財政制度等審議会 第68回国有財産分科会
議事録
財政制度等審議会第68回国有財産分科会議事次第
令和8年6月17日(水)13:30~15:06
第3特別会議室(本庁舎4階中412)
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1.開会
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2.議題
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(1)相続土地国庫帰属財産の評価
(2)地域における国公有財産の総合的活用
(3)留保財産の対応状況
(4)令和7年度国有財産監査結果報告等
(5)令和7年度処分価格等の客観性の確保に係る第三者チェックの実施状況
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3.閉会
| 出席者 | ||
| 委員 | 奥田 かつ枝 | |
| 亀坂 安紀子 | ||
| 川口 有一郎 | ||
| 筒井 義信 | ||
| 若林 茂雄 | ||
| 臨時委員 | 大久保 恭子 | |
| 川嶋 三恵子 | ||
| 竹川 正記 | ||
| 村木 美貴 | ||
| 持永 勇一 | ||
| 野城 智也 | ||
| 山内 弘隆 | ||
| 吉原 祥子 | ||
| 財務省 | 舞立 財務副大臣 | |
| 三反園 財務大臣政務官 | ||
| 井口 理財局長 | ||
| 柴田 理財局次長 | ||
| 尾﨑 理財局総務課長 | ||
| 寺﨑 理財局国有財産企画課長 | ||
| 川路 理財局国有財産調整課長 | ||
| 中村 理財局国有財産業務課長 | ||
| 伊藤 理財局管理課長 | ||
| 二宮 理財局国有財産企画課政府出資室長 | ||
| 福田 理財局国有財産調整課国有財産有効活用室長 | ||
| 皆川 理財局国有財産調整課国有財産監査室長 | ||
| 髙木 理財局国有財産業務課国有財産審理室長 | ||
| 小川 理財局管理課国有財産情報室長 | ||
| 池田 理財局管理課電算システム室長 | ||
午後1時30分開会
〔 筒井分科会長 〕 それでは、定刻になりましたので、財政制度等審議会第68回国有財産分科会を開催いたします。
本日は、滝澤美帆委員、松尾弘委員、津田廣喜委員におかれましては御欠席ということでございます。また、奥田かつ枝委員におかれましては少し遅れての御参加となります。
報道関係者が入室をいたします。そのままでお待ちいただきます。
〔報道関係者入室〕
〔 筒井分科会長 〕 それでは、開催に当たりまして、舞立財務副大臣から御挨拶をいただきます。
〔 舞立財務副大臣 〕 皆様、お疲れさまでございます。財務副大臣を拝命しております舞立でございます。財政制度等審議会国有財産分科会の開催に当たりまして、一言御挨拶をさせていただきます。
筒井分科会長をはじめ、委員の皆様方におかれましては、本日は御多用中のところ御出席いただきまして、本当にありがとうございます。
前回の分科会におきましては、相続土地国庫帰属制度への対応や国家公務員宿舎の整備等について御議論いただいたところですが、本日の分科会におきましては、相続土地国庫帰属制度への対応を含めた5つの議題について事務局から説明させていただきます。
まずは、相続土地国庫帰属財産の評価についてでございます。相続土地国庫帰属財産への対応につきましては、前回の分科会でも委員の皆様から様々な御意見を頂戴したところでございますが、相続土地国庫帰属制度により国庫に帰属した土地が増加する中で、地域における活用の促進や管理処分コストの低減を図る観点から、簡易な評価手法の適用をすることといたしました。本日は、簡易な評価手法の適用に当たっての評価額の算定方法の見直しについて対応方針の案を策定いたしておりますので、この方針につきまして御議論いただければと考えております。
また、地域における国公有財産の総合的活用につきましては、地方公共団体等と連携しつつ、都市計画や防災計画との整合を図りながら、国公有財産を活用し、地域課題の解決につなげていく取組について御説明いたします。
さらに、留保財産の対応状況につきましても、これまでの分科会における御指摘を踏まえた見直しの状況について御説明させていただきます。
このほか、国有財産の有効活用の促進及び処分価格等の客観性確保の観点から、それぞれ毎年度行っている国有財産監査及び第三者チェックの実施状況につきまして、令和7年度の結果を取りまとめましたので、御報告させていただきます。
委員の皆様におかれましては、率直な御意見を賜りますようお願い申し上げまして、私からの挨拶に代えさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
〔 筒井分科会長 〕 ありがとうございました。
それでは、報道関係者の方は御退室ください。
〔報道関係者退室〕
〔 筒井分科会長 〕 それでは、議事に入ります。
相続土地国庫帰属財産の評価につきまして、事務局より説明をお願いします。
〔 寺﨑国有財産企画課長 〕 よろしくお願いします。国有財産企画課長の寺﨑でございます。
資料に沿って御説明差し上げます。
相続土地国庫帰属制度による国庫に帰属する土地の状況については、令和5年4月に相続土地国庫帰属制度を開始しておりまして、それ以降、国庫に帰属する土地が引き続き増加している状況にございます。下の棒グラフを御覧いただければと思いますが、令和8年3月末時点で約1,600件を財務局が引き受けている状況にございます。また、売却の可能性が見込まれるものにつきましては、通常の売却手続にのっとって一般競争入札に付しておりますが、現時点で売却に至ったものはないという状況でございます。
次のページをお願いします。こうした実態を踏まえまして、国庫に帰属した土地の処分等手続については、地域における活用の促進、それから管理処分コストの削減を図るために、前回の2月の国有財産分科会において対応の方針を示させていただいたところでございます。処分手続の柔軟化ということで、例えば、隣接土地所有者を相手方とする場合や、予定価格が100万円以下の売却における随意契約の活用、それから測量・境界確定協議、地下埋設物調査を行わない現状有姿売買の導入でございますとか、鑑定評価でなく、職員が評価を行う簡易な評価手法の適用といった方針を示させていただきました。このうち、簡易な評価手法の適用につきましては、取引条件の個別性及び市場性を適切に反映する観点から算定方法の見直しを行う必要がございますので、今日はその具体案についてお示ししたいと考えております。
次のページをお願いします。まず、簡易な評価手法の対応方針ということで、適用対象とする土地の基準でございます。現状、土地狭長などによって単独利用が困難な土地や貸付中の財産につきましては、随意契約による売却を行っておりまして、買い手が実際問題として限定されること、買い手が購入の意思を示した機会を逸することなく売却につなげる必要があることを理由といたしまして、これらの財産については職員による簡易な評価手法を適用しているのが現状の制度でございます。
国庫に帰属した土地につきましても同様の考え方を取りたいと思っておりまして、具体的には、買い手が隣接土地所有者のみである場合、それから、買い手が隣接土地所有者以外の1者のみであり、かつ、予定価格が100万円以下の場合につきましては、前回の分科会でも、随意契約を活用して売却することとしたいと提案させていただきましたけれども、職員による簡易な評価手法については、これらの財産について適用したいと考えているところでございます。
一方、簡易な評価手法の適用対象につきましては、価格の透明性の確保、それから説明責任を担保する観点から、非常に広い財産とか非常に高額な財産につきましては、原則どおり、鑑定評価を徴することとしたいと考えておりまして、具体的には、下に書いております面積基準、それから金額基準を設けたいと考えております。
少し小さくなってしまいますけれども、下の米印の2番を御覧いただければと思いますが、この面積基準、金額基準を適用したとしましても、現状、財務局で管理しています1,586件の財産のうち、この鑑定評価を徴する必要のある財産は28件になりますので、そういった意味では、全体として十分に手続の柔軟化、迅速化に支障のない基準であると考えているところでございます。
次のページをお願いします。簡易な評価手法の対応方針の2番目として評価額の修正方法についてでございます。国の財産につきましては、財政法に基づきまして、適正な対価なくして譲渡してはならないことになっております。簡易な評価手法によって職員が評価する場合でございましても、財産評価基本通達に基づく相続税評価額を基礎として評価額を算定するのが原則となります。その上で、国庫に帰属した財産につきましては、3か月間、公的取得要望及び一般の買受け等の要望を受け付けた上で、国庫に帰属した土地を随意契約により売却する場合には、新たに現状有姿による売買を導入することにいたしております。
この現状有姿売買の導入に伴います取引の条件による修正をまず行いたいと考えております。①のところでございます。具体的に申し上げますと、下の四角囲いのところを御覧いただければと思いますが、測量及び境界確定協議を実施しないこと、それから、地下埋設物及び土壌汚染に関する調査を実施しないといったことがございますので、こうしたリスクを買主に移転させることに基づきまして、そのリスクの移転を適切に反映するために評価額の修正を行いたいと考えております。具体的な修正率につきましては、マイナス30%を標準とすることを考えております。このマイナス30%という数字でございますけれども、四角囲いの右側を御覧いただければと思います。裁判所が競売を行いますときに市場価格の修正を行っておりますが、不動産競売物件情報サイトに公開されている競売物件のうち、1,000平米以下かつ500万円以下の宅地についての競売市場修正の平均が34%となっておりますので、こういった数字も基にしながら今回マイナス30%という数字にさせていただいているところでございます。
次のページをお願いします。価格修正の2番目といたしまして、市場の反応に応じた修正も取り入れていきたいと考えております。買受け要望の受付期間の終了時に要望がなかった場合につきましては、先ほど申し上げました取引条件の修正を行った上で、引き続きホームページに掲載して要望の受付を行うことになっております。このように、買受けの要望を広く受け付ける過程において市場における需要の有無を把握することができると考えておりますので、需要がないことをその都度確認した上で、段階的に評価額の修正を行うこととしたいと思っています。
具体的には、下の枠の中に書いておりますけれども、物件情報を公表した日から起算して3か月ごとに10%ずつ価格の修正を行っていって、最終的には9割の修正まで行うことを考えております。
ちょっと分かりにくいものですから、2ページおめくりいただいて、7ページ目でございます。これは価格の推移を表しておりまして、一番最初の100というところが相続税評価額に基づいて職員が評価を行ったところでございます。まず、取得要望を受け付けた上で、現状有姿売買を行うことになりました場合には、取引条件による修正を30%加えることで70のところに参ります。その上で、3か月ごとに70の10%ずつ減価していく。70の90%引きで、元の価格を100としますと最終的には7というところ、93%マイナスまで価格を段階的に下げていくことを考えているところでございます。こうした取組によって、処分手続の迅速化と併せて、評価額もこうやって市場に連動する形で柔軟に評価することで、処分の促進を図っていきたいと考えているところでございます。
私からの説明は以上でございます。
〔 筒井分科会長 〕 ただいまの説明につきまして、御意見等ございましたら御発言をお願いしたいと思いますが、御発言は2分程度におまとめいただくようにお願いいたします。会場で御発言を希望される方は、ネームプレートを立ててお知らせいただきたいと思いますし、オンライン参加の方で発言を希望される方は、挙手ボタンでお知らせいただきたいと思います。御発言は、会場から2名、その後オンラインから2名、さらに会場から2名、交互で指名をさせていただきます。いかがでございましょうか。
それではまず、亀坂委員、お願いします。
〔 亀坂委員 〕 御説明、ありがとうございます。
この職員評価の場合ですけれども、担当される職員の方によって評価に差が出ることがないように設計されているのかということを質問させていただければと思います。
〔 筒井分科会長 〕 大久保委員、お願いします。
〔 大久保臨時委員 〕 御説明、ありがとうございます。
事前説明の際に、職員評価の対象となる国庫帰属の土地が割合として9割ぐらいありますと伺いました。ということは、かなりの件数が対象になるので、管理処分コストの削減につながることが期待できるとは思いますが、一方で、帰属土地というものは、場合によって、かなり需要が厳しいものが多数含まれているかと思います。そうしたことを考えますと、需要に応じて価格を修正していったとしても、最終的に売れ残る。絶対、買い手がつかない土地も相当数出てくるのではないかということが予想されます。
そういうことを含めますと、管理処分コストを削減するだけではなくて、一方で、保有しているときの管理コスト、例えば雑草の始末をどうするか、いろいろ悩ましいことがあるかと思います。一方で、保有しているときのコストも削減する方法を両輪で考えていかないと、今後の国庫帰属土地の管理運営というのがなかなか厳しいものになってくるのではないかと思います。
〔 筒井分科会長 〕 それでは、今度はオンラインから持永委員、お願いします。
〔 持永臨時委員 〕 御説明、ありがとうございました。
前回の分科会で、評価額をどうにか、ある程度融通を利かせられないかという意見に対して、非常に現実的かつ理論的な案を御提示いただいたと思っています。会計基準で、販売収益に関して支配とリスクの移転という考え方があるのですけれども、まず、取引条件のところを価格修正でリスク移転という考え方を入れていただくと同時に、あと、②番で市場の反応に応じたということで、非常に実態を踏まえた案を御提示いただいていると思います。その点について評価しておりますので、一言申し上げました。
〔 筒井分科会長 〕 それでは、会場から川口委員、お願いします。
〔 川口委員 〕 本件、簡易な評価方法の導入につきまして、提案されている対応策そのものについては異論ございません。一般競争入札による売却実績が現時点でゼロという状況を踏まえれば、随意契約の活用、現状有姿売買の導入、そして段階的な評価額の修正によって処分を促進していく。このような方向性は実務上必要な対応であると考えます。管理コストと事務コストが国民負担として継続的に積み上がっていく現状は放置できないので、出口を広げる努力は進めるべきということに全く異論はございません。
その一方で、売れ残ってしまうものが出てくることを含めて、出口における対処だけではなくて、その手前にある問題。この問題は前回も議論されていました、市場性に乏しく、現に売却できない土地が入り口の要件審査を通って次々と国庫に流入して積み上がってくる。その結果、本来は申請者が負うべきであった管理コストが国庫帰属後は国民負担へと転嫁され、財務局側に積み上がっていく。今回の値下げ策を幾ら精緻に運用しても、入り口から出口へと負担が流れ込む構造そのものは大きくは変わらないということで、入り口の蛇口の部分で、国民負担で負動産を抱え込み続けることになるので、ここについては抜本的に考えていかなければならない。一応この制度ができたといっても、市場性のない土地を公的部門が引き受けること自体に相当の正当化が必要であり、その正当化を国民に対して説明を果たせているのか。現状の制度設計では、この積み上がっていく現状からしますと、これは真剣に問わなければならないと思います。
そこで提案でございますけれども、今回の現実的な対応策はこれで着実に進めていただく。そこでは大久保委員からもございましたが、あわせて帰属後の管理負担の在り方を含めて。さらに進めて、入り口の帰属要件が現状で適切なのか、前納の負担金額の水準等を含めて、こうした論点について、所管の省庁の枠を超えて横断的に検討する場を設けていただきたい。つまり、出口の努力と入り口の是正、この両輪で取り組んでいただきたいと思います。
〔 筒井分科会長 〕 それでは、吉原委員、どうぞ。
〔 吉原臨時委員 〕 私も、今回の見直しの内容自体には賛同いたします。今、各委員の先生方からお話がありましたように、国庫帰属した土地を市場に再び戻していこうと評価や売却の方法を工夫しても、やはり市場性の低いものが再び市場に流通していくことは実際にはかなり厳しいことから、国が保有し続ける可能性も前提として、どのように管理コストを下げていけるか、また、国が所有して、民間が管理をしたり利用を工夫できるか、といった二段構えで検討を進める必要があることは、私もまったくそのとおりであると考えております。
入り口のところで受入要件の見直しも当然あるわけですけれども、さらにその前の段階として、個人が土地を所有し切れなくなってきている、この現状がまずあるのだと思います。農地、山、それから空き家、空き地の問題など、相続という個人による財産承継だけでは国土の保全が難しくなってきているという大前提の下で、誰がどうそのコストを分担していくのかという観点からの大きな議論が必要であろうと考えます。
それから、今回の評価額の見直しというのは、市場において、こうした低未利用土地を流通させていくための新たな制度として一般化していけるような大きな可能性を秘めていると思います。従来型の市場性のある不動産と並行して、こうした低未利用土地をいかに民間の中で回していけるようにするかという新しい手法や、制度の再設計の可能性をこの帰属制度の見直しが切り開いているのだというポジティブな観点からも、この制度が発展していくことを期待いたします。
ありがとうございます。
〔 筒井分科会長 〕 ありがとうございます。
ほかにはよろしゅうございますか。
それでは、ただいまの御意見に対して事務局から説明をお願いします。
〔 寺﨑国有財産企画課長 〕 ただいま御質問があったことにお答えしていきたいと思います。
まず、亀坂先生から御質問がありましたけれども、職員によって評価に差が出ないかということでございます。基本的に、職員による評価については、国税庁の財産評価基本通達にのっとって職員が評価しておりますので、やり方自体はどの職員が評価しても同じでございます。職員評価を行っているという意味では、今回の評価手法の見直しをする以前から行っているところでございますので、その点については変わりないと承知しております。
それから、大久保委員から、どうしても売れ残りが発生するというお話がありました。そのとおりだと思います。実は、今回の評価の市場による修正を入れるときにも、遊休不動産を90%以上値引きすると大分売れるようになるというところから、93%まで値引きできる制度にしたのですけれども、実際問題とすると、実はその中には1円まで値引きしているものも入っているものですから、93%の値引きによって確実にどんどん不動産が売れるようになるとはならないと思います。そういった意味で、実際に93%値引きという今回の手法をやってみた上で、それでもどうしてもまだまだ売れないということであれば、さらなる制度の見直しも検討していかなければいけない。おっしゃるとおり、管理コストの低減については、前回の2月にも議論させていただきましたけれども、より効率的な管理手法をやっていくのはこれまた継続して取り組まなければいけないことだと思っております。
それから、持永委員から、今回の見直しについて評価いただいたということで、大変ありがたいと思っております。
それから、川口委員からのお話は、後ほど担当課長からコメントさせます。
吉原委員から、今回の評価の見直しが今後一般化できる可能性もあるのだろうとおっしゃったのは、そのとおりだと思います。今回については、まさに国庫帰属財産について現状有姿売買を取り入れた上で、さらに不動産情報についてホームページで継続してさらしていくような見直しを行ったことに伴う評価手法の見直しとなっていますので、今回の見直しの対象自体は国庫帰属財産だけということになりますけれども、当然ながら、財務局としても売れ残りの財産を抱え続けるというのは、これ以外の分野でも非常に問題になることでございますし、そこは今後もよく検討を続けてまいりたいと思っております。
〔 中村国有財産業務課長 〕 国有財産業務課長の中村でございます。
川口委員から御指摘いただきました。吉原委員からも御指摘がありましたとおり、そもそもこの相続土地の制度は所有者不明土地の発生防止という観点からのものでございますけれども、川口委員の御指摘、制度の持続可能性という観点からも重要な視点をいただいたと考えております。
委員御承知のとおり、本制度、施行から5年後の見直し規定が入っているところでございます。前回の分科会でも御審議いただきましたけれども、今後、制度の5年後見直しも念頭に置きまして、法務省や管理庁である財務省等で、国庫帰属要件の判断基準の目線の統一など、関係省庁としっかりと協議していくこととしております。いただいた御指摘の問題意識も踏まえまして、しっかりと関係省庁と議論してまいりたいと考えております。
〔 筒井分科会長 〕 今の御説明に対して、御意見、御質問等、大丈夫でしょうか。
ありがとうございます。
それでは、続きまして、地域における国公有財産の総合的活用について、事務局より説明をお願いいたします。
〔 川路国有財産調整課長 〕 続きまして、資料2の地域における国公有財産の総合的活用について御説明いたします。国有財産調整課長の川路と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
1ページをお願いします。概要でございますけれども、地域に所在する国有財産を俯瞰し、地方公共団体が策定する都市計画、防災計画等との整合性を図るとともに、市区町村やその他関係機関と連携し、国公有財産の総合的活用を推進する取組と整理しております。
左下の取組の経緯を御覧ください。国公有財産の最適利用から、国公有財産の総合的活用に矢印が引かれていますけれども、これまでの国公有財産の最適利用ということで、人口減少の進展に伴い出てきた課題である施設の老朽化であるとか耐震化に対応するために、国の合同庁舎の整備を中心とした施設の最適化の取組を進めてまいりました。しかし、そこでは個別の財産の効率化が中心となりまして、地域全体を俯瞰して、地域の課題、将来像を踏まえた取組ではなかったという点がございました。そのため、これからは、これまでの最適利用をベースに、地域課題、ニーズを踏まえまして国公有財産を活用することで、地域横断的に全体としての価値を向上する取組を進めていきたいと考えているものでございます。
この取組についてのポイントを3つ挙げてございます。1つ目でございますけれども、地域課題と国公有財産の情報を整理し、都市計画・防災計画等との整合性を可視化することでございます。2ページを御覧いただけますでしょうか。具体的な財産情報・各種計画の整理イメージでございます。国有財産であるとか公有財産、そして行政サービスの分布状況とか人口動態、ハザードマップでの浸水区域、あとは国交省が進めています立地適正化計画で都市機能誘導区域など各種計画も含めまして、地図上で整理、見える化しまして、この一覧化した情報をベースに地方公共団体の方々と議論をしていきたいと考えております。
また1枚目にお戻りいただきまして、2つ目でございますけれども、地域課題や将来像を踏まえ、地域における国公有財産の総合的な活用の方向性を整理することを掲げてございます。地公体の方々でありますとか関係部局等の関係者が継続的に参画する検討会等の場を設置しまして、対象とする地域に関し、課題等の議論、調整を行います。進めていく方向性が決まりましたら、活用に係る方針を策定し、公表したいと考えております。これまでは、例えば庁舎整備でございますれば、地公体の皆さんと議論し、最終的に個別の計画として最適利用という個別プランを公表しておりましたけれども、これからは取組の入り口部分で公表しまして、地域の皆さんのコンセンサスを得ながら進めたいと考えております。具体的な方針のイメージは3ページ目、あと4ページ目におつけしてございます。
1ページの3つ目でございます。地域拠点としての機能や地域防災に資する機能を備え、住民生活の維持・向上及び地域の魅力向上に寄与する庁舎の活用を推進するということでございます。資料ですけれども、飛びまして5ページ目をお願いいたします。5ページ目の庁舎の活用についてでございますけれども、国の庁舎、特に合同庁舎につきましては、立地や機能という面で優れたものがあると認識しております。立地面ですと、市の中核部分に所在しまして、人流や活動の結節点になり得る特性がございます。また、機能面では、高い耐震性能を備えており、災害時に機能を発揮できると期待されています。また、会議室やオープンスペース等も備えておりまして、一定の公共的利用が可能な施設機能も有しております。このように公共的資源としてのポテンシャルを有しているため、地域課題やニーズを踏まえまして地域において活用を推進していきたいと考えております。
具体的には以下の2つを考えております。1つ目は災害用備蓄です。災害時の地方公共団体の備蓄を国の庁舎に置けるようにしていきたいと考えております。検討の中で、内閣府防災担当にヒアリングしましたところ、備蓄を進めているけれども、地域では置き場がなくて困っているようだ、そういった課題があるとの御意見がございました。そうした事情にも対応するため、地域において備蓄ができる取組を進めたいと考えております。2つ目は、賑わいの創出でございます。地域と国が共催し、施策の発信等をするイベントについては、国の庁舎を開放していきたいと考えております。今後も、こうした活用事例を積み重ねまして、より合同庁舎が使いやすいように見直しを図りたいと考えております。
当然でございますけれども、庁舎は国有財産法上の行政財産でございまして、様々な法的制約がございますので、そうした法的制約であるとか趣旨と整合性を取りつつ、効果的な活用ができるよう取組を進めてまいりたいと考えております。
次は6ページ目でございます。これからは各局で実施している取組の事例でございまして、その紹介でございます。1つ目でございますけれども、行政機能の集約に関する事例で、中国財務局の山口県周南市のものです。市役所と市民館の建て替えが行われまして、市では、市民館跡地とその周辺エリアを行政拠点として位置づけたいと考えておられます。そのため、地域のニーズを踏まえまして、市と国が連携し、国の庁舎をその近辺に集約配置することによりまして市民の利便性向上や賑わい創出、新たな人流の創出を図っていきたいと考えているものです。
7ページ目をお願いいたします。庁舎の地域開放に関する事例です。国の庁舎の地域への開放に関するもので、四国財務局の香川県高松サンポートの事例です。四国財務局が中心となりまして、農政局や消費者庁新未来創造戦略本部とで国の施策広報のための共催イベントを企画・開催しました。国の施策の説明が目的でありますと通常はシンプルなものが多いのでございますけれども、今回、お子さんが参加する体験会なども含めた形で開催したものでございます。地元の新聞やテレビでも広く取り上げられておりまして、来場者からは、国の庁舎は閉鎖的なイメージを持っていたけれども、このような開放についてはすばらしい取組だといった声をいただいております。
8ページ目をお願いいたします。こちらは防災力の向上に関する事例でございます。北海道釧路市のものです。釧路地方合同庁舎は、2011年に釧路市から津波緊急一時避難施設の指定を受けております。昨年7月にカムチャツカ半島地震が起きましたけれども、同合同庁舎におきましては地域住民の受入れを行ったものでございます。釧路市でも避難所は複数ございますけれども、こちらでは最大400人の方々を収容しまして、財務局の職員が中心となりまして寄り添った対応を行い、備蓄品の配布なども行ったところでございます。地域や避難者の方からも感謝の声をいただいている事例でございます。
以上、事例の御紹介でございますけれども、本取組を進めることにより、防災力の向上でありますとか賑わいの創出も含めて図りたいと考えております。
私の説明は以上でございます。
〔 筒井分科会長 〕 それでは、今の説明について御意見等ございましたら、いかがでございましょうか。1人2分めど、それからネームプレートないしは挙手ボタンでお知らせいただきたいと存じます。
それでは、竹川委員からお願いします。
〔 竹川臨時委員 〕 1つ質問です。総合的活用という意味では、防災で備蓄品という話があったのですけれども、防災のときというか、災害時は電力とか、その辺のインフラをどう維持するかというのも大事だと思うのですが、屋根置き型の太陽光発電、あるいは蓄電池とか、そういうものを備えるのはコストの関係とどういうふうに考えればいいのか教えてもらえればと思いました。よろしくお願いします。
〔 筒井分科会長 〕 続きまして、大久保委員。
〔 大久保臨時委員 〕 この資料ですと3ページですね。都市機能の区域以外での国有財産の総合的活用においては、いろいろな形で審議をしながらも可能性としてはあるようなことが記載されておりますが、基本的に地方の人口減少は顕著なもので、都市機能をどのようにコンパクト化して集約していくかということが今課題になっていたりするので、例えば、人々の日常生活に伴う利便性の向上ですとか、先ほど御説明がありました賑わいの創出だとか、そういったものは基本的には誘導地域内においていろいろ検討していくことが、これからの人口減少の流れからするとやはり適切なのではないかと思います。
そうした意味では、誘導区域以外のところであえて国有財産の活用の方向性とか、そういったものについてはどのように考えていくべきかというのがちょっと私には分かりませんものですから、御説明いただければありがたいです。
〔 筒井分科会長 〕 それでは、亀坂委員、お願いします。
〔 亀坂委員 〕 ありがとうございます。
この分科会では、以前、首都直下型地震への対応などを議論したことがありますが、資料2では、地方公共団体において防災力の向上などを図っているということで、日本は、いつ、どこで地震や台風などの災害に見舞われるか分からないぐらいの災害大国と言われておりますので、地公体の皆様とこういった防災力の向上などに引き続き取り組んでいただければと思います。これは感想です。
〔 筒井分科会長 〕 それでは、山内委員、お願いします。
〔 山内臨時委員 〕 ありがとうございます。
基本的にこのような方向で政策を取られるというのはいいことだと思うのですけれども、これをどのように促進するかということが大事だと思っています。私の理解では、誰が主体的にやるのかということがすごく重要だと思っています。地方の財務局に権限を落とすものとすると、資料の最初にありますけれども、自治体とか、それに類するようなところと、いかに情報共有して、推進する母体をつくっていくか、そこがとても重要だと思っています。
場合によっては、国有財産法をどう解釈するかによるのですけれども、PFIみたいな形で民間が入ってくることもあり得るのではないかと思っています。そこの7号館のところも、財産を区切って民間でも使っているような形があるのです。まだPFIだからできるのですけれども、そういうような形も含めて総合的な利用は進めたらいいのではないかと思っています。
〔 筒井分科会長 〕 川口委員、お願いします。
〔 川口委員 〕 この方向性については賛意を表します。特に釧路の事例のように、頑健な国の庁舎を地域の防災拠点として生かす取組というのは、実績に裏打ちされた説得力を持っていると思います。
その一方、総合的活用ということから政策の実態と重点が見えにくいと思います。3つの事例はかなり規模も対象も異なっておりますので、今後どのようにこれを促進していくかといったときに、政策の実態と重点を見えやすく工夫をする。賑わい創出とか定住促進といった定性的な目標だけでは、財務省の場合は終わることができずに、後で監査のフォローアップのように、基本的に財政への貢献であるとか効率性といったものが求められるので、そういう意味では難しいとは思いますが、政策の効果測定の枠組みについてもぜひ具体的に検討していただければということで、方向性はいいのですが、そこの具体化に落とす部分での工夫をお願いしたいと思います。
〔 筒井分科会長 〕 ありがとうございます。
ほかにございますでしょうか。
私から1点。これは質問ではないのですけれども、先ほどの相続土地国庫帰属財産のところも同じなのですが、地域の課題に沿うとか地域の将来像に沿うとかいう方向性、これはそのとおりだと思います。ただ、地域そのものが大きく変わってきているという現実があります。すなわち、人口が減ってきて、特に小さな規模の自治体は単独でいろいろな物事に対処することが難しくなりつつあります。ここで必然的に、私も仕事柄、地方の経済団体とよく話をしますが、もう彼ら自身が広域連携をしようという動きが出てきています。これは、自治体だけではなくて、産業界もそうですし、大学もそうですし、あらゆる領域で広域連携をしていっている。
地域がそういう広域連携――これは防災もそうですし、介護もそうですし、農業とか観光とかあらゆる領域で広域連携を進めていかないと、資源的にもたなくなってきている。そのような現実があるので、相続の帰属財産の処理とか国公有財産の活用とかに当たっては、地域そのものが広域連携の時代に入ってきているのだということを、ちょっと具体性に乏しい話で恐縮なんですが、そのような前提で対応していく必要があるのではないかと思います。というのは、一個一個の物件ごとにいろいろ考えていっているわけですが、もうちょっと広域で、エリアでまとまって、案件を束にして、広域のニーズにどう沿っていくか。自治体のニーズを幅広く、近隣自治体を含めて広くニーズを拾っていく、そのような対応が必要なのではないかと思います。
すみません。私から申し上げましたが、ほかになければ、事務局から説明をお願いします。
〔 川路国有財産調整課長 〕 ありがとうございます。
まず、竹川委員の電力も含めてのコストとの兼ね合いに係る御質問でございます。我々が今回考えておりますのは、基本的に地域でやるような、例えば防災の関係でもどのようなものができるかということに対して、我々の庁舎であるとか行政財産を使ったサポートというか、支援でございますので、地域において、防災力において、エネルギーの問題をコスト面も含めてどう考えるかも含めて、我々はどのようなお手伝いができるかと思ってございますので、具体的にそれぞれの地域において事情も異なるものと思いますし、その辺を含めて、地域も含めて議論を深めてまいりたいと考えております。
次に、大久保委員の御指摘でございますけれども、おっしゃるとおり、地域の在り方も含めてコンパクト化になってきて、基本的には都市機能誘導区域の中で立地適正化計画も踏まえてやっていくことが実情だと思います。ここで書いている趣旨は、例えば、今、都市機能誘導区域外にあるところでも単独庁舎みたいなことが幾つかあるので、それを都市機能誘導区域のほうでも集約するようなこともあるのではないか。そういう観点で、対象の例えば庁舎であるとかも、そこにある部分を、必ずしも区外だから検討しませんという意味ではなくて、その部分を含めてもっと広く、分科会長が今おっしゃった関係でもございますけれども、広い目で見た感じで、どのようなやり方があるという趣旨でも、対象に含めますという意味において記載しているという趣旨でございますので、念頭に置いているのは、コンパクト化の考え方に沿うようなものだとは考えております。
亀坂委員のほうは、地域の防災力向上の関係でございますので、我々ができることを引き続き対応していきたいと考えております。
山内先生、どういうふうに促進していくかということでございます。誰が主体的か。我々の基本となるのは国有財産を使ってということでございますので、まず総括権を持っている財務局が中心となりまして、それぞれの国の官署も含めて、さらにそれを、地域においていかに効率的に活用できるかということを検討していきますので、基本的に中心になるのは財務局が主体となっていきたいと考えております。
もちろん、やはり財政的な問題もございますし、民間活力を入れるところ、我々もPFIの推進も考えてございますので、例えば庁舎集約のときもPFIという形で使って、付随的なサービスも含めてどのようにできるか。民間活力も含めて考えていきますので、当然その対象にPFIの考え方も含めまして取り組んでいきたいと考えております。
川口委員のほうでございますけれども、確かに今進めている事例のスケールみたいなのも様々でございます。一方で、我々のこれからやろうとしているところも、国有財産、例えば公有財産も含めてですけれども、地域において財産の分布状況とか、どういう財産があるかというのもそれぞれでレベル感がございます。あとは、地域においても、地域の課題みたいなものも多様性というか、様々なものでございますので、そのようなものに対して、地域において、我々の国有財産も活用しながらどのように地域力の向上を図っていけるかということでございます。例えば、集約に重点を置くのだというのはなかなか我々も考えておりません。これまでの最適化のところは、集約化であるとか庁舎の活用みたいなことを重点的に、どちらかというと点でやっていたのですけれども、今回は面的なところで考えるものでございますので、それぞれの事情に応じて我々ができることをやりたいというのが今回の総合的活用という考え方でございます。
もう1つの効果測定でございますけれども、おっしゃるとおり、非常に重要な論点でございます。例えば集約化するとどのぐらいの財政貢献があるかというのを含めて、財政効果の測定というのは考えながら我々も対応していく考えでございます。一方で、今回やります賑わい創出であるとか防災力の向上は、定量的に、それも外生的な要因だったり地域の事情も加味しませんといけませんし、因果関係もなかなか難しいですけれども、そういったことも含めて、我々も政策をやる上で一定の効果をしっかりと確認しながら、どのような効果が発現するのか我々も考えながらやることは非常に重要な論点でございますので、測定の仕方も含めて引き続き勉強してまいりたいと考えております。
分科会長からは、これまでのそれぞれの地域だけではなくて、もう少し広いところで見るという広域的な観点の御指摘だったと受け取りました。確かに現時点だと基本的には市区町村という形ではございますけれども、御指摘のありました、もう少し広域的な連携も含めたこともこれから動きが出てくると思いますので、必ずしも市区町村だけでもなくて、そのような意味でも広域的な自治体、例えば県単位も含めて議論のやり方もあるかもしれません。そういった御趣旨、御指摘も含めて、この取組について対応していきたいと考えております。
〔 筒井分科会長 〕 ありがとうございました。
よろしゅうございますか。
それでは、次の案件に参ります。続きまして、留保財産の対応状況につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
〔 中村国有財産業務課長 〕 国有財産業務課長の中村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
留保財産の対応状況について御説明させていただきます。
留保財産制度でございますけれども、有用性が高く、希少な国有地につきましては、将来世代における行政需要に備えつつ、地域社会のニーズに対応していくということで、留保財産として国が所有権を留保して、定期借地権により活用を図っているところでございます。この制度は、令和元年に分科会の答申をいただきまして運用してきたところでございますけれども、これまでの運用で課題も確認されてきたということで、昨年3月の分科会におきまして留保財産の課題、同年6月の分科会で課題に対する今後の対応について御審議いただいたところでございます。
資料の1ページでございます。昨年3月及び6月の分科会で御審議いただきました課題と対応方針について整理してございます。改めて簡単に御説明申し上げます。留保財産の運用におきまして、1つ目でございますが、留保財産のうち、有用性・希少性が乏しい財産が確認され、有効活用が図られず留保し続けることによるコストが発生している。2つ目でございますけれども、留保財産は、更地での定借が前提であるところ、国が実施する既存の建物の解体・撤去、これらは相応の時間を要するということで、事業者からは事業の早期実現化を図れるようにといったニーズが寄せられている。そういった課題が確認されたところでございます。
これらの課題に対する対応といたしまして、資料の下段でございます。1つ目でございます。留保財産の選定に当たっては、庁舎・宿舎等の施設整備に支障となる要因がない財産を原則とし、既に留保財産に選定されている財産につきましては、事情変更等が生じて有用性・希少性を喪失した場合は、留保財産から除外するということで、留保財産の再精査を行う。2つ目でございます。事業の早期実現化のため、貸付相手方が建物解体等を行う特約を付した定期借地権を導入する。こういった方針が整理されたところでございます。
昨年6月の分科会で示された方針に基づきまして、この1年対応を進めてまいりました。次のページをお願いいたします。こちらに対応状況を整理してございます。1つ目、再精査の結果でございます。再精査を実施いたしまして、各財務局に設置されております国有財産地方審議会にお諮りした上で、12件の留保財産を除外したところでございます。この結果、令和8年5月末時点の留保財産件数でございますが、その他新たに留保財産に選定されたものが3件、国が利用するものが1件ございましたので、令和7年3月末時点からマイナス10件の計53件となってございます。また、この1年で利用方針を新たに5件策定いたしますとともに、定期借地契約も新たに4件締結するなどしております。留保財産の運用を着実に進めているところでございます。
2つ目の方針、事業の早期実現化のための解体特約付き定期借地権の導入でございます。資料の下段に記載してございますが、通達改正等の制度的手当てを完了いたしまして、現在、事業者のニーズ調査を行うなど、対象となる事案を精査しているところでございます。
次のページをお願いいたします。再精査により留保財産から除外した具体的事例を掲載してございます。まず、資料の左側でございます。この財産はJR桜木町駅の南西約1キロメートルにございます面積2,734平方メートルの土地でございますけれども、横浜市の中心部に近接したエリアで、令和元年に留保財産に選定したものでございます。しかしながら、留保財産選定後、横浜市や民間事業者にさらにヒアリングをいたしましたが、現状の接道状況では分譲戸建て住宅しか建設できないことが判明いたしました。つまり、この財産につきましては、将来、現状のまま庁舎・宿舎等を整備しようといたしましても整備は困難と判明したところでございます。加えて、近年、同じ横浜市内に、より希少性のございます財産2件を取得いたしまして留保財産に選定しております。こうしたことを踏まえまして、本財産に係る希少性・有用性は喪失したということで、関東地方審議会に諮問いたしまして、留保財産から除外したものでございます。
資料の右側の財産でございます。こちらは札幌市に所在する財産でございます。真駒内駅の南西約3.7キロメートルで、面積約1万2,000平方メートルの土地でございますけれども、先ほどと同じく、令和元年に留保財産に選定したものでございます。こちらの財産は、令和2年度に人口集中地区から除外されまして、留保財産選定の目安、選定基準から外れたところでございます。さらに、令和4年度に入札に付しましたけれども、応札者がいないということで不調となっております。こうした状況を踏まえまして、この財産の希少性・有用性は喪失したということで留保財産から除外したものでございます。
以上、留保財産の対応状況について御説明させていただきました。留保財産につきましては、引き続き利活用の促進に向け、適切に対応してまいりたいと考えてございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔 筒井分科会長 〕 ただいまの説明について、御意見等、いかがでございましょうか。
山内委員、お願いします。
〔 山内臨時委員 〕 さっきの総合的な活用もそうなのですけど、やるのは国あるいは財務局ですが、要するに、自治体とか、そのような現場のところとどのように情報を共有して、本当に欲しいものがあるのか、どうしたらいいのか。その辺のマーケットインですね、それが重要だと思っています。もちろん、国がやるのですが、そういった情報について積極的に取りに行かないと駄目なのではないかというのが私のさっき言いたかったことです。
これも同じでして、留保財産で、条件が変わったのでもう留保財産でない、それをどうしましょうかというのはあるのですけれども、一方で、自治体は、こういうのがあったらこう使いたい、あるいは、賑わい施設にしたいとか商業施設にしたいとかあると思うので、その辺の情報といいますか、必要性みたいなものを積極的にやっていただくといいと思いました。
というのは、定借でやろうとすると結構時間がかかります。これは留保財産ではないですけれども、私どもの大学で、先日、宿舎を潰して、定借で新しい開発をやろうとしたのですが、結構時間がかかります。例えば、社会福祉施設とかそういうものは常に需要があるからいいのだけれども、そうでないようなものだと時期を逸してしまうというのが非常に惜しいという感じますので、そういう面では、情報を絶えず入れて、その手続を簡素化していくことが必要かと思います。
〔 筒井分科会長 〕 それでは、オンラインから奥田委員、お願いします。
〔 奥田委員 〕 奥田です。よろしくお願いします。
今後の対応のところに記載していただいている①から④の事情変更という部分ですが、一般的には、この①から④の条件というのはそうそう変わるものではないのではないかと思っています。ただ、不動産はいろいろ個別性がありますので、状況が変わったので留保財産から外していくというのは、それはそれで確かにありなのかなと思います。あまりかちっとした形で決めてしまうと多分運用しづらいところもあると思いますので、柔軟性を持たせて考えていくことは大事なのかと思います。
1つ、桜木町の案件で教えていただきたいのですけれども、この桜木町の案件は容積率が150%あって、第二種中高層で、3階建てまでは建てられるのかと思うのです。それでも、3階建ての宿舎等のニーズがなくなった。これに対応することは困難でありということに該当すると考えるべき物件なのか。どうしてここが外れるのかというのが明確に分からなかったので教えていただければと思います。
〔 筒井分科会長 〕 ほかにいかがでしょうか。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
〔 中村国有財産業務課長 〕 山内先生、御指摘、どうもありがとうございました。
留保財産制度につきまして、資料の4ページに御参考という形で載せておりますけれども、制度の枠組みといたしましては、地方公共団体との議論をしっかりやるようにとしております。ただ、先生に御指摘いただきましたとおり、ここが本当にしっかりと充実してできているかという点は非常に重要と認識してございます。今後、現場と一緒にこのあたり、より必要性等を積極的に取りにいけるようにしっかりと運用してまいりたいと考えております。ありがとうございました。
あと、奥田先生から御指摘の桜木町の物件でございます。こちらは接道状況の関係でなかなか高いものが建たないという中、3階建ての宿舎というお話をいただきました。現在、宿舎等は集約化して、可能な限り高い建物を効率的に建てていく方向性でやっているところでございますので、3階建てというところ、新しく宿舎を整備するという意味では効率性とか有効性の観点からなかなか難しいという判断の下、今回こちらの財産につきましては、再精査の結果、地方審議会にもお諮りして、留保財産から落とさせていただいたということでございます。よろしくお願いいたします。
〔 奥田委員 〕 ありがとうございました。今回の再精査の結果のところに、費用対効果等の観点から等入れていただけると分かりやすかったかなと思いました。次回以降、御検討いただければと思います。
〔 筒井分科会長 〕 分かりました。ありがとうございました。
ほかによろしゅうございますか。
それでは、次の議事に移りたいと思います。続きまして、令和7年度国有財産監査結果報告等、それから令和7年度処分価格等の客観性の確保に係る第三者チェックの実施状況について、事務局から説明をいたします。2つの議事の説明をいただきまして、後でまとめて質疑応答を行います。
それでは、令和7年度国有財産監査結果報告等について、事務局より説明をお願いします。
〔 皆川国有財産監査室長 〕 国有財産監査室長の皆川と申します。よろしくお願いいたします。
私からは、資料4の令和7年度国有財産監査結果の報告、監査指摘以降のフォローアップの状況につきまして御報告をさせていただきます。
まず、1ページ目でございますが、上段は監査の概要でございます。各財務局におきましては、国有財産等の現況を把握して、用途・目的に応じた効率的な運用、有効活用の促進を図るために、各省各庁に対しまして、国有財産の管理状況、使用状況等の監査を実施してございます。令和7年度におきましては、一定の地域、エリアに所在します庁舎等の公用財産、それから道路等の公共用財産等を中心に監査を実施させていただきました。加えまして、監査に当たっての新たな取組といたしまして、財務局の関係部門との連携を強化して、政策課題に対応した活用の観点での現状把握にも取り組んだところでございます。
下段は、令和7年度の監査結果でございます。全国で409件の監査を実施いたしまして、うち93件、22.7%につきまして問題点等を指摘してございます。内訳といたしましては、庁舎等の公用財産について、非効率使用の改善、用途廃止等を求めたものが84件、道路等の公共用財産につきまして、敷地の一部用途廃止等を求めたものが9件となっております。8ページ以降には一件別の指摘した事案の一覧を添付してございます。
続きまして、2ページ目でございます。こちらは7年度監査において指摘した事例を御紹介させていただきます。東北財務局におきまして、施設の用途廃止を求めた事例でございます。宮城県仙台市にあります裁判所職員総合研修所仙台分室でございますが、こちらに実地監査を行ったところ、施設の稼働率が低調でありまして、宿泊施設についても利用がない状況でございました。今後の稼働率の改善は見込まれないことを確認しまして、また、その研修も代替施設での実施が可能と判断いたして、用途廃止の指摘をしたものでございます。これによりまして、非効率の改善と有効活用が今後可能となる土地約1,800平米、台帳価格ベースでございますが、8.5億円の未利用国有地が今後創出されていくことになっております。
続きまして、3ページ目でございます。こちらは、四国財務局におきまして庁舎の借受け解消を求めた事例でございます。香川県さぬき市に所在します、①としまして高松法務局寒川出張所、②としまして香川地方協力本部さぬき地域事務所、こちらは借受庁舎でございます。実地監査の結果、①の法務局出張所に余剰が認められたことから、その非効率使用を解消するために、②の地域事務所の移転を求めたものでございまして、年間約140万円の賃借料の節減が見込まれることになります。節減額としては決して大きいものではないのですけれども、右側の地図にお示ししているように、同市におきましては、県立高校の統合による再編が予定されておりまして、移転後の地域事務所においてはこの統合予定地にも近接することになるため、自衛官の募集業務等に係るアクセス性についても一定確保されるような効果があるものと考えております。
続きまして、4ページ目でございます。冒頭触れさせていただきましたけれども、財務局の監査におきまして、関係部門、こちらは庁舎等の有効活用に関する総合調整を担当する部門でございますが、こちらとの連携を強化いたしまして、地域社会のニーズに対応した活用を後押しする観点での現状把握を実施しております。具体的には、概要のところにございますけれども、まず、監査前に、監査の対象庁舎等の選定に当たって調整を行うこと。それから、実際の監査時に担当の職員も同行しまして、使用許可制度等の周知でありますとか、活用可能スペースを現地で確認するという、監査時に連携を図ること。監査後につきましては、その結果を共有いたしまして有効活用の検討につなげるといった連携を図っております。
有効活用の検討の対象となる場合には、下段にありますとおり、財務局のホームページに情報を公開いたしまして活用要望の受付に至っているところでございまして、こちらの地域における国公有財産の総合的活用にも資するものとして、継続して取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、5ページ目でございます。こちらは、過去に指摘を行いました事案のフォローアップの状況でございます。上段の枠内でございますけれども、6年度までに指摘した件数の累計が1,714件ございまして、そのうち令和7年度までに是正されたものが1,386件、80.9%の進捗となっております。それから、これまでの累計でございますが、監査指摘によって得られた跡地の売却収入は約90.6億円、賃借料の節減は約11.5億円となっております。
下の表は、指摘是正件数の年度別の内訳となっておりまして、B欄の是正実績の括弧書きのところが7年度単年度で是正された件数となっております。こちらについては、各省各庁への指導、あるいは本省間での調整を行いながらフォローアップを継続してまいりたいと考えております。
続きまして、6ページ目でございます。こちらは、フォローアップにおきまして7年度に是正された事例を紹介いたします。まず、庁舎の用途廃止を求めたものでございますけれども、①は関東財務局の事例で、八王子市にございます農林水産研修所の敷地の一部につきまして、未使用の状態が続いていたために用途廃止を求めたものでございます。財産整理後、財務局に引き継がれまして、公的取得要望がなかったということで、7年度に一般競争入札に付しまして売却に至っているものでございます。②につきましては、沖縄総合事務局の事例でございます。沖縄県宜野湾市に所在します沖縄区検察庁(分室)庁舎がございましたが、非常駐化されまして非効率な使用となっていたということで、施設の必要性でありますとか、代替施設の利用の検討を求めたものでございます。結果といたしまして、用途廃止がなされたということで、また、地域から公的な取得要望がありましたので、令和7年9月に宜野湾市によりまして市役所の分庁舎として取得がなされたものでございます。既存の建物も利活用される予定と承知しておりまして、公的施設として引き続き地域活用されることとなった事例でございます。
続きまして、7ページ目は、フォローアップにおきまして借受けの解消が図られたものでございまして、既存の合同庁舎の余剰スペースへの移転を求めたものでございます。1つ目が愛知県豊田市にあります愛知地方協力本部豊田地域事務所でございますが、豊田合同庁舎への移転による借受けの解消を求めたものです。2つ目が沖縄県那覇市に所在します沖縄森林管理署、自衛隊沖縄地方協力本部等につきまして、那覇第一合同庁舎への移転による借受け解消を求めたものでございます。こちらの各施設につきましては、7年度中に各合同庁舎への移転が完了しておりまして、借受けの解消が図られたところでございます。
私からの御報告は以上でございますけれども、国有財産監査におきましては、引き続き、現状把握、効率的運用等を図るため、実地監査に取り組んでまいりたいと考えております。
〔 筒井分科会長 〕 続きまして、令和7年度処分価格等の客観性の確保に係る第三者チェックの実施状況につきまして、事務局より説明をお願いします。
〔 髙木国有財産審理室長 〕 国有財産審理室長の髙木と申します。私のほうからは、資料5に基づきまして、処分価格等の客観性の確保に係る第三者チェックの実施状況につきまして御説明をさせていただきます。
資料の1ページ目を御覧ください。この第三者チェックにつきましては、国有財産の処分に当たりまして、地下埋設物の撤去費用が一定金額以上に見込まれる場合などにおきまして、その処分価格等の客観性の確保に資するため、平成30年10月から運用を開始しておりまして、年に1度、本分科会にその実施件数の実績を御報告させていただいているものでございます。
第三者にチェックしていただく場面といたしましては、処分前、処分後、いずれもございますけれども、処分前におきましては、土地の調査を行った際、土地の地下埋設物等の撤去費用の見積書が出てきた段階、それから、その土地調査を踏まえまして鑑定評価書のドラフトが出てきた段階、その2段階で実施をしております。令和7年度におきましては、土地の調査につきまして4件、それから鑑定評価につきましては6件実施をさせていただいております。また、処分後におきましては、売却した後に、契約時点で明示していなかった地下埋設物等が見つかって、処分相手方から損害賠償請求をされた場合について、その賠償額の適正性について第三者チェックとして確認をいただいているところでございますが、こちらにつきましては、令和7年度に実施したものはございませんでした。
このとおり、令和7年度におきましては、緑で囲っております部分、10件実施しておりまして、この件数につきましては、制度開始以降おおむね10件前後で推移しており、その流れに乗ったものと認識しております。
それでは、資料2ページ目を御覧ください。こちらでは、令和7年度に実施いたしました第三者チェック10件の実施内容を個別に記載させていただいております。一番右の欄を御覧いただければと思いますが、いずれも有識者の委員の皆様より、おおむね合理的と御意見をいただいております。
それでは、このうち1件事例を御紹介させていただきます。資料3ページ目を御覧ください。東京都町田市に所在する財産について御紹介をさせていただきます。本財産につきましては、売却見込額が対策費用を下回っており、鑑定評価額がゼロになりうるという課題がございました。このような財産につきましては、財務省の通達上、売却を留保することになっておりますが、購入希望者がいる場合や、一定の需要が見込まれる場合等には、第三者チェックの実施を条件とし、処分可能性の検討を行った上で処分をすることができる規定になっております。そこで、この財産につきまして不動産鑑定士へのヒアリングを実施し、本財産の状況、例えば市街化調整区域に所在していることや建築基準法上の道路に接道していないことなどもお伝えしたところ、御意見として、資材置き場や駐車場といった表層利用を前提とした鑑定評価になる可能性が高く、評価額がゼロになる可能性は低いのではないかという回答が得られたところでございます。このため、正式に本財産の不動産鑑定評価を発注した結果、鑑定評価額はプラスとなり、この結果をもって第三者チェックを実施した上で、一般競争入札による売却を行った事例でございます。
同様な事例といたしましては、本年度、事案の5、兵庫県相生市の事例もございます。今後、売却の見込額が対策費用を下回り、処分可能性を検討した上で、第三者チェックを実施するといった事例が増えてくると見込まれております。
次ページ以降につきましては、制度の詳細につきましての参考資料となっておりますので、本日の御説明は割愛をさせていただきます。引き続き、こちらの第三者チェックの制度も活用しつつ、国有財産の適正な処分に努めてまいりたいと考えております。
私からの説明は以上になります。ありがとうございます。
〔 筒井分科会長 〕 今御説明のあった2つの議事についてですが、御意見等、いかがでございましょうか。ネームプレートまたは挙手ボタンでお知らせいただきたいと思います。
川口委員、お願いします。
〔 川口委員 〕 それでは、資料4の監査につきまして、監査を通じて約90億円の売却収入と約11億円の賃借料の節約ができた実績、これは大変評価されるべき努力だと思います。
累積で1,714件とございましたけれども、監査による是正というのは、各省庁が非効率や管理不備などを生んできて、それを是正する努力です。本日の監査指摘が間違いなければ、93件のうち約7割は台帳の誤りや手続の未済といった基礎的な管理不備で、なぜそういうことが起こるのかといいますと、各省庁側に非効率を放置する、それを正すインセンティブが働いていないので、結局、監査でそれを事後的に対応して是正していくというふうに解釈できると思います。これは、財務省のほうで努力を重ねても、結局、上流から問題が供給され続ければ抜本的な対策にならないので、どうでしょうか、上流に働きかける、そういうことを考え始めてもいいのではないかと。
先ほど筒井会長から御指摘がございましたけれども、今日の議事1番目の相続土地国庫帰属、それから国有財産の総合的活用、これは皆、共通した一つの構造が見えています。結局、事後対応で我々は検討、それが仕事であるということなのですけれども、今後は、上流に働きかけること。国有財産の在り方としてそういうタイミングに入っているのではないかと。筒井会長から先ほど御指摘がございましたけれども、広域連携ということで、今我が国は歴史的な人口減少の真っただ中にある。我々はもうそれに慣れ親しんでいるのですけれども、昔の戦争で亡くなった1年間の人口減少が今後ずっと続いていくという非常に厳しい中で、国民としては、国土全体を俯瞰する視点から、国有財産を含めた、ある意味で新しい列島改造みたいな。そういう意味では、各省庁であるとか、各個人であるとか、各自治体が、負動産であるとか非効率な施設管理を正すようなインセンティブを組み合わせた、筒井会長から広域連携とありましたけれども、そういうことを含めまして、上流の是正という第4の柱がどうも私たちの検討の中に必要なのではないか。監査のほうでよくやられているので、そのような感想を抱いた次第です。
〔 筒井分科会長 〕 若林委員、お願いします。
〔 若林委員 〕今日の議題の中で、地域における国公有財産の総合的活用という話が出てきました。これが導入されるのは非常に好ましいことだと思うのですが、これをフォローアップするという意味での監査というのも、業務範囲が変わってくるといいますか、中身が変わってくるのではないかと思えるのですが、その辺について御担当としてどのようにお考えか、教えていただければと思います。
〔 筒井分科会長 〕 続きまして、オンラインのほうから川嶋委員、お願いします。
〔 川嶋臨時委員 〕 川嶋です。御説明、ありがとうございました。
この監査に関しては、ぜひ、各省庁に横展開で、同じような事例がないかということをチェックしていただきたいということを改めて要望したいと思っています。
もう1点は、筒井分科会長と川口先生が今おっしゃったことに非常に賛同しておりまして、いずれの案件も人口減少による土地の管理の在り方が大きく問われているのかと思います。まず、所有者不明土地であれば相続する人がいない。土地を管理するにしても、その担い手がいない。もしくは、昨今話題になっている外国人の問題に関しても、手に余る土地を外国人の方々が取得することの是非について議論があります。こういった不動産、国有財産の管理の在り方を大きく問われているのかなと思います。
手続面での改善策としては簡素化、柔軟化、その目的の重点化というところがポイントになってくるかと思いますし、今後、個別の政策に関してはそういったキーワードを持ちながら進めていただきたいと思いました。
最後、国有財産は対価なく処分してはいけないということが財政法で決められているというお話がありました。では、一体、その厳しい制約の中で地方の財務局がこの土地をどこまで管理していくべきなのかということももう一回問い直さなければいけないのかと思いました。例えば、広大な土地を持っている諸外国の事例を参考にするなど今後、手に余る土地をどの程度まで財務局が管理していくのかということも議論しなければならないのかなと思いました。
〔 筒井分科会長 〕 それでは、持永委員、お願いします。
〔 持永臨時委員 〕 資料4と5ではあるのですけれども、先ほど分科会長と川口委員からの発言をお聞かせいただいて、将来の方向性、課題について再認識したところです。
私は、資料5の3ページになります。この分科会で国有財産に関する活用等の方針の審議が行われて、通達等が発出、要はルールが周知されて運用に入るわけですけれども、その運用を経て監査、資料4、そして第三者チェック、資料5ということだったのですが、資料5の3ページを見せていただきまして、1つの事例として表層利用という話がここへ出てきました。分科会で方針等の審議をさせていただいて、その後、ルール化、そして現場での運用というときに、実は運用の現場において何でもかんでも宅地にする必要もないとの判断で、ニーズにマッチした表層利用で価値を生み出した。こういう事例を見せていただくというのは、ルール、方向性について審議させていただく立場として非常に審議のしがいがあるといいますか、運用がうまくいっている事例だと思いましたので、一言述べさせていただきます。
〔 筒井分科会長 〕 それでは、会場から亀坂委員、お願いします。
〔 亀坂委員 〕 ありがとうございます。私は、まず資料4の、川口委員も指摘された5ページ目の跡地等の売却収入と節減された賃借料ですけれども、この財政難の中、少しでも90億円プラス11.5億円、これだけ収入があったのはよかったと思います。
次に、同じ資料の4ページ目です。下のほうの画像が貼り付けてあるところですが、東北財務局で有効活用を検討している庁舎等の空きスペースの情報、こういうものをホームページで公表している。これは有効活用しようということが公にも分かる形で開示され、情報が提供されていて、こういった事例も有効活用を図る上で今後参考になるかなと。こういったこともまた今後も進めていただくと有効活用が進むのではないかと思いました。
もう1点、資料5に関して、1ページ目になるのですけれども、こちらの第三者チェックの実施状況で、令和6年度に続いて令和7年度も処分後の損害賠償に関する第三者チェックがゼロ件というのは、ちょっとほっとすると思いました。
〔 筒井分科会長 〕 ありがとうございました。
ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、以上まとめて事務局から説明をお願いします。
〔 皆川国有財産監査室長 〕 国有財産監査室長の皆川でございます。監査に関連して御質問、御指摘等々いただいたところでございます。
川口先生、それから若林先生、川嶋先生の御示唆、御指摘について、少しまとめるような形になってしまうかもしれないんですけれども、まず監査におきましては、確かに財産管理の不備が比率としては多くございます。ただ、我々としては、効率的な使用等のほか、現況を把握して、台帳の不備を含めて管理上の問題点を指摘して是正していくことも重要な役割だと考えているところでございます。
その上で、それから各省庁の適正なインセンティブという関連でございますけれども、まず、国有財産法等におきましては、各省各庁は所管に属する国有財産について良好な状態での維持保存、効率的な運用、それから適正な方法により管理及び処分を行わなければならないとされておりまして、御指摘のとおり、各省各庁、自らの責任で適正な管理を行うこと。それを求めていくものは、こちらの国有財産監査におきましても基本的な姿勢であり、スタンスであるところでございます。
また、監査結果につきましては、個々の指摘の内容を可視化した上で公表し、それから各省各庁に展開して、我々としても本省間でも調整して是正を図っているところでございます。
加えまして、国有財産監査におきましては、指摘の御報告でございますが、指摘したもののみならず、実は地域に所在する既存庁舎等の行政需要の変化というものも含めまして、まず現状、現況を調査するような機能、役割も有しているところでございます。こうした情報も活用して、国有財産の総合的な活用というところも見据えて、担当の総括をする部門と連携を図り、監査を実施、その公表、フォローアップ、情報を共有しつつ、最適利用に向けたインセンティブ、動機づけに資するように取り組んでいきたいと考えているところでございます。
〔 髙木国有財産審理室長 〕 資料5の第三者チェックの状況につきまして、御指摘ありがとうございます。持永委員からいただきました表層利用の件、実はこの件、令和3年度に通達を改正いたしまして、こうした撤去費用のほうが売払価格の見積りよりも大きい場合であっても、需要がある場合等には売却できないかということで実施させていただいているものでございます。令和4年に1件ございましたが、その際はどちらかというと対策費用の見積額だったり、概算が一定以上の割合であるという定量的な要件により第三者チェックの対象とさせていただいたところでございます。令和7年度は2件実施しておりまして、実は今後も実施が見込まれております。引き続きこの制度も活用して適切な管理処分に努めてまいりたいと思います。
また、亀坂委員からいただきました損害賠償額の件、我々としても処分後のほうでゼロ件になっているというのはいいニュースだと思っておりまして、引き続き適正な処分に努めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
〔 筒井分科会長 〕 よろしいでしょうか。
ありがとうございました。
以上で本日予定をしておりました議事は全て終了とさせていただきます。
閉会に当たりまして、三反園財務大臣政務官から御挨拶をいただきます。
〔 三反園財務大臣政務官 〕 財務大臣政務官の三反園でございます。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中を御参加いただきまして、誠にありがとうございます。また、活発な御議論を賜り、感謝申し上げます。
本日御議論いただきました相続土地国庫帰属制度に係る土地の評価につきましては、帰属件数の増加に伴い、市場性に乏しい土地が多くを占める中で、管理や処分の在り方が重要な課題となっております。こうした状況を踏まえまして、本日もたくさん御意見をいただきましたけれども、実態に即した評価手法の見直しを行ってまいりたいと思っております。円滑な処分と地域における活用の促進にも取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
また、地域における国公有財産の総合的活用につきましても、地方公共団体等との連携の下で、地域課題、将来像を踏まえた活用を進め、地域の防災力の強化だけではなく、住民生活の向上や地域の魅力向上に資するように、今日もいただきましたけれども、広域も含めて地域の実情なども踏まえながら取り組んでまいりたいと考えております。
さらに、留保財産につきましては、地域・社会のニーズを踏まえた利用方針を策定し、定期借地契約の締結に向けて適切に対応するなど、財産の有効活用に向けた取組を着実に進めてまいります。
加えて、国有財産監査、第三者チェックの取組につきましても、国有財産の適正な管理処分及び透明性の確保の観点から、引き続き着実に取り組んでまいります。
本日いただきました御意見を踏まえながら、今後の施策の検討を一層進めてまいりたいと思っております。引き続き御指導、御協力を賜りますようお願い申し上げ、挨拶とさせていただきます。
今日は、本当に、皆様ありがとうございました。
〔 筒井分科会長 〕 政務官、ありがとうございました。
最後に、事務局から連絡事項がございます。
〔 寺﨑国有財産企画課長 〕 ありがとうございます。事務局からの御連絡でございます。
本日の議事録、議事要旨、資料につきましては、会議後に財務省ホームページに掲載することといたします。また、議事録、議事要旨につきましては、委員の皆様方の御確認をいただいた上で公表させていただきますので、よろしくお願いいたします。また、記者レクにつきましては、本日、この後、事務局で対応させていただきます。
以上でございます。
〔 筒井分科会長 〕 それでは、これをもちまして財政制度等審議会第68回国有財産分科会を終了いたします。大変御多用のところ御出席をいただきまして、ありがとうございました。ウェブで御参加の委員は御退室をお願いします。
午後3時06分閉会

