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財政制度等審議会 財政制度分科会
法制・公会計部会
議事録

令和7年9月29日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 法制・公会計部会
議事次第

令和7年9月29日(月)16:02~16:33

於 Web開催

1.開会

 

2.議題

  • 〇 部会長代理の選任について
  • 〇 「独立行政法人会計基準」等の改訂について

3.閉会


配付資料

資料1 「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」に係る共同ワーキング・チームにおける検討結果等(報告)
資料2 改訂案に係る意見募集(パブリックコメント)及び各府省等意見照会の概要
資料3 独立行政法人会計基準の改訂について(案)
資料4 「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」の改訂案
資料5 「独立行政法人会計基準」及び「独立行政法人会計基準注解」の改訂案の新旧対照表
資料6 法制・公会計部会委員名簿

 

4.出席者

部会長
部会長代理
委員


臨時委員

藤谷 武史
黒川 行治
小林 慶一郎
土居 丈朗

赤井 伸郎
大塚 成男
佐藤 綾子
宍戸 常寿
関根 愛子
滝澤 美帆
福田 慎一
山内 暁
山﨑 聡一郎


           中山主計局次長
           菅野総務課長
           山岸司計課長
           原田法規課長
           浅賀調査課長
           小田切公会計室長
           柘植会計制度調査官
           奈木野課長補佐
           <総務省行政管理局> 
           髙松管理官
           中山副管理官
   
           
          

午後4時02分開会

〔 小田切公会計室長 〕 
 それでは、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会を開催いたします。皆様におかれましては、ご多用のところ、ご出席いただきましてありがとうございます。

 本日は、ウェブ会議システムを活用したオンライン形式にて会議を開催させていただくことになりました。委員の皆様方におかれましては、他の委員の方に音声が明瞭に伝わりますよう、できるだけパソコン等のマイクに近づいてご発言いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 まず、本年4月に開催されました財政制度分科会におきまして、藤谷委員が部会長として指名されましたので、ご報告いたします。

 それでは、ここから藤谷部会長に議事進行をお願いいたします。

〔 藤谷部会長 〕 
 法制・公会計部会長にご指名いただきました藤谷でございます。昨年度に引き続きまして、よろしくお願いいたします。

 まず、本日の議題に入ります前に、今回より新たに山﨑委員に審議に加わっていただくことになりましたので、ご紹介いたします。それでは、山﨑委員、一言ご挨拶いただけますでしょうか。

〔 山﨑委員 〕 
 ご紹介いただきましてありがとうございます。日本公認会計士協会で公会計の担当理事をしております山﨑と申します。前回までの金子に引き続いて、今回から私が参加させていただくことになりました。よろしくお願いいたします。

〔 藤谷部会長 〕 
 ありがとうございました。

 続いて、本日の委員の出席状況、そして、資料の確認を事務局からしていただきます。小田切室長、よろしくお願いいたします。

〔 小田切公会計室長 〕 
 改めまして、公会計室長の小田切でございます。本年度もよろしくお願いいたします。

 本日は、委員の皆様方におかれましては全員に出席をいただいております。配付資料につきましては、議事次第の2ポツのとおりでございます。

〔 藤谷部会長 〕 
 続いて、事務局より事務局職員のご紹介をしていただきます。

〔 小田切公会計室長 〕 
 事務局職員の異動がございましたので、紹介させていただきます。

 次長の中山は、追ってご出席させていただきます。

 総務課長の菅野でございます。

 法規課長の原田でございます。

 司計課長の山岸でございます。

 調査課長の浅賀でございます。

 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。なお、本日は、総務省より髙松管理官と中山副管理官にご出席いただいております。

〔 藤谷部会長 〕 
 ありがとうございました。

 それでは、本日の議題ですが、まず、当部会の部会長代理の選任を行います。続いて、独立行政法人会計基準等の改訂について、事務局からの説明と、それについての質疑応答を行う形で進めさせていただきます。

 では、議事に入る前に、中山主計局次長からご挨拶がございます。中山次長、よろしくお願いいたします。

〔 中山次長 〕 
 本日は、お忙しい中ご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。この夏の人事異動におきまして法規課公会計室の担当をさせていただくことになりました次長の中山でございます。当部会の運営に当たりましては、部会長、部会長代理をはじめ、各委員の先生方に一方ならぬお力を賜っており、誠にありがとうございます。また、今回新たに加わっていただきました山﨑委員におかれましても、どうぞこれからよろしくお願いいたします。

 国民の財政への関心が高まっている中、国の財政状況について、より一層の理解を深めていくためにも、財務書類の果たす役割は大きな意義があるものと考えております。これまで委員の皆様方には熱心にご議論いただき、そして改善点等を様々ご指摘いただきまして、パンフレットの記載内容を年々改良し、より一層充実したものにできていると感じているところでございます。まず、厚く御礼申し上げたいと思います。

 今回の議題であります独立行政法人会計基準等の改訂につきましては、実を申しますと、かつて総務省で独法担当の管理官を務めていたことがございまして、今回、公会計室担当次長という形で本件に携わることとなり、感慨深いものがございます。改訂案について、これから事務方よりご説明させていただきますが、ご議論いただき、引き続きご指導いただきますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

〔 藤谷部会長 〕 
 中山次長、ありがとうございました。

 続きまして議題に入りますが、初めに部会長代理の選任を行いたいと思います。本件につきましては、財政制度等審議会令第7条第5項の規定により、部会長が指名することとされています。

 部会長代理には、前部会長代理の黒川委員にお願いしたいと思いますが、黒川委員、よろしいでしょうか。

〔 黒川委員 〕 
 黒川です。謹んでお受けいたします。

〔 藤谷部会長 〕 
 お引き受けいただきまして誠にありがとうございます。それでは、部会長代理は、昨年度に引き続き、黒川委員にお願いしたいと思います。

 続きまして、独立行政法人会計基準等の改訂について、事務局から説明をお願いいたします。

〔 小田切公会計室長 〕 
 私のほうから、事務局より説明させていただきます。ウェブの接続が安定しない状況ということもございまして、カメラオフの状態でご説明させていただきます。

 まず、お手元資料の1、「独立行政法人基準」及び「独立行政法人会計基準注解」に係る共同ワーキング・チームにおける検討結果等(報告)を用いて、会計基準改訂の経緯と内容のポイントを簡潔にご説明させていただきます。

 まず、1ページ目「1 会計基準改訂の経緯等」です。独立行政法人会計基準では、独立行政法人が中期計画に沿って通常の運営を行った場合、損益がニュートラルになるような仕組みとするため、企業会計原則における期間損益計算に合理的な修正を加えた損益計算が導入されており、この修正の考え方は、損益均衡(損益ニュートラル)と呼ばれ、維持されてきました。ただし、一部の取引について、本来は損益均衡を確保すべき取引であるにもかかわらず損益均衡が確保されていない等の状況が見受けられていたことから、今般、必要と考えられる独立行政法人会計基準の改訂について検討を行いました。

 また、企業会計においてリースに関する会計基準が公表され、企業会計基準の趣旨、会計処理及び開示に鑑み、独立行政法人会計基準に反映すべきか否かについて検討を行ったところです。

(インターネットの接続不良により一時中断、復旧後に説明を再開)

これらの検討を行ったところ、2ページから4ページに記載の「2 改訂案の主な内容」の基準改訂を実施したいと考えております。

 まず(1)番、損益均衡に関する会計処理の「ア「資産見返負債」の名称変更等」につきまして、独立行政法人に固有の勘定科目である資産見返負債について、財務情報の利用者の分かりやすさを確保する観点から、損益均衡を図る目的で収益の計上を繰り延べている性質を表す名称に変更することを予定しております。具体的には、中分類である「資産見返負債」が「資産に係る繰延収益」に、勘定科目である「資産見返運営費交付金」等が「繰延運営費交付金(資産)」等に変更になります。

 続いて、「イ 前払年金費用計上時の損益均衡の確保」です。年金資産が退職給付債務を超過したことに伴い前払年金費用を計上する場合においても、「退職給付引当金見返に係る収益」を前払年金費用と同額取り消すとともに、これに対応する「繰延運営費交付金(前払年金費用)」を計上することになりました。

 次に、「ウ 自己収入を財源とする取引から生じた資金の裏づけがない前中期目標等期間繰越積立金の取扱い」です。本来はその取崩額を当期純利益に加算する必要性がない自己収入を財源とする取引から生じた前中期目標等期間繰越積立金について、中期計画及び中長期計画に定めた使途に従った費用が発生した場合に限っては、前中期目標等期間繰越積立金の取崩しを行わないこととしました。

 最後に、「(2)リースに関する会計処理」です。独立行政法人会計基準においても企業会計と同様に、リースに係る単一の会計処理モデルを導入することとしました。ただし、損益均衡を確保するため、利息費用は定額法により期間配分することを原則とするとともに、リース料の支払いが費用計上に先行する部分については、「繰延運営費交付金(資産)」の計上を認めています。なお、減額された使用料による貸借取引についてはリースの対象となりますが、無償借受資産については、単一の会計処理モデルにおけるリースの定義に該当せず、引き続きリースの対象外としています。

 これらの改訂の適用時期ですが、損益均衡に関する会計処理は令和8年度から適用することとし、リースに関する会計処理は令和11年度から適用することを原則としつつ、より早期に適用することも許容することとしております。

 なお、共同ワーキング・チームにおける議論では、損益均衡に関する会計処理は令和7年度からの適用を想定しておりましたが、独立行政法人の円滑な業務運営を確保する観点から、共同ワーキング・チームの各委員のご了承を得た上で、その適用時期を令和8年度からに修正しております。

 検討結果の説明は以上になります。

 なお、資料2から5につきましては、改訂案に係る意見募集と各府省等からの意見の概要、基準改訂に係る前文案、基準及び注解の改訂案の本体と新旧対照表になりますので、必要に応じて適宜ご覧ください。

 事務局からの説明は以上になります。

〔 藤谷部会長 〕 
 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの説明について、ご意見、ご質問等ございましたら、ご発言をお願いいたします。ご発言を希望される委員を順番に指名させていただきますので、ご意見等ある場合には、このシステム上の「手を挙げる」というふうになっていますが、こちらのボタンのクリックをお願いいたします。

 山内委員からお手が挙がっておりますので、山内委員、お願いいたします。

〔 山内委員 〕 
 ご説明いただきましてありがとうございます。そして、ここまで何度もワーキングの意見を反映してくださって、修正を重ねていただきまして、相当な労力をかけていただきましてありがとうございます。

 これまで申し上げてきたことですけれども、繰延べという表現は、私も含めて、企業会計の視点からすると非常に分かりやすくて、自然で適切な表現なのですけれども、これまで見返りという表現をしてきたので、処理、実務をされてきた方々からすると、ちょっと違和感があるというか、なかなか慣れないというところもあるかと思いますので、現場の方々によく丁寧に説明していただければなというふうに思います。よろしくお願いします。

〔 藤谷部会長 〕 
 山内委員、ありがとうございました。そのほかの委員の方でご発言を希望される方は、引き続き、挙手ボタンをクリックしていただきますようお願いいたします。

 赤井委員、お願いいたします。

〔 赤井委員 〕 
 私もそれほど大した意見ではないのですけれども、今言われたように、新しい名前になったことで混乱が生じないように周知をしていただくことと、また、この部会の範囲ではないとは思うのですけども、先ほど中山次長が関わられたとおっしゃっていた地方の独立行政法人のほうでの言葉がどうなっているか、ちょっと把握はできていないのですけれども、そちらのほうが昔の「見返り」という言葉を使っているとすると、少し、同じなのに違う言葉ということになるかもしれないので、そこのところも周知をしていただいて、混乱のないようにしていただくのがいいのかなと。内容に関しては特にコメントはないです。ありがとうございます。

〔 藤谷部会長 〕 
 ありがとうございました。

 次に、大塚委員、お願いいたします。

〔 大塚委員 〕 
 大塚です。私もそう大きな意見というわけではないのですが、また今回の改訂を実際に今回決定して公表するに当たって、やはり、かなり今後説明の中で強調していただきたいのは、別に独法会計の変更ではないという点だろうと思います。資料の中にありましたように、従来からの独法の考え方を徹底するというか、つまり均衡という考え方が一番基本にあって、それを明確にするための名称変更であって、決して独法会計の考え方自体を従来から変えたわけではないという点です。この辺り、何かこういう変更が出ると、変えたのではないかというふうに言われる場合が出てくるかと思いますので、その辺りは誤解がないように説明をしていただけたらなと思います。この点だけ、1点だけ申し上げておきたいと思います。よろしくお願いします。

〔 藤谷部会長 〕 
 大塚委員、ありがとうございました。いずれのご指摘も、内容については問題ないが、誤解のないようにスムーズな移行を確保してほしい、というご趣旨と承りました。

 では次に、山﨑委員、お願いいたします。

〔 山﨑委員 〕 
 私も皆様と同じようなことになってしまいますけれども、私もこの説明を聞いたときに、やっぱり独法の会計基準の純度が高まったというか、本当だったら今までもこうなっていないといけなかったのではないかというようなところが今回改めて変わってきているというところも見受けられるので、基本的な考え方については、こちらについて特に追加のコメントはないです。

 名称のところについても、このアの資産見返りの負債の資産繰延収益と、イのところの繰延運営費交付金の前払年金費用、名前はちょっと似ていますけど、経緯というか、背景みたいなものはちょっと違うので、この辺はまた各法人に誤解のないように伝えていく必要はあろうかというふうには思っています。

 私からは以上となります。

〔 藤谷部会長 〕 
 山﨑委員、ありがとうございました。その他の委員の皆様、いかがでしょうか。大方、内容については問題ないので、きちんと周知、説明することが大事だ、ということでご指摘の方向性としては一致しているのかなというふうに承っております。

 黒川委員、お願いいたします。

〔 黒川委員 〕 
 それでは、ワーキングの各委員を代表して、ワーキングの検討の状況を少しだけご紹介したいと思います。

 今回の独法会計基準の契機は、幾つかあると思うのですけども、大きなものとしてはリース会計、これが今、企業会計のほうでも大変大きな改正でありまして、それでいろいろな企業もこれから対応、苦労しているところだと思うのですが、これに関していろいろな意見があって、独法会計基準というものが企業会計基準に沿って、そちらが改訂されるならば、自動的に独法会計基準の該当項目についても企業会計の基準に沿った形で変更するということも考えられるし、あるいは、企業会計基準のほうの改訂があったとしても、独法会計基準というものは、独立行政法人のそもそもの目的、組織の目的とか役割、そういうものに応じて、やはり会計基準というものは民間、営利企業の会計基準とは異なるものではないかという議論があったわけです。

 そこで今回、科目の名称だけではなくて、リースの会計基準のところがちょっと注目されるのですけれども、企業会計のほうであれば、今回のいわゆるオペレーティングリースと今まで思われていたものについても、借手側に使用権みたいなものを計上し、そしてそれと同時に債務を計上するのですけれども、そのときに一応全て、企業会計ではリースというものは借手のファイナンスでやっているものだというふうに考えているので、ですから債務側の費用配分が非常に均一にはならなくなってしまう。要するに、当初において債務残高が大きいものですから費用計上額が非常に大きくなる、後になってくると小さくなるという、我々がローンでマンションを買ったときと同じような状況で、それを損益計算してみれば、実は毎期均等額で返済しているように思えても、中身は、当初においては債務の残高を大きく返還しているのではなくて、利子部分が大きい、そういうことになっているわけです。それを発生主義会計で計算すると、利子部分は費用計上されてしまいますので、今までのようにほぼ均等額で費用計上されていたものに、期間的な配分額が大きく変わる。ですから、全てファイナンスだというふうに考えてしまうと、当初においては損益計算上、費用が大きくなってしまうという根本的な問題が生じる。

 これが企業会計のほうでも、民間のほうでも大きな問題ではないかということだったのですが、今回はそこの費用配分については、そういう普通の利息法、今言ったファイナンス理論でいう利息法は取らないという大きな、要するに企業会計基準のほうとは違う取扱いをしているところが注目すべき点ではあると思います。

 この議論に至る過程でワーキングにおいては、単に会計上のテクニカルな部分だけではなくて、先ほど申しましたように、独法とは何なのか、あるいは独法の会計基準というのは何を示すべきなのかというような本質的な議論もワーキングにおいてはなされておりました。ですから今回、各委員の方々、ちょっと控え目におっしゃっていますけれども、いろいろこれから先、独法会計基準の根本的な検討みたいなものも必要になるかもしれないねと、そういうような議論もあったということをご報告申し上げます。

 以上であります。

〔 藤谷部会長 〕 
 黒川委員、今回の改訂の背景まで大変丁寧にご説明くださいまして、有益な情報提供、ありがとうございます。

 それでは、佐藤委員、お願いいたします。

〔 佐藤委員 〕 
 私も内容に対しては反対などではなく、最後にちょっと感想めいてしまうのですが、今、黒川委員がおっしゃったとおりでありまして、今回は前文のところに、改めて、独法が損益均衡を前提として、企業会計と違うというふうに書いてくださったこと、特に最初のところ、冒頭に書いてくださったというのは非常に重要だと感じておりますので、行政コストとの関係などを含めて、ホームページなどで、改めて丁寧に説明していただきたいと思います。

 それから、今回のワーキングの作業の中で本当にデータをいろいろ集めてくださいまして、その中で、現状のデータ、各法人が損益計算書の44条利益をどういうふうに利用しているかという現状についても集めてくださったのですが、その中で、報告者である独法の中でも経営努力の認定制度が十分に浸透していないのかなというふうに感じた部分もありましたので、そういった活用についても今回の改訂の過程で改めて周知、認知が進むことを期待したいと感じました。

 以上です。

〔 藤谷部会長 〕 
 佐藤委員、ご発言ありがとうございました。

 関根委員、お願いいたします。

〔 関根委員 〕 
 関根でございます。ご説明いただきありがとうございます。皆様もおっしゃっていますが、ワーキング・チームの議論において、かなりいろいろと広い方面で検討いただきましてありがとうございました。

 私も似たような話になってしまうのですけれども、損益均衡の考え方を明確にするためには、今までのやり方は少々分かりづらかったのではないか、もしかしたら名称を変更したほうがいいのではないかというような議論を経てこの形に落ち着いたということはしっかりと周知していただくと共に、私も含めて関係者が周知に努めていく必要があるかと思います。

また、リースに関しては、一見、企業会計の基準が変更になったためただそれに合わせていったようにみえますが、他方で企業会計と独法の会計基準は立ち位置が違うのではないかということに立ち返って検討した結果としてこのようになったということだと思います。企業と独法の違いっても、損益均衡ということはあるものの、いろいろな独法があり、突き詰めていくとなかなか難しいところがあります。

そういった中で、リース会計については、今回の改訂で、企業会計と同様、全てのリースを資産計上する形にはしましたが、他方で、対極的になりますが、損益均衡ということを考えて、全てのリースを資産計上しないということも考えられるのではないかとも考えていました。これは、今現在独法で使っているよりも、もう一つ前の会計基準に戻ることになってしまいますが、とはいえ、変更となった企業会計に合わせず、今のリース会計を続けることが、本当に企業とは異なる独法の立ち位置にあっているのかというと疑問も残るのではないかと思っていました。そこで議論した結果、黒川先生もおっしゃっていましたけれども、債務ということを重視して、全てのリースを資産計上することにしたものです。ただし、独法特有の損益均衡からはかなり離れた形になってしまうため、費用計上の仕方を変えたということかと思います。

 この辺りのことをいろいろと議論しながら最終的に落ち着いたものであり、この辺は若干分かりづらいところもありますので、こういったことをしっかりと周知する必要があると思っています。

なお、今後この形でずっといくのか、損益均衡ということを考えていったらどれがベストなのかというのは、私どもとしても考えていかなければいけないものとい思っておりますので、ぜひ事務局のほうもよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。

〔 藤谷部会長 〕 
 関根委員、ありがとうございました。先程の黒川委員のご発言をさらに補っていただくご説明をいただき、ありがとうございます。

 その他、委員の皆様方からご発言、ご質問はございませんでしょうか。ご意見ございませんようでしたら、当該議題につきましては、当部会として了承ということでよろしいでしょうか。普通だと異議なしとおっしゃっていただいたりするのですが、では、挙手ボタンを押していただくということにしましょうか。

 ありがとうございます。先生方、迅速なご対応、誠にありがとうございます。結構でございます。事務局のほうでも記録されていると思いますので。

 それでは、ご異議なしということで、当部会では当該議題について了承とさせていただきます。ありがとうございました。

 なお、総務省の独立行政法人評価制度委員会会計基準等部会は、先日、書面にて開催され、当該議題について了承されておりますので、当部会の決定をもって両部会決定という形になりました。ありがとうございます。

 それでは、以上をもちまして、本日予定しておりました議題は終了いたしました。

 最後に事務局から連絡事項をお伝えいたします。

〔 小田切公会計室長 〕 
 カメラオフのまま失礼いたします。次回の部会につきましては、追って事務局から日程のご連絡をさせていただきます。

 以上でございます。

〔 藤谷部会長 〕 
 ありがとうございます。

 それでは、本日はこれにて終了とさせていただきます。お忙しい中ご参集くださいまして、ありがとうございました。

 

午後4時33分閉会