〔 石田国有財産企画課長 〕 時間がまだ二、三分早いんですけれども、皆さんおそろいですので、ただいまより財政制度等審議会第51回国有財産分科会を開催したいと思います。 本分科会の庶務を担当いたします理財局国有財産企画課長の石田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 本日、分科会において、後ほど議事に従って会長を互選していただきますが、それまでの間、私が議事の進行を代行させていただきたいと存じます。 それでは、開催に当たりまして、伊藤財務副大臣から御挨拶をいただきます。よろしくお願いいたします。
〔 伊藤財務副大臣 〕 皆さん、こんにちは。大変お世話になります。よろしくお願いいたします。 本日は、委員改選後の新メンバーでの初会合でございます。議事としましては、諮問事項として、デジタル庁創設に伴う霞が関合同庁舎の使用調整計画に関する審議と、報告事項として、行政財産に係る取組と令和2年度の監査結果を予定しております。 最近の国有財産行政を取り巻く情勢を見渡しますと、相続土地国庫帰属法が4月21日に成立したことを受けまして、2年後の施行に向けて、財務省としても詳細な制度設計や理財局の体制整備を図っていく必要がございます。また、新型コロナウイルス感染症収束に向けて国有財産を活用した支援を行っており、新たな時代の要請にも果敢に取り組んでいるところでございます。 委員の皆様には、さらなる国有財産行政の発展に向けまして、御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げて、冒頭の御挨拶とさせていただきます。大変お世話になりますが、よろしくお願いいたします。
〔 石田国有財産企画課長 〕 ありがとうございました。 それでは、報道関係の方は御退室をお願いいたします。 議事に入ります前に、委員の皆様の御紹介をさせていただきたいと思います。 令和3年4月1日付で、国有財産分科会の委員に御就任いただきました皆様は、お手元の資料1の1ページ目に名簿がございまして、この名簿のとおりとなっております。 本日、会場に6名、オンラインで8名の委員に御出席いただいているところです。私から、委員別、それから五十音順に紹介をさせていただきたいと思います。 まず、会場に御出席いただいた方からです。奥田かつ枝委員、川口有一郎委員、小林健委員、若林茂雄委員、児玉平生委員、松尾弘委員でございます。 それから、オンラインで御参加いただいている委員を御紹介させていただきます。亀坂安紀子委員、大久保恭子委員、川嶋三恵子委員、佐谷和江委員、滝澤美帆委員、持永勇一委員、野城智也委員、津田廣喜委員でございます。 本日の御欠席でございますが、荒谷裕子委員、山内弘隆委員におかれましても、本分科会の委員に御就任いただいております。 また、今回新たに委員になられた方でございますが、奥田かつ枝委員、若林茂雄委員、川嶋三恵子臨時委員、松尾弘臨時委員、津田廣喜専門委員、5名の方に新たに参加いただいているところです。 事務局の紹介については、お手元の配席図の御確認にて代えさせていただきたく存じます。 それでは、議事のほうに入らせていただきます。 まず、財政制度等審議会令により、分科会長は分科会委員の互選により選任することとされております。分科会長の選任につきまして、御意見ございましたらお願いいたします。 それでは、川口委員、お願いします。
〔 川口委員 〕 会長は、引き続き小林委員にお引き受けいただくのがよいと思います。小林委員は、三菱商事取締役会長として御活躍され、これまで日本経団連副会長を歴任、昨年5月から日本貿易会会長に就任されるなど、経済界を牽引されております。また、これまで国有財産分科会長としても、多様な分野の委員の厚い信頼の下で、多様な意見の取りまとめに御尽力をいただいております。これを踏まえ、小林委員を国有財産分科会長に推薦させていただきます。
〔 石田国有財産企画課長 〕 ありがとうございました。続きまして、佐谷委員、よろしくお願いいたします。
〔 佐谷臨時委員 〕 私も、経済全体に関する幅広い知見と御経験をお持ちである小林委員にお引き受けいただくのがよいと思います。 〔 石田国有財産企画課長 〕 ありがとうございました。ただいま川口委員、それから佐谷委員から、小林委員を分科会長に推薦する旨の御意見をいただきましたが、皆さん、いかがでしょうか。
〔「異議なし」「賛成です」の声あり〕
〔 石田国有財産企画課長 〕 ありがとうございます。それでは、異議がないようでございますので、委員の互選によりまして、国有財産分科会長に小林委員に御就任いただくことに決定いたしました。 それでは、小林委員は会長席のほうにお移りください。
〔小林分科会長、分科会長席に着席〕 〔 石田国有財産企画課長 〕 それでは、小林分科会長から御挨拶をお願いいたしたいと思います。 なお、この後の議事進行は小林分科会長に務めていただきたいと思います。それでは、会長、よろしくお願いいたします。 〔 小林分科会長 〕 座って失礼いたします。 ただいま分科会長に御推挙いただきました小林でございます。 新型コロナウイルスの感染拡大で、国有財産をめぐる環境も随分変わってまいりました。特に社会的な要請ということもあり、庁舎をサテライトオフィスとして開放するとか、あるいはPCRの検査会場として提供するとか、最近はワクチン接種会場としても大いに活用していただいているというような新しい流れができてきている状況であります。 私も、これから約2年になりますが、令和元年6月に本会で提言いたしました分科会答申に基づきまして、今後の国有財産行政が適正に実施されるように、皆様の御協力、御助言を得まして会の運営に当たってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 簡単でございますが、私からの御挨拶とさせていただきます。 それでは続きまして、会長代理の指名でございます。 財政制度等審議会令によりまして、会長代理は会長が指名することとされておりますので、分科会長代理を指名させていただきます。分科会長代理は若林茂雄委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 それでは、以上で議題1は終了であります。 なお、当分科会の運営方針、分科会への付託内容、議事録等の公開については従前のとおりとなっておりますので、詳細につきましては資料1を御確認ください。 それでは次に、議事を進めます。まず、議題(4)「庁舎等使用調整計画について」、事務局から御説明願います。 〔 西方国有財産調整課長 〕 国有財産調整課長の西方でございます。よろしくお願いいたします。 私からは、議事(4)の「庁舎等使用調整計画について」、主として資料2-2を用いて具体的な説明をさせていただきます。 本件は、まずページをおめくりいただきまして、霞が関に所在しております合同庁舎第2号館の使用調整計画案を策定しようとするものでございます。 中央合同庁舎第2号館には、現在総務省、内閣官房、警察庁、国土交通省などが入居しております。今国会におきまして、皆様御案内のとおり、デジタル改革関連法案が可決成立いたしまして、本年9月に、新たにデジタル庁が発足することとなりました。これに伴いまして、総務省及び内閣官房の業務の一部が都内民間ビルに入居しますデジタル庁へ移管されることとなりました。そのため、中央合同庁舎第2号館に約2,310平米の空きスペースが生じることとなりましたので、この具体的な使用調整の内容を資料記載のとおり3つの観点から計画の策定を考えております。 1点目でございますが、約330平米につきましては、現在民間ビルに入居して執務を行っております総務省の官署、具体的には総務省電気通信紛争処理委員会、それから、総務省の政治資金適正化委員会、この2つの委員会を中央合同庁舎2号館に入居させようとするものでございます。これにより民間ビルの借受け解消が図られまして、具体的には、年間で借受料約2,200万円、光熱費等が約1,000万円の縮減が図られることになります。 2点目でございますが、約290平米につきましては、総務省の新たな行政需要に対応するために使用したいと考えております。具体的な用途といたしましては2つございまして、約290平米のうち170平米は、マイナンバーカードのさらなる普及促進を図ることを目的として本年4月に設置されました総務省デジタル基盤推進室及びマイナンバー制度支援室のための執務スペースを確保しようとするものでございます。また、残りの120平米は、総務省の国際戦略局、ここに今常設の国際会議室がございませんので、国際戦略局の国際会議室を常設することに使いたいと考えております。 3点目でございます。約900平米につきましては、新たに発足するデジタル庁が使用することを考えております。ただし、これは従前より総務省が行っておりました情報システムに関する業務をそのままデジタル庁が行うものでありまして、いわば総務省からデジタル庁に看板が付け替わるだけのものでございます。デジタル庁が使用する部分につきましては、中央合同庁舎第2号館を管理する総務省から同庁に対しまして使用承認を行う必要があることから、使用調整の対象となるものでございます。 今回の使用調整計画の内容は以上でございますが、1点御承知いただきたい点がございます。この資料の下段に注書きをさせていただきましたけれども、デジタル庁の発足により合同庁舎第2号館には約2,310平米空きスペースが生じます。今回はそのうちの約1,520平米の使用調整計画を策定させていただいております。残りの790平米につきましては、現在財務省と総務省、内閣官房、9月以降はデジタル庁となりますけれども、これらの間で調整を継続しているところでございます。 中央合同庁舎第2号館は、他の庁舎と比較しても狭隘度が高い状況となっております。総務省の狭隘解消と内閣官房、デジタル庁の要望との調整を継続しているところでございますので、調整が整い次第、改めて本分科会において御説明をさせていただき、使用調整計画を策定したいと考えております。 私からは以上でございます。 〔 小林分科会長 〕 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について、委員から御意見等がございましたら御発言をお願いします。 まず会場の委員で、その次にウェブ参加の委員という順番にしたいと思いますが、会場の委員の方、御発言ございませんか。 それでは、ウェブ参加の方、いかがでしょうか。 それでは、「庁舎等使用調整計画について」を了承することについて、皆様御異議ございませんでしょうか。ありがとうございました。 それでは、庁舎等使用調整計画については御異議ございませんので、当分科会として了承ということにいたしたいと思います。 続きまして、議題の(5)「行政財産に係る取組みについて」、事務局から説明を願います。 〔 西方国有財産調整課長 〕 議題(5)の「行政財産に係る取組みについて」、資料3に基づきまして御説明いたします。 まず、表紙をおめくりいただきまして、行政財産の未来像研究会についてでございます。 こちらは、前回3月の分科会におきまして頭出しをさせていただきましたけれども、こちらの分科会から川口先生に座長を務めていただきまして、4月26日に第1回会合を開催しております。 本研究会の趣旨といたしましては、令和元年6月の今後の国有財産の管理処分の在り方に関する分科会答申において指摘されました課題について議論するとともに、新しい働き方、脱炭素社会の実現といった行政財産に関連する新たな課題についても検討するものとしております。今後複数回の議論を行った上で、年内をめどに議論を取りまとめることを予定しております。 おめくりいただきまして、2ページでございます。この未来像研究会における具体的な検討課題について御説明いたします。 まず、庁舎の在り方について考えますと、今は働く人それぞれが個人の事情、働き方に応じて働く場所を選ぶ時代に入っているというふうにも言われておりまして、一部の民間企業では、アクティビティ・ベースド・ワーキング、ABWといった考え方に基づきまして、自由に毎日席を選べるフリーアドレス制を導入しましたり、あるいは集中して静かに考えるスペースを設けたり、人が交流してアイデアを生むスペース、そういう違ったスペースを分けて設けるなどのオフィス改革が進められております。一方、行政機関のオフィスは、一部フリーアドレス制を試行的に取り入れた総務省行政管理局、あるいは手前みそですが、私のオフィスの理財局有効活用室のような新しい取組を除きまして、旧来型のオフィスがまだ主要なままでございます。 しかし、特に霞が関の中央省庁の庁舎におきましては、スペースが足りないという狭隘化の問題が生じております。つきましては、民間企業のオフィス改革の最近のトレンドをよく勉強しまして、国の庁舎において、いかにオフィススペースを有効に活用していくべきか、国の機関のそれぞれの業務内容ごとに、その対応ぶりはいろいろ変わってくるかもしれませんが、そうした特徴なども踏まえつつ検討してまいりたいと思っております。 次に、公務員宿舎でございます。こちらにつきましては、平成23年に策定されました国家公務員宿舎の削減計画によりまして、これまで全国で25%を超える約5万戸以上の宿舎を削減いたしました。この間、唯一、勝島町住宅という羽田空港の24時間化に対応するための住宅、この一例を除きまして、直近約10年間合同宿舎の建設が事実上凍結されております。現状、東京23区内が全国で最も宿舎が不足する地域となっておりまして、こうした状況をどのように改善していくかということを議論していくこととしております。 一方で、地域によっては、分科会答申でも御指摘いただきましたとおり、宿舎の供給が過剰となっている地域もございます。既に築40年を超す宿舎が1万5,000戸近くございまして、老朽化が年々進行している中で、余剰宿舎をどのように廃止すべきか、あるいは老朽化していてもニーズのある宿舎についてどのようにリノベーションをして、さらに10年あるいは20年、長期的に活用していくにはどうしたらいいか、そういうことも検討していくこととしております。 また、首都直下型地震に備えまして、BCP用の宿舎についても、今のところ少しずつBCP職員の入居者数を増やしてきてはおりますけれども、いまだに不足している状況が続いております。こういうBCP宿舎についてもどのように対応していくべきかを検討してまいります。 こうした課題につきまして、これまでのところ、有識者の方からいただいた主な意見を御紹介させていただきますと、まずは、民間企業のオフィスが大きく変わる中で、行政の庁舎は大きく遅れを取っているのではないか。いわば官民格差が広がっているのではないか。生産性や創造性という観点ではもちろん、公務員のなり手、人材確保、そういう観点からもオフィス改革は急務となっているのではないかという御意見、あるいは昨今のテレワークの進展によりまして、働く場所がオフィスだけではなく、住居も含めて考えられている流れがある、そういうことから、庁舎と宿舎における働き方の議論は連動して考えるほうがいいのではないかという御意見がありました。 また、宿舎につきましては、ある民間企業では、独身寮に若手の人材育成という機能、役割を持たせて復活させる動きがある。あるいは東京23区というのは全国でも突出して家賃水準が高いので、若手職員が憂いなく能率的に働けるための環境整備として宿舎を用意すべきではないか、そういった御意見もございました。 今後こうした意見を踏まえまして、さらに議論を進めた上で、年末をめどに取りまとめにつなげていきたいと考えております。国有財産分科会へも御報告させていただきます。 1枚おめくりいただきまして、3ページ目でございます。国有財産の有効活用に係る取組み・進捗状況について御説明いたします。 昨年12月に取りまとめました経済対策におきまして、国有財産の有効活用に関する施策を盛り込んでおります。先ほど御紹介もありましたが、サテライトオフィスにつきましては、4月にさいたま新都心の関東財務局本局ビル、5月に立川出張所の入り口のホールのところにブース型というか、電話ボックス型的なリモートオフィスを設置いたしました。現在は広島市の中国財務局において事業者選定の公募手続中でございまして、引き続き全国各地に所在する庁舎で事業者のニーズも踏まえつつ設置を進めてまいりたいと考えております。 デジタル社会の基盤となる基地局整備加速につきましては、現時点ではまだ具体的な設置事例は出てきておりませんけれども、4th Generationの基地局設置について複数の事業者から問合せが来ておりまして、事業者による現地調査を行っているところでございます。将来的な5G基地局化を見据えて事業者と調整を進めてまいります。 1枚おめくりいただきまして、4ページに参ります。新型コロナウイルス感染症への対応に係る国有地の活用状況についても御紹介いたします。 ちょうど先週の月曜日、5月24日から、千代田区の大手町第3合同庁舎におきまして、防衛省と自衛隊による新型コロナウイルスワクチンの大規模接種が開始されました。ここにございます写真は、会場となる合同庁舎建物と、そのリハーサル風景でございます。 このほか地方公共団体によるワクチン接種会場や駐車場などとして、国有財産の無償の提供を実施しております。 なお、資料中、こちらには5月24日現在ということで14件の提供と書いてございますけれども、その後、どんどん要請もございまして、本日6月2日現在、4件追加されまして計18件となっております。ちなみに、この増えた4件のうち1件は、法務省の大阪矯正局管区、矯正研修所大阪支所の体育館を使いまして、堺市がワクチンの接種会場として直接使われる例として決定したものでございます。 このように引き続き各財務局、財務事務所において、市町村、自治体の要望を聞きながら、可能な限り国有財産を新型コロナウイルス対策など国の重要課題への対応に活用してまいりたいと考えております。 説明は以上でございます。ありがとうございました。
〔 小林分科会長 〕 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について、御意見等ございましたら発言をお願いします。 まず、会場の委員の方々、いかがでございますか。 それでは、ウェブの方々、御意見がございましたら、挙手か挙手ボタンを押してください。 〔 亀坂委員 〕 亀坂ですが、質問させていただいてもよろしいでしょうか。 最後に御説明いただいた新型コロナウイルス感染症への対応に係る国有財産の活用なんですけれども、現在も14件に加えて4件、ワクチン接種などのための施設として無償提供していらっしゃるということでした。テレビで拝見した限りでは、移動が不安でワクチン接種を受けていらっしゃらない高齢者の方とかが結構いらっしゃるような報道がなされていて気になっているんですけれども、さらに有効活用していただくということはこれから進めていただけるのかと思って質問させていただきたいと思います。 以上です。 〔 西方国有財産調整課長 〕 基本的には、我々としましては、市町村から依頼があればどんどん貸し出したいと思っております。交通の便の話はおっしゃるとおりでございまして、国有財産の中には、駅前の物件等々もいろいろありますので、なるべくそういうところが貸せればいいと思うんですが、他方で、そういう庁舎は現に使っている庁舎でもあったりしますので、その辺のバランスを取りつつ、とにかく我々からすると、早く迅速に市町村の皆様にすぐ貸せるような体制を取りたいと考えております。
〔 亀坂委員 〕 ありがとうございました。承知しました。 〔 小林分科会長 〕 ありがとうございました。それでは、もう一方、大久保さん、どうぞ。
〔 大久保臨時委員 〕 大久保です。よろしくお願いいたします。 行政財産の未来像研究会に、ぜひ積極的に先進的な意見をおまとめいただければいいなと期待しております。 私としましては、国家公務員宿舎、これも民間の今の一般の人たちの居住水準から比較しましても、宿舎は、レベルが決して高いとは思いません。国家公務員の方は日本をより豊かな国へとすることを目標としていると思いますので、御自身がある程度それなりに豊かな居住水準で生活をしていなければ、真の豊かな日本というものを目指していけないのではないかというふうに思います。ですので、例えば広さですとか、遮音性の高い性能ですとか、便利な設備とか、それから、例えば子育てしやすい施設とか、ワークシェアのスペースとか、そういったものも広く取り込みながら御検討いただけるといいのではないかと思っております。よろしくお願いいたします。
〔 小林分科会長 〕 ただいまの御意見について、いかがですか。 〔 西方国有財産調整課長 〕 貴重な御意見をいただきましてありがとうございます。未来像研究会のほうでは、まず設備について、老朽化が結構甚だしい住宅が一部まだ残っているという御指摘をいただいておりまして、特にそちらのリノベーションの技術が、今民間の住宅でもいろいろ発達しておりまして、建て替えなくても、一種リノベーションを活用して改善することができるのではないかという御指摘もいただいておりますので、その辺も含めまして勉強したいと考えております。 〔 小林分科会長 〕 ありがとうございました。それでは、会場から川口先生。 〔 川口委員 〕 研究会に参加しています川口でございます。 2点ございまして、今の宿舎の問題ですけれども、あらためて勉強させていただいているんですが、特に民間では、若い世代、ミレニアル世代の「住宅」というものへの見方が根本的に変わってきているということに驚いております。そういう意味でも、国家公務員優れた人材を集めるためにも、宿舎という考え方を新しい時代に合ったものに、認識を変えなければいけないと感じております。 また、庁舎ですけれども、最近のオフィス改革は、その背景はデジタル化があります。本日もデジタル庁の発足に伴います使用調整の報告がございましたが、研究会に参加している皆様、異口同音に驚かれているのは、マグマがふつふつと湧き上がっているような大きな変化を感じているということで、私もこの分科会の中で、使用調整計画というのは、ややもすると、受動的な受け取り方をしたんですけれども、最近は、国有財産分科会でも能動的な使用調整計画ということに動いてきているわけです。民間の取組はそれをさらに、今のデジタル化に合わせてオフィス改革というのを経済産業省さんとか総務省さんでも進めておりまして、そこではかなりトップダウン的にやらなければいけない部分と、下から積み上げなければいけない部分ということについて今勉強しているところでございますので、今いただいた御意見を踏まえまして、今後しっかり勉強していきたいと思います。 〔 小林分科会長 〕 ありがとうございました。それでは、ウェブ参加の持永さん、どうぞ。 〔 持永臨時委員 〕 持永でございます。 先ほど資料の2ページ、公務員宿舎に関しまして、今御説明の中でも、リノベーション、さらには資料3の参考の5ページの一番下になりますけれども、改修というキーワードがございます。当然40年50年と経つような宿舎、さらには規格がそもそも古いので、リノベーションしようにも、抜本的な機能はよくならない。 先ほど川口委員の意見がございましたけれども、確かに改善する余地は否定しませんし、様々な施策があると思うんです。 スクラップ・アンド・ビルドという言葉がありますが、今までスクラップ・アンド・セルという単純に縮小するという流れに議論がどちらかというと制限されてきていたように思います。もうちょっと総体的な考え方、柔軟な考え方があっていいのではないかと思います。 以上でございます。 〔 小林分科会長 〕 ありがとうございました。ただいまの御意見に対して、こちらからございますか。よろしゅうございますか。 それでは、もう一方、ウェブ参加の滝澤さん、お願いします。 〔 滝澤臨時委員 〕 御指名ありがとうございます。御説明ありがとうございました。 私は、1点コメントさせていただければと思うんですけれども、資料3の参考というところで、最初のところ、国有財産の総合調整を財務大臣が行っているとあります。この総合調整というのが非常に重要になってくるのではないかと思いました。この総合調整については、一国全体でと考えた場合、例えば宿舎の供給等についても、国全体のポリシーを決めて行われる必要があるんだと思います。そのポリシーも時々いろいろな状況がありますので、例えば今在宅何割でというような目標がありますけれども、そういったことも織り込みながら政策を考えられる必要があるんだと思いました。 働き方改革で、もしかすると、職場はスペース的な部分で必ずしもこれまで同様の広さを必要とされていないのかもしれない一方で、住まいのほうは、在宅勤務を考えると、十分生産性高く働くために設備が備わっている必要があると私自身は思います。いずれにしても、将来を見据えた全体的な指針があって、そういった意味で総合調整を行う財務省が果たす役割というものが非常に大きいものではないかと考えました。 もう一点、こちらは非常に直感的な私自身の考えなんですけれども、若手の優秀な人材を確保することが難しくなってきているので、働く場で魅力的なものがないと人材確保というのは難しくなってきていますし、若手はワーク・ライフ・バランスを重要視する傾向がありますので、そうした面で宿舎というのをこういうふうに備えましたということとか、そういった部分もアピールしてもよいのではないかと思います。 私は以上です。 〔 小林分科会長 〕 ありがとうございました。ただいまの意見に対していかがですか。
〔 西方国有財産調整課長 〕 ありがたく拝聴させていただきます。ありがとうございました。 〔 小林分科会長 〕 他はいかがでしょうか。 皆さん、ありがとうございました。私からも一言申し上げたいんですが、これは、まず川口先生が座長になられて、この未来像研究会、御苦労さまでございます。ありがとうございます。 これは、大きく言って、まずは宿舎に関しては、平成23年の削減計画というのが基になっているわけです。それからもう10年、その10年というのはものすごく流れが早くて、住宅に対する考え方というのは、先ほど委員の方々もありましたけれども、世代によっても随分違う。それから、公務員に対する、つまり、この削減計画が出た頃は、確かに宿舎は多かった。だけれども、基本的には割と古くて狭い宿舎に入って、お国のために働くということの意義を感じている人たちが多かったんです。 ところが、価値観が随分変わってまいりまして、今おっしゃったミレニアル世代になって、今度は住む所が生活の相当程度大きな部分を占めて、家族、家庭中心ということもありまして、古い宿舎に公務員を押し込めて働けというのも、価値観的にはなかなか難しくなってきたということが感じられます。 それから、今ウェブから先生もおっしゃいましたけれども、公務員に対する魅力度です。私は、これは個人的な意見ですが、フリンジがあってしかるべしだと思うんです。つまり、公務員は待遇も法律で決められておりますし、私は民間企業におりますが、民間企業のようにフレキシブルに業績に伴って上下するとか、要するにインセンティブも出るとか、そういう類いではないです。ですから、そういう意味では、その中の1つが、住宅は確保できる。それも世間並みといいますか、そういうことはものすごく必要だと。これは一般的にそう思います。ですから、未来像研究会でいろいろ御議論いただきたいと思います。 もう一つは、BCPです。これは、国家公務員は国家の一大事のときには駆けつけて国を回していかなければいけないということから言うと、世間におもねった都心の一等地に何たらということは必ずしも適用されないので、もちろん、超豪華宿舎は別ですが、歩いて中央官庁に通えるところに常に人はいなければいけないということがあります。そこのところは非常に難しいんですが、これは、BCPを中心にも考える必要があるかと思います。 それから、全般的にはやはり老朽化しております。通常、民間でも、四、五十年たつと建替えあるいは転居、そういうようなことになってくるので、これはまたお金がかかる話になるんですが、そのために財務省がやっているので、そういう意味から、レジームが代わった、時代が変わったということで、今の時代に生きている中堅、若手層にもアピールして入ってもらえるようなところをある程度デザインしてもらう。 これは、それである程度費用が出てきたら、それをどういうふうにやりくりして予算に詰めていくかということは私どもも中心にしてアドバイスしていく必要があると思います。問題は、公務員離れということ、それから、必要なときにすぐに人が来られないという現状、この辺は、皆さん御指摘がありましたように、問題が多いし、この宿舎、庁舎問題を論じたときから、目標を出して削減できたのは大いに結構なんです。そこから時代も変わって、働き方も、リモートワークも増えて云々ということがありますから難しい課題なんですが、これは何か変えていかないと。公務員に限らず、魅力度が仕事中心ではなくて、今は総合的な住居、オフィスの快適さ、その辺も全部入っての話になってきますから、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 それでは、もうお一方、ウェブの川嶋さん、どうぞ。 〔 川嶋臨時委員 〕 読売新聞の川嶋と申します。今回新たに就任させていただきます。よろしくお願いします。 国家公務員の宿舎なんですけれども、私も国家公務員として、優秀な人材を確保することは非常に重要な課題だと認識しています。ただ、民主党政権時代のときに、私も取材経験があるんですが、今の国家公務員宿舎の現状を国民の方がよく分からないまま批判の対象になっていたと強く思いました。時計の針を逆戻りさせないためにも、今後の検討に当たっては、国民にもちゃんと理解してもらって、国家公務員の宿舎の現状がこうだということをよく理解していただいた上で、丁寧にプロセスを進めていただくことが重要かなと思っています。 私の考えとしては、国家公務員の働き方というのは、長労働時間の是正やモチベーションの維持など、総合的な観点からするべきものであって、宿舎の魅力というようなことに引っ張られてしまうのは問題があるのかなと思っています。なので、必要なスペースや設備を整えた宿舎をきちんと確保することは重要だけれども、宿舎で国家公務員になりたいと思われるようなことでもないと思うので、そのあたりは総合的に検討し、丁寧にプロセスを進めていただきたいと思いました。 以上です。
〔 小林分科会長 〕 ありがとうございました。それでは、ほかはよろしゅうございますか。では、奥田さん。 〔 奥田委員 〕 奥田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 本日御説明をいただきました資料の中に、かなり多くの課題が盛り込まれています。未来像というのが、どれくらいのスパンの中で、どのぐらいの未来をイメージして検討を進めていくのかというところにもよってくると思います。これらの課題の中で、早急に手を打つべきもの、先ほど会長から御指摘がありましたように、まさにBCP、いつ災害が起こってもおかしくないという現状を踏まえれば、早急に手を打つべきだと思います。 一方で、老朽化に対する施策、不動産に関する対策は時間がかかる話でもありますし、中長期的に取り組むべきもの、短期に取り組むべきもの、また、未来といった場合に、将来あるべき庁舎、宿舎のあるべき姿というか、そういうものはどういったものであるべきなのかを踏まえて検討が必要かと思います。これは国家公務員の在り方にも関係してくるのかもしれませんが、そういった観点から全体像をつくった上で検討していただけると、国民にも分かりやすいのではないかと思いました。 以上です。 〔 小林分科会長 〕 ありがとうございました。ただいまの御意見に対して、いかがですか。よろしゅうございますか。 それでは、ほかはいかがでしょうか。 それでは、ほかに御意見がないようでしたら、ただいまの件は報告として了承ということにいたしたいと思います。 次の議事に移ります。議題(6)「令和2年度国有財産監査結果の報告について」、事務局から説明をお願いします。 〔 瀬川国有財産監査室長 〕 国有財産監査室長の瀬川です。私からは、令和2年度の監査結果と監査指摘のフォローアップについて御報告させていただきます。資料4を御覧ください。 表紙の次の1ページを御覧ください。令和2年度の監査結果です。 下段の枠内を御覧ください。令和2年度においては、新型コロナウイルスの影響で計画の見直しを行いましたが、全国で412件の監査を実施し、23.5%に相当する97件の指摘を行いました。 理財局では、毎年度優先して監査を行うべき重点対象を定めていますが、令和2年度は、未利用地や余剰スペースの創出ができないかという観点で、①の一定の地域または官署を特定した庁舎等について、また、引き継ぎなどの処理に滞りはないかという観点で、②の各省各庁所管の普通財産を重点対象としました。これらの財産に関する監査結果はここにお示ししたとおりでございます。 次に、令和2年度の監査指摘のうち、2件の事例を御紹介いたします。2ページを御覧ください。四国財務局の事例です。 右側の図に①でお示しした高松市内の合同庁舎に入居する官署について、組織が縮小されることとなりました。一方で、近隣には、合同庁舎に入居できず民間ビルを賃借している②、③でお示しした官署がございます。このため四国財務局は、合同庁舎は平成29年度築と建築から間もないのですが、借受庁舎が入居可能なスペースを確保すべく監査対象としました。監査の結果、合同庁舎に借受庁舎を移転することが可能となり、賃料負担の軽減が図れることとなりました。 次に、3ページを御覧ください。東海財務局の事例です。 右の図に①でお示しした静岡市内の農政局の庁舎に、監査の結果、余剰が認められたことから、近隣の②、③のいずれも林野庁の庁舎を用途廃止し入居させるというものです。これにより新たな未利用地の創出や庁舎がまとまることによる業務の効率化が期待できます。 次に、過去の監査指摘事案のフォローアップについて御説明いたします。4ページを御覧ください。 上段の枠にございますとおり、現行の監査方針に転換した平成23年度から令和元年度までに指摘した事案については、令和2年度末で71.5%に当たる897件の是正が完了しました。これにより平成23年度から令和2年度までの売却収入は累計で63.8億円、節減された賃料は7.5億円となっています。 下段の表は、指摘した年度ごとの進捗状況をお示ししています。B欄の是正実績の括弧書きは令和2年度中に処理が完了した件数です。このように処理は進んでおりますが、C欄にありますとおり、指摘から長期間経過している事案も残っており、フォローアップの強化に努めているところです。今後とも本省と財務局の連携を一層強化し、早期処理に向け、時期を逸することのないよう必要な調整を行ってまいります。 次に、令和2年度中に完了した事例を御紹介いたします。5ページを御覧ください。沖縄総合事務局の事例です。 本件は、右上の写真の赤線で囲んだ名護市に所在する国の研修施設が廃止されることとなったため、この財産との一体利用を念頭に、隣接する青線で囲んだ部分を監査対象としたものです。監査の結果、青線部分も用途廃止することとなり、本年3月、双方一体として名護市に売却いたしました。本地には、名護市がワーケーション拠点施設を整備することとしており、地域の活性化に寄与することが期待されます。 資料4の説明は以上でございます。 御参考として、令和2年度に指摘した事案の一覧を配付させていただいております。 私からの報告は以上です。ありがとうございました。 〔 小林分科会長 〕 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明についての御意見ございましたらお願いします。 会場の方はございませんか。 それでは、ウェブの方はいかがですか。 それでは、御意見ございませんようなので、本件は了承ということにいたしたいと思います。 それでは、議題(7)「第三者チェックの実施状況」につきましては、資料配付のみとさせていただきますので、御覧ください。 これをもちまして、本日の分科会は終了いたします。 なお、記者レクの実施は事務局にて実施するとともに、議事録、会議資料等につきましては、インターネットに掲載することといたします。 それでは、閉会に先立ちまして、大鹿理財局長から皆様へ御挨拶をいただきたいと思います。
〔 大鹿理財局長 〕 理財局長の大鹿でございます。本日は、大変貴重な御意見、また、有意義な御意見ありがとうございました。 1点感想めいた話で恐縮でございますけれども、今日、皆様方から多く御議論いただいた国家公務員宿舎の今後の在り方についてであります。ちょうど私が今日説明した課長クラスの頃、2000年代の後半ぐらいから、資産債務改革といった文脈の中でも、国家公務員宿舎の過剰な施設状況といいますか、そういったことが問題視もされました。その後、今日皆様方から御意見いただきましたとおり、時代環境はかなり変わってきておりますし、このコロナ禍でのテレワーク環境の整備といった必要性、そういう新しい要素も加わっておりますし、それから、会長も御指摘になられました、まさに公務員を志望される学生が減少しているというような状況も生まれてきております。 したがって、私どもとしても、国家公務員に課された責務を適切に果たしていくために、最低限度の環境整備は必要だと思っておりまして、これまでかなり厳しい経験をしておりますので、今回川口座長の下に未来像研究会というものを立ち上げさせていただいて、少し未来志向で新しい発想も取り入れながらアプローチしてみたいということでこの問題に取り組み始めたところでございます。年内にワーキンググループをやっていただいて、その後、この分科会にも、またその成果が上がってくると思いますので、また大所高所の見地から貴重な御提言を賜れればと思っております。 このまま放っておきますと、宿舎不足は東京圏において深刻な状況になっておりますし、それから、BCPの要請にもしっかりと応えられるかどうかという問題もありますので、私どもとしては、皆様方の貴重な御意見をいただいて前に進めたいと思っております。ぜひ今後とも御指導を賜れればと思います。 以上お願い申し上げまして、本日の御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。 〔 小林分科会長 〕 局長、ありがとうございました。 それでは、本日、これをもちまして閉会といたします。どうも御苦労さまでございました。
|