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財政制度等審議会 財政制度分科会 歳出改革部会
〔議事要旨〕

 

1.日 時 令和元年10月17日(木)13:30~15:30

2.場 所 財務省第3特別会議室(本庁舎4階)

3.出席者

(委員)
遠藤典子、武田洋子、中空麻奈、増田寛也、宮島香澄、秋池玲子、河村小百合、木村旬、末澤豪謙、竹中ナミ、田近栄治、田中里沙、冨田俊基、広瀬道明、別所俊一郎、神子田章博、村岡彰敏、横田響子(敬称略)

(オブザーバー)
大槻奈那、黒川行治、平野信行(敬称略)

(財務省)
藤川副大臣、宮島大臣政務官、太田主計局長、阪田主計局次長、角田主計局次長、阿久澤主計局総務課長 他


4.議 題

○ 事務局説明

  • 農林水産
  • 社会資本整備

5.議事内容

○ 本日は、「農林水産」「社会資本整備」について、事務局から資料に基づいて説明があったのち、質疑を行った。
○ 各委員からの質疑や意見は以下のとおり。

【農林水産】

<委員からの御意見>

  • 農業を成長産業としていくにあたり、補助金の見直しの議論ではなく、補助金をどのようになくしていくかを考えていくべき。将来的に、財政投融資という公的支援に依存するのではなく、民間銀行の融資で十分やっていけるようになる必要。
  • 農業分野における予算付けにおいては変化していく方向に向かっていく人を応援するという観点を第一にするべき。初期投資や災害リスクもある中、今の支援だけではなく、長く農業に従事する人からの継承など、もう少し幅広く後押しする取組が必要。
  • 政策的に演出された農業から、市場に向いた農業に転換するにあたり、補助金によって、適切に誘導する必要。
  • 飼料米などへの転作支援に偏りすぎている部分を調整して、稼げる農業にシフトする必要。将来的には自立的であるべきだが過渡期として、補助金などによるインセンティブも必要。
  • 災害面も含めて持続可能性を高めなければ、若い新規就農者を確保できない。今後10~30年にわたって国際競争力を保てるように国として支援すべき。
  • 自由貿易の中で関税を引き下げてくことも農業にとって重要。関税で農業者を一律に守るよりも、厳しい財政の中で予算の効率化を図りつつ、ポイントを絞った財政支援を行っていくべき。
  • 農業は本来的に労働集約的だが、少子高齢化、グローバル化が進んでいる。オランダは花や野菜を強みとしているように、持続可能性のためには日本にも強みが必要。
  • 輸出先はアジアが多いが、香港・中国など、これから所得が伸びていく国に、高品質の日本の農産品を輸出していくことを後押しすべき。
  • 今の農業を将来の稼げる農業に変えていくためには、財政的な支援のスクラップアンドビルドを行う必要。水田作に多額の補助金が投入されているが、将来のビジョンを描いて優先順位付けをする努力が必要。
  • 食糧安全保障の問題については、食料自給率だけではなく食料自給力の観点も見据え、どのように国のリソースを割くべきかを考え、来年、基本計画の見直しを行うべき。
  • 食料資源とエネルギー資源はリンクしており、農業への投入エネルギーを少なくするという観点のみならず、農業・林業の分野において、エネルギー問題の解決に貢献するという視点も重要。


【社会資本整備】

<委員からの御意見>
  • ストックの長寿命化、維持コスト縮減は、これからの日本において重要。
  • 「量」をいたずらに拡大する状況にはなく、「使い方」を改善して既存ストックを最大限活用していくことが必要ではないか、という考え方が重要。
  • 人口減少の中で、インフラの新設に資源配分をしていていいのかどうか考えるべき。
  • マクロ的に見ると、戦後復興して、人口増大化してきた時代の社会資本充実のイメージを変える必要がある。最適化が重要であり、既存のインフラを見直して、いかにオプティマイズするかが重要。
  • コンパクト化するとともに、どうやってインフラを維持するかという観点から考えていく必要。
  • ソフト面を今後しっかり検討していく必要。土地利用のあり方の見直しが課題。
  • 治水の事例では、ハードだけでなくソフトの面でも考えていく必要。今回の台風19号で被害にあった場所のほとんどがハザードマップで示された区域であって、適切な避難ができていれば被害も抑えられたという指摘もある。
  • 異次元の災害の場合は、スーパー堤防があっても自然の猛威には追い付けない。まずは、ハードについて、優先順位をつけることに賛成。それでも予測できない浸水は起きる。こうした中で、人命を守るためには、ソフト面の充実が重要。
  • ストックの選択と集中が不可欠。ソフト面でも従来と違う対応が必要。日本全国で避難勧告等が出ているが、百聞は一見にしかず。自分で映像を見れば危ないとわかる。
  • 下水道の料金について、経費回収率が低いことが地域住民・自治体に認識されていない。地方の公費で赤字を消している状態。前回の建議で汚水処理の集合処理から個別処理へと指摘したが、コンパクト化する方向で多くの方に理解してもらう必要。

(以上)