAT社、2000年比で46%削減という状況になってございます。私どもの取組の進捗は、他社と比しても、遜色ない数字を出していると自負してございます。

もう一点のご質問のESG投資の観点ですが、おっしゃるとおり、最近ダイベストメントということで、たばこ会社を除外するという動きが広まってございます。私どもは法に則った企業であり、投資家の皆様に対しては、当社の活動をもっと積極的に、きちんとお伝えをしていくことが大事と考えておりまして、NGO、国連組織等に対しても積極的な対話を通じて私どもの事業を理解していただきたいということを進めているところでございます。

〔 五十嵐分科会長 〕ほかはいかがでしょうか。

基本的なことをお伺いしてよろしいですか。スライド7の温室効果ガス排出量の62%が購入した製品とサービスとなっています。これは結局のところ、たばこに火をつけて、吸ったときに出てくるCOなどが入っているということですか。これは、何を意味しているんでしょうか。

〔 小川執行役員 〕購入した製品とサービスについては、弊社が実際に製造していない、他社より購入したもの、例えば、たばこの巻紙、包装紙等を意味しております。

〔 五十嵐分科会長 〕たばこをつくるときに必要ないろいろな材料などということですね。

〔 小川執行役員 〕さようでございます。

〔 五十嵐分科会長 〕わかりました。ありがとうございます。

ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

〔 安藤委員 〕ありがとうございました。スライドの6になります。かなり削減目標は達成されているようですが、国内については、足踏み状態というのは、何か理由があるのでしょうか。あるいは、海外のほうが何か進みやすい状況があって、国内で頑張ろうとしていても、これ以上進みにくいといった要因がもしあれば教えていただきたい。この違いをもたらしている要因が何か、そのあたりを説明していただけるとありがたいのですが、いかがでしょうか。

〔 小川執行役員 〕ご質問ありがとうございます。国内は、紙巻たばこの販売数量が年々減少しており、原単位の分母がたばこ製品100万本当たりというところでございますので、数値が下がりにくくなっているというのが現実でございます。

〔 五十嵐分科会長 〕ほかはいかがですか。

よろしいですか。それではご意見、ご質問はもうないようです。どうもありがとうございました。本件については、ここまでで終了させていただきます。

日本たばこ産業株式会社の菊池執行役員と小川執行役員は、ここでご退席されます。どうもありがとうございました。

(関係団体退室)

〔 五十嵐分科会長 〕では、次の議題に入りたいと思います。

たばこ・塩を巡る最近の諸情勢について、事務局から説明をお願いいたします。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕それでは、資料5のたばこ・塩を巡る最近の諸情勢に基づきまして、ご説明申し上げます。

表紙をおめくりいただきまして、1ページ目をご覧いただければと思います。

まず、紙巻たばこの販売数量の推移でございます。こちらにつきましては、平成8年をピークに減少傾向が続いております。一番右側をご覧いただきますと、直近の平成30年度では、前年度に比べ10.7%減という状況になっております。

なお、下の参考にございますが、平成30年度4-12月期における紙巻たばこと加熱式たばこの販売に占める加熱式たばこのシェア、これは約21%となっております。

2ページ目をご覧いただければと思います。

紙巻たばこの販売数量の月次の推移でございます。

左側のグラフは、2017年4月から2019年3月までの2年間の推移でございまして、棒グラフが販売数量、折れ線グラフが対前年同月比となっております。

特徴といたしましては、2018年9月と10月の動きで、2018年10月の価格改定によります駆け込み需要と反動減が数字であらわれております。

右側の折れ線グラフは、過去の増税時の比較をあらわしたものです。横軸をご覧いただきますと、中央に「0月」とございますが、ここを増税を実施した月といたしまして、その前後の動向につきまして、縦軸の前年同月比の増減で示したものでございます。

水色のグラフ、平成22年10月のたばこ税率引上げにつきましては、比較的大きな駆け込み需要と反動減が生じておりますが、これは1本当たり3.5円と、比較的引上げ幅が大きかったことが要因と考えられます。

オレンジ色の平成26年4月の消費税率引上げ時と、紫色の平成30年10月のたばこ税率引上げ時につきましても、同様に駆け込み需要と反動減が生じております。

3ページ目をご覧ください。

加熱式たばこについてでございますが、フィリップモリスジャパンが販売しているアイコス、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンが販売しているグロー、JTが販売しているプルーム・テックなどを並べております。3社ともに、2018年度に新商品が販売されております。

商品の特徴でございますが、アイコス、グロー、プルーム・エスは直接加熱式、プルーム・テックとプルーム・テック・プラスは間接加熱式となっております。

4ページ目をご覧ください。

加熱式たばこのベイパーに含まれるニコチン量などについてでございます。

加熱式たばこを販売している各社が、ホームページで公表している成分情報をまとめたものでございます。注4で記載しておりますが、測定方法はたばこメーカーによって異なっているということがございます。

また、フィリップモリスやブリティッシュ・アメリカン・タバコが1本当たりの量であるのに対しまして、JTは1パフ当たりの量であることなど、単純に比較することはなかなか難しいことについてはご留意いただければと思います。

次は、5ページ目をご覧ください。

葉たばこ農家の生産額と面積などの推移でございます。専売制度改革が実施された昭和60年に比べまして、面積、生産額、農家戸数は減少の一途をたどっております。直近で申しますと、農家戸数については5,000戸程度まで減少しております。

一方、1戸当たりの生産額、1戸当たりの面積につきましては、昭和60年と比べますと大きく増加しておりますけれども、近年は、ほぼ横ばいで推移している状況でございます。

6ページ目をご覧ください。

こちらは、たばこ小売店数の推移でございます。販売店数の総数でございますけれども、昭和60年に27万店程度あったものが、現在では25万店程度となっております。単年度での新規・廃業の状況を見ますと、29年度は新規で5,000店弱、廃業で1万店弱と、差引き数千店の減少ということになってございます。

次に、7ページ目をご覧ください。

塩の需要量の推移でございます。左の棒グラフは、塩全体の需要量ですが、一番下の緑が生活用で、徐々に減少してきている状況でございます。その上のピンクは業務用、その上がソーダ工業用となっております。

需要全体で見ましたら、ソーダ工業用や業務用の需要の増減でばらつきがございますが、おおむね全体で800万トンから900万トンの間で推移しております。

次に、右下のグラフですが、業務用塩の用途別の内訳でございます。右上の醤油アミノ酸から右下のその他(漬物、みそ等)までが食品工業用で、一般工業用、融氷雪用、その他が食品、工業以外のものとなっております。

右上のグラフは、生活用と業務用のうち、食品工業用を抜き出したものの推移でございます。食用の塩と言い換えてもよろしいかと思いますけれども、こちらにつきましては、緩やかでありますが減少傾向でございます。

また、需要量に占める国内産の占める割合は、8割程度となっております。

8ページ目をご覧ください。

3月29日に公表いたしました平成31年度塩需給見通しでございます。

総需要量は852万トン、総供給量は854万トンとなっております。総供給量につきましては、約1割が国内産、残りの約9割は外国産となっております。

9ページ目をご覧ください。

国内の塩製造業の概観でございます。現在、国内の主要製造業者は44者、特殊用塩などの製造業者は657者となっております。

国内産の塩のほとんどにつきましては、下の地図で示しておりますが、イオン交換膜製塩法による塩製造業者(4社5工場)が製造している状況でございます。

10ページ目をご覧ください。

注意文言表示規制の見直しでございます。

こちらと、後ほどご説明しますが、11ページの広告規制の見直し、12ページの健康増進法の改正を踏まえた所要の見直しにつきましては、昨年末の分科会で決定された報告書を踏まえたものでございます。

改正の概要ですが、たばこ事業法施行規則などを改正いたしまして、加熱式たばこに係る注意文言の新設、注意文言の表示面積を、主要な面の面積の50%以上とするなどを行う内容でございます。今月22日から5月21日まで、パブリックコメントを実施しているところでございます。

11ページをご覧いただければと思います。

続きまして、広告規制の見直しでございます。こちらにつきましては、広告指針の改正で、たばこ広告に表示する注意文言を改めるなどを行うこととしているところでございます。

注意文言表示規制等の見直しとあわせて、パブリックコメントを実施しているところでございます。

次は、12ページをご覧ください。

続きまして、健康増進法の改正を踏まえた所要の見直しでございます。

具体的には、「製造たばこ小売販売業許可等取扱要領」の一部改正を、4月1日付で、既に実施しているところでございます。

改正の概要ですが、特定小売販売業などの許可の条件につきまして、たばこの販売場所のある建物の屋外の敷地内の場所に喫煙設備を設置することも可とするほか、健康増進法の規定により喫煙するために利用できない設備は、許可の条件における喫煙設備に当たらないものとするなどの内容となっております。

続きまして、13ページをご覧いただければと思います。

キャッシュレス・消費者還元事業についてでございます。

左上の事業目的・概要の1つ目のポツでございますけれども、本年10月1日の消費税率引上げに伴い、需要平準化対策として、引上げ後の一定期間に限り、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を用いたポイント還元等を支援することとされております。

具体的には、本年10月1日の消費税率引上げ後9カ月間につきまして、消費者がキャッシュレス決済手段を用いて、中小・小規模の小売店、サービス業者、飲食店などで支払いを行った場合、個別店舗については5%、フランチャイズチェーン加盟店などについては2%を消費者に還元することとされております。

14ページをご覧ください。

こちらは、財務省が本年3月13日に公表したものですが、たばこ事業法の趣旨に反するものではなく、たばこも当該事業の対象としているところでございます。

本件につきましては、今後たばこ事業法施行規則の改正を行う予定でございます。

続きまして、15ページをご覧ください。

こちらは、EPA経済連携協定における交渉状況でございます。

昨年2月の分科会におきまして、TPPと日EU・EPAの交渉結果をご報告させていただきましたが、TPPは昨年12月、日EU・EPAは本年2月に発効しております。

また、現在交渉が進行している主なEPAといたしましては、右下に簡単な概要を示しておりますが、日トルコ・EPAとRCEPとなっております。

各EPAにおきまして、紙巻たばこなどのたばこ、塩について、関税交渉を行っております。

発行済のEPAは、左下に記載しておりますが、2002年の日シンガポールから日EUまで17協定となっております。

説明は、以上となります。

〔 五十嵐分科会長 〕どうもありがとうございました。

では、ご質問、ご意見等いかがでしょうか。

先に、村上委員。

〔 村上臨時委員 〕私、こういう見直しがあるたびにお聞きしているんですが、今のたばこ事業法を構成する大きな理由というのは、この5ページにある葉たばこ農家戸数と、そこを保護する必要というのが一番大きな政策課題になって、今の事業法の構造ができている感じになります。ここで見せていただいても、農家戸数というのが、昔に比べれば随分減っていて、最新の30年度で5,000戸みたいな感じになります。

その数字をどう捉えればいいかということで、結構答えるのは難しいと思いますが、この辺まで減ってきているということは、日本の農家共通の問題で、老齢化も進んだりなんなりしていると思うのですが、どの辺の数字まで減れば政策転換ができるのか。たばこ事業法全体をどう見るかという話ですが、今ここまで減ってきたということは、どう見ていくべきかというのが単純な質問の内容になりますので、もし、ある程度答えられるならばという話です。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕葉たばこ農業につきましては、戸数の話もございますけれども、一定の地域において、集中的に行われているという性質、そのような地域における主産品と位置付けられているという性質も踏まえる必要があると考えられます。

〔 村上臨時委員 〕なかなか難しい問題かと思います。

〔 五十嵐分科会長 〕では、宮島委員。

〔 宮島委員 〕ありがとうございます。

意見と感想の形で、この会議がそんなに今後しょっちゅう開かれないと思うんですけれども、目先、やっぱり加熱式たばこに大きく転換しているという情勢があって、そして文言表示の意味でも、その加熱式たばこの健康への影響が、完全にクリアにはわからないという状況があったと思います。ですから、とりあえず分科会の動きはそんなに活発ではなくなっても、いわゆる加熱の影響とかそういうのを調査するというような事実の積み上げの作業は引き続きしていただきたい。

特に、今、政策を打つに当たって、データというのが非常に重要になってきていると思いますので、文言表示を変えたことによる影響も含めて、しっかりとウォッチしていただきたいと思います。

また、文言表示の改正の議論において、オリンピックにおける海外の目をすごく意識した部分もあると思うんですけれども、実際にオリンピックでいろいろな人たちが来て、どうだったのかというところは、ちゃんとした考察が必要だと思うんですね。やっぱりお店でたばこを吸っていいか、よくないかとか、道で喫煙所のあり方とか、国によっては、まだ日本は甘いというような感想を持つような状況もあると思います。

実際に、今後ふえる外国人の日本に来られる方々が、オリンピックに向けてどういう印象を持つかということは、割合ちゃんと網をかけてというか、どうやったらいい情報が得られるかということも含めて、考えていただければと思います。

あとは感想で、今のご発言に多少関係あるんですけれども、たばこというものの存在がみんなにとってどんなものかということも多分変わってきていて、たばこ事業法の財政物資であるというようなことも、人によって、だんだん意見がいろいろになってきていると思います。

特にこのところ税制において、一般の人から見れば、結局は困ったところで、またたばこを値上げしているみたいな、お金が足りなくなると、はい、たばこみたいになると思っている方もいらっしゃるし、一方で、たばこをそんなに吸ってほしくない人から見ると、いや、日本はまだまだ安い。もっと山ほど課税したっていいぐらいだというふうに思う人もいて、そういった財政物資としての側面というのも、非常に時代とともに意識が変わってきているので、どこかの段階で、たばこ事業法も考え直す必要があるのではないか。

また、農家との関係においては、このように減っていって、それで、たばこ農家がどうなるかというのもあるんですけれども、じゃあ、文化として、たばこというのを守る必要があるかとか、そういったかなり広範囲の視点での検討が、今後必要だというふうに思いますので、長期的には、そういう視野も見る必要があるという感想を持ちました。

以上です。

〔 五十嵐分科会長 〕ありがとうございます。

どうぞ。門脇委員。

〔 門脇臨時委員 〕私も加熱式たばこの件についての質問です。スライドの4です。加熱式たばこのベイパーに含まれるニコチン量等について、これまでそれぞれ発表されていたものを、一表にまとめていただいたというご説明があったと思います。

フィリップモリスとブリティッシュ・アメリカン、JTの幾つかの製品について、ニコチン量等をまとめてあるんですが、紙巻たばこと比べて、加熱式たばこで共通の成分上の特徴と、それから、フィリップモリス、ブリティッシュ・アメリカン、JTの間での相違等について、わかる範囲内で結構ですけれども、少しこの表のご説明をいただければというふうに思っています。わかる範囲内で結構なんですけれども。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕ご指摘の資料につきましては、各社の出されているデータを表にさせていただいたものですので、そもそも測定方法が違うと聞いています。また、測定条件のところにありますが、吸引量とか吸引時間、吸引回数など製品の特性に対応して、異なっております。

〔 門脇臨時委員 〕そのことは、十分事前に説明も受けているんですけれども、現在のところ、どのようにこの成分については特徴があるのかということで、この表の説明でなくても、今、知られていることについて、改めて教えていただければと思います。

先ほど、今後データが蓄積していく必要があるというお話もありましたけれども、現在のところどのようなことまでわかっているのか、あるいは、今後何を検討していく必要があるのか、そのあたりについて教えていただければ。

〔 古谷理財局次長 〕正直申し上げると、科学的知見のところ、まだ、何か具体的なことを申し上げる段階に至っていないというところだと思います。まさに、国際的にもこれから検討していくという段階だと認識しています。

〔 門脇臨時委員 〕なるほど。

〔 古谷理財局次長 〕まず、一表にするところから始めさせていただいたのは、まさにこの分科会のご指摘を踏まえたものであり、紙巻との比較において単に受動喫煙には加熱式がいいというだけではなくて、まず成分を示して、次は、恐らく測定方法を、徐々に徐々に合わせていくということを進めていくことになると思います。

そういうことをしながら、まさに先生からご指摘のあった、これはどう考えるべきなのかというところに進めていきたいと思っていまして、各社との対話を進め、まずは、その研究を促進するように、私どもも努めてまいりたいと思っております。

〔 門脇臨時委員 〕わかりました。ありがとうございます。

〔 五十嵐分科会長 〕ベンゼンから下の項目が、紙巻きたばこと加熱式たばことで大きな差がみられます。1桁、2桁違うオーダーで差が出ています。こうした事実は知られていることなのでしょうが、測定法等が標準化されていないなどの課題があります。このデータをそのまま理解して良いのか、検討が必要です。

測定法などを標準化した上で、特定の機関にお願いして測定することも将来考えなくてはならない時期が来るのではないかと思います。ただ、この様なデータが示されたことは大きな進歩だと思います。

〔 門脇臨時委員 〕今の五十嵐分科会長の説明で、今、わかっている、この表から見てとれるところが少なくても、そこは共通しているということがよくわかりました。

やはり、今後どういうふうにデータを積み重ねていくのか。そういったことを考える上で、一番右の紙巻たばこのデータとも比較しながら、こういったものを考える出発点となる表をつくっていただいて、大変ありがたい思いがいたしました。これをもとにして、研究が進められることを願っています。

〔 五十嵐分科会長 〕ご指摘どうもありがとうございます。

そのほかはいかがですか。では、細野委員から。

〔 細野臨時委員 〕先ほどのお話で、加熱式たばこについては21%ぐらいの普及率になったと。この前の分科会資料では15%ぐらいでしたね。だから、かなりの普及スピードだと思うんです。今、成分の表がありましたけれども、それぞれの会社のマーケットシェアがどれぐらいになるのかというあたりの話も、もしできたらお願いしたいと思います。

なぜかというと、先生が今おっしゃったように、いろいろな成分があったときに、やはり普及率の高い製品についてはすこしでも害がないようなものにという対策を考えなきゃいけないと思いますので、各製品のシェアの調査も少しお願いしたい。

それから、できましたら、紙巻から加熱式たばこへのシフトしている状況がどうなのか。切り替えているのは若い人たちなのか、それともお年寄りなのか。そのあたりも含めて政策に資する情報を得るためのマーケティングの調査があればいいかなという気がいたします。

〔 五十嵐分科会長 〕その点も、非常に貴重なご指摘と思います。ありがとうございます。

どうぞ、牛窪委員。

〔 牛窪専門委員 〕何度かこの審議会に出られなくて、申しわけありませんでした。

1点、さっきちょっと出た宮島委員のご意見に関連するんですけれども、東京オリンピックで懸念されていることに、たばこのポイ捨てというものがあると思うんですね。今回は五輪会場で、もう一切吸えないということになって、自治体のほうでも喫煙所を街中に増やさないところが結構あるのではないかと言われる中で、海外の方、国によっては元々ポイ捨てが多いので、そこが増えてしまうんじゃないか。

私のほうでちょっと懸念しているのが、フィルターのプラスチック問題なんです。今、欧米のほうでは、プラスチックストローは全面禁止といった運動が広がって、日本のほうでも、五輪に向けてそういう流れになるだろうと予測される中で、プラスチックをなるべく使い捨てにしない流れにあります。

一方で、消費者を取材していると、たばこのフィルターですね。これもプラスチックが大半ですけれども、これが本当に健康にとっていいものなのかとか、妙な、SNS等で、むしろなくしてしまったらいいんじゃないかとか、結局ポイ捨てされたときに、そのプラスチックが環境を汚染するということの流れで、だったらたばこからフィルターをもうなくしてしまえばいいんじゃないかとか、変なうわさみたいなものが飛び交ったりしているんです。

やっぱりこのポイ捨てを防ぐのは、恐らく自治体が看板とかそういうもので呼びかけたり、喫煙所を設置したりということになると思うんですけれども、一方で、フィルターによる健康への貢献度合いとか、プラスチックというものを使っているけれども、こういう効果があるということを、はっきりは言えないにせよ、ある程度の指針としては、あったほうがいいのではないかなと。

逆に言うと環境団体とか、たばこの嗜好品としての価値をあまり認めないところの攻撃に遭うんじゃないかという恐れが、ちょっと懸念材料としてあるので、そのあたりのフィルターとして、そこに使われるプラスチックの効果とか、その意味合いというものを何らかの形でしておいたほうがいいんじゃないかと思います。

同時に、やっぱりポイ捨ての状況を把握されて、数字としてということもありますが、大体の状況というのは、今、いわゆるIoT、ドローンとかああいうもので、ポイ捨て状況を把握しようということが技術的にも進んでいるので、そういうことも含めて、ちょっと検討されたほうがいいというふうに思いました。

〔 五十嵐分科会長 〕ありがとうございます。

よろしいでしょうか。では、川村委員お願いします。

〔 川村専門委員 〕すみません、2つありまして、たまたまこの1カ月ぐらい、各国をずっと回ってきて、今ここには、フランクフルトの駅の喫煙コーナーの写真を記念に撮ってきたんです。

特に欧米で今、ポイ捨てのご懸念がありましたけれども、200%ポイ捨てになると思います。つまり、ある意味で、割り切っていると思うんですが、フランスなんかは特にそうですが、ドイツでもベルギーでも、イギリスでも、屋内はまず禁止である。たまにいい喫煙室があっても、これはお金もかかるし、いろいろ換気する条件等が厳しいので、原則もう建物の中は一切禁止。だけど、一歩外へ出たら自由。ですから、フランスなどは、犬の糞よりもたばこの吸殻のほうが外に散らばっている。上を向いて歩けない。しかも、くわえたばこは当たり前と。

逆に、そういう人たちが日本に来るわけですから、日本のほうがガラパゴスで、彼らはだめなところは絶対にだめ、だけど、いいところは自由。例えば、上海の空港でも、空港のビルの中は一切禁煙ですけれども、喫煙場所が数カ所あって、それは夏なんかはたまらないんですが、炎天下の屋上なんですね。

そういう人が来る中、日本の基準でばっかり言っていますけれども、ポイ捨てはありますし、海外ではそういうものだということを認識したほうがいいと思うのが感想です。

それからもう一つは、どうしてもたばこの議論ばかりになっちゃうんですが、今日重要なのは、塩のところも我々はカバーしているわけで、必需品であるにもかかわらず、これは国内の産業保護というか、企業保護というか、これが政策的に、たばこ以上に、先ほどの何ページでしたか、製塩業者のごく限られた、これを見ますと、これは9ページになるのでしょうか。

ここのところも、小さいけど必需で、しかも人口減少で、確実にマーケットが低くなっていく中、こういういわば政策財政物資と申しますか、こういうものに対しても、ついつい我々は塩を忘れがちになって、たばこのほうは熱い議論で、本当は塩も辛い議論をどこかでしなきゃいけないと思うんですが、つい忘れがちになるので、塩の重要性もお忘れなく。というのは、たまたま私は砂糖に絡んでいまして、砂糖も食管会計的な支持価格制度で、国内の砂糖業者を保護しなきゃいけない。だけど、対外的には全く競争力がないという中で、産業としてどうするかという話と、そういうサトウキビ、てん菜農家をどうするか、価格制度をどうするか、これはなかなかに悩ましい問題で、辛い、甘いの違いはありますけれども、結構塩も大変ですよということをちょっと。これは感想、意見みたいなことで、指摘だけしておきたいと思います。

〔 五十嵐分科会長 〕どうもありがとうございました。

どうぞ。

〔 門脇臨時委員 〕前回の委員会の中で、広告指針について、私は相当前向きな指針を決定することができたのではないかと考えているわけですけれども、それが今、パブリックコメントにかかって、そして交付されて、実際には来年6月30日ですか、それまでには全面的に置きかわるというふうに資料の説明をされています。そのあたり交付自身はいつされて、その後どんな形で6月30日まで、この広告がこの会で決めたような形で置きかわっていくのか、そのあたりのプロセスについて、少しご説明いただければというふうに思います。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕ご質問の広告の指針ですが、パブリックコメント終了後、所要の手続きを経た上で、官報に載る日が公布の日でございます。

第3号広告の注意文言に関する規定につきましては、健康増進法の一部が施行される本年7月1日から施行されますが、来年の6月30日までの間は、なお従前の例によることができるとされています。言い換えると、7月1日以降になされる広告では全て新しい文言にしてくださいということになっています。

〔 門脇臨時委員 〕それこそ、オリンピックのときには完全に変わっているということになる。

〔 小坂田理財局たばこ塩事業室長 〕原則としてはそのように考えられます。

〔 門脇臨時委員 〕ありがとうございました。

〔 五十嵐分科会長 〕ありがとうございます。

ほかはいかがでしょうか。どうぞ。

〔 安藤委員 〕これは資料のお願いに近い話となります。先ほど、川村委員からサトウキビの話が出ましたけれども、たばこ生産農家は確かに減っているのですが、先ほど事務局からのリプライにありましたように、地域にとっては非常に重要な物資というか、地域を支える物品という性格をかなり強く持っているんですね。

九州とか東北の一部の市町村ではかなり重要な意味を持っていて、これがないと、サトウキビほど大変なものではないんですが、地域を支えられないようなところもあるので、そのあたり以前のこの委員会でも、資料をご提供いただいたことがあったかと思うんですが、市町村別にどれぐらいたばこ生産農家がいるのかを示していただけるとありがたいです。JTが契約していますので、データを持っていると思います。これをお示しいただけると、この市町村はかなり大変だなとか、そういった事情がわかってくると思っております。

たばこの善し悪しはありますが、地域・地元経済からすると、重要な意味を持っているところがまだかなり残されているというか、日本の縁辺地域というと怒られるかもしれませんが、そこでは、たばこ生産はそういう役割を持っているということを見るためにも、そういう資料は多分簡単に出せると思いますので、どこかの段階でいただけるとありがたいということです。

以上です。

〔 五十嵐分科会長 〕では、次の機会にでもまた、資料を示していただきたいと思います。よろしいですか。

〔 古谷理財局次長 〕委員ご指摘の報告書をちょっと簡単にご紹介しますと、葉たばこの生産地は東北地方及び九州・沖縄地方であり、これらの地域においても、中山間地や沖縄県宮古島等に代表される島嶼部中に偏在される傾向が見られる。条件不利地においても多く耕作が行われていることが特徴であり、地域によっては、葉たばこは主産として位置づけられているということを、おまとめいただいております。そのときにご説明した資料を、また最新のものにして提示させていただきたいと思っております。

〔 五十嵐分科会長 〕ありがとうございます。

ほかはよろしいでしょうか。

今日は様々な意見をいただきましたので、それらを踏まえながら、今後の方針に生かしていきたいと思います。ご意見どうもありがとうございました。それでは、特に追加でご意見等なければ、これで分科会は終了したいと思いますがよろしいでしょうか。

議事録等につきましては、後日財務省のホームページに掲載する予定になっておりますので、ご了解いただきたいと思います。

今日はお忙しい中、まことにありがとうございました。これで閉会させていただきます。

午前11時40分閉会