財政制度等審議会財政制度分科会歳出改革部会
議事録
財政制度等審議会財政制度分科会歳出改革部会議事次第
令和3年11月1日(月)13:00~15:00
第3特別会議室(本庁舎4階中-412)
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1.開会
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2.議題
文教・科学技術について
中小企業、エネルギー・環境(グリーン)について
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3.閉会
部会長 |
増田寛也 |
高村大臣政務官 水口政策立案総括審議官 茶谷主計局長 奥次長 坂本次長 阿久澤次長 八幡総務課長 大久保司計課長 藤﨑法規課長 吉田給与共済課長 大沢調査課長 三原主計官 渡邉主計官 福田主計官 坂口主計官 高田主計官 有利主計官 一松主計官 田中主計官 野村主計官 北尾主計官 渡辺主計官 山岸主計企画官 鈴木主計企画官 宮下主計企画官 |
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部会長代理 |
土居丈朗 |
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委員 |
赤井伸郎 遠藤典子 佐藤主光 中空麻奈 宮島香澄 安永竜夫 |
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臨時委員 |
秋池玲子 上村敏之 河村小百合 木村旬 熊谷亮丸 権丈英子 小林毅 末澤豪謙 竹中ナミ 田近栄治 冨田俊基 広瀬道明 福田慎一 別所俊一郎 堀真奈美 神子田章博 横田響子 |
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オブザーバー |
大槻奈那 神津里季生 小林慶一郎 平野信行 |
午後1時00分開会
〔土居部会長代理〕皆様、こんにちは。本日は冒頭からカメラが入りますので、そのままお待ちください。
(報道カメラ入室)
〔土居部会長代理〕ただいまから、財政制度等審議会財政制度分科会歳出改革部会を開催いたします。
皆様、御多用中のところ、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日の議事進行につきましては、増田部会長に代わりまして、部会長代理の土居が務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
本日は、文教・科学技術、中小企業、エネルギー・環境(グリーン)を議題としております。
本日は、高村財務大臣政務官にお越しいただいております。大臣政務官、一言、御挨拶をよろしくお願いします。
〔高村大臣政務官〕財務大臣政務官の高村正大です。今日も本当にありがとうございます。昨日の選挙で、引き続き、我々、岸田内閣で政権を進めてよいという国民の審判を頂きましたので、我々もしっかりやっていきますので、ぜひ皆様の議論をしっかりと生かせるように頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
〔土居部会長代理〕ありがとうございました。
それでは、報道機関の方は、ここで御退室をお願いいたします。
(報道カメラ退室)
〔土居部会長代理〕それでは、文教・科学技術の議論に入りたいと思います。
まず、有利主計官より簡潔に御説明をお願いいたします。
〔有利主計官〕文部科学係の主計官の有利でございます。文教・科学技術分野について御説明させていただきます。資料1を御覧ください。
まず、1ページ目でございます。日本の経済社会の構造的課題と文部科学省予算の方向性の大きな視点を示しております。人的資源・財政資源が限られる中で、いかに教育や研究の質を向上していくか、また、民間資金の活用をどう増やしていくかが鍵であると考えておりまして、そのために具体的な制度に踏み込んだ見直しを行って、行動変容を促すことが重要であると考えております。
2ページ目でございます。文科省予算の全体像をお示ししております。
3ページ以降ですが、義務教育、高等教育、科学技術、文化・スポーツの4分野に分けて課題等、4年度予算に向けた我々の考え方を御説明いたします。
まず、義務教育ですが、4ページです。児童数の減少に対して、教職員定数はそれほど減少しておらず、教員1人当たりの児童生徒数は主要先進国並みとなっております。
そうした中、5ページでございますが、文部科学省からは、小学校高学年の教科担任制推進のために定数増の要求が出ておりますが、既に小学校の年間授業時間数は、主要先進国の中で低水準になっておりまして、また、小規模校は、例えばですが、隣接する中学校の教育の活用も考えられ、それから6ページでございますが、先生同士の授業の交換、それから学校間のオンライン授業の活用なども考えられ、教科担任制を推進するにしても、定数増に頼らない工夫も様々可能であると考えております。
さらに、教科担任制推進の定数増要求には、教員の授業持ちこま数減少による勤務時間削減も意図されていますが、学校の先生が負担感を有しているのは、授業というよりは保護者対応とか調査対応とか、授業以外の事務のところにありまして、7ページ左下のOECDのTALIS調査を見ていただくと、国際的にも日本は授業以外の仕事時間が大きいとされております。
こうした中、例えば熊本市の例、右側に示しておりますが、熊本市では学校行事を選り抜く試みとか、夏季閉庁日の設定であるとか、それから、その下、右下ですが、戸田市では、校務のデジタル化による保護者との電話対応の減少などの業務効率化が進められておりまして、こうした取組に各自治体が正面から取り組むことが必要と考えております。
また、こうした働き方改革にも効果があると期待される取組として、8ページですが、外部人材、例えばスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの活用支援を、これまでも行ってきています。しかし、相談件数1件当たりのコストには都道府県ごとにばらつきがある姿も見えておりまして、これは左下のグラフですが、効果検証を行って、効果的・効率的な配置を目指すべきと考えております。
9ページですが、外部人材の活用のもう一つの課題として、地方交付税で措置されている市町村費負担事務職員の配置がございます。地方交付税の算定上見込まれている人数に比べ、実際の配置数は少なくなっており、今後は国費で補助する外部人材の配置に当たっては、各自治体における市町村費負担事務職員の配置状況、働き方改革の取組状況なども踏まえた配置とすべきと考えています。
10ページでございます。学校施設の整備についてです。文科省からは、学校施設について複合化・集約化が行われる場合の補助率の引上げが要望されております。これについては、教育委員会の調整で事足りる、学校間の施設の統合は補助率引上げを行わなくても進むと考えられるので、対象とするのは適切ではなく、教育委員会以外の部局との調整が必要な、学校と学校以外の施設との複合化・集約化に限って、かつ建設費や維持管理コストの縮減につながることが定量的に検証された事業に重点化をすべきと考えております。
続いて、高等教育です。12ページです。修士からの博士課程進学者の減少に対して、昨年末の予算編成において、博士課程学生の経済的処遇の改善を進め、今や修士からの進学者の5割超を支援している状況にございます。こうした中、博士に進んだは良いものの、その後が、ということにならないようにする必要があります。
まず、13ページですが、博士取得者を採用する企業は、今までの調査であるとなかなか増えておらず、博士取得者の待遇も、必ずしもすごく高いとは言えない状況です。
ただし、最近はIT、AIなど、分野によっては博士取得者に高い給料を支払う日本企業も出てくる雰囲気となっております。
14ページですが、博士課程の学生について、一方で見てみると、左側のグラフですが、大学の世界に残りたいと思う人が多い反面で、右側のグラフ、実際の大学への就職は極めて限られています。企業への就職も見据えたカリキュラムを大学が提供していくことも必要であると思われます。
しかしながら、15ページですが、そうしたカリキュラムの見直しに取り組んでいる大学や、就職状況の継続的な把握を行っているような大学は少なく、また、国立大学の定員そのものを見ても、博士の定員ですが、定員割れの研究科もかなりの数に上っておりまして、学問としての学生側のニーズに応えきれていないとも考えられます。
16ページですが、こうした大学、それから博士課程の学生さん、それから企業の間の負のスパイラル、左にあるような姿から脱して、右にあるような博士取得者が社会で有為な人材として活躍できるような対応を行っていくことが必要であると考えます。
そこで、17ページですが、国立大学運営費交付金について、共通指標に、博士課程に特化した指標を加えたり、それから先ほど申し上げた博士課程の定員充足率について、研究科ごとに見て、低い場合には国庫返納、運営費交付金の教育部分について、国庫返納を求めたりといった見直しが必要であると考えます。
続いて18ページです。国立大学に対する資金の流れですが、競争的資金の増加と、運営費交付金の減少の時代に続きまして、第3期のところを見ていただくと、運営費交付金の規模は維持しつつも、共通指標に基づく配分を導入しておりまして、配分によって教育・研究の質の向上を目指しています。
ただ、19ページですが、上位大学10校を見てみると、資金の集中度は、実はほとんど昔と変わってないというような状況もございます。
それで、20ページに行っていただくと、ここでは欧州の例を取り上げていますが、アウトカム指標に基づく、こうした運営費交付金の配分に移行してきているという調査研究の結果もございます。
21ページですが、日本でも、配分に共通指標を用いたことで、大学内で学部への資源配分に指標を活用するような例も出てきてはおります。第4期中期目標期間が来年から始まりますが、次の22ページでございますが、共通指標に基づく配分については、先ほどの博士課程に特化した指標の設定などを行うほかに、成果、アウトカム指標に重点化して評価をやっていく必要もあると考えております。
また、23ページですが、運営費交付金の中の機能強化経費の中で、これまで財審でも厳しい御指摘をいただいていた重点支援評価に基づく配分を、言わば廃止をさせていただいて、教育研究組織の整備に関する取組を重点的に支援していくこと、そうしたことも考えておりますが、この際、大学自身のKPIの設定、それから達成状況への中間評価等をしっかり実施してもらうべきであると考えております。
次に、私学助成です。24ページですが、定員割れが継続する大学に対しては、一般補助の更なる減額を行うべきではないかと考えております。
25ページ、幼児教育から高等教育まで、教育費の無償化、負担軽減が相当進んできていることをお示ししております。こうした中、最近、オーストラリアのHECSの制度も話題に上っておりますが、日本でも既に無利子奨学金について、所得の9%を将来返済するという所得連動型返済制度が導入されていることや、消費税財源で、将来の返還がない高等教育修学支援新制度を既に導入していることを、ここでは御紹介させていただいています。
次に、科学技術です。28ページですが、日本の科学技術予算ですが、主要先進国と比べ高い水準にありますが、科学技術投資の金額当たりでTop10論文数を見ると、主要先進国よりかなり少なく、科学技術投資に対する投資効果の引上げが課題でございます。
29ページですが、Top10論文数が少ない原因として、それは予算が足りないからというわけでもなくて、日本の研究活動の国際化が進んでない可能性が、この真ん中の青いNatureの記事では指摘されておりまして、実際、右側のグラフ、国際共著論文の伸びがイギリスやドイツに比べて極めて小さいという調査結果もあります。
また、30ページですが、特定の研究者が、これはチームで関わっているもので、別にその人がお金を全部取っているということではありませんが、特定の研究者が極めて多数のプロジェクトの研究費に関わっている例もありまして、果たしてこうした状況が研究の生産性の低下につながっていないかなど、これはよく検証していくべきであると思います。
31ページですが、日本の大学は米国などと比べると、民間資金の導入額の規模が小さくありまして、大学単位で産学連携を、大学本部が中心になって、大学が経営体として推進する、そうした必要もあると思います。
また、大学ファンドの支援対象大学は、民間資金の獲得を増やす、「稼ぐ大学」に向けた大学改革を行っていくべきであると考えています。
先端大型研究施設の整備・運用についても、民間資金の活用を進めるべきであると考えております。これは右側に実例が出ております。
32ページですが、国立大学の教員数はシニア層が増加していますが、優秀な若手研究者が年齢に関わらず研究機会を確保できるよう、運営費交付金の配分などを通じて、大学の人事・給与マネジメントの改革を進めるべきと考えています。
33ページですが、宇宙開発、費用の負担の見通しが大きくずれるような例が出てきておりまして、総開発費、総事業費の見込み、そして、それに対しての実績の公表、それから費用負担のずれが大きくなった場合には、計画の見直しを検討して、その検討結果も含めて公表していくことが、まず求められると考えております。
最後、文化、スポーツ分野です。35ページでございます。文化芸術振興のための寄附に関心を持っている人は一定割合おられるのですが、実際に寄附を行った方は5%程度と少ない状況でございます。
こうした中、36ページですが、文化財等保護補助金につきまして、文化財の所有者に寄附金やクラウドファンディングを活用するインセンティブを与えるような、右下の図のような選択肢を補助金に仕組めないか、検討していく必要があると考えております。
また、37ページでございますが、文化関係の4つの独法について、自己収入の増加比率に応じて配分するような、そうした運営費交付金の部分を設けるような形で、自己収入の増加インセンティブを持たせるということを検討すべきであると考えています。
最後に、38ページのスポーツ予算です。東京オリンピック・パラリンピックなどの開催に伴いまして、競技力向上事業等の予算額は大きく増加してきています。しかし、競技団体の補助金等への依存度も上昇しておりまして、今後は、事業収入等の増加を通じた自立した経営基盤を確立すべきと考えております。したがって、競技力向上事業においては経営基盤の強化・安定に向けた取組結果に応じた配分を導入すべきと考えております。
少し駆け足になりましたが、私からは以上でございます。
〔土居部会長代理〕御説明、どうもありがとうございました。
本日は、赤井委員より本テーマに係る意見書を御提出いただいております。お手元にお配りしておりますので、お目通しください。
それでは、ただいまの御説明に関して、委員の皆様から御意見、御質問などを承りたいと思います。会場におられる委員は、御意見、御質問のある場合は、ネームプレートを立てていただければ幸いです。また、テレビ会議システムを通じて御参加いただいている皆様は、御質問、御意見がある場合は、挙手するボタンをクリックしていただきたく存じます。
なお、今回は御出席いただいている委員の人数が多いため、限られている時間の中でできるだけ多くの委員の方々に御発言いただくため、御発言は手短に2分以内でお願いいたします。
それでは、まず、会場から5名程度、その次にテレビ会議システムから5名程度、そして、また会場に戻って5名程度というような形で、御指名いたします。会場におられる委員の方々は、備付けのマイクをオンにしてから御発言いただき、御発言が終わりましたらオフにしていただきますよう、よろしくお願いいたします。御発言の場合には、マイクにできるだけ近づいていただいた上で、差し支えなければ、マスクを外して御発言をいただければと思います。
テレビ会議システムを通じて御参加の方には、テレビ会議システムのミュートを解除してから御発言をいただき、御発言の後、ミュートを戻していただきたく存じます。
それでは、小林毅委員、お願いします。
〔小林(毅)委員〕御説明ありがとうございました。私から、質問になるのですが、7ページに働き方改革で熊本と戸田の例が書いてあったのですが、これはもう実際にその効果が上がってきているようなところまで来ているのでしょうか。もし上がっているとすれば、例えば実際の先生方の感覚として、これはほかのところでも有効であるということが言えるのかどうか、その辺りのところを教えていただければと思います。
それから、36ページのクラウドファンディングの部分があったのですが、これを見ますとやはり手数料とかそうしたものが結構高いですよね、寄附額の12%とか17%とか。ここに記載されているのは、これをもっと活用せよという趣旨であると思うのですが、本当にこれだけの手数料を払う、寄附金の中から取られているということが本当に良いのかどうか、もう少しほかのやり方があるのかどうか、その辺りをどう判断されているかを教えてください。
以上です。
〔土居部会長代理〕それでは、後でまとめて、御質問にお答えいただくということにさせていただきたいと思います。
それでは、末澤委員、お願いします。
〔末澤委員〕言い古された話ではございますが、我が国は天然資源が乏しいと、人材が資源であるということで、そのためには教育が極めて重要であると。特に、やはり効率性で見ると、幼児教育、また年少教育ですね、小中高校、その辺りの重要性が指摘されております。
ただ、一方で今回、新型コロナウイルス感染症、COVID-19のパンデミックもあって、世界的に少子化が進んでいる。日本における日本人は、昨年が84万人で、今年は80万人程度まで出生数が減ると見られます。ですから、今後どんどん児童の数が減る。
その中で、今回は専門性を生かすために、科目単位ですか、制度を設けるという案があって、これはよろしいかと思うのですが、やはり人口が少ない中で学校数が変わらないで、これをやると、これはある面、規模の利益が低く、規模の不利益になるわけで、これも前からずっと申し上げていることですが、やはり文部科学行政も統廃合を、特に横だけではなくて、小中の一貫教育を進める。やはり部活動等の負担が大きいということは、もう以前から言われていますが、これは民間にアウトソーシングする。
今回、コロナの対応で一部進んだかと思いますがICT、ここが進んだ。この3つを本当に着実に進めていかないと、なかなか持続可能性は乏しいだろうということでございます。
以上でございます。
〔土居部会長代理〕宮島委員、お願いします。
〔宮島委員〕やはり教育は日本の次の時代の土台であると思うのですが、全体に人口が減っていく中で、どの分野にどういう人を配置するかは、日本の全体のフレームが必要であると思います。これは医療でも製造業でも全部そうですが、みんなが、人が欲しいと言っていても、それでは全体がバランスしないという理解を文科省にも持ってほしいと思います。
つまり、人の取り合いになっている中で、増やすということを仮に決めてしまうと、結果的に質の部分が犠牲になってくると思うのですが、そうすると公立校において、今お金が教育にかかると言われているのは、実は公立で済めばお金がそこまでかかるわけではないのに、教員に対する、というと言葉がきついですが、これだけでは足りないのではないかという親の不安の下に、塾だのいろいろなことにお金をかける、その結果として子育てにはすごくお金がかかるから少子化が進んでいるというのもがあると思います。人数を増やして、公教育の、親から見たレベルが下がるということは、より少子化を進めてしまうのではないかと危機感を持ちます。
なので、とにかく人数をくれというスタンスを文科省、要求官庁にはやめてほしいと思うのですが、普通の組織でも、ある程度の人数の中で、どうやって効率的に同じ人たちを生かそうかということは、まず最初に考えることであると思います、人をくれと言う前に。そのために、まさにデジタル化などはもっと思い切り進めるとか、それぞれの役割をより明確にして、誰がどの役割をするのが一番効率的かということを真剣に考える必要があると思います。
恐らく、小学校でやっていることが多様になると、昔みたいに1人の先生が全てのことを見るということは難しくなっているので、今回のような提案があると思うのですが、だったら、その同じ人たちの中でどういうやりくりにするのが、一番子供にとって良い教育か、教員の側の負担が少ないかという視点で見ないと、いつまでたっても人数くださいと、そして、べたっとまきますということでは、教育の中身が良くならないのではないかと心配します。
これはタブレットも、せっかく全部配ったのに、それをいつも、学校に置いておいて、その授業の時間だけ使うといったような、非常にもったいない使い方をしている学校も結構多いようですので、まず、あるものを最大限に生かしていただきたいと思います。
また、私立大学に関しては、いよいよ全体で定員にならないような状況がありますので、全体として、これからどうしていくのか、再編なのか、撤退なのか、どこも維持するためにどうするかということではなくて、今後全体としてどう良くしていくのかという議論をしていただきたいと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕木村委員、お願いします。
〔木村委員〕御説明ありがとうございました。
科学技術に関して申し上げたいのですが、政府が新しい資本主義実現会議で、成長力を高めるということを1つの重要なテーマとして科学技術振興を議論されていると伺っています。これは、岸田政権の大きなテーマであり、資源のない国日本にとって、科学技術力を高めるということは極めて重要であると思います。一方で、昨年度の補正で既にもう政府の目玉政策として10兆円規模の大学ファンドの創設が決まっていて、これはまだ動いてない状況ですね。この効果を見極めないうちに、またさらに、どういう科学技術予算を目指すか分かりませんが、さらに、規模ありきで増やしていくとすると、それこそ屋上屋にならないかという疑問もあります。むしろ、資料で示されているように、日本の科学技術予算は主要先進国に比べて高い水準にありますし、いろいろと御提言いただいています科学技術への投資効果を高めるという様々な措置を通じて、効率的に予算配分をすることが、むしろ重要ではないのかなと感じます。
以上です。
〔土居部会長代理〕中空委員、お願いします。
〔中空委員〕ありがとうございます。1つ1つの問題に対する対応策がきめ細かく指摘できていると思うのですが、、先ほどの宮島委員と同じ問題意識かなと思ったのですが、日本は人材をどういうところで、どれぐらい生み出したいのかという観点が随分、というより、そもそも論として抜けているのかなと思います。画一的な、だけど、水準が高い人たちをたくさんつくりたいのか、リーダーをつくりたいのか。そうした必要とされる人材像がぶれているので、総花的で散漫なところが否定できないのではないかと思います。
また、もう1点が、7ページにあった文言がどうしても気にかかるという点です。文科省や地方自治体との連携で、「及び学校が連携し」とあるのですが、こうした類いのことは、本来は学校の裁量がいろいろ生かされなければいけないのではないかと、普通には思うわけです。それを阻んでいるものを何とか排除していくべきではないか、と考えます。そうした効率性という観点が毛頭ないので、31ページに、いきなり「稼ぐ大学」になれと言われても、大学としてもなかなか難しい、ということではないでしょうか。効率性の議論を、もう少しうまく組み入れていくべきではないかと思いました。
以上です。
〔土居部会長代理〕それでは、テレビ会議システムで御参加の委員の方に御発言をいただきます。こちらで確認したところ、田近委員、冨田委員、河村委員、赤井委員、神津委員の5名が挙手するボタンを挙げておられるということで、今申し上げた順に御発言をいただくことにいたしたいと思います。
それでは、田近委員から御発言をお願いいたします。
〔田近委員〕田近です。発言の機会を頂きまして、ありがとうございます。
既に御指摘があったのですが、私も科学技術について指摘させていただきたいと思います。31ページ目です。念頭にあるのは大学ファンド、科学技術は入り口で科研費、これは文科省だけではなくて、厚生科研とかありますね。
それから第2点は、ここにも御指摘の大学自身の民間資金投入、それから大学ファンド、そして、企業のオープンイノベーションがある。そこの入り口全体がどうなっているのか。そして、出口のほうは、これはもう研究ですから多様性が重要ですが、ただ、グリーン関係の戦略的な研究があるということで、申し上げたいのは、この機会にこの研究資金の入り口、出口全体の中で、大学ファンドがどのぐらいの規模で、何を目指すのか。これから始まりますから、ぜひ、研究資金の入り口、出口を踏まえて、大学ファンドを議論していただきたいと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕冨田委員、お願いいたします。
〔冨田委員〕ありがとうございます。科学技術の大学ファンドについてです。今日は御説明なかったですが、参考資料37ページに10兆円規模の大学ファンドの創設についての資料があります。既に昨年度の第3次補正予算で一般会計から5,000億円の出資と、本年度の財投計画で4兆円の融資が決まっています。
しかるに、このページにある内閣府と文部科学省の図には、科学技術振興機構(JST)の、政府に対する融資の返済という矢印が入っておりません。国から補助金をもらうことが当たり前になっていて、国への借金返済など考えたことがないとすれば大問題です。
大学ファンドは、財投債で調達した資金を、国の内外の株式市場、債券市場で運用し、その運用収益を研究大学の環境充実に資金配分しようというもので、借金による運用収入を財政支出に充てるという、我が国財政で類例を見ない事業です。
この事業が大学改革を促進し、研究大学の自立した経営、寄附獲得増加などを促進し、つなぎの財投資金を寄附収入、ライセンス収入などの自己資金に置き換えていく。そして、世界に比肩する研究開発の促進につながるイノベーションエコシステムの構築が進むように、具体的な設計を行うべきです。
それによって、この類例のない、例外の仕組みが研究大学ファンドだけになぜ限定されるかを、広く周知すべきです。
財投債で調達した資金を借入れた法人、科学技術振興機構(JST)は、政府に直接、元本を返済しなければなりません。返済は21年後から始まり、40年後までには完済しなければなりません。
このときになって、大正年代の西原借款、西原亀三の借款のように、固有名詞のついた令和の○○借款、あるいは○○ファンドなどと呼ばれることがないように、ノーベル賞受賞者を多数輩出する大学ファンドとなるように、借りた金は必ず返すという規律の下で、自律的な経営を促し、研究大学におけますガバナンスの改革を進めるべきです。
以上です。
〔土居部会長代理〕河村委員、お願いいたします。
〔河村委員〕御説明ありがとうございます。有利主計官、最初におっしゃられた文科省予算の方向性、課題は明確であると、具体的な制度に踏み込んで見直しをして、実際の行動変容を促すというこの方向性、大賛成でございます。私からは、教育のところを中心に何点か意見を要点だけ言わせていただきます。
まず、7ページの義務教育のところで、働き方改革の方向性、ぜひこうした取組を後押しすることが大事であると思います。ただ、やはり少し抜けているところがあるかなという気がしますのは、私自身もやはり自分の子供のときに、上から下まで少し年齢に幅があるのですが、経験しましたが、子供の質、それから保護者の質、すごく変わってきていると思います。それが、次のページにあるように、いじめや不登校やという問題に出てきているところもありますが、そうした問題が、やはり先生方の時間を物すごく奪って、負担になっている。これは明らかに、そうして先生方にとって負担になるということは、子供に対する教育の質が全体として下がることになると思います。ですので、やはりそうしたところの対応をもう少し、文科省に促すような在り方があってもよいのではないかと思います。
次は、高等教育のところで12ページ以降、博士課程のところで、いろいろ力を入れて強化をして、これは大変大切な方向性であると思うのですが、大事なのは、この資料でも書いていらっしゃいますが、出口のところというか、教育の効果の把握が十分にできていない、質を担保するための取組が十分かというところです。
12ページで、入学者の推移がありますが、定員を満たしているか満たしてないかの話だけではなくて、そもそも今の定員の水準が適切なのかどうか、これは博士課程に限らず学部もそうであると思いますが、18歳人口が明らかに減ってきている。例えば、これは学部の、東大で、入学者3,000人ぐらいいらっしゃる中で、18歳人口が200万にという時代と、今は90万とか80万とかになってしまいそうな状況ですよね。やはり入ってくる学生の質が落ちてきてという話は、ちらちらと私なんかの耳にもあちこちから入ってきます。同じことが大学院の全体の設定についても言えないのかどうか。やはり、質のところをきちんと把握してやっていくことが必要ではないかと思います。
その意味で、13ページでポツの3つあるうちの真ん中、「企業側に博士課程のプログラムが評価されていない可能性もある。」と書いてくださった、よくお書きくださったと思います。特に文科系で、大学院の教育の効果というところ、果たして企業がどのように見ているか、このような場ではなかなか申し上げにくい部分もありますが、なかなかみんな納得できていないところがあるのではないか。そうしたところをきちんと把握して、対応を進めていくことが必要なのではないかと思います。
それから国立大学法人、19ページの運営費交付金ですが、一部の大学に集中しているという話ですが、実は運営交付金、どこの大学に幾ら配分されているかということは、つい最近まで世の中一般国民に対しては公表されていませんでした。これはおかしいと思います。私なんか民間シンクタンクでレポートを書くときにも、幾ら文科省のサイトとか検索しても出てこないので、検索したら何と読売新聞教育ネットワークのサイトに出ていたので、そこをクレジットとして引用したこともありますが、文部科学省からは出されていなかった。でも、やはりこうしたものはオープンに透明化してやっていくことが必要で、文科省もやっと去年、運営費交付金の検討会が始められたときに、その中で初めて対外的に出されたのではないですかね。それでは良くない。やはりガラス張りにして、それから効果の把握とかもして、それから、KPIの話とかも出てきますが、やはり横並びの指標をきちんとつくって、各大学がばらばらのKPIを立てるのではなくて、きちんと客観評価をやっていくことが必要ではないかと思っております。
その意味では、それこそ行革のレビューシートのようなものが、国立大学版のようなものがあったってよいぐらいではないかと思っております。
最後に、科学技術のところに関係しますが、32ページ、若手研究者の機会確保で大学の人事・給与マネジメント改革をという話がありますが、やはり業績評価の徹底をすることが必要であると思います。これは何か、大学の先生方からすると非常に嫌われることのようではありますが、やる気があって、実力がある方にとっては、やはり一番モチベーションが上がるのではないか。実際に、この年俸制の導入はなかなか進まなくて、今、3割、4割で導入してらっしゃる国立大学でも、結構トップクラスという感じではないですかね。でも、本当だったらこんなの100%にならなければおかしいはずで、2通りのやり方が並列しているようでは、やはりモラルは上がらない。逆に、具体的な例で言いますと、そうした年俸制の導入とかを積極的に進めていらっしゃる大学で、改革が結構前向きに進んでいらっしゃる国立大学の例も拝見します。ですので、そうしたところも進めていくべきであると思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕赤井委員、お願いいたします。
〔赤井委員〕ありがとうございます。もし可能でしたら、配付資料を御用意させていただいて、お渡しいただいていると思いますが、最近、教育の財政、また、費用と配分方法について研究していますので、そこからですが、もし資料が出れば。
まず、初めに義務教育に関して、担任制の話、急に出てきた話、もちろん文科省ではずっと議論されているのですが、まだエビデンスも分析も実験なども進んでないので、そこのところをきっちりとデータを見ながら進めていただきたいのが1つ。
それから、資料を出していただきましたが、今、河村さんからも出ましたように、データが徐々に公表されてきつつあるので、今まさに国立大学に対して共通指標を決めて、競争させるような仕組みが始まっていますので、まさに第4期が来年から6年間始まりますので、そこで、まず1つ目の提案としては、共通指標をしっかりとしたものをつくるということ。それから2つ目は、その共通指標が、その大学だけではなくて全大学とか、例えばある程度全教員、全研究者が見られるようにして、どの大学がどの位置にいてどういう頑張りをしているのか、それに対してどれだけお金を配っているのか、そうしたのも全部データを各チーム自分で分析できる、そのようにするのが良いかと思っています。
次のページ可能でしょうか。今出ている資料、令和3年度、幾ら配ったかというか、もう配るのかが決まっているので、そこのベースとなった順位ですが、取りあえずAから、大学名出してないのですが、基本、北の北海道から並んでいると思っていただいたらいいのですが、このような形でそれぞれを順位化して、それでお金を配っているのですが、まず、こうした順位を見れば、皆様、大学の先生もいらっしゃいますが、自分がどの指標で何番目の位置にいるのかということも分かれば、これももっと細かくして、これは、実は社会科学系だけです。それぞれの系に関しても分析できるだけのデータを文科省は持っていますので、それぞれの教員、それぞれの分野の教員がこうしたものを見て、自分の部局はどの指標が何番目なのかが分かれば、何を頑張ればいいのかも分かるので、そうしたものも踏まえた研究、こうしたものをやっていくことが望ましいのではないかと思います。今まとめている本もありますので、そうしたところにも、もう少しこうした分析をしていきたいと思っています。
以上です。
〔土居部会長代理〕神津委員、お願いいたします。
〔神津委員〕ありがとうございます。教育の関係で幾つか申し述べたいと思います。資料の順番に沿ってということになりますが、4ページないし5ページですが、国際比較があります。その前提に留意することが必要であると思います。4ページ、教員1人当たりの児童数ですが、諸外国においては、教員以外の専門スタッフが充実しているといった事実がありますので、それらの専門スタッフが担当している業務を、日本では教員が負担しているということを考慮する必要があるということは申し述べておきたいと思います。
7ページです。学校の働き方改革ですが、これについては好事例を横展開することが重要であるということを申し述べておきたいと思います。熊本市、戸田市の事例は良い事例であると評価したいと思います。教育の質を高めるために重要なことは、こうした好事例を、どのように横展開するかということでありまして、国レベルあるいは地方自治体レベル、それぞれ縦割りの弊害を乗り越えて、連携して情報共有を図っていくことが非常に大事であるということを申し述べておきたいと思います。
8ページですが、外部人材です。先ほども若干触れましたが、これは適切な拡充が必要であるということです。これは8ページにもありますように、活用について、配置が進んでいること自体は評価をするところですが、やはり、絶対数はまだ不足しております。とりわけスクールソーシャルワーカーなどは、時給が低い現状で、病院などに転職するケースも多いと聞きます。また、常勤でないケースも多くて、結局教員が対応を、カバーせざるを得ない。したがって、機能してない。そうした問題も直視する必要があるということを申し述べておきます。
最後、教育の無償化、あるいは修学支援制度、25ページです。今、貧困の連鎖、教育機会の格差、この問題があるわけです。基本的には、全ての教育にかかる費用の無償化、そして社会全体で学びを支えること、これが必要であると思います。
我が国の持続可能性を高めるためには、目下、政治の世界で取り沙汰されているような減税であるとか、一律給付金とか、そうした策に陥らずに、必要な財源は教育の無償化に投入すべきであるということを申し上げておきたいと思います。
また、今後の対応として、卒業後拠出金制度、高等教育段階ではその効果を検証すべきであると思います。26ページにオーストラリアのHECS、各方面で検討されているということですから、関係省庁で連携を進めて、修学支援に資する制度となるような設計を進めるべきであると思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕ありがとうございました。
それでは、会場に戻りまして、広瀬委員、お願いいたします。
〔広瀬委員〕科学技術について、一言申し上げたいと思います。
外国では、軍事費の中に科学技術的なものも入っているケースもあるように思いますが、日本は軍事費非常に小さいものですから、そうしたところは少し割り引いてよいと思います。問題は、ここに書いてあるとおり効果ですが、私はすごく深刻に受け止めなくてはいけないと思うことは、国際性が低い、それから若手の活用ができていない。この2つは本当に重要な問題で、できれば2つをうまく組み合わせて、改善策というか仕組みをつくれるのではないか。この2つの問題を放置していると、日本の将来にとって本当に大きな禍根を残すことになるのではないか。いろいろな問題はありますが、ぜひ国際性、それから若手の活用をうまく組み合わせたような仕組みを早急に検討して、導入していただきたいと思っています。
以上でございます。
〔土居部会長代理〕安永委員、お願いします。
〔安永委員〕3点申し上げます。まず、教育現場における外部人材の活用ですが、頭数ですとか時間といった量的な問題だけではなく、多様性とか国際性あるいは専門性といった、質の向上のために企業人を含む外部人材を積極的に活用できるような仕組みをつくるべきと思います。企業側でも働き方改革の中で、従業員の兼業や副業の促進といった時間を創出するということをやっておりますので、産業界と併せて教育の現場を、より質を向上することを考えていきたいと思っています。
2番目がICT化です。小中学生1人1台端末の整備ができたことは本当に評価したいと思うのですが、これをいかに有効活用するかがまさに課題でありまして、そのためには、教育現場における教師のICTに対する教育の充実、それから、インターネット接続環境を学校、家庭に整備するということ、それから何よりソフトウエアコンテンツの拡充等、こうしたことを継続的に行う必要があります。先ほどの外部人材の活用と併せて、複数年度の予算化によって、こうした制度の仕組みを担保していくことも必要と考えます。
最後に、宇宙開発ですが、広瀬委員も指摘されておりましたが、やはりこうした分野は防衛にも直結しますし、それから先端技術の開発にも不可欠な分野ですので、効率化の検証ですとか民間資金の導入はもちろんですが、やはり宇宙基本計画の着実な実行に向けて、政府による長期的かつ安定的な予算の確保は必要であると思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕熊谷委員、お願いします。
〔熊谷委員〕ありがとうございます。高等教育と科学技術についてコメントさせていただきます。誠に僭越ながら、基本的に正しい方向で政策が行われていると考えております。成果主義、アウトカム指標に基づいた、メリハリのある資金配分を行い、さらに見える化を推進してPDCAサイクルを回していく。また、「稼ぐ大学」に向けたガバナンス改革を断行し、ダイバーシティーを向上して、イノベーションを起こし国際競争力を高めるという形で、極めて正しい方向での政策が打たれていると捉えております。
そのことをお伝えした上で、私が鍵になると思う点を2つ申し上げたいのですが、1点目は、企業の行動変容ということでございます。資料でいうと、16ページでございますが、この図表の中で、政府は大学には影響を及ぼすことができますが、企業に対して直接影響を及ぼすことはできません。そもそも産学連携がなぜうまくいかないのかといえば、一つは、企業側の窓口は多くは研究開発部門であって、事業部門であるとか経営トップとの連携があまりなくて、その意味ではボトムアップには限界があるわけですから、やはり企業サイドの経営トップ層がトップダウンで産学連携に深く関与していくことが非常に重要となります。これらの企業の行動変容が極めて重要です。
2つ目は、社会実装ということでございますが、よく言われるように、ゼロイチ(「0→1」)などと称される無から有をつくるところはシリコンバレーなどが強くて、日本はある程度ここはできているわけですが、いわゆるイチジュウ(「1→10」)、イチヒャク(「1→100」)という社会実装は中国の深圳などが非常に強くて、我が国はここが弱いわけでございますから、その意味では社会実装の部分で、民間資金の活用などに加えて、やはり政府がインセンティブの付与であるとか、規制改革であるとか、ルールづくりのところでしっかりとリーダーシップを取ることが重要なのではないでしょうか。
結論として、財審として、1つは企業の行動変容、これは博士課程の修了者に対する待遇の改善なども含みますが、そこで何ができるのか。
また、第二に、社会実装という面で、財政当局は何ができるのか、といった点にウエイトを置いて、ぜひその辺りのこれから鍵になるところをしっかりと強化していただきたいと考えます。
私からは以上でございます。
〔土居部会長代理〕ありがとうございました。
あと5名の委員の方が御発言、予定しておりますので、恐縮ですが手短にお願いしたいと思います。
佐藤委員、お願いいたします。
〔佐藤委員〕ありがとうございます。
まず、9ページ目の外部人材についてですが、8ページ、9ページですが、特に9ページ目を見てコメントさせてください。この問題ですが、見方を変えると教育行政のガバナンス問題かと思います。一方では地方交付税である程度一般財源で措置をしている、交付税の算定根拠が果たしてどこまで妥当かはともかくとして、一般財源で措置しているはずなのに使われていない。他方では、国費を使って、具体的には指導員等派遣事業とか、そうした国の国費事業があります。そちらのほうにはなぜかニーズがあるということは、自治体の中で、恐らく補助金のほうがある意味現場にお金を回しやすい、一般財源は、です。しょせん一般財源ですから、財政課と議論して査定を受けなければいけないので。なので、どうも現場のほうは一般財源よりも特定財源というか、そちらを好む傾向があるということは、果たして自治体のガバナンスとしてどうなのかという話になると思います。本来ニーズが、恐らくスクールカウンセラーとか外部人材の登用には強いニーズがあるはずなので、であればそれは本来一般財源であったとしても、きちんと財政課に予算要求して、査定を受けるべきであるとは思いますが、どうもそれがうまくいってないのではないかというのが1つ。結果的には、現場にお金が十分回っていないということになるわけです。
もう一つは、10ページ目に複合化・集約化とありますが、これも同じ問題で、結局、教育委員会が半独立王国なので、やはりガバナンスがうまく効いていない。結果としては、部局内での複合化は簡単ですが、部局間の複合化が難しいという問題があるわけで、これもやはり1つのガバナンス問題として理解できるかと思います。
今日、あまり御説明なかったのですが、私、ひょんなことで37ページの国立美術館にも、行政評価の評価委員をやったものですから、これは一言で言うと、やはりガバナンス問題です。これ、実は文化庁も、それから国立美術館の本部も問題意識は持っているのですが、だけど本部の機能が弱過ぎる。理事長さんいらっしゃいますが、やはり博物館、美術館の館長さんのほうが偉いので、やはりなかなか本部のグリップが効かない。運営費交付金の配分についても、結局は損失補填的に配られていて、自己収入が増えても、その交付金の配分額が減るだけとかで、何かそのような仕組みもあるみたいです。これは確認いただければ良いと思うのですが。
なので、恐らくこれも文化庁の中で、こうした文化関係の独法の中のガバナンス、具体的には本部機能の強化というのが問われているかと思います。
それから最後に、大学についてですが、「稼ぐ大学」をつくるということは大事であると思います。これもやはり実はガバナンス問題、私も大学の人間なのでよく分かりますが、やはり稼げる部門と、本来基礎研究をするべき部門は違うわけです。大学のミッションは、私は基礎研究であると思います。ただ、そのためには稼ぐ人たちが要るわけであって、我々のような、具体には私です。私たちのような応用の人間はやはり稼がなければいけないわけです。社会科学であれば、もちろんMBAとかロースクールとか、我々みたいに政策大学院系の人間は稼ぐべき人間です。その稼いだお金を、きちんと基礎研究に充てるという、この資金の流れがあって、お金が回っていく。ところが、これもきちんとできていない。稼いだところにお金が滞留している。足りないところは、やはり足りないままになる。なぜかというと、これも大学の中の本部機能がきちんとしていないから。
〔土居部会長代理〕手短にお願いします。
〔佐藤委員〕その辺りのことも、やはり1つガバナンス問題を切り口に考えていく必要があるかと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕神子田委員、お願いいたします。
〔神子田委員〕5ページの2,000人の定員増を見た瞬間、これは幾らかかるのだろうという思いがして、確かに、霞が関もそうですが、あまり忙しいと良い人材が採れないということが起こって、そうした意味では増やしたいのですが、一方で、例えば、介護人材はどうだ、足りないと言われていますが、全体の中でどうするかというと、やはり増やさないという前提でどうするかを、まず考えてほしいと思います。
それと、忙しいから授業を減らす、こまを減らすということはどうかと思いまして、やはり私も拙い教育実習の経験があるのですが、1か月ですから、やはり生徒に何か規則を守らせるとかすごい大変ですし、実習生にさえ悩みを打ち明けてくれる生徒もいて、やはり先生は生徒と触れ合うことで、人を教育できるのではないか。悩みを聞いたりしながら育てたり、若い先生だったら自分が育ったりもするということで、何でこの教育授業の時間を減らすという話に発想がなっていくのかなと。
担任の話も、授業交換のイメージ、6ページにあるのですが、これをもっと現場で知恵を出してやったらどうなのか。文科省も、金を要求する前に、もっと脳みそから汗が出るほど知恵を出したらどうなのかと思います。
実際、先生はやはり子供と触れ合いたいとか、育てることに生きがいを感じるとかいう人が、やはりなってくると思うのですが、一番大きいのは、やはり親が、子供もいろいろだけど、更に親もいろいろになってきて、親の相手ということに非常に時間を割かれているし、悩みも深いし、それで心理的に変になってしまう人もいると思うので、7ページの下にあるデジタル化の働き方のところにいろいろこう、いろいろな事務作業とか親との対応とかあるのですが、この部分を専門にやってくれる人か何かを雇うと、要はカスタマーサービスでも、電話に出てきて、らちが明かないと、何かすごい人が出てきて処理したりするではないですか。何かそうした人が出てきて、親の対応だけでも全部やってくれると、先生は教育という本業にもっと集中できるのではないかと思いました。
以上です。
〔土居部会長代理〕平野委員、お願いします。
〔平野委員〕ありがとうございます。冒頭にもお話ありましたように、少子化が進む日本の場合、国民1人1人の人材育成がまさに国の将来を左右するということで、重要性を増しているのが教育投資であると思います。無駄や非効率を一方では見直さないといけないが、新たなニーズに対応するためには、やはり重点的な予算のつけ方も必要だろうと思います。3つ申し上げます。
まず、初等中等教育に関して、先ほど安永さんがお話になりましたが、デジタル化は極めて重要であると思います。昨年度の補正予算で2,300億円投入されているわけですが、単純に、端末の配備が進むだけでは意味がないということで、学習コンテンツの開発であるとか、教員のスキルレベルの向上など、ソフト面の状況をぜひフォローをしていただきたいと思います。それからもう一つ、これは議論あると思いますが、やはり要らないものは削るべきであると思います。今後、所得再配分の話が進んでいくと思うのですが、教育格差の是正のための低所得者層の教育費の負担軽減措置は必要ですが、高所得者はどうするのか。いきなり、やったものをやめるわけにはいかないかもしれませんが、今後、こうしたものを考えるときには、そうしたことを考えていただきたいと思います。
2点目、大学です。今回御指摘いただいた大学院課程の改革は非常に重要であると、私も思っています。特に、熊谷さんが先ほど指摘されましたが、民間との連携であるとか、それから、エンプロイアビリティーの重視、これは非常に正しい方向です。それからもう一つ、大学に対する運営交付金の一部をパフォーマンス・ベースド・ファンディング、すなわちアウトカム重視でメリハリのある配分を目指すことも正しい方向であると思います。
ただ一方で、私も今ある大学の経営協議会の委員をやっているのですが、相当性格が異なる大学の中で共通指標をつくる場合の難しさは、常に意識しておく必要があると思いますし、それから、評価手法も改善を続けていく必要がある。
つまり、評価という手段自体が自己目的化することがないように、ここは我々も気をつけないといけないと思います。
それからもう一つ、これも議論があるかと思いますが、今回資料で、国公立大学の学生1人当たりの公的支出額は主要先進国中トップクラスというデータを示していただきました。ただ一方では、高等教育機関に対するGDP対比の公的支出は、OECD38か国中日本は37位です。それから、同じく政府支出全体に占める割合は35位という事実もあります。もちろん民間資金の活用は重要であり大学も必死になってやっていますが、やはり、大学で創造された知というのが、産業競争力であるとか中長期的な発展、成長の源泉となるということですから、先ほど申し上げた人口減少という重荷を背負った日本の将来を考えると、本当にこれで良いのかということは、どこかでやはりもう1回議論する必要があるのではないかと思います。苦しい財政の中ではありますが、ここは重要であると思います。
最後、手短に、リカレント。今回触れていただいていませんが、GX、DXは極めてインパクトが大きく、社会産業構造の転換に伴って労働力のミスマッチが生じます。これを企業、産業を超えてシフトしていくことによって吸収し、新たな成長産業を生み出す必要があるわけで、そのためにはリスキル、リカレントの充実を図る必要があると思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕大槻委員、お願いします。
〔大槻委員〕ありがとうございます。2点ほどお願いします。
まず、義務教育についてですが、7、8ページ目にあります働き方改革ですとか、人的資源の最適配分をする、その効果検証、そして資料にいただきました文科省がやっている、教員がやらなければいけないこと、そうでないことなどの色分け、こうしたことによって効率化を進めていくことには大賛成でございます。
ただ、これを更に回していくための運営の仕組みについては、もう少し強化が必要なのではないかと思っております。神津委員からも、縦割りの弊害というお言葉を頂きました。今であると、例えば、資料の中に頂いている特別免許も、やはりあまり進んでいないという状況に鑑みると、やはり、免許の交付の主体の在り方、それから、外部人材等の活用、活躍していただく在り方、そうしたところを、都道府県の教育委員会や各学校長の裁量も重要ですが、そこに任せるべきなのか、ある程度の横串をもっと強く通していくことを国としてやるべきなのか、そうしたところについて実効性を重視した仕組みづくりをお願いしたいというのが1点目です。
それからもう一つは、博士課程の改革のことでございまして、運用交付金の共通指標の見直しについて、今のところ博士に絞ったものが、授業の状況のみということですと、そもそも質の高い研究、それから社会に役立つ人材育成が課題とうたいながら、この指標は確かに不十分であると思います。
その中で、いろいろ皆様からも御意見が出ていましたが、1つ、博士課程の方々の教育により一層の注力を図って、はかるような形の指標を、ぜひ考え方として入れていただきたいと思います。具体的にはやはり、指導教官たちは教育者であるとともに、研究者であり、ここにお示ししていただいている、22ページ目にあるように、科研費であるとか業績が求められるので、どうしても学生のそうした企業のニーズに合致するような形の研究の指導ということに、なかなか時間を割けない可能性もあるということで、そこについて質の高い次世代の研究者育成に注力をするといったような指標も盛り込んでいただければと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕それでは、遠藤委員、お願いいたします。
〔遠藤委員〕ありがとうございます。今日の財審のテーマ、財政全体もそうですが、民間資金の導入を促すアンカーテナンシーとしての役割に国が徹するべきなのか、国家資金の積極的な投入を目指すべき分野であるのか、そうしたことをやはり再検討することの重要性を改めて認識した次第です。
私、今日は宇宙について1点だけ述べたいのですが、宇宙は科学技術のコンテクストで議論されているわけですが、先ほど広瀬委員や安永委員がおっしゃっておられたことともつながりますが、これはやはり日本の安全保障としての文脈で語られるべき分野を多く重複して含んでいると思います。安全保障の中でも特に最先端の分野であって、これはもう安全保障が従来型の国防というところから変化をしているということで、これは財審でも共通認識であると思っております。
ですので、日米同盟が基盤といっても、非常にこう、やすやすと語られてはいけない部分もあって、やはりアメリカが求める日本の貢献度というものが、技術分野でも求められているのであって、そうしたために国が何をやるべきなのかを、しっかり検討していく必要があると思います。基盤技術の開発とか、運用であるとか、そうしたものは単年度予算では、やはり語り尽くせない部分があって、長期的な視点があって、だからこそ、宇宙基本計画の工程表があるわけですが、その分野は、長期的な視点で運用されていくべきであるということを少し申し上げておきたいと思っております。
ただ、財源にはもちろん限りがありますので、集中的に投資が必要な部分は、やはり宇宙の中でも振り分けていかなくてはならない分野であると思っておりますので、これからまた工程表の議論が始まりますが、その点も留意しながら、積極的な投資をする部分と、そうではない部分、メリハリをつけていく必要があろうかと考えております。
以上です。
〔土居部会長代理〕ありがとうございました。
追加で、テレビ会議システムから、お二人の委員から御発言をということで、大変恐縮ですが、会議終了時間が2時半となっておりますが、お二方、堀委員、小林慶一郎委員に御発言を、もうごく簡潔にお願いいたします。
まずは、堀委員からお願いします。
〔堀委員〕分かりました。限りある人的リソースの質の向上、限りある財政資金の配分の質の向上、民間資金を最大限活用という、1ページに示された方向性はすばらしいと思っています。
基本的に全てつながっていて、義務教育がよくなければ高等教育も結局うまくいかないですし、それが科学技術の振興にもつながりますので、未来への投資として教育はとても重要であると思うのですが、公費を投入すればするほど教育力は上がるのか、研究力は上がるのかというと、必ずしもそうではないというエビデンスもあると思いますので、教育分野でもワイズスペンディングが必要であると思っています。
ただ、ワイズスペンディングするにも、そもそも、ここで今回上げられた指標もそうですが、行動指標といいますか、量的な指標が多いと思いますので、ぜひ、赤井委員からもお話がありましたが、質を測定できるような、見える化されることが重要であると思っています。
2点だけ、教職員定数当たりの児童定数の話ですが、これまでも何度も出てきていますが、国際的にも少なく、時系列で見ても増えている。しかし、学力は上がらない。一方で、教員の働き方改革であるとか、労働時間の問題もあるとありますが、先ほどからの委員のお話にもありましたが、保護者対応、授業以外の事務というのもありますが、子供そのものが、あるいは子供を取り巻く環境が変わっているということもあると思います。1996年にちょうど片働きから共働きが増えていて、家庭での学習への支援的なところが担えていない、お金があるところは塾に行くというような形になっていると思います。なので、所得格差とか、教育格差にもかなりつながっていると。また、発達障害であるとか外国籍の子供など、非常に多様性も高まっていますので、そのような状態で、今までと同じ1人を1人と思えるのかということではないと思います。
ただ、だからといって、教職員定員当たりの児童定員数を一律に増やせば良いのかというと、恐らくそうではなく、エリアによっても違うと思いますし、人口減少が前提となる社会で今と同じままの体制で定員数をただ増やしても、教育の質の向上にはつながらないと思いますので、資源が分散化されないように、学校の統廃合も含め、資源を集約できるような仕組みに転換していかないと、このままだと義務教育だけではなく、高等教育、科学技術の振興全てにつながっていくので、悪循環になるのではないかと思っています。
外部資源の人材活用も、ソーシャルワーカーを利用するのは良いと思うのですが、ソーシャルワーカーが、先ほど労働条件の話もありましたが、日本全国にどれだけいるのか、もし、より良い環境があれば、それこそ医療機関に就職をするということもあるでしょうし、なので外部資源を利用するのはとても良いと思うのですが、それも、資源の分散がされている状態ですので、学校そのものをもう少し集約化していくという発想が必要なのではないかと思います。
最後、私立大学の定員割れについて。
〔土居部会長代理〕簡潔にお願いします。
〔堀委員〕何大学とは言わないですが、撤退、統廃合も必要であると思いますが、学生の学びの保障と同時にセットで考えていかなければいけないのではないかと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕小林慶一郎委員、お願いいたします。
〔小林(慶)委員〕1分以内で終わります。2点だけ。
1つは、皆様がおっしゃっている教育のオンライン化の話です。資料の中でも、タイトルにオンライン化は出てこないです。どちらかというとオンラインは働き方改革のためのツールであるとか、あるいは人と人の触れ合いを阻害する、できるだけ避けるべきものという、そうした姿勢が、やはり教育行政にはあると思いますが、これからの社会の中でオンライン化、オンラインのリテラチャーというものを、積極的に教えていくべき価値であるという位置づけをして、オンライン教育、あるいはオンライン授業の在り方というものを、コミュニケーションの1つの標準形と位置づけて、教育の主要な授業の在り方という位置づけにして、オンライン化を進めていくべきではないかと思います、これが1点。
2つ目は、資料の26ページにオーストラリアの奨学金制度が紹介されております。これは公正な奨学金として、学生本人が卒業した後に、所得が高い人からは金利を高くして返済してもらう、卒業後、所得が低い人からは金利を低くして、あるいは返済してもらわない、そうした制度になっています。これは日本の制度よりも、日本の制度は親の所得などに依存して、事後的な調整というのはあまりないと思うのですが、所得の再配分という意味でも、また、応能負担という意味で、公正な奨学金という意味でも、非常に望ましい制度であると思いますので、ぜひ、オーストラリアの奨学金制度を参考にしたものを、日本でも実現すべきではないかと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕ありがとうございました。
それでは、有利主計官から御回答をお願いいたします。
〔有利主計官〕多岐にわたる御意見、どうもありがとうございました。
小林委員から2点御質問があったと思うので、それについてお答えをさせていただきます。1点目は、戸田市とか熊本市が実際に働き方改革につながったのかどうか。時間数は、実は熊本市が令和元年、令和2年と、働く時間が減っているというデータを公表しております。それから戸田市にも聞きました。戸田市も同じような結果が出ています。
ただ、コロナ禍だったということがあって、その効果が、本当にこうした取組の効果なのかどうかは、もう少しきちんと、実際、普通の状態にならないとよく分からない面もございます。
2点目、クラウドファンディングです。クラウドファンディングは、手数料とか返戻金等の負担を除いても、一応今平均で200万から300万ぐらいの資金を、クラファンをやって、こうした文化財の修繕に充てた人を取ってみると、200万から300万の資金を充てているというデータは出ています。
我々の側から事業者のサービスの対価とか手数料をどうこうしろとは、なかなか言い難い部分は正直言ってございますが、いずれにしても文化財所有者の負担軽減に役立っていることは間違いないので、こうした方向性で、先ほどの資料のような方向性で、別にクラウドファンディングに限らないので、普通の寄附でもよいので、そうした方向性でやらせていただければと考えております。
以上でございます。
〔土居部会長代理〕ありがとうございました。
それでは続きまして、中小企業、エネルギー・環境(グリーン)の議論に移りたいと思います。残りがあと21分ということになっておりまして、予定終了時刻まで短いのですが、議事進行に御協力、よろしくお願い申し上げます。
それでは、坂口主計官から簡潔に御説明をお願いいたします。
〔坂口主計官〕経済産業係、環境係担当主計官の坂口でございます。よろしくお願いします。簡潔に御説明を申し上げたいと思います。
まず、中小企業政策についてでございます。2ページ目ですが、これは中小企業の概要です。右下に定義がございますとおり、サービス業でいえば、従業員数が100名以下の企業などが該当しております。中小企業は全事業者の99%以上、従業者数の約70%、付加価値額の約50%を占めている状況です。
3ページを御覧ください。現在の中小企業の状況を分析したものでございますが、左上、業況判断です。これは、業況が好転していると答えた企業の割合から、悪化していると答えた企業の割合を引いたものですが、最初に緊急事態宣言が発出された昨年4月-6月期に大きく悪化した後、足もとでは多くの業種で持ち直しております。ただ、宿泊業、飲食業については、まだ厳しい状況にある企業が多くございます。
下の経常利益で見ても同様の傾向がございます。
右上、倒産件数や失業率の推移で見ますと、各種の支援策の効果もあり、マクロでは低い水準で推移していると言えると思います。
4ページを御覧ください。引き続き、中小企業の現状分析でございます。
左上、借入金の推移を見ますと、緩和的な金融政策の影響もございまして、ここ数年増加傾向にあります。足もとでは、新型コロナの影響を受けて、幾分伸びを高めております。ただ、上段の真ん中、中小企業で見ますと、足もとで大幅に増加しているという状況にはございません。
左下、金融機関からの貸出を見ますと、新型コロナを受けた無利子・無担保融資を令和2年3月から開始したこともございまして、昨年度前半に大きく増加をいたしました。その後、足もとでは落ち着きを取り戻してございます。
真ん中下、資金繰りも同様です。
他方で、こうした融資の結果、債務の過剰感についてのアンケート結果が右下ですが、コロナ後に債務過剰感があると答えた企業は2割程度存在している状況にございます。
5ページ目でございます。引き続き分析でございます。先ほど、借入金が増加していると申し上げましたが、同時に現預金も増加してございます。その結果、ネットで見た借入金は増加傾向とまでは言えないという状況にございます。これは下にございますとおり、手元に資金を確保しておきたいという判断から借りている事業者が多いことなどを表しているものと思われます。
右上、売上げの減少と表裏の関係にあると思いますが、業種別に返済月数を見ますと、飲食業や飲食サービス業で高水準となってございます。
6ページ目です。引き続き現状分析ですが、労働生産性の推移です。中小企業と大企業との差は、傾向として拡大をいたしております。
これを業種別に見ますと、右の棒グラフですが、宿泊業や飲食サービス業で生産性は低水準となってございます。
右下に、コロナの支援策と生産性に関する論文、幾つかございますので、その抜粋を記載してございます。例えば森川先生の分析によれば、コロナの前から生産性が低かった企業ほど、コロナの支援策を利用した傾向がある、コロナの支援策が市場による新陳代謝を弱めるリスクに注意する必要があるといった御指摘もいただいているところです。
これらの現状分析を踏まえますと、新型コロナへの対応といたしまして、各事業者の状況に応じた対策を行っていくとともに、同時に、生産性を向上させる施策と組み合わせていく必要があると考えております。
8ページ目を御覧ください。今後の中小企業支援の在り方についてでございます。これまで新型コロナ対応といたしまして、無利子・無担保融資、持続化給付金などの支援策を講じてまいりました。また、事業再構築補助金をはじめ、ポストコロナに対応するために、事業者の前向きな取組に対する支援を行ってきたところです。今後は、その流れをより一層推し進めていく必要があると考えております。
具体的には、右側に「今後の課題」とまとめてございますが、各種補助金については支援の重点化や内容の見直しを、これまでの融資により債務が過剰であるとお感じになっていらっしゃる事業者に対しましては事業再生の支援の強化を、事業承継のニーズに対しましては事業承継支援の強化を、それぞれ行っていく必要があると考えております。それについて順番に見ていきたいと思います。
9ページを御覧ください。まず、支援の重点化についてでございますが、事業再構築補助金です。こちらは思い切った事業内容の変更を行おうとする事業者に対しまして、手厚く補助する事業でございまして、こちらはその事業実態について分析したものでございます。
左下にございますとおり、事業再構築に要する費用といたしましては、100万円から5,000万円がボリュームゾーンという実態がございますが、この補助金の上限を1億円としていることによりまして、過大な投資を誘発しているのではないかという論点があると思っております。
また、右下にございますとおり、事業再構築補助金の業種別の採択状況を見ますと、製造業が最も多くなってございます。
一方で、実施・検討率を見ますと、1位が飲食店となってございますように、飲食業のニーズは非常に高いという状況でございまして、そうした適切な要件設定となっているかに関しまして検証が必要であると考えております。
10ページ目を御覧ください。ものづくり補助金についてでございます。ものづくり補助金は、中小企業の生産性向上に係る取組を支援することを目的とした事業です。
その執行状況を分析したのが、左側の円グラフですが、従業員ゼロ名、つまり、個人事業主に対する補助が1割程度あることをはじめといたしまして、小規模事業者の採択が多く、また、下の円グラフですが、過去3回、3年連続で採択されているなど、複数回採択の事業者も見受けられます。
右下に、また論文、幾つかございましたので、置いておりますが、こうしたものづくり補助金が、生産性向上に有意な影響を与えていないという研究もございますので、この補助金の在り方につきましては見直す必要があると考えてございます。先ほどもそうでしたが、この論文に関してはRIETIがまとめております。RIETIは、独立行政法人経済産業研究所のことでございまして、経済産業省の所管の独立行政法人でございますが、きちんと仕事をしているなという印象です。
次に、11ページでございます。事業再生支援の強化です。これまで御説明をいたしましたように、マクロで見た債務の過剰感は限定的でございますが、個別の事業者を見ますと、コロナによりまして債務が過大となった事業者も存在していると認識しております。
こうした事業者の事業再生を支援するためには、各事業者の状況に応じまして、これまで行ってきた資本性劣後ローン等の金融面での支援に加えまして、中小企業再生支援協議会による経営改善に向けた個別の支援が非常に重要であると考えてございます。
詳しくは12ページを御覧ください。
右側にございますように、中小企業再生支援協議会への相談件数が、足もとで大きく増加をいたしております。今後、この相談を受けて、再生計画の策定ですとか、リスケの支援などにつながっていくと想定をいたしております。全国で47の都道府県にそれぞれ設置されております中小企業再生支援協議会の体制を強化し、大きな債務を抱えた事業者の個別事情に沿った経営改善支援を行うとともに、日本政策金融公庫等による抜本的なリスケや事業再生ファンドによる債権買取などにつなげていくことが重要であると考えております。
13ページ目を御覧ください。最後に、事業承継支援の強化です。冒頭申し上げましたように、倒産は低水準に抑えられておりますが、一方で、休廃業や解散は増加傾向にございます。
右にありますように、創業や事業承継は、コロナの影響もあり、減少しているという状況にございます。
左下ですが、潜在的な事業譲渡のニーズは約60万社という試算もございまして、こうした事業承継の一層の促進が急務であると考えてございます。全国に47存在する事業承継・引継ぎ支援センターにおけるマッチング支援などによりまして、事業者の事業承継ニーズに応えるとともに、新陳代謝を促して、生産性向上につなげていくべきと考えてございます。
以上が中小企業に関する御説明でございます。
引き続きまして、エネルギー・環境について御説明をします。15ページを御覧ください。こちらは温室効果ガス削減をめぐる国際環境でございます。
まず、中央にある円グラフですが、こちらが足もと直近の状況でございます。現在の温室効果ガス排出の状況を見ますと、中国が28.4%、アメリカが14.7%。それからEUを飛ばして、インドが6.9%ということで、その3か国だけで半分以上占めているという状況にございます。日本は3.2%という状況にございます。
地球温暖化という地球規模の課題を解決していくためには、日本がCO2削減に向けて当然努力することが重要ですが、それ以上に世界各国の協調をいかに実現していくかが極めて重要であると考えてございます。
16ページを御覧ください。我が国の温室効果ガス排出量の推移と今後の目標でございますが、2014年度以降、6年連続で低下をいたしております。これを2030年度にはマイナス46%、2050年度にはカーボンニュートラルを達成するというのが政府の目標でございます。
カーボンニュートラルは、温室効果ガスの年間の排出量と吸収量がバランスした状態のことをいいます。
17ページを御覧ください。カーボンニュートラルに向けた対応でございますが、本年6月に改定いたしましたグリーン成長戦略に記載してございます。予算、税、金融、規制改革・標準化、国際連携といった、あらゆる政策を総動員していくということにしております。また、政府だけが頑張ってそれを実現できるというものではございませんので、世界全体で35.3兆ドルとも言われるESG資金、民間資金をいかに日本に取り込んでいくかという視点が重要であると考えてございます。
ここでいうESG資金とは、環境、社会、企業統治を考慮して行う投資に係る資金のことをいいます。
18ページを御覧ください。民間資金ですが、世界全体でも大きく増加をいたしておりますが、右側に日本の状況も書いてありますように、日本のシェアは拡大している状況にございます。
右側に具体例を記載してございますが、3大銀行の環境分野に関連する投融資だけでも、2030年度までに50兆円規模で行うと表明されておりますし、また、そうした流れを後押しする観点から、日本銀行も気候変動対応を支援するためのオペレーションを実施するとしてございます。このように、民間資金も大きく動きつつある状況にあると認識をいたしております。
次に、予算をめぐる論点について御説明をします。20ページを御覧ください。
温暖化対策に係る事業は、エネルギー対策特別会計において実施いたしております。主な事業は、省エネ・再エネ設備等の導入支援と、それから省エネ技術等の研究開発支援から成ります。現在実施している具体的な事業名が右側に記載してございますが、例えば、導入支援事業としては電気自動車の導入支援、研究開発としては洋上風力発電に関する研究開発などを実施いたしております。
具体的に見ていきたいと思います。21ページを御覧ください。まず、導入支援事業からでございます。
先ほど申し上げましたように、まだ普及していない省エネ設備などの導入を政府が支援することによりまして、その設備の価格が低下し、おのずと広がっていくことを目的といたしております。そのような政策目的を達成するためには、どの程度、温室効果ガスの削減効果があるのかという目標設定、それに向けた進捗管理は極めて重要なわけですが、実際の様々な事業を検証してみますと、左の表にありますとおり、目標値や進行管理が十分でないという事業が見受けられます。また、目標に対して、費用対効果が高い事業を集中的に実施していく必要がございますが、具体例を右下に写真つけておりますが、こちらは環境省の事業といたしまして、トラックのコンテナをたくさんつくることによって、トラックの荷待ち時間を減らして、CO2が削減されるという事業がございました。これは、いささか費用対効果の観点からは課題があると見られると考えてございます。
次に、研究開発について御説明をします。22ページを御覧ください。
省エネ技術の研究開発から商品化までを支援する事業でございますが、左下にありますように採択されたうち商品化に至ったのは24%程度となってございます。研究開発ですから、全てが成功するわけではございませんが、それでも、採択時の審査の精緻化、そして、きちんとした中間評価によりまして、商品化に至らないと見込まれるものは、途中で中止するなどの対応ができないものかと考えております。
また、右下にありますように、採択時の政策効果の見込みと実績に大きな乖離がございまして、この算出方法の厳格化というのも大きな課題であると考えております。
23ページが、設備投資支援、企業立地支援に関するものでございます。過去にリチウムイオン電池の投資支援を行った例を分析いたしました。
真ん中左側ですが、かつて補助金を出して投資支援をしたものの、実際の稼働率を見ますと、赤い枠で囲ってありますように、10%未満となっているのが約半分となっておりまして、十分に政策効果を達成できてないと考えております。そもそも補助金の採択が妥当であったか、補助金のために過大な投資を誘発したのではないかという検証が必要であると考えてございます。
こうしたことを起こさないためには、どういった国としての関与をすべきか、どのような補助要件とすべきかということをよく考える必要があると考えています。
右側は時間の関係で省略しますが、EU委員会の決定を参考にしております。
それから、24ページ目です。温暖化対策に関する財源ですが、石油石炭税を財源として現在実施をいたしております。今年度の税収見込みは6,060億円でございます。こうした財源を確保しつつ、温暖化対策を実施しております。
25ページ、最後のページですが、今年の「骨太」の抜粋です。カーボンニュートラルに向けて挑戦を続けるとした上で、必要な財源を確保しながら、脱炭素実現を徹底するとしております。
このカーボンニュートラルを含めた地球温暖化対策は、経済と環境の好循環を生み出す成長の原動力でございます。
ただ、公的資金に関する関与に関しましては、必要な財源をきちんと確保しながら、民間投資の誘発と社会変革に真につながっていくものに重点化をする必要があると考えております。CO2削減ということと、それから財政、いずれも持続可能なものとしていく視点が重要であると考えております。
以上です。
〔土居部会長代理〕ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明に関しまして、皆様から御意見、御質問などをいただきたいと思います。会場におられます方は、ネームプレートを立てていただき、テレビ会議システムを通じて御参加の方は、挙手するボタンを今のうちに押していただきますよう、お願い申し上げます。
私の議事の不手際であと残り4分ということになっておりまして、10名以上の委員の方から御発言ということでございますので、誠に申し訳ございませんが、2時半を超えることをお許しいただきたいと思います。
それでは、会場からまず参りまして、大槻委員から順番に御発言をお願いいたします。
〔大槻委員〕ありがとうございます。いずれも中小企業についてで、2点お願いします。
中小企業の、11ページ目の劣後ローン等の支援です。これについては、一時的に、これだけのショックがあったということでは、必要だったと思いますが、やはり、資金で安心を与えたとしても、そこの業界、業態にとどまることがオプティマルなのかどうかということは、場合にもよるかと思いますので、今後これについては、デットガバナンスをしっかりと利かせて、より良い資源配分に配慮していくべきであると思います。
それから、6ページ目の労働生産性格差についてですが、これについてはデジタルの格差で、今後ますます拡大するのではということを懸念しております。どうしてもデジタルは、やってみないと便利さも分からないということで、資金面の支援だけでは足りないと思っておりますので、これについては、ハンズオンでしっかりと、まず、どれだけ便利で効率的になるかを説くことから、導入支援、利用方法まできめ細やかな支援ということをお願いしたいと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕平野委員、お願いします。
〔平野委員〕ありがとうございます。いろいろ言いたいのですが、1点だけに絞ります。環境エネルギーです。
脱炭素の実現に向けた国家的な計画の策定、そして、それに連動した形での財源、コスト負担の議論、これを積極的にやるべきであるという話です。
現在、CO2多排出産業を中心に、予想される技術革新を織り込んだ産業ごとのロードマップの策定作業が経産省を中心に進んでいます。これは大変結構なことであると思います。
今後は、民間部門で、恐らく、その他の産業の自主計画が策定されていく。それを統合して、日本全体のロードマップ、そして、それに伴って起こるであろう産業構造の将来像を戦略的に策定する必要があります。
この財審の関係でいえば、最後のページでも先ほど御説明ありましたが、それとまさに連動する形、つまり、パッケージとして脱炭素社会あるいは経済への移行に伴う巨額のコスト、これをいかに各主体で分担するのか、そして必要な政府支出の財源についての議論をまとめ上げていく必要があるということです。
例えば、経産省と環境省で別々に今、カーボンプライシングについての議論が進められています。定義としては、「成長に資する」ものに限るということで、例えば痛みを伴う炭素税であるとか、排出量取引制度の導入、あるいは拡大に関する結論をいつまでも先延ばしにしていてよいのか。資料の17ページにあるとおり、これだけ困難な課題に取り組むためには、政策の総動員が必要であって、先ほど述べた財政資金の投入と併せて、それを賄うための財源を手当てするための仕組み、この中には、カーボンプライシングだけでなくて、グリーンボンドなんかも入ってくると思います。これについては、財務省にぜひ努力をしていただきたいと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕神子田委員、お願いいたします。
〔神子田委員〕ありがとうございます。環境政策は、地球環境のサステナビリティを問うもので、そのための技術支援とか事業支援に、いろいろな予算が要るということですが、一方で、財政のサステナビリティということも問われているということです。
先ほど21ページにあったコンテナの費用対効果が高くない予算ですが、何でこのようなものに予算をつけてしまったのだろうという感想があるのですが、やはり財政のサステナビリティを担う官庁としては、何かもっと積極的に環境省とか経産省がやっていることに、予算の要求が来てからではなく、その前にもう少し関心を持って、環境のサステナビリティと財政のサステナビリティを両立する上で、どういう考え方に立つべきなのか。そうした中から、財政効果の高い事業は何なのかとか、あるいは環境省と経産省の間で、こうした事業はもう少しこのようにやったら、より財政を効率的に使えるのではないかといった行司役も果たせると思うし、共にサステナビリティ官庁として、もう少し積極的に関わっていったら良いのではないかと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕それでは、佐藤委員、お願いします。
〔佐藤委員〕ありがとうございます。まず、ものづくり補助金とか、9ページに事業再構築補助金の話が出ていますが、いずれも補正予算で従来措置されてきたものですよね。もし事業再構築補助金が今後も続くということであれば、これは本来、当初予算で対応すべきではないかと思うのが1つ。
それから、ものづくり補助金であれ、今申し上げた補助金であれ、中小企業庁の意図は、中小企業の付加価値の増進であるとか経営体質の改善とかかもしれないが、受け取る中小企業の意図は新しい補助金であるとすれば、補助金慣れというか補助金漬けというか、そうしたものがむしろ蔓延するようになりかねないということになりますので、やはり効果の事後検証を徹底的にするとともに、補助金の趣旨というのを、特にリピーターはなしであると思います。補助金をもらっている法人はいるんです。ものづくり補助金を何回ももらっている人。なので、少なくともリピーターはなしで、1回限りの補助金でやるのが本来の趣旨かなと思いました。
それから最後に、例の地球温暖化対策、温対税の話ですが、やはりこれから地球温暖化は、カーボンゼロに向かって、やはり温対税というか、環境税を引き上げていくという経緯があると思いますが、それがそのままエネルギー特会の財源となってしまえば、さっきのコンテナではありませんが、もっと面白いすごい事業が出てくると思うので、それをやめるとして、やはり環境税はあくまでも一般財源であるという位置づけで、環境対策の財源は環境対策の財源として本来査定して考えていくというのが正しいのではないかと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕熊谷委員、お願いいたします。
〔熊谷委員〕大きく2点申し上げます。まず、1点目は財政規律の維持ということですが、そもそもグリーン化の最終的な目標は持続可能な社会をつくることですから、その財源を赤字国債であるとか次世代へのツケ回しに求めれば、これは到底持続可能な社会にならないわけですので、そうしたお金でグリーン化を行うということ自体が、やはり論理矛盾なのではないかと考えます。
その意味では、ペイアズユーゴールールをしっかりと貫くとともに、戦略分野にワイズスペンディングを行っていくべきです。前回も議論が出ましたが、やはり縦割りを排して、政策の全体像を見える化することが肝要です。幾らの予算を投入して、どれだけCO2排出量を減らしたか。そうした姿を全体としてモニターする仕組みをつくることが必要であって、例えばグリーンGDPのようなものも一考に値するのではないかと考えます。
2点目は、他の先生方からも言及がございましたが、カーボンプライシングでございますが、私はやはり炭素税であるとか排出権取引などは、しっかりと議論を進めるべきだと考えておりまして、ただ、制度設計に当たっては、民間企業に対するペナルティーではなくて、企業の主体的な取組を促すようなインセンティブとして機能させるべきだと思います。
私からは以上2点でございます。ありがとうございます。
〔土居部会長代理〕ありがとうございました。
それでは、テレビ会議システムで御参加の方に、続いて御発言いただきたいのですが、まず、小林慶一郎委員がお早くお出になられるということなので、最初に、御発言をお願いいたします。
〔小林(慶)委員〕すみません、御配慮いただきまして。
今、1点だけ申し上げたいと思います。中小企業の過剰債務問題についてということです。5ページのあたりで書かれておりますが、例えば5ページには債務も増えているが、預金も増えているということで、ネットではそれほど増加傾向にないと言われますが、やはり、借入れを増やしている企業と、それから預金を増やしている企業は当然違っているだろうということから考えますと、相当、過剰債務の問題は深刻なところは深刻であると思います。この後の資料にも出てくるようにゾンビ企業になり、そうしたものを延々と支援するということは望ましくないので、早い段階で債務のリストラクチャリングを政策的に推進するということが必要であると思います。
この資料の中でも書かれていた中小企業再生支援協議会などの体制強化も必要ですが、同時に、やはり債務のリストラをやろうとすると、倒産処理、あるいは債務の減免が必要になってくる。金融機関からいえば債権放棄、債権の株式化ということになって、これは金融機関に対して損失が出てきますから、債務のリストラを進めるべき金融機関に対する支援の政策、要するに資本増強とか資金贈与のような金融機関に対する支援政策と、中小企業の事業再構築は一体でやる必要があると思います。そうした意味で、経産省だけではなくて、金融庁を巻き込んだ地域金融機関への支援と、それから地域の中小企業への支援を一体として進めるような政策スキームを、ぜひ考えていただきたいと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕ありがとうございました。
それでは、残りのテレビ会議システムで御参加の方々の御発言をお願いしたいと思います。神津委員、河村委員、福田委員、横田委員、上村委員の順に御発言をお願いしたいと思います。
それでは、神津委員、お願いいたします。
〔神津委員〕ありがとうございます。エネルギー・環境で一言申し述べたいと思います。
我が国として、カーボンニュートラルをどうやって実現していくのか、大変大きな問題ですが、お題目に陥らずに、具体的な財源の裏づけを含めて、産官学が本当の意味で、目標とそこに向けたステップの考え方を共有する必要があると思います。欧州をはじめとした先進諸国、あるいは中国等の主要排出国、大変したたかな対応で、自らの産業を守りつつ、国際社会でのリーダーシップをアピールしているわけです。我が国において、今後の具体策として何が打ち出されるか、こうしたことをめぐって、関係する各産業も、ある意味生き残りをかけています。当然、これは暮らしや雇用も大きく影響されるということも踏まえていく必要があると思っています。
そのシナリオや取り得る具体的措置の明示など、一定の予見可能性に根差した環境づくりも重要です。イノベーションの源泉である人材育成、これは極めて重要です。雇用の公正な移行、すなわち労働移動と生活保障をパッケージにしたセーフティーネットの構築は不可欠であるということも、併せて考える必要があると思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕河村委員、お願いします。
〔河村委員〕ありがとうございます。中小企業と、それからグリーンのところで1点ずつ申し上げたいと思います。
中小企業については、コロナ後の最近の経済動向を見ていますと、やはり成長がぐっと戻ってきているアメリカなどと動きが違います。アメリカなんかであるとスタートアップが本当に既往最高ぐらい出てきて、新しいビジネスチャンスをつかまえて、雇用も日本と全然違うわけですが、どんどん動いていく。そうしたところから成長が生まれてくることがありますので、やはり対応の仕方がすごく重要な局面になってきているのではないかと思います。ですので、主計官から御説明ありましたが、やはりどうやっていくのか、このタイミングで、事業の再構築であるとかものづくり補助金とか、やはりよほどやり方、スキームを工夫しないとうまく回らない。前回のリーマンショック後の対応を見ても、日本だけだらだらと支援を続けたのが、結果的に成長率が上がらなかったところにつながった大きな要因の1つではないかと思いますので、やはりこうしたところ、今回打ち出されている内容を後押ししていくことが必要であると思います。
グリーンのほうは、私もやはりカーボンプライシングについて申し上げたいと思います。御説明がありましたように、費用対効果の高い案件への重点化を図ることが重要、本当におっしゃるとおりであると思います。何でもかんでもCO2の排出削減につながることをやればよいというようなところが、この国は少しそうした風潮があるような気もしますが、決してそんなことはない。それはヨーロッパなんかで、何でこれだけ設備投資競争が活発になっているかというと、やはりカーボンプライシングがしっかり入っているということが、大きいと思います。ですので、日本の場合でも、それに必要なための財源をどう確保するかということももちろん大事ですが、何か財源論だけだったら、ほっといてもよい、またいつもの赤字国債でというような安易な論調もなきにしもあらずであったりして、それだけではなくて、やはり炭素の価格付けということをしっかりすることによって、一体どれだったら設備投資をやはりやる意味があるのかとか、こんなにコストをかけてしまったら、やはり少し考えてしまうということ、そこら辺の判断基準がしっかりできることになると思いますので、CO21トン当たりの温対税は289円であるとかという話で、これは世界的に言われているいろいろな炭素価格とは全然違いますよね。IEAは1万5,000円であるとか、OECDが社会的なコストといっても6,000円ぐらいと言っていると思いますので、かけ離れている。やはりそうしたところをきちんと入れていくことによって、そこに炭素税があり、そして排出権取引もあると、企業が設備投資をうまいこといけば、逆に言うと、自分のところの炭素税を節約できるだけではなくて、すごいビジネスチャンスになるわけですよね、排出権取引を通じて。そうしたメカニズムでヨーロッパなどの取組が活発化しているのであるということを、もっとやはり前面に出して、日本としても前向きに取り組んでいくことが必要ではないかと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕福田委員、お願いいたします。
〔福田委員〕私も中小企業の支援に関するコメントをさせていただきたいと思います。これまでの倒産しないような補助金から、前向きの事業再生支援へ移行という動き自体は、私は良い動きではないかとは思います。最終的には、我々は資本主義経済に生きているわけですから、やはり最終的には民間の企業を民間金融機関が支援できるような呼び水効果としての支援ということが大事です。いつまでも補助金で支援し続けるというわけではなくて、これを呼び水にして民間の事業を、金融機関がサポートできるような支援の在り方が、ワイズスペンディングと言えるのではないかと思います。
そうした点でいうと、金融機関は債務残高が増えている割には不良債権が懸念されてないわけですが、それはある意味では、融資が保証されていたりするという現状から起こっています。そういう意味では自らがリスクを必ずしも取って融資話をしてないということもありますので、金融機関がなかなか積極的にこうした事業再生支援に関わらないのではないかという懸念もむしろあります。こうした支援策等を通じて、やはり最終的には民間の事業者の再生も支援したくなるような事業流れを作っていく、そうした補助金の仕組みが大事だろうと思います。
以上でございます。
〔土居部会長代理〕横田委員、お願いいたします。
〔横田委員〕ありがとうございます。私も中小企業支援についてです。方向性については賛成ですし、現状分析等々非常に参考になりました。その上で1点注文となります。
給付対応を進めてきたのですが、そろそろ事後検証も併せてやっていただきたいところです。倒産件数は低水準ですが、休廃業は増えていますし、今後増加の可能性が高いとは思います。なので、緊急支援がコロナ禍でなされて、一部存在するであろうもらい得や、無用な支援を経ての廃業は避けるべきで、真に支援を求める層にきっちり対応できるような、さらに施策の複合的活用を含めて、現状分析をしてほしい。
例えば、法人番号を使うと、どの給付金を使った、補助金を使って、補償金使ってというところが、状況も理解した上で倒産をしたり、リスケの要望をしているところはどういう状況にあるのかを一遍まとめたほうが良いのではないかと思います。今後支援するにしても、デジタル化などにより生産性向上や事業再構築意欲が高いところに絞ってできるように、現状分析を進めていただきたいと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕上村委員、お願いいたします。
〔上村委員〕上村です。簡単に述べます。2ページ、中小企業政策の考え方が格差是正から成長促進へ変わってきたことについては、望ましい変化であると思います。
6ページのコロナ対策支援策、10ページのものづくり補助金など、中小企業の成長促進という観点からの分析を紹介していただきました。こうした分析を蓄積して、政策に用いていくことが重要であると思います。併せて中小企業税制の在り方についても、検討の余地があるかと思います。資本金で区分された軽減税率や中小企業向け租税特別措置が、成長促進という観点から見て望ましいのかという点について検討の余地があると思いました。
21ページの省エネ・再エネ設備等の導入支援についてです。この事業のみならず、CO2削減コストの事業については、削減コストを行政事業レビューシートに記載することを義務づけて、事業の優先順位づけに使うことを強く言うべきであると思います。
また、事業の採択基準についても、削減コストをより一層活用すべきであると思います。
最後、24ページですが、佐藤委員もおっしゃっていましたが、今後、地球温暖化対策税を引き上げていくという場合については、私も特別会計ではなく一般会計の財源として活用すべきであると思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕それでは、会場に戻りまして、大変お待たせいたしました、安永委員、お願いいたします。
〔安永委員〕グリーンに関して、2点申し上げたいと思います。
先ほど平野委員の言われたカーボンニュートラルに向けてのロードマップが重要で、これに財政をいかに連動させるかが、本当に日本の2050年に向けた産業の死活に関わる問題であると我々は思っています。その中で、やはり考えていただきたいのは、日本の再エネの適地が少なく、グリッドが独立していて脆弱であること。それから原子力を含め、かなりのエネルギーミックスの実現に制約がある中で、明らかにヨーロッパに比べても高いコストを払わなければ、46%、2030年の数値ですら実現できないというのが日本の実情です。そうした中で過度の税を、現状CO2を排出している企業に課すとすると、やはり産業競争力の問題、それから最終的には雇用の問題に直結すると危惧しています。これをいかにバランス良く、経済の安定的成長と併せて脱カーボンをやるかということについて、各国の知恵が問われているわけで、ぜひ、欧米が何兆ドルという単位での先行投資を官が中心になってやろうとしている仕組みを研究していただいて、もちろん産官学が人と金と知恵をここに集めなければいけないのは間違いないのですが、過度の財政健全策のために、我々が今やるべきことを怠らないように、ぜひ考えていっていただきたいと思います。
もう1点は、説明の中にもございました、アジアにおいていかに脱カーボンをやっていくかというのが、まさに重要で、やはり日本が今まで政府開発援助等を通じて支援してきたアジア諸国でいかにして、2国間クレジット等を使いながら、新興国のカーボンを減らすことに日本が貢献し、それを2国間クレジットで取り込むような仕組みをつくるか、そうした環境整備はぜひお願いしたいと思っています。
以上です。
〔土居部会長代理〕広瀬委員、お願いいたします。
〔広瀬委員〕ありがとうございます。中小企業について、いろいろ分析をしていただきまして、実は私も少し誤解していたところがあったのですが、非常にクリアになって、ありがとうございます。
この1年半、緊急対応的な財政支援をしてきたわけですが、いろいろな問題、制約がある中で、私はおおむねうまくいってきたのではないかというか、むしろ、相当うまくやっていただいたのではないかと思っております。いましばらく、やらざるを得ないと思いますが、そろそろポストコロナをにらんでということについては大賛成ですし、具体的な対応策についても賛成ですが、1つ加えますと、今まで中小企業は生産性が低いという、一番大きな理由は、やはりデジタル化が進んでなかったということ。今回のコロナで、否応なく中小企業もデジタル化を進めてきたわけで、そうした面で、先ほど大槻さんからもお話がありましたが、これを元に戻さない、あるいは定着させるように、さらに言えば、さらに進めていけるような、そうした支援の在り方が、中小企業対策としては大きなポイントになるのではないか。
それからグリーンに絡めて言えば、まさに中小企業も、これからグリーン対策が非常に大きな課題になります。もちろん大企業からまず始めていくわけですが、そうした中で、このグリーンを中小企業の中で、今後どのような、やはりデジタルとグリーンということになると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕中空委員、お願いいたします。
〔中空委員〕ありがとうございます。手短に申し上げます。まず、中小企業からですが、日本はどうも現状維持のために財政を使ってしまう嫌いが大きくなっていて、結果無駄が多くなっていると思います。例えば、中小企業はどれぐらいの割合が必要か、そうしたグランドデザインに基づいて、ものづくり補助金も含めて考えていく、見直していく必要があるのではないかというのが1点目。
2点目はグリーンについてですが、取りあえず扱いが小さ過ぎると思います。ほかの国の予算は、ほかの項目も入っているので、グリーンの真水は遜色ないのであるという説明になるかと思うのですが、日本がどれだけこれに真剣味を増して取り組んでいるのかということを説明していく上では、見せ方の工夫はとても必要ではないかと思います。
先ほど主計官から、サステナブルファイナンスの資金を日本に取り入れていこうとおっしゃっていて、本当にそうであると思います。しかし、残念ながら今のままでは他国のプロジェクトに向けて払ってばかりで、とても日本には資金が入ってこないと思います。なので、どうやって資金を取り込むかということについては、別途税制なども含めて考えていく必要があると思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕宮島委員、お願いします。
〔宮島委員〕私も多くの委員とかなり似ているので簡単に。
中小企業などに関しては、コロナに対応して、コロナ前の様々な税制とか補助金にしても、本当に様々なものが出ていると思うのですが、それをやはり丁寧に整理して、どれは効いて、どれは効かないのか、どれとどれはダブっているのかということを、相当きちんと評価して、それぞれが前に進めるものなのかということをやっていただきたいと思います。
エネルギーに関しましては、とにかくかなり背伸びしてやるために、国のお金が必要なことは分かるのですが、どれを国のお金でやって、どれは民間資金を思い切り使うかということをはっきりする。特にトランジションの部分に関しては、ムーンショットとか、国がやらなければ誰も出てこないものとは違うと思いますので、その役割分担も非常に重要であると思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕末澤委員、お願いします。
〔末澤委員〕先週28日、バイデン大統領が、彼が進めていますビルド・バック・ベター・アクトを上院で通すために大幅な妥協を図りまして、1.75兆ドルに半減。また、プラス移民対策1,000億ドルということで、1.85兆ドルのビルド・バック・ベター・アクトに修正する案を出しています。
問題は、これに対して一応財源として10年間に2兆ドルの案を示しています。実際実現できるかどうか分かりませんが、やはりこうした中長期的な歳出とやはり歳入、2つのプランを見せた上で進めていかないと、恐らく民間企業もついてこられないのではないかと思いますので、我が国でもそうした対策を求めたいと思います。
以上です。
〔土居部会長代理〕遠藤委員、お願いいたします。
〔遠藤委員〕先ほどの議論と重なりますが、ESGとかSDGsのほうで、民間が、それを非常に成長の活力にすること、ビジネスを行うことについては、何ら異論もありませんが、国の財政が出ていく分野については、やはり慎重な議論が必要だろうと思います。
先般、昨年だったと思うのですが、冨田委員が、産業界よ恥を知れというきつい言葉をお使いになったのが非常に印象的だったのですが、そう意味では、民間の自助努力で行われるべきところは、しっかりとそれを果たしていくという、その切り分けが必要であると思います。
今回の財審の議論で、2つ、大きく欠けているのが、電力の安定供給の部分と、それに伴う国民負担の問題であると思います。今年の年明け、年末から今年の年明けにかけて、LNGの不足で、非常に停電の危機に瀕しました。今年もまた、これから年末にかけては、更に厳しい状況になります。原油高とLNGの高騰です。LNGはもう日本ではなく中国が一番の調達、需要先となってしまいましたので、そうした買い負けの部分も含めて、そうなりますと、日本は今の安定供給の状態、エネルギーミックスの状態からすると、電力料金の高騰があって、国民負担が増えるということになります。
そうすると、財源として出てきたような温対税の上昇させる議論とか、そうしたところにも支障が出てくると思います。ですので、そうしたいわゆる国民の負担も全体的に見ながら設計していく必要があると思いますので、グリーンとかカーボンニュートラルとかいう、ある種の政治へのお付き合いの部分は非常にあるとは思うのですが、財政当局としての、国民の負担については、しっかりと目を配るべきであると思っております。
以上です。
〔土居部会長代理〕ありがとうございました。
それでは、最後にテレビ会議システムで、堀委員から御発言がありますので、お願いいたします。
堀委員、どうぞ。
〔堀委員〕手短にお話しします。先ほどからもお話があった環境と財政のサステナビリティというのも、両立するのは重要であると思うのですが、同時に、産業として持続できるのかという視点も含めて確認する必要があるのではないかと思います。といいますのは、脱炭素社会に向けて水素エネルギーが非常に、CO2のところからも非常に世界的にも注目を浴びていると思うのですが、日本ではかなり普及していない。恐らく、普及していないことには、何かしらのボトルネックがあるのであると思います。
また、先ほど商品化が進んでいないというお話もグリーンのところでありましたが、商品化につきましても、開発のところが問題なのか、あるいは導入のところが問題なのかが、今の段階でもし分かれば教えていただきたいと思うのですが、そこのところをもう少し分析していかないと、先ほどから委員の皆様からもありましたが、何に積極的に国が投資すべきなのか、あるいは国ではなく民間に自然に任せたほうが良いのかの判断は難しいと思いますので、そこのところは分かるようにしていただけると良いのではないかと思いました。
以上です。
〔土居部会長代理〕ありがとうございました。
それでは、時間を大変大幅に超過いたしまして、申し訳ございませんでした。本日の議題はこれにて終了させていただきたいと思います。
本日の会議の内容につきましては、会議後、記者会見で御紹介することとさせていただきます。会議の個々の発言につきましては、皆様から報道機関関係者にお話しになることのないようお願い申し上げます。
次回は11月8日月曜日13時から財政制度分科会を開催し、社会保障について審議する予定でございます。
それでは、本日はこれにて閉会いたします。御多用中のところ、ありがとうございました。
午後3時00分閉会