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第67回国有財産分科会(令和8年2月27日開催)議事録

財政制度等審議会 第67回国有財産分科会
議事録

令和8年2月27日
財政制度等審議会


財政制度等審議会第67回国有財産分科会議事次第

令和8年2月27日(金)10:00~11:42
第3特別会議室(本庁舎4階中412)

  • 1.開会

  • 2.議題

    • (1)相続土地国庫帰属制度への対応
      (2)介護施設整備に係る貸付料減額措置の延長
      (3)国家公務員宿舎の整備等

  • 3.閉会

出席者
委員 奥田 かつ枝
亀坂 安紀子
川口 有一郎
筒井 義信
若林 茂雄
臨時委員 大久保 恭子
川嶋 三恵子
滝澤 美帆
竹川 正記
松尾 弘
村木 美貴
持永 勇一
野城 智也
山内 弘隆
吉原 祥子
専門委員 津田 廣喜
財務省 舞立 財務副大臣
三反園 財務大臣政務官
井口 理財局長
柴田 理財局次長
尾﨑 理財局総務課長
寺﨑 理財局国有財産企画課長
川路 理財局国有財産調整課長
中村 理財局国有財産業務課長
伊藤 理財局管理課長
河野 理財局国有財産調整課国有財産有効活用室長
皆川 理財局国有財産調整課国有財産監査室長
小川 理財局管理課国有財産情報室長
池田 理財局管理課電算システム室長
丸山 大臣官房専門調査官


午前1000分開会

 筒井分科会長 〕 定刻になりましたので、財政制度等審議会第67回国有財産分科会を開催いたします。

 なお、村木委員におかれましては、遅れて参加をするという御連絡がございました。

 報道関係者が入室をしますので、そのままお待ちをいただきたいと思います。

〔報道関係者入室〕

 筒井分科会長 〕 それでは、開催に当たりまして、舞立財務副大臣から御挨拶をお願いいたします。

 舞立財務副大臣 〕 皆様、お疲れさまでございます。財務副大臣の舞立昇治でございます。本日はよろしくお願いいたします。財政制度等審議会国有財産分科会の開催に当たりまして、一言御挨拶をさせていただきます。

 筒井分科会長をはじめ、委員の皆様方におかれましては、お忙しいところ、リモートを含めまして御出席を多数いただき、誠にありがとうございます。

 国有財産の行政につきましては、未利用国有地のストックの減少や、庁舎及び宿舎の老朽化が進んできたことを踏まえ、令和元年に最適利用の答申をいただき、留保財産制度の創設や庁舎の有効活用、宿舎の整備等に取り組んでまいりました。他方、相続土地国庫帰属制度など、新たに生じた課題に対応する必要も生じてまいりました。

 そのような中、昨年3月、6月に国有財産分科会を開催させていただき、留保財産制度の運用の円滑化や相続土地国庫帰属制度への対応、庁舎や宿舎に係る課題等について御議論をいただいたところでございます。

 本日の分科会におきましては、3つの議題について事務局から説明をさせていただきます。

 まずは、相続土地国庫帰属制度への対応でございます。昨年6月に委員の皆様から頂戴した様々な御意見を踏まえ検討を進めてまいりましたが、今般、今後の対応方針の案を整理いたしましたので、本日の分科会において皆様から御意見を頂戴し、今後の具体的な取組につなげてまいりたいと考えております。

 また、平成28年から実施してまいりました都市部における介護施設整備に係る定期借地貸付料の減額措置に関し、措置期限を延長することにつきまして、足元の活用実績も踏まえまして、御意見を頂戴したいと考えております。

 さらに、国家公務員宿舎に関して、令和8年度予算案に計上した宿舎の整備や資材・労務費の高騰などによる入札の不調・不落への対応、リノベーションを行った宿舎の使用料の調整につきまして御議論いただきたいと思っております。

 委員の皆様方におかれましては、本日はどうぞ率直な御意見を賜りますようお願い申し上げまして、私からの御挨拶に代えさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。

 筒井分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、報道関係者の方には御退室をいただきます。

〔報道関係者退室〕

 筒井分科会長 〕 それでは、議事に入ります。

 相続土地国庫帰属制度への対応につきまして、事務局より説明をお願いいたします。

〔 中村国有財産業務課 〕 国有財産業務課長の中村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 先ほど副大臣からお話しいただきましたとおり、相続土地国庫帰属制度への今後の対応方針を整理したものでございます。資料1に基づきまして御説明させていただきます。

 1ページを御覧ください。相続土地国庫帰属制度により国庫帰属しました土地の状況でございます。国庫に帰属しました農地、森林以外の土地、宅地や雑種地でございます。そういった土地につきまして、財務省にて管理・処分しているところでございます。左下の棒グラフを御覧ください。財務省が管理する財産の帰属件数でございます。この制度、令和5年の4月の運用開始以来3年近く経っておりますけども、昨年末時点で1,431件となってございます。大体平均しますと1か月でおおむね50件というペースで増加しているという状況でございます。右下の円グラフを御覧ください。青と茶色、財務省が管理する土地でございます。国庫帰属した土地の6割超を財務省が管理している状況でございます。なお、国庫帰属された土地ですけれども、市場性に乏しいものが多く、現状、そういったことから売却に至ったものはないという状況でございます。

 3ページをお願いいたします。財務省が管理しております相続土地、こちらを見てみますと、まず、面積でございますが、左の円グラフにありますとおり、青と茶色、300平米未満の土地になります。これが約4分の3という状況でございます。また、価格について、右の円グラフになります。青及び茶色、100万円未満のものになります。これが半分弱。そして、グレーも加えた500万円未満のもの、これが9割以上という状況になってございます。

 4ページをお願いいたします。財産の取得・管理・活用、それぞれの面から現場の実態等を踏まえまして、具体的な課題を整理したものでございます。

 まず、「取得」に係る課題でございます。

 1つ目の矢羽根になりますけれども、国庫帰属に当たりましては、法令上の承認要件、例えば「過分な費用を要しないこと」といった要件を満たす必要がございます。この要件該当性につきまして、審査庁である法務局と、財産管理庁である財務局とで意見が相違しているにもかかわらず、国庫帰属されるケースが相当数見られるところでございます。5ページを御覧ください。擁壁がひび割れ、かつオーバーハングしております。管理に過分な費用がかかるおそれがあり、財務局から法令上の承認要件該当性に疑義があると、不承認との意見を法務局に出しております。しかし、右下の写真の状態で補修完了ということで、国庫帰属されたものでございます。こうした例がみられますところ、まずは該当性判断基準の一層の具体化・明確化を図ること、これが1つ目の課題と考えてございます。

 4ページにお戻りください。2つ目、境界の問題でございます。法令上「境界が明らかでない土地」は国庫帰属の申請ができないことになっており、審査庁が境界に争いがないことの確認を行っております。具体的には、隣接所有者の登記簿上の住所に確認通知を送付しまして、不到達の場合は「境界に争いなし」としているところでございます。しかしながら、国庫帰属の後、管理上の支障があるということで、管理庁のほうで境界確定を行った事例もございます。この境界確認の手続をより適切にできないか、この点も課題と考えてございます。

 また、土地の有効活用や財政負担に鑑みますと、国庫帰属の承認前により広く民間での流通を促すべきと考えてございます。これが取得に係る3つ目の課題と考えてございます。

 続いて、「管理」に係る課題でございます。

 6ページを御覧ください。このような事例が散見されており、費用負担等が懸念されるところでございます。

 また4ページにお戻りください。管理に係る2つ目の課題でございます。国庫帰属された土地が増加し、管理コストが累増する中、メリハリのある管理、これが必要となってきているところでございます。

 さらに、事務の効率化・省力化も課題となっているところでございます。7ページを御覧ください。農地への通路であるにもかかわらず、通路部分の土地は農地ではないということで、隣接土地で管理庁が異なりまして、非効率な状況となっているところでございます。また、国庫帰属の後に国の台帳に財産を登載するのですが、その登載に当たりまして、財産価格算出のために、地方公共団体が持っております固定資産税評価額の情報を入手しておりますが、こうした事務も負担となっているところでございます。

 また4ページにお戻りください。「活用」に係る課題でございます。

 資料の3ページで御覧いただきましたとおり、相続土地は価格が安く、かつ市場性が低い財産が多うございます。こうした財産の処分等に当たりましては、処分にかかるコストを抑えることや、買取り要望があった場合、その機会を逸することなく処分等をすることが求められているところでございます。

 さらに、処分等の前提として、帰属財産をそもそも活用したいという需要が必要と考えております。9ページに事例を載せておりますが、極小な土地や原野化した土地も散見されるところ、需要の発掘、これも課題と考えてございます。

 また、市場性のない土地でございますので、地域で活用いただくためには、無償貸付け等のインセンティブが必要ではないか、といった点も課題となってございます。

 10ページをお願いいたします。今申し上げました課題への対応を検討するため、地方公共団体や、いわゆる負動産を扱う業者、NPO法人を含む民間業者など、日本全国計124者にヒアリングを行ってまいりました。ヒアリング結果につきまして、資料の12ページ以下に記載してございます。

 12ページ、地方公共団体からのヒアリング結果でございます。

 地方公共団体ですが、(1)及び(2)に記載してありますとおり、マンパワー不足等を背景に公有地の管理にも苦慮しているということでございました。そうしたこともございまして、相続土地につきましては、「行政目的がない限り、たとえ無償でも利用・取得することはない」ということでございます。

 他方、(4)に記載してございますけども、地域コミュニティ、具体的に申しますと町内会とかNPO法人などでございますが、この地域コミュニティにおきましては、農園や多目的コンテナなど、様々な用途で土地の活用可能性があるということが判明したところでございます。しかしながら、現状、地域コミュニティは、そもそも活用可能な国有地がどこにあるのかさえ把握できていませんということでございました。

 (3)にございますけども、地方公共団体では、公有地情報をホームページのみならず市政だよりやSNSで発信したり、さらには負動産も扱う民間の不動産マッチングサイトを活用するなどして、情報発信に努めているということでございます。

 13ページをお願いいたします。民間業者からのヒアリング結果を記載してございます。

 (2)にございますけども、民間業者では、負動産につきましては、測量や境界確定などを行わず、いわゆる現況有姿での売買が一般的ということでございました。

 そして、(5)に記載してございますけども、ニーズの低い物件は隣接者へのアプローチが必須であり、また、購入したい方が購入したいタイミングですぐ購入できることが重要ということでございました。

 情報発信についてでございます。(5)に記載しておりますけども、市場性が低い財産、これはいわゆる通常の物件の購入者とは層が異なるということでございます。こうしたニッチなニーズを持つ方々が集まるサイト等で積極的に情報発信することが肝要とのことでございました。

 なお、いわゆる負動産でも、ソロキャンプやレスキュー訓練場として売却した例があるということでございます。さらに、自動販売機やトランクルーム等での活用が考えられるのではないかということでございました。

 14ページをお願いいたします。4ページで整理してございます課題の解決に向けまして、今御説明いたしましたヒアリング結果も踏まえまして、今後の対応方針を整理したものでございます。

 まず、「活用」に係る対応でございます。資料の①のところになります。

 1つ目でございます。機会を逸することなく処分等ができるように、新たに隣接土地所有者を相手方とする随意契約を活用いたします。加えまして、国有地の売却ではこれまで活用してこなかったのですが、100万円以下の売却が対象となる少額随契も活用することといたしたいと考えております。

 2つ目でございます。相続土地につきましては、その性質を踏まえまして、測量などを実施せずに現状有姿で処分等をすることといたしたいと考えてございます。

 また、相続土地の財産評価につきましては、不動産鑑定士による評価ではなく、財務局の職員による評価を適用したいというふうに考えてございます。

 4つ目でございます。これまで国有地の処分等の際には、公用・公共用優先ということで、国と地方公共団体に対しまして、それぞれ3か月、計6か月の要望受付期間を設けておりました。他方で、相続土地は、国庫帰属の承認前に、既に地元の国の機関や地方公共団体に取得の意向伺い、これを行っております。こうしたことも踏まえ、国と地方公共団体及び一般の方からの要望受付、これらを一度で行いまして、迅速に処分等ができるようにしたいと考えてございます。

 5つ目でございます。厳しい財政事情を踏まえまして、現在、法令上は「できる」とされている無償・減額といった優遇措置、例えば道路であれば、法令上は無償で譲与可能でございますけども、今現在、3分の1は時価売払いというふうにしているところでございます。しかしながら、相続土地については、市場性が低く、価格も極めて低廉なものが多いということでございますので、仮にこの優遇措置を適用したとしても、歳入につながるということはあまり期待できないところでございます。そこで、法令上認められております優遇措置も最大限活用いたしまして、処分等促進に努めたいというふうに考えてございます。

 続いて、資料の②、「管理」に係る対応でございます。

 今般、管理コスト低減等の観点から、いわゆる粗放的管理など、地域の環境に応じてメリハリをつけた管理を行う旨の方針、こちらを制定したいというふうに考えてございます。

 また、他者に国有地管理を委ねる管理委託について、現状、1年間ホームページで借受け要望を募った後にしか実施しておりませんが、1年間の借受け要望を実施せずに即座に管理委託を行えるようにしたいというふうに考えてございます。

 15ページをお願いいたします。先ほど御説明いたしましたヒアリング等を通じまして、国庫帰属した土地の地域での活用を促進するためには、地方公共団体に加え、地域コミュニティ、民間団体等、地域の多様な主体との連携強化が必要と理解したところでございます。また、所有者不明土地に関連する各施策や関係省庁等との連携も重要と認識してございます。

 そこで、資料の①になりますけれども、国交省等関係省庁と連携いたしまして、その上で、土地政策推進連携協議会を通じて、相続土地の利用ニーズの発掘等に取り組んでまいりたいと考えてございます。

 また、資料の②になります。こうした取組も端緒といたしまして、地元地方公共団体との連携強化を図るとともに、市場性のない土地を活用したいというニッチなニーズを持つ方々に的確に情報が届きますように、例えば、民間の負動産や遊休地の情報サイトに掲載するなど、情報発信の拡充に取り組んでまいりたいと考えてございます。

 16ページをお願いいたします。相続土地の「取得」に係る対応でございます。

 資料の①でございます。民間で取引可能な土地につきましては、国庫帰属される前に民間で取引されることが土地の有効活用や財政負担軽減の観点から望ましいと考えてございます。現在、国庫帰属の申請時点で、地元地方公共団体に対して取得の意向確認を行っているところでございますが、さらに、本年1月から、隣接者に対しましても意向確認を始めたところでございます。今後は、さらに宅建業者とも連携を図るなどしまして、国庫帰属前に、国とか地方公共団体のみならず、民間も含めて取引を促す仕組み、これを法務省や国交省等の関係省庁と検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 資料の②でございます。相続土地国庫帰属制度のさらなる円滑な運用及び制度の持続可能性の観点から、制度の5年後見直しも念頭に置きまして、法務省等、関係省庁と協議していく主な事項を整理してございます。

 1つ目でございます。審査庁と管理庁で国庫帰属承認要件該当性の見解が相違する場面が多く見られますところ、国民負担の下で管理するという実質的公平性やモラルハザードの観点を十分に踏まえつつ、まずは審査庁と管理庁の目線の統一、ここから協議していきたいと考えてございます。

 また、今後も国庫帰属件数の累増が見込まれるところでございます。管理庁が異なる隣接土地の管理、固定資産税評価額の把握など、そういった事務の効率化・省力化の方策につきましても、関係省庁と協議してまいりたいと考えてございます。

 さらに、より広く無償貸付けを可能とするなど、地域での活動をより一層進めるインセンティブの創設についても協議を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

 御説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 筒井分科会長 〕 ただいまの説明につきまして、御意見等ございましたら御発言をお願いいたします。御意見のある方全てに御発言をいただきたいと思っておりまして、お一人、恐縮ですが、御発言は2分程度におまとめをいただくということでお願いをしたいと思います。会場の方で御発言を希望される方は、ネームプレートをお立ていただいてお知らせいただければと思います。オンライン参加の方は、挙手ボタンでお知らせいただきたいと思います。御発言の順番は、会場でお二人、その後オンラインでお二人、その後また会場からお二人、そういった交互で指名をさせていただきます。いかがでございましょうか。

 それではまず、会場から指名させていただきます。まず、川嶋委員、お願いします。

 川嶋臨時委員 〕 御説明ありがとうございました。意見というより質問が1点です。

 この3年間で1,431件の帰属があったということですけれども、これに伴う負担、国庫による支出、人的・経済的負担など、目に見えて分かる指標があれば教えていただきたいというのが質問です。基本的には、この対応方針はとてもよくまとまっていらっしゃって、とても説得力があるものでしたので、引き続きこれで進めていただきたいと思いました。

 以上です。

 筒井分科会長 〕 引き続きまして、松尾委員、お願いします。

 松尾臨時委員 〕 ありがとうございます。

 相続土地国庫帰属法の施行から約2年9か月を経た段階で、これまで主に焦点が当てられてきた却下要件・承認要件が適切かという課題とともに、新たに国庫帰属した土地をどのように利用・管理・処分していくかという新たな課題が浮かび上がってきたことを認識いたしました。そうした新たな課題も踏まえて、今回、土地の取得・管理・活用についての対応方針を非常に体系的に、かつ詳細にまとめていただきました。その方向性、内容について、私は基本的に賛成でございます。

 そのうえで、相続土地国庫帰属法による土地の取得・管理・活用に関しては、相続土地国庫帰属法の社会的意義として、「土地所有の再配置」という機能があると思います。それは、市場でなかなか取引されなかった土地について、市場に代わる効率的な分配メカニズムを構築していくものであり、そういう仕組みづくりが始まったというふうに認識しております。こうした見方の下で、新たな土地所有の再配置のための分配メカニズムのプレーヤーは誰なのか、その全体像を改めて考えてみることが重要であると思います。直接の管理者である財務省、農水省がある一方で、再配置の受け皿として、今回隣接土地所有者を特に挙げてフォーカスしていただいたことは、土地の管理に潜在的に最も大きな利害関係をもつ者として、有意義であると考えます。また、重要な利害関係者として、当該土地が存在する場所の地域コミュニティ、さらにそうした地域コミュニティによる管理をサポートする市町村、それから連携協議会など、土地所有の再配置のメカニズムを動かすための関係者間の連携を図っていくということが1つのポイントだと思われます。この点についても、今回の対応方針の中では、非常に目配りの効いた方針が出されているというふうに感じております。

 そのことを前提といたしまして、この「土地所有の再配置」のメカニズムを動かすための関係者として、どういう人たちが適切なのかということについて、さらに連携の中身に踏み込んだルールづくりというものが重要になってくるというふうに感じました。その一環として、国交省が進めている「国土の管理構想」における地域コミュニティが策定する「地域管理構想」の中に、相続土地国庫帰属法等に基づく国庫帰属地の情報も書き込んでいくことをルール化ないし標準化することも考えられるのではないかと思います。

 また、既に言われていることですけども、国庫帰属土地に関する情報について、包括的かつ一元的な情報の把握・共有ということが重要になってくるというふうに感じております。

 それから最後に、他省庁との政策連携の話も出てまいりましたけれども、前述しました国交省の「国土の管理構想」との連携のほか、今回の問題の中で、境界が明らかでないというような問題も出されております。これについては、かねて日本では地籍整備が進んでいないという状況にございますので、これが大きな障害になっているということについては積極的に発信していただきまして、やはりこの境界の確定というのは国がイニシアチブを取って進めていくべき問題だということについても問題提起をしていただきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

 筒井分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは、引き続き、オンラインから御参加の川口委員、お願いします。

 川口委員 〕 私も今後の方針については体系的に整理されていて賛成です。承認前に処分を促す仕組みの検討が16ページにあり、14ページには隣接土地所有者への随意契約とあります。約3年この制度を実施したことで分かったことは、市場性が低くて価格が低い、つまり負動産を相続人は相続せずに国庫に帰属したいというニーズが非常に大きいと理解しました。

 その対応策としては、民間からのヒアリングでもありますように、それを国庫に帰属することで解決、よりよい改善ができるかというと、そうとばかりは言えません。承認前に、特に隣接地、あるいは負動産を含む地域コミュニティ、この中で処分とか活用を促す事前の協議であるとかそうした努力というものが、この制度ができたことによって逆に阻害されるというか、流動性が欠如するようなところが実態として上がってきていますので、この点を今回ご提案の対応方針で対応していくと理解しました。

 そういう意味で、私もこの方針については賛成ですけども、今指摘したように、この制度で漏れている点、つまり承認前にやるべきことがいくつかあると思います。

 1つは、隣地との協議です。負動産へのニーズというのはそういったところにあるわけですから、その対応をするというのが1つ。

 2つ目は、負動産のセグメンテーション、つまり、再生可能であるか、困難であるか、権利調整、境界確定を含めて、承認申請から要件審査、承認の間のプロセスにおける負動産のセグメンテーションが欠けています。それで、却下・不承認の要件の該当性の判断基準が審査庁と管理庁で目線が統一されていないという問題が生じています。このプロセスのセグメンテーション、負動産のセグメンテーションというのをより明確化していくべきというのが2つ目です。

 最後に、国庫帰属する前に土地の社会的再配置に対する協議、つまり国、自治体、民間、自治会及びNPOにより、土地の社会的再配置に関する協議、これを制度化していく必要があります。こうした協議を国庫帰属の前にやったほうがいいのか、あるいは帰属後に行うことがいいのか、という判断が制度設計上のポイントとなると思います。5年後の見直しに向けて、承認前に隣地協議とかの行うべき手順、負動産のセグメンテーション及び土地の社会的再配置関する制度設計をご検討いただきたいと思います。

 以上、コメントです。

 筒井分科会長 〕 それでは、もう一方、オンラインから亀坂委員、お願いします。

 亀坂委員 〕 ありがとうございます。

 私も、16ページの(3)①のところで、今、川口委員から御指摘いただいた点にまず関心があります。(3)の①のページ中ほどに、「なお」から始まって「隣地所有者に対する引取りの意向確認の取組については、関係省庁との協議の結果、本年1月に各法務局等において運用を開始」とあるように、隣地所有者は最もそういった土地に関心を持っていただきやすいということはあると思うのです。新たなニーズを掘り起こすような取組を、今回初めて分科会で具体的に提示していただいたので、こういったことを始められたということは一歩前進と捉えました。川口委員からもありますように、こういったニーズを掘り起こす仕組みなどを引き続き御検討いただければと思います。これが1点目です。

 もう1点は、資料1の10ページ以降のヒアリングに関してコメントをさせていただければと思います。

 まずは、これだけのたくさんのヒアリングを実施していただいたことに感謝申し上げます。

 ヒアリングの御意見、例えば13ページの(5)のトランクルームの設置というのもあり得るのではないかというような御意見が私は参考になりました。その上で、以前、国家公務員宿舎に、物流問題等を少しでも解決するために、宅配ボックスを設置してみてはいかがかということを検討させていただいたと記憶しているのですが、例えば、トランクルームからヒントを得て、宅配業者や郵便局でも需要があるのでは思いました。ですので、宅配業者や郵便局などの配達で、何か宅配ボックスや郵便ボックスのようなものの設置の需要がないかなど、ヒアリングしていただいたらどうかと思いました。

 以上です。

 筒井分科会長 〕 ありがとうございました。

 それでは次に、会場から奥田委員、お願いします。

 奥田委員 〕 ありがとうございます。

 この相続土地国庫帰属制度につきましては、当初、要件が非常に厳しいということもあって、それほど使われないのではないかという意見も多かったのですが、蓋を開けてみたら問合せも何万件とあって、実際に引き取っている数字も相当の数になっていると。これが分かったということは、いかにこういう不動産が社会的に問題になっているかということが実態としても把握できたということで、その成果は非常に大きいと思っています。今回、これについての状況と各ヒアリングと、それから対策についてきちっとまとめていただいているということで、すばらしいとこの資料について思っております。

 この負動産ですけれども、これは不動産の中では難しい案件なんですね。私たちが不動産の評価をするときにも価格づけが非常に難しくて、それこそ隣地で本当に必要な方が買ってくれるのだったらそれなりの金額がつきますけれども、全くそういうニーズもない地域ではただでも引き取ってもらえないと。税金だけかかると。そういう状況の非常に難しい不動産でございまして、この不動産の今後の処分・管理を国が自らやっていくというのは相当大変だと思っています。民間では、この資料でも御紹介いただいているように、幾つかのサイトもあり、こういう不動産の場合にどういう条件だったら取引がされるかというノウハウもかなり蓄積されてきていますので、ぜひ民間の力を使って、国はむしろその間の引継ぎ役という形に徹して、あと、国有財産を処分するなりする際の手続を迅速化する、簡便化するというところにできるだけ対応していただきたいと思っています。

 ただ、気になるところは、どういう不動産だったら迅速化・簡便化を適用するのかということで、これはきちっと鑑定評価を取ってやるべき不動産とそうでない不動産ということで、そこの線引きをある程度明らかにしていかないと、こんなに価値のある不動産を無償で譲渡したのかとか、そういうことになりかねませんので、ある程度の基準をつくる必要はあるのだろうと思っております。

 以上です。

 筒井分科会長 〕 それでは次に、オンラインから大久保委員、お願いします。

 大久保臨時委員 〕 よろしくお願いいたします。

 今回のいろんな対策については、よくおまとめになっておられるかと思っております。ただ、先々のことを見通しますと、多分、2030年以降、団塊の世代を中心に死亡者数が増大してまいります。2040年には死亡者数が最大になると予測されております。そういうことを踏まえますと、相続空き家はこの先どんどんさらに増えていく。2040年には最大になる可能性があります。そうしますと、当然ながら国庫帰属の土地も激増するということが想定されます。今回、いろいろ多岐にわたった対策を御検討いただいておりますが、もう少し踏み込んで対策を立てることもできるのではないかと思っている次第です。

 例えば、14ページ目を見ていただきまして、帰属土地の隣地所有者を相手方とする、100万円以下の売却は随意契約ということが記載されております。それはそれでよろしいかと思うのですが、例えば、先ほどの前半の資料の説明をいただいたときに、100万円未満の土地というのが全体の46.4%ぐらいあったと思います。こうした100万円未満の土地も、今はまず、一般の入札期間を設けて入札方式を取った上で、売れなかったら、すぐに購入できる物件という形に移行していく、という手続が踏まれて売却する仕組みとなっているかと思いますが、100万円未満の土地については、思い切って、もう競争入札の期間を設けず、すぐに購入できる物件というふうにしてしまうというぐらいのことを考えていかないと、取得したときの取得コストや事務手続にかかるコストなどが膨大になっていくのではないかと想像されます。

 それから、16ページ目に、「承認前に処分を促す仕組みの検討」となっていますけれども、この帰属土地の申請をして承認に至るわけですが、申請の条件として、民間での取引をしましたが、取引が成立しませんでしたのでこの制度に申し込みます、というような、最初の入り口のところでの申請の条件のバーを高くするということもできるのではないかと思います。取引をしたけれども売れませんということを確認するためには、媒介契約書の提示をすればよろしいかと思います。

 場合によっては、扱ってくれる不動産会社自体が存在しないこともあるかと思いますが、具体的にこのように調べた結果、不動産会社が見当たりませんでしたということをきちんと説明をしてもらった上で申請を受けるというぐらいのことをやっても、それはそれで構わないのではと感じました。

 今は隣地については随意契約とおっしゃっておりますけれども、それについても、土地の所有者が申請前に隣地に声がけ、「この土地、いかがですか」という形を取って、事前に民間同士でやり取りをしてもらうということも義務づけることもできるかと思います。

 そういうことで言えば、取得する事前の事務手続におけるコストを下げていくこともすごく重要になってくるのではないかと思われます。

 あともう1つ、これは裏腹ですけれども、小さな土地で負動産と呼ばれている土地があちこちに散在し、それが国庫帰属になり、そしてそれが売却に向かうと。売却されてぽつぽつと個別に場合によっては売却されていくということもあるかと思いますけれども、負動産も集まれば、一定の規模になってしまうと、新たな価値を生むという可能性も否定できないと思います。ただし、それをまとめていくためには、時間軸でいくとかなり長期化する可能性もあります。そうしますと、民間だけではなかなかそういうことに取り組む事業者というのは少ない可能性もあります。ですので、難しいのですけれども、将来まとまれば新たな価値を生むような土地などを、自治体等と連携を取りながら計画を立てて、ここについては長期間土地をまとめていくというような仕組みがあれば新たな国土の価値を創造していくといったこともできるのではないかと思います。

 以上です。

 筒井分科会長 〕 それでは次に、オンラインから野城委員、お願いします。

 野城臨時委員 〕 資料の5ページにある事例が典型的ですけど、まず、不承認・承認について、こういう写真を見ると大変心配になります。このような補修をしても災害リスクはあり続けますので、今まで国が引き受けた不動産の中でむしろ災害リスクを持った物件がある可能性があるという認識はすべきです。今後、承認を通さないようにするためには、今御説明のあったプロセスの中に、こういった土地や建物、特に土地毎の災害リスクや安全性について評価できる第三者の専門家の評価や意見を聞いていくプロセスを入れていかないと、財務局の職員等々だけの経験値だけで処理すると、こういった事例が今後増えていくのではないかということが1つです。

 そういう意味では、これからこういった取引事例を増やすには、まだ事例が限られていることや、特別な物件による判断のブレが考えられますと、今、急速に発達しているAIに適切に学習データとしてこういったデータを入れていくと、国全体としてはそれぞれの取引事例を学習データとして学習させることによって、レファレンスとしてはある程度コンシステンシーのある、一貫性のある判断ができる基準ができていくかと思います。SF小説のように聞こえる方もいらっしゃるかもしれませんけど、私はこういった国有財産で引き受けた土地を承認するかしないかということの事例及び引き受けた場合の修理の事例について、学習データとしてAIにどんどん学習データとしてストックしていくという方策をぜひ取ることを提案したいと思います。

 以上です。

 筒井分科会長 〕 それでは、会場から吉原委員、お願いします。

 吉原臨時委員 〕 ありがとうございます。

 詳細な御説明をいただきまして、ありがとうございました。ほかの委員の方々と全く私も同意見でして、今回の詳しい調査分析、関係省庁との御調整、そしてこの方針が取りまとめられましたことに、心から敬意を表したいと思います。

 人口減少という、ある意味パラダイムシフトともいえる大きな考え方の枠組みを刷新していく時期において、画期的な一歩が踏み出されていると、やや大げさな表現かもしれませんが、考えております。

 従来型の、資産価値があってマーケットで売買が成立する不動産における実務上の手続やルールが当てはまらない新たな領域が生まれてきていると。資産価値の低下した土地の管理をどうしていくのかという新たな領域において、従来型のルールや実務がコスト的に見合わないのは言うまでもありませんし、必要性というものも必ずしも伴わないこともあるということが見えてきていると思います。

 そして、こうした領域における制度を新たにつくっていくときに一番何が必要かと考えてみると、細切れの土地がそのまま放置されずに地域で適切に活用されていくこと、そのためのルールづくりが一番土台になるのだろうと思います。

 そう考えますと、売却において手続の合理化を進めるのは第一歩ですし、そのときに地域の利益になるような処分の仕方をするということが絶対に外してはいけない点だと思います。売れればいいというものでは決してありません。今、各地で発生している様々な土地利用に伴う問題を見ますと、地域での合意形成ができていないまま土地利用が進んでしまっているケースがあります。

 せっかくこの国庫帰属制度を通じて、きちんと一旦国庫に帰属したものを再活用していくに当たっては、そうした同じ轍を踏まないような配慮をしっかりと制度に組み込んでいくことが必要だろうと思います。

 それから、今後新しい仕組みをつくっていく上で、16ページの(3)にあります宅建業界の方々とネットワークを作っていくことは、本当に重要なことだと思います。加えて、今、委員の方々から出ていた申請前や承認前の段階で様々な利活用の道を開いていくためにも、不動産鑑定士や司法書士、弁護士、土地家屋調査士、行政書士、といった様々な専門士業の方々にもヒアリングをしていただいて、土地・建物の承継・相続の段階において利用者の方々がどのような悩みをもっているか、また現行制度ではコストがかかり過ぎるところをどのように合理化できるのか、専門士業の方々のお考えも聞いて制度設計をしていただけるといいのではと思った次第です。

 ありがとうございます。

 筒井分科会長 〕 恐れ入りますが、時間が限られておりますので、この時間帯での御発言はオンラインの持永委員までとさせていただきます。そのほかにも手を挙げておられる方がおりますが、ぜひ次の時間帯で、今回の議題もまとめて発言の機会を設けますので、御理解をいただきたいと思います。

 それでは、持永委員、お願いします。

 持永臨時委員 〕 お時間が迫っておりますので、要点だけ申し上げさせていただきたいと思います。

 皆様の御認識のとおり、非常に全般的にまとまっている資料で、14ページから16ページの対応方針、非常に理路整然とまとめておられると思うのですが、この中でも14ページ、皆様、川口委員ですとか奥田委員がおっしゃられたように、隣地土地所有者へのアプローチが大事というのは私も同意でございます。

 まず、全体的なこの相続土地国庫帰属の分析等をしていただいて、結構狭い土地があることが理解できました。実は、私の近くにも間口2メートルで奥行き20メートルの土地が放置されている等々、何件も見ております。その意味では、隣地土地所有者へのアプローチが非常に重要だと思っているのですが、ただ、会計士として1つだけ、特に価格の面に関して、お話し申し上げたいことがあります。

 基本的な評価として、財産評価基本通達が参考になると思うのですけれども、13ページのアンケートにありますとおり、やはり実勢価格と財産評価基本通達の評価額に結構な乖離があると思います。間口狭小ですとか奥行長大等でも最大でも2割ぐらいしか減額されていない。この13ページのここが実はこのストックの解消に関する一番の課題になると思います。

 財産評価基本通達は参考にするとしても、隣地土地と一体利用して価値が増大することによって固定資産税の収入も増える。これが長期間で増える。それから、国等も含めて管理コストが下がる。財産評価基本通達による、相続税での評価は、その方の一生のリセットとしての評価額、これに対して、土地を活用するという意味では、同じ財産評価基本通達は参考にしつつも、もうちょっと減額等でも柔軟性があっていいのではないかと思います。この財産評価基本通達の減額割合というのがちょっと小さい、これに対して、一体利用で固定資産税、コストが下がること、この辺りを考えていいのではないかということを私の意見といたします。

 以上でございます。

 筒井分科会長 〕 どうもありがとうございました。

 それでは、いただいた御意見に対しまして、まとめて事務局から御説明をお願いします。

〔 中村国有財産業務課 〕 委員の皆様、貴重な御意見を賜りまして誠にありがとうございました。

 まず、負担の指標のお話をいただきました。負担ということで管理費をみてみますと、この9月までの大体2年間ぐらいの数字で見ますと、大体7,000万円ぐらいかかっているのかなというような状況ではございます。ただ、他に人件費等や、今後の物価の高騰とかいろいろございますので、負担についてどうなるかまだわからないというふうに考えているところでございます。今回の対応方針、メリハリをつけた管理をやることにしておりますので、しっかりとメリハリをつけて、コストを意識しながら管理してまいりたいと考えてございます。

 松尾委員から、地域での連携のルール作りのお話をいただきました。こちらについても、今後、推進協議会等を踏まえまして、しっかりと制度設計も踏まえて取組を進めてまいりたいと考えてございます。

 あと、境界の問題につきましても御指摘いただきました。今後、関係省庁と目線統一から始めましていろいろ協議をしてまいりますけども、そういった中で、いただきました問題意識も関係省庁としっかりと共有してまいりたいと考えてございます。

 川口委員はじめ委員の皆様から、承認前にやること、再配置の話とか、あとプロセスにおけるセグメンテーションの御指摘をいただいたところでございます。御指摘のとおり検討が必要と感じてございますので、その辺りも問題意識を関係省庁としっかり共有いたしまして、今後の協議、しっかりとやっていきたいと考えてございます。

 あと、土地所有の再配置でございますけども、承認前に民間で取引できるものは民間で取引いただくということが土地の有効活用とか財政負担の観点から非常に重要と認識してございます。いただきました御指摘につきましても、今、承認前に国及び地方公共団体に「必要ですか」と聞くと同時に、今後、宅建業者の方々とも連携して民間の方々にも広げてまいりたいと思っております。そういった取組をしつつ、より仕組みとして深化できるように引き続き検討を進めてまいりたいと考えてございます。

 トランクルームの設置のお話を亀坂委員からいただいたところでございます。こちらにつきましても具体的に何ができるのか、今後また検討していきたいと考えてございます。

 奥田委員から、民間の力の活用のお話、あと、どういう不動産について今回出させていただきました迅速化等の対応をやるのか、その不動産の線引きについてお話をいただいたところでございます。今回の対応方針、基本的には相続土地で入ってきたものという線引きをしているところでございますが、他方で、どこまでこれを広げていくかという論点も当然あると思いますので、その辺り、基準をしっかりと考えた上で、その基準に基づいて対応してまいりたいと考えてございます。

 大久保委員から随契のお話と承認前の民間取引の制度化のお話をいただいたところでございます。今回の対応でございますけども、随契のところは現行法令上可能な限りやっていこうという姿勢で対応したところでございます。他方で、御指摘のとおり、今後どんどん累増してまいりますので、5年後見直し等もございますので、そちらをにらみながら必要に応じて関係省庁としっかり更なる対応も協議してまいりたいと考えてございます。

 あと、承認前の民間取引を義務付けにというお話をいただいたところでございます。御指摘の点、当初の制度設計時にも議論になったところもあるのかなというふうに考えてございます。負担金の納付が御指摘頂いた点を実質的に促す面もあるのかなと。あと、あまり承認要件を厳しくしますとこの制度がなかなか使われないと、そういった意見もあるのかなというふうに思われるところでございますけれども、今後、帰属財産も累増してまいりますので、関係省庁と問題意識をしっかり共有してまいりたいと考えてございます。

 野城委員から、第三者の専門家による評価のプロセスについて御指摘いただいたところでございます。我々といたしましても、第三者の意見に基づくリスクの判定という考え方は非常に重要と考えるところでございます。いただいた御意見を踏まえまして、関係省庁としっかり協議してまいりたいと思っております。

 また、AIにつきましても、勉強させていただければと思っております。

 吉原委員から、地域での活用等、本当に御指摘どうもありがとうございます。協議会の枠組みを活用しまして、御指摘の点に留意しつつ、しっかりと制度設計に取り組んでまいりたいと思います。

 最後に、持永委員から価格のお話をいただいたところでございます。現行制度上、財政法とか会計法の関係で価格面・手続面での制約があるところでございます。一方、頂いた点、非常に重要な御指摘というふうに認識してございます。今後、制度的なインセンティブ、そういったものも考えていきたいと思っておりますので、5年後見直し、そちらもにらみながら関係者と協議してまいりたいと考えてございます。

 ありがとうございました。以上でございます。

 筒井分科会長 〕 ただいまの御説明に対しまして何かございますでしょうか。松尾委員、どうぞ。

 松尾臨時委員 〕 確認させていただきたいのですけども、今回取りまとめていただきました対応方針については、何か基準化といいますか、通達のような形で取りまとめられる予定がおありか、その点だけ確認させていただければと思います。よろしくお願いいたします。

〔 中村国有財産業務課 〕 御質問ありがとうございます。特に14ページのところの対応になりますけども、通達を改正させていただければと考えております。

 松尾臨時委員 〕 どうもありがとうございました。

 筒井分科会長 〕 ほかによろしゅうございますか。ありがとうございました。

 それでは、続きまして、介護施設整備に係る貸付料減額措置の延長につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

〔 中村国有財産業務課 〕 引き続きまして、介護施設整備に係る貸付料減額措置の延長について御説明させていただきます。資料2に基づきまして御説明させていただきます。

 1ページをお願いいたします。

 家族の介護や看護を理由といたしまして離職等を余儀なくされます、いわゆる介護離職に関しまして、政府におきましては、介護離職者をゼロにするという目標の下、介護施設の整備促進を図ってきたところでございます。財務省におきましても、こうした取組に貢献すべく、平成28年から介護施設に対する国有地の定期借地について、都市部の一定地域におきまして、当初10年間の貸付料を5割減額するという措置を、5年の時限措置として実施してまいりました。令和2年に期限を5年延長したところでございます。

 本措置でございますけれども、資料1ページ中頃の米印のところにございますとおり、これまで58件活用されてきておりまして、特別養護老人ホームの定員ベースで見ますと、約4,900人分の受け皿を確保してきたところでございます。特に東京・神奈川では特養の定員増加分の20%弱を占めるということでございまして、介護の受け皿確保に貢献してきているというふうに考えているところでございます。

 他方で、いまだ介護離職者が10.6万人いらっしゃるということでございまして、政府におきましては、その解消に向けまして、引き続き介護施設整備等の取組を進めることとしてございます。

 そこで、財務省といたしましても、引き続き未利用国有地を活用して介護施設整備促進に貢献すべく、本措置を延長したいと考えてございます。

 2ページをお願いいたします。

 本措置でございますけども、地方公共団体への情報提供等に努めておりますけれども、国有地の減少などもございまして、足元の活用実績は数件にとどまってございます。また、2ページの一番下の米印のところでございますけども、対象地域の中でも、活用実績に偏りが見られるといった状況が顕在化してきているところでございます。本措置導入から10年が経過するという中で、こうした状況・課題の検証等が必要と考えておりますので、今回の延長期間は3年、令和10年度末までとしてございます。

 説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 筒井分科会長 〕 ただいまの説明につきまして、御意見等がございましたらお願いをいたします。同様に1人2分で御協力をいただきたいと思います。いかがでございましょうか。

 それではまず、オンラインから滝澤委員、お願いします。

 滝澤臨時委員 〕 ご指名ありがとうございます。

 介護施設整備に係る貸付料減額措置につきましては、都市部における介護基盤の整備促進の役割を果たしてきたと理解しておりますけれども、他方で、直近の活用実績が限定的であることを踏まえますと、今回の3年間延長をある種の効果検証を行う期間として位置づけることが重要ではないかと感じております。

 私からは以上です。

 筒井分科会長 〕 ほかにいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、滝澤委員からの御意見に対しまして、事務局からコメントをお願いします。

〔 中村国有財産業務課 〕 御意見どうもありがとうございました。御指摘のとおり、この制度開始から10年が経過しようとしている中で、対象地域の中でも活用状況に偏りがみられるなどの課題が顕在化しているところでございます。こうした課題をしっかりと検証してまいりたいと考えてございます。また、この検証結果も踏まえまして、各支援策も展開されておりますので、そちらもにらみつつ今後どうしていくのか、しっかりと検討してまいりたいと考えてございます。どうもありがとうございました。

 筒井分科会長 〕 ありがとうございました。

 ほかによろしゅうございますか。

 それでは、議事の2番目はここで終了いたします。

 舞立副大臣が所用のためここで御退席をされます。ありがとうございました。

〔舞立財務副大臣退室〕

 筒井分科会長 〕 そして、ここで三反園財務大臣政務官から御挨拶をお願いいたします。

〔 三反園財務大臣政務官 〕 ありがとうございます。財務大臣政務官の三反園でございます。

 委員の皆様におかれましては、お忙しい中に御参加いただきまして本当にありがとうございます。今日も出席して様々な議論を聞いておりました。活発に議論をいただきまして本当にありがとうございます。会議の途中ではありますけども、中座させていただきますので、御挨拶させていただきます

 今日、様々な御意見をいただきましたけれども、所有者不明土地の発生を防止するための相続土地国庫帰属制度につきましては、国庫に帰属する土地は引き続き増加している中で、財産の管理コストも増加するなどの課題が生じております。

 こうした中で、今日、様々な御意見をいただきました。帰属財産の効果的活用、そして効率的な管理に向けた取組を進めてまいりますけれども、私どもとしては、地方公共団体のみならず、地域コミュニティと、そしてまた民間団体との連携強化・促進が重要であって、そういった中で有効に活用していくことが大切だと、先ほどもいろいろな御意見も伺いましたけれども、そういうふうに思っておりますので、今後ともまたいろんな御意見を賜れればと思っております。

 また、介護施設整備に係る貸付料減額措置の延長につきましては、3年間延長させていただきまして、足元の活用実績、対象地域の偏りといった課題の検証を行ってまいりますけれども、8都府県でいいのかどうかといった課題もあると思いますので、そういったことも踏まえて様々な検証もまた行っていければなと思っております。

 そしてまた、これから議論いただきます国家公務員宿舎の整備につきましても、様々な課題を抱えていることも認識しておりますので、また御意見をいただければと思っております。

 今日いただきました皆様方の貴重な御意見を踏まえまして、さらに検討を進めてまいりたいと思っておりますので、今後とも御指導賜りますようよろしくお願い申し上げます。本日は本当にありがとうございます。

 筒井分科会長 〕 どうもありがとうございました

 それでは、続きまして、国家公務員宿舎の整備等について、事務局より説明をお願いいたします。

〔 川路国有財産調整課長 〕 それでは、私のほうから国家公務員宿舎の整備等について御説明したいと思います。資料3でございます。

 国有財産調整課長の川路でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、1ページ目でございますけれども、令和元年答申における国家公務員宿舎の課題と方向性ということで、課題と方向性を整理させていただいております。 

 まず、課題でございますけれども、既存宿舎の老朽化が進展しているということ。地域ごとの宿舎の需給のミスマッチ、特に東京23区内の宿舎が不足しているということがございます。さらに、独身・単身者向けの宿舎が不足しているということ。さらに、緊急参集要員のためのBCP用宿舎、こちらが不足しているという、そういう課題でございました。

 それに対しまして対応の方向性でございますけれども、個々の宿舎の状況に応じまして長寿命化を図っていくこと。宿舎が不足する地域におきましては、特に新規建設による設置を検討していくということでございました。さらに、その際には、独身、そして単身者向けの宿舎の整備を優先していくということ。さらに、新規建設等によりましてBCP用宿舎を確保していく、そういう方向性でございました。

 それを受けまして、私どもの新規宿舎の建設としまして、令和5年度以降の予算におきまして、令和5年、小菅第2住宅を皮切りに、令和6年度には3件、令和7年度においては2件ということで、必要経費を計上して、取組を進めるところでございます。さらには、一番下の令和8年、予定でございますけれども、こちらは2件ございまして、市ヶ谷住宅、あと滋賀の大津の御幸町住宅ということで予定をしてございます。こちらにつきましては、これから御説明をさせていただきたいと思います。

 2ページ目でございます。まず、東京の新宿区、市ヶ谷の件でございますけれども、こちら、下のほうの地図を御覧いただきますと、ちょうど市ヶ谷の防衛本省がございます。その西側のほうに、隣接するところに現在警視庁の第5機動隊というのがございまして、こちらが本年度中に新庁舎へ移転をするということで空きますので、そちらに宿舎を設置するということでございます。防衛本省の隣接地でございますので、防衛省の省庁別宿舎を建設することに加えて、霞が関からも3キロメートル程度ということでございますので、独身用・単身用のBCP用宿舎を建てていきたいというふうに考えてございます。その竣工時期でございますけれども、土地の関係であるとか、あと省庁別宿舎も建てる関係もございまして、まずは第5機動隊が新庁舎へ移転しましたら建物の解体、埋蔵文化財調査等の調査を終えまして、まずその関係上、省庁別宿舎を建設して、その後に財務省の合同宿舎を建設する流れでございます。そのため、一定期間かかりますけれども、竣工時期につきましては令和19年度末頃ということで予定しているものでございます。

 3ページ目でございます。こちらは地方の事案で、滋賀県大津のところでございます。下の地図を御覧いただきますと、ちょうど琵琶湖の西側のところにございまして、こちらのところに皇子山総合運動公園というのがございます。そこに隣接しておりますのが現在の大津市役所でございまして、そちらが今老朽化をしているということで、ちょうど公園敷地内の中に、市役所の移転候補地ということで、市役所さんが検討しておるということでございます。そうしますと、こちらの公園面積が減少するということになってまいります。この皇子山総合運動公園の南側のところにちょうど私どもの別所合同宿舎というのがございます。こちらも大分老朽化しているということでございます。そうしたことから、市役所のほうから、公園敷地が減少するので、ここの部分について公園敷地として購入したいと、そういう話がございました。そういうことも受けまして、私どもも検討しましたところ、ちょうど大津駅の近く、約400メートル程度でございますけれども、そちらに現在国有地の更地がございます。そちらに先ほどの別所合同宿舎を移転させまして、さらに近隣にある宿舎も集約をするということで、こちらに新規建設をしていきたいというふうに考えてございます。滋賀・大津に関しましても、近接するところに琵琶湖の合同庁舎であるとか、国の機関が近こうございますし、さらにこちらから京都までも電車で10分程度、さらに大阪でも40分から50分程度で、通勤圏内ということもございますので、そうしたところの需要も含めまして対応するための整備というのを考えてございます。こちらの竣工時期、現時点で令和11年度末頃というふうに考えてございます。

 以上が令和8年度予定をしている2事案でございます。

 4ページ目でございます。こちらは令和5年から7年度の予算計上の宿舎整備計画の見直しということで挙げてございます。

 本年度に入札公告を実施しました宿舎の新規建設に係るPFI事業4事業でございますけれども、こちらにつきまして、残念ながらいずれも不落・不調となりまして、事業契約には至らなかったということでございます。その点、我々も対応方針等を検討するためにも、民間事業者に対するヒアリング等を実施した結果として、そちらに4つ大きく掲げてございますけれども、例えば情報提供不足であるとか、事業方式の設定、あとは期間の不足といった課題が把握されたところでございます。

 それに対する対応の方向性ということで下に4つ挙げてございます。まず、事業情報提供・対話機会の不足に対しましては、計画段階における早期の情報提供と、意見交換の場を設けていきたいというふうに考えてございます。2つ目でございますけれども、各地の実情に応じた事業方式の設定として、事業者の意見等を踏まえ、費用総額の比較等も精査した上で、適切な事業方式を選択してまいりたいというふうに考えてございます。3つ目、発注手続・事業期間の不足でございますけれども、こちらにつきましては、事業者の検討期間の実態や、建設業でも働き方改革等がございまして、そういったことも踏まえる必要があるということでございますので、そういったことも踏まえながら期間設定の見直しを行ってまいりたいというふうに考えてございます。4つ目の資材・労務費高騰に関してでございますけれども、こちら、そうした価格の高騰であるとか、あとは先ほどの期間の見直し等を踏まえまして建築費の見直しを図りますとともに、物価変動に伴いまして契約額改定に用いる指標等を明確化して、事業者の予見可能性を高めていく、そういうことも含めてリスク低減を図っていきたいと、そういうふうに考えておるところでございます。

 5ページ目でございます。こちら、先ほど御説明いたしました4つのものを視覚化した参考資料でございまして、下のほうでございますけれども、先ほど御説明しました①から④の対策を行うそれぞれの段階を示してございます。特に斜線のところがそれぞれ特に大きく期間が延びてしまうということでございますけれども、これらの対策を講じた上で事業スケジュールというのを再設定しまして、速やかに再発注手続を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 6ページ目でございます。こちら、先ほどの見直し、それぞれ既にR5からR7の事業がございますけれども、それぞれについて完成時期についても変更が生じるところとなります。それで、早期完成に向けて各事業スケジュールの精査を行いましたところ、一番右端の列でございますけれども、以下を想定しているということで、おおむねそれぞれ2年から3年程度の完成予定時期が後ろ倒しになるということでございます。一番上の小菅でございますけれども、こちら、小菅の拘置所に隣接するところでございまして、法務省の省庁別宿舎も併せて建設いたします。そのため、まずは省庁別宿舎を建設、既存宿舎を解体した後に財務省合同宿舎を建設していくと、そういう流れでございますので、このところだけちょっと違いまして、若干、4、5年程度、完成予定時期が後ろ倒しになるところでございます。いずれにしましても、できるだけ速やかに宿舎を完成できますよう、例えば解体事業というのを別途で実施をするなども含めまして、工夫を行いながら各事業を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 以上が新規整備の話でございまして、7ページ目でございます。こちら、宿舎のリノベーションと宿舎使用料調整ということでございまして、現在老朽化が進む宿舎につきましては、令和元年、分科会答申を受けまして、それぞれの宿舎の居住性の向上を図るために、それぞれの室内のリノベーション工事というのも少しずつ実施をさせていただいているところでございます。しかしながら、現行の宿舎使用料の算定の規定上、リノベーションを実施した住戸と未実施の住戸、こちらは現在まだ使用料に差がついておりませんで、入居者間の不公平感というのが一定生じているということから、その是正を図るものでございます。下のほうにリノベーションの概要ということで写真をつけておりますけれども、大きくリノベーションの内容は2つございまして、まずは上のほうでございますけれども、建物の軀体は残しまして、住戸内の内装設備を全面的に更新する、いわゆるスケルトン改修というものでございます。こちらが1つ。もう1つは、そこまでではないけれども、水回り設備の更新というのを実施するということで、それぞれの建物の状況等も踏まえましてどっちにするかということも検討しまして、リノベーションを実施しておるところでございます。

 次に、8ページ目でございます。現在の宿舎使用料でございますけれども、経年による劣化というのを反映させるために、下の図を御覧いただければ分かるかと思いますけれども、5年経過するごとに使用料を減額する方法で調整しておるところでございます。今般の改正でございますけれども、リノベーションを実施した宿舎につきましては、使用年数の延長が期待できるということもございますので、先ほどの階段状になっているところの経過年数の始期となる部分をそれぞれの工事内容に応じて変更する方法で、使用料の調整を行ってまいりたいというふうに考えてございます。まず、2種類ございまして、先ほど御説明したスケルトン改修のほうでございますけれども、こちらは25年後ろ倒しにするということ、水回り設備の更新の部分につきましては15年後ろ倒しにするということでございまして、それぞれの年数につきましては、民間ヒアリグ等も踏まえた上で設定をしておるところでございます。

 私のほうからは説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 筒井分科会長 〕 それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等はいかがでございましょうか。

 それでは、会場から奥田委員、お願いします。

 奥田委員 〕 建築費、建築工期の問題は非常に大きな問題で、民間でもキャンセルするとか諦めるとか、もう土地自体を転売してしまうとか、そういう対応をせざるを得ないような状況になっているわけですが、令和8年度に計上予定の宿舎に関しての竣工時期ですとか、現状の民間のゼネコン等との交渉というのはどのような状況になっているのかというところの確認と、あと、なかなか今からこういうことをするのは難しいのかもしれないですけれども、やむを得ないところは等価交換のような形で一部土地を処分して取得するという方法も検討されるところもあるのですけれども、国有財産の場合はなかなかそれができないのかなと。もう既に通常事業とPFIという形で出ていますのでできないのかもしれませんが、少し仕組みを変えないと、建築費の高騰にそのままついていくと相当なお金がかかってきます。なので、ちょっとした工夫がもしかしたら必要になるかもしれないという印象は受けております。

 もう1つ、リノベーションしたほうの家賃設定ですが、リノベーションの内容に従ってこういう形で耐用年数を調整しながらやっていくのはよろしいかと思いますが、これも今、市場では物価高というか、いろんなものが上がっている中で、そもそもの賃料自体が上がっています。当然リノベーションのコストも上がっているわけで、そのコストが上がっている部分というのは調整対象になるのかどうなのか。もしならないとした場合にどう説明するのかということについて御意見いただければと思います。

 筒井分科会長 〕 次に、オンラインから挙手されている方、まず山内委員、お願いします。

 山内臨時委員 〕 私は、今回の宿舎整備の中で、特に小菅と桐ケ丘については実際に事務者選定等に関わらせていただきましたので、それを含めて感想を申し上げたいというふうに思います。

 今も御指摘がありましたように、建築物価の高騰というのはかなり大きなものがあって、私の知っている別の国の案件なども見ますと、例えば国土交通省で出されている建築物価の指数を超えて大幅に実態的には建築物価が上がっているということがあります。これも御指摘がありましたように、民間でも事業自体を放棄するようなことも出ているのだろうと思っています。

 小菅と桐ケ丘についても今回は不調となってしまったわけですが、幾つか要因があると思います。もちろん建築物価の高騰というのはあるわけですけれども、それだけではなくてですね。

 例えば小菅の場合は、かなりいい物件だと思うのですが、これは計画して実施段階までかなり時間がかかっています。他省庁との調整等もあるのだろうと思いますが、そうすると、当初予定していた事業の組立てに対して今の建築物価高騰の影響が非常に大きく出るということもあります。

 それから、桐ケ丘の場合には、これは事務局ともいろいろ情報交換させていただきましたが、やはり戸数も小さいですし、PFIの案件という面から見ると、PFIというのは比較的手続に時間もかかりますし、それなりに大きな物件でないと総合型の事業というのは成り立たないというところがあるので、例えば桐ケ丘の場合には小さ過ぎるのではないかと、こういう意見もあったということであります。

 そこで、基本は、公務員宿舎というのは、見方によっては喫緊の課題であると思うので、なるべく8年度以降の完成を急ぐという必要があろうかと思います。そのための努力をしなければならないと思いますが、ただ、今申し上げたように、事前の事業のつくり込みの段階で情報が十分であったかどうか。これは、建築費や事業の規模もそうですが、そういったことについて再度検討するとともに、案件をPFIでやる場合には、いわゆるマーケットサウンディングを十分に行う必要があろうか思っています。

 自治体さんの案件なんかも結構やりますけれども、その辺は逆に、自治体さんですと規模がそんなに大きくないですから、事業者さんとかなり密接に情報交換した上で案件を組み立てるというようなことをやっています。国の公務員宿舎の場合にはその辺が少し十分ではないのかと思っています。

 もちろん先ほどありましたように、これからはその辺を充実していくというお話ですので、事業期間をなるべく延ばさないということですが、事前の情報交換、それから案件の形成のつくり込み、これを再度見直してやっていただきたいと思っています。

 それから、PFIの場合には、一旦入札にかけた後も事業者さんといろいろ話し合うということができる、いわゆる競争的対話、コンペティティブダイアログ、これが日本の場合には許されているので、それによって案件が全然変わってしまうというようなことはないし、それから募集要項にあるような要求水準みたいなものが変わることはないのですが、いろんな上で事業者さんとの距離感といいますか、やりやすさを増すようなこともあるので、そういったものもうまく活用されて綿密に進められたらよいのではないかと思っています。

 基本的には今御指摘の、あるいは御提案のあったような内容でこれからやるべきである、あるいはやるしかないというふうに思っています。

 以上、私の意見でございます。

 筒井分科会長 〕 それでは、続きまして、亀坂委員、お願いします。

 亀坂委員 〕 ありがとうございます。私もこれまで発言された先生方の御発言と関連することですけれども、資料の4枚目、5枚目に関してコメントさせていただければと思います。

 まず、4枚目ですけれども、頭のところで、現状、「令和7年度に入札広告を実施した宿舎の新規建設に係るPFI事業4事業については、いずれも不落・不調となり、事業契約に至らなかった」とあります。同じページの一番下の今後の方向性の④資材・労務費高騰への対応のところで、「物価変動に伴う契約額改定に用いる指標等を明確化し」、ここが非常に気になります。続く5ページも、一番上の四角で囲ったところの④のところ、資材・労務費高騰への対応のところに黄色い下線が引いてあって、さらに、一番下の再発注のグラフも、④の「資材・労務費高騰を踏まえた建設費等の見直し、物価変動に伴う契約額改定に用いる指標等の明確化」と書いてあるわけですけれども、これが本当に気になります。

 実は、私と、あと本分科会の委員でもいらっしゃる滝澤委員は、経産省の産業構造審議会の知的財産分科会の財政点検小委員会の委員でもございまして、昨年、関連する話題に関して、そちらの小委員会で検討させていただいたことがあります。

 その小委員会の資料、一番直近に開催された第11回の令和7年1125日の資料とかを今見返していたのですが、これは特許庁のホームページにも昨年中に公表されているものなのですが、その28枚目のスライドには、例えばですけれども、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」とか、その前のページも、骨太方針、「経済財政運営と改革の基本方針2025」とかを引用されているのですが、そこの28ページの資料を見ると、労務費等の価格転嫁の徹底ということが書かれておりまして、「官公需については、発注側の目線だけではなく、受注側の目線でも、その在り方が適切かを検討すべき」云々と書いてあります。それで、「予算における単価等が、最低賃金の上昇やエネルギー代金の値上がりに対応できるようにする」と。「発注における予定価格も同様な対応を行うとともに、前年度の低入札の価格が次年度の予定価格の検討のベースとなることは厳格に禁止する」と書いてあるのですね。「禁止」というのは非常に強い言葉だと思うのですけれども。なので、同じような予定価格の検討のベースは禁止ですので、本当に指標等を見直して物価上昇に対応していただければなと思いました。

 同じところに「契約後も、年度途中の物価上昇や最低賃金の上昇に適切に対応する」と。また、「長期継続契約も含め、契約後の状況に応じて必要な契約変更を実施する」とか、いろんなことが書いてあるのですね。あと、「有資格者に見合った適切な公共工事設計労務単価の設定を行う」とかもありますので、そういった資料も御参照いただいた上で、ぜひ物価上昇とか賃金上昇、労務費高騰へ対応していただいて、今後不調になることがないようにしていただければと思いました。

 あと、同じ資料の34ページから36ページにかけては、賃上げ・物価上昇率の勘案方法について幾つか具体的に指数とかを挙げて、どう指標等を明確化するかという議論をしています。例えばですが、企業向けサービス価格指数の直近の変化とかを見ていたり、あるいは賃金関係の指数を具体的に提示して検討していたりします。

 財務省ではなくて経産省で、かつ特許庁の歳出入のことですが、そういった前例も参考にしていただいて今後進めていただければと思いました。

 以上です。

 筒井分科会長 〕 それでは、続きまして、オンラインから川口委員、お願いします。

 川口委員 〕 私も5ページの資料のところで、基本的にこのような形での御対応というのに賛成ということです。

 特にインフレ耐性のある建設契約ということは、今、亀坂委員からもございましたように、内閣府、国交省などでもガイドラインが大幅に改訂されているという観点からも、整合的であると考えています。

 特に予期せぬインフレについては、長く日本はデフレにありましたので、そうした経験がないのですが対応は急務です。インフレ耐性を高める契約への移行が必要だと思います。PFIは、本来、建設リスク、運営リスク、需要リスクというものを民間に移転するという仕組みなわけですけども、インフレは民間がコントロールできない外生的なショックであり、現在のインフレというのは海外要因と国内要因の両方に関連しておりますので、民間ではコントロールできません。5ページの②番における各地の実情に応じた方式というものを検討なさるというのは重要なポイントだと思います。民間でも、SPC単体で成り立たないので、ファイナンスの方式もコーポレートファイナンスへという移行もしています。

 関連して、5ページの④番の高騰への対応については、価格変動分の一部を、負担をせざるを得ないということを含めて、御検討いただければと思います。

 

 筒井分科会長 〕 ほかにいかがでしょうか。

 では、川嶋委員、お願いします。恐れ入ります。手短にお願いします。

 川嶋臨時委員 〕 質問です。PFIによる入札不調は、多分、自治体とか民間でもいろんなところで起きていると思うのですけれども、宿舎の整備に当たっての今後の方針としては、あくまでもPFIを活用した上で時間がかかっても進めていくというお考えなのか、もしくは、通常の入札も検討した上で、ある意味、時期的に短縮できるものは短縮してという、どちらを優先して進めるお考えなのか、ちょっとその方向性を教えてください。

 筒井分科会長 〕 それでは、竹川委員、お願いします。

 竹川臨時委員 〕 竹川です。

 ちょっと違う側面からですが、国家公務員宿舎をどのように考えるかというか、例えば福利厚生とかそれだけで考えると、今のようなコストをどう抑えるか、の話になると思うのですが、例えばBCP用宿舎なんかは特にそうですけど、行政機能のインフラの1つと考えれば、サイバーセキュリティ対応や通信環境の整備など、そういうのはすごく必要になると思います。また、働き方改革なども含めて言うと、リモートワークへの対応というのはやっぱり非常に重要になると思いますので、その辺の機能面での必要性があるものはちゃんと整備したほうがいいと思います。お風呂を大理石にしてぴかぴかにするとか、そんな必要はないと思うのですけど、そっちの機能をちゃんと維持するということにも目を配っていただければと思います。これは意見です。

 筒井分科会長 〕 ほかによろしゅうございますか。ありがとうございました。

 ここで、三反園政務官、所用のために退席をされます。どうもありがとうございました。

〔三反園財務大臣政務官退室〕

 筒井分科会長 〕 それでは、ありがとうございました。多様な御意見をいただきましたので、事務局から一括して説明をお願いいたします。

〔 川路国有財産調整課長 〕 御意見、あるいは御質問等ありがとうございます。

 まず、奥田委員からございました御質問でございますけれども、特に8年度の新規のところ、竣工時期も含めて、4ページで課題等がございましたところも含めて、我々も例えば工期のところであるとかということも、現在分かるような範囲のところで一定見直しを行ってやっているところでございますので、そこも含めて見直した上で、できるだけ早い完成ということで対応していきたいというふうに考えているところでございます。

 さらに、先ほどございました仕組みの検討のところも、やはりこれまでのやり方というのも、かつて我々がやっていましたPFIの時期とも大分変わってございますし、そういったことも含めて勉強して、仕組みのことも含めて検討していきたいというふうに考えてございます。

 リノベのコストのところは、我々も必ずしもコストがこれぐらいかかったというところの全てを吸収するような使用料体系ということに現時点ではなってございません。全体の宿舎行政の中でどれぐらい我々が支出と収入というか、バランスを取れるかということで使用料の調整等をしてございますので、そこも含めて我々もこれからしっかりと説明できる必要がございますので、そういうことの説明ぶりも含めてしっかりと精査をしていきたいというふうに考えてございます。

 さらに、山内委員からございましたPFIの関係、もろもろございまして、特にPFI特有の例えば時間がかかるでございますとか、規模の問題でありますとか、確かに今回我々が取り組んでございます地方の事案についても、なかなか事業規模がそこまでに乗らないということもやっぱりヒアリングの中でいろいろ聞いておるところでございます。そういうことも含めまして、どういうやり方がいいのかということは、先ほど川嶋委員の質問もございましたけれども、我々も必ずしもPFI一辺倒ということではございませんで、やはり国家公務員宿舎の課題というのは、緊急に整備をする、喫緊に課題に対応していくというのが必要なことというふうに考えてございますので、そういった時期も含めまして、もちろんコスト面でPFIと比較をするということもございますけれども、一部の事業についてはPFIになじまないところは通常事業でやっていこうというふうに我々は検討しているものでもございますので、そういった考えでやっていきたいと考えてございます。

 さらに、情報面のところ、こちらは、我々も、やはり事業情報の早期提供であるとか対話の機会が不足していたということもヒアリング等でいろいろ把握しているところでございまして、こちらにつきましては、地方でも様々なネットワークがございます。そういったところも活用しながら、地元の事業者とも密に連携を取りながら、我々の事業のやり方というのを考えながら、それぞれの案件について対応していきたいというふうに考えているところでございます。

 亀坂委員の物価変動のところが大変御心配だという御意見もございましたし、先ほどの貴重な御意見、産業構造審議会の件、御示唆、大変ありがとうございます。物価面のところにつきましても、特に先ほどおっしゃっていたSPPIを参考にされていたということ、もちろんサービス価格でございますので、建築に関わる部分というのは、サービスというところもございますけれども、物という面に即したところも見る必要があると思いますので、その関係で言いますと、SPPIだけじゃなくてCGPIを見ていくとか、主にそれ以外でも建築費指数を見ていくとか、様々な物の価格というのはどういうふうに影響していくかということは、それぞれの指数ないしは指標をしっかりと勉強しながら、どういうふうに価格を取り込んでいくのか、どういうふうに捉えていくのかというのも我々の重要な検討課題だと思っておりますので、そこも含めましてさらによりよい事業ができるように対応していきたいというふうに考えてございます。

 川口委員のところでございました、やはりいろいろなインフレの部分については、民間が対応できないような外生的要因であるということも含めまして、そこの対応も、先ほどの物価の指標の取り方というのもございますけれども、様々な建築の、特に予算面、費用面というのも直接的に影響するところでございますので、そこも含めて、それぞれの建築にかかる期間は長うございますので、その期間、社会経済情勢の変化等も含めてしっかりと対応していきたいというふうに考えてございます。

 以上でございます。

 筒井分科会長 〕 今の御説明に対して何かございますでしょうか。よろしゅうございますか。どうぞ。

〔 川路国有財産調整課長 〕 すみません、竹川委員からの機能面というところ。もちろん、国家公務員宿舎の件、法律上は国家公務員の職務の能率的な遂行を確保するために国家公務員宿舎を整備するというところでございますので、まさしく委員おっしゃったBCP対応の話であるとか、それ以外の働き方も含めて、どういうやり方がいいかということをまずは一義的に考えていくということかと思いますので、そこも含めて引き続き対応していきたいというふうに考えてございます。失礼いたしました。

 筒井分科会長 〕 よろしいでしょうか。

 それでは、以上で本日予定をしておりました議事全て終了とさせていただきたいと思います。

 最後に、事務局から連絡事項がございます。

〔 寺﨑国有財産企画課長 〕 国有財産企画課長の寺﨑でございます。最後に一言だけ連絡事項を申し上げさせていただきます。

 本日の議事録、議事要旨、資料につきましては、通例どおり会議後に財務省のホームページで掲載させていただきたいと思っております。また、そのうち、議事録、議事要旨につきましては、委員の皆様方の確認をいただいた上での公表となりますので、その点、御了解いただければと思います。また、記者レクにつきましては、本日、この後、事務局で対応させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 連絡事項は以上でございます。

 筒井分科会長 〕 それでは、これをもちまして財政制度等審議会第67回国有財産分科会を終了といたします。大変御多用のところを御出席いただきました。ありがとうございました。ウェブで御参加の委員は御退室をいただきたいと思います。

午前1142分閉会