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国有財産分科会(令和7年6月17日開催)議事要旨

 

 財政制度等審議会 第66回国有財産分科会

[議事要旨]



1.日時 令和7年6月17日(火)9:59~11:42

 
2.場所 第3特別会議室(財務省本庁舎4階)
 
3.出席者 (敬称略)
 [委員]

 亀坂安紀子 川口有一郞 若林茂雄

 [臨時委員]

 大久保恭子 滝澤美帆 竹川正記 松尾弘 持永勇一 野城智也 吉原祥子

 [専門委員]

 津田廣喜

 [財務省] 
 石田理財局次長ほか

4.議題
  • (1)相続土地国庫帰属制度等に係る現状と課題

  • (2)留保財産の運用の円滑化に向けた取組

  • (3)庁舎行政の現状と課題

  • (4)国家公務員宿舎の現状と課題

  • (5)令和6年度国有財産監査結果報告等

  • (6)令和6年度処分価格等の客観性の確保に係る第三者チェックの実施状況

  • (7)株式会社商工組合中央金庫の株式の処分

 
5.議事経過
  • ○ 事務局から、議題1~7について報告を行った。
    ○ 委員からの主な意見は以下のとおり。

【相続土地国庫帰属制度等に係る現状と課題】

  •  相続土地国庫帰属制度という新たな制度ができたことで、国民は土地を手放せる手段の選択肢が1つ増えたと同時に、財務局の負担が増えたというのは事実。国民のニーズに応えつつ財務局の負担と財源の問題のバランスを考えながら持続可能な制度を作っていくことが求められる。
  •  国民から土地を国が受け取るということで、国有財産管理の性質が国土保全の性質を持ち始めていると考える。財務省だけで検討するのではなく、省庁連携、官民連携により人口減少時代の土地の利用と管理のサイクルを作っていく必要があり、国庫帰属制度はその一部であるという発想に立って、本制度を含めた全体として発展的な制度の底上げを図っていくことが求められる。
  •  取得の前段階で、多様な選択肢を国民に提示していくことが大変重要と考えており、法務省、国土交通省を含めた省庁連携できちんと相談対応をしていく必要がある。
  •  負担金が20万円というのは非常に安価であると考える。ある程度幅を持たせて、負担できる人にはもう少し負担していただくといったことも考えた方が良いのではないか。
  •  国庫帰属した後で地中埋設物等が発見されたとのことだが、本来であれば帰属時に承認申請または承認の要件を満たしてないものについては、将来的に賠償請求の可能性も考えていく必要がある。
  •  活用が難しい土地については、コスト削減という観点から、周辺に悪影響を及ぼさないということが確認できたものは、数年に1回程度の頻度で状況を把握するというのも1つの方法ではないか。
  •  管理においては、粗放的な管理も十分検討の余地があると思う。市町村の地域活性化計画などの各種計画、条例との整合を図りながら管理をしていくという事が大変重要である。
  •  売却にあたっては、一般の不動産売買においては現状有姿で売却することがある。リスクを明示して売却し、買い手側に調査してもらうということもある程度考えていくと良いのではないか。
  •  民間による有償又は無償での活用という多様な選択肢を増やしていくと同時に、処分において、潜在的なニーズの掘りおこしとマッチングに向け、地域の潜在的なニーズを掘り起こしていくことが、財務局の大変重要な役割ではないか。
  •  活用面では、ニーズがない土地についても、一般には思いつかない活用方法を地域住民が考えているということもあると思う。そういった場合に、要するに無償で貸し出す代わりに適切に管理してもらうという方法もあるのではないか。
  •  国土利用計画における地域管理構想の中に、国庫帰属した土地をどう活用していくのかという事についても組み込んでもらうといった地域との連携も積極的に考えて、問題を共有していくという事が重要ではないか。

【庁舎行政の現状と課題】

  •  民間不動産は、ホテルや店舗等について誰がどのようにマネジメントするかにより価値が変わるというオペレーショナルアセットという考え方があり、オフィスでも人口減少の中、いい人材を集めるためには、箱の良さだけではなく、働き方やwell-beingの高め方、DX化推進というオペレーションが重要になっている。国有財産の戦略的マネジメントといった、庁舎・宿舎を単なる箱物として考えるのではなく、財務省・財務局が中心となって地域連携をしながら、価値向上に努めるのが望ましい。
  •  国家公務員におけるリモートワーク推進の余地は大きいのではないか。それにより庁舎にゆとりができ、会議スペースの確保や、場合によっては各省庁の床面積が縮小し、コスト削減にもつながる。

【国家公務員宿舎の現状と課題】

  •  人材確保の観点からも、特に若手職員がもう少し良い環境で働けるようにしていただく必要がある。
  •  今後も工事に携わる作業員の人手不足は非常に深刻であり、また、建築資材等のコストの高騰が留まるところを知らない状況。したがって、地域によっては積極的に借受を推進していかないと宿舎の確保というのも難しいのではないか。
  •  宿舎の共用スペースにリモートワークスペースを確保して、公務員の職種によっては積極的にリモートワークを推進していくことが必要と考える。

【株式会社商工組合中央金庫の株式の処分】

  •  商工中金が9割を自社株買いしたようだが、中小企業だけで売却できるという当初の見立て及び制度設計の甘さがあったのではないか。
  •  商工中金が自社株買いしたことにより、自己資本比率の低下が考えられるが、その影響はどうか。
  •  今後、商工中金が自社株買いした分を金庫株として、商工中金自体が売却すると言っているが、今回の入札を見る限り、中小企業だけに売却することは難しいのではないか。今後、商工中金法を廃止した場合、上場することもあるのか。
(以上)

[連絡・問い合わせ先]

財務省理財局国有財産企画課調査第2係

電話 代表 03-3581-4111(内線2623)

(注)本議事要旨は、今後字句等の修正があり得ることを念のため申し添えます。