このページの本文へ移動

財政制度等審議会国家公務員共済組合分科会(令和3年6月3日開催)議事録

第31回
財政制度等審議会国家公務員共済組合分科会議事録

令和3年6月3日(木)
於:財務省本庁舎4階国際会議室


午前10時00分開会


〔 関給与共済課長 〕 それでは、定刻になりましたので、ただいまから財政制度等審議会国家公務員共済組合分科会を開催させていただきたいと思います。私、5月に給与共済課長を拝命いたしました関と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は御多用中のところ、財務省に足をお運びいただいたり、あるいはオンラインで御参加いただきまして、誠にありがとうございます。また皆様におかれましては、4月1日をもちまして委員に御就任をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は第1回目の分科会ということでございます。分科会長が選任されるまでの間、私が代わりに議事を進行させていただきます。
 まず、委員の改選がございましたので、改めて事務局を御紹介させていただきます。
 給与共済課担当の主計局次長の青木でございます。

〔 青木主計局次長 〕 青木でございます。よろしくお願いします。一言御挨拶をさせていただきたいと思います。
 今、給与共済課長からも説明がありましたけれども、本日は任期の満了に伴う分科会委員の改選後、初めての開催でございます。今後2年間、この分科会、それから国家公務員の共済組合制度の運営にいろいろな御指導、御支援を賜りますよう、お願いを申し上げます。
 また、本日はウェブでの御参加の委員の方も含めまして、御多用中、皆様方に御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日の議題は、昨年の12月に課題とさせていただきました、年金積立金の管理運用、それからESG投資の更なる推進につきまして、KKRから取組の状況を御説明いただきます。また、事務局からも、ESG投資に関する最近の動向でございますとか、また、ここ1年間の国家公務員共済制度の改正につきまして、御説明をさせていただきたいと思います。
 委員の皆様方には、忌憚のない御意見を賜りますようお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。

〔 関給与共済課長 〕 ありがとうございました。
 続きまして、給与共済課のスタッフを、紹介させていただきます。
 まず、共済調査官の大石でございます。

〔 大石共済調査官 〕 大石です。よろしくお願いいたします。

〔 関給与共済課長 〕 課長補佐の北原でございます。

〔 北原課長補佐 〕 北原でございます。よろしくお願いいたします。

〔 関給与共済課長 〕 それから共済計理官の西尾でございます。

〔 西尾共済計理官 〕 西尾でございます。よろしくお願いいたします。

〔 関給与共済課長 〕 それから予算実地監査官の塩原でございます。

〔 塩原予算実地監査官 〕 塩原です。よろしくお願いいたします。

〔 関給与共済課長 〕 それからあと、本日、国家公務員共済組合連合会、KKRから、松村専務理事、水村資金運用部長、宮島運用リスク管理室長にお越しいただいております。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に移ります前に、今回新たに委員に就任いただいた方を御紹介させていただければと思います。
 江夏あかね委員に今回新たに委員に入っていただきました。よろしくお願いいたします。江夏委員から一言だけ御挨拶いただければありがたいです。

〔 江夏臨時委員 〕 野村資本市場研究所野村サステナビリティ研究センターの江夏でございます。現在ESGを主に研究しております。どうぞよろしくお願いいたします。

〔 関給与共済課長 〕 ありがとうございます。
 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。まずは1つ目の議題でございます。分科会長の選任、それから分科会長代理の御指名ということでございます。お手元に資料があるかと思います。資料1と右肩についてありますものを御参照いただいて、3ページ目をお開きいただければと思います。
 3ページの下のほうにアンダーラインを引かせていただいてございます。こちら財政制度等審議会令の第6条でございます。それの第4項という規定、アンダーラインを引かせていただいておりますけれども、分科会には分科会長を置きますと。当該分科会に属する委員の互選により選任をするということとされてございます。したがいまして、委員の皆様の互選という形で分科会長を選任していただきたいと思いますけれども、分科会長の選任につきまして、委員の皆様から御意見ございましたらば、よろしくお願いいたします。

〔 加藤臨時委員 〕 加藤でございます。よろしいでしょうか。

〔 関給与共済課長 〕 よろしくお願いいたします。

〔 加藤臨時委員 〕 資産運用に関する高い御見識とこれまでの御経験から、川北委員を会長に推薦したいと思います。よろしくお願いいたします。

〔 関給与共済課長 〕 ありがとうございます。ほかに委員の御意見、いかがでございましょうか。では原委員、お願いいたします。

〔 原臨時委員 〕 私も同じ意見となりますが、令和元年度より会長として御尽力いただいております、川北委員を推薦させていただきたいと思っております。

〔 関給与共済課長 〕 ありがとうございます。今加藤委員、それから原委員の2人から、川北委員を御推薦する意見をいただきましたけれども、ほかの委員の皆様、いかがでございましょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 関給与共済課長 〕 よろしゅうございますでしょうか。では川北先生、よろしいでしょうか。

〔 川北委員 〕 ただいま御指名にあずかりました川北です。お引き受けしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

〔 関給与共済課長 〕 では、川北先生、よろしくお願いいたします。分科会長に御就任のほうお願いいたします。
 それでは恐縮でございます。川北先生にこちら側の分科会長の席にお移りをいただきまして、以後、御進行をお願いさせていただきたいと思います。

(川北委員分科会長席へ移動)

〔 関給与共済課長 〕 それでは、今一言いただいてしまいましたけれども、川北先生から改めて御挨拶だけ頂戴いたしまして、議事進行のほうお願い申し上げます。

〔 川北分科会長 〕 改めまして川北です。今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 特にKKRの運用に関しましては、我々がある意味では監視をしていくということですので、皆さんの忌憚のない御意見をいただければと思います。
 それでは、最初に分科会長代理を指名することになっております。私といたしましては、引き続き井堀委員に御就任をいただきたいと思います。よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 川北分科会長 〕 井堀委員、よろしいでしょうか。

〔 井堀臨時委員 〕 分かりました。よろしくお願いします。

〔 川北分科会長 〕 ありがとうございます。それでは井堀委員、よろしくお願いいたします。
 では、続きまして、分科会の運営方針でございますが、財政制度等審議会の議事規則及び運営方針は、お手元の資料1の5ページから7ページのとおり定められております。この分科会におきましても、従来どおり、この議事規則及び運用方針に沿って運営していくことといたします。
 原則、議事要旨、議事録、会議資料をインターネットで公開することといたします。この点につきまして特に御異議等ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 川北分科会長 〕 それでは、御異議ないということですので、そのように進めさせていただきます。
 続きまして、2つ目の議題に移りたいと思います。
 令和2年度における年金積立金の運用環境について、KKRより御説明をお願いいたします。

〔 水村資金運用部長 〕 それでは、国家公務員共済組合連合会のほうから、令和2年度の運用環境を資料2に従いまして御説明をさせていただきます。
 右肩に資料2と書いてある資料でございます。タイトルにもございますとおり、令和2年度の運用環境を御説明させていただくものでございます。カレンダーも6月に入っておりますので、前年度、令和2年度は終了しているわけでございますけれども、私どもの決算手続は現在作業中ということでございますので、私どもの運用結果についての御報告については、本日は御容赦をいただければというふうに考えております。
 それでは、おめくりいただきまして、資料に従いまして、昨年度の運用環境を御説明させていただきます。1ページ目を御覧ください。
 グラフが4枚並んでおりますけれども、左2枚が株価の状況でございます。左の上が日経平均、左の下がニューヨークダウ平均ということでございますけれども、昨年度1年間は、ちょうどコロナのショックが直撃した直後に年度が始まりまして、その後、この2枚のグラフを御覧いただきますとお分かりになりますとおり、日経平均もニューヨークダウ平均も非常に堅調な増加傾向であったというところでございます。率にいたしますと、日経平均は54%余り、ニューヨークダウ平均は50%余りということでございました。近年まれに見る上昇率だったということでございます。
 それから右上を御覧いただければ、今度は10年債の国債の利回りが出てまいります。赤い線で示しておりますのがアメリカの金利、青い線で示しておるのが日本の金利でございます。日本の金利については、御案内のとおり、日本銀行がこの金利を零%の辺りに抑えつけているというところでございますので、年度の最後、少し上がった局面もございましたが、基本的には零%を若干上回るというところで推移をしたというところでございます。一方、アメリカの金利につきましては、年央までは0.7%程度で推移をしたわけでございますけれども、その後はワクチンの開発や接種による経済の回復でありますとか、もろもろの条件が重なりまして、金利は大幅に上がったということでございました。年間を通して見ると、1ポイント以上上昇したというのがアメリカの金利でございました。
 右下は為替の状況でございます。赤い線がユーロの状況、青い線がドルの状況でございますが、共に対円での表示となっております。ドル/円のほうは、数字にも書いてありますとおり、2%のドルの増価というところでございました。特に年明け以降は、ドルの価値が上昇しているという傾向がございました。一方ユーロに関しましては、上昇率は9.64%ということで、アメリカのドルに比べますと、かなり高いユーロの増価というところでございました。このような環境の中で私どもは運用したわけですけれども、実際に我々の運用は、4つの資産クラスの政策ベンチマークを見ながら運用しているということになっております。
 2ページ目を御覧ください。
 左上にベンチマークインデックスの推移ということでグラフを載せておるところでございます。緑色の線が外国株の円ベースの、円換算後のインデックスの推移でございます。また、赤い線は日本株のインデックスの推移でございます。先ほどの日経平均やニューヨークダウ平均のグラフと、部分的に違うところもございますけれども、基本的な傾向は同じものということでございます。一方、もともとの資産クラスの性格として、爆発的なリターンは望んでいないものでございますけれども、外国債券、国内債券ともに、ほぼ100を挟んで絡むというような状況でございました。
 これを数字で確認しているのが左下のベンチマーク収益率の表でございます。右から2列目のところに通期という数字がございます。一番上の国内債券はマイナス0.70%でございました。次の行、国内株式のインデックスは、TOPIXでございますけれども、TOPIXは年間で42.13%の上昇でございました。次に外国債券、私どもはインデックス、政策ベンチマークにFTSE WGBIを選定しているところでございますけれども、こちらは5.43%の円ベースの利回りということでございました。1つ飛ばしまして、外国株MSCI KOKUSAI、こちらが政策ベンチマークでございますけれども、こちらは59.79%ということでございました。現在の基本ポートフォリオは、以上4つの資産クラスをそれぞれ25%ずつ持つというものが基本ポートフォリオでございますので、それぞれ4分の1を掛けて足し上げたものが、一番下の端にある26.66%という数字でございます。私どもの数字は26.66のとおりにはならないわけですけれども、決算の発表をさせていただく際には、これに近しい数字を御報告できるというふうに考えているところでございます。
 以上が、令和2年度の運用環境の御説明ということでございます。

〔 川北分科会長 〕 ありがとうございました。質疑応答につきましては、次の3つ目の議題と併せてお願いしたいと思います。
 それでは3つ目の議題であります、KKRにおけるESG投資の推進状況につきまして、まずKKRから御説明をお願いいたします。

〔 水村資金運用部長 〕 それでは、続きまして私のほうから、右肩資料番号、資料3-1、タイトル「ESGに関する取組みの進捗について」という資料で御説明をさせていただきます。
 おめくりいただきまして、タイトル、ESGに関する取組の進捗について、3つに分けて御説明させていただきますけれども、1つ目、まず①のアクティブ投資、これは株の部分でございますが、株の委託運用で私どもはアクティブ運用を行っておりますけれども、これに関しましては、従来どおり全ての運用委託先に対して、ESGの考慮をするようにということで、明示的に要請を行っているところでございます。また、実際に運用を委託した後、彼らの評価・モニタリングも継続して行うということでございます。これはESGの考慮というものも含めて、評価・モニタリングを行うということでございます。下の矢尻の部分にございますとおり、個別ファンドに対する総合評価ということをするわけですけれども、この評価項目にもESG要素の考慮状況というものを新たに設定しているというところでございます。
 それから、②とあります株の委託運用におけるESGインデックスへのパッシブ投資ということでございます。ESGインデックスということになりますと、我々の基本ポートフォリオの政策ベンチマークはTOPIXでございますから、このインデックスにパッシブに運用したとしても、そこの部分はアクティブ運用になるというふうな整理になるわけですけれども、いずれにしても、このESGのインデックスに対するパッシブ運用については、■が3つ並んでいるような状況を現在進めているというところでございます。1つ目、ESGインデックスの観測を継続するということでございます。下の左側のほうに棒グラフでありますとか、数表が並べてございますけれども、本日はこれについて、この中身について議論するということではないので、若干数字が見にくいところ等があるかもしれませんが、ここはGPIFが採用しているESGファンドの超過収益率を私どもの客観的に取れる情報でフォローしているというところでございます。継続的にここの部分は観測を続けてまいりたいというふうに考えているところでございます。それから■の2番目、ESGインデックスの活用の可能性、あるいはこのインデックスが持っている効率性等については、関係者からの情報収集を含めて検討を継続するということでございます。これは足元も含めて情報収集を常に行っているというところでございます。それから3つ目の■のところでございますが、国内株式以外のアセットについても、私どもマネジャーエントリー制というのを敷いておりますけれども、このマネジャーエントリーの受付のタイミングで、ESGファンドも関心を持っていますということを対外的に鮮明にしているというところでございます。右下にマネジャーエントリーの募集要項の抜粋がございますけれども、募集対象商品としては、ESG要素の考慮を重視した戦略でありますとか、ESG指数に連動したインデックス運用についても注目をしているということでございますので、ここの部分は継続的に情報収集を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
 以上が3分の1でございまして、次に、3ページ目に2番目の議論が出てまいります。番号としては③としているところでございますけれども、債券運用でございます。債券運用は、私ども委託運用をしている以外にも、自家運用をしている部分がございますが、この両面について、ESGボンドへの投資をどのように考えるかということでございます。
 まず委託運用のほうから御説明をいたします。委託運用については、もうこれは従来どおりということではございますけれども、全ての運用委託先に対してESG要素を考慮するように要請をしているというところでございます。また、評価・モニタリングも継続するということについては、エクイティ投資と同じような条件にしているところでございます。この中で■がございますけれども、各国の政府債が基本的には投資対象ということになっておりましたが、これ以外に世界銀行等の国際機関債も購入できるようなガイドラインに変更をいたしました。この結果、こういった国際機関が発行するグリーンボンドも購入できるようにしているというところでございます。ですので、委託運用先は、このような債券が発行されると対応できるようになっているというところでございます。ただ、経済性はやはり無視はできないということでございますので、経済性に鑑みて有利な条件であれば、グリーンボンドも購入していくようにしてほしいというふうにしているところでございます。また、今日詳細な開示は控えさせていただきますけれども、実際にグリーンボンドの銘柄を保有しているという現状はございます。
 次に自家運用の対応でございます。こちらも従来どおりということではございますけれども、通常債と同様の条件であれば、前向きに購入を進めているというところでございます。いずれにしても、■に書いてありますとおり、グリーンボンドプレミアムの観測でありますとか、グリーンボンド指数そのものに対する情報収集は継続してまいりたいというふうに考えております。
 下のほうの右下に、グリーンボンドプレミアムに関するモニタリング資料の抜粋を掲げておりますけれども、これはドイツの国債の中でグリーンボンドとして発行されているものと、グリーンボンドでないものを比較しているというものでございますが、こういった情報収集については毎日毎月継続をして、どのような状況になっているのかという観測はしっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。
 以上が全体の2番目まででございまして、おめくりいただきますと、最後に3分の3として、ESGに関する推進活動への参画というものをまとめたページがございます。まず、④TCFD賛同でございます。TCFDというのは、御案内のとおり、気候関連情報に関する開示のタスクフォースということでございますけれども、こちらにつきましては、■に書いてありますとおり、特にということでございますが、株式のアクティブ投資において、リターンの向上やリスクの低減に資するものであろうというふうに考えております。アセットオーナーが気候関連情報の開示を促すということで、アセットマネジャーがその情報をしっかりと解釈できるようになれば、それは我々アセットオーナーに裨益するものでございますし、最終的には年金資産をお預けいただいている方々にも展開できるものというふうに考えているものでございます。この賛同手続そのものについては、もう既に先月になってしまいましたけれども、5月の最後に賛同手続を済ませたところでございます。私どもの連合会のウェブサイトでも、TCFD賛同をしたという旨を告知しているところでございます。また、業界誌でございますので、一般の方に広く目に触れるということではございませんけれども、『年金情報』という年金に関する業界誌でも、昨日付だと思いますが、国共済がTCFDに賛同している旨は報道をしていただいているというところでございます。このような形で、TCFD賛同はしたばかりということでございますので、これからアクティブアセットマネジャーとも、これを踏まえての議論を継続してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 それから⑤PRIの署名ということでございますけれども、ここはもともと昨年の12月にもお伝えしていたところではございますが、委託運用において、原則としてPRIに署名しているマネジャーを採用するということにしているところでございます。ですので、ここのところはこのPRIに署名しているマネジャーを採用することで、PRIの責任投資原則の考え方というものはちゃんと伝わっているだろうというふうに考えているところでございます。ただ、将来的な署名も視野に、PRIの最低履行要件の状況でありますとか、年次評価の厳格化等については、モニタリングを継続してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 連合会のESG投資に関する現状は以上のとおりでございます。

〔 川北分科会長 〕 ありがとうございました。
 それでは引き続いて、3つ目の議題について事務局より説明をお願いしたいと思います。

〔 関給与共済課長 〕 それでは、資料3-2と番号がついてございます資料に沿って御説明を申し上げたいと思います。
 まず1枚おめくりいただきまして、大きく3つのテーマで御説明をさせていただきます。まず、1つ目のテーマ、ESG投資に関する最近の動向ということでございます。
 右下のページ番号に沿って御紹介をしていきますが、2ページ目でございます。こちらですけれども、ESG投資のコンセプトということでございますが、財務的な要素に加えまして、E(環境)、それからS(社会)、G(ガバナンス)というものを考慮するというのがESG投資の基本コンセプトということでございます。
 それから1枚おめくりをいただきまして、3ページ目でございます。政府におけるESG投資に向けた政策的なスタンスをまとめてございます。累次の骨太の方針、あるいは成長戦略といったものの中で、ESG投資を推進していくという方針を既に表明しております。それに加えまして、一番下に青い字になってございますけれども、今年1月、菅総理の施政方針演説では、環境投資を呼び込むという方針が重ねて示されているというところでございます。
 それからスライドの4でございます。そういった政府全体のスタンスを受けまして、年明けから政府内では、ESG投資をはじめといたしますサステナブルファイナンス全般につきまして、一層推進するための議論が行われております。金融庁においては有識者会議というものが設定をされまして、議論が進められております。特にこのスライドの左側の中ほどでございますけれども、●で環境・社会・ガバナンスの要素を投資に考慮するというような記述がございますが、ESG要素を意識して、それをいかに推進していくかという観点から議論が行われているところでございます。
 それからスライドの5ページ目でございます。こちらは労働団体のスタンスをまとめさせていただいてございますけれども、労働団体でも、以前からESG投資を推進すべきという立場を表明されているというところをまとめさせていただいてございます。
 それから6ページ目でございます。こちらは政労使でいうところの使用者側ということになりますけれども、経団連が、昨年の4月になりますが、ESG投資を推進することが望ましいとする報告書をお出しになられております。この報告書のために企業に実施したアンケートの結果を右側のほうの棒グラフにまとめてございますけれども、企業の4割程度は、ESGでありますとか、SDGsといったものを収益の源泉というふうに捉えていると。こういった要素を単純にリスクの要因だと捉えている企業は2%未満だというような結果が示されているところでございます。
 それから続きまして、7ページ目からは、ESGのそれぞれの要素につきましての議論の状況の御報告でございます。まずEでございますけれども、気候変動が直接的、あるいは間接的に投資先企業の業績に影響し得るということで、金融市場のリスク要因になっているんだと。そういう文脈で、国際的な議論の中でも様々取り上げられているということでございます。
 それからスライドの8ページ目ですけれども、Eに関しましては、最近の動向といたしまして、政府内では脱炭素ということに向けた取組が加速しているところでございます。特に菅総理は、4月の気候サミットにおいて、2030年度にマイナス46%という削減目標を宣言されておられます。加えまして、2050年までにはカーボンニュートラルを達成するんだといった方針も御表明されておられます。こういった状況で、ここの資料にございますように、グリーン成長戦略の具体化などの検討が進められておりますけれども、その中では、気候変動はリスク要因ということだけではなくて、脱炭素目標を達成するための資金需要、すなわち投資家にとって収益機会を生み出すことになるのではないかといった点も期待されて、議論が進められているところでございます。
 9ページ目からはSの要素でございますけれども、例えば左側のほうにございますように、企業が人権無視の労働をさせていないかでございますとか、あるいは右側のほうにございますが、企業がダイバーシティーですとか、ジェンダーの要素を重視しているのかどうかといったSの観点が、投資家にとって、投資先企業のリスク要因にも収益要因にもなり得るというふうになってきているということでございます。
 それから10ページ目でございます。このSに関する最近の動向といたしまして、左側にございますように、ESG投資を行う投資家が注目している要素として、労働環境でございますとか、人権といったSに相当するものが比較的多く上がってきてございます。それから右側にございますように、現在のコロナ禍という状況下では、このSという要素に対する関心が高まっているというようなシンクタンクの報告も出ているところでございます。
 それから11ページ目でございます。G、ガバナンスの観点でございます。まず、投資先企業のガバナンスが、収益の面からも、あるいはリスクの面からも、投資パフォーマンスに影響していくんだということが、多くの研究や事例で示されているところであるということをまとめさせていただいております。
 それから次の12ページ目でございます。こちら足元の状況でございますけれども、投資家の投資先企業に対するガバナンスの規範となります、いわゆるコーポレートガバナンス・コードというものにおきましては、もともとから、このピンクのタイトルのほうでございますように、サステナビリティという要素に関する言及がございましたが、下側のグリーンのタイトルのところにございますように、今般、企業が気候変動リスクへの対応状況に関する開示といったものを一層充実させるべきだという方向での見直しが検討され、予定されているというところでございます。
 ここまでがESG投資全般をめぐる最近の動向の御報告ということでございます。
 ここから、続きまして2つ目のテーマといたしまして、KKRのような公的年金基金をはじめとする、アセットオーナーに関する最近の話題というものについて御紹介をさせていただきます。
 まず14ページ目でございます。こちらでございますけれども、公的年金基金に共通して適用されます積立金運用の基本指針というものが、昨年2月に改正をされております。下側の赤字の部分ございますように、そこでESG投資に関する記述が強化をされているというところでございます。
 それから15ページ目でございます。GPIFは我が国最大の機関投資家といたしまして、赤い字でも書かせていただいてございます、ESG株式指数ですとか、グリーンボンドへの投資をはじめといたしまして、ESG投資における先駆的な取組を様々行っているというところでございます。
 それから16ページ目でございます。こちらですけれども、GPIFやKKRのような年金基金と同様に、中長期にわたりまして、受益者への支払い責任を負っているという立場でございます保険会社におかれても、ESG投資を推進する動きというものが出てきているというところでございます。
 それから17ページ目、18ページ目でございます。こちらですけれども、外国、特に欧米でございます。ESG投資に積極的な公的年金基金が多いということでございます。代表的なのは17ページの上にございます、いわゆるCalPERSということでございますけれども、比較的大きな基金だけではございませんで、8兆円ほどの規模のKKRよりも小さい規模の公的年金基金におきましても、例えばPRI(責任投資原則)に署名しているとか、そういった状況にもなっているというところでございます。
 それから19ページ目でございます。こちらKKRを含みます3共済、国家公務員共済、地方公務員共済、私立学校教職員の各共済でございますが、昨年GPIFや関係省庁の取組について、合同の勉強会を行っているというところでございます。
 それから20ページ目でございますけれども、まず、株主の立場で投資先企業に対して温室効果ガスの排出を削減するように注文をつけていくんだという、そういう投資家が増えてきているということでございます。具体的には、この20ページのスライドにございますように、カーボンニュートラルに呼応いたしました投資家が結束をいたしまして、ネットゼロ・アセットオーナーアライアンスという、国連の環境計画金融イニシアチブというところの支援を受ける連合体というものが2019年に立ち上がりまして、さらに現時点までには規模を倍増させてきているという状況にございます。我が国からは第一生命が加盟しているということでございます。
 それから21ページ目でございます。こちらアセットオーナーの一種であります国内の企業年金基金におけるESG投資への期待、関心の状況ということで、左側にございますように、今後投資を増やしたいファンドの最上位には、ESGに特化したファンドが位置しております。それから右側にございますように、ほぼ半数の企業年金基金ではESG投資の検討・対応を行っているという状況でございます。
 それから22ページ目でございます。この国共済分科会以外の場におきましても、公的アセットオーナーによるESG投資の重要性に関する指摘が出てきているという御紹介です。自由民主党の財務金融部会というところがおまとめになりました「サステナブルファイナンスに関する提言」というのが今年3月に出ておりますけれども、ここでKKRを含む3つの共済に言及した上で、PRI(責任投資原則)への署名なども求めていくべきとされているところでございます。
 それから最後に3つ目の固まりといたしまして、前回、昨年末の議論の際にKKRに御提示申し上げた検討課題に関する様々な論点の御紹介です。
 まず24ページ目でございますけれども、こちらが前回提示した検討項目で、1から5まであります5項目、指摘をさせていただいておりますけれども、先ほどKKRから御報告いただきましたように、まず1つ目の運用受託機関の評価項目としてESGへの取組状況を明示的に取り入れていただいております。それから③の運用受託機関がグリーンボンド等を取得できるようにガイドラインを変更していただいている。あるいは④のTCFD、気候変動財務情報開示に賛同の手続をしていただいた等々、KKRにおいて積極的に取り組んでいただいているというところでございます。
 その上で25ページから、これから御紹介をさせていただきますが、3つほど論点が残っているかなというところでございます。まずは、②の項目にございましたESGインデックス投資の検討に関する点でございますけれども、前回こちらの25ページ目のスライドで事務局から、ESG投資がリスク・リターンの特性の改善のために活用できる可能性があるんじゃないかというふうに提示をさせていただきました。一方で、先ほどKKRから御報告いただきました資料3-1というものの2ページ目の中で、超過リターンが常に出るとは限らないんだという投資パフォーマンス上の留意点というのがお示しをされたところでございます。
 それを受けてでございますけれども、26ページ目、次のページでございますが、投資商品に対しては当然様々な見方があるところでございます。ただ、この資料の左側にございますように、KKRの言及がありましたESGインデックスの中には、GPIFでございますとか、地共済連において既に採用されているものがございます。こちら、なぜ採用されたのかというのを推しはかるのは難しいわけですけれども、例えば右側の紫のところに3つほど丸を書かせていただいていますが、例えばGPIFでございますとか、地共済連では、ESGの指数投資というものはアクティブ運用ではなくて、パッシブ運用というものとして位置づけられてございますので、一般的なアクティブ運用ファンドと比べますと、運用コストであるとか、あるいはリスクの水準というところから見ると、メリットがあるんじゃないかというふうに御評価なされている可能性もあります。それから3つ目の丸にございますように、超過収益とか効率性といった過去の運用実績だけではなくて、国内の政労使の動向ですとか、国際的な脱炭素への取組、こういったものから期待される将来の収益的なものを評価されて、こういうインデックスを採用されている可能性もあるのではないかというふうに認識しているところでございます。今日KKRから検討状況を御報告いただきましたけれども、今御紹介申し上げたような、ほかのアセットオーナーの対応状況なども視野に入れながら、引き続き御検討いただく必要もあるのかなと考えているところでございます。
 それから次の27ページ目でございます。これが検討課題の③というところにございました、グリーンボンド等に関するものでございます。KKRにおかれましては、ガイドラインを変更するという対応を取っていただいているわけですけれども、特にKKRから御報告いただいた資料3-1の3ページ目に、通常債券とグリーンボンド、これをドイツのもの同士で比較して、グリーンボンドが利回りの面で劣ることがあるというようなグリーンボンドプレミアムの御紹介がございました。一方こちらの27ページのスライドでお示しをしていますのは、中ほどのピンクのところにございますように、例えばGPIFは、先進国の国債利回りが低下する中で、国債を上回る利回りを得る手段として世銀のグリーンボンドを評価されておられます。実際、下の緑のほうにございますように、国際機関が、同時期に流通する外国の国債よりも高い利回りでグリーンボンドを発行しているケースもございますので、今日のKKRさんの御紹介はドイツという、同一発行体の中での比較ということでございましたけれども、債券ポートフォリオ全体の視点からも御検討をお願いする必要があるのかなと思っております。
 それから最後、28ページ目、29ページ目は、PRI(責任投資原則)に関するものでございます。28ページ目のところは、PRI原則の中身を御紹介させていただいておりますけれども、こちらに関して、今日KKRが資料3-1の4ページでは、原則としてこのPRIに署名している運用会社を委託先にするということをお示しいただきました。
 それで、最後の29ページ目のスライドを御覧いただきますと、このPRIに関しましては、例えばESG要素を考慮する資産割合の引上げというような最低履行要件の変更が予定されておりますので、こういった原則に署名することが運用への縛りを強めるんじゃないかということで躊躇させる面もあるような印象がございます。一方で見開きの左側、このページの下側にございますように、GPIFをはじめ、CalPERS、あるいは第一生命などのアセットオーナーは、PRIに署名をされて、その上で、ESG投資活動の活発化にかじを切っておられるということでございます。KKR御自身が署名をされることについては、それを視野に入れて御検討を継続し、PRIの事務局と対話を持たれるということではございますけれども、アセットオーナーの視点から、先行する署名機関と意見交換をされると、いろいろな知見も得やすくなるんじゃないかと、こういったことも考えられるというところでございます。
 以上、駆け足ではございますけれども、ESG投資に対して御説明させていただきました。

〔 川北分科会長 〕 ありがとうございました。ただいまの資料2、資料3-1、3-2の説明について、御質問、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 それでは、寺井委員。

〔 寺井臨時委員 〕 御説明をいただきまして、どうもありがとうございました。御説明を拝聴いたしまして、最初の資料3-1のESGパッシブ投資のところに示されています、関係者からの情報収集を含めて検討を継続するといった、この姿勢がほかの運用についても随所に書かれていると思うのですが、このような慎重な姿勢といいますか、望ましいことと思っておりますし、やっぱり情報収集を丹念に積み重ねるということの重要性というのも、非常に賛同するところです。
 先ほど、この同じページにあります、これは2020年度のモニタリング資料ということで、事務局のほうから、必ずしも、超過リターンが獲得できているとは言えない状況というふうな御指摘がありました。確かに短期的にはそうだと私も思いました。26ページのほうに、過去の運用実績と将来への期待バランスという視点も示されていまして、やはり長期的にどのようなリターンとリスクがあるのかというのをしっかり見極めて考えるということが重要だと私も思いまして、その点から考えれば、もうかなりその実績がある程度の、何というんでしょうか、年を経て得られていると思っております。それで伺いたいのは、この2020年度を見れば超過リターンはあまり得られていないんですけれども、これまでの長めのスパンで見た場合に、この資料3-2の25ページに書かれている超過リターンの獲得とか、ダウンサイドリスク軽減、リスク調整後リターン改善というのは非常に重要な視点だと思っておりまして、長めのスパンで得られた情報に基づけば、この3つの視点で今どのようなことが言えるのか、なかなか難しいと思うんですが、教えていただければということと、今後こういう、この視点は非常に重要だと思っていまして、この視点を表せるような、何かこう、インデックスみたいなものを考えるというような予定がありましたら教えていただきたいという、この2点です。いずれにしましても、やはり情報収集と検討が大事だと思っております。
 以上です。

〔 川北分科会長 〕 では、これKKRさんのほうから。

〔 水村資金運用部長 〕 もしかしたら質問を取り違えているのかもしれないので、間違っていたら御指摘いただければと思うのですけれども、私どもの解釈としては、もう少し長めのデータを収集したいと考えております。長期でないのかという御指摘だと認識はしておりますけれども、または縦に足りない(情報収集する銘柄数の不足)ということかもしれませんが、もう少し長い目で見たいというのがあるのと、これは昨年の12月の分科会でも御説明をさせていただいたんですが、特に昨年度の場合には、コロナショックというものがかなり、マーケットに対して攪乱要因を持ち込んでいるのではないかと思うので、もとより、ESGファクターというものだけを取り出して、それに効果があるのかどうなのかというのを見るというのは、恐らくできないんじゃないかと思いますし、それができるとノーベル賞級の発見になるんじゃないかなと思いますけれども、そういうものだけを取り出すのは難しいという前提でも、やはり昨年度のリターンの中で、ESGファクターというものがプラスに効いているのか、マイナスに効いているのかというのが非常に難しいという中で、それも踏まえて、もう少し観測期間を取らせていただきたいと考えているということでございます。
 それを、判断できるようなインデックスができないのかという御指摘だったかと思うんですけれども、これも、例えば3年連続で超過リターンが出たら自動的にゴーサインが出るとかというのは、現状の私どもの中では、そこまで判断するのは難しい。やはり定量的な判断というよりも、定性的な判断も踏まえて、また最新の情報も踏まえて、採用というものを考えていくということではないかなと思っております。私どもの数字は見えにくいようにぼかしてしまっているんですけれども、現状の私どもの政策ベンチマークは、少なくとも国内株については、TOPIXがベンチマークということになっております。ですので、TOPIXに対して、どのぐらい超過リターンが出るのかということも含めて考えていかなければいけないと思っていますので、もちろん将来的な期待というのも大事だと思っていますし、私どもがアクティブ運用で個別のアセットマネジャーに対して、きちんとESGを考慮して運用してほしいというのもある意味では期待を抱いているというところでございますから、期待も含めて考えていくというところについては反論するつもりはないわけですけれども、総合的に考えてTOPIXというベンチマークをしっかりとビートできる、超過リターンが得られるようなものという確信が持てる上でやっていきたいと思っています。
 幸いにも、GPIFももう既に採用しているファンドがございますし、世の中にはGPIFが採用している以外のものについても、非常にたくさんのインデックスが出てきていると思いますし、そのインデックスの背景には、ESG要素、ESGファクター、あるいはESGに対する評価というものが、本当に日進月歩で進んでいると思っておりますので、そういったものに対する情報収集というものをしっかりと継続してやっていくということは、怠ってはいけないのではないかというふうに考えているところでございます。
 お答えになってない部分がございましたら御指摘いただければと存じます。

〔 川北分科会長 〕 よろしいですか。

〔 寺井臨時委員 〕 はい、結構です。ありがとうございました。

〔 川北分科会長 〕 1点だけ私のほうからちょっと追加で。今インデックスの話が出ましたが、教えていただきたいのは、既存のインデックスにおいて、エコのインデックスであれば、必ずしもエコじゃないような銘柄も入っているという報道があるのですが、その辺り、そういうインデックスの中身に関して、どういうふうに評価されているのか、もしくは評価されようとしているのか。そういうインデックスが通常のインデックスをアウトパフォームするかどうかというのは、1つの大きな論点だと思うんですけれども、その中身、インデックスの構成銘柄の中身も少し検討される必要性があるという気がしているんですが、その辺り、もし何かございましたらお願いしたいと思います。

〔 水村資金運用部長 〕 これも、御質問にもしかしたら沿っていないのかもしれないのですけれども、今、寺井先生への御説明にも使ったつもりなんですが、ESGインデックス、ESGのこういう株を選ぶとこういうインデックスになりますというのがあるんだと思うんですけれども、その背景には、ESGのファクターであるとか、ESG要素であるとか、あるいは、こういう項目を取るとこれぐらいの効果が出るという、ESG評価みたいなものがバックにあって、それが1つの製品としてESGインデックスというふうな形になっているんだと思いますので、単純にESGインデックスの対TOPIXが勝った、負けたというものだけを観測するのではなくて、その根っこにあるESGというものが、あるいはどういう考え方が、ESGというフィルターを通して株価の上昇につながってくるのかというものも含めて観測していかないといけないと思っています。それは恐らく我々だけの能力では、私ども非常に小所帯で年金資金を運用しているというところでございますので、私どもだけの知見では恐らく足りないと思っていますから、そこはマーケットの参加者の方から教えを請うて、経験を蓄積していきたいと思っています。幸いにも私どもは、アクティブ運用もパッシブ運用も、委託をしているアセットマネジャーがたくさんいらっしゃいます。そういったところで、実際に我々が直接マーケットに触れない中で、マーケットに直接触っているアセットマネジャーから、そういったESGファクターの効き具合みたいなものは、今後も聞き取りをして研究してまいりたいと思っているところでございます。

〔 川北分科会長 〕 ありがとうございました。それでは、オンラインのほうで鳥畑委員のほうから挙手があるようなので、鳥畑委員、よろしくお願いします。

〔 鳥畑臨時委員 〕 鳥畑です。2期目の委員となります。よろしくお願いします。審議会令第三条二項、組合員を代表する者としての立場からの発言ということになると思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず1つ確認と、あと御意見を伺いたいという部分で2つほど、まず発言させていただきたいと思うんですが、KKRさんの取組で、例えばエントリー制で、今日の資料でも紹介されていますように、募集対象商品のところでESG要素の考慮を重視した戦略であるとか、インデックス運用を注目しているという項目があって、ESG要素の考慮状況を新設したというお話でした。ただ、具体的にといいますか、運用マネジャーの採用基準については、最後のところで、原則として責任投資原則に署名していることとありますが、エントリー制の、例えば申込書のところを見ますと、特にこのESG投資について書き込むというか、アピールするような部分がないものですから、どういう形で注目するといった場合に、相手方はアピールする場はあるのか、また、具体的にどういう形でモニタリングして評価していっているのかと。それから、このPRI署名については原則署名ということでしたが、これはいわゆるコンプライ・オア・エクスプレインの原則で、署名していない場合は説明をしろということかと思うんですけれども、実際今、原則的に署名している委託先というか、運用先はどれぐらいの割合になっているのかというのを教えていただければと思います。
 あと2つ目ですが、すみません、長くなって申し訳ございません。今日の説明資料でも、やっぱりESG投資については、Eばっかりが注目されていますが、今日の資料3-2の10ページにありますように、S(ソーシャル)への関心が高まっているわけです。PRIの「責任のある投資家としての行動」(2020年3月)でも、高額な役員報酬や自社株買いを実施しようとしている企業には、積極的に問題提起するということは盛り込まれており、実際に適正な税負担を求める機関投資家の動きというのも報道されているわけです。具体的にこういう社会的側面を重視した動き、評価というのは、今日の資料でも紹介をされているわけです。そういった意味では、公的年金のESG投資でも、やっぱりSの側面を積極的に評価していくべきではないか。GPIFの採用のESG指数も紹介をされていますが、女性活用指数だけではなしに、社会的責任投資株価指数、それに類似するものもたくさんあるわけです。この点で、今日の資料でも紹介をされていますが、連合の「ワーカーズキャピタル責任投資ガイドライン」が、受託者責任との関連について、責任投資により最終的受益者である労働者は結果的に、中長期的に安定した収益を確保することは可能となると。したがって、責任投資の目的は、関係法令の原則や規定とそごを来すものではないというふうに指摘をしております。つまり、委託者の利益という観点からは、ある意味短期的な運用利回りだけではなく、長期的なリターン、それだけではなく、例えば労働環境が改善されることでもたらされる利益というものもあるわけです。民間の地位が改善されれば、それが人勧を通じて国家公務員の利益にもなるわけですから、そういう外部経済の実現というのも重要になるわけです。そういった意味では、こういうSの部分も含めたESG投資において、KKRさんも積極的に検討されるべきじゃないかなとは思うんですが、その辺り、どういう検討状況というか、お考えなのかを教えていただければということです。
 以上です。

〔 川北分科会長 〕 ただいま2つ質問がありました。では、これもKKRさんのほうからお願いします。

〔 水村資金運用部長 〕 まず1つ目ですけれども、マネジャーエントリーの際にESG要素の考慮というものについて我々のほうから提示をしているわけですけれども、それについて、どういうような形式で会話ができるのかということだと思うのですが、現状、エントリー用紙のタイミングで、すぐに申込者と議論をするというような形態にはなっておりませんので、そこの部分は我々のほうからアクションを起こさないと、具体的な話にはならないのが現状でございます。また、彼らが主張するところで、そういったものが回答用紙に十分用意されていないというところはあるのかもしれません。ただ、彼らがそういった要素を重視しているということを訴えたいのであれば、そこのところはしっかり訴えてほしいと思っていますし、彼らがそういうものを申し入れてくるのであれば、私どものほうからはちゃんとヒアリングをしていきたいと思っています。ですので、ここのアセットマネジャーからの申込みに対する、我々とのコミュニケーションに関しては、現状でもしっかりと体制は取れていると思いますし、今後もそこは柔軟に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
 以上が1つ目の回答でございます。
 それからもう一つの、Sの側面を評価していくべきではないかということで、ここは御指摘にありましたとおり、まさに御委託をされている方の利益というところにもつながるべきところだと思いますし、EとSとGというものが、本当にそれぞれが独立して、かつ関連して重要な要素を占めているということについては間違いのないところだろうと思っております。私ども、ESGのインデックスについては、もう少し研究期間を頂戴したいというふうに申し上げているところではございますけれども、アクティブ運用については、アクティブマネジャーに対してしっかりとそこのところを伝えているということでございまして、彼らがSの側面も含めて、きちっと銘柄選択をしてくれるということを期待しているものでございます。そこの部分については、我々のほうからタイミングを捉えまして、しつこくではないんですけれども、彼らが忘れることのないように、ESGに関する考慮というものをしっかりやってほしいというふうに打ち込みはしているところでございます。
 以上です。

〔 川北分科会長 〕 よろしいでしょうか。

〔 鳥畑臨時委員 〕 すみません。PRIの署名の現状について、ちょっと教えていただければ。

〔 水村資金運用部長 〕 失礼いたしました。PRIの署名をしているアセットマネジャーは、1社を除いてそれ以外は全社ということだったと思います。その1社についても、外国に委託をしているものでございますので、日本で取次ぎをしているところはPRI署名をしているということでございますから、そこも許容すると現状は全てでございます。PRI署名をしていないと駄目というふうな形にしていますと、そこは制約がかかってしまうと思っていますので、御指摘がありましたとおり、コンプライ・オア・エスクプレインという形で、PRI署名ができていない理由というものをヒアリングしていくというような形になるだろうと思います。失礼いたしました。

〔 川北分科会長 〕 よろしいでしょうか。
 それでは、オンラインで加藤委員から挙手ありますので、加藤委員、よろしくお願いします。

〔 加藤臨時委員 〕 加藤です。よろしくお願いいたします。KKRさんに2つほど御質問させていただきたいと思います。
 1つ目は、資料3-1の冒頭のところで、アクティブ投資の評価のところで、総合評価にESG要素の考慮状況を新設とあります。これを多分入れられたのは、先ほどおっしゃられましたように、短期的な超過リターンの評価が難しいということで、こういった項目も入れられたのではないかと推察いたしますけれども、これの具体的な内容、それと、どの程度の比率で考慮されているのか、どの程度のウエートを置いて、そのトータルの中で考慮されているのかということを教えていただきたいというのが1つです。
 それから2つ目が、2/3の資料のところで、債券投資のところでグリーンボンドプレミアムの図が載っておりましては、ドイツの話がありまして、グリーンボンドのイールドが低いという、こういうことを示されていらっしゃいます。一般的に考えれば、リスクの低いグリーンボンドのが低いことになるのは当然だろうと考えるわけですけれども、こういったことを想定した上で、このグリーンボンド投資の目的は一体何なのかと。KKRさんは、このグリーンボンド投資についてどういう目的で、このグリーンボンド投資をされようとしているのかについて、お答えをいただければと思います。
 以上2点、よろしくお願いいたします。

〔 川北分科会長 〕 では、KKRさんからお願いします。

〔 水村資金運用部長 〕 まず1番目の、個別のファンドに対する総合評価におけるESG要素の考慮の状況の新設ということでございますけれども、具体的には、定期的にアセットマネジャーのヒアリングを行っていますので、そこの部分を書き取っていく、聞き取って書き残していくというような形になります。ESG要素をどういうふうに考慮したかというところも当然ございますし、それから、それを含めてエンゲージメントをどのような形でやっているのかということについても、報告を受けるような形にしています。なかなか定量化は難しいと思いますけれども、エンゲージメントすることによって、ESGとの関連で、どのように企業価値の向上が図られたのか、あるいは、正直に言って短期的にそういったものが出るというものでもないと思いますので、どういうところにそういったものを把握することの障害があるのか、そういったような事柄についての会話を積み重ねているという状況でございます。
 また、この評価を何か比率で表しているのかというと、現状はそういうことはございませんので、総合的な評価ということでございます。ESGの部分は20%としているであるとかというようなことではございません。ここはまだ定性的に様々な要素を考慮して、総合的に評価をさせていただいているという状況でございます。将来的にこういったものの経験が蓄積されてくれば、そういったものを改善していくという余地はあるのではないかというふうに考えております。そういう意味でも、先ほど寺井先生からも御指摘がありましたことだと思いますけれども、ESGのファクターの具体的な内容については我々がしっかり勉強していかないと、アセットマネジャーとは適切な会話ができないだろうと思っておりますので、これについては私どもがしっかりと勉強して、きちっとした情報収集ができるようにしていきたいというふうに考えているところでございます。
 1つ目は以上でございます。
 それから2つ目ですけれども、グリーンボンドに対する目的ということでございますが、ここは、もしかしたらいろいろ御議論があるのかもしれませんけれども、私どもは基本的に、政策ベンチマークを最低限リターンでビートできるということが必要だろうというふうに思っています。もちろん全てのアセットクラス、あるいは全てのアセットクラスに入っている1個1個の資産、特にボンドになりますと、1つの発行体でも何本もの債券が出ているというような状況だと思いますので、それぞれの全てについて、それにベンチマークがあるというのはちょっとおかしな表現なのかもしれないですけれども、とにかくベンチマークというものに対する位置づけというものがまず第一に来るのだろうと思っております。その中でグリーンのラベルがついているものについて、殊さらそれによって不利な状況に立たされることがないということであれば、そこは積極的に対応していくということで考えているところでございます。
 以上でございます。

〔 川北分科会長 〕 よろしいでしょうか。

〔 加藤臨時委員 〕 ありがとうございます。

〔 川北分科会長 〕 それでは江夏委員、お願いします。

〔 江夏臨時委員 〕 すみません。幾つか気になるところがございまして、発言させていただければと思います。
 1点目に関しまして、資料3-1の3ページ目のグリーンボンドプレミアムの箇所で、ドイツのツインボンドの事例は取り上げられるケースは比較的多いですが、取扱いを慎重に考える必要があるかと存じます。確かに流通市場で利回りが低下した結果、グリーンボンドのパフォーマンスが見劣りするという見方をするのはあり得るとは思いますが、多くの場合、グリーンボンドは満期保有目的で投資する投資家が多く、流通市場で実際その価格で取引できる可能性が必ずしも高くないという論点もあります。あと、3ページ目、一番右下で、5.3ベーシスポイントの差と示されていますが、日本の金融市場の現状に鑑みると、5.3ベーシスポイントは意味がある水準と考えられますが、海外の金利の水準や形状に鑑みると、専門用語でいうとビッド・オファー・スプレッド、すなわち、取引コストの範囲に収まる可能性も否定できないと考えられます。また、同じドイツの2つの国債を比べていますが、グリーン国債も通常の国債も同じ信用力なので、年限等の条件が同一であれば、通常考えれば安いものを購入し、高いものを売却する裁定取引が起こり得ると思います。しかしながら、ここで示されたような差という形で残されているということは、やはり何らかの意味があるのではないかという考え方もあるとも思います。さらに、グリーンボンドの歴史は僅か21世紀に入ってからということで、ほかの多くの金融商品と比して浅いことも無視できません。近年は需要が高まる傾向にあるので、グリーンプレミアムが発生しているとも考えられますが、未来永劫発生し続けるとは言い切れないので、引き続き、今回の分析のように注意深くモニターをしていくということがとても大切なのではないかと思います。
 あと2点目に関しまして、こちらの資料の最後の4ページ目のところで、PRIの署名について、慎重に検討を進めていらっしゃるという点は、大変賛同できると思っています。やはりそのPRIに関しましては、過去において、最低履行要件を満たせなくて除名処分になったという事例が実際発生しております。その意味では、風評リスクにもつながりかねないので、しっかりと対応できるということが確証できた時点で、御署名されるのがよいのではないかと思っています。
 最後に、もし今回の論点以外に、今後何かESG投資関連で御検討する課題があるとすると、私は3点ほどあるのではないかと考えています。まず1点目ですが、先ほど川北先生のほうから、インデックスの中身やクオリティーに関する御指摘がございましたが、やはり被保険者の方々の大切な資金を運用されているということを踏まえると、ESG投資を行う場合、いわゆるウォッシュと言われるものを回避するためにしっかり管理をすることが重要かと思います。ウォッシュは何かということですが、例えばグリーンウォッシュといった場合に、グリーンボンドとかグリーンといった名称がついていると、消費者や投資家にいい印象与えるとも考えられるので、そのような名称をつけるものの、実態が伴っていないといったようなものを指します。ESGウォッシュ、SDGsウォッシュ、グリーンウォッシュ、インパクトウォッシュと、いろいろな言葉が見られておりますが、運用されているのはとても大切な資金ですので、その辺のリスクをしっかり見極め、管理できる体制が重要かと思います。
 2点目に関しまして、日本もカーボンニュートラルの宣言があって以降、低炭素・脱炭素社会への移行、トランジションに向けて、トランジションに着目したファイナンスが注目を集めています。資料3-2の8ページ目の政府の検討の部分でも、経済産業省や、2021年5月は金融庁、経済産業省、環境省が共催している検討会で、トランジションファイナンス基本指針も公表されており、このようなファイナンスが増えることが見込まれています。運用の大前提として、厚生年金保険法第七十九条の二の存在がございますが、もしその要件を満たすようであれば、もしかして運用対象として検討に値する可能性があると思っています。
 最後の論点について、ESG関連ですと、近年インパクトファイナンスに注目が集まっています。インパクトは、端的には環境面とか、社会面へのポジティブな効果という意味ですが、インパクトファイナンスについて、環境省や金融庁で検討等が進められています。例えば環境省は、インパクトファイナンスについて、投融資において環境・社会・経済へのインパクトを追求する多様な動きのうち、ESG金融の発展形として適切なリスク・リターンを追求するものと定義づけています。その意味では、将来的には運用対象として検討する意義があるのではないかと考えております。
 以上です。

〔 川北分科会長 〕 御意見ありがとうございます。これに関しまして、KKRさんのほうから何かございましたら。

〔 水村資金運用部長 〕 それでは、せっかくの機会ですので、コメントさせていただきたいと思います。
 まず、ドイツのツインボンドのところについては、私どももこれだけを取り上げて、グリーンボンドが高いじゃないかというふうに言うつもりはございません。恐らくいろいろなデータがたくさんあって、こういう主張のために、正しいフォローの論拠もあれば、アゲンストの論拠もあるということで、今それが混沌とした状況になっているのではないかと考えております。
 その意味でも、しっかりと情報収集をしていきたいというところであるわけですけれども、1つコメントがありました、足元の需要超過の議論というのは、ここは私どもも興味を持っているところでございます。特に株の場合には、ケインズに言わせればということでございますけれども、美人コンテストということになるわけで、これは、別に自分が美人だと思う人に投票しましょうじゃないわけですよね。みんなが美人だと思っているものに投票すると、結局勝ち馬に乗れますよというのを指して言っていたわけなのであって、ESGはそういうところが足元であるのではないかなという感じがいたします。ですので、投資においては不利な条件にあったとしても、別にそこから得られない別途のメリットがあるので、それに運用をするということでメリットがあるから需要が非常に大きくなっている、結果、価格が高くても売れる商品になっているということはあるだろうと思いますので、この足元の需要超過というものが今後どういうふうになっていくのかということについては、しっかりと見極めをしていく必要があるのではないかなと思います。御指摘がありましたとおり、今後の局面によっては供給超過というところが出てくるのかもしれませんから、供給超過のような場合に、経済的に不利を被るわけではないのだけれども、ESGという観点に立ってためになるということであれば、それは一挙両得ということになるんだろうと思いますから、そういった市場の需給環境というものも含めて、しっかりとモニタリングをしていくことが必要ではないかなというふうに考えているところでございます。
 それから2つ目のPRI署名について、私どもは本当に慎重に対応させていただいているというところでございまして、除名についてもお触れられになったところがあったわけなんですけれども、先ほど申し上げましたとおり、私ども非常に小所帯でやっておりまして、何でもリソースを割けるという状況ではない中で、場合によって、それが不適切な開示というような形になれば、それこそ除名ということもあり得るのではないかと。しかも、これは時間を追って、そういう制約というものが高まっているということも現状考えられるということではないかと思っておりますので、ここは、御期待があるというところについては申し訳ないのですけれども、慎重に対応するということを継続させていただきたいというふうに考えているところでございます。ですので、もちろん、私どももアセットオーナーとして、しっかりとそこのところを取り組むことができて、しかもそのことのメリットがあるということであれば、その際には署名ということも視野に入ってくるのだろうと考えているというのが、私どものほうから御説明した紙の趣旨ということでございます。
 それから挙げていただいた3つの課題、これはどれも非常に大事な御指摘だというふうに認識をしておりますけれども、特にESGウォッシュみたいなところとか、あるいは3番目に挙げられたインパクトファイナンスのようなところについては、もちろん世の中で非常に真面目に取り組んでいらっしゃる方もたくさんいらっしゃるんだと思うんですが、残念ながらそうでない方もいらっしゃるというのは、これは事投資に限らず、いろいろなところでやむを得ないところと思っております。私どもとして避けなければいけないのは、そういう似非ESGみたいなものに引っかかってしまって、それが最終的に年金のシステムの中に御迷惑をかけるというような形になってしまってはいけないというところがありますので、そこは慎重に、しっかりと判断をしてまいりたいと考えているところでございます。その考え方の1つが、私どもの委託運用というところではないかと思っておりまして、現状の私どもの能力、それから陣容だけでは対応できない部分については、積極的に外部のアセットマネジャーの方々の御意見を取り入れて、最終的には私どもが主体的に考えていくということになるんだろうと思います。いいことはいいに違いないという、ごく単純な、ナイーブな発想でやってはいけないのではないかと考えているところでございます。
 また、カーボントランジションについても、これは非常に重要な社会的課題だというのは十分に認識をしております。こういった、それこそ人類全体に対して、こういうストランデッド・アセットというものをどういうふうに将来につなげていくのかというのは、それを回避する人というのは世の中に1人もいないのだと思っていますので、そこは先ほど申し上げた、何か間違ったものに引っかからないという前提の中で、対応できるものについては対応していくというような形にしたいと思っています。これも先ほどの結論と同じになりますけれども、委託運用をしていく中で、そういったものを非常にうまくやっている企業があって、それをハンドピックで銘柄選定していくということであれば、それは我々として受け入れていく余地はあるんだろうというふうに考えております。

〔 江夏臨時委員 〕 ありがとうございました。

〔 川北分科会長 〕 よろしいでしょうか。それでは原委員。

〔 原臨時委員 〕 いろいろ皆さんに言っていただいたので、手短にコメントだけさせていただきます。
 資料3-2の②のところ、前回も申し上げていたかと思うんですが、大きな視点でということでお話しさせていただきます。GPIFさんに関しては、資金運用部会の委員をさせていただいているので、何年か見させていただいているんですけれども、やはりKKRさんにつきましても、先ほどから出ていますが、アセットオーナーとして社会的な責任ですとか、役回りというものをいろいろな面で果たしていかなければいけない時代になっているのかと思っております。そういったものをきちんと果たした上で、長期的な視点で、もちろん被保険者の利益のためにというのが一番だと思いますが、収益率の確保等努めるということが大事だと思っていまして、この②のESGのインデックス投資について前回も申し上げたかと思いますけれども、年金資産の運用はやはりインデックスのほうが向いているのではないかと私は思っております。アクティブという言葉が何回か出たんですけれども、ESGインデックス投資についても、運用報酬の水準やリスク水準といったものがどの程度のものなのかという視点、そういった視点でも比較して検討していただくことが必要かと思います。
 例えばGPIFさんは、いろいろな研究とかもされているようですので、そういったところからも情報収集をしていただいて、この②のところの判断というものがありますけれども、そこに向けて検討はどんどんしていっていただき、御判断いただきたいなと思っております。そういった意味では、PRIとかもそうですが、関係者、先行で署名している機関と意見交換等をどんどん進めていっていただきたいなと思っております。
 以上です。

〔 川北分科会長 〕 ありがとうございます。KKRさん、何かございましたら。

〔 水村資金運用部長 〕 インデックスは、その委託手数料が安いのではないかというのはまさにそのとおりだと思っていますので、そこのところも含めて、リターンとフィーの部分というものを併せた判断をしていくというのは、私どもも今後心がけていきたいと考えているところでございます。
 あとほかの運用主体との意見交換は、これは今後も継続的にしっかりとやっていきたいと思っておるところでございます。

〔 原臨時委員 〕 そうですね。やはり、もちろんインデックスは手数料などが安いというのはあるんですけれども、被保険者の方々の資金ということもありますので、そういったその市場の流れに合わせた成長の果実を受けるという、そういった意味合いからも検討はどんどんしていただきたいと思っております。
 以上です。

〔 川北分科会長 〕 それでは坂本委員。

〔 坂本専門委員 〕 どうもありがとうございます。ちょっと原則的なことをお伺いしたいんですが、ESG投資という場合に、これ基本原則はそこに出てくるわけですけれども、国ごとに違っていいものなんでしょうか。あるいは、機関投資家ごとにそれが違っていいものなのか。例えば原発の評価、原発を運営する電力会社に投資するというふうな場合でも、原発はクリーンエネルギーだと考える、これはどっちかというと国になるんでしょうけれども、国だとそれは構わないということになるのかもしれませんが、一方でドイツみたいに原発は廃止すべきだと考える国だと、これは何といいますか、ESG投資の原則に反しているということで、バツということになってくるような、そんな気がするんですが。それは国ごとに、あるいは、さらに細かく言えば、運用主体ごとに違っていいのかどうかというところはどうなんでしょうか。

〔 川北分科会長 〕 どなたが答えるのかいいのかよく分からないけれども、取りあえず私が答えます。考えているところを申し上げますと、1つはEとSというのは、かなりバッティングする部分があると思うんです。例えば、どうなんでしょう、太陽光の発電なんかもそうですし、それから風力もそうなんですけれども、それらがEに関して非常にいいのは決まり切っているんですが、片方で、私は必ずしも正しい意見とは思わないんですけれども、例えば、じゃあ漁業権どうするのかの議論があります。それから風力では、この間見に行って分かったんですが、すごく音が気になります。ですから、そういう意味では近くに住んでいる住民にとって風力が望ましいのかどうか。そういうバッティングする要素というのは結構あると思います。
 それからもう1つ、ドイツとフランスの問題で申し上げますと、2つの国はヨーロッパなので、フランスの原発の発電をドイツが買うこともできるわけです。日本の場合、それはできないので、そういう要素をどうするのか。だから結局、ヨーロッパがエコを非常に強力に推進しようとしているのが、特にCO2に関して推進しようとしているのは、私の私見なんですけれども、結構ヨーロッパとして世界の主導権を握ろうという、何かそういう政策的な意図も結構あると思います。この流れが正しいのかどうか、多分世の中にとってはいいことだとは思うんですけれども、そういう政策的意図も、しっかり見極める必要性があるように私は思います。
 これについてはKKRさんも研究されているので、もし何かありましたら追加でお願いしたいんですけれども。

〔 水村資金運用部長 〕 そこまで細かく研究しているというわけではないですけれども、確かに原発はクリーンというような単純な話ではないと思います。これは原発に限らず、いいという人もいればよくないという人もいるというのは、いろいろなところであって、100%の人がいいというものはなかなかないのではないかと思います。先ほどの化石燃料のところも、今、化石燃料をなりわいとしている人たちがいるわけです。ですから、そういったものを一つ一つ、政治的な判断も含めて解決していかないといけないという、非常に難しい問題だと思っていますので、それを簡単に株式インデックス化できるのかと言われると、そこにやはり難しい面があるのではないかというふうに感じているところでございます。そのためにも、人間が一つ一つ判断をしていくということが大事ではないかと思っていて、もちろんその人が間違えるということもあるだろうと思いますし、その人を選ぶ我々が間違えるということもあるので、いろいろなところで間違いが発生するということはあり得ると思うのですけれども、最終的には、人間がこれがよかれと思って判断するという投資が大事なのではないかと考えているところでございます。

〔 坂本専門委員 〕 そうしますと、やっぱり機関投資家ごとにESG投資の基本原則というのが、少しずつ違っているというふうなことも十分起こり得るということなんですね。

〔 水村資金運用部長 〕 はい。私見になりますけれども、私はそうだと思います。

〔 坂本専門委員 〕 ありがとうございます。

〔 川北分科会長 〕 よろしいですか。ほかにございましたら。それでは専務。

〔 松村専務理事 〕 いろいろな御意見を頂戴いたしまして、本当にありがとうございました。私ども、このESGというのは、企業活動の持続的な成長に大きく影響する、寄与する要素だということでありますので、我々長期的に安定した運用を目指す年金資金としては、非常につながるものといいますか、重要な要素だというふうに考えております。そうした認識に立って、部長からも申し上げましたように、いろいろな情報収集や、勉強や、意見交換や、インテックスの観測とかやってきているところで、今後もしっかり取り組んでいきたいと思っております。その中で、やってみて実感としてあるのは、今の御意見の中に原発なんかという、かなり極端な例かもしれませんけれども、そういうのはやっぱり評価が、同じ環境といっても、いろいろな取上げ方があるということ、ある意味財務情報でありましたら数字で表せますので、そこでどこかのラインで線を引っ張って、それでやっていくということで整理がつきやすいんですが、インデックスにしても、いろいろな評価軸なり、評価スコアのつくり方自体も、まだまだいろいろなばらつきが評価会社の中でもあったり、情報開示する側もいろいろな開示の仕方なり、開示の程度というところもばらつきがある。しかし、それは非財務情報、定性情報ですから、当然といえば当然なんで、そういう中で出てきている情報なり、そのインデックスに含まれる評価なりをどの程度のところで汲み取って、このぐらいならば大丈夫だろうと、年金資産に迷惑かけないぐらいの確度なり、確率なり、可能性なりがあるなということを判断できるかということじゃないかと思っています。どこまでいっても定性情報ですから、そうでない部分というのは含まれる、あるいは、江夏委員言われたようなウォッシュも含まれるかもしれませんし、そうした部分がある中で、安定的な運用をかなり高い確度で得られるようにするためには、どういった情報の絞り込み方や選択の仕方をすれば間違いないなというところにできるのかというところ、その辺を今勉強しているという感じであります。いずれにしましても、あまり慎重に、あるいは心配をしてだけでもいかんと思っておりますので、しっかり勉強をして検討していきたいと思っております。

〔 川北分科会長 〕 ただいま松村専務理事のほうからまとめ的な言葉があったんですけれども、ほかに何か追加でございましたら。この件、よろしいでしょうか。
 それでは、KKRさんには引き続き前向きな検討というか、それをお願いできればなと思います。ありがとうございました。
 続きましては、事務局より、4つ目の議題であります短時間労働者への国家公務員共済組合制度の適用拡大と、5つ目の議題であります共済手続における書面・押印・対面見直しの状況について、続けて説明をお願いしたいと思います。

〔 関給与共済課長 〕 それではまず、資料4でございます。短時間労働者等に対します国共済の短期給付の適用につきましては、一昨年の6月、それから12月の分科会で御議論いただいたところでございます。これらの内容を盛り込みました、年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律というものが、昨年の5月29日に成立をいたしました。その上で6月5日に公布をされたところでございます。その内容の御報告です。
 まず1ページ目でございます。それから2ページ目でございますけれども、こちらのほう、一度委員の皆様にメールを送らせたりしていただいた経緯もございます。まず1ページ目のところでございますけれども、その法律の概要でございます。特に赤字の部分でございますけれども、こちらが国共済法の改正内容ということでございます。短時間労働者に対しまして、公務員共済の短期給付を適用するということでございます。
 2ページ目のところに、共済に係る改正事項をより具体的に書かせていただいてございます。1つ目の○のところに、短時間労働者等への国共済の適用が書かれておりますけれども、具体的には健康保険法の規定と同じ範囲ということでございます。特に常勤職員以外の職員の適用範囲について、政令委任をさせていただいておりますので、2ページ目にございます、ちょっと細かい字になってございますけれども、期間業務職員でございますとか、非常勤職員ですとか、臨時的任用職員、こういった方の定義を施行令で規定していくということを予定しているところでございます。
 具体的なイメージ図、最後のページのほうに載せさせていただいております。こちらにございますように、2016年10月から被用者保険の適用拡大ということで、国民健康保険から健康保険のほうに移っていくという適用拡大が行われました。その結果として、国に勤務する週20時間以上の短時間労働者の方には、健康保険、協会けんぽが適用されているというところですけれども、今回さらなる適用拡大ということで、上のほうにある民間企業のほうでいいますと、強制適用となる従業員の規模要件が引き下げられるということでございますので、これに併せまして、国に勤務する週20時間以上の短時間労働者の方には、国共済の短期給付を適用するということでございます。一番右下で点線で囲っている部分ということでございます。こういった適用拡大を令和4年10月施行ということで、それに向けて、政省令の改正作業を進めさせていただいているというところでございます。
 以上、現状報告でございます。
 それから続きまして、資料5のほうに移らせていただきまして、共済手続の書面・押印・対面原則の見直し状況ということでございます。
 こちらにつきましては、資料1ページ目にございますように、昨年4月の経済財政諮問会議で当時の安倍総理からの御指示がございまして、それを受けまして、規制改革推進会議で議論をされまして、7月に閣議決定をされました骨太の2020というもの、それから規制改革実施計画というところに見直しということが盛り込まれたところでございます。国家公務員共済の世界では、法令の中で共済組合員とか年金受給者の方から、各省庁、各省各庁の共済組合、あるいはKKR等に出されます申請届出等の手続に関しての規定がございますけれども、これらの手続に関して署名・押印・対面見直しが求められたということでございます。
 具体的な対応状況ですけれども、それが次のページでございます。まず、押印のほうが上のほうの箱にまとめさせていただいてございます。まず、法令レベル上で押印を求めている手続はございませんけれども、共済組合とかKKR等の内部規定、運営規則の中で、押印欄のある様式というものが規定をされておりましたので、これについて令和2年末までに改正をいたしまして、押印欄を削除しているということで、これは済みでございます。ただし、福祉事業の中で、法令においては手続や様式は一切規定がなくて、全て運営規則の中で規定をされておりますけれども、組合員に対する住宅購入資金の貸付け、いわゆる共済貸付けの申込書に関しましては、貸倒れに関する損害保険との関係上、申請者の押印の欄というのが存続しているということでございます。こちらは民間の契約と同じ扱いでございますので、民間のほうでのルールの見直しの中で、変更が、ルールが確立した際にはもちろん廃止を検討させていただくということでございます。
 それから書面、それから対面のほうの規制に関しましては、まず、法令上は国共済法の施行規則におきまして、オンラインによる申請届出ができるように、規定上はなってございます。一方で、現時点ではシステム的な対応が整っていないということで、全て書面による申請届出になっているということでございます。この点に関しまして、まず、年金受給者からKKRに対して申請、届出することとなる長期給付、年金の世界の手続につきましては、1号厚生年金の日本年金機構のほうと連携を図りながら、マイナポータル、あるいはe-GOVといったものの電子申請サービスを活用して、オンライン化を検討させていただく予定になってございます。また、共済の組合員から共済組合に対して申請届出いただく短期給付、医療給付の世界、それから福祉事業関係の手続につきましては、既に昨年の12月までにIDとかパスワードを使いまして、認証可能な職場のメールを使って受付体制は整備をしております。で、今後は共済組合の中でうまく内部手続を効率化できるように、e-GOVの電子申請サービスも活用できるようなオンライン化を検討してまいりたいと思っているところでございます。
 以上、足元の状況の御報告ということでございます。

〔 川北分科会長 〕 ありがとうございます。ただいまの資料4、5の説明について、御質問、御意見等ございましたらお願いいたします。
 それでは武藤委員、お願いします。

〔 武藤臨時委員 〕 短時間労働者への共済制度の関係で質問というか、確認なんですけれども、総体的には、このように処遇改善が図られるということはいいことだと思っています。その上で、特に非常勤の短時間勤務の方は、扶養の範囲内で仕事をするという方もいらっしゃいます。それは、この標準報酬8万8,000円以下の方というような受け止めということで、こう書いてあるということなのでしょうか。

〔 塩原予算実地監査官 〕 予算実地監査官をしている塩原でございます。職務としては、法令担当の課長補佐をしております。その立場で回答させていただきます。
 扶養に入れる、入れないのお話ありました。これはいわゆる収入ベースで年間130万ラインと、そのお話をされているかと思います。それと今回短時間勤務の境目としているのが、標準報酬の月額ベースで8万8,000円以上という、一番下のレベルの話なんですけれども、それが、場合によっては、毎月、例えば10万ぐらいで働かれている方が、掛ける12、単純計算すると120万ぐらいになります。それで120万であれば130万を下回っていますので、そのまま扶養に入れますけれども、その累積として年間130万を超える見込みになりますと、扶養からも外れてしまうと。それは現行ルールにのっとってそのようになるということでございます。

〔 武藤臨時委員 〕 その際、加入が強制となれば、業務が継続できないというか。それとの兼ね合いはどうなのでしょうか。例えば扶養を外れるならば、そこの仕事を辞めますとかいう状況が発生しないかなって懸念があったものですから。

〔 塩原予算実地監査官 〕 そういう意味では、扶養の130万ラインというのは今も一緒ですし、そこのラインは変わりません。ですので、実際に非常勤の方がどういう、どのぐらいの期間勤務したいかというところは、事業主との雇用契約ということにはなろうかと思いますけれども、継続して130万以内で働きたいということであれば、そのような勤務時間ですとかという雇用契約を結んで、その中で働いていただくということに……。

〔 武藤臨時委員 〕 選択制ということでいいのですか。

〔 塩原予算実地監査官 〕 いや、選択制ということではありません。

〔 武藤臨時委員 〕 強制なのでしょう。

〔 塩原予算実地監査官 〕 はい。

〔 武藤臨時委員 〕 とした場合、そこがどうも意味が分からないのですが。

〔 原臨時委員 〕 では、この件に関連してコメントしていいですか。

〔 川北分科会長 〕 原委員。

〔 原臨時委員 〕 すみません、付け足しで。基本的におそらく8万8,000円で年間だと106万ですか、というラインだと思うんですけれども、そこの方はもうこちらの適用ということになるわけなんですが、恐らくその現場で話合いとか、説明とか、そういうことを今扶養になられている方にもされると思うので、その現場レベルの話か思います。きちっと制度を説明して、適用を本当はしたほうがいいんですけれども、すごく羨ましい制度だと思いますので。しかも規模制限もないわけです。すごくいい制度だけれども、話合いとか、説明とか、そういうところを細かく現場でやっていって、それでも私は扶養がいいということになれば、そのような勤務時間や雇用契約の中で働いていただくということになるのかと思います。個人的には、でも年金もそうですし、健康保険というんですか、短期給付もいい制度なので、要件に該当される方については、基本は入っていただくというような、交渉というか、コミュニケーションというか、そういうことになってくると思うんですが、いかがでしょうか。すみません。

〔 塩原予算実地監査官 〕 そういう意味では、今回の制度改正に伴いまして、組合員の方々ですとか、組合向けへの説明も当然今後やっていく必要がございます。その中でルール、130万ラインの説明も含めてしていくことになります。あとは実際に入られる方の御家庭の状況ですとか、それによって選択、どちらを取るか、130万を超えてでも働きたいという方もいらっしゃるでしょうし、130万以下で扶養の範囲内で働きたいという方もいらっしゃると思います。それは御本人の考えだと思いますので、その辺は現行ルールの説明等、詳しくやっていければと思っております。

〔 北原課長補佐 〕 よろしいでしょうか。ちょっと補足をさせていただきますと、ここの先ほど説明いたしました、このポンチ絵にありますように、現状、先ほど塩原予算実地監査官から説明しましたように、130万を超えると扶養から外れるということではありますけれども、その関係におきましては、今も協会けんぽとの関係で同じことになっておりますので、しかもこの2ページ目、赤字で書かせていただいている部分は、健保法と全く同じ内容になります。ですので、今現在、被扶養者になられている方というのは、今後も被扶養者でありますし、130万を超えて扶養から外れている方は、協会けんぽから国共済に移るというふうに理解していただければよろしいかと思います。

〔 川北分科会長 〕 よろしいでしょうか。

〔 武藤臨時委員 〕 まあ、いいです。

〔 川北分科会長 〕 では、オンラインで加藤委員から挙手があるようなので、加藤委員、お願いします。

〔 加藤臨時委員 〕 加藤です。よろしくお願いいたします。これひょっとして以前にもうお聞きしているのかもしれないのですけれども、この新しい制度が年金財政に与える影響はどのようなものでしょうか。例えば長期的に掛金を上げていかなくちゃいけないとか、そういったようなことも含めて、年金財政にどのような影響があるのか、もし分かっているようであれば教えてください。

〔 川北分科会長 〕 それでは、これは事務局のほうから。

〔 西尾共済計理官 〕 計理官の西尾でございます。今回の適用拡大は、短期、いわゆる医療保険の部分の適用拡大でございますので、年金には影響がないものと認識をしております。

〔 川北分科会長 〕 加藤委員、よろしいですか。

〔 加藤臨時委員 〕 分かりました。そういうことなんですね。すみません。失礼しました。ありがとうございます。

〔 川北分科会長 〕 では、ほかにございませんか。よろしいでしょうか。
 それでは、ほぼ時間になりましたので、この辺りで質疑応答を終わりにさせていただきたいと思います。
 それでは、最後に事務局から、何かございましたらお願いいたします。

〔 関給与共済課長 〕 本日は専門的な見地から様々御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。特にESG投資に関して、いろいろ御審議をいただきました。まさに松村専務理事から言葉ございましたように、例えばインデックスの話、あるいはグリーンボンド、PRIの話、日々情報収集しながら勉強されていかれるというような趣旨のお話もございましたので、KKRにおかれては今日の議論も踏まえながら、引き続き御検討をお願いできればと思っております。
 その上でESGの話、私どもからも今日御紹介をさせていただいたとおり、政府内でも恐らく様々な動き、今後とも出てまいろうかと思います。今後も毎年度の年金積立金管理運用状況の評価とか、適切なタイミングで検討状況のアップデートをいただきながら、また議論させていただくような機会を設けていければと考えているところでございます。
 改めて委員の皆様には御連絡をさせていただきますので、何とぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
 それから、短時間労働者への国家公務員共済組合制度の適用拡大とかに関しましては、委員の皆様から、今、御質問とかもありました。ちょっと、もし御不明な点あれば、さらに御説明させていただきたいと思いますけれども、新たに組合員となるという方も当然出てまいりますので、そこについては、共済から状況とかもお伺いをさせていただきながら、施行が令和4年10月になってございますので、法令改正の面、あるいはきっちりとした説明の件含めて、手続をしっかり進めていきたいと思っております。
 それから、書面・押印・対面見直しにつきましてですけれども、こちらについては、他の行政手続に遅れることのないようにしっかりオンライン化、取り組んでまいりたいと思っております。本日は本当にありがとうございました。

〔 川北分科会長 〕 それでは、本日はこれで終了させていただきます。御多用の中、大変ありがとうございました。

午前11時50分閉会