財政制度等審議会 財政制度分科会
法制・公会計部会
議事録
財政制度等審議会 財政制度分科会 法制・公会計部会
議事次第
令和7年3月25日(火)10:00~11:28
財務省第一特別会議室
1.開会
2.議題
- 〇 令和5年度「連結財務書類」等について
- 〇 令和5年度事業別フルコスト情報の開示について
- 〇 少額随意契約の基準額等について(報告)
3.閉会
配付資料
資料1-1 | 令和5年度「国の財務書類」 |
資料1-2 | 令和5年度「国の財務書類」のポイント |
参考資料1-1 | 「国の財務書類」ガイドブック |
参考資料1-2 | 連結財務書類等の財務諸表(4表)一覧 |
参考資料1-3 | 連結財務書類等の財務諸表(4表)一覧(英訳) |
資料2-1 | 令和5年度事業別フルコスト情報の開示について |
資料2-2 | 令和5年度事業別フルコスト情報(ダイジェスト版) |
参考資料2-1 | 事業別フルコスト情報の解説パンフレット |
資料3 | 少額随意契約の基準額等について |
参考資料3-1 | 予算決算及び会計令及び予算決算及び会計令臨時特例の一部を改正する政令案 |
参考資料3-2 | 【事務連絡】少額随意契約等の適切な運用の確保等について |
4.出席者
部会長 |
藤谷 武史 |
斎藤副大臣 前田次長 有利総務課長 山岸司計課長 小澤法規課長 片山調査課長 小田切公会計室長 柘植会計制度調査官 内堀法規調査官 奈木野課長補佐 橋本課長補佐 三嘴課長補佐 |
午前10時00分開会
〔 藤谷部会長 〕
それでは、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会を開催いたします。皆様におかれましては、ご多用のところ、ご出席いただきまして、ありがとうございます。
本日は、ウェブ会議システムを活用し、会議室における対面形式とオンライン形式を併用して、会議を開催させていただくことにしました。よろしくお願いいたします。
委員の皆様方におかれましては、他の委員の方に音声が明瞭に伝わりますよう、できるだけパソコン等のマイクに近づいてご発言いただきますよう、お願いいたします。
まず、本日の議題に入ります前に、事務局より事務局職員のご紹介をしていただきます。小田切室長、お願いいたします。
〔 小田切公会計室長 〕
公会計室長の小田切でございます。それでは、事務局職員の紹介をさせていただきます。
次長の前田、調査課長の片山は遅れて出席させていただきます。
総務課長の有利でございます。
〔 有利総務課長 〕
よろしくお願いします。
〔 小田切公会計室長 〕
法規課長の小澤でございます。
〔 小澤法規課長 〕
小澤です。よろしくお願いします。
〔 小田切公会計室長 〕
司計課長の山岸はオンラインで参加しております。
以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございました。
続きまして、本日の委員の出席状況、そして、資料の確認を事務局からお願いいたします。
〔 小田切公会計室長 〕
本日は、小林委員、金子委員はご欠席となっております。また、一部の委員の皆様には、オンライン形式でご参加いただいております。議場出席の状況につきましては、配付図をご覧ください。
次に、議事次第をご覧ください。配付資料につきましては、2ポツのとおりでございます。
資料の紹介は以上でございます。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございました。
これから報道カメラが入りますので、少々お待ちください。
(報道カメラ 入室)
〔 藤谷部会長 〕
では、本日の部会の進行についてご説明いたします。本日の議題ですが、令和5年度「連結財務書類」等について、続いて、令和5年度事業別フルコスト情報の開示について、それぞれ事務局からの説明及び質疑応答を行い、最後に、少額随意契約の基準額等について事務局からの報告を行う形で進めさせていただきます。
議事に入る前に、本日は斎藤副大臣にご出席いただいておりますので、斎藤副大臣からご挨拶をいただきます。斎藤副大臣、よろしくお願いいたします。
〔 斎藤副大臣 〕
先生方、おはようございます。財務副大臣の斎藤でございます。法制・公会計部会の先生方には、日頃から大変熱心なご議論をいただいております。心より感謝申し上げます。
令和7年度予算の国会審議が佳境に入ってございます。いわゆる年収の壁や高校無償化をはじめ、様々議論ございますが、国民の財政への関心は、極めて高まっているということを常々感じております。財政民主主義の観点からも、いかに情報開示していくかということについて真に問われていると考えております。
こういう中で、本日の議題であります国の連結財務書類でありますとか事業別フルコスト情報は、これまで先生方のご指導をいただきながら充実を図ってきたところでございます。今後とも、より一層の理解を深めていくためにも、さらなる充実や利活用の促進が重要だと考えておりますので、先生方のご見識に基づきまして、引き続きご指導いただきたいと考えております。また、少額随意契約の基準額等の引上げでございますが、前回、対応方針についてご了承いただきました。誠にありがとうございます。今般引き上げることといたしましたので、ご報告をさせていただきます。詳細は後ほど事務方からご説明させていただきます。先生方には、この少額随意契約のことにつきましても熱心なご議論いただきましたことに、改めて感謝申し上げます。
本日は、何とぞよろしくお願い申し上げます。
〔 藤谷部会長 〕
斎藤副大臣、ありがとうございました。
それでは、報道関係の方はご退室をお願いいたします。
(報道カメラ 退室)
〔 藤谷部会長 〕
それでは、令和5年度「連結財務書類」等について、事務局から説明をお願いいたします。
〔 小田切公会計室長 〕
それでは、資料1-2、令和5年度「国の財務書類」のポイントを用いてご説明させていただきます。
表紙の次のページ、目次の前のページをご覧ください。まずは、令和5年度中の主な経済指標の推移をお伝えします。基準外国為替相場は、令和5年3月末から令和6年3月末にかけて、1ドル130円から147円、13%の円安に推移しました。また、日経平均株価は、令和5年3月末から令和6年3月末にかけて、28,041円から40,369円、44%の株価上昇に推移したことから、令和5年度は円安が進行し、日経平均株価が上昇した年度でした。
ページ飛びまして、29ページをご覧ください。連結財務書類の作成目的、連結対象範囲、令和5年度における連結対象法人を記載しております。連結対象範囲としましては、「国の業務と関連する事務・事業を行っている特殊法人等」を連結対象としています。業務関連性の有無は、監督権限及び財政支出の有無によって判断しています。具体的には、「国が監督権限を有しているとともに財政支出を行っている独立行政法人、国立大学法人等」に加え、「国の監督権限が限定されていても、相当程度の財政支出(国の出資割合に応じては50%以上)を行っている特殊法人等」を連結対象としています。また、連結対象法人の数は、令和5年度は、その他の特殊法人の設立があり、前年度の197法人から1法人増加し、198法人となっています。
続いて、1ページ飛ばしまして、31ページをご覧ください。連結財務書類と国の財務書類(一般会計・特別会計合算)の比較になります。令和5年度末の国の財務書類の資産合計は778.1兆円、連結財務書類の資産合計は1,048.9兆円、国の財務書類の負債合計は1,473.8兆円、連結財務書類の負債合計は1,576.8兆円となっております。
32ページをご覧ください。連結財務書類は、国の財務書類と比べて、資産が270.8兆円、負債が103兆円増加し、その結果、資産・負債差額はマイナスの幅が167.9兆円縮小しています。これは、GPIFの純資産、つまりプラスの資産・負債差額130.3兆円が加算されることなどによりますが、連結においても資産・負債差額がマイナスの状態は変わりません。
連結による増減の主な要因でございます。例えば、有価証券であれば283.9兆円の増加となっていますが、これはGPIFが保有する有価証券が246兆円計上されることのほか、科学技術振興機構が大学ファンドの運用資産として保有する有価証券が11兆円加わることなどによるものです。また、有形固定資産であれば、連結により87.4兆円増加していますが、これは連結対象法人の保有する土地、建物、高速道路等が加わることなどによるものです。
負債の部ですと、例えば、独立行政法人等債券が61.8兆円の増加となっていますが、これは連結対象法人である住宅金融支援機構の20.2兆円、日本高速道路保有・債務返済機構の17.8兆円の独立行政法人等債券が加わることなどによるものです。
また、一番下の資産・負債差額ですが、プラス167.9兆円となっておりまして、これは、GPIFの純資産130.3兆円が反映されることや、国にとって業務費用である運営費交付金、補助金等を財源として連結対象法人が資産を取得していることなどから、「国の財務書類」の資産・負債差額に比べてマイナスの幅が小さくなっています。
続いて、33ページをご覧ください。連結業務費用計算書及び連結資産・負債差額増減計算書と国の財務書類との比較でございます。連結により、国に比べて業務費用が13.6兆円、財源が62.5兆円増加し、その結果、財源合計が業務費用合計を29.9兆円上回る超過財源となっています。これは、将来の年金給付に充てられるGPIFの資産運用損益が45.4兆円生じたことが主な要因ですが、これを除いた場合は15.6兆円の超過費用となります。
34ページをご覧ください。令和4年度と令和5年度の連結財務書類の比較でございます。大きな増減としては、連結貸借対照表の資産の部の有価証券が、GPIFの保有する有価証券が加わることなどにより63.2兆円増加し、また、負債の部の公債が、国における公債残高の増加に伴い、連結においても19.3兆円増加しました。連結業務費用計算書は、大きな増減はございません。連結資産・負債差額増減計算書では、その他の財源がGPIFの資産運用損益が加わることなどにより、46兆円増加しています。
続いて、35ページをご覧ください。連結ベースでの資産の対前年度末比の説明になります。資産は全体として1,048.9兆円、対前年度末比プラス86.2兆円となりました。主な増減要因等としては、有価証券が対前年度末比で63.2兆円増加したことが挙げられます。これは、有価証券の2ポツ目、GPIFが保有する運用資産が45.8兆円増加し、また、3ポツ目、科学技術振興機構が保有する運用資産が1兆円増加したことなどにより、全体としては、対前年度末比63.2兆円増加の426.2兆円となったことなどによるものです。
36ページをご覧ください。負債は、全体として1,576.8兆円、対前年度末比プラス32.3兆円となりました。主な増減要因等としては、公債が対前年度末比プラス19.3兆円となったことが挙げられます。これは、国の財務書類で20.4兆円増加した一方で、連結上相殺消去される連結対象法人が保有する公債残高が1.1兆円増加したことなどによるもので、相殺後の公債残高は、対前年度末比19.3兆円増加の1,152.2兆円となりました。
また、このページの一番下で、資産・負債差額の説明をしております。資産・負債差額は、前年度末マイナス581.8兆円から53.9兆円マイナス幅が縮小し、マイナス527.9兆円となりました。これは、令和5年度は超過財源が29.9兆円生じたこと、時価評価に伴う評価減等により資産評価差額が3.6兆円生じたこと、為替相場の変動により為替換算差額が21.4兆円生じたことなどによるものです。
37ページをご覧ください。費用の対前年度比の説明になります。業務費用は184兆円、対前年度比マイナス4.6兆円となっています。主な増減要因等としては、補助金・交付金等の減少になります。補助金・交付金等は、物価高騰への対応としてエネルギー価格激変緩和対策事業費補助金等が増加している一方、新型コロナウイルス感染症対策として、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金等が減少したことなどにより、全体としては5.3兆円減少の50兆円となりました。
その他については、一番下のポツに記載のとおり、持続化給付金等が終了したことにより1.2兆円減少した一方、全国健康保険協会の主な事業費が0.4兆円増加したことや、新エネルギー・産業技術総合開発機構の事業費等が0.5兆円増加したことなどから、全体としては0.1兆円減の40.4兆円となりました。
38ページをご覧ください。財源は213.8兆円、対前年度比プラス49.1兆円となっています。主な増減要因等としては、3つ目のブレットポイント、その他が77.4兆円、対前年度比プラス46兆円となったことが挙げられます。これは、GPIFの資産運用損益が、国内外株式市場の上昇や円安の進行により、対前年度42.5兆円増の45.4兆円となったことなどによるもので、財源全体では49.1兆円増の213.8兆円となりました。
一番下に記載しております連結ベースの超過財源につきましては、令和5年度は、財源から業務費用を差し引くと29.9兆円の超過財源となりましたが、その主な要因は、将来の年金給付に充てられるGPIFの資産運用損益が45.4兆円生じたことなどによるものであり、GPIFの資産運用損益を除くと15.6兆円の超過費用となります。
39ページをご覧ください。連結ベースのストックの経年推移を示しております。平成15年度から令和5年度にかけて、資産と負債、ともに残高が増加しておりますが、負債の増加幅の方が大きいため、資産・負債差額も増加傾向にあります。
40ページをご覧ください。連結ベースの費用と財源、超過費用、超過財源の経年推移を示しております。推移を見ますと、毎年度超過費用が発生していましたが、令和5年度は、GPIFの資産運用損益が45.4兆円生じたことなどにより、29.9兆円の超過財源が生じました。
一番下のグラフをご覧ください。参考としておりますが、GPIFの資産運用損益を除いた場合の超過費用の推移も記載しています。緑の折れ線グラフがGPIFの資産運用損益、赤の棒グラフがこれを除いた超過費用となっています。GPIFの資産運用損益を除いた超過費用の推移は、12ページの国の超過費用と同じような変動をしており、令和5年度は、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の令和元年度マイナス16.7兆円と概ね同水準のマイナス15.6兆円となりました。
事務局からの説明は以上になります。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございます。
それでは、ただいまの事務局からの説明について、ご意見、ご質問等ございましたら、ご発言をお願いいたします。ご発言を希望される委員を順番に指名させていただきますので、ご意見等がある場合は、議場にてご出席の委員の皆様は挙手いただき、ウェブ会議システムにてご出席の皆様は「挙手する」ボタンのクリックをお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
では、大塚委員、お願いいたします。
〔 大塚委員 〕
大塚です。まず最初に発言ということになったんですが、今回ご説明いただいた中で、やはりGPIFの影響が非常に大きくて、あちらこちらで関わってくると。ここは重要なポイントですし、なおかつ、このGPIFが今回プラスになったのは大幅な円安が影響しているわけで、将来的には、これ、逆転する可能性もある項目だと思います。今回は事実としてこの運用益が出ているわけですから、これ自体、別に否定されるわけではないんですけれども、今後に向けてはGPIFの運用損が出ることをやっぱり考えておかなければいけないのかなというふうに思いました。
幾つもの場所でGPIFの運用損益を除いた資料というのが出ているんですが、なぜ除くのかというのがもう少し具体的に説明されていたほうがいいのかなと。内容が分かっている、ある程度専門的な知識がある方は、これは評価損益だからということは分かるんですが、そうではない場合に、ただ単に金額が大きいから除いていると思われるのも問題かなと。やっぱり内容的に、実際にインフローになっていないものなので、そういう意味で除外しているという部分がもう少し具体的に説明されていてもいいのかなという印象を持ちました。この点、ちょっと意見として申し上げておきたいと思います。
〔 藤谷部会長 〕
大塚委員からご意見ということで賜りました。ありがとうございます。
それでは、土居委員をご指名させていただきましてから、ウェブ参加の方々に振りたいと思います。
まず、土居委員からお願いいたします。
〔 土居委員 〕
どうもご説明ありがとうございました。大塚委員のご指摘された点は、今回の令和5年度ならではというところで、これまでなかなかそういう状況にはならなかったがゆえの、この国の財務書類の読み解き方というところかなと思います。財源超過になったということで、GPIFの運用益を除いた場合では引き続き超過費用であるということについては、しっかりメンションしておく必要があるのかなと思います。
その点につきましては先ほど室長からも説明がありましたとおりで、それで基本的にはよろしいかと思うんですけれども、参考資料1-1の「国の財務書類」ガイドブックでは、既に以前から毎年この資料が載っているわけでありますけれども、今回のガイドブックで言えば19ページの公的年金等の取扱いというところで、特に今の運用益ということに関して言えば、22ページ以降にある、これは厚労省も出している資料ではありますけれども、年金積立金の運用によって得られる財源というものが年金の財源として明記されているということになりますから、あくまでもGPIFの運用益というのはここに該当し、ここでもって年金財政の財源と給付のバランスを取るというものとして用いられるものであって、まさか公共事業費や教育費のために使われるものではないということでありますから、GPIFの運用益というものを除いた収支を明記するということではあるわけですけれども、どうしても資料1-2のポイントのほうだとコンパクトに説明しなければいけないということになりますので、実際は27ページから28ページについて書かれているとおりで、これがどうしてもコンパクトに書かれているがゆえに、40ページのところで、突然GPIFの資産運用損益を除いた場合の超過費用の推移という話になると、恣意的に見えると勘違いする人が出てくるということかなというふうに思うんですけれども、どこまでリンクさせるかはあれですけれども、このポイントしかご覧にならない方には、やはり27ページと28ページよりもさらに関心を持てば、より詳細な、例えばガイドブックの参考資料1-1のほうもご覧いただくとか、そういう形で理解を深めていただくということが今後ますます重要になってくるのかなと思います。
私からは以上です。
〔 藤谷部会長 〕
土居委員からもコメント、ご指摘ということで賜りました。ありがとうございました。
それでは、今ウェブでお待ちいただいている4人の委員の方々に、順番にご指名させていただきます。
まず、福田委員、お願いいたします。
〔 福田委員 〕
ありがとうございます。私もお二人の委員のおっしゃったこととほぼ同じコメントではあるんですけれども、GPIFの取扱いに関してです。GPIFの運用目的というのはもうはっきりと、土居委員も少しメンションされましたけれども、明記されていまして、これは専ら被保険者のためにGPIFというのは資金を運用しているということは、はっきりと明記されています。出資者は国なので、国の財務諸表に出ているということになってはいるものの、運用の目的は明確に被保険者のためであるということです。
若干難しいのは、GPIFの被保険者の多くは国民と重複しているので、何となく国民の利益のためということと勘違いされがちではあるんですけれども、これは必ずしも一対一に対応しているものではなくて、GPIFというのはあくまでも被保険者のための運用機関であるということで、そこに利益が出たから、あるいは損失が仮に出たからといって、国の財政に何らのプラスもマイナスの影響も及ぼさないというのが基本的な考え方になっていると思います。土居委員もおっしゃったように、これは現状でも説明はされているんですけれども、今回のように極端にGPIFの問題というのが大きく出てきていますので、これはやっぱりGPIFは専ら被保険者のための運用機関なんだということを改めて確認していただいて、それとは別に分けて考える必要があるということを共通の理解として置いておくということは大事だろうと思います。
私からは以上でございます。
〔 藤谷部会長 〕
福田委員、ありがとうございました。
それでは次に、佐藤委員からご意見を賜りたいと存じます。
〔 佐藤委員 〕
佐藤でございます。私も、繰り返しになってしまいますが、2点意見を申し上げます。
1点はGPIFでございまして、やはり郵政が外れてから、GPIFが大きな連単差の要因ですので、郵政のときちょっと単発で入れたように、GPIFのコラムなどを作って、市場の影響をどのように受けているかという解説があっても、次年度以降、よいのではないかと思いました。
2点目が、これは今多分非常に難しいことだと思うのですが、メッセージ性をどう考えるかというところで、非常に中立性を意識しているというのは強く感じたところです。例えば40ページの冒頭のところの文章などが顕著に表れていると思うのですけれども、超過費用が超過財源となりましたと。これは市場要因によるということを言いたいのだろうなと思うのですが、これはGPIFによりますというふうに言ったときに、どこまで読み手に通じるのであろうかというところです。ただ一方で、財源超過の現実に対して、厳しい厳しいと言いにくいというところもあろうかと思いますが、やはり単体のときの話にもあったとおり、アフターコロナになってから、感覚が麻痺しないように、歴史的に非常に厳しい水準だということについては一定の主張をしてもよろしいのではないかというふうに考えました。
以上です。
〔 藤谷部会長 〕
佐藤委員、ありがとうございました。
それでは続きまして、関根委員、ご発言お願いいたします。
〔 関根委員 〕
関根です。ご説明いただきありがとうございます。皆様のおっしゃっていることと重なってしまうのですけれども、GPIFの件について、今年は特に目立っているということもありまして、私も気になっております。これまでの連結財務書類のポイントについて、改めて見直してみたところ、過去からずっと今回のような形で注記をされています。そのように継続的に記載されていることはある意味とても大切なことだと思うものの、他方で、今までご発言ありましたように、今回は特に金額が大きいということ、加えて、郵政等がなくなった関係で、連単の差の主要要因になっているということから、次回以降でも構わないと思いますが、このポイントの中でも、何らかの形でGPIFについて明確に、簡単にで結構ですので、入れていただくのがいいと思っています。特に、先ほど、一部除いていることについての誤解を生じるのではないかという懸念がありましたが、私もその点は同様に感じております。過去には、注記の中で大半は評価益であるといった言い方をしていたこともありました。この記載も、分かる方には分かりますが、分からない方はいらっしゃるので、もう少し根本的なとこからの説明をしていく形が必要かと思います。
なお、特に今年はほかの項目の金額が比較的小さかったことから、財務書類の本表において、「その他」が相対的に大きくアンバランスになっています。企業会計などでは一時的でもその他が大きかったら別記をするといった考え方もあります。GPIFの評価益や運用益の意味合いとして、そこまですることが有益かという問題もあるかと思いますが、そういったことも含めて、GPIFの表記及び、それに対する説明について、ニュートラルに話すということは必要ですけれども、国民の理解を進める、読み手にメッセージを送るということでご検討頂ければと思います。これは、次回以降で構わないと思いますが、今後も続いていくことですし、損が出る場合もありますので、こういったことも含めて検討いただければと思います。
私からはコメントになります。以上です。
〔 藤谷部会長 〕
関根委員、コメントありがとうございました。
それでは、滝澤委員、ご発言お願いいたします。
〔 滝澤委員 〕
ありがとうございます。ご説明ありがとうございました。私からは感想ですが、改めまして、資産・負債差額の大幅なマイナス、それから恒常的な超過費用、特例国債の急増、非換金性資産の多さとそれに対応する負債構造、それから財政運営の景気・為替への依存、社会保障費の増大とそれに伴う財政確保の困難、こうした重要な点が整理されていて、財務書類の公表を通じて財政状況の可視化が着実に進んでいる点は高く評価されるべきというふうに思います。今後は、これらの情報が単なる開示にとどまらずに、実際の政策立案ですとか制度設計に的確に反映されますように、より多くの人々に財政情報への関心が広がるということを期待したいというふうに思います。
私からは以上です。
〔 藤谷部会長 〕
滝澤委員、ありがとうございました。
それでは、ウェブで山内委員までご指名させていただいてから、会場に戻りたいと思います。
山内委員、お願いいたします。
〔 山内委員 〕
山内です。ご説明いただきましてありがとうございます。事前にいろいろと細かいことを申し上げてしまったのですけれども、URLを最初に持ってくるなど、いろいろと対応していただいて、より分かりやすくなったと思います。ただ、やはり内容的には難しいので、国民に向けて、より分かりやすく伝えていくということが非常に重要だというふうに思っております。
また、前回も同様のコメントさせていただいたのですけれども、その時々の時事的な事項ですとか、強調すべき事項の影響について、トピックごとにまとめるような箇所があると、より伝わりやすくなるのではないかなと思っています。今後の検討課題としていただければと思います。
私のほうからは以上です。
〔 藤谷部会長 〕
山内委員、ありがとうございました。
それでは、会場に戻りまして、黒川委員、どうぞよろしくお願いいたします。
〔 黒川委員 〕
ありがとうございました。私からは、今回の事務局の作られたものに対して、大変改善されて、すばらしかったんじゃないかなと思います。これはこれまでの議論も踏まえて、今、山内先生もおっしゃったように、初めの基準為替相場と日経平均株価、これも今まではもうちょっと小さい字で書いてあったんですけど、かなりここで目立つ。ですから、まず読み手は、1年半ぐらい――これは2年前から1年前の状況になるわけですけれども――こんなになっていたのかと。非常に円安が進んで為替差益は出るわ、それから日経平均株価が40%も上がったのか、これはやはり運用しているもの、外貨建ての特に外債ですよね、特会のところですけれども、ここにも影響しただろうし、それからGPIFには当然ながら、国内の株式等に運用しておりますから、かなり影響があったんだろうなというふうに、まずはここで見る。
要するに、今日は連結財務表だけでしたけれども、これはその前に単体の財務諸表があった上での連結財務諸表ということも大事ですから、まず1ページから開いていけば、そこでまず見るであろうと。その上でこれを開いていって、いよいよ連結ということになって。というのは、単体ではGPIFのところの評価差益は反映されていなかったということですけれども、ここで連結になって反映されてくるということで、やっぱりそうだったのかということが分かると思います。
次に、27ページから28ページ、これは土居委員がおっしゃいましたけれども、これは非常にガイドブックのほうが、厚生労働省が作っていたんですけれども、非常に分かりづらいというか、それから、私としては個人的に老人が老人っぽくて嫌だったんですけれども、そういうことがなくて、ここの27、28ページは事務局が非常に、もう少しビジュアルに作ったという、大変よかったなと思っております。これでも分かりにくいといえば分かりにくいんですけども、これ以上どのように説明していいのかということになると、またまた大変だろうなとは思います。これは、27、28ページは、事務局はとてもよい仕事をされたんじゃないかなというふうに思っています。
最後の40ページの文章で、ここが、今日は、ご説明ではGPIFの運用損益を除いて計算すると、というのがもう何度も出てきたんですけれども、この40ページの上から3つ、1番目、2番目、3番目と読んでいきますと、これはやはり、ほかの委員もおっしゃったように、結構中立的に、特にGPIFだけ除いたというのが、そんなに恣意的ではなくて、こういうことで除いてみたらこうなりますと、こういうようなことになっているのではないかと思う。ただ、説明では飛ばしてこっちのほうだけ言ったので、強調され過ぎたという点はあると思うんですけれども、きちんとここでGPIFの性格、それから評価損益の性格というものが出ている、それは2つあります。
1つは、GPIFの運用の努力によることが多々と思うんですけれども、やはり全体の市場の動向にも大きく影響される。要するに、この財務諸表を作ったときの国はどういうようなものに努力をしているのか、その成果はどうなっているのかと見たときに、成果が自分の努力以外の市場の要因、アンマネージドと言いますけれども、要するに自分でマネジメントできないような要因によっても、この評価損益という、市場の動向によって出てしまう、これはGPIFのところの特徴の一つということが言えるわけです。だからここを除くというのは、そういう市場の要因で結構動いてしまうようなものを除くという意味が、この一番初めから読んでくれば一つ分かる。それから、GPIFのところを除くということは、そうすると逆に言うと、除いたものというのはマネジメントできる、マネージできるようなものが多いわけです。その中でやはり超過費用は生じているんだと、そういうことが分かるわけです。
ですから、こういうような意味合いからいっても、ここを除いてどうなのというのは、そんなに恣意的ではなくて、会計学上見れば、きちんと事業活動をやっているところから出てくると、やはり損は出ているんだというようにも考えられないことはないんです。ですから、そんなに私自身は違和感もなく、今日の今回のこのポイントは大変改善されて、現時点ではとてもすばらしいものであったのか、そのように思いました。
長くなりましたけれども、以上であります。
〔 藤谷部会長 〕
黒川委員、ありがとうございました。
土居委員、お願いいたします。
〔 土居委員 〕
2度目の発言になりますけども、お許しいただければ。ありがとうございます。
今、黒川委員がご指摘された資料1-2の28ページの、厚生労働省がベースを作っている給付と財源の図ですけれども、今回の令和5年度におけるGPIFの運用益というものが、この28ページの下の図で言えば積立金から得られる財源の一部を構成することになるという位置づけで、先ほど来申し上げているように、公共事業や教育に回るものではないということではあるんですけれども、令和5年度に、より多くの運用益を得たからといって給付が増やせるという話に直ちになるわけでもないというところも注意深く読まなければいけないところだと思うんです。
と申しますのは、これは厚生労働省がもともとそういう説明をしているし、ここでもそれを踏襲していることではあるんですけれども、この28ページの下の図というのは、将来にわたる給付と財源の関係を示しているのであって、単年度でそうなっているということを示しているものではないと。特に、これは2019年の財政検証の図ではありますけれども、その時点における、おおむね100年間にわたる給付と財源の両者の関係で、一つのケースですけれども、2,400兆円でその両者がバランスするということを示しているまでであって、確かに今回の連結財務書類で表されたGPIFの運用益というものが、この積立金から得られる財源の210兆円の一部を構成するということであって、それによって助かる部分というのは、まず1つ目は、ほかの年度でより多く運用益を稼がなくても210兆円を達成できる可能性が開かれたということが一つの可能性としてあるということと、今後、5年に一度行われる財政検証において所得代替率を改善するという可能性があると。
それはもちろん人口動態とか、ほかの影響もありますから、直ちに改善できると断じることはできませんけれども、運用益がより多く入れば、保険料水準、固定方式を取っているので、保険料は基本的に、これ以上保険料率が上がるような形で保険料収入が入ってくるということはないということではあるんだけれども、その運用益がより多く入った分だけ、将来の財政検証において見直された結果として所得代替率を改善する形で給付を増やすことができるかもしれないというものにつながるということを言っているまでであって、それ以上のことを言っているわけではないというところは、この財源と給付の図というものの解釈をする上では留意をしておく必要があることなのかなと思いました。
私からは以上です。
〔 藤谷部会長 〕
土居委員、ありがとうございました。
それでは、今ご発言を希望いただいた委員の方々からは一わたりご意見頂戴したかと存じますが、私のほうで見落とし等ございませんでしょうか。ありがとうございます。
それでは、こちらの議題につきましてはここまでとさせていただきまして、次の議題です。令和5年度事業別フルコスト情報の開示について、事務局から説明をお願いいたします。
〔 小田切公会計室長 〕
それでは、資料2-1「令和5年度事業別フルコスト情報の開示について」及び資料2-2「令和5年度事業別フルコスト情報(ダイジェスト版)」を用いて、ご説明させていただきます。
まず、各省が対象事業について作成した事業別フルコスト情報は、資料2-2「令和5年度事業別フルコスト情報(ダイジェスト版)」として取りまとめられています。事業別フルコスト情報のダイジェスト版の記載内容は、令和4年度において、経年比較情報や横断比較情報を掲載するなど大きく改訂し、令和5年度はその内容を継続して作成しています。ダイジェスト版の具体的な内容としては、事業の概要、フルコストの内容、フルコストの推移、補足情報を記載しています。
なお、昨年のご議論を踏まえ、ダイジェスト版の目次には、事業ごとに資源配分額とフルコストの金額を新たに掲載しました。
資料2-1「令和5年度事業別フルコスト情報の開示について」の1ページをご覧ください。令和5年度事業別フルコスト情報の概要でございます。令和5年度は、補助金・給付金事業型、受益者負担事業型、その他事業型の3類型合計で214事業のフルコスト情報を作成しています。令和4年度は206事業であったため、これは8事業の増加となっていますが、この大部分が受益者負担事業型になります。これは事業別フルコスト情報の取組みになじむ事業として、受益者負担事業型の事業間の比較可能性を高めることを目的としたものです。
続いて、2ページをご覧ください。補助金・給付金事業型の間接コスト率の分析と、その結果から見えてきた課題を記載しています。左下の分布図につきまして、令和元年度から令和5年度の間接コスト率の平均を赤色の折れ線で示していますが、平均値は大きな変動がなく、おおむね10%で推移しています。
ここで、補助金・給付金事業型の具体的な事業例として、ダイジェスト版の中から内閣府の原子力発電施設等緊急時安全対策交付金事業をご紹介します。資料2-2のダイジェスト版の15ページをご覧ください。
当事業は、原子力発電施設等が立地している自治体等に対して防災対策費を交付する事業です。当事業の2023年度の資源配分額は91.3億円であるのに対し、フルコストは9千万円であるため、間接コスト率は0.9%となっています。過去の間接コスト率も1%前後で推移しており、大きな変動がないという状況が見てとれます。
また資料2-1のほうにお戻りいただければと思います。2ページの右側の表のとおり、補助金・給付金事業型の全体のうち、半分程度の事業は按分された共通経費のみでフルコストが構成されており、それらの過去5か年分の間接コスト率を見ても、その増減範囲は5%未満と、ほとんど変化のないものとなっています。このような事業は、まず共通経費から事業に直接要するコストを特定できないか検証を行った上で、特定できない場合はPDCAサイクルの活用によるコストの見直しが難しいと考えられるため、フルコスト情報になじむ事業への入替えについて検討する必要があるのではないかと考えています。今回で5か年分の事業別フルコスト情報のデータが蓄積されましたので、このタイミングで開示の必要性について検討したいと考えているところです。
続きまして、3ページをご覧ください。受益者負担事業型の自己収入比率の分析と、その結果から見えてきた課題です。試験・資格関連事業と施設運営関連事業、それぞれで自己収入比率の経年比較、横断比較をしています。試験・資格関連事業は、左下の分布図をご覧いただくと、平均値である赤色の折れ線は、令和5年度に新たに追加した事業が押し下げることとなったものの、過去から継続して作成している事業の自己収入比率は令和4年度と同程度で推移しました。施設運営関連事業は、新型コロナウイルス感染症の収束に伴う施設の利用者数の増加により、自己収入比率は緩やかな回復基調となっています。
ここで、また受益者負担事業型の具体的な事業例をダイジェスト版の中からご紹介します。ダイジェスト版の125ページをご覧ください。
こちらは環境省の土壌汚染調査技術管理者試験業務です。当事業は、土壌汚染状況調査等をつかさどる技術管理者の資格を付与するための試験を実施するもので、2023年度の自己収入は611万円であるのに対して、フルコストは8,610万円であるため、自己収入比率は7%であって、過去からの自己収入比率を見ると減少傾向が見られます。これは、申込者数が毎年度600人から700人前後で推移する中、システム運用にかかる事業コストが増大し、フルコストが上昇していることによるものです。
次に、もう一つ、事業例をご紹介します。ダイジェスト版の130ページをご覧ください。こちらは文部科学省の国立文化財機構(展示)事業です。この事業は、国立博物館等において展示会を開催する事業で、2023年度の自己収入は18.9億円であるのに対し、フルコストは43.6億円であるため、自己収入比率は43.2%となっています。過去の自己収入比率の推移を見ると、2020年度から増加傾向にあり、これはインバウンド需要の回復により、外国人入場者が増えていることによるものです。当事業の自己収入比率は、フルコストが一定の規模で推移していますので、入場者数の多寡に応じて影響を受けることが分かります。
行ったり来たりで恐縮ですけれども、資料2-1の3ページにお戻りください。各事業の自己収入比率の水準には多様な背景があり、個々の比率の検証は慎重に行う必要がありますが、各省に対しては、類似事業の事例も参考にしながら、所管する事業の自己収入比率を通じて自己分析の契機としていくよう促す必要があるのではないかと考えています。
4ページをご覧ください。その他事業型の類型について記載しています。その他事業型は、補助金・給付金事業型と受益者負担事業型の類型に当てはまらない事業による類型ですが、その中には成果指標が同一の事業も存在しているため、その他事業類型についても他の事業と比較可能性を向上させる観点から、事業の内容・性質を整理した上で、比較分析に有用な類型化ができないか検討する必要があると考えています。例えば、施設利用者を成果指標としている施設運営事業、相談件数を成果指標としている相談・窓口事業、受講者を成果指標としている研修・広報セミナー事業が類型化の例として想定されます。
5ページをご覧ください。事業別フルコスト情報の課題とさらなる活用に向けて、今後の方向性を記載しています。左側の課題には(1)から(3)で、先ほどご説明した補助金・給付金事業型、受益者負担事業型、その他事業型のそれぞれの課題を記載しています。(1)と(2)については、毎年度3から4省庁を対象に、フルコスト情報を作成している事業の実務上の課題やフルコスト情報の活用状況をヒアリングし、ヒアリングの結果、予算のPDCAサイクルの活用に適さない事業については、他の事業との入替えができないか検討することを考えています。また、(3)については、成果指標が類似している事業について、事業内容・性質を整理した上で、比較分析に有用な類型化ができないか検討することを今後の対応方針として記載しています。
6ページは、参考になりますが、行政事業レビューシートとの連携についてのご紹介です。ダイジェスト版の右上に行政事業レビューシートの予算事業IDを記載していることに加え、行政事業レビューシートの備考欄にも事業別フルコスト情報の公表URLが記載されており、また、内閣官房行政改革推進本部のホームページにおいても事業別フルコスト情報のリンクを掲載することで、相互に情報を連携しております。
最後に、事業別フルコスト情報のダッシュボードを画面上でご紹介させていただきます。各事業のフルコスト情報の数値を、ウェブ上で検索して、必要な情報を容易に把握できるようにするために、ダッシュボードを作成しました。
こちら画面の方をご覧ください。ダッシュボードでは、複数の方法で対象事業を検索することができるようにしています。例えば、左側のほうの欄にある省庁の選択、環境省、そして類型として補助金・給付金事業型、そして単独型、こちらを選択してみます。こうすることで、省庁ですとか事業類型、事業実施区分といった項目を選択することで、候補となる事業・業務名が絞られてきます。ここで、例えば一番上の海洋プラスチックごみ総合対策事業を選択すると、画面のように事業が表示されます。一旦選択解除をお願いします。
また、キーワード検索を用いて、例えばキーワード検索のところで「試験」を入力すると、試験関連の事業が列挙されます。そこから事業選択も可能です。例えば左のところで財務省を選択すると、財務省所管の事業がさらに絞られるなど、複数の条件で検索することも可能です。また一旦、選択解除をお願いします。
金額による絞り込みも可能となっています。一番左下にある金額の欄ですけれども、フルコストと補助金・給付金の資源配分額のそれぞれで設定されていますので、こちらも、例えば「資源配分額1兆円以上」という選択をして、かつ「厚生労働省」など、省庁を具体的に選択するなど、複数の条件設定が可能となっています。
このように、ダッシュボードの機能向上など、情報発信の強化にも当年度努めてまいりました。
以上、今後も事業別フルコスト情報がより一層活用されることで、各事業担当者がコスト意識やマネジメント意識をさらに高め、行政の効率化・適正化の動きが広がるよう努めてまいりたいと考えております。
事務局からの説明は以上になります。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局からの説明について、ご意見、ご質問等ございましたら、ご発言をお願いいたします。先ほどと同様、ご発言を希望される委員を順番に指名させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、今回はウェブからということで、今お三方からお手が挙がっておりますので、この順に指名をさせていただきます。
まず、赤井委員、お願いいたします。
〔 赤井委員 〕
ありがとうございます。このフルコスト情報、始まって、いろいろ考えながら大分進んできたなというふうに感じております。特に5ページのところで課題というのをさらに見つけ出して、その対応をまとめられているのもすばらしいと思います。事業をどう入れ替えていくのかという1番のところ、2番、3番はそうやっていくということなんですけど、入れ替えていくというところで、これは各省にヒアリングをして、各省からこれだというのをまた提出してもらうというようなステップになるんでしょうか。その辺りを教えていただきたいというのが1点です。
もう1点は6ページのところで、事業レビューの連携、ずっとこれ、前々回ぐらいからお願いしていて、実際これが始まるということなので、今度、じゃあもう実際の行政事業レビューがまた6月ぐらいですか、あるとすれば、こういう情報が出てくるということですよね。これは結局、関連している、ここで取り上げているものに関しては全てレビューシートの中に入ってくるという理解でいいのかということと、実際レビューシートでレビューする、ここにいらっしゃる先生方にも、そういうところも見据えた上でいろいろ意見交換なんかにも活用してもらったら、よりいいのかなと。公開されますので、その場合に、フルコスト情報を見るとこうだったとか、ここを見るともっと分かりやすいとか、そういう発言もしてもらうと、もっと見る人が増えるのかなというふうに思いました。
ダッシュボードもどんどん進化しているようなので、これは授業なんかでも使って、学生なんかにも実際触ってもらって、いろいろ何かレポートをまとめてもらうとか、そういうのにも使えるのかなと思いました。最後は意見です。
以上です。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございました。
それでは、今のご質問2点について、事務局から簡単にお答え、お願いできますか。
〔 小田切公会計室長 〕
ご質問2点についてお答えいたします。
まず、ヒアリングの後、事業を入れ替える場合、各省から提出してもらうのかというご質問ですけれども、こちらはそのとおりというような回答になります。まず作成責任の一義的なクレジット、作成責任は各省にありますので、こちらから勝手に入れ替えるというような形ではなくて、協議の上という形にはなりますけれども、選定としては各省が責任を持って選定してもらうというような形になります。
もう一つ、行政事業レビューのリンクの件ですけれども、こちらも行政事業レビューのうち事業別フルコストが作成されているものについては、今後リンクが貼られるというような形になります。
以上になります。
〔 赤井委員 〕
今後というのは、この6月ぐらいにレビューがありますよね、秋のレビューなのか。ぜひ早急に、次のレビューには全部入っているようにしていただくのがいいのかなと思いました。
すみません。以上です。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございます。
〔 三嘴課長補佐 〕
すみません、追加で、行政事業レビューの関係につきましては、現在既に反映をしていっておりますので、それを基にそれぞれ連携ができるように対応させていただいております。
以上でございます。
〔 赤井委員 〕
ありがとうございます。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございました。
それでは次に、ウェブ参加の山内委員からお願いいたします。
〔 山内委員 〕
ご説明いただきまして、ありがとうございました。以前からいろいろと議論してきたわけですけれども、年々よくなってきているなというふうに思っています。ダッシュボードなんかは非常によくできていて、事務局の方々が、とても苦労されたのだなというふうに思っています。今後各省へヒアリングも実施されるということなので、やはり現場の方々の協力が必要となってきますので、趣旨をよく理解していただけるように、しっかりと説明をして行っていただきたいと思います。
以上、コメントになります。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、滝澤委員からご発言をお願いいたします。
〔 滝澤委員 〕
ご説明ありがとうございました。大変興味深く拝見いたしております。ご指摘のとおり、やはり補助金・給付金事業型の間接コスト率の評価ですけれども、お示しいただいていますように、共通経費だけで構成されていて、PDCAサイクルの活用が難しい事業が多いという点、非常に重要な指摘であると思います。やはり時系列でバリエーションがないと、なかなか分析に乗っけるというのが難しいと思いますので、先ほどご回答いただきましたけれども、ある程度バリエーションがあるような形でデータが得られますように、入替え等ご検討いただければというふうに思います。
私からは以上です。
〔 藤谷部会長 〕
滝澤委員、ありがとうございました。
それでは、ウェブの方々を先に指名してしまいますね。それでは、佐藤委員、ご発言をお願いいたします。
〔 佐藤委員 〕
私からは感想を2点申し上げます。
1点目は、目次のところに資源配分額とフルコストを新たに入れていただいたことに感謝をしたいと思います。ここにある程度、金額が明示されたことによって、内部での分析だけではなくて、外部の人が見たときの、ちょっと関心を持つきっかけづくりという意味では非常に有用だというふうに感じております。
それから2点目が、課題出しの最後のところもありがとうございます。ここで類型化で比較可能性を高めるというところがあるのですけれども、ぜひその過程で、行政事業レビューでありますとか、それから、政治家が使っているか分かりませんけれども、そういった外部の利用者の意見なども聞きながら改善を進めていただければと思います。
以上です。
〔 藤谷部会長 〕
佐藤委員、ありがとうございました。
それでは、福田委員、ご発言お願いいたします。
〔 福田委員 〕
私も、いろいろ工夫していただいて、非常に分かりやすく作っていただいていることはすばらしいと思いますが、特に見える化のボード、私も拝見させていただいていますけど、いろいろと分かりやすく見やすく作っていただいて、非常にいいのではないかと思います。ただ、これを見ていると、やはり内訳を見ると事業ごとに様々で、何でこの事業は、例えばほとんど事業コストだけの内訳のものもあれば、いろいろと別の内訳のウエートが大きかったりとか、いろいろとしています。それは何でそうなのかということまで、見ると気になったりしますので、そこら辺の工夫というのはあり得るのかどうかということはご検討いただければと思います。
それから、事前説明のときに少し申し上げたことですけども、かつ、ウエートとしては小さい場合が多いんですけど、省庁等の減価償却に関しては、省庁等の建物を使っている事業に関しては当然入ってくるわけですけれども、デジタル庁とかのように、そもそも省庁所有の建物がないようなところの事業に関しては建物の使用料が別の項目に入ってしまうので、同じように建物のお金であれば同じ分類が望ましいと思います。そこら辺の工夫というのも今後いろいろとしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
〔 藤谷部会長 〕
福田委員、ありがとうございました。
それでは、関根委員、ご発言お願いいたします。
〔 関根委員 〕
関根です。ご説明いただきありがとうございました。私のほうも感想になりますけれども、述べさせていただきます。
皆様もおっしゃられましたように、今回、課題出しをして、有用なものを入れ替えることも検討するということはすごく大切なことだと思いますし、また、ご紹介いただきましたダッシュボード、こちらにつきましても非常に使いやすくなってきて、活用ができるのではないかと思っております。
そしてあともう一つ、以前も申し上げたことですが、フルコスト情報を開示するところを徐々に増やしていくということはすごく大切なことですが、他方で、最終的に全ての情報を開示していくわけではありません。開示するには、そぐわないところがあったり、難しい点があるというのも十分理解していますが、他方で、フルコスト情報が開示されているというと、国民目線からしますと、自身の興味のあるところとか気になっているところを見たいと思うかと思います。その際、それが必ずしも出ていないと、結局、何を出しているんだろうというふうに感じられてしまうのではないかと気にしております。
そういう意味では、全ては開示していないものの、全体の中で重要なもので意義のあるものについて、金額的にどのくらいのものが記載されているかを明記するのが良いのではないかと思います。こういうものを出しているということは前から書かれていますし、今回、フルコスト情報の金額についても書かれていますので、それをまとめるような形で全体像を記載されると、金額感覚ではこういうものなのだということが非常によく分かるようになるかと思います。
なお、今回の試みに関しては、皆様の努力を感謝したいと思います。フルコスト情報として、一律で示すことによって、比較はしやすくなるのですが、先ほどから話がありましたように、一律で示すことによってかえって誤解を生じることもあるかと思います。必ずしも実態は一律ではなく、建物とか、使い方が違うとかで、必ずしも一律に比較できない部分がある、この辺りを今後も検討して、より分かりやすい、使いやすい形にしていっていただければと思います。
私からは以上です。
〔 藤谷部会長 〕
関根委員、ありがとうございました。
それでは、会場に戻りまして、黒川委員、土居委員、大塚委員の順にご発言をお願いいたします。まず、黒川委員からお願いいたします。
〔 黒川委員 〕
ありがとうございました。もうこの作られたものに対しては称賛する以外ないと思うんですけれども、1つ質問ですけれども、この事業別の事業を選ぶというのが、各省庁から選択されてきた、向こうの自己責任であると。これは当初から、始めたときからだんだん数が増えてきたんですけれども、それから充実してきたんですけども、全体として、例えば、厚生労働省の事業活動の中でどのぐらいの割合のものをピックアップして、厚生労働省は、こういうものですよということをこちらに報告してきているのか、これはやはりちょっと知りたくなりますよね。金額が小さいのばっかりなのか、あるいは大きなものを結構選んでいるのかとか、こういうのも、過去においてお聞きしたのかもしれないですけども、ちょっと忘れてしまいましたので、各省庁ごとにここでピックアップされているものの割合はどのくらい、例えば金額ベースでもいいし、件数の何件のうち何件とか、そういうようなものの統計みたいなものがあれば、また後ほどでも結構ですし、それから、こういうものがあったときには、そういうような表、これ全体の表の中で、このぐらいをカバーしていますと、そういうようなものがあってもいいのかなというふうに思いました。
以上です。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございます。
それでは引き続き、土居委員からご発言お願いいたします。
〔 土居委員 〕
ご説明どうもありがとうございました。年々充実しているということについては大変すばらしいと思っております。引き続きこの基盤を活用して、今後もフルコスト情報をよりよい形で国民の皆様に情報提供するということを期待したいと思います。
まずコメントですけども、資料2-1の2ページに書かれておりますし、ほかの委員の方もご指摘されましたけども、特に補助金・給付金事業型の間接コスト率については固定的になっている、これ以上節約しようにも節約できないという形でコスト率が一定になっているというような事業については、今後大きな変動がないということが見込まれる限りにおいては、引き続き毎年のように計算をするためのマンパワーを割くということよりかは、ほかにもう少し分析する価値のある事業にマンパワーをシフトさせて、新たな課題発見につなげていくと、そしてPDCAサイクルを活用するというような形につなげていくということがいいことなのではないかと、そういう意味での事業の入替えというのは、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
それとともに、私もちょっと関係があるから気になったということで、ダイジェスト版、資料2-2の42ページで、科学研究費助成事業ということで文部科学省の事業がありまして、これも想像に難くなく、間接コスト率がほぼ一定というようなことになっているということとともに、これは独立行政法人日本学術振興会に委託をしているということで、こういう形でフルコストが把握できているということなんですけれども、これは独法に委託しているので、独法だから当然のごとく詳細な情報が把握できるがゆえに、こういう形でフルコスト及び間接コスト率が計算できるということなんだと思うんですけれども、ほかの補助金・給付金事業型の事業に該当するであろう事業で、必ずしも今回はフルコスト情報は公表されていない事業のうち、独法の範囲ではない、もう少し別の言い方をすると、連結財務書類の対象になっていないような機関及び法人――民間企業なんかがそうですけども――に委託している、そういう事業というのもあると思うんですね。
今までは、そこまで情報を収集してフルコスト計算するというのはなかなか難しいということも配慮にあったんだと思うので、当然ながら、これまでの事業別フルコスト情報の中に、そこまで踏み込んでフルコストを計算して情報開示するというようなことにはチャレンジしていなかったと。国が直営でやっているか、ないしはいわゆる連結財務書類の連結対象になっている機関が委託されてやっているとかというレベルでフルコスト情報を把握できるというようなことで実際計算して、公表していたということだと思うんですけど、昨今、基金の活用とか様々な議論の中で、大分、補助金・給付金の事業を外部委託、ここでいう外部委託よりもさらに遠いところの、政府と距離のある機関に対して外部委託しているというパターンで事業が営まれているものも増えてきているというような背景もありますので、どこまでできるかはご検討いただければと思うんですけれども、必ずしも国直営及び独法が委託されてというレベルを超えて、国が民間機関に一般競争入札とかで委託先を決めて、ないしは、場合によっては基金設置法人を決めて、そこから給付金や補助金を出しているというようなものでも、フルコストがどういう形で計れるかということは非常に重要で、かつ、そういう民間委託したところで、どうも余分な費用がかかっているのではないかという報道もあったりするというようなことがありますから、さすがにこの事業別フルコスト情報に載っている事業では、そういう疑いがあるような事業というのは見受けられないというのは、今回このダイジェスト版でも確認できるというところではあるんですけれども、今回の対象事業になっていないもので、頑張れば把握できるようなものについては、各省庁においてそういう事業の運営状況を把握する一つの手がかりとして、このフルコスト情報の仕組みを活用していただくというものをできるならば積極的に進めていただきたいなと思っておりまして、ご検討いただければありがたいというふうに思います。
それからもう一つ、同じ間接コスト率の分析に関連するところで、事業の入替えというものは各省庁においてご検討を前向きにしていただきたいということなんですけれども、その際、フルコストが比較的高いと思われて、抑制できる余地の残っているような事業というものが内々あるというふうにお感じになっておられるとすれば、むしろそういう事業こそ、この事業別フルコスト情報の仕組みを活用して実態を把握し、PDCAサイクルを回しながら間接コスト率を下げる取組につなげていくというものができる、そういうものも残されているのではないかなというふうに思いますので、各省庁にご検討を依頼される際には、間接コスト率を下げる余地がありそうな事業というものも検討の有力候補であるというようなことでご推薦いただくというか、そういうものを入れ替える対象事業にしていただくというような形で議論を喚起していただけるとありがたいなと思います。
それからもう一つは、受益者負担事業型のことであります。今回、先ほど室長からご説明があったダイジェスト版、資料2-2の130ページで、国立文化財機構事業でご説明があって、自己収入比率が上がっているということは説明していただいたとおりで、これはいい傾向だと思います。もちろん理由が若干受け身的なものではあるのかもしれませんけれども、いい傾向だと思います。
これは、ほかの事業、受益者負担型の事業で、特に入館者数に依存する形で自己収入比率が出てくるようなほかの類似事業は、こういう、もちろん外国人のインバウンド需要ばかりに依存するということを言いたいわけではありませんけれども、ほかに入館者の増加を促すような取組だとか広報をそれぞれの事業で横展開していただくというようなことだとか、そういうことにもつなげられますし、自己収入比率が高まったときに各省で、どういうご褒美というんでしょうか、各事業で自己収入を活用して、今までにはできなかったようなことをこの事業の中で取り組むことを許すとか、そういうようなこともご検討いただくものにこの情報が活用できるのではないかというふうに思った次第です。
ですので、これはまさに受益者負担型事業として事業別フルコスト情報の開示を進めてきて、連年にわたりこういう取組をしてきたからこそ、こういう自己収入比率の上昇とかというようなものが観察でき、そしてそれが次なるアクションにつなげられるチャンスが出てきたということかと思います。そういう意味で、やってきてよかったと、フルコスト情報をこれまで取り組んできたかいがあったというのもの一つなのではないかと思います。
ですので、もう一度今申し上げたことをまとめると、自己収入比率が高まっているということがある事業が観察されたならば、類似事業で自己収入比率を高める取組というものを横展開していただくことを、このフルコスト情報を活用して展開していただくということが一つありますし、さらには、一定以上の自己収入比率が高まったということでもって、自己収入を今まで取り組めなかった支出などにこの事業内で活用していただくという新たな取組を各省庁で検討していただくというものに、このフルコスト情報を使うということもできるのではないかというふうに思った次第であります。
私からは以上です。
〔 藤谷部会長 〕
土居委員、ありがとうございました。
それでは、大塚委員、ご発言をお願いいたします。
〔 大塚委員 〕
まず今回の方針の中で、事業の入替えをしていく、ここは私も賛成です。具体的には、対象となる事業を限定してしまわずに、広げていく必要はあるだろうと思います。
その点に関して、1点確認の質問をさせていただいた上で、また意見を申し上げたいのですが、質問させていただきたいのが資料の5の補助金・給付金型事業の選定の部分の2段落目で、共通経費から事業に直接要するコストを特定できないか検証の上、PDCAサイクルの活用に適さないと考えられる場合、方針として、私、これに賛成なんですが、これは具体的にどういうケースを考えることになるのか。今の時点で、もう少し具体的な部分でお答えいただける点があればお答えいただきたいのですが、いかがでしょうか。
〔 藤谷部会長 〕
それでは、まずこの点について、事務局よりご回答をお願いいたします。
〔 小田切公会計室長 〕
ご質問の点ですけれども、基本的には、共通経費のみでフルコストが構成されているというようなものなのですけれども、その内訳、まだ詳細な分析を完了しているわけではないのですけれども、共通経費のみでフルコストが構成されているものは、中には割いている人数が少ないもので、例えば1名にも満たなくて0.5名とか、そういった事業があります。そうすると按分される共通経費も少なくなっているというような形で、金額、事業の規模としては小さくなっています。ある一定程度の資源配分額があれば、必然的にコストは小さいけれども資源配分額が多くなって、間接コスト率が低くなるというような関係性が見られるものも中にはありますので、そういった事業規模が小さくて、PDCAを回すといっても、さらに下げるということがなかなか難しいもの、そういったものを一つ、今のところまだ実態調査はしていない段階ですけれども、ヒアリングの対象になってきたりするのかなというふうには考えているところです。
〔 大塚委員 〕
ありがとうございます。大分具体的に分かりましたし、今ご説明いただいた方針で私も異論はありません。ただ、ちょっと意見として申し上げたいのが、やっぱり今回の説明の中で、見直しの対象になるものとして、ある意味固定的な変動がないものということが挙がっていたんですが、あまりそこが強調されるのはよくないかなというふうに思っております。というのは、個人的には、やっぱり財政的に厳しくなる理由は固定的な経費にあるというふうに考えておりますので、むしろ一見固定的に見えるものを見直していく必要がある。例えば、これは例えば配賦の基準が人の数、今言ったように人がほとんどいないということであればいいんですけれども、人の数で配賦される場合に、実は人の数自体はコントロールできるものであって、それが固定的であるからということで認められてしまうと、人の使い方に無駄があるものが残ってしまう危険性がある。それから、これは配賦とは違うんですが、固定的な経費の代表的なものとして減価償却費があるんですが、短期的に見れば固定的でしょうが、中長期的に見れば施設設備の見直しによって減価償却費の削減も図っていく必要も出てくる。ということを考えると、一見固定的であるように見えても、実はコントロールしていかなければいけないものがある。
とすると、単に変化がないからということで、時系列で見ても差がないということが強調されてしまって、それを基準で対象事業から外れてしまうということは、少し疑問に感じる部分があります。ですから、その点も考慮していただいて、ここでPDCAサイクルの活用にむしろ適すというふうに判断できる部分が出てくると思いますので、そこも含めて入替えの作業をしていただきたいと、これを意見として申し上げたいと思います。よろしくお願いします。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございます。大変重要なご指摘をいただいたかと存じます。
そうしましたら、今までのご発言の中で黒川委員から、全体の相場感というんですか、どのぐらい選ばれているのか、これは関根委員のご発言にも多分関係すると思うんですが、この辺り、今の時点でお分かりになる範囲でもしございましたら、お願いいたします。
〔 柘植会計制度調査官 〕
手元に数字がございませんので、後日、整理して報告したいと思っております。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございます。
土居委員、お願いいたします。
〔 土居委員 〕
横から申し訳ありません。行政事業レビューのレビューシートで挙げられる事業というのが大体5,000事業というふうに言われているので、それに比して今回のフルコスト情報の事業数というのが、累計を全く無視した、全体としての事業数の相場感というところはあるのかなと思います。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございます。
それでは、この議題2につきましてご発言を希望される委員の先生方からは一わたり、ご意見、ご発言を頂戴したかと存じます。いろいろと宿題もいただきましたけれども、これについては、また後日、事務局で補っていただけるということでございます。
それでは、本議題につきましてはここまでとさせていただきたく存じます。
それでは、最後の議題となります。少額随意契約の基準額等について、事務局から報告をお願いいたします。
〔 小澤法規課長 〕
法規課長の小澤でございます。少額随意契約の基準額につきましては、これまで2回ご議論いただきまして、誠にありがとうございました。先生方からいただいたご意見を踏まえまして、先月政令改正作業に入りまして、本日、閣議決定を行ったところであります。政令改正の資料一式はお手元に、参考資料3-1として配付してあります。基本的にご議論していただいた結果を反映しておりますが、要点のみ簡単にご確認いただいたこうと思います。
資料3、1枚めくって、1ページをご覧ください。先月13日に日本銀行が発表した企業物価指数の最新の値は125.3でした。また、今月12日に日本銀行が本年2月の値も発表しているんですが、偶然同じ値になっています。この数字と50年前、前回改定時の1974年3月の値79.8と比較をいたしますと、約1.6倍となっております。このため、基準額は1.6倍を基本として、50万円単位で切り上げるということにいたしました。具体的な数字は資料の左下の表に赤枠で囲ってあります。この改正は、資料右下のところに記載してありますが、3日後の28日に公布をしまして、施行は来月4月1日からと予定しております。
基準額の引上げによって契約方式別の割合がどうなるのか、前回の会合では1.2倍に引き上げた場合、それから1.5倍に引き上げた場合の試算値をお示ししてありましたが、今回1.6倍に引き上げるということにいたしましたので、試算値も1.6倍という形で試算を行い直したものを資料2ページにお示ししてありますので、ご確認ください。
それから、本部会では、随意契約の対象範囲の拡大に伴って、チェック体制もしっかり確保するようにというご意見もいただいておりました。ちょっと資料戻っていただきますが、1ページの上の四角のキャプションの注1のところに、「各府省に対し、少額随意契約の適正性を確保するための具体的な方策について、事務連絡により周知徹底」というふうに記載してあります。この周知徹底をする資料、事務連絡の内容については参考資料の3-2に付してありますが、これも定期的にフォローアップをして、適正性の確保を我々も確認していこうと考えています。
それから最後に、少なくとも当面は物価が上昇していくということが現時点においては見込まれております。そういう中においては、今後、物価上昇に応じて基準額も引き上げていくべきではないかというご議論も、この部会でいただいているところであります。物価スライド条項のようにシステマチックに引き上げていくという方式は考えておりませんが、これまでおおむね1.5倍程度の物価上昇の際に基準額を見直してきたということを踏まえながら、事務局においてしっかり対応していこうと思っております。
以上でございます。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございました。
本件は報告事項ということでございます。物価上昇局面において物価に応じた基準額の引上げというのは言わば自然の対応とも言えるものでございますので、前回1月の部会で、部会として了承した対応方針に従って適切に見直しの必要性を検討いただくよう、部会を代表して私からもお願いいたします。
それでは、以上をもちまして、本日予定しておりました議題は終了いたしました。
最後に、事務局から連絡事項をお伝えいたします。
〔 小田切公会計室長 〕
本日の配付資料の連結財務書類やパンフレット等につきましては、公表後、郵送させていただきます。
以上でございます。
〔 藤谷部会長 〕
ありがとうございます。
それでは、本日はこれにて終了とさせていただきます。ご多用中のところ、誠にありがとうございました。
午前11時28分閉会