財政制度等審議会 第45回たばこ事業等分科会
1.日時 令和5年4月27日(木)9:57~11:44
2.場所 財務省第3特別会議室(本庁舎4階)/ オンライン
3.出席者(敬称略)
安藤光義、五十嵐隆、宮島香澄
荒谷裕子、国松麻季、東條吉純、長瀬隆英、山下裕子
秋野財務副大臣、齋藤理財局長ほか
4.議題
- (1)分科会長互選等
- (2)たばこ・塩を巡る最近の諸情勢について
- (3)たばこ製造業の地球温暖化対策に係る取組について
- (4)塩業界におけるカーボンニュートラルに向けた取組について
5.議事経過
(1) 分科会長互選等
○ 令和5年4月1日付で財務大臣より委員等が任命され、たばこ事業等分科会への所属が発令されたことから、
分科会長の互選が行われ、五十嵐隆委員が選任された。また、分科会長代理には、分科会長より安藤光義委員が
指名された。
○ 定価等部会を設置することが決定された。分科会長より、定価等部会に属する委員として安藤光義委員、荒谷
裕子臨時委員及び国松麻季臨時委員が指名され、定価等部会長として安藤光義委員が指名された。
○ 審議会の招集、議事の公開等の分科会の運営等については、財政制度等審議会議事規則等に従い従来どおりの
運営を行っていくこととされた。
(2) たばこ・塩を巡る最近の諸情勢について
○ 議題について事務局より説明が行われた。
○ 委員からの主な質問・意見は以下のとおり。
- ・ 葉巻たばこの近年の状況については、価格が競合するときに必ず一つの価格にするという価格の設定方
- 法や、その一つの価格を決めるまでの手続が、葉巻たばこの円滑な供給を行う上である種の支障となって
- いると思うので、現行の価格設定の在り方や手続について見直しが可能かどうか、一度分科会として検証
- してはどうか。
- ・ 国産葉たばこの供給量が減り輸入の比率が高くなっているということは、昨今の価格変動が激しい環境
- 下で、今後はたばこの定価にもかなり影響が出てくる可能性があるのではないかと思うので、葉巻たばこ
- に係る小売定価の議論の際には合わせて議論いただきたい。特に、海外のサプライチェーンと結びついた
- 時に、その定価の問題がどうなるのかという議論が必要かと思う。
- ・ たばこ事業法第33条の、当分の間、零細小売業者を保護するという目的で定められた定価制度の適用対
- 象として、プレミアム葉巻たばこを対象とすることの合理的な理由が理解困難であるためぜひ見直してい
- ただきたい。
- ・ 税収の増加に繋がれば一石二鳥だと思うので、たばこの消費を減らすために価格をもっと上げてほしい。
- ・ たばこの消費量が減少しているにもかかわらずたばこ税収がほぼずっと戦後一定であるというのは、価
- 格弾力性やセグメント別の価格弾力性のデータを基に税率や価格も決めてきた実績があるためだと思うが、
- どのようなプランで価格を上げれば税収がそれほど落ちることなく、消費を下げることができるのか、そ
- のあたりの検証はしているのか。
- ・ 喫煙場所について、屋内全面禁煙としたことは良いが、外で吸う方が多く、かえってマナーが悪くなっ
- ているように感じる。たばこを吸わない身として非常に辛いので、マナーの啓発についてご一考いただき
- たい。
- ・ FCTCについて、日本政府としてはどのような立場で臨んでいるのか。またどのような貢献をしている
- のか。特に、教育啓蒙活動の部分について何かあるか。
- ・ 注意文言表示規制について、令和元年に強化されたということだが、それでも表示面積は50%。諸外国
- のたばこのパッケージを見ると全面であることが多い。肺がん等の写真についても表示できないものか。
- ・ 健康のためにも色々な規制をするべきだが、一方、葉たばこ農家の作付面積や戸数が減少しており完全
- には看過できない。相当戸数も減少し面積も減少したが、現状どういう状況なのか。
- ・ 製造たばこというのは電子たばこを含まない概念と承知しているが、FCTCの議論の行方次第では国内法
- を改正するということは将来的にはあり得るのか。国内の規制上の分類において、電子たばこは医薬品と
- して厚労省管轄であり、医薬品としての規制がかかっているということで、現行の規制上は国内でマーケッ
- トが形成されるということは想定しなくてよいか。
- ・ ユーロモニターの各国比較のデータだと日本の喫煙者率は低く見えるが、国民健康・栄養調査のデータだ
- と結構高く見えるので、データのベースを合わせて見ることはできないか。
(3)たばこ製造業の地球温暖化対策に係る取組について
○ 議題について事務局及び日本たばこ産業株式会社より、それぞれ説明が行われた。
○ 委員からの主な質問・意見は以下のとおり。
- ・ 葉たばこ乾燥施設の導入に補助を行っているというのは大変良い取組かと思う。乾燥施設は、一定以上の
- 戸数がまとまっている方が効率的だと思うが、一定生産量以上を対象とするような補助になっているのか。
- また、そのような形で補助しており、葉たばこ耕作農家が減少してきている中で、点在しているような葉た
- ばこ耕作農家はそれが使えないということになると、CO2の排出ということで大きい問題として残るのでは
- ないか。
(4)塩業界におけるカーボンニュートラルに向けた取組について
○ 議題について事務局及び全国塩業懇話会より、それぞれ説明が行われた。
○ 委員からの主な質問・意見は以下のとおり。
- ・ 石炭から他のエネルギーへの転換としては色々な選択肢が考えられるが、先行きが見通せないという難し
- い状況である。そのような中で、工場の設備を転換していくにあたっては、どこまでの段階で何が使える状
- 況か等状況の複雑な中での見極めが必要であると思う。
- ・ 製造原価について、国内だと似たような製造原価になっていると思うが、海外の海水由来の製塩の原価と
- 比較した場合にはどのくらいの差があるのか。
- ・ マーケット分析のようなものがもう少し詳細に分かると、価格競争力との見合いでどのような革新技術を
- 取り入れながら生き残っていくのかという事業分析の在り方が見えてくると思う。
- ・ もともと製塩業の盛んな地域は、メガソーラー事業がすごく発達してるところでもあるので、発想を転換
- してメガソーラーと一緒に組むなど、日本の中でできるサステナビリティへの取組という一環で戦略を立て
- られるのではないか。
(以上)
(注)本議事要旨は、今後字句等の修正があり得ることを念のため申し添えます。
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