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国有財産分科会(令和8年2月27日開催)議事要旨

 

 財政制度等審議会 第67回国有財産分科会

[議事要旨]



1.日時 令和8年2月27日(金)10:00~11:42

 
2.場所 第3特別会議室(財務省本庁舎4階)
 
3.出席者 (敬称略)
 [委員]

 奥田かつ枝 亀坂安紀子 川口有一郞 筒井義信 若林茂雄

 [臨時委員]

 大久保恭子 川嶋三恵子 滝澤美帆 竹川正記 松尾弘 村木美貴 持永勇一 野城智也 山内弘隆 吉原祥子

 [専門委員]

 津田廣喜

 [財務省] 
 舞立財務副大臣 ほか

4.議題
  • (1)相続土地国庫帰属制度への対応

  • (2)介護施設整備に係る貸付料減額措置の延長

  • (3)国家公務員宿舎の整備等

 
5.議事経過
  • ○ 事務局から、議題1~3について報告を行った。
    ○ 委員からの主な意見は以下のとおり。

【相続土地国庫帰属制度への対応】

  •  今回の取得、管理、活用の方向性、内容について賛成。
  •  今後の方針について、体系的に整理されており賛成。
  •  国庫帰属土地の取得・管理・活用の目的は、土地所有の再配置にあると考えられる。市場で流通しない土地を効率的に分配する新たな仕組みを構築するためには、財務省、土地所有者、地域コミュニティ、市町村、連携協議会等の関係者が連携し、その具体的内容を明確化するルールを整備することが重要である。併せて、国庫帰属土地に関する情報を包括的かつ一元的に把握・共有する体制の構築が必要である。
  •  負動産の多くは隣地に需要があることから、隣地所有者との協議体制の整備が重要である。
  •  帰属土地の分析結果によれば、狭小な土地が多数放置されている状況が確認される。これらの土地については、隣地所有者への働きかけが極めて重要である。
  •  承認申請から要件審査までの過程において、現状は負動産の区分が整理されておらず、審査庁と管理庁の判断基準も統一されていない。このため、再生可能性、権利調整の難易度、境界確定の可否等に基づく区分整理が求められる。
  •  国庫帰属前に「土地の社会的再配置」に関する協議を行うことが重要。国、地方公共団体、民間事業者、自治会、NPO等が参加する協議の枠組みを制度として設ける必要があり、国庫帰属前のどの段階で協議を実施するかが制度設計上の重要な論点となる。
  •  小規模で負動産とされる土地であっても、一定規模に集積されれば新たな価値を創出し得る可能性がある。土地の集積には長期間を要することが多く、民間事業者が事業として取り組むことは容易ではないため、国と地方公共団体等が連携し、計画的に土地を集積することで、国土の新たな価値創造につなげることも考えられる。
  •  従来型の資産価値を前提として市場で売買が成立する不動産とは異なり、資産価値が低下した土地については、従来型の手続・ルールを適用することがコスト面で合理性を欠く場合や、必ずしも必要性が認められない場合がある。細分化された土地が放置されることなく、地域において適切に活用されるよう促す仕組みを構築することが、新たな制度設計の基本的な土台となると考えられる。
  •  新たな仕組みの構築に当たっては、関係専門職との積極的な意見交換が不可欠である。土地・建物の承継や相続の場面において利用者が抱える具体的課題や、現行制度下で生じているコスト負担の合理化方策について、専門家の意見を踏まえつつ制度設計を進めることが望ましい。
  •  国が引き受けた不動産の中には、災害リスクを有する物件が含まれる可能性がある。引受けの過程においては、災害リスクや土地の安全性について、第三者の専門家による評価を踏まえる仕組みを導入することが望ましい。
  •  負動産は、隣地に需要がある場合には一定の価値が認められる一方、需要が全くない地域では無償であっても引き取り手がなく、税負担のみが発生するなど取扱いが難しい不動産であり、このような不動産の管理・処分を国が自ら担い続けることは大きな負担となる。今後は民間の力を積極的に活用し、国は主として引継ぎ機能を担いながら、国有財産の処分手続の簡素化・迅速化を図ることが望まれる。  
  •  一方で、迅速化・簡便化を進める対象となる不動産の基準を明確化することが不可欠である。鑑定評価を取得すべき不動産と、簡素な手続で処分可能な不動産を区分しなければ、価値ある不動産を無償で譲渡したとの誤解を招くおそれがあるため、一定の基準設定が必要である。 
  •  狭小土地の評価に当たっては、財産評価基本通達を参照し得るものの、実勢価格との乖離が大きい状況にある。このため、同通達を参考としつつも、隣接地との一体利用による土地価値の向上、地域の税収入の増加、国の管理コストの縮減等の効果を踏まえ、減額について一定の柔軟性を持たせることが望ましい。
  •  2030年以降は団塊世代の死亡増加により相続が急増し、国庫帰属される土地も大幅に増えると見込まれるため、より踏み込んだ対策を検討してもよいのでは。

【介護施設整備に係る貸付料減額措置の延長】

  •  本措置については、都市部における介護施設整備に一定の役割を果たしてきたと理解しているが、直近の活用実績が限定的であることを踏まえると、今回の延長期間である3年間を、効果検証を行う期間として位置付けることが重要と考える。

【国家公務員宿舎の整備等】

  •  建築費の高騰は極めて深刻であり、民間においても建設事業の断念や土地売却が生じている。
  •  国が実施する他案件でも、建築物価の指数を上回る形で建築費が上昇している。
  •  民間では等価交換等により土地の一部を処分しつつ必要地を取得する手法もみられるが、国有財産では同様の手法は困難であり、制度の見直しが必要ではないか。
  •    小菅、桐ヶ丘における入札不調について、小菅は計画策定から入札実施までの期間が長期化し、当初計画時と比べ入札時点の建築費高騰の影響が拡大したことが要因と考えられる。また、桐ヶ丘は戸数が少なく事業規模が限定的であったことが不調の要因であり、PFI事業には一定規模の確保が必要と考えられる。
  •  公務員宿舎は喫緊の課題として令和8年度以降の事業完了を急ぐ必要がある。このため、事業の作り込み段階において、建築費・事業規模等に関する情報提供が十分であったか再検証し、PFI方式を採用する場合にはマーケットサウンディング等の事前調査を十分に行う必要がある。
  •  自治体案件は規模が小さいため、事業者との密接な情報交換を前提に案件が形成される傾向にあるが、国ではこの点が十分でない可能性がある。 検討期間が長くなりすぎないよう留意しつつ、事前の情報交換や案件の作り込みについて見直しが求められる。特にPFI事業では、事業者との協議を綿密に行うことが重要である。
  •  PFI事業は本来建設リスク等を民間に移転する仕組みであるが、インフレは民間がコントロールできない外部要因であり、海外・国内要因が複合している現状では、地域実情に応じた事業方式を検討する必要がある。建設費高騰への対応として、価格変動分の一部を行政側で負担せざるを得ない可能性がある。
  •  民間ではSPC単体での事業成立が困難となり、ファイナンス手法がコーポレートファイナンスへ移行する動きも見られる。
  •  PFI方式で入札不調が相次ぐ中、宿舎整備において引き続きPFI方式を活用するのか、通常事業による入札へ切り替えるのか、どちらの手法を優先する方針なのか。
  •  経済産業省の審議会の小委員会では、労務費等の価格転嫁の徹底として、最低賃金の上昇やエネルギー価格高騰に対応可能な単価設定、低入札実績の額を予定価格の基礎とすることの禁止、契約変更の適切な実施、適正な設計労務単価の設定などが重要であることを確認している。また、賃上げ・物価上昇率について、複数の指数を比較検討して事業内容に適した指数を検討している。 これらを参考に、今後の事業において入札不調が生じないよう適切に対応いただきたい。
  •  リノベーション住宅の賃料設定は耐用年数に応じて調整する仕組み自体は妥当であるものの、物価上昇に伴う民間賃料の上昇によりコスト増が生じており、今後の調整が必要である。
  •  国家公務員宿舎を単に福利厚生として捉えるとコスト抑制が中心となるが、行政機能を支えるインフラと位置付ける場合には、サイバーセキュリティ対策やリモートワーク環境など、必要な機能を確保することが重要である。華美である必要はないが、機能維持には留意すべきである。
(以上)

[連絡・問い合わせ先]

財務省理財局国有財産企画課調査第2係

電話 代表 03-3581-4111(内線2623)

(注)本議事要旨は、今後字句等の修正があり得ることを念のため申し添えます。