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財政制度等審議会 財政制度分科会
法制・公会計部会
議事録

令和4年3月22日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 法制・公会計部会
議事次第

令和4年3月22日(火)13:00~14:26

Web会議

1.開会

 

2.議題

  • 〇 令和2年度「連結財務書類」等について
  • 〇 事業別フルコスト情報の開示について

 

3.閉会


配付資料

資料1  令和2年度「国の財務書類」
 参考資料1-1  令和2年度「国の財務書類」のポイント
 参考資料1-2  令和2年度連結財務書類の財務諸表(4表)一覧
 参考資料1-3  令和2年度連結財務書類の財務諸表(4表)一覧(英訳)
資料2-1  令和2年度事業別フルコスト情報の開示(ダイジェスト版)
資料2-2
 事業別フルコスト情報の開示についての解説パンフレット

4.出席者

部会長
部会長代理
委員


臨時委員

藤谷 武史
黒川 行治
赤井 伸郎
土居 丈朗

大塚 成男
小林 慶一郎
佐藤 綾子
椎名 弘
宍戸 常寿
関根 愛子
田近 栄治
冨田 俊基
山内 暁


           奥主計局次長
           八幡総務課長
           藤﨑法規課長
           大久保司計課長
           大沢調査課長
           園田公会計室長
           山嵜会計制度調査官
           宮嶋課長補佐
             桑野課長補佐
           
          

午後1時00分開会

〔藤谷部会長〕
 それでは、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会を開催いたします。皆様におかれましては、ご多用中のところ、ご出席いただきまして、ありがとうございます。新型コロナウイルス対策のため、本日は、ウェブ会議システムを活用して、会議を開催させていただくことにしました。皆様には大変ご不便をおかけいたしますが、ご協力のほどよろしくお願いいたします。また、ご参加の委員の方に音声が明瞭に伝わりますよう、できるだけパソコン等のマイクに近づいてご発言いただきますようお願いいたします。

 まず、本日の議題に入ります前に、当部会の所属委員の本日の出席状況、そして、資料の確認を事務局よりお願いいたします。

〔園田公会計室長〕
 本日は、全委員の皆様にご出席いただく予定でおりますが、まだ、入っていらっしゃらない先生もおりますが、定刻になりましたので進めさせていただきます。なお、本日委員の皆様には、ウェブで参加いただいておりますが、事務局の議場出席につきましては配席図をご覧ください。

 次に、議事次第をご覧ください。配付資料につきましては、参考資料を含め、2.のとおりでございまして、事前にご郵送させていただいております。

 資料の紹介は以上でございます。

〔藤谷部会長〕
 では、本日の部会の進行についてご説明いたします。本日の議題ですが、まず、令和2年度「連結財務書類」等について、事務局からの説明と、それについての質疑応答を行います。続いて、事業別フルコスト情報の開示について、事務局からの説明と、それについての質疑応答を行う形で進めさせていただきます。

 それでは、令和2年度「連結財務書類」等について、事務局から説明をさせます。

〔園田公会計室長〕
 事務局から説明いたします。

 参考資料1-1「令和2年度『国の財務書類』のポイント」の27ページをご覧ください。

 27ページでは、連結財務書類とは何か、また、連結対象法人の範囲について記載しております。

 28ページをご覧ください。連結財務書類の作成方法について記載しております。国と連結対象法人の債権債務等の相殺消去などについて記載してございます。

 29ページをご覧ください。連結財務書類と国の財務書類(一般会計・特別会計)の比較について記載しております。令和2年度末の、それぞれの貸借対照表を記載しておりまして、その差額の主な要因等につきまして、30ページに記載させていただいております。

 30ページをご覧ください。こちら、連結により、資産が400.2兆円、負債が285.3兆円増加し、その結果、資産・負債差額はマイナスの幅が114.9兆円少なくなっております。これは、GPIFの純資産(プラスの資産・負債差額)が加算されることなどによりますが、連結においても資産・負債差額がマイナスの状態は変わらないところであります。なお、令和2年度末におけるGPIFの純資産は、73.6兆円となっております。

 連結による増減の主な要因等についてでございますが、例えば、有価証券はプラス320.5兆円となっておりますが、これはGPIFが国からの「運用寄託金112.6兆円」の運用資産として保有する売買目的有価証券が、時価により186.2兆円計上され、このため国の財務書類の資産に計上されている運用寄託金は、GPIFの財務諸表の負債に計上されている運用寄託金と相殺されて、連結財務書類上は有価証券として表示されることによります。

 また、日本郵政が保有する有価証券204.9兆円のうち、国及びほかの連結対象法人が発行した公債、独法等債券等が相殺された後の109.9兆円が有価証券として計上されることによります。

 負債の部ですが、郵便貯金がプラス187.9兆円となっておりますが、これは、ゆうちょ銀行の負債である郵便貯金が加わることによるものです。

 最後に記載しております資産・負債差額ですが、プラス114.9兆円となっております。これはGPIFの純資産73.6兆円や、日本郵政の純資産16.1兆円が加算されることや、連結対象法人が国からの運営費交付金や補助金を財源として取得している資産があることなどによるものです。

 31ページをご覧ください。連結業務費用計算書、連結資産・負債差額増減計算書について国と比較をしております。連結により業務費用が17.2兆円、財源が59.8兆円増加し、その結果、超過費用はマイナスの幅が42.6兆円小さくなっております。これは、GPIFにおける資産運用益37.8兆円が財源に加算されることなどによりますが、連結においても超過費用の状態は変わりません。

 連結による増減の主な要因等についてでございますが、例えば、補助金・交付金等がマイナス21.3兆円となっておりますが、これは国の財務書類の補助金・交付金等に計上されている保険料等交付金10.4兆円や、補助金等7.0兆円、運営費交付金3.5兆円等は、連結対象法人である全国健康保険協会や独立行政法人等の収益などと相殺されることによるものです。なお、これらの収益に対応する連結対象法人の業務費用は、連結においては、主に「その他の業務費用」に含まれております。

 また、財源の「その他」がプラス60.4兆円となっております。これは、連結においては、主にGPIFの令和2年度の資産運用損益が37.8兆円、日本郵政の経常収益等が10.8兆円が計上されることなどによるものです。

 32ページをご覧ください。令和2年度連結財務書類の概要(前年度との比較)でございます。

 まず、連結貸借対照表ですが、令和2年度末資産合計が1,121.0兆円、対前年度末比98.1兆円の増。負債合計が1,661.2兆円、対前年度末比115.4兆円の増。資産・負債差額がマイナス540.3兆円、対前年度末比マイナス17.3兆円となってございます。

 連結業務費用計算書ですが、令和2年度、費用合計は207.9兆円、対前年度比39.4兆円の増。連結資産・負債差額増減計算書においては、財源合計が191.4兆円、対前年度比47.9兆円の増。結果として、財源から業務費用を差し引いた超過費用はマイナス16.5兆円、対前年度比プラス8.5兆円となっております。

 これらの内容について、33ページ以降でご説明させていただきます。

 33ページをご覧ください。

 まず、資産1,121.0兆円、対前年度末比プラス98.1兆円の主な増減要因でございます。

 まず、現金・預金166.3兆円、対前年度末比プラス39.1兆円でございますが、これは、国の財務書類の現金・預金が23.4兆円増加したことに加え、ゆうちょ銀行の負債である郵便貯金残高の増加、また、資産として保有している国債などの債券の償還等により、日本郵政の現金・預金が9.1兆円増加したことや、資金調達のための財政融資資金14.3兆円の借入れ等により、日本政策金融公庫の現金・預金が3.0兆円増加したことなどにより、全体として39.1兆円増の166.3兆円となってございます。

 次に、有価証券440.2兆円、対前年度末比プラス41.4兆円でございます。

 まず、一つ目のポツですが、国が保有する外貨証券は、為替相場の変動等により、対前年度末比マイナス6.7兆円の117.9兆円となっております。

 二つ目のポツですが、GPIFが保有する運用資産ですが、これが186.2兆円と、対前年度末比プラス36.4兆円となっております。これは、令和2年度は株価の上昇等によりGPIFの運用収益率がプラス25.15%とプラスに転じていることなどによるものです。

 三つ目のポツですが、日本郵政が保有する外国証券・地方債などの有価証券が109.9兆円と対前年度末比7.3兆円増となっております。

 加えて、四つ目のポツですが、これはNEDOが保有する有価証券が1.5兆円と対前年度末比プラス1.5兆円となっております。これは国から交付された産業技術実用化開発事業費補助金により、NEDOにおいて2兆円規模のグリーンイノベーション基金が造成されたことなどによるものです。

 続きまして、貸付金166.3兆円、対前年度末比プラス14.2兆円についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小・小規模事業者の資金繰り支援等により、日本政策金融公庫の貸付金が10.4兆円増加、また、同様に中堅企業・大企業の資金繰り支援等により日本政策投資銀行の貸付金が2.3兆円増加したことなどにより、全体として14.2兆円増の166.3兆円となっております。

 34ページをご覧ください。こちら負債でございますが、1,661.2兆円、対前年度末比プラス115.4兆円となっておりまして、主な増減要因についてでございますが、まず、公債は986.9兆円、対前年度末比プラス87.8兆円となっておりますが、こちら国の財務書類では、国の公債残高は令和元年度末から85.1兆円増加、一方で、日本郵政など連結対象法人が保有する公債残高は99.7兆円から97.0兆円に2.7兆円減少しておりますので、相殺後の連結財務書類の公債残高は87.8兆円増の986.9兆円となっております。

 続きまして、責任準備金90.0兆円、対前年度末比マイナス1.7兆円でございますが、こちらはかんぽ生命保険における保険業法の規定に基づく準備金が、契約件数の減少に伴い2.9兆円減少した一方で、日本政策金融公庫の信用保険等業務における保険契約準備金が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業・小規模事業者の資金繰り支援等による保険引受額の増加に伴い0.8兆円増加したこと、これらを要因としまして、全体として責任準備金は1.7兆円減の90.0兆円となっております。

 資産・負債差額を下のほうに記載しておりますが、こちら前年度に比べ、資産は98.1兆円増の1,121.0兆円となりましたが、負債も115.4兆円増の1,661.2兆円となっております。この結果、資産・負債差額は前年度末マイナス523.0兆円から17.3兆円悪化し、マイナス540.3兆円となっております。これらの要因ですが、一つ目として、GPIFにおける資産運用益が37.8兆円発生しておりますが、これを加味しても超過費用はマイナス16.5兆円であること、②為替相場の変動により、為替換算差額がマイナス3.9兆円生じたこと、③時価評価に伴う評価増等が生じ、資産評価差額が1.2兆円生じたことなどによるものです。

 35ページをご覧ください。こちらは費用の話でございますが、207.9兆円、対前年度比プラス39.4兆円となってございます。

 まず、補助金・交付金等の増加要因は、基本的には国の財務書類の内容と同様でございます。

 その他ですが、こちらは39.5兆円、対前年度比プラス2.3兆円となってございますが、まず、全国健康保険協会の主な事業費用は、新型コロナウイルス感染症の影響による加入者の医療機関への受診動向等の変化の影響等により保険給付費が減少したことなどにより0.2兆円減となっております。

 また、日本政策金融公庫の保険契約準備金繰入額等1.2兆円、対前年度比プラス1.1兆円でございますが、こちらは新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小・小規模事業者の資金繰り支援等により、信用保険等業務における保険引受額の増加に伴う保険契約準備金繰入額が0.8兆円計上、また、貸付金残高の増加に伴い貸倒引当金繰入額が0.3兆円増の0.4兆円となってございます。

 36ページをご覧ください。財源が191.4兆円、対前年度比プラス47.9兆円、こちらの主な増減要因について記載してございます。

 租税等収入、社会保険料の増加要因は、基本的には国の財務書類と同様の要因でございます。その他の72.0兆円、対前年度比プラス45.2兆円となっておりますが、こちらも繰り返しですが、GPIFが国から預かる運用寄託金を資産運用したことによる損益が、令和元年度マイナス8.3兆円から令和2年度プラス37.8兆円と、46.1兆円増加したことなどにより、全体として45.2兆円増の72.0兆円となっております。

 下のほうに記載している超過費用ですが、財源合計191.4兆円から業務費用合計207.9兆円を差し引きしますとマイナス16.5兆円となり、1年間の業務費用を財源で賄い切れず引き続き超過費用が発生してございます。なお、将来の年金給付の財源となるGPIFの資産の運用損益を除いた超過費用は、前年度がマイナス16.7兆円、当年度がマイナス54.3兆円となっており、国ベースと同様、連結ベースにおいて見ましても、公債発行等により財源が確保されているという状況には変わらないことがうかがえるかと思います。

 37ページをご覧ください。ストックとフローの推移でございます。

 まず、ストックが37ページでございます。資産は平成15年度末839.9兆円から令和2年度末1,121.0兆円と281.1兆円増加し、また、負債は平成15年度末1,080.9兆円から令和2年度末1,661.2兆円と580.4兆円の増加となっており、その結果、資産・負債差額は299.3兆円の悪化となっております。

 38ページをご覧ください。フローの推移ですが、毎年度、超過費用が発生しており、1年間の業務費用を財源で賄い切れない状況が継続しております。これは、上段の図表で示しております。

 また、下段の図表においては、参考としてGPIFの資産運用損益及びGPIFの資産運用損益を除いた場合の超過費用の推移を示してございます。

 「財源の一部であるGPIFの資産運用損益は、その大半が年度末の株価に左右される評価損益であり、直接、各年度の財政に影響を及ぼすものではないことから、これを除いてフローの状況を見ることも有用」と記載しております。GPIFの資産運用損益を除いた令和2年度の超過費用は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により大きく増加し、連結財務書類作成以降最大のマイナス54.3兆円となっております。

 連結財務書類の説明は以上になりますが、これと別ですが、令和3年度の連結財務書類に関する方針について、ご報告いたします。お手元の3ページをご覧ください。

 3ページの、下のグラフの吹き出しの上から2番目の「有価証券」の部分ですが、こちらに記載されているとおり、日本郵政株式の一部(政府保有義務分以外)は、令和3年度中、10月末までの間に売却しているところでございます。したがいまして、現在の日本郵政株式の保有比率は全体の3分の1となっておりまして、令和3年度の連結財務書類におきましては、日本郵政は連結対象法人から外れる予定でございます。

 一方で、本日ご説明させていただいた中で、日本郵政は、連結貸借対照表をはじめ、連結の姿に大きく影響を与えている法人でございますので、令和3年度の連結財務書類に当たりましては、令和2年度の連結財務書類から日本郵政を外した姿との比較はもとより、これまでの開示の継続性を考慮しながら、説明の工夫を図っていきたいと思っております。

 事務局からの説明は以上になります。

〔藤谷部会長〕
 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの説明について、ご意見、ご質問等ございましたら、ご発言をお願いいたします。ご発言を希望される委員を順番に指名させていただきますので、委員の皆様方は、ご意見等がございます場合は、ウェブ会議システムの挙手するボタンのクリックをお願いいたします。

 それでは、まず、椎名委員からお手が挙がっておりますので、椎名委員、お願いいたします。

〔椎名委員〕
 ありがとうございます。3点ございます。

 参考資料1-1の33ページでグリーンイノベーション基金、2兆円の造成というお話が出ておりましたが、昨年8月に始まった日経新聞の調査報道シリーズ「国費解剖」で基金の問題が取り上げられております。そこで、基金の一覧表に基づき、基金の残高を造成先法人等の種類別に集計してみたところ、約8兆3,000億円の基金残高のうち59%、4兆9,000億円が独立行政法人や国立研究開発法人に対するもので、連結されています。その一方で41%、3兆4,000億円は公益法人、一般法人、NPO法人などに対するもので、連結されていません。連結されないのは、国の監督権限がないか、または限定されているからではないかと思いますが、多額の基金をプールする以上、やはり、監督権限を十分に行使できる相手先に対して支出するなど、それらが連結されるようにする方法はないのだろうかということを思った次第でございます。

 次に、参考資料1-3の4表一覧の英訳の件ですが、こちらの単体分が法制・公会計部会の配付資料のウェブページに掲載されていますが、利用者が見つけやすいように、財務省のウェブサイトのEnglishページにも掲載してはいかがでしょうかということでございます。

 それから、区分別収支計算書をCash Flow Statementと訳してはどうかと前回提案申し上げましたが、「国の財務書類」ガイドブックの32ページに「区分別収支計算書は、企業会計におけるキャッシュ・フロー計算書に相当」と書かれていますので、日本語版においても、区分別収支計算書の表題をキャッシュ・フロー計算書に改めてはいかがでしょうかと思います。通常のキャッシュ・フロー計算書は3区分なのに対しまして、2区分であるとか、作り方がやや特殊という点はありますが、機能的にはキャッシュ・フロー計算書と呼んで差し支えない表ではないかと思います。

 それから最後に、前回予告いたしましたとおり、日本公認会計士協会では、「国の財務書類の課題~国際公会計基準(IPSAS)との比較~」という、公会計委員会研究報告を先週18日金曜日にウェブサイトで公表いたしました。国の財務書類に対する八つの提言などが記載されておりますので、お目通しいただけますと幸いでございます。

 以上でございます。

〔藤谷部会長〕
 椎名委員、ありがとうございました。

 それでは、次に、山内委員からのご質問も併せて頂戴いたしたいと存じます。山内委員、お願いいたします。

〔山内委員〕
 私からも3点、質問ではなく意見となります。

 まず、38ページです。(参考)にあります資産運用損益は、その時々でかなり増減していくものですし、実現していないものですので、GPIFの資産運用損益を除いた令和2年度の超過費用についての開示が、明確になされているのは、非常によいことだと思いました。

 次に、今さらですが、目次を少し見てみまして、1から5までが個別で、6は連結が一括されています。連結が少し付け足しのような形になっているような構成になっております。以前にご確認させていただいたのですが、個別と連結というのは、ここではどちらかが重要というわけではなくて、並列であるという理解です。ですので、今年は難しいかもしれないのですが、できれば今後、それが明確に分かるような目次立てにしたほうがいいのではないかと思いました。

 最後に、前回の個別の会議において、新型コロナの影響金額の明確化についてご質問させていただいたところ、具体例を用いて、明確に新型コロナの影響かどうか不明なものがあって、それらをどのように配分するかが非常に難しいとご説明いただき、納得したところでございます。連結につきましても、同じような理解でいいかどうか、こちらは確認です。

 以上です。

〔藤谷部会長〕
 山内委員、ありがとうございました。

 それでは、今の椎名委員、山内委員から都合6件、ご質問をいただいておりますので、そちらについて事務局からご返答、リスポンスをお願いいたします。

〔園田公会計室長〕
 ありがとうございます。

 まず、椎名先生からいただいた、一つ、いわゆる基金を造成している法人について、例えば、様々な法人がありますが、まず、状況としましては、補助金等で基金を造成している例というのは当然、先生おっしゃったように、様々あって、公益法人もあれば、地方自治体等もございまして、現時点においてはそういうところを、まず、公益法人であれば、一般的に国との資本関係がないこと、また、特定の監督権限もないことから連結対象法人とはしておりませんし、地方自治体も、国と自治体を連結して開示することが、地方自治との在り方の関係で、そもそも問題ないかという疑念もありますので、そういったところは慎重な検討が必要だと思います。

 一方で、基金については、透明性の確保の観点から、内閣官房の行革本部主導で、各省に基金シートを作成させて、公表しており、また、情報開示という観点から、そのような情報が公表されているところでございます。

 そういった情報を含め、我々の「国の財務書類」と、そのような情報をある意味うまく連携させて紹介すべきなのかも、検討しながら慎重に進めさせていただければと思っております。

 もう一ついただいた、今回公表している英文の財務書類についてのホームページへの掲載につきましては、連結財務書類の英語版の資料とワンセットで、財務省の英語版のホームページに速やかに掲載したいと考えております。

 あともう一つ、Cash Flow Statementの話については、我々として、ガイドブックに対する記述の仕方が、もしかしたら、分かりやすく説明したいというところで、いわゆる民間のキャッシュ・フロー計算書に相当するものというような書き方にしておりますが、現時点においては、民間のキャッシュ・フロー計算書とは違う性質がかなりありますので、そこら辺を踏まえて、まず、ガイドブックの記載の仕方が略し過ぎている部分もございますので、そういうところも含めて検討したいと思っております。

 山内先生からいただいたGPIFの部分について、我々として、パンフレットにおいてGPIFの資産運用損益を区分したというところでございますが、まず、個別と連結の関係性、こちらについては、連結財務書類の位置付けは、国の財務書類をベースとしつつ、国の業務と密接に関連した業務を行っている特殊法人等を含んだ状況を含めて、より一層の説明責任の履行の向上を図るという観点で連結を作っておりまして、これは国の財務書類の参考という位置付けでございます。

 そういった意味で、今、目次に、連結のところの記載、いわゆる、目次が集約し過ぎているのではないか、もう少し連結のところをきちんと分解して、開示すべきではないかというご指摘かと思いますが、そういった位置付けを踏まえつつ、検討させていただければと思っております。

 また、連結におけるコロナの影響は前回の部会で申し上げましたが、コロナの影響で、今回の連結財務書類における影響、国の財務書類においても主な影響部分については、やはりコロナの影響が非常にあったということは、このパンフレットの中で説明させていただいているところでございます。

 連結におきましても、例えば、GPIFを除いた超過費用が非常に大きくなっている、これは国の超過費用の動きと連動している。また、連結財務書類における貸付金なども非常に増えている、また、公債残高も当然に増えている、こういったところで、やはり国ベースでご説明した内容が連結財務書類のほうにも反映されているという情報については、国ベースでご説明したものと基本的に大きな相違はないのかと思っております。

 事務局からの説明は以上になります。

〔藤谷部会長〕
 ありがとうございました。

 そうですね、山内委員の第2点目は、連結の位置付けに関わるもので、少しすれ違いの部分があったかもしれませんが、あと椎名委員の第1点目のご指摘もそうですか。

 いかがでしょうか、椎名委員、山内委員、取りあえずは今のお答えでよろしゅうございますでしょうか。

〔椎名委員〕
 はい、承知いたしました。

〔山内委員〕
 大丈夫です。ありがとうございます。

〔藤谷部会長〕
 ありがとうございました。

 それでは、土居委員、佐藤委員からも手が挙がっておりますので、続けてお二方からご発言を頂戴したいと存じます。それではまず、土居委員からお願いできますでしょうか。お願いいたします。

〔土居委員〕
 どうもありがとうございます。今、室長からもご説明があったということでもあるのですが、まず、連結に関連するところで、若干議論が錯綜しているところがあるのかなと思いました。といいますのは、やはり連結するということは、それだけ広範に会計の情報を見ていこうということであるけれども、逆に、個々の、ミクロといいましょうか、個々の組織の財務状況というところは、むしろそのウエートが小さくなっていく。連結の範囲を拡大すればするほど、よりマクロになっていく。

 我が国のこういう財務状況についての、最も包括的な連結財務書類というべきものは、やはりSNA、国民経済計算だと思います。これも国際的な定義に即した形で計算されている。もちろんSNAでは、個々の組織の、例えば独法を1個1個とか、そういうところの財務状況は当然分からないので、それはむしろ単体の財務書類を見るという形で議論をするということだろうと私は認識しております。

 そう考えますと、今日は連結財務書類の話ですから、前回は省庁別ですが、今回は連結ですから、個々の独立行政法人がどうこうということよりかは、連結対象になっている範囲で、我が国の財務状況はどうかというマクロの議論をするべきところではないかと思います。

 確かに椎名委員もおっしゃったように、基金それぞれは非常に重要だと思います。私も関わっておりますが、基金については、特に基金シートを各基金それぞれに作成して、行政改革推進本部事務局ないしは、私が関わっている行政改革推進会議で、それぞれの基金でどういう状況になっていて、必要であれば国庫返納も求めたり、ないしは、そもそもその基金の必要性を基金シートに書かせている。本当に基金方式というものでいいのかどうかということまでも明記させているところがありますので、やはりミクロの話は、この連結財務書類で語るというよりかは、基金シートというミクロの、個々の組織の情報で議論するべきものなのではないかと思います。

 それから、公益法人も含めるということなのかどうなのかということですが、来年度、この財務書類で議論になると聞いておりますが、日本郵政をどう扱うかということにも関わってくるわけですが、それは確かに何らかの国の関与が財務的になくても、網羅的に連結するとよいのではないかというお考えもあるかもしれませんが、私は、先ほども申し上げたように、国民経済計算が最も包括的な連結財務書類だと思っておりますので、それで十分役目を果たせているということですから、わざわざ、これまでの基準に従って作成してきた連結財務書類の基準を変えてまでして連結対象を広げるべきではないと思います。

 私からは以上です。

〔藤谷部会長〕
 ありがとうございました。

 それでは、佐藤委員からお願いいたします。

〔佐藤委員〕
 ありがとうございます。私からは、財務報告の見やすさ、プレゼンテーションの観点から三つ意見を申し上げます。

 1点目は、この間、単体のときと同じですが、研究者へのデータ提供というよりは、不特定多数の一般の国民に対する報告を前提とするならば、ポイントのポイントのようなものが、今回などもあってもよろしいのではないかというのが1点です。

 それから2点目が、38ページ、先ほど山内委員からもご指摘のありました、下側の新たに追加されたGPIFを除くチャートなどは非常に見やすいと思います。ここで連結と単体の差額の大きな部分が、GPIFでありますとかかんぽ、郵政などであるということを考えると、やはりGPIF、特に今こういう市場動向では、上にも行くが下にも行くという影響を与えるかと思いますので、GPIFなどの影響が大きい部分については、参考として、主要業績だけでもヒストリカルに入れると分かりやすいと思いました。

 それから3点目が、これも見やすさの観点からで、今回、連結を新たに追加的に出すにあたり、前回と違う点は29ページや31ページの連単の差額という数字に集約されていると思うのですが、できましたら、32ページの差額の部分につきましても、やはり前年とその差額そのものがどのようになったか分かるものが、どこか1行入っていると分かりやすいのではないかと思いました。

 以上です。

〔藤谷部会長〕
 佐藤委員、ありがとうございました。

 大塚委員からもお手が挙がっておりまして、大塚委員からも併せてご質問、ご意見いただいた上で、まとめて事務局からお答えいただこうと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

 大塚委員、お願いできますでしょうか。

〔大塚委員〕
 大塚です。すみません。実は令和2年度に関する話ではなくて、先ほど土居先生のご発言の中にも少し出ていた日本郵政に関する部分ですが、これを今併せて発言したほうがよろしいでしょうか。

〔藤谷部会長〕
 お願いいたします。

〔大塚委員〕
 令和3年度から日本郵政が外れるという件ですが、その点に関して、外さなくてもいいのではないかという意見を申し上げたくて。確かに所有割合が3分の1になるということで、連結の対象外になるというご判断があるのだと思うのですが、ただ、企業会計においても、一応目安として40%ありますが、40%できっちり線を引いているわけではないですね。やはり重要なのは、日本郵政と国との関係で、政策保有分が変わらないわけですから、結局、その点でいうと、日本郵政と国との関係が根本的に変わったわけではないだろうと思います。ということを考えると、実態としては同じ関係が維持されているとすれば、むしろ、連結を維持したほうが、先ほどご説明にあったように、もし連結から外した場合に、財務書類に与える影響が非常に大きくて、経年比較に与える影響、つまり、時系列の分析において非常に大きなコストを生じさせてしまうことになる。そのコストを正当化するほどに、国と日本郵政の関係が変わっていないのではないか。そうすると、むしろ連結を続ける方向で、その理由づけを考えたほうがいいのではないだろうか。また、それも可能なのではないかと考えております。この点、可能であれば、ご検討いただきたいと思っております。

 以上です。

〔藤谷部会長〕
 大塚委員、ありがとうございました。

 今のご指摘というのも、土居委員の、ご質問というよりはご発言だったと思いますが、そこのポイントとも関わるということで、ここに一つ論点があり、それから、佐藤委員からは幾つかプレゼンテーションの工夫のやり方ということで、ご指摘、ご提言がございました。

 関根委員からも手が挙がっておりますが、また、この次のラウンドでご発言をお願いすることにいたしまして、ひとまず、事務局。

〔土居委員〕
 すみません、ちょっと。私、日本郵政の話をしたのですが、私は日本郵政を外してもいいという立場です。それについては、あまり細々と申し上げてなかったので、一言だけ申し上げさせていただくと、NTTはどうなのかという問題が出てくると思います。NTTは3分の1持っているわけです。NTTは元来外している。そういうところとの兼ね合いはどうなのかは大変気になるところであります。

 以上です。

〔藤谷部会長〕
 ありがとうございました。

 それでは、事務局。

〔大塚委員〕
 すみません、大塚ですが、今、土居先生のご発言もあったので、私も一言だけ追加すると、NTTとかあるいはJT、JRという問題がやはり出てくることは承知しております。ただ、やはり今回大きいのは、そのお金の動き、資金という点に関したとき、やはり日本郵政は別格ではないのかと。NTTとかJT、JRのような実業部門というのは、資産に関して、やはり大きな影響はあると思うのですが、今回のご説明にあったように、いわゆる現金とか負債に関しての日本郵政の影響が非常に大きいわけで、だからこそ、先ほども申し上げたように、日本郵政を外すことによって生じる比較可能性、時系列の比較可能性上のコストというのは、JT、JR、NTTに比べてはるかに大きいのではないかと考えております。だから、先ほどのように発言させていただきました。

 以上です。

〔藤谷部会長〕
 ありがとうございました。

 それでは、そうですね、なかなかここは難しい問題ですが、事務局から、今の点についての答えと、それから佐藤委員からのプレゼンテーションの観点からのご発言に対してのリスポンスを併せてお願いいたします。

〔園田公会計室長〕
 まず、日本郵政の部分につきましては、確かにいろいろなご議論があるかと思っておりますが、まず、現時点の日本郵政の位置付けとしては、やはりJTであったり、NTTであったりという、連結の対象としていない法人と同じような位置付けになろうかと思います。

 また、日本郵政公社を連結していた理由の一つとして、やはり、いわゆる郵便貯金の払戻しという公社の債務に対する政府保証が当初あったのが、現時点においては、そこに対する、政府による支払い保証がなくなっているところで、非常に大きな動きというものは、この連結を始めた時期から比べれば、今なされているかと思います。

 そういった意味で、我々としては、今の日本郵政の位置付けを考えますと、連結対象法人から外すことが、一定のルール上かなっているかと思っております。ただ一方で、その資金の動きの影響について、いかに、連結対象法人から外れたとしても、従来の継続的な開示との整合性を保ちながらの説明ができるかというところに工夫を置いていきたいと考えております。いずれにしても、その部分については、多少お時間いただいて検討させていただければと思っております。

 また、佐藤先生からいただきました、そういった、よりよいプレゼンテーションの在り方につきましては、また、先生からいろいろとご助言いただきながら、我々としてできるところは対応していきたいと思っております。

〔藤谷部会長〕
 ありがとうございました。

 それでは、お待たせいたしました関根委員、そして土居委員からも再び手が挙がっていらっしゃると思いますが、まずは関根委員からご質問を賜って、それから土居委員にも併せてお願いいたします。

〔関根委員〕
 関根です。私は、この部会の委員となって初めての国の連結財務諸表の議論として拝見させていただきましたところ、気になったところがいくつかありましたので、今の議論にも関係するところも含め、何点か述べさせていただきます。

 一つは、連結財務諸表は国の財務諸表同様、平成15年から作成されていますが、参考情報の位置付けということです。企業会計などでは、当初参考情報であったものが、現在ではメインの情報という形になっているためですが、参考情報のままとされているという意味合いは、今日の議論でもよく分かりました。

 次に、連結の対象は監督権限の有無と財政支出の有無という書き方をされている点について、これは簡略化して書かれているので、一言で言ってしまえばそうなのかとも思いますが、それが何を意味するかということです。連結というのは企業会計から出てきたものでもありますので、それをもとに考えると若干分かりづらいような気がしております。また、今日のお話でもありましたが、そもそもの連結の範囲として、もっと大きく見るという見方もあるかもしれないし、もっと小さく見るという見方もあるのかと思います。現在の書き方、監督権限の下、財政支出というと、今日の議論にありましたように、もっと大きくも見られるのではないかとも思います。他方で、大きく見たら、連結ではなくて、別の方法があるのではないかという意見もありまして、いろいろな議論もあるところなので、この辺りもう少し、整理されたらいいのかと思っています。

 また、本日既に議論になり、私も少し気になっていた点として、日本郵政が来年、令和3年度に売却されて、連結から外れるという説明です。これが非常に悩ましいところがあるかと思っています。確かに、企業会計においても、連結するかどうかは一定の所有割合が考慮されますが、他方で単純な所有割合だけでなく、支配力というのも考慮する必要があり、判断が難しい、何が支配かという議論もあります。公会計の国際基準の中でも、連結の範囲をどうすべきかという議論がいろいろ出ていると思いますので、これを機会に少し、そうした点も検討した上で、日本郵政を外すというのであれば、その説明も丁寧にしていく必要があるのではないかと思っています。ぜひご検討いただければと思っております。

 以上です。

〔藤谷部会長〕
 関根委員、ありがとうございました。

 それでは、土居委員からも併せてご発言を賜って、それから事務局の答えということでお願いいたします。

〔土居委員〕
 すみません、くどくて申し訳ないですが、一言だけ申し上げさせていただくと、確かに、連続性という観点からすると非常に大きなエンティティであるということは認めます。ですから、逆に、日本郵政を連結対象としていない形で、令和2年度までの連結財務書類を、簡便な方法で数字として見せるということで対応するという手もあるのではないかと思います。日本郵政だけ、3分の1になっても連結対象とするということを説明するのは、なかなか容易ではないという気がしております。

 それからもう一つは、日本郵政が今のところ、そういう期待がないというのは、私の印象で勝手に、変に悲観的に見ているだけかもしれませんが、もし、日本郵政が今のNTTグループのようにどんどんと事業規模を拡大していく、新事業を展開していくことになったときに、親会社たる日本郵政の株を3分の1とはいえ政府が持っているということになったときに、それは事業の拡大とともに、財務書類が大きく拡大していくということになるわけですが、果たしてそれは、国の政策を反映して事業を拡大していると言うべきものなのかと言われると、私は、そうではないというようなことにもなったりいたしますものですから、やはりここはこれまでの基準に準じて連結対象として外さざるを得ない場合は外すということでいいのではないかということを申し上げます。

 以上です。

〔藤谷部会長〕
 土居委員、ありがとうございました。連結とは何ぞやという大きな話と、そして日本郵政という直近の課題という2点、両委員からご発言があったと存じますが、事務局から追加でコメント、ご返答ございましたら、よろしくお願いいたします。

〔園田公会計室長〕
 我々の現状の取組、連結とはという部分におきましては、連結財務書類は国と法人の関係性に着目して、国の業務と密接に関連した業務を行っている特殊法人等を含んで、国の財政がどうなっているかを俯瞰して見られるような情報ということでございまして、仮にそういった法人を連結したとしても、このように資産・負債差額が大幅なマイナスであるという状況は、一つの大きな情報価値だと思っております。

 そういった中で、例えば、関根先生がおっしゃった監督権限、また、財政支出につきまして、我々としては、監督権限というのは、法人の長の任命権であったり予算の認可権を指していると認識しておりますし、財政支出は出資や補助金等の部分だと認識しておりますが、そこら辺おっしゃったとおり、なかなか企業会計とは異なる部分の整理というのが、改めて必要な部分はあるかと思いますので、慎重に検討していきたいと思っております。

〔藤谷部会長〕
 ありがとうございました。

 それでは、第1の議題については、今、どの委員からももう既に、ご発言を希望の方からはご発言を頂戴したという形になっているかと存じますが、よろしゅうございますでしょうか。

 それでは、少し予定よりは早いですが、次の議題に移りたいと存じます。それでは、次の議題の事業別フルコスト情報の開示について、事務局より説明をさせます。どうぞよろしくお願いします。

〔園田公会計室長〕
 事務局から説明いたします。

 まず、事業別フルコスト情報につきましては、今月、3月29日に、各省において公表予定でございまして、現在におきましても、各省において計数確認中のため、本日の配付資料の取扱いにはご留意いただければと思います。

 それでは、参考資料2-1「令和2年度事業別フルコスト情報の開示(ダイジェスト版)」についてご説明いたします。このダイジェスト版は、国民の皆様への分かりやすい説明という観点から各省庁等のホームページで公表するものを、財務省におきまして簡易的に編集したものでございます。

 1ページ目をご覧ください。「事業別フルコスト情報の開示」についてと題しまして、これまでの経緯、意義、目的などを記載してございます。コスト情報のさらなる活用を図るため、平成26年度決算分から試行的に取組を行ってきました「個別事業のフルコスト情報の開示」の成果等を踏まえ、令和3年1月25日に財政制度等審議会財政制度分科会法制・公会計部会において、フルコスト情報の作成基準となる『事業別フルコスト情報の把握と開示』が了承されました。これにより、令和2年度決算分から「事業別フルコスト情報の開示」として本格的な取組を開始したところでございます。

 2ページをご覧ください。フルコストの算定方法等についてですが、概要としまして、フルコストとは発生主義ベースの「事業費」に「人件費」、「物件費」を加味したトータルのコストであること。

 また、国が事業を行うに当たって外部機関を利用した場合には、国のコストと当該機関のコストを合算していること。なお、「補助金・給付金」などを交付する事業については、資源配分額そのものではなく、資源配分に要したコスト(間接コスト)をフルコストとしております。

 また、算定したフルコストに、単位当たりコストや間接コスト率、自己収入比率等の指標を設定し、「事業別フルコスト情報」として開示しているところでございます。

 また、事業別フルコスト情報は、行政事業レビューのレビューシート単位を基本的な作成単位として、各省庁の部局ごとに代表的な事業を選定してございます。

 4ページをご覧ください。フルコスト情報(ダイジェスト版)の見方について、記載しております。①から⑤の内容について、次の5ページで説明しております。

 5ページをご覧ください。①においては、三つの事業類型のうちいずれに該当しているかというところ、また、②から④について、フルコストとは、単位当たりコストとは、また、間接コスト率、自己収入比率とはというところを記載しておりまして、⑤について当該事業において保有する主な保有資産を記載することとしております。

 続きまして、6ページから9ページにかけまして、各省庁が公表しているフルコスト情報の事業について目次として記載させていただいております。なお事業数ですが、補助金・給付金事業型が98件、受益者負担事業型が18件、その他事業型が42件、合計158件となっております。今回は施行初年度であること、また、新型コロナウイルス対応等々もある中で各省の事務負担を考慮し、補助金・給付金事業型、受益者負担事業型の2類型をメインとして、その他事業型については、令和3年度のフルコスト情報から本格的に作成公表予定としております。したがいまして、今回記載している、その他事業型とさせていただいている事業は、基本的には、昨年度までの試行的取組として開示してきたフルコスト情報を継続的に作成公表しているという状況でございます。

 10ページ以降からは、各省等の事業別フルコスト情報を記載しておりますので、ご参考いただければと思います。

 資料2-1は以上になりまして、今度は資料2の机上配付資料をご覧ください。こちら全ての事業別フルコスト情報のデータベースは、このようなエクセルで確認できるようにしております。このような一覧のデータベースは財務省のホームページで公表する予定です。各事業類型の横断比較などをする際は、エクセルでソートすることで確認できるようになっております。また、机上配付資料の2枚目、3枚目は、事業ごとの分析シートについての例示として配付させていただいております。こちらで、フルコスト情報の経年比較などの分析ができるようになってございます。

 最後に、資料2-2「フルコスト情報の解説」をご覧ください。こちらは、フルコスト情報とは何かというものを国民をはじめ、幅広く知っていただくために作成したパンフレットでございます。昨年までもフルコスト情報の試行的取組を進める中で、このようなパンフレットを作成しておりましたが、今回から本格的な施行に当たって、改めて、このような解説、パンフレットをリバイスしてございます。

 1ページにフルコストとはという話。また、2ページにフルコスト情報の役割を記載しております。3ページ、4ページにフルコスト情報の活用について、5ページ、6ページにフルコスト情報(ダイジェスト版)の見方を記載してございます。

 7ページ、8ページにはフルコスト情報(ダイジェスト版)のサンプルを記載しております。

 9ページ以降はフルコスト情報算定事業・業務一覧となっておりますので、ご参考いただければと思います。

 事務局からの説明は以上になります。

〔藤谷部会長〕
 ありがとうございました。

 それでは、ただいまの事務局からの説明について、ご意見、ご質問等ございましたら、ご発言をお願いいたします。先ほどと同様、ご発言を希望される委員を順番に指名させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、椎名委員、お願いいたします。

〔椎名委員〕
 ありがとうございます。

 事業の件数が、今回は158件ということで、裁判所、国会、会計検査院を入れますと165件ということで、昨年の82件から倍増になっているかと思います。財務省をはじめとする各省庁のご努力に敬意を表したいと思います。

 しかしながら、例えば、経済産業省の持続化給付金事業、厚生労働省のマスク等の配布事業、総務省の特別定額給付金事業を開示していただきたかったと思うところであります。持続化給付金事業とマスク等の配布事業は、令和2年度の行政事業レビューシートがございます。持続化給付金事業は、支給事務委託費が1,197億円、給付件数400万件、1件当たり2万9,934円とあります。それから、マスク等の配布事業のうち、布マスクについては507億円、2億8,700万枚を購入し、1枚当たり177円と出ております。特別定額給付金事業は行政事業レビューシートはありませんが、総務省のウェブサイトの特別定額給付金事業の概要という資料によると、事務費が1,458億円とあります。

 これら国民の関心が高い事業を優先して開示なさると、よりよいのではないかと思いました。

 なお、165件の事業のフルコストは、合計で約4兆6,000億円ですが、金額上位20件で約4兆5,000億円、98%を占めています。一方、件数で約4割に当たる72件が1億円未満ということで、その合計金額は24億円、金額比で0.05%でした。開示対象事業の数を増やすのもさることながら、重要な事業が開示されなかったり、多数の僅少な事業に埋没して目立たなくなってしまったりということにならないようにということも、今後、必要ではないかと思います。

 次に、153ページと154ページの防衛大学校や防衛医科大学校は、学生1人当たりのコストが出ていますが、163ページの国立大学法人等業務は出ていません。国立大学法人等業務でも、学生1人当たりのコストを表示して、比較できるようにしてはどうかと思いました。

 最後に、130ページの社会保障・税番号システム整備等業務、これはいわゆるマイナンバーカードで利用するマイナポータルのことではないかと思いますが、1アクセス当たりのコストが39円、国民1人当たりのコスト34円と書かれていますが、どうも金額が小さ過ぎて、ぴんとこないと思いました。マイナンバーカード保有者1人当たりのコストを表示するなど、工夫してみてはいかがでしょうかと思いました。

 以上でございます。

〔藤谷部会長〕
 椎名委員、ありがとうございました。

 それでは、佐藤委員、山内委員からも手が挙がっておりますので、佐藤委員、山内委員、ご順にご発言をお願いいたします。そこまでで一度切らせていただきます。

〔佐藤委員〕
 ありがとうございます。私も今回、非常に、開示を拡充いただきましたこと、御礼申し上げたいと思います。

 さらに別途、エクセルのところが充実してきたら、これも非常に有用ではないかと考えるところです。開示する冊子のほうにも、来年からもし可能であれば、2年分、昨年のものと比較がありましたら、事業によっては結構数字が動いているところなどもありますのでよろしいのではないかと思いました。

 と申しますのは、説明のところを見ますと、もちろん事業の説明ですので、毎年変わるものではないのですが、ほとんど説明が去年のものと同じで、そういった場合、形骸化してしまって数字をつくっても見なくなってしまうということを、危惧しています。

 それから、二つ目が、先ほどの椎名委員のご指摘にもあったのですが、私もいろいろな切り口はあると思うのですが、金額の重要性というのもやはり重要だと思っておりまして、例えば別途配付の机上配付資料の一覧表のようなものがあれば良いと思います。冊子の目次の事業名だけで、ぱっと興味のいくところに行くというのも難しいものでございますので、やはりどういったものがコスト的に大きいのかというようなところを見るためにも、一覧表などを一番前とか一番後ろなどに、冊子のほうにも入れてもよろしいのかと思いました。

 そして、今日の日経新聞の1面でも、行政事業レビューのことが大きく取り上げられております。こちらはあくまでも成果、政策評価ですが、今回こうやって行政事業レビューシートとのひもづけなども分かりやすくしていただいておりますので、ぜひ、こういったものがあるという広報活動もしていただいて、外部でも利用されるようにしていただければ、より価値が高まるのかなと思いました。

 以上、3点とも意見でございます。

〔藤谷部会長〕
 ありがとうございました。

 続いて、山内委員までお願いいたします。

〔山内委員〕
 一つ質問させてください。最初に事務局の説明を伺っておりまして、今回、補助金・給付金事業型と受益者負担事業型については、全ての事業が包括的に記載されているものと理解したのですが、椎名委員のご意見を伺っていて、包括的に記載されていないということが分かりました。この場合、記載されている事業と記載されていない事業との違いは何か、もし分かれば教えていただければと思います。

 以上です。

〔藤谷部会長〕
 ありがとうございました。

 それでは、今の椎名委員、佐藤委員、山内委員からのご質問、ご発言につきまして、事務局よりご返答をお願いいたします。

〔園田公会計室長〕
 ありがとうございます。まず、椎名委員、佐藤委員からいただいた大きな話は、やはり国民の関心のあるような、金額的重要性が高いような事業を、事業別コスト情報として開示すべきではないかというお話かと思っております。現状、今年度、作成初年度でして、各省の部局ごとに代表的な事業を抽出していただくよう、お願いしておりますので、そういった各省の選定について、我々のほうでアクションすることは、そういった意味では、いろいろな調整がありますので、なかなか難しいところではありますが、そこら辺につきましては、また引き続き、事業別フルコスト情報の有用性を高めるという観点から、継続して検討していく論点ではあろうかと思っております。ただ、いずれにしても、今回、各省に非常にご苦労いただいたところはご理解いただければと思っております。

 山内委員のご質問について、桑野からご説明いたします。

〔桑野課長補佐〕
 桑野でございます。先ほど山内先生からご質問いただきました件ですが、基本的には各省の各部局ごとに、代表的な事業として、それぞれ選んでくださいということで今お願いしているところでございます。ですので、例えば、補助金・給付金事業型であったり、その他事業型であってもそうですが、各部局が全部持っている事業を出してくださいという、作成要領上、そういうことにはなっておりませんので、基本的には各省からそれぞれ代表となる、今後コスト情報を活用できるものについて選んでいただくように依頼しているところでございます。

 以上でございます。

〔藤谷部会長〕
 事務局から、以上で、大丈夫でしょうか。ありがとうございました。

 今のお答えということで、初年度ということもありますね。今後ということもあろうかと存じます。

 お待たせいたしました。赤井委員から、ご発言をお願いいたします。

〔赤井委員〕
 ありがとうございます。ほかの方も言われているように、数も増えまして、本格的に始まったのかなという気もします。

 2点ありまして、1点は、説明のところに、補助金・給付金事業型、受益者負担事業型というのがあるのですが、私が見逃しているのかもしれないのですが、資料の中で分かれている単独型と外部機関利用型の説明がどこにあるのか、見当たらないので、その説明がどこかと、やはりこれも具体的にどのように違うのかを、どこかで説明されてなければしたほうがいいのかなと思いました。

 それから、やはり量が増えてくると、何か興味があるものを探すのは、PDFファイルとかがあれば、検索するとかでもいいのかもしれないのですが、この分け方が本当に、誰を対象にして、量が増えてきたときに、補助金型と受益とか、外部と単独と分かれていますが、どういう分け方が一番、興味がある人が、それを見て、役に立つのかということ、そこを意識すると、省庁別というのは、後ろにあるのですが、省庁別を後ろで、こういう仕組型みたいな、こういうのを前にするのがいいのか、その辺り、まだ悩んでいて、ほかの方はどう思われているか分からないのですが、その辺りのことを教えてください。

 あとは、省庁別がそれに近いのかもしれないですが、初めての人が見たら、例えばこういう事業はどうかというので見たいとすれば、分野別とか、例えば、何か産業に関わるようなものとか、いわゆる消費者、生活に関わるような事業なのか、生産に関わるような事業なのか、もっと大きくマクロ的というか、そういう事業なのかという何かきれいに整理するのは難しいですが、そういうような外から見たときに興味が湧きそうな分け方というのもいいのかなと感じました。

 2点と言いながら、最後は、今後増えていけば広報の在り方、既に連携はある程度、行政事業レビューともされていらっしゃると思いますが、より一層の連携の方法について今後考えていくべきかと思いました。それは意見です。

 以上です。

〔藤谷部会長〕
 赤井委員、ありがとうございました。

 ただいま大塚委員、関根委員からもお手が挙がっておりますので、両委員からのご発言、ご質問も併せて頂戴いたしたいと存じます。

 それでは、大塚委員からお願いいたします。

〔大塚委員〕
 大塚です。1点だけ、意見というか感想的なものになってしまうかもしれないのですが、今までの委員の先生方のご意見も伺っていて思った点で1点。先ほどの貸借対照表のところでも、国と自治体との関係の話が少しだけ出てきたのですが、国と自治体を一体化させるかどうかという論点がある。

 今回のコストに関しても、特に給付金に関して、国から自治体にお金が渡され、自治体がそれをさらに配分しているような事業がかなりあったと思います。こういう事業に関して、国のコストだけが出てくるというのは、場合によってはミスリーディングになりかねない問題もあるかということを考えると、コスト情報に関しても、今後の課題として、今回どうのというわけではないのですが、今後の課題として、国と自治体との関係というのも、少し検討の対象になるのかなと。そして、今回開示しているものについては、基本的には、国である意味完結しているような事業についてのコスト情報だと思いますので、そういった部分の説明も、場合によっては少し付け加えていただいたほうがいいのかなと考えました。

 この点だけ、1点だけ発言させていただきます。

 以上です。

〔藤谷部会長〕
 大塚委員、ありがとうございました。

 それでは、関根委員からも併せてご発言をお願いいたします。

〔関根委員〕
 ありがとうございます。まずは、今回、前回に比べて非常に数を多く対応していただいたということで、そのご尽力に感謝いたします。

 その上で、非常に数多く対応されるようになったということを踏まえ、今回ということではなくて次回以降、これをさらに充実させていくために、本日、皆様からお話があった点も含めてですが、お願いということでお話しさせていただきたいと思います。

 一つは、どのような事業を選定するかということです。各省庁から代表的なものを出していただいたということですが、次回以降は、国として出していくということから、一定の金額なり何なりの線引き、あるいは、目安みたいなものを設けられないかということです。各省庁として代表的なもので、これはぜひ出したいというのだったら追加で出していただいてもいいのですが、最低限こういったものは出すというようなもの、もしかしたら言われているのかもしれないですが、椎名委員とかの発言からすると、全てでもないのかなという気もしておりまして、その辺りを少しご考慮いただければと思っております。

 それから、先ほど、大塚委員からありました、国だけではなくて自治体も関係するのではないかというのは、私もお聞きしていて、なるほどと思いました。これは、すぐにというのはなかなか難しいのかもしれませんが、例えばコロナ禍でのいろいろな補助金等についても、国民としては、自治体との関係を含めて非常に関心を持っているところでもございますので、こういったことの取組というのも、少し検討してもいいのかと感じた次第です。

 それから次は、少し細かいことになりますが、今回、拝見していて非常に興味深かったので、全て見させていただいたところ、いろいろな数字の書き方が少し異なるところがあるように思います。例えば、国民1人当たりのコストというのは大体ほかの全てのところに出ているのですが、必ずしも出ていないものがあったりするように思います。先ほど学生1人当たりが出たり出なかったりというご指摘もございましたので、次回以降、引き続きされるということであれば、こちらについても見直して、次回以降はこういうのも出してくださいというようなことも言っていければ、より充実するのではないかと思っております。

 最後に、目次については、私も皆様と同様のことを感じています。これだけ多いと、自分が興味あるものはどれかを探すのが難しいので、先ほどもご意見がありましたが、国民目線で興味のあるものを中心に読みたいと思うことが多いと思いますので、国民目線での類というのを考えて、金額なども入れるという形で工夫されると、よりよいものになるのかと思っております。

 私からは以上です。

〔藤谷部会長〕
 関根委員、ありがとうございました。

 それでは、今の各委員からのご発言につきまして、事務局より応答をお願いいたします。

〔園田公会計室長〕
 一つ目の大きなお話として、今回のフルコスト情報の位置付けですが、そういう意味では、いわゆる事業レビュー、やはり事業費の現金主義ベースで見られない情報をどう補完していくかという役割も非常に大きいところかと思っております。そういった意味で、例えば我々が金額を選定する際に、その事業費とキャッシュベースだけで選定するというところは、若干そこについては、要は、例えば、補助金・給付金型であれば間接コストを集計する形になるので、そこはまだ目に見えない金額情報を、結果的に集計したらこうなるという側面もありますので、選定する際にいろいろな留意を払わなければいけないところは各省も承知して、我々も承知しているところですので、今、基準の中でこういった形で整理している状況はご理解いただきつつ、いただいたご意見も参考にさせていただきたいと思っております。

 また、どのような切り口で開示するべきかで、我々としては、今まではいわゆる指標がなかったのでなかなか評価といいますか、きっかけが得られなかった状況が、今、単位当たりコストであったり、間接コスト率であったり、自己収入比率というもので、ある程度分かりやすさ、また、何かしらの改善きっかけが見られるような指標が出てきております。そういったものの指標ができる分類で、まずは開示していく。補助金・給付金事業型をまずは開示していく、受益者負担事業型を開示していくというような分類で開示することで、まず、各事業担当者がそのような状況を開示していることについて、情報開示をしていることについて、自ら襟を正すような状況にまずは持っていく。また、こういった情報を一覧的に見ることで、いろいろな方々が横断的な目線で見ていただいて、検証機能を発揮していただきたいと思っております。

 細かいところは桑野から説明させます。

〔桑野課長補佐〕
 桑野でございます。先ほど赤井先生からご質問ございました外部機関の記載場所についてでございますが、資料2-1のダイジェスト版の、まず、2ページになりますが、算定方法について、フルコストの範囲ということで、国のコストと外部機関のコストを記載させていただいております。

 それとあと、4ページになりますが、こちらがフルコスト情報のダイジェスト版の見方についてでございます。そこの②で、国におけるフルコストと、あと外部機関におけるフルコストと、こういうふうに分けて今記載をしております。

 また、5枚目になります。②フルコスト情報の説明になりますが、そこで「以下のコストを合計したもの」とあります。その下に、「なお、独立行政法人などの外部機関を通じて事業を実施する場合には、外部機関のコストについても併せて記載しています。」と、このように記載させていただいてございます。

 以上でございます。

〔赤井委員〕
 だから、どれが外部、外部型と何とか型の定義みたいなのは書いてないのですね。

〔桑野課長補佐〕
 そこで②の。

〔赤井委員〕
 外部型とはどういうもので、どのように定義したかはどうですか。すみません。どうぞ。

〔桑野課長補佐〕
 外部機関を通じて実施する場合ということになっていますので、イコールで、こちらのほうでそれで説明させていただいているところではございますが、もし、今後、より分かりやすくということであれば、また、今後、記載方法等について検討させていただければと考えている次第でございます。

〔赤井委員〕
 分かりました。多分、定義のところに、さらに説明として、外部機関を通じて実施する場合には、何かどういうふうにお金が流れ、何が変わるのか、多分、結果として変わるのですが、出てくる数字の見方が違うから分けているわけですよね。表記方法も違うのですよね。分けて書いているわけですよね。だから、定義をもし書かれるなら、そこに、そういう場合には、何かコストの流れがこう違うので、こういうふうに分けて表記すると、見るときもこういう注意が必要だみたいなのがあれば、より親切かなと思いました。

 以上です。

〔桑野課長補佐〕
 ありがとうございます。また、今後検討して、より見やすくできるように検討してまいりたいと思います。

 以上でございます。

〔藤谷部会長〕
 ありがとうございました。

 それでは、まだ多少お時間ございますので、ご発言、ご希望の委員の方は、先ほどと同様に、挙手ボタンでご発言の意思をお示しいただければ、指名させていただきますが、よろしゅうございますでしょうか。

〔大塚委員〕
 すみません、大塚ですが、よろしいでしょうか。

〔藤谷部会長〕
 大塚委員、お願いいたします。

〔大塚委員〕
 事務局から一言、私も発言させていただいた、今後に向けての話で、貸借対照表も含めて、いわゆる自治体と国との関係についてですが、この点について、今後の検討の方針のようなものがあれば、一言だけコメントをいただけるとありがたいのですが。

〔藤谷部会長〕
 承知いたしました。

 事務局で、この点についてご準備ございますでしょうか。

〔園田公会計室長〕
 もちろんそういう見方も必要な面、ただ、我々として、現時点ですが、国と自治体を連結して開示することは、地方自治の在り方との関係で、そもそも問題ないのか。国との連結を根拠にして、地方に対する財源保障をすべきであるとの誤解が生じないのかというところも慎重に考える必要があるかと思いますので、その点ご理解いただければと思っております。

〔藤谷部会長〕
 よろしゅうございますでしょうか。フルコスト事業の話についても、また、今最後に出ました話も、いずれも大きな話につながる、技術的なものが大きな話につながり得るということで、いろいろと多分すばらしいアイデアもあるのですが、その波及する範囲も含めて慎重に検討しながら、不断によくしていく努力を続けていくということなのだろうなと、本日、議論を伺いながら考えました次第でございます。

 それでは、ほぼ予定の時間に近づいてまいりましたところですし、ご発言のご希望がございませんようでしたら、この辺りで本日の会議としては、議題2は締めさせていただき、もし、またございましたらメール等で事務局宛てにご意見等をいただければ幸いに存じます。

 それでは、奥次長、手を挙げていらっしゃいますか。お願いいたします。

〔奥主計局次長〕
 主計局次長の奥でございます。公会計部会の先生方、本日は大変ありがとうございました。いろいろとご議論を伺っておりまして、私ども考えさせられるところも多々ございました。最後にご挨拶させていただこうと思いまして、挙手させていただきました。

 第1部の連結財務書類の話では、いろいろなご意見をいただいた中で、特に日本郵政の連結の在り方について、株式の売却が進んだものですから、来年度、つまり、令和3年度の財務書類作成に当たって、一つ結論を出さなければいけない状態にあるということです。いろいろ、先生方から様々なご意見をいただきました。政府として、国の財務書類の一環として公表する以上は、どういう基準で連結をしたものかという点について、例えば、過去、公表してまいりました連結財務書類との整合性、あるいは、日本郵政と共通点のあるような、共通性のあるような法人の取扱いとの整合性などについて、ここはやはり政府としては、一定のものを国民の皆様にお見せする以上は、首尾一貫して説明ができなければならないだろうと考えています。したがいまして、そういった取扱いを決めるに当たっては、連結というものの考え方を改めてしっかりとしなければいけないということでありまして、事務局といたしましても、考え方を整理した上で、令和3年度の財務書類として一つの形にして、先生方にもお示しできるように準備を進めてまいりたいと考えております。

 委員の先生方におかれましても、どうかよろしくご助言賜りたいとお願いいたします。

 また、第2部の事業別フルコスト情報の開示につきましても、様々なご助言やご意見を賜りました。目次は、確かに赤井先生おっしゃるように、以前は非常に、対象事業も協力していただける省庁さんの数も少なかったものですから、対象となる事業自体の数がそんなにたくさんなかったものですから、目次を見ても、探すというような状態ではなかったのですが、ここまで事業が増えてきますと、確かに、どこを見ればいいのだと感じるというのはおっしゃるとおりで、それはそのとおりだなと思いながら聞いておりました。

 確かに、どのような分け方が便利なのかという点については、分野別にするといったような赤井先生のご意見も一つ考え方としてあるでしょうし、どのような分け方が、見る方にとって親切なのかをよく考えたいと思います。

 また、定義の記載についても、できるだけ理解がすっと入ってくるように、工夫をより一層進めていきたいと思います。

 また、大塚先生、あるいは関根先生からもご賛同ありました地方自治体のコストも合算して示すことができればというお話がございました。確かに、分析をするという観点から考えると、地方自治体においても、補助金で自治体に国が出して、それで自治体が事業を実施実行するといった場合には、自治体のコストが、どのぐらい入ってかかっているのかということも有意義な情報の一つではあります。ただ、事務局としては、事業別フルコスト情報の開示に当たって、各省庁に対していろいろと、事業の選定もそうですが、ある意味、作成の義務を課すことができない状態の中で、いろいろな関心が高まっていることについて、アカウンタビリティーを高めるということで理解をいただきながら、各省庁に協力を、かなり重くなってきている作業ではないかと思うのですが、協力いただいているという状態にあります。

 地方自治体のコストを算定に取り込んでいくということになりますと、さらにその先に行きまして、各事業の所管省庁から都道府県そして数千ある市町村のそれぞれの課室に対して、どういった人手、コストをかけているのかを報告してほしいということを改めて各事業について求めることになってまいります。そういった作業が、自治体の現場にどういう負担をかけるのかといったことも併せて考えなければならないのが事務局の立場かと思いますし、ただ、その一方で、自治体のコストも非常に重要な視点だと思いますので、どういったことができるか、よく考えてまいりたいと思います。

 様々なご意見をいただきましたので、いろいろなことを考えさせられました。大変ありがとうございました。今後とも、どうかよろしくご指導いただきますようお願い申し上げます。

 ありがとうございます。

〔藤谷部会長〕
 奥次長、ありがとうございました。

 それでは、以上をもちまして、本日予定しておりました議題は終了いたしました。なお、令和2年度「連結財務書類」、「事業別フルコスト情報」、いずれの書類も3月29日に公表される予定と聞いておりますので、資料の扱いにつきましても、保秘にご注意ください。

 最後に、事務局から連絡事項をお伝えします。

〔園田公会計室長〕
 本日の配付資料の連結財務書類やパンフレット等につきましては、公表後、郵送させていただきます。

 以上でございます。

〔藤谷部会長〕
 それでは、本日はこれにて終了とさせていただきます。ありがとうございました。

 

 

午後2時26分閉会