財政制度等審議会 財政制度分科会
法制・公会計部会
議事録
財政制度等審議会 財政制度分科会 法制・公会計部会
議事次第
令和6年1月19日(金)16:30~18:07
財務省第一会議室
1.開会
2.議題
- 令和4年度「国の財務書類」等について
3.閉会
配付資料
資料1 | 法制・公会計部会 委員名簿 |
資料2 | 令和4年度「国の財務書類」 |
参考資料1 | 令和4年度「国の財務書類」のポイント |
参考資料2 | 「国の財務書類」ガイドブック |
参考資料3 | 国の財務書類等の財務諸表(4表)一覧 |
参考資料4 | 国の財務書類等の財務諸表(4表)一覧(英訳) |
4.出席者
部会長 |
藤谷 武史 |
三原司計課長 横山調査課長 西村法規課長 小田切公会計室長 柘植会計制度調査官 田村課長補佐 川中課長補佐 |
午後4時30分開会
〔藤谷部会長〕
それでは、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会を開催いたします。
皆様におかれましては、ご多用のところ、ご出席いただきまして、ありがとうございます。
本日は昨年度に引き続き、ウェブ会議システムを活用し、会議室における対面形式とオンライン形式を併用して、会議を開催させていただくことにしました。よろしくお願いいたします。
また、ご参加の委員の方に音声が明瞭に伝わりますよう、できるだけパソコン等のマイクに近づいてご発言いただきますよう、お願いいたします。
まず、本日の議題に入ります前に、新たに福田慎一委員、滝澤美帆委員に審議に加わっていただくこととなりましたので、ご紹介いたします。福田委員、滝澤委員、一言ご挨拶いただけますでしょうか。
〔福田委員〕
滝澤さんからお願いいたします。
〔滝澤委員〕
ありがとうございます。学習院大学の滝澤美帆と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
〔福田委員〕
東京大学の福田慎一と申します。本日、出張中で、オンラインでの参加で失礼いたします。専門は、財政というよりはマクロ経済学と金融で、民間の財務諸表は見ているのですが、公的会計に関してあまり専門ではありませんが、少しずつ勉強させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
それでは、次に事務局より、事務局職員のご紹介をしていただきます。小田切室長、お願いいたします。
〔小田切公会計室長〕
それでは、事務局職員の紹介をさせていただきます。
法規課長の西村でございます。
オンラインでの参加になりますが、司計課長の三原でございます。
調査課長の横山でございます。。
以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
続きまして、本日の委員の出席状況、そして資料の確認を事務局からお願いいたします。
〔小田切公会計室長〕
本日、関根委員はご欠席となっております。なお、一部の委員の皆様にはウェブでご参加いただいておりますが、議場出席の状況につきましては、配席図をご覧ください。
資料の紹介は以上でございます。
〔藤谷部会長〕
では、本日の部会の進行についてご説明いたします。
本日の議題ですが、令和4年度「国の財務書類」等について、事務局からの説明と、それについての質疑応答を行う形で進めさせていただきます。
それでは、令和4年度「国の財務書類」等について、事務局から説明をお願いいたします。
〔小田切公会計室長〕
それでは、参考資料1、令和4年度「国の財務書類」のポイントを用いてご説明させていただきます。
まず、1ページをご覧ください。今年度から、ページ下段に主要項目の5ヶ年推移の表を加えております。
隣の2ページについても、当年度からポイントとなる箇所について、アンダーラインを引いております。
そのまま、2ページをご覧ください。令和4年度末における国の資産及び負債の状況は、資産合計740.7兆円(対前年度末比プラス16.8兆円)、負債合計は1,442.7兆円(対前年度末比プラス31.7兆円)となり、資産と負債の差額である資産・負債差額は前年度末に比べて15.0兆円悪化し、マイナス702.0兆円となっております。
令和4年度の業務費用合計は177.6兆円(対前年度比マイナス2.6兆円)、財源合計は145.4兆円(対前年度比プラス6.0兆円)となり、財源と費用の差額である超過費用は、前年度に比べて8.6兆円減少しマイナス32.2兆円となりました。引き続き1年間の業務費用を財源で賄い切れない状況が続いております。
令和4年度の財務書類の特色でございます。令和4年度は、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期し、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現を図るための当初予算の編成、さらには、「コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」」、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を実現するための補正予算が編成されました。
これらの財政運営により、フローの状況として業務費用計算書では、「社会保障給付費」が雇用安定等給付費の減少等により1.7兆円減の52.2兆円となりました。
また、「補助金・交付金等」が、燃料油価格激変緩和強化対策事業費補助金が2.4兆円、エネルギー価格激変緩和対策事業費補助金が0.6兆円、生活支援臨時特別事業費補助金が0.8兆円増加した一方、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が3.7兆円、新型コロナウイルスワクチン等生産体制整備臨時特例交付金が2.5兆円減少したことなどにより、全体としては、0.4兆円減の78.1兆円となりました。
さらに、「地方交付税交付金等」が0.8兆円減の21.6兆円となったことなどから、業務費用の合計は前年度に比べて2.6兆円減少し、177.6兆円となりました。
一方、財源面(資産・負債差額増減計算書)の財源欄ですが、「租税等収入」が好調な企業収益や雇用・賃金、消費の増加を背景に、基幹3税がそろって増加したこと等により4.5兆円増加、「社会保険料」が1.4兆円増加したことなどから、財源の合計は前年度に比べて6.0兆円増加し、145.4兆円となりました。
これらの結果、1年間の業務費用を財源で賄えない状態を示す超過費用は前年度に比べて8.6兆円減少し、マイナス32.2兆円となりました。この水準は、依然として新型コロナウイルス感染症が拡大する前の令和元年度マイナス20.3兆円を大きく上回っており、これは「補助金・交付金等」が令和2年度から引き続き高い水準になっていることによるものです。
次に、ストックの状況(貸借対照表)ですが、資産の部においては、「現金・預金」が円安方向の為替相場の変動により外貨預け金が増加したことなどから5.5兆円増加、「有価証券」が同じく為替相場の変動による外貨証券の増価により2.1兆円増加、「貸付金」が大学ファンドの運用原資としての財政融資資金の貸付け等により1.9兆円増加、「出資金」が出資先法人の純資産額増加に伴う評価増等により4.3兆円増加したことなどから、資産合計は前年度に比べて16.8兆円増加し、740.7兆円となりました。
負債の部においては、一般会計の普通国債等が34.2兆円増加した一方で、財投債が3.9兆円減少したことなどから、公債は30.0兆円増加し、1,143.9兆円となりました。その結果、負債合計は前年度末に比べて31.7兆円増加し、1,442.7兆円となりました。
これらの結果、資産・負債差額はマイナス702.0兆円となり、前年度末に比べて15.0兆円の悪化となりました。なお、外貨証券等の為替換算差額が18.5兆円となったことなどから、超過費用の32.2兆円に対して、資産・負債差額の悪化は15.0兆円となっています。
続きまして、3ページをご覧ください。資産の主な増減要因についてご説明いたします。
現金・預金につきましては、前年度末比5.5兆円増の53.8兆円となっています。これは、為替相場が、令和3年度末1ドル115円から、令和4年度末1ドル130円に変動したことなどにより、外貨預け金が2.1兆円増の14.9兆円となったことなどによるものです。
有価証券につきましては、対前年度末比2.1兆円増の125.6兆円となっています。過去の為替介入等により取得した外貨証券が、期中の売買により7.4兆円減少したことや、時価評価に伴い5.9兆円の評価減が生じた一方で、為替換算により15.2兆円増価したことなどにより、全体として2.1兆円増の125.6兆円となりました。
貸付金につきましては、対前年度末比1.9兆円増の125.1兆円となっています。科学技術振興機構への貸付金が4.9兆円増加した一方、日本政策金融公庫の貸付金が3.1兆円減少したことなどにより、全体として1.9兆円増の125.1兆円となりました。
運用寄託金につきましては、対前年度末比1.0兆円増の114.7兆円となっています。
出資金につきましては、対前年度末比4.3兆円増の97.6兆円となっています。国立大学法人などの純資産額等の増加に伴う評価増が2.4兆円、株式の時価評価に伴う評価増が0.9兆円生じたことなどによって、全体としては4.3兆円増の97.6兆円となりました。
続いて、4ページをご覧ください。負債の主な増減要因でございます。
政府短期証券につきましては、対前年度末比0.6兆円減の87.7兆円となっています。
公債につきましては、対前年度末比30.0兆円増の1,143.9兆円となっています。建設国債は3.8兆円増の297.5兆円、特例国債は30.9兆円増の708.9兆円となりました。一方、財投債は3.9兆円減の100.9兆円、復興債は0.3兆円減の5.2兆円、年金特例国債は0.3兆円減の2.8兆円、原賠機構に対して発行された交付国債は0.5兆円減の2.8兆円となり、全体として30.0兆円増の1,143.9兆円となりました。
借入金につきましては、対前年度末比0.2兆円増の33.8兆円となっています。
公的年金預り金につきましては、対前年度末比0.8兆円増の123.0兆円となっています。
続きまして、5ページをご覧ください。フローの状況、費用の主な増減要因でございます。
社会保障給付費につきましては、対前年度比1.7兆円減の52.2兆円となっています。基礎年金給付費が年金受給者数の増加等に伴い0.1兆円増加した一方、雇用安定等給付費が雇用調整助成金の減少等に伴い1.4兆円減少したことなどにより、全体として1.7兆円減の52.2兆円となりました。なお、社会保障関係経費は、「社会保障給付費」だけでなく、「補助金・交付金等」にも47.0兆円含まれています。これらの社会保障関係経費全体では、6.1兆円減の99.2兆円となりましたが、これは新型コロナウイルス感染症対策に係る補助金等が減少したことによるものです。
補助金・交付金等につきましては、対前年度比0.4兆円減の78.1兆円となっています。エネルギー・食料品等の価格高騰への対応として、燃料油価格激変緩和強化対策事業費補助金が2.4兆円、生活支援臨時特別事業費補助金が0.8兆円、マイナポイント事業費補助金が0.9兆円増加した一方、新型コロナウイルス感染症対策に係る新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が3.7兆円、新型コロナウイルスワクチン等生産体制整備臨時特例交付金が2.5兆円減少したことなどにより、全体としては0.4兆円減の78.1兆円となりました。
地方交付税交付金等につきましては、0.8兆円減の21.6兆円となっています。
続きまして、6ページをご覧ください。財源の主な増減要因でございます。
租税等収入につきましては、対前年度比4.5兆円増の76.3兆円となっています。所得税は1.1兆円増の22.5兆円、法人税は1.3兆円増の14.9兆円、消費税は1.2兆円増の23.1兆円となり、全体として4.5兆円増の76.3兆円になりました。
社会保険料につきましては、1.4兆円増の57.7兆円となっています。厚生年金保険料が1.0兆円増の34.2兆円、労働保険料が0.5兆円増の3.1兆円となったことなどにより、全体としては1.4兆円増の57.7兆円となりました。
この結果、超過費用について、下の枠に記載しておりますが、「財源合計(145.4兆円)」から「業務費用合計(177.6兆円)」を差引きするとマイナス32.2兆円となり、前年度に比べて8.6兆円減少しましたが、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の令和元年度のマイナス20.3兆円を依然として上回る水準となっています。
続いて、7ページをご覧ください。補助金・交付金等についてでございます。
令和4年度の業務費用の44%を「補助金・交付金等」が占めており、所管別の特色について記載しております。
厚生労働省は、「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」が0.4兆円増加した一方、「新型コロナウイルスワクチン等生産体制整備臨時特例交付金」が2.5兆円、「生活困窮者就労準備支援事業費等補助金」が0.6兆円減少したことなどにより、総額は42.2兆円と前年度と比べて3.0兆円の減少となりました。
経済産業省は、燃料油価格激変緩和強化対策事業費補助金」が2.4兆円、「エネルギー価格激変緩和対策事業費補助金」が0.6兆円増加したほか、「脱炭素化産業成長促進対策費補助金」を0.9兆円計上したことなどにより、総額は9.7兆円と前年度と比べても5.0兆円増加となりました。
文部科学省は、「大学等成長分野転換支援基金補助金」を0.3兆円計上したことなどにより、総額は6.7兆円と前年度と比べて0.5兆円の増加となりました。
総務省は、「マイナポイント事業費補助金」が0.9兆円増加した一方、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」が3.7兆円減少したことなどにより、総額は5.3兆円と前年度と比べて2.1兆円の減少となりました。
内閣府は、「生活支援臨時特別事業費補助金」を0.8兆円計上した一方で、「子育て世帯等臨時特別支援事業費補助金」が2.4兆円減少したことなどにより、総額は5.0兆円と前年度と比べて1.6兆円の減少となりました。
8ページは、国全体の社会保障財源及び給付につきまして、国の財務書類がどの部分をカバーしているかを示したものでございます。財源においてピンク色の部分が国の会計に計上されているものであり、それらに対応する給付が業務費用計算書に計上されております。
続きまして、9ページをご覧ください。資産・負債差額の増減要因でございますが、前年度末資産・負債差額マイナス687.0兆円から、先ほどご説明しました、超過費用マイナス32.2兆円、資産評価差額マイナス2.6兆円、為替換算差額プラス18.5兆円などが加味され、本年度末資産・負債差額はマイナス702.0兆円となっています。
資産評価差額がマイナス2.6兆円となったのは、外為特会が保有する外貨証券について時価評価に伴う評価減5.9兆円が生じた一方で、出資金について出資先法人の純資産額増加等に伴う評価増2.4兆円や、株式の時価評価に伴う評価増0.9兆円が生じたことなどによるものです。
また、「為替換算差額」が18.5兆円となったのは、為替の影響により、外為特会が保有する外貨証券の為替換算差益15.2兆円や、外貨預け金の為替換算差益2.3兆円が生じたことなどによるものです。
続きまして、10ページをご覧ください。資産と負債の差額である資産・負債差額は、その大部分が過去における超過費用の累積であり、概念的には、将来への負担の先送りである特例国債の残高に近いものであり、両者の推移について記載しております。
続きまして、11ページをご覧ください。ストックの推移でございます。
国の財務書類作成当初の期末時点の平成15年度末以降で見ると、資産は平成15年度末695.9兆円から令和4年度末740.7兆円へと大きな増加とはなっていないものの、負債は公債残高の累増により平成15年度末941.1兆円から令和4年度末1,442.7兆円へと増加を続けており、資産・負債差額は456.9兆円の悪化となっております。
12ページはフローの推移でございますが、超過費用は、平成20年度のリーマンショックの影響により、平成21年度に一時大きく増加し、その後減少傾向にありましたが、令和2年度以降は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により再び大きく増加し、その後、令和3年度以降は少しずつ減少しています。ただし、令和元年度に比べると、依然として高い水準となっており、1年間の業務費用を財源で賄い切れない状況が継続しています。
続きまして、13ページをご覧ください。近年10年間の資産の内訳の推移でございます。
資産合計は、平成24年度末比で100.5兆円の増加となっています。現金・預金、有価証券、出資金などが平成24年度末比で増加している一方、財政融資資金等の貸付金が令和元年度までは減少傾向にあったことなどにより、資産全体としては、緩やかに増加しています。
上から2番目の青色の有価証券でございますが、為替相場の動向に大きく影響される状況となってございます。
黄色の運用寄託金につきましては、平成27年度以降は増加傾向となっております。
下から2番目のオレンジの出資金は、出資先法人の株価の上昇や純資産の増加等により年々増加しております。なお、令和3年度末は令和2年度に引き続き、日本政策金融公庫への出資金が増加したことなどにより9.9兆円の増加となっております。
続きまして、14ページをご覧ください。負債の合計は、平成24年度末比で316.7兆円の増加となっています。下のグラフの公債内訳を見ていただければ一目ですが、特例国債が大幅に増加しています。
続きまして、15ページをご覧ください。近年10年間の費用の内訳の推移でございます。
費用合計は、平成24年度比で39.7兆円の増加となっています。高齢化の進行に伴う社会保障関係経費の増加などにより、令和元年度までは緩やかな増加傾向となっていましたが、令和2年度以降は、新型コロナウイルス感染症への対応に加えて、令和4年度のエネルギー・食料品等の価格高騰への対応等により、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の令和元年度を大きく上回る水準で推移しています。なお、費用の過半を占めている社会保障関係経費は、平成24年度比で25.5兆円増加しています。
また、支払利息は、近年の低金利等により減少傾向にありますが、国債金利が上昇すれば、利払費の増加による財政の圧迫を引き起こしかねない点に留意が必要となります。
16ページをご覧ください。近年10年間の財源の内訳の推移でございます。
財源合計は、平成24年度比で47.0兆円の増加、そのうち租税等収入は、平成24年度比で29.3兆円の増加となっています。
続きまして、17ページは、国の一般会計の歳入歳出決算、特別会計の歳入歳出決算、そして国の実質上の財政規模を示す純計をご説明しております。
18ページは、純計ベースの歳入決算額305.3兆円と発生主義である財源145.4兆円の差額、純計ベースの歳出決算額269.8兆円と業務費用177.6兆円の差額の関係をご説明しております。
続きまして、19ページをご覧ください。19ページでは、現金主義ベースの主要経費別分類で見る国の歳出決算額を記載しております。
令和4年度における歳出決算額(純計)269.8兆円を主要経費ごとに分類すると、下のグラフのとおりですが、年金給付費や医療給付費など社会保障関係費が100.2兆円と全体の3分の1を占めています。
20ページは、一般会計財務書類と国の財務書類(一般会計・特別会計)の比較でございます。
資産・負債差額は、一般会計がマイナス741.3兆円、合算がマイナス702.0兆円となっており、合算においてマイナス幅が39.3兆円小さくなっています。超過費用は、一般会計がマイナス36.7兆円、合算がマイナス32.2兆円となっており、合算においてマイナス幅が4.5兆円小さくなっています。これは、特別会計の資産・負債差額及び超過費用がプラスであることによるものですが、一般会計、合算ともに資産・負債差額及び超過費用が大幅にマイナスの状態であることは変わらない状況でございます。
21ページ以降は、従来から記載している参考情報について、計数更新したものになってございます。
事務局からの説明は以上になります。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局からの説明について、ご意見、ご質問等ございましたら、ご発言をお願いいたします。ご発言を希望される委員を順番に指名させていただきますので、委員の皆様方は、ご意見がある場合は、議場にてご出席の委員の方は挙手いただき、ウェブ会議システムにてご出席の委員の皆様方は挙手するボタンのクリックをお願いいたします。なお本日、会場に6名の先生方、そしてウェブで4名の先生方がご出席予定ということですので、おおむね会場から3名の方にご発言いただいたら、ウェブでお二方ご発言いただいて、また会場に戻って、大体そんな感じで進めてまいりたいと存じますが、よろしゅうございますでしょうか。
それでは、どなたからでも、どうぞご発言をよろしくお願いいたします。
では、挙手がありますので、赤井委員、山内委員の順でお願いいたします。
〔赤井委員〕
では私から。大阪大学の赤井です。本日はありがとうございます。
また、この形で、令和4年度、きれいにまとめていただきまして、本当に大変な作業だったと思います。ありがとうございます。
毎年同じような形ということもありますので、まず、初めにちょっと簡単に、昨年度と比べて、フォーマットで変わっている点があればその点と、その意図について教えていただきたいということと、あとは、理解としては、大きな変化の主要な要因としては、コロナ対策が一部、社会保障関係費のところが終わったというか、まだ十分下がってないですが、少し落ち着いたということと、あとはエネルギー対策費、その辺りが大きく動いているかということと、あとは資産のところで、円安の影響もあり、それで少しプラスになっているところがあるというようなところで全体像を理解したのですが、その理解でいいかを確認したいと思います。
〔藤谷部会長〕
それでは、お一人ずつお願いします。
〔小田切公会計室長〕
ご質問ありがとうございます。
まず、フォーマットの変わっている点と、その趣旨でございます。1ページ目の下段で「主要項目の5ヶ年推移」を記載している点が、まず、大きな点でございます。
また、2ページ目で、下線を引いているところ、強調したい部分、ポイントとなる部分について、強調する趣旨でアンダーラインを引いているところが変わったところでございます。
主要5ヶ年推移は、趣旨としましては、昨年度の法制・公会計部会でのご意見があったというのも契機になっているところですが、まずは全体感を見せるといったところ、その中で、さらに貸借対照表、業務費用計算書、資産・負債差額といった当期の費用に目を落としていただくということで、大きなところから小さいところへ視点を移していただくという趣旨もございます。
また、アンダーラインは、2ページ目は文章が続いて若干見にくくなっていた部分もあろうかと思いますので、こちらのポイントとなる部分について、ビジュアル的にも見やすくするという趣旨でアンダーラインを加えております。あと、今回令和4年度の理解、先ほど赤井委員がおっしゃった理解、大きな流れで相違ないかというご質問ですが、こちらも相違ないところになります。
〔赤井委員〕
ありがとうございます。とりあえず初めの質問としては大丈夫です。
〔小田切公会計室長〕
すみません、1点だけ。補足でフォーマットの変更のところで、7ページ目の「補助金・交付金等」のところ、今までは令和3年度4年度という形で2年比較ではあったのですが、令和元年度から4年度までの4期間比較という形で表示している点も補足させていただきます。失礼しました。
〔赤井委員〕
分かりやすくということですね。
〔小田切公会計室長〕
はい。
〔赤井委員〕
でも、文章の表記は、前年度比だけですよね、中の説明は。
〔小田切公会計室長〕
おっしゃるとおりです。
〔赤井委員〕
2年度と3年度の変化はまた、昨年のを見れば分かると思うので。分かりました。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
それでは、山内委員、お願いいたします。
〔山内委員〕
早稲田大学の山内です。よろしくお願いいたします。
丁寧にご説明いただきまして、ありがとうございました。私からは1点だけ、コメントをさせてもらえたらと思います。
最近では、コロナの時期と比較して、今回はどうなのかというのはもちろんですが、新型コロナの前の水準と比較してどうなのかというところが非常に重要視されて、見ることが多くなっておりますので、先ほどもご説明いただいたのですが、1ページのところ、5年間の表を入れていただいたりですとか、7ページ目の参考のところ、ここは増やしていただいたところですよね。元年から増やしていただいたというのは、新型コロナ前の水準と比較できるようになっているということで、非常に良いと思います。ほかにも新型コロナ前と比較してどうなのかという説明も、随所に散りばめられているというのも、非常に良いと思いました。
できればそういうところに下線をつけるなどしても、もしかすると、もっと伝わりやすいのかとも思ったのですが、下線は別の箇所に既につけてあるんですよね。ですので、例えば波線にするとか、何かこう一律で、新型コロナ前の水準と比較したところだけをちょっと何かマークをつけるなどしても、良いかなとも思いました。
以上コメントです。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。事務局、何かございますでしょうか。
〔小田切公会計室長〕
コメントありがとうございます。令和4年度は、新型コロナウイルス感染症の影響というのは、まだ2類でしたので、まだ影響があったところですが、令和5年度、足下の進行期ですが、こちらになると、またさらにその影響というのが薄れていく可能性も高いと考えております。その中で、令和5年度以降、どう分かりやすく、そこら辺を国民に伝えるかといったところは重要な視点にはなってくると考えておりますので、スペースの関係もあるのですが、その点、今ご指摘の強調するとか波線というご示唆もありましたので、その点を踏まえて、どう分かりやすくするかというのは、また、来年度以降も引き続き検討させていただければと考えております。
〔藤谷部会長〕
どうもありがとうございました。それでは、黒川委員、お願いいたします。
〔黒川委員〕
慶應大学の名誉教授の黒川です。ありがとうございました。大変分かりやすく、今回も非常にカラフルで、理解しやすかったと思います。お疲れさまでした。
そこで1点、今まで私も看過していたというか、長年やっていたのですが、提案というのをしたいのですが、それは7ページの補助金・交付金のところで、これはずっと1ページ分で記載していたのですよね。大体ここは厚生労働省関係のところで、社会福祉が結構かかりますというのを強調するところだったのですが、その中身を少しずつ書くようになってきたということです。そこで、国の財務書類の詳しい細かい方を見ていたのですが、そこで例えば73ページ、先生方に見ていただきたいのですが、73ページを見ると、国土交通省の補助金の内訳があって、大体、国民が関心があるところは防災・安全、今地震があったので、1兆1,000億と出ているのですが、その下に、「訪日外国人旅行者周遊促進事業」と、これはビジットジャパンので、今また増えてきた、8割とかになったのですが、これを計算すると0.8兆円ぐらいですか。これは大きい。こういうのが、やっぱりごろごろとあるんですよね。
事務局も、こういうのをざっと見て、重要だなというのを拾って、厚生労働省、経産省、文科省とやられていて、ここに書いてあるのは、なるほどなというふうに、明細の方と比べて事務局がどこをピックアップして、7ページに落とし込んだのかと、さっきから見ていたのですが、これはとても大変だったろうとは思うのですが、大体合理的だったのですが、今、私が見つけた訪日外国人旅行者周遊促進事業は、結構、それで0.8兆円もあるではないですか。だから、本当は事務局も入れたかったかもしれないのだけど、(6)のその他のところにいってしまうのですよね。それはスペースの関係だったわけで、これは事務局とも、事前のところでも話したのですが。
そこで、やっぱり補助金とか交付金というのは、科目を見ていると、結構、現在の流れというのでしょうか、例えば経産省なんかバイオ医療品の何とかとか、拠点を整備とか、いろいろ出てくるのですよね。1つ1つの項目を見ていると、これがやっぱり世の中を動かしている、結構政府が対策を取っているのだなというのは補助金・交付金に出てくることが分かるんですよ、具体的に名称を見ると。
そこで、もし可能ならば、来年度から、ここ1ページ増やしたらどうかと思うんですよね。補助金・交付金を2ページ立てぐらいにして、それでズラズラっと文章を書くと大変なので、何かもう少し分かりやすい、代表的な科目を出すと、もう少し中身が見えるのではないかと、このように今気がついたということで、ご検討いただきたいと思いました。よろしくお願いいたします。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。来年に向けてのご提案ということですが、事務局、今の時点で何かございますか。
〔小田切公会計室長〕
ありがとうございます。
今、現行上、ご指摘のとおり、スペースの関係という制限がありまして、現行の並びとしましては、まず、省庁別で、トータルでトップファイブを並べまして、それ以外の省庁はその他にしています。そのトップファイブに入ってきた各省庁の中で、大きい要素を出しているという構成になっております。
ただ、ご指摘にありましたが、実はその他の中にも、各項目で出しているもの以上のものが、実は含まれているものもありますので、こちらはどこまで出したらいいのかというところは、やはり全体感なりとか見て考える必要があるかと思います。また、もう1ページ増やしたらいいのではないかというご指摘、ご示唆がありました。1ページ増やすと、かなり余裕を持った記載ができるところでありますが、その中で、今まで作成する過程で全体、全部の中でトップ、降順で並べるというのは今までしていなかったので、どれくらいのボリューム感があるかとか、どこまでで区切ったら適切なのかですとか、そういったところも検討し、データを見させていただきまして、国民目線でどういったものが出てきたら、一番分かりやすいかという視点も踏まえて、来年度、検討させていただければと思います。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございます。
関連する、では、山内委員から。ウェブの先生方はその後で伺います。
〔山内委員〕
すみません。今のところで、黒川委員から1ページここで増やせばいいのではないかというお話があって、ほかのところで、スペースの容量で入りませんでしたというところがあったと思うのですが、このつくりだと、2ページ増やすとちょうどいいんですよね、全体感として。ですので、ちょっと入らないなというところを膨らませて、2ページぐらい増やしても、ちょうどこう、2ページ増やすとこの冊子がちょうどいいと思うので、そうすると少し余裕が持てるかもしれないと思いました。
コメントです。以上です。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
それでは、ここで一旦、ウェブ参加の委員の先生方からのご意見を頂戴したいと思います。挙手していただいた順に、まず、福田委員、そして佐藤委員の順にご発言、それでは、これもお一方ずつご質問、答えということで、福田委員、お願いいたします。
〔福田委員〕
ありがとうございます。読ませていただいて、非常に分かりやすく書かれているのではないかと思います。これまでそんなに読んだことはなかったのですが、初めてきちんと読ませていただいて、非常に丁寧に書かれていたと思います。
私のコメントは2点で、1点目はもう既にほかの委員が指摘されたことですが、やはり昨年度、あるいは今年度に関しては、平時に戻る経済状況の下で、どのように記載するかということは、やはり大事なのだろうと思います。通常であれば前年度比較という形で問題ないとは思いますが、やはり非常に膨れ上がった予算が、どのように縮小、平時に戻っていくかということは、やはり、現在でも議論はされていますが、丁寧に議論することは、私も大事だろうと思いました。これが第1点目です。
それから2点目は、これはすぐにどうこうということは難しいと思いますが、1つの将来の課題として、国の貸借対照表を客観的に見たときに、負債の項目の最大の項目である国債を、国の関係機関である日本銀行が過半数を保有しているということを、どのように議論していくかということは大事な問題かもしれないとは思います。もちろん中央銀行の独立性もあって、どのように記載するかは難しいですが、通常の国ではあり得ない状況が日本の国では起こっていて、国の負債の半分を国の関係機関である中央銀行が持っている、足下では他の中央銀行の中には債務超過に陥っているような国も現れているという状況もある中で、国のこういう問題をどのように考えるかということは大事な、今年の課題というよりかは将来的な課題といえます。今回のものでも、日本銀行が国債をたくさん持っているということは記載されていますが、国の貸借対照表を考えるとき、日本銀行は外の存在で知らないよという形で記載し続けるのがいいのか、もう少し、そこに踏み込んで議論するのかというのは、今年度の課題というよりかは将来的には1つの大きな課題だと思います。これだけ大きな、巨額な国の負債を保有しているわけですから、将来的な課題として、少し検討していただくこともありなのかなと思いました。
私からは以上です。
〔藤谷部会長〕
福田委員、ありがとうございました。
それでは、今のご発言につきまして、事務局からお願いいたします。
〔小田切公会計室長〕
コメントありがとうございます。平時に戻るという視点での記載が重要になるというご示唆です。こちらは先ほど申し上げましたとおり、令和5年度は令和元年度の水準と比べてというところが、より一層、メッセージとして重要になってくるのではないかとも考えられますので、来年度の内容につきましては、そういう視点も踏まえて、説明なり、分かりやすい、誤解のないような記載を心がけて作成したいと思います。
あと、中央銀行が国債を50%以上保有しているところで、長期的な課題という形でおっしゃっていただきました。まず、国の財務書類という形で、歳入歳出という現金主義ではなく発生主義ベースの国の財務書類をつくるという視点で作成していたので、例えば4ページ目の下の、さらに真ん中辺で、参考という形で国の中央銀行が53.34%を保有していると書いて、一応位置づけとして参考という形にさせていただいているところです。
ただ、やはり長期的な視点で国の財務を考える上では、やはりご指摘のとおり、重要な視点ではあるというところはありますので、発生主義ベースでそこをどう捉えるか、パンフレットをこれにどう落とし込むかというところは、考えないといけないのかというところはありますが、その点も重要な視点という頭を持って作成なりとか、検討させていただきたいと考えております。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。日銀の話は連結のときにやりますか、3月。
〔小田切公会計室長〕
そうですね。どちらかというと、単体というか一般会計、特別会計の合算というよりかは、連結の話でまた、そういった視点もあるのではと思います。
〔藤谷部会長〕
例年問題になるところでありまして、大変重要なポイントを上げていただいたものと承知いたしました。ありがとうございます。
それでは、ウェブ参加の佐藤委員、お願いいたします。
〔佐藤委員〕
佐藤でございます。本日、遅れてしまいまして、大変申し訳ございませんでした。
私からは、先ほど山内委員はじめ、皆様の意見の繰り返しになってしまうのですが、まず、1点目は、やはりコロナがベースにならないようにという意味で、この5ヶ年の推移を最初に入れていただいたこと、また、交付金のところについても、表示を拡充していただいたことにお礼を申し上げたいと思います。ただ、平準化といっても、災害などが続き平準的な状況がなくなりつつあることもございますので、例えばコロナなど大きなイベントの部分については、後ろの方の、例えばヒストリカルなデータのところに、ちょっとした分かりやすいコメントが入るようにしてもよろしいのではないかと思いました。
それから、そういう分かりやすさという面ですが、やはり、今回、私が見て思ったのは、5ヶ年の推移が新しく加わって、資産・負債差額の状況などが見えて、分かりやすいと思ったのですが、日常でこれに目に触れることがない国民からすると、ビフォー、アフターの変化がなかなか感じられないのではないかとも感じております。
今回、アンダーラインとか引いていただいたのも、情報誘導にならないように、情報の中立性を非常に意識した上でも、ポイントをおさえてマークしてくださったと思うのですが、さらに、やはり資産・負債差額でありますとか、ここだけはというようなポイントをもう少し、これも前回の会議のときも、そこはいろいろ主張すべき点が何であるか、中立性の下で絞り込むのは大変だというお話はあったのですが、国民へのアピールというのも、引き続きご検討いただければと思います。
最後に、交付金のところも、なるほどと思って拝見しておりまして、ここなども、やはりページを増やすというのもあるのですが、ほかのページなどでは、何というのでしょうか、文章の説明ではなく、吹き出しをたくさんグラフにつけているようなところもありますので、そういった工夫でも分かりやすさというのは向上するのではないかと思いました。
以上です。
〔藤谷部会長〕
佐藤委員、ありがとうございました。
今のご発言に対して、事務局からお願いいたします。
〔小田切公会計室長〕
どうもありがとうございます。まず、1つ目の大きなイベントについては、例えば後ろの方にページを割いていたと思うのですが、そこで記載するですとか、そういった工夫ができないかというような示唆でありました。こちらもなかなか、過去の経緯としましては、コロナのところだけ抜き出すというのがなかなか難しくて、今のような現状になっているところはあるのですが、そこら辺は国民からの分かりやすさということではトレードオフになってしまう部分はあるのかと思いますので、こちらも、大きなイベントについて、抽出できる部分だったり、分かりやすく表現するところは意識しつつ、できる範囲の中で改善していくことを積み上げていきたいと考えております。
また、強調する部分などを活用して国民へのアピールをしていくべきだというご示唆です。こちらもおっしゃったとおり中立性と国民へのアピール、恣意性というところは、トレードオフになるようなところはありますので、私どもの立場としましては、なるべく中立性は保ちつつ、財政の事実に基づいた記載の中で、国民に分かりやすく表示するといったところは念頭に置いて、今後も作成してまいりたいと考えているところでございます。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
それではまた会場に戻りまして、では、先に。土居先生、すみません、少しお待ちいただいて、会場からお願いします。では、小林委員、お願いいたします。
〔小林委員〕
よろしいですか。すみません。では、先に、一言、2つ申し上げたいと思います。
1つは、この資料のレイアウトというか、方式について、今も議論されていることですが、国民に分かりやすくするというのと、あと内容を客観的に詳しく説明するというのと、相矛盾するというか相反する要求を盛り込もうとして結構、このポイントの資料というのは、読みにくくなってしまうのではないかという懸念を感じるので、これは提案ですが、例えば2つに分けたらいいのではないか。1つは、財審の歳出の部会でやっているような、概要という、2枚紙とか3枚紙ぐらいの概要にして、今回、今年の財務書類で前年からの大きな変化とか、大きなポイントは何かというようなことをまとめて書く。それは一般の国民がぱっと見て分かるような内容にするということ。そして、今あるこのポイントの紙をもう少し詳しくして、むしろ財務諸表、財務書類の分析みたいな、何かそういう位置づけにして、今回の財務書類で分かったことを少し分析的に見ると、こういう解釈ができるとか、こういう事実が見えてくるというようなことを説明するというふうにして、このポイントの方はどちらかというとプロ向きというか、こういうテーマに関心のある人が読んで、早く理解できるものというような、資料のつくり方を少し変えてというか、一般の国民向けのものと、それからやや専門家というか、そういう関心のある人向けのものに変える、そういうのがいいのではないかという気がいたしましたというのが1点。
あともう一つは、質問ですが、先ほどのコロナの前に戻りそうだったのだけれども、今回、インフレ対策とか燃料費の対策などでお金が出たので戻らなかったというふうに理解したのですが、実際そうなのか。要するに、今回増えている燃料油価格激変補助金みたいなものを全部取り除いたら、コロナ前に戻っていたと言えるのかということが、ふと気になったので、もしそれ以外の要因もあるのだったら、それも教えていただければと思います。2点目は質問です。
以上です。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
それでは、今のコメントとご質問、お願いいたします。
〔小田切公会計室長〕
どうもありがとうございます。こちら、私どもにとっては貴重なご示唆だと思っていまして、2つに分けるというところ、やはり国民目線で分かりやすくというのは、常々、継続して、これはどんどん改定なりとか改善していかなくてはいけないとは思っております。その中で、大きな変化になりますが、1つは概要版を作成する、もう1つは、専門家向けにもう少し詳細にするという方向性は、1つのご意見として、含めて検討させていただきたいと思っております。なかなかマンパワーだったり紙面のスペースだったり、作成する時期の関係ですとか、いろいろリソースが限られているところではありますが、それも踏まえて、どうしていけばいいかというところの意見として、1つ考慮なり、検討の1つとして考えさせていただきます。
もう一つの補助金のところで、エネルギー価格高騰対策が増えた一方、コロナが減って、本当にそれだけの要素で今こういう結果になっているのか、もっと大きな別の要素があるのかというご質問だと理解しております。こちらは、コロナの補助金・交付金だったり、価格高騰対策の補助金・交付金というところが、なかなか切り分けられないところがありまして、コロナ関連のネーミングで拾ったとしても、コロナ関係のネーミングがついてない補助金にも、中身はコロナに関するものがあったりとか、あとは、コロナを前提とした価格高騰対策の補助金だったり交付金があったりして、性質としても被っているものもありますので、そこら辺がなかなか分解できないところはございます。
ただ、大きな要素としては、コロナ関係が減って、エネルギー価格高騰対策の補助金・交付金が増えたところは間違っていないと考えております。それを超えるような第3の要素は、今のところないと理解しております。
〔黒川委員〕
よろしいですか。
〔藤谷部会長〕
関連して、お願いします。
〔黒川委員〕
先ほどからの補助金のところがすごくよく分かるのですが、69ページを先生方開いていただいて、2つの話が出ていて、実額として出ているという話と、それから令和3年度から4年度に、今回に減ったという話が入り乱れて出てきているんです。
小林先生のお話は、令和元年度というかコロナ前と比較するということになると、実額として、3年度から4年度が減ったというのではなくて、実際4年度にどのぐらい出ているかというところを見ないと、元年度と比べることはできない。
そこで69ページを見ると、例えば補助金で、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金が3兆、まだ出ています。その後に、下の方を見ても、4,000億円とか出ているでしょう。ということは、まだ出ているんですよ。
だから、元年度と比べると、やはり元に戻るということは、これが全部なくならない限りは元に戻らない。だから、さっきからの話は減少した、もう1回繰り返すと、前年度から比べて減少したけれども、まだかなりの額はコロナで出ている。まだね、4年度は。というふうな認識が必要で、これはさっきのスペースのところにもよるのですが、実額として出ているのと、対前年度から比べて幾ら減りましたというのが、入り乱れて文章が出てくるんですよ。だから分からなくなってしまう。もう少しスペースがあれば、もう少し余裕を持って記述できると思うのね。だから、事務局大変だったと、大変なんですよ、これを1ページにするというのは。それがあったので、一応今の認識はそういうことだろう、まだコロナは、この年度はまだ出ている。結構出ていると認識した方が。
それからもう一つ、さっき小林先生がおっしゃった、ダイジェスト版というのは、昔つくったことが、このガイドの、この先言いませんが、誰々さん向けのという、これでも厚いと言う人がいて、短いのをつくったんだよね。それなくなっちゃったんです。どうしてやめちゃったんだろう。
初めの方のページかな。ここのダイジェスト版だから、改めてつくるというよりも、ピックアップして、数ページ、何ページだったですかね、あれ。
〔藤谷部会長〕
3ページくらい。
〔黒川委員〕
3ページか4ページあったんですよ。だから、そうするとマンパワーもあまり要らないのだけど、でも、小林先生のおっしゃったのはもう少し本格的なものかもしれないのですが、初めの方とか、ピックアップしたというのは、前に何かつくったことがある。それだけ情報提供を。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
それでは、会場から。金子委員、お願いいたします。
〔金子委員〕
ありがとうございます。今の情報提供の仕方についてですが、冒頭の国の財務書類、一般会計と特会を足した資料だけで100ページを超えるような非常に大部な資料を内容的に伝えるということで、こちらの参考資料1番が、非常にうまくまとまっているなというのが、私の思っているところでございまして、確かに特定のターゲットの方がある程度絞れれば、その方向けの専門的な開示資料なり説明資料というのも、つくりようもあるかとは思いつつ、先生方のご意見を聞いていたのですが、果たしてそのターゲットは絞れるのかなというところも思いまして、現状おつくりいただいているこのバージョンをうまく少し改良することで情報提供していけば、私は十分かと考えている点が1点でございます。
あとは、すみません、非常につまらない表記の仕方の話で、確認だけしたいところがございまして、よろしいでしょうか。
今日の参考資料1の1ページのところで、資産・負債差額増減計算書、これは9ページにも出てまいりますし、あと一般会計、特会で分かれているものが20ページも出てくるのですが、この中の本年度業務費用合計の数字のところに三角をつけるかつけないかというのが、どちらかに統一された方がいいのかと思いまして、今資料をつらつら見ていまして、思ったといいますか、何か理由があるのであれば、逆に教えていただければということが1点です。
それともう一つが、2ページ目の下から2行目のところに、超過費用32.2兆円という数字がございまして、この32.2兆円は同じページで、2か所、やはり出てくるのですが、これも三角をつけるのかつけないのかという、何か理由があるのかを教えていただければと思います。
それと3ページ目の、出資金の増加理由のところで、国立大学法人等の純資産額増加によって増えていますということで、2.4兆円と括弧書きでございまして、これが3ページの下のところに出資金の内訳が書いてございまして、内訳の中の下から2行目ですか、「その他の特殊法人」の上に「国立大学法人等」とあって、これはプラス1.0兆円になっています。
ですので、これをどちらの数字をお使いになるのか知りたかったのと、理由として書いてあるのは、会計基準の改訂によって影響が出ているということを書かれているので、純粋に国立大学法人の数字だけであれば、この数字を列記するのかなと思いまして、一応ご確認と思いまして、発言させていただきました。
以上でございます。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
お願いいたします。
〔小田切公会計室長〕
どうもありがとうございます。
まず、最初の、ターゲットを特定するのは難しいというところで、現行のポイントをリバイスする形でもいいのではないかというご意見です。そういった視点も含めて、今後どうつくっていくかは、小林先生のご意見、金子先生のご意見、両方含めて検討させていただきたいと思います。
マイナスの表記は、失礼しました、こちらは特段ルールがあってそうしているのではなく、統一できていないというのが正直なところではあると思いますので、どちらかに統一した方がよろしいと思いますので、こちらは修正という形でさせていただきます。
あと、3つ目の、3ページ目で出資金の国立大学法人等の純資産額増加等に伴う評価増でプラス2.4兆円のところですが、こちらが、米印の場所が悪いと思うのですが、国立大学法人の要因で、今1.0兆円、下の表の1.0兆円でして、それ以外の評価増含めて、純資産等の増加に伴う要因としては2.4兆円という形にはなりますので、米印の場所が、国立大学法人の隣に米印があって、その外に等があるというのが正確な表記と思われますので、そういった意味ではこちらも修正を検討させていただきます。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。では、今の点は修正検討ということでよろしいようですね。
それでは、ウェブで、大変お待たせいたしました。土居委員、滝澤委員からのご発言をお願いいたしたいと思います。
まず、土居委員からお願いいたします。
〔土居委員〕
土居でございます。ご説明どうもありがとうございました。
3つ、コメントです。まず最初に、7ページの補助金・交付金で、これは令和2年度からずっとそうではありますが、新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金が総務省から出されているということです。ただ、予算上は、内閣府からまず出されて、それを総務省が出口になって地方公共団体等に配っている、そういう構図になっているはずなのですが、今まで、私もそこまで、昨年と一昨年度の国の財務書類のポイントを見なかった、そういう形で注視していなかったので、2021年度も2020年度も同じように総務省から支出されていっているということで計上して、財務書類がつくられているということになっているということは確認をしているのですが、ほかの補助金・交付金でも同様なことがあるのかもしれませんが、発生主義会計でやっているので、最終的にどこの省庁から出されたかということで、そういう支出の計上の仕方をしているということではあるのですが、予算上は、例えば今の臨時交付金は内閣府が予算をまず最初に計上するということで、実際、臨時交付金の開設サイトは、内閣府がつくっているサイトにあるわけでして、そういう意味で、その辺りの説明というのはどこかで、ポイントではなくてもいいので、財務書類の本編でもいいかもしれませんが、改めてしておく必要があるのかと思いました。財務書類の本編は補助金の明細というところに、総務省に臨時交付金が計上されているということまでは書かれているのですが、あくまでも総務省が支出したという形になっているけれども、予算制度上は、内閣がまず最初に予算計上しているということなので、その辺りを説明しておく必要があったのではなかったかなと、今さらという感じではありますが、それが1点、そう思いました。
それから2点目は、15ページ、利払費の話です。利払費は、確かに令和4年度中に金利が上昇したということはそのとおりですが、同じポイントの目次の前のページ、為替相場、株価、利率の加重平均、これを見ますと、実は利率の加重平均が令和4年3月末よりも令和5年3月末の方が下がっているという数字が載っているということがあるので、ここは気をつけておく必要があるのではないのか。もちろん加重平均なものですから、金融市場で瞬時瞬時につく利率がここに反映されるわけではなくて、過去の、既発の国債の加重平均ということになるので、その結果として、令和5年3月末は下がっているということになっているのですが、その両者の違いは、もちろん分かっている人は分かっているわけですが、15ページに金利が上昇していると明記している反面、目次の前のページには加重平均が下がっていることになっているという点は、一見すると矛盾しているかのように思う人も読者の中にはいるかもしれないので、そこは気をつけて見ておく必要があるのかと思います。
最後に、GX経済移行債についてですが、一応、令和4年度にはGX経済移行債は発行されてないことにはなっているのだけれども、後付けで、令和4年度、補正予算で発行した借換債1.1兆円分を、GX経済移行債とするということを決めていたはずです。それを今回の令和4年度の国の財務書類でどのように扱っているのかというのは、これは質問になるかもしれませんが、それをお伺いしたいということがあります。
正式には令和5年度にはまず、GX経済移行債という別銘柄で発行されるということが決まっているわけですし、さらには、令和6年度には、名前はまだ、私は正式名称は知りませんが、子ども予算のつなぎ国債、新しくつくられる子ども予算の特別会計で発行するということになっているわけですが、これも令和6年度から加わるということになりますので、債務残高のところで、今、既に、建設国債、赤字国債、それから年金特例公債とか、それぞれ別々の銘柄というか、要は責任会計を明確にした形での国債発行について、国の財務書類のポイントでも記されているところなので、恐らくは令和6年度、GX経済移行債は令和5年度も入っているかもしれませんが、それを説明する機会が出てくると思いますので、特に初めて発行する年度においては、その国債がどういう国債なのかということについて、バックグラウンドを含めて、来年以降の対応ということになると思いますが、しっかりポイントの資料でも、もちろん財務書類の本編もということですが、新しい種類の国債が出るということで、そのバックグラウンドがどうなっているかということを、しっかり丁寧に説明をする必要があるのではないかと思いました。
私からは以上です。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
それでは、今のご発言につき、事務局からお願いいたします。
〔小田切公会計室長〕
どうもありがとうございます。
まず、1つ目の、臨時交付金のところで、1つの省庁を経由して、もう一つの省庁から発行している部分をどのように記載するかですが、こちらも誤解のないように記載するといったところで、スペースの関係上、現状はかなり端的にというところで、記載していない部分はありますが、こちらも、そういう視点も、今後の課題として、検討させていただければと思います。
利払費ですが、こちらもおっしゃるとおりでして、なるべく、こちらも誤解のないように気をつけて記載しているところではありますが、あくまでも加重平均のところは下がっているという事実である一方、令和4年度を見ると利率は上がっているところは事実としてありまして、ですので、現行の記載は間違っているような記載ではないのですが、そちらは読み手も少しその点理解した上で読む必要があるというところはあるかもしれませんが、そちらも今後、なるべくそこら辺も注意して記載していくことを心がけていきたいと思っているところです。
GX経済移行債は、国の財務書類では、現状ではどこにも出てきていない、明細上もどこにも出てきていないところですので、まだ国の財務書類のポイントにも落とし込んでいないところですが、今後、国の財務書類の本体の方にも出てきたりとか、初めて発行する国債、新規に出てくる国債というところで、説明する必要があるというのはご指摘のとおりですので、そこら辺、金額規模とかも含めて、判断、検討させていただきたいと思っております。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
〔土居委員〕
ちょっといいですか。
〔藤谷部会長〕
はい、どうぞ。
〔土居委員〕
今の点ですが、確かに後づけ的に、これをGX経済移行債扱いするというふうに取り決められたのだと私は理解をしていて、ですが、一応GX経済移行債だと色をつけるということに、事後的とはいえどもなったわけですよね。ですから、借換債扱いなのだろうと思うのですが、何かもう少しそこを今後との整合性をきちんと保てるように記載しておく必要が、令和4年度においてもあるのではないのかという気はしていて、本文で書く、ポイントで書く必要は多分ないかもしれませんが、もう少し脚注めいたところででも、実際、1.1兆円をGX経済移行債扱いすることにしたということに一応なっていて、場合によってはこれ、私もそこまでつぶさに存じませんが、残高ベースという話に、来年以降なったときに、突然、令和4年度にGX経済移行債というのはそもそも発行していないというように記載しておきながら、令和5年度の国の財務書類で、いや実はGX経済移行債は令和4年度で発行されていましたみたいな話になってしまうと、つじつまが合わないことになるというのは後々厄介だと思うので、そこは禍根を残さないと言ったら言い方が悪いですが、令和5年度の財務書類を想像しながら、令和4年の財務書類にどのように記載しておけばいいかということは、ご検討いただきたいと思います。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
それでは、その点については、引き続き検討させていただくということでお願いいたします。
滝澤委員、大変長らくお待たせいたしました。よろしくお願いいたします。
〔滝澤委員〕
ありがとうございます。学習院大学の滝澤美帆と申します。ご丁寧な説明と資料の作成ありがとうございました。
資料、細部まで読み込めてない中で大変恐縮ですが、コロナとの関係で非常に細かな点2点、教えていただければと思います。
1点目は、聞き逃してしまったかもしれませんが、13ページのストックで資産の方ですが、令和4年度末は現金・預金が53.8兆円と、その前の年よりも増えています。これは、コロナ感染症に係る事業の翌年度繰越額による部分が多いのかどうかが1点目です。
2点目は、5ページ目のフローの費用のところで、その他の出資金評価損という項目がございますが、こちらは出資金の欠損補塡ということですが、これはコロナと何らか関係があるものなのかどうかが2点目です。
といいますのも、13ページ目では、出資金が令和4年度も増えていますので、今後、コロナの影響が予算の費用上に影響を引き続きもたらすものなのかどうかとも関係する点かと思いますので、お伺いできればと思います。
以上2点です。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
よろしくお願いいたします。
〔柘植会計制度調査官〕
柘植と申します。
13ページの現金・預金53.8兆円、増えているのはなぜか、コロナの繰越額かということですが、これはコロナの繰越額ではありません。実は繰越額は減っておりますので、違う要因で増えたということでございます。
それと5ページの出資金の評価損になりますが、先生おっしゃるようにコロナにも関連する出資金の評価損が一部計上されております。ゼロゼロ融資になりますが、日本政策金融公庫で、信用保証協会の保険引受を行っており、赤字が出ましたので、日本政策金融公庫の方で出資金を取り崩したということで、出資金の評価損0.1兆円を計上しているところでございます。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございます。
今のご説明でよろしゅうございますでしょうか。
〔滝澤委員〕
はい、ありがとうございました。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございます。
それでは、宍戸委員、お願いいたします。
〔宍戸委員〕
東京大学の宍戸でございます。非常に丁寧な資料をつくっていただきありがとうございました。また、詳細な説明と他の委員の先生方の質疑応答を通じて、私のような素人にも、国の財務状況についてよく教えていただいたと思います。
私からは4点、質問も含めてお伺いをすることにしたいと思います。
1つは、7ページの棒グラフのところでございます。これについては、今4年分あるわけでございますが、来年になると、コロナ以前との対比を補助金・交付金等にするという上では4段ではなくて5段になってくるということで、どんどんボリューミーになってくるのでしょうか。そうしないと意味がないよねということで、先ほど来出てきているページ増ともこれは関わってくるのかなと思いました。これが1点目でございます。
2点目は、今日のご発言を聞いていて、なるほどなと思ったのでありますが、7ページの補助金・交付金等は、国がどういうことが本当に何が大切だと思って、そのときに新規にお金を使ったのかを示す、逆にここは削ろうということで削ったことが分かるという意味で、非常に重要なものだと思いました。
思ったのでありますが、そういう観点から見ますと、補助金・交付金という形で現れてこないけれども、国が何についてお金を使うかということについて、実はもう一つ重要なのは人件費の部分だろうと思います。私が念頭に置いておりますのは、デジタル庁の設置とか、個人情報保護委員会といったようなところについては、新しいお役所をつくって人件費を割り振ったということ自体が、国のある種の政策意図を示すけれども、この補助金とか交付金のところで現れてこない部分になろうかと思います。
他方で、それは国の財務書類の全体の金額の中から見ると、かなりオーダーが小さい、かつ、ぶれが出てこない。参考資料1、5ページの人件費で申しますと、職員の給与等は、要するに何があっても全体総定員は増やさない、総人件費を増やさないという形で抑えているから、そう見えるわけでありますが、本来であれば、新規の役所をつくったということがあれば、こういうところに本来出てこないとおかしいのではないのかということも、補助金等との記載の整合性という点で思ったところでございます。
3点目は、これは伺っていいのかどうかが、いま一つ私よく分かっていないのでありますが、為替介入関係でございます。3ページから4ページのところで左と右を見ると、過去の為替介入により取得した外貨証券が有価証券のところ、資産のところにあり、他方負債のところで、外国為替資金証券があり、ここは当然ながらすごい差が出てくるわけでありますが、ほかのところにいろいろ散らばっている。
また、他方で、そういったものは外国為替資金特別会計をきちんと見ればいいのだ、勉強すればいいのだということなのかもしれませんが、6ページを見ると、運用益で3.2兆円が出ているということが、財源を一定程度支えている部分があるとか、いろいろなことを考えますと、なかなか単年度で見たときに、為替介入のうまい下手みたいな話を言われると困るだろうとは思いますが、予算等での統制ができない以上、為替介入の成果について、どこかで国民に対して説明をすることが必要なのではないか。それは、国の財務状況の説明という場面ですることが適切だとすれば、やはりもう少し分かりやすい説明、在り方についてご検討いただけないかと思います。
最後4点目で、これは財務書類のポイントではなく、資料2の国の財務書類の本体の11ページを見ていて卒然と気になったことでございますので、可能であればということでお伺いをしたいと思います。
偶発債務のうち係争中の訴訟等で損害賠償等の請求を受けている主なものということで出てくるわけでございますが、これは基本的に国内裁判が上がっておりますが、今後、投資仲裁をめぐって国に対してかなり巨額の請求が起き得るのではないかと思います。なかなか投資仲裁の性質上、こういうところに記載しづらいものもあるのでしょうが、しかし、例えば仮に投資仲裁で、非常にグローバルな大企業との関係で日本政府が負けた場合には、主要なものとして、損金処理をするのか何か分かりませんが、前の段階でここに上がらなくていいのかなと思います。今までのところ日本で投資仲裁がなかったとか、金額が国内の騒音訴訟とは桁が違うので、たまたまここに出てこないだけで、財務省として把握はされているということなのかとか等、この点は気になりましたということを一言コメントしたいと思います。
私からは以上でございます。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。
今のご指摘4点につき、可能な範囲でお願いします。
〔小田切公会計室長〕
ご質問ありがとうございます。
まず、7ページ目の表が、来年度、5段になるかというところですが、こちらも今まで各委員からご指摘いただいたところもありますので、ここをどうするかは来年度、また検討させていただきまして、スペースの関係もありますので、どれくらいスペースがあるのか、ないしは、ないのかで、どう表現するかは検討させていただきたいと思っております。
補助金・交付金で現れない、人件費でしたりとか、そういったところのご質問ですが、財務諸表上は、支出されたものについて人件費という形で勘定科目を使っておりますので、どうしてもそこが一定に見えてしまうことはあるといったところですが、こちらは、勘定科目を変えるということはなかなか難しいところではありますので、それを言葉でどう説明するか、どう影響する、新しいデジ庁なりとか新しい省庁をつくった場合に、どう影響するのかは、例えばパンフレットとかそういったところで、丁寧に説明していく必要があるのかと思っております。
3つ目の為替介入のところですが、こちらは財務諸表上どこに出てくるのかといったところはなかなか難しいといいますか、公表データもありませんので、ご説明することはなかなか難しいところではありますが、そこら辺をどう説明していくか、なかなか予算統制外のことでそういったところをどう事後的に説明していくかというような示唆だと思うのですが、こちらも担当部局がどういった説明をするかにも関わってくるのかとは理解しています。財務諸表上で、その役割を果たすかどうか、ないしは別の所管なり、別の書類で、それをどう説明していくか、ないしはできないのかというところは検討の余地はあるかもしれないのですが、少なくともこういったご示唆をいただいたところは省内で共有させていただければと思っております。
4つ目の、係争中のところですが、財務諸表本体の11ページ目、係争中のものが将来的に大きな損失になり得る、それを財務諸表上、どう表現するかですが、こちらはあくまでも予測を含まない、事実ベースに基づいて記載するというところしかなかなかできないものですので、おっしゃるように、偶発債務として出てきた場合には、こちらの(1)番の保証なりとか損失補塡、負担の状況という、10ページ目の(1)番に入ってくるところで、まだ係争中で損害賠償の請求を受けている状態のものは、ここに入ってくる状況というところでご理解いただければと思います。
〔宍戸委員〕
すみません、おっしゃるとおりで、申し訳ございませんが、4点目について申しますと、投資仲裁で10億を超えるような、投資仲裁の申立てを受けて、国が受け立って、どこかでさばいている。仲裁なので秘密であるといった問題の処理が、(2)では出てこないで、仮に仲裁で負けたというときに、いきなり(1)にぼんと出てくるということになるのではないですかということをお伺いしたかったわけです。
〔小田切公会計室長〕
失礼いたしました。現状としては、投資仲裁は(2)番に入ってこないで、ご理解のとおり、確定、いろいろな債務としての性質を有したときに、(1)番に、突然出てきてしまうというようなところで、それをどう説明するか、表現するか、事前に国の財務書類に反映するかといったところは、なかなか一定のルール、基準に従って作成しているところもありますので、それの枠を超えたような注記なりとかはできないところと、あと、国の守秘なりとかというところも関わってくるかと思いますので、現状としては、そういう形になっているという状況ではございます。
〔宍戸委員〕
ありがとうございます。すみません、お時間を取って、失礼しました。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございました。まさに、これまでのルールでカバーできない問題に備えをしていくということが、我々求められていることですが、非常にその観点から貴重な、まだないけれども、近い将来起こり得る問題に対してどう備えていくかということで。
申し訳ございません、手短にお願いします。
〔山内委員〕
偶発債務ですが、ここでの偶発債務の定義によるのかと思ったのですが、どういった定義で計上というか、表記されているのでしょうか。
よろしくお願いします。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございます。
〔小田切公会計室長〕
ありがとうございます。基準の定義になりますので、こちらは紹介という形にさせていただきます。
偶発債務としては、会計年度末においては現実の債務ではないが、将来、一定の条件を満たすような事態が生じた場合に債務となるもののうち、保証債務及び損失補塡、債務負担の状況、あと係争中の訴訟等で損害賠償等の請求を受けているもの及びその他の主要な偶発債務を記載するというような形の規定となっております。
〔藤谷部会長〕
ありがとうございます。
会計のルールとしては、そうなっているということを確認した上で、ただ、それが投資仲裁という特殊性の観点から、そもそもそこに載せられないということをどうしていくかという、これはまさに今後の問題ということで、宿題とさせていただきたいと存じます。貴重なご指摘、補足ありがとうございました。
司会の不手際で所定の時間を経過してしまっておりまして、誠に申し訳ございません。まだ、さらにご質問、ご意見等おありの委員もいらっしゃるかと存じますが、そちらにつきましては、メール等で事務局宛てにご意見をいただければ幸いに存じます。
また、1点のみ、土居委員のGX債の関連で法規課長から補足のご説明ございます。よろしくお願いいたします。
〔西村法規課長〕
法規課長でございます。土居先生、お世話になっております。
先ほどのGX債のところ、法律上の規定、今、私手元確認しましたが、GX債そのものの発行は令和5年度からです。先生おっしゃっているように、4年度一般会計第2次補正予算で脱炭素関係の費用、こちら先行計上したわけでございますが、これは一般会計で負債及びその資産が計上されているわけでございますが、一般会計の権利義務をこの法律が施行する際に、エネルギー特会へ帰属させるということになっていますので、2次補正先行計上している脱炭素関係の費用、あるいはその負債というのは、GX債という形では出てきませんが、赤字公債なり資産なりに反映されているというところであります。
いずれにしろその辺りの移行期の扱い、子ども債でも同じことをこれから起こりますので、書き方については、丁寧に書かせていただきたいと思います。
それからあと、先ほどの宍戸先生の外為特会、ポイントの6ページ、財源のその他のところで外国為替資金特別会計における運用益等、ここに、いわゆる実現益が入っていまして、例年ですとここはフローの、いわゆる米国債等の収入ですので、本来ですと、金利が今、そんなに大きく変わらないのでこんな大きく出ないわけですが、0.9兆となっているのは、為替介入の実現益も含まれていると。それが見合いの形で4ページ見ていただきまして、政府短期証券がマイナス0.7兆円、これ何で下がっているのかと申し上げると、いろいろ事情があると思うのですが、外貨が円貨に変わって、その円貨を外為のFBの償還に充てておるというところが概ね見えてくるかと思います。
〔藤谷部会長〕
法規課長、ありがとうございました。
それでは、本日頂戴いたしました修正のご意見、具体的には金子委員からのご意見につきましては、今後、事務局で確認いたしまして、公表までの間に反映させていただくということで、よろしくお願いいたします。なお、資料の修正につきましては、私にご一任いただけますと幸いに存じますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
〔藤谷部会長〕
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
それでは、お時間超過しまして申し訳ございません。以上をもちまして、本日予定しておりました議題を終了いたしました。
資料につきましては、特別会計財務書類が1月26日に国会提出予定であり、いずれの書類も同日に公表される予定と聞いておりますので、資料の扱いにつきましても、保秘にご注意ください。
〔小田切公会計室長〕
どうもありがとうございました。
午後6時07分閉会