財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録
財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第
平成31年4月4日(木)10:30~11:30
第3特別会議室(本庁舎4階 中-412))
1.開会
2.うえの副大臣挨拶
3.分科会長の互選
4.分科会長挨拶、分科会長代理の指名
5.部会の設置、構成及び部会長の指名
6.委員自己紹介
7.閉会
分科会長 | 榊原定征 | うえの副大臣 太田主計局長 神田次長 阪田次長 奥総務課長 阿久澤法規課長 中澤給与共済課長 一松調査課長 西山官房参事官 寺岡主計官 北尾主計官 斎須主計官 前田主計官 中島主計官 吉野主計官 関口主計官 森田主計官 岩佐主計官 内野主計官 渡邉主計企画官 佐藤主計企画官 | ||
分科会長代理 | 増田寛也 | |||
委員 | 遠藤典子 大槻奈那 黒川行治 櫻田謙悟 佐藤主光 十 河 ひろ美 武田洋子 中空麻奈 南場智子 宮島香澄 | |||
臨時委員 | 葛西敬之 河 村 小百合 木村 旬 小 林 慶一郎 小林 毅 進藤孝生 末澤豪謙 竹中ナミ 田近栄治 伊 達 美和子 田中里沙 土居丈朗 冨田俊基 冨山和彦 平野信行 広瀬道明 神子田 章 博 村岡彰敏 横田響子 吉川 洋 |
午前10時30分開会
〔 一松調査課長 〕 ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。
本分科会の庶務を担当しております調査課長の一松と申します。本日は、まず本分科会の会長の選任、会長による代理の指名を行っていただきますが、それまでの間、議事の進行を務めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
まず初めに、うえの副大臣に御挨拶をいただきたいと思っておりますが、その前にカメラが入りますので、そのままお待ちいただければと存じます。
(報道カメラ 入室)
〔 一松調査課長 〕 それでは、うえの副大臣から御挨拶をお願いいたします。
〔 うえの副大臣 〕 財務副大臣のうえの賢一郎です。財政制度分科会の新たな体制のキックオフに当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。本来であれば、麻生大臣のほうから御挨拶をさせていただくところでございますが、国会に出席をしておりますので、私がかわって御挨拶をさせていただきたいと思います。
委員の皆様におかれましては、大変御多用の中、御参集を賜りまして、本当にありがとうございます。厚く御礼を申し上げたいと思います。
本分科会につきましては、毎年度の予算編成や中長期的な財政運営の在り方などにつきまして、様々な分野で高い識見を有していらっしゃる委員の皆様に御議論をいただく場でございます。昨年11月には、本分科会より、平成の財政に対する厳しい総括と、新たな時代の財政運営に対する叱咤激励を盛り込んだ建議を取りまとめていただきました。これから始まる「令和」の時代におきまして、その時代に生まれ育つ世代のためにも、しっかりと財政の健全化を進め、新しい時代にふさわしい経済・財政運営に取り組んでいきたいと考えています。
委員の皆様におかれましては、これまでにも増して活発に御議論をいただくとともに、引き続き厳しく、また、温かく御指導、御鞭撻を賜れればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
〔 一松調査課長 〕 ありがとうございました。
報道の方は、ここでご退室をお願いいたします。
(報道カメラ 退室)
それでは、議事に移ります。本審議会では、資料はペーパーレス化しておりますので、会場のスクリーンを御覧いただくか、お手元のパソコン端末を御参照いただければと存じます。
まず、会長の選任に先立ちまして、今回、新たに委員になられた方の御紹介をさせていただきます。資料1の委員名簿、及び配席図もあわせて御確認いただければと存じます。
それでは、今回、新たに委員になられた方のお名前を読み上げさせていただきます。河村小百合委員、木村旬委員、櫻田謙悟委員、伊達美和子委員、田中里沙委員、平野信行委員、広瀬道明委員、村岡彰敏委員、横田響子委員。また、本日、所用により御欠席されておりますが、上村敏之委員、権丈英子委員、別所俊一郎委員、堀真奈美委員についても、新たに委員として任命させていただいているところでございます。
それでは、分科会長の選任を行っていただきます。財政制度等審議会令によりまして、分科会長は分科会に属する委員の互選により選任することとされております。分科会長につきまして、御意見がございましたら頂戴いたしたいと存じます。御意見がある場合は、ネームプレートを立てていただければと存じます。よろしくお願い申し上げます。
それでは、まず武田委員、よろしくお願いいたします。
〔 武田委員 〕 ありがとうございます。
私は、引き続き榊原委員に分科会長をお引き受けいただきたいと考えております。榊原委員におかれましては、これまでも財政制度分科会を引っ張っていただいておりました。また、経済・財政について、あるいは社会保障に関しても豊富な知見を有していらっしゃいまして、財政状況が非常に厳しい中で、こうした時期において引き続きこの分科会を代表されるのにふさわしい委員と考えております。よろしくお願いいたします。
〔 一松調査課長 〕 どうもありがとうございました。
続きまして、土居委員、よろしくお願いいたします。
〔 土居委員 〕 私も、榊原委員を会長に推薦させていただきたいと思います。榊原委員は、これまでもこの分科会の先頭に立って議事をうまく取りまとめていただき、さらには経済界でも幅広い人脈をお持ちで、影響力が非常にお強いということ、それから社会保障改革をこれからさらに進めていく時期にありまして、高い御見識をお持ちということで、ふさわしいと私は思っております。
〔 一松調査課長 〕 どうもありがとうございました。
引き続きまして、大槻委員、よろしくお願いいたします。
〔 大槻委員 〕 私も、榊原委員にお願いしたいと思います。今年2月の委員の意見の整理にもございましたとおり、発信力の強化が非常に大きな課題になっていると考えているのですが、榊原委員は財政健全化についての御見識、御熱意、これらはもちろんのことですが、経済界をはじめとして各方面に対する非常に大きな影響力をお持ちなので、発信力という意味でも是非とも御尽力いただければと思っております。よろしくお願いいたします。
〔 一松調査課長 〕 どうもありがとうございました。
ただいま武田委員、土居委員、大槻委員より、榊原委員を会長に推薦する旨の御意見をいただきましたが、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
〔 一松調査課長 〕 それでは、御異議がないようですので、榊原委員に分科会長にご就任いただくことを決定させていただきたいと存じます。
榊原委員におかれましては、分科会長席にお移りいただきたいと存じます。
(榊原委員、分科会長席へ移動)
〔 一松調査課長 〕 それでは、榊原会長から御挨拶を頂戴いたしたいと存じます。
〔 榊原分科会長 〕 ただいま当分科会の会長に御推薦をいただきました榊原でございます。前の体制に引き続きまして、当分科会の会長を務めさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
昨年11月に、当分科会が取りまとめた建議でございますけれども、これは平成最後の予算編成であったということで、平成30年間における財政がどのようなものであったかを総括いたしました。その上で、新たな時代においては財政を悪化させてしまった過ちを二度と繰り返さない、ということを強調しているところでございます。
先ほど、うえの副大臣の御挨拶にもございましたけれども、今年5月から元号が「令和」に変わるわけでございます。この審議会が来るべき「令和」という新しい時代に求められる役割というものをしっかりと果たしていくためにも、私自身、引き続き先頭に立って、この分科会の業務に取り組んでまいりたいと思っております。皆様方の御支援、御協力をよろしくお願い申し上げます。
また、この分科会がその役割を十二分に発揮するために、本年2月の分科会におきまして、分科会の体制や、運営の在り方などに関して委員の皆様から意見をいただきまして、整理をいたしました。この委員の意見の整理につきましては、資料4にまとめておりますので、御覧いただきたいと思います。これを踏まえまして、皆様と御相談しながら、当分科会の体制と運営の在り方についても検討をしっかりと続けてまいりたいと思っております。どうかよろしくお願い申し上げます。
私からは以上でございます。
〔 一松調査課長 〕 どうもありがとうございました。
続きまして、分科会長代理の指名でございます。財政制度等審議会令によりまして、分科会長代理は分科会長が指名することとされております。榊原分科会長から、分科会長代理のご指名をお願いしたいと思います。
〔 榊原分科会長 〕 それでは、私から指名をさせていただきます。前回に引き続きまして、増田委員に会長代理をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
あわせまして、今後の議事運営につきましても増田会長代理にお願いをしたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
〔 増田分科会長代理 〕 ただいま御指名をいただきました増田でございます。お引き受けいたします。よろしくお願いいたします。
〔 一松調査課長 〕 ありがとうございます。
増田委員におかれましては、分科会長代理席にお移りいただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
(増田委員、分科会長代理席へ移動)
〔 一松調査課長 〕 分科会長、及び分科会長代理が決まりまして、また、議事運営は増田分科会長代理に進行をしていただくことになりましたので、ここからは増田分科会長代理に議事進行をお願いいたしたいと存じます。
〔 増田分科会長代理 〕 改めまして増田でございます。円滑な議事運営に努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
早速ですが、先ほどの会長の御挨拶にもございましたが、部会の設置についてお諮りをいたしたいと思います。
会長から御発言をお願いします。
〔 榊原分科会長 〕 それでは、部会の設置につきまして、私から御提案をさせていただきたいと思います。
これまで財政制度分科会には、法制・公会計部会を設置しておりました。今後は、引き続き法制・公会計部会を設置するとともに、新たに歳出改革部会を設置することを提案したいと思います。
分科会の委員が一堂に会する議事運営だけでは十分な審議は困難ではないかと、委員の意見の整理の中でも御指摘がございまして、委員相互の活発な意見交換などができるような場を確保するためにグループ等を設けるべきという御提案があったところでございます。それを踏まえまして、当分科会の中に歳出改革部会を新たに設置してはどうかと考えるわけでございます。
この財政制度分科会の会合におきましては、財政総論とか、社会保障総論、地方財政総論といった財政全体の議論を中心的に行うことにして、新たに設ける歳出改革部会におきましては、より少ない人数で、各歳出分野における予算編成上の課題について集中的に議論をしてはどうかと考えております。その上で、この分科会で作成する建議につきましては、歳出改革部会での議論を踏まえまして、これまでどおりこの財政制度分科会で取りまとめるということにしてはどうかと考えるところでございます。
本提案につきまして、皆様で御審議をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございます。
それでは、部会の設置についてお諮りしたいと思います。なお、本日、御欠席の神津委員より意見書を御提出いただいております。お手元にお配りしておりますので、お目通しをいただきたいと思います。
それでは、ただいまの会長の御発言に沿いまして、部会を設置するということでございますが、御異議ございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
〔 増田分科会長代理 〕 それでは、御異議ないようでございますので、歳出改革部会、及び法制・公会計部会、この2つを設置することにさせていただきます。
続きまして、部会に属すべき委員、及び部会長の指名を行いたいと思います。これにつきましては、財政制度等審議会令によりまして分科会長が指名することとされております。榊原分科会長から、部会に属すべき委員、及び部会長の御指名をいただきたいと思います。
お願いします。
〔 榊原分科会長 〕 それでは、歳出改革部会、それから法制・公会計部会に属すべき委員につきましては、資料3-1、資料3-2の部会所属委員名簿(案)のとおりとしたいと思います。
また、部会長でございますけれども、歳出改革部会の部会長は増田委員にお願いしたいと、それから法制・公会計部会の部会長は黒川委員にお願いしたいと思います。
〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございます。
御異議ございますか。
(「異議なし」の声あり)
〔 増田分科会長代理 〕 それでは、このように決定をさせていただきます。
歳出改革部会につきましては、御指名をいただきましたので、私が部会長を務めさせていただきます。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、歳出改革部会は、今回初めて設置されるものでございますが、この運営について、部会長として一つ御提案をさせていただきたいと思います。本部会の設置に際しましては、部会委員に属しておられない財政制度分科会委員の方にも、御希望があればオブザーバーとして御参加いただける形をとりたいと思います。
この点について、御異議ございますか。
(「異議なし」の声あり)
〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございます。それでは、そのように決定をさせていただきます。
引き続きまして、法制・公会計部会において従来から部会長を務めていただいております黒川部会長から、簡単に御挨拶を頂戴したいと思います。
〔 黒川委員 〕 黒川でございます。法制・公会計部会の部会長に再任ということで、大変光栄に存じております。
法制・公会計部会については、2年に一度のこういう会議でないと、どのような活動をしているのかなかなか分かりにくいので、法制・公会計部会がやっていることについて説明させていただきたいと思います。
まず、法制・公会計部会は、法規課と公会計室が事務局になっております。国の財務書類というのが、15年ほど前から貸借対照表を含む財務書類を作るようになりまして、今年の3月末にも新しいものが発行されております。国民の皆様に分かりやすいようにこういうようなものをつくっております。この最新の情報によりますと、独立行政法人とか、国立大学とかを含めた、連結したものもつくっているのですが、資産総額は大体1,000兆円、負債は1,492兆円ですので、492兆円ぐらいが負債超過ということが分かっています。これは、少し会計の知識がある方々には、貸借対照表というのは大変説明力が高いものですから、かなり説得力がある国の財政状態の説明資料になっております。
これが従来からやっている作業ですけれども、加えて2つ、最近、ここ数年やっているものがあります。1つは、人件費等も配付して、個別事業のフルコストを算定してみようということを試みております。目的は、予算編成上の有用な、非常に強力な情報源、一つ一つの個別事業で、人件費まで配付したコストが幾らかかるのかということを測定しよう、それから、このフルコストを使ったKPIについても何とか選定しようでないかということをして、かなり事務局も頑張ってやっています。
もう一つ、これは総務省との共同でございますけれども、独立行政法人の会計基準と財務報告ガイドラインについて大幅な改訂をいたしました。特に、財務報告ガイドラインにつきましては、今現在、政府も、それから民間企業も大事にしていますSDGs、財務的な業績だけではなくて、環境問題とか、社会的なイシューについても配慮した経営と、こういうことと軌を一にします統合報告というものが、今、進められているのです。この統合報告の思考を全面に取り入れた財務報告ガイドラインというものを作成いたしました。特に、理事長を含む経営トップ陣の方々に、自らの組織のリスクとか、その対応策、あるいは戦略というものを主体的に考えていただき、自らの言葉で財務報告ガイドラインに語っていただくということを強調しております。こういうことを通じて、独立行政法人の情報公開と、なお一層の社会的貢献を期待しているところでございます。
今後とも、委員の皆様には直接、間接の御助力を賜りたく、よろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 それでは、本日は第1回目ということもございますので、続きまして委員の皆様全員から一言ずつ御挨拶をいただきたいと思います。いつも急かして大変恐縮でございますが、お一人1分弱ということで御挨拶を頂戴できればと思います。本日は五十音順で並んでおりますので、遠藤委員から順に向かい側に移って、最後に吉川委員という順番でお願いいたしたいと思います。
それでは、遠藤委員、お願いします。
〔 遠藤委員 〕 遠藤でございます。皆様、大変お世話になっております。
私は、慶応義塾大学に所属をしておりまして、研究領域は、エネルギー政策に始まり、また、エネルギーだけではなくて、機微技術管理とか、サイバー、宇宙といったような領域のセキュリティ分野を研究領域として、今年度から拡大をしていっている状況でございます。日本とアメリカの行き来が多くて、なかなか出席できない場面もあるかと思いますが、できる限り出席して議論を皆様と重ねてまいりたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 大槻委員、お願いします。
〔 大槻委員 〕 大槻と申します。よろしくお願いします。
マネックス証券というところと、名古屋商科大学というところで、主には金融教育ですとか、投資教育などを個人に対してやっているというのが一つと、アナリストとして金融部門についてアナリシスをしていまして、地方銀行ですとか、そのようなところを訪ねながらやらせていただいております。
皆様と議論できるのを楽しみにしております。よろしくお願いします。
〔 増田分科会長代理 〕 葛西委員、お願いします。
〔 葛西委員 〕 東海旅客鉄道の名誉会長をやっています葛西と申します。よろしくお願いします。
〔 増田分科会長代理 〕 河村委員、お願いします。
〔 河村委員 〕 日本総合研究所の河村と申します。
これまで、財政ですとか、金融市場の問題を中心に調査を行ってきておりまして、最近は高等教育の問題とかにも力を入れてやっております。歳出の問題につきましては、行革のほうで2013年から取り組ませていただいているのですが、今年度からこちらでもお世話になることになりました。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 木村委員、お願いします。
〔 木村委員 〕 毎日新聞の論説委員をやっております木村といいます。どうぞよろしくお願いいたします。
先ほど話題になりました財審の去年の秋の建議を初めて見たとき、私は、随分長く財政の担当をしていたのですけれども、役所の審議会とは思えないような思い切った、踏み切った提言をされたというのは、少し感動したといいますか、結構驚きまして、社説でも1回取り上げましたが、財審のメンバーに私も加わらせていただくというのは非常に光栄ですので、今後とも建設的な意見や提言に努めたいと思います。
是非、よろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 黒川委員、どうぞ。
〔 黒川委員 〕 昨年3月に慶応義塾大学を退職いたしまして、現在、千葉商科大学会計大学院の教授をしております。
それと、産業経理協会の理事長をさせていただいております。会計学が専門です。産業経理協会ですが、これは戦後間もないころから、日本の復興のためにまず健全な企業を育てなくてはいけないということで、初めは官も入っていたそうですけれども、産業界と学会が中心になって、健全な企業を育てるために会計を普及させることを目的とした伝統のある協会でございます。前会長としては、日立の八木副社長がなっていらっしゃったということで、どうぞ、お見知りおきいただきたく存じます。本日は、その会合が経団連会館でこの後あるので、皆様方のお一人お一人の自己紹介をお聞きするべきところなのですけれども、少し早目に退席させていただきます。御容赦ください。
増田先生、どうもありがとうございました。
〔 増田分科会長代理 〕 小林慶一郎委員、お願いします。
〔 小林(慶)委員 〕 小林慶一郎でございます。
私、所属は、もとは慶応義塾大学経済学部ではありますけれども、今年4月から2年間、出向という形で、東京財団政策研究所の研究主幹をやることになっております。
東京財団、何をやるのかというと、財審の問題意識にも通底すると思いますけれども、将来世代の利害というのをどうやって自分のこととして考えるのか、その仕組みづくりをちゃんと考えようということで、高知工科大学の西條辰義さんという人たちと一緒にやっているのですけれども、フューチャー・デザインという新しい仕組みづくりを考えようという実験をやっています。要するに、今、生きている我々が60年後、100年後の将来の人間になったつもりで、ロールプレイングゲームをしようと。ロールプレイングで政策のことを語ると、実は意外なことに結論がちゃんと変わってくるということを実験でいろいろ示していまして、現在、地方自治とか、市町村レベルでそういう実験でやられていて、効果があるということが少し分かってきたのですけれども、それを何とか、国全体の財政とか、金融のような問題に応用できないだろうかと、これから考えていきたいと考えております。
よろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 小林毅委員、お願いします。
〔 小林(毅)委員 〕 小林毅でございます。産経新聞社の役員をしております。
財政健全化に関して言いますと、毎年の建議は、ある程度予算に反映されてはいるものの、その改革のスピードが財政悪化のスピードに追いついていないということを痛感しております。そこを決断できるのは、やはり政治だと思っております。政治のほうに思い切った決断を促すような、そういう建議を出せるべく議論していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 櫻田委員、お願いします。
〔 櫻田委員 〕 おはようございます。損保ホールディングスの櫻田でございます。
私どもは、国内の損保、海外の保険、国内の生保、それから最近、多く力を入れておりますのは介護事業でございます。それにデジタルということですけれども、いずれにしましても財政の問題と、先ほどの私どものやっている事業は密接に関係しておりますので、本業としても、本件、見ていかなければと思っている次第です。
先ほど、資料4、委員の意見の整理というのをざっと斜め読みさせていただきましたが、まさにこのとおりでして、一体、私は何をするんだろう、既にやるべきことが書いてあるではないかと思った次第でありますが、あえて申し上げれば、財界から出ている人間ということもあり、これをどうやって実行するのかということで、論点が出尽くしたWhatの部分ではなく、Howのところで何か貢献できることはないかと、今、考えていたところであります。
いずれにしましても、微力を尽くしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
〔 増田分科会長代理 〕 佐藤委員、お願いします。
〔 佐藤委員 〕 一橋の佐藤です。専門は財政ということになっております。私は早口ですので、時間以内には発言を終わる自信があります。
やはり長く財審をやっていますと、まさに今、お話があったとおり、WhatよりHowの段階に来ているのかなと思います。つまり、財政再建の是非よりも、どうやって財政再建を進めるのか。もちろん、我々の専門的な知見も必要ですが、やはり国民とのコンセンサスも必要になりますので、どうやってコミュニケーションをとっていくのかというところですが、先ほど小林委員から実験経済学の知見のお話がありましたけれども、やはりそういういろいろな新しい知見が出てきていますので、その辺りを活用して議論ができればいいかなと思います。
よろしくお願いします。
〔 増田分科会長代理 〕 進藤委員、お願いします。
〔 進藤委員 〕 3月31日までは新日鐵住金という名前でありましたけれども、業界の再編と、海外への進出、そうした状況を踏まえて、4月1日から日本製鉄と商号を変えました。その会長を4月1日から務めております。
2年弱、委員を拝命し参加させていただいておりますけれども、働きが十分だとは自分でも思っておりませんので、今後、一生懸命勉強して、貢献できるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします。
〔 増田分科会長代理 〕 それでは、向かい側に行きまして、末澤委員、お願いいたします。
〔 末澤委員 〕 SMBC日興証券の末澤です。よろしくお願いします。
私が就職しましたのは、1984(昭和59)年で、三井銀行というところに入りましたが、昭和61(1986)年から、こくさい(国債)市場、インターナショナルではなくてジャパニーズ・ガバメント・ボンドのほうですが、そちらの担当、ディーラーをやっておりました。実は、今は日銀のYCC政策の関係でほとんど金利は動いておりませんが、かつては1日で2%、場合によると3%動く時期もありまして、そういう時期が来ないように祈っております。
先ほど、皆様から昨年11月の建議の話が出ましたが、その建議では、私ども当審議会は将来世代の代理人になると、こういう表現が盛り込まれておりました。そういう面では、今年5月以降に誕生する令和世代、まさしく将来世代でございまして、10年後、20年後に令和世代が大人になってから、財審は何をやっていたんだと言われないように、むしろ令和時代の早期に財政健全化に道筋がついたと、健全化の目途、めどがついたと、こういった表現を建議に盛り込めたらいいなと期待しておりますし、今、頑張りたいと思っております。
以上でございます。
〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございます。
それでは、十河委員、お願いします。
〔 十河委員 〕 改めまして、十河と申します。
ハースト婦人画報社というメディア会社に勤めております。私は86年から女性雑誌を手がけており、財政についてはむしろ毎回学ばせていただいております。そして雑誌市場ですが、皆様もお気づきのように縮小していることもあり、もはやマスメディアというよりもマイナーで特別な存在になりつつあると感じています。一方、デジタルメディアは世界を席巻中であり、その中で日本は少し出遅れ感がありますが、弊社は出版社としては早い段階からプリントとデジタルの両輪体制が取られ、デジタル化を強く推し進めてきました。
そのような職場環境のもと、先ほどから課題になっております発信という部分におきまして、私個人としては女性により強く伝えていきたいですし、また若年層は、ネット情報から自分の興味のあるものを受け取っていくという傾向にありますので、こうした現状をかんがみた上で、財政をどのように伝えていくべきか、その手段含め皆様と共に考えてまいりたいと思っております。
引き続き、よろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 武田委員、お願いします。
〔 武田委員 〕 三菱総合研究所の武田でございます。引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
私も、これまで同様、単年度の予算の議論というのはしっかり参加させていただきたいと思うのですけれども、加えて、やはり中長期の視点がより重要になっていると思います。さらには、国際情勢も大きく変化する中で、今後の日本の立ち位置であるとか、あるいは経済、金融の情勢、そうしたものを俯瞰的に捉えて、分野に応じては省庁横断的な分野なども議論させていただければと考えております。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
〔 増田分科会長代理 〕 竹中委員、お願いします。
〔 竹中委員 〕 どうもお世話になっています、プロップ・ステーションの竹中ナミといいます。
30年前から、重度のチャレンジド、障害のある方々が、コンピューターネットワークを使って、ベッドの上でも働いてタックスペイヤーになろうという民間の非営利の運動をしておりまして、そういう立場で、経済界の皆様が多い財審に初めてNPOから就任をさせていただきました。おかげさまで、気がつくと18年になっておりまして、先ほども御挨拶がありました日本製鉄さんのほうから、実は一番長年、ベッドの上の方々に大きなお仕事をいただいているということで、多くの経済界の皆様や研究者の皆様の応援をいただいて、徐々にこのような活動が日本の中でも広がってきたということです。
前回の建議で、初めて総論の中に、女性、高齢者に並んで障害者も支え手にという言葉が入りまして、私としては本当に嬉しくて、こういう活動からそのような意識が、障害者が単に手を差し伸べる対象ではなくて、彼らも社会の支え手にしていくのだという意識がますます広がっていきますようにお願いしまして、これからも頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 田近委員、お願いします。
〔 田近委員 〕 成城大学で経済学を教えている田近と申します。引き続き、よろしくお願いします。
新しくメンバーもそろって、これから審議をするわけですけれども、これまでにも増して、財政制度等審議会の意見の繰返しではなくて、もう既に多くの方がおっしゃっているように、国民にどう理解してもらうかというところに関心を持って臨みたいと思います。
よろしくお願いします。
〔 増田分科会長代理 〕 伊達委員、お願いします。
〔 伊達委員 〕 森トラストの伊達と申します。
不動産関係の仕事をしておりまして、オフィスですとかホテルですとか、そういったものを都心や地方につくるというまちづくりをしています。ふだん、別の省庁の会議へ参加させていただく機会のほうが多いので、こうした会議はどういう形なのかなと思っていました。一方、社会保障という問題は国民の関心事ですし、大変重要な問題だと思っております。本日、黒川委員のお話を聞いて、ビジネスの立場からも解釈しようという動きが理解できたと思いました。
特に、私は今回、感じているのは、国民のコンセンサスをとるというときに、将来の、次世代の代理であるということと同時に、やはり世代間の公平性という言葉を共通した認識として、まず皆様が、ベースで持つことはできないのだろうかと。その公平性があって、具体的方法論を共通で持つことが重要なのではないかと思いました。そうした広報活動ができないかと思いました。
もう一つは、パフォーマンスを上げるということが重要だと思いますけれども、民間企業はどこも生産性を上げていくために日々、努力していますので、そういう意味ではパフォーマンスを上げるということが、先ほどの黒川委員の作業の先にあることではないかと思いました。
それと、490兆円の負債、債務超過がありますけれども、これも一方でどのようにして価値を上げられるかでB/Sのバランスは変わってくると思いますので、そういったことも含めて議論に少しでも貢献できればいいかなと思っております。
よろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 田中委員、お願いします。
〔 田中(里)委員 〕 田中里沙と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
専門はマーケティングコミュニケーションでございまして、『宣伝会議』という雑誌の編集長として、国内外の企業広報、宣伝戦略を取材、集約しまして、対象者に合わせたメディアとクリエイティブ、表現等、あとタイミングを組み合わせて、どのように情報発信していくかのケースを検証、研究をしてまいりました。現在は、兼任で、学校法人先端教育機構・事業構想大学院大学にて、新規事業、事業承継、地方創生の研究と人材育成を担っております。
新たな政策やサービスを運用していくには、やはり対象者にいかに正確に理解されて、共感まで得られるかということにかかっていると感じています。SDGsを踏まえた上で、多様性を模索し実現する時代ですから、それを一層きめ細かく有効にできるかが問われます。また、個々の方々の支持を受けながら、時代の気分を醸成することを目指すクリエイティブ研究もしてまいりましたので、この場でもお役に立てればと願っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 土居委員、お願いします。
〔 土居委員 〕 慶応義塾大学の土居でございます。
財政学を専門にしておりまして、気がつくと慶應にかれこれ20年在籍していたという感じですけれども、引き続き、またこの審議会でお世話になります。よろしくお願いいたします。
何かと財政制度等審議会というのは、財政再建至上主義的な考え方とか、歳出をカットすることばかり言うとか指摘されたりする面もありますけれども、私は決してそうではないと思っていて、納税者の見方であると。納税者が、納めた税金をどう有効活用してほしいと思っているのかというところを、より専門的に深掘りする審議会であるだろうと、日ごろずっと思っていて、決して既得権をずっと守って、この予算はもう絶対に減らせないぞとおっしゃっても、やはり国民の目から見たときに、メリハリをつけるべきなのではないかというようなところを財政制度等審議会の建議で発信していくことが非常に重要なポイントになってくると思います。
特に、これまで消費税率を10%に上げる云々という話で、何かと議論が財政の話はスタックしていたわけですけれども、消費税が10%に上がれば、これから先、どうするのか、現在全く白紙の状態になっているということですので、この審議会の中で皆様と議論をしながら、新しいアイデアを出して、2025年、団塊の世代が75歳になられる年、さらに、その先の高齢化社会に、財政がどういうような役割を果たしていくべきなのかということを議論できればと思っております。
よろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 冨田委員、お願いします。
〔 冨田委員 〕 冨田俊基と申します。団塊の世代であります。
野村総合研究所に三十数年間、勤めまして、その後、中央大学に10年余り勤務いたしました。現在も、野村資本市場研究所に置いてもらっております。
この間、長い間、財審の委員を務めてまいりました。財政健全化の入り口に立つという健全化目標年度は、財政構造改革法のときは2003年でしたけれども、今は2025年ということで、3度も先送りされました。警告を発すべき国債市場も、金利変動がほとんどない状態が続いております。こういう状態の今こそ、この審議会が果たすべき役割は極めて大きいという認識のもとに、積極的に議論に参加してまいりたいと思います。
よろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 それでは、冨山委員、お願いします。
〔 冨山委員 〕 新しい天皇と同じ年生まれの冨山です。
経営共創基盤という会社のCEOをやっていまして、専門領域を一つ挙げろと言われたら企業再生、再建屋ですけれども、再建というテーマには必ず後ろに、背景におけるある種社会的な大きな環境変化という問題と、実際、取り組むプロセスというのはある種の破壊と創造をやっていくわけです。目の前に、葛西委員というそれをやり遂げた大先輩がいらっしゃるわけですけれども、要は大変なのです。簡単ではない。
パラダイムシフトということで言うと、多分、日本の場合、3つあると思っていて、1つは、現在、起きていることはやはりグローバリゼーションです。何だかんだ言っていますけれども、これはもう戻らないです。もう一つは、南場委員がいらっしゃいますけれども、デジタル革命です。そして国内においては少子高齢化。この3つの要因には多分、光と影が必ずあって、財政の問題は影のほうに出ているのだと思います。これは、今後も進行しますので、当然、ずっとこの後も追いかけていくわけです。
ただ、一方で、創造と破壊というのは実はすごく痛みを伴うプロセスでありまして、やはり少しおなかが痛くなってこないと、なかなか取り組めないという現実があります。
結果論で言ってしまうと、平成の内には実はおなかが痛くならなかったのです。金利とかが動かなかったので。ただ、今の皇太子さまが59歳ですので、天皇になられてから30年ぐらいはお勤めになるのだとすると、さすがにその間にはおなかが痛くなる。ということは、やはりそのおなかが痛くなるときに備えて、早目にいろいろな準備をしていくことになると思いますし、この審議会が一番重要な役割を果たしていくと思います。
そのような意味で、私なりに貢献していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
〔 増田分科会長代理 〕 中空委員、お願いします。
〔 中空委員 〕 ありがとうございます。BNPパリバ証券にいます中空麻奈といいます。よろしくお願いします。
私は長いこと、企業や銀行、ソブリンのクレジットリスクというのを見てきました。それから、先ほど黒川委員からありましたSDGsの流れに乗って、昨年からESGアナリストというのも始めております。もし、御自身の会社でESGの話が聞きたいとあれば、御用命いただければと思います。
さておき、リフレッシュされた当分科会ですが、リフレッシュされた部分と、脈々と続いている財政再建をしなければいけないという伝統と、両方を兼ね備えた良い会議にしていけたらいいと思っていますし、そのために微力ながら尽くしたいと考えています。
皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございます。
南場委員、お願いします。
〔 南場委員 〕 ディー・エヌ・エーの南場です。引き続き、よろしくお願いいたします。
私は、財政の専門家ではありませんし、もとより、そういった役割は期待されていないと思いますが、経営者の立場、生活者の立場として議論に参画させていただけたらと思います。
経営者としてということで、業績の立て直しであるとか、バランスシートの健全化という議論をするときに、重要なポイントというのは3つあると思っています。1つは、ビジョンなき近視眼的な議論に陥らないこと。2つ目は、傾聴をわきまえない一律の議論にならないこと。3つ目は、ステークホルダーに、企業の場合ですと従業員ですとか、お客様、株主、社会となっていきますけれども、しっかりと御理解いただけるものであるか。この3点が重要になりますが、その視点を重視して、この会議に参画したいと思います。
これだけの人数が好き勝手、発言したことを取りまとめるのは、本当に大変だろうといつも思っていますけれども、どうか国のビジョン、どういった社会を築きたいのか、そういう議論も忘れずに進行できるように、そして、これは以前から申し上げていることですけれども、どれぐらいの規模感の話をしているのかということが念頭に置かれずに、議論しやすいことに議論が終始することがありますので、どういったマグニチュードの話をしているのか。そして、全ての施策に犠牲者がいるわけですから、誰がどのような割を食うのかということもフラットにテーブルにのせて、議論をさせていただけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 平野委員、お願いします。
〔 平野委員 〕 平野信行と申します。ただいまは、三菱UFJフィナンシャルグループの会長であるとか、モルガン・スタンレーの取締役などをいたしております。
私、長く金融に携わってまいりましたが、財政の問題というのはまさに国の根幹であるし、1人の生活者としても、今、南場委員もそうおっしゃいましたけれども、この議論に参加させていただければと思っております。もちろん財政は、現在、私どもの社会が当面している様々な課題に対するソリューションの提供が第一義だと思いますが、同時に、先ほどから皆様おっしゃっているとおりで、これがサステナブルなものでなければいけないということです。ですから、基調は、やはりフェアネスとサステナビリティ、この2つにあるのではないかと思っております。我が国は民主主義国家でありますので、国民が自分たちの将来を決めていく、そのための情報発信を私どもはやっていくということが重要なのではないかと考えております。
少しでもお役に立てればと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
〔 増田分科会長代理 〕 広瀬委員、お願いします。
〔 広瀬委員 〕 東京ガスの広瀬でございます。
私は、エネルギーという関係と、もう一つ商工会議所、中小企業という視点から発言をさせていただきたいと思っております。ただ、単純に中小企業を守ればいいということではなく、むしろ中小企業をこれから強くする、これからも中小企業が日本の経済を支えていくと、そういうような視点から発言をさせていただきたいと思っております。
それから、エネルギーに関して言えば、エネルギーは暮らしとか、その先にあるまちづくり、これと一体だと私は思っております。そうなりますと、これからの少子高齢化の中で、最近、働き方改革という話がありますけれども、むしろ、働き方改革と一緒に暮らし方改革みたいなものをやって、その先にコミュニティをどうするのか。最近、スマートコミュニティとか、いろいろな考え方がありますけれども、きっとエネルギー、あるいは国の財政からも、そういった方向はもう避けられないのではないかということで、この審議会では、その辺りをもう少し深堀りできればと思っております。
よろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。
それでは、神子田委員、お願いいたします。
〔 神子田委員 〕 NHKの経済担当の解説委員をしております神子田と申します。
ずっと経済記者の仕事をしていまして、財務省、当時の大蔵省を、1998年から2000年にかけて記者として取材していました。当時、今の財政の重荷の要因となっている介護保険制度が始まったり、小渕総理が借金王だとか言って笑いをとっていたりしたのですけれども、今、考えると全然笑っている場合ではなかったと。平成という時代は、財政が悪化の一途をたどった時代でもあります。
では、令和の時代はどういう時代にしたいかというと、今回、テレビでリアクションとかを見ても、やはり子供とか、若い人たちのインタビューが多くて、生まれたばかりの子供は、もし令和が30年続くとしたら、終わるころには30歳に、10歳の子は40歳に、20歳の人は50歳に、まさに日本の社会を支えていく人たちになっていくわけですけれども、こういった人たちに重荷を残さないようにするにはどうしたらいいか。私は、コミュニケーションが専門ですので、ここで話し合った内容を、どのようにしたら国民一人一人に訴えて、腹に落としてもらえるか。また、政治の世界も、将来に対して無責任な政治家には票が集まらない、将来のことをきちんと考えて、財政を説いていく人たちにきちんと票が集まるというように、世論を変えていけるような一助になっていけたらと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 宮島委員、お願いします。
〔 宮島委員 〕 日本テレビの経済や社会保障分野の解説委員をしております宮島香澄と申します。引き続きよろしくお願いします。
話の根幹として、今のこの状態を次の世代に胸を張って引き渡すことができるのかということがとても大事だと思っております。そのような中で、いろいろな議論がありますけれども、とても柔らかい形で視聴者に物を伝えている私たちとしては、本当に今、いわゆるべき論ですとか、正しいけれども説教くさい話ですとか、そのようなことではもう、なかなか聞いてはもらえなくなっているなと強く感じています。このようなときに、もちろん正しさ、分かりやすさを追求するとともに、どのようにしてこれが自分のこととして一緒に考えるテーマになってもらえるのか、というところが非常に大事だと思っておりまして、それをどうしたらいいか一緒に考えていきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 村岡委員、お願いいたします。
〔 村岡委員 〕 読売新聞の村岡と申します。
現在の仕事は、会社の財務、それから人事を担当しています。新聞社でのキャリアのほとんどを政治記者として過ごしまして、10年ぐらい前、麻生内閣から民主党政権に政権交代があったときの政治部長を務めました。そのときに、民主党政権で、まさか野田首相のもとで消費増税が実現するとは、とても予想できない動きがありました。やはりこうした難しい議論を実現に結びつけるためには、どこかで飛ばなければだめ、つまりダイナミズムが必要になるということをしみじみ感じました。
財政に関しましては、政治とか国会の動きを通じて見ていくことが多かったわけですけれども、やはり実現可能性ということを考えますと、何とか政治を動かしていくと、そういうタイミングと内容の提言づくりに加えていただくことを大変楽しみにしております。
ありがとうございます。
〔 増田分科会長代理 〕 横田委員、お願いします。
〔 横田委員 〕 コラボラボ、横田響子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本業では、15年前に会社を辞め小さな会社をやっており、三、四十代を中心とした2,500名ほどの女性起業家の事業の継続支援などを行っております。その延長で、大学で起業家教育などの講座を持たせていただいております。
省庁関連で申しますと、何人か御一緒させていただいている先生方がここにもいらっしゃいますけれども、2013年ごろから厚生労働省をはじめとした行政事業レビューには参加させていただいております。また最近は、総務省ですけれども、2040年、高齢者人口がピークになるタイミングからバックキャスティングをして、課題抽出して提言する、自治体戦略2040構想研究会に参加をさせていただきました。研究会の提言は、異論、反論、激励、たくさん出てきたものの延長で、現在、総務省で、地方制度調査会で制度改正をどうしていくかという更なる議論に参加しております。自由に意見が言える立場として微力ながら貢献したいです、どうぞよろしくお願いします。
〔 増田分科会長代理 〕 吉川委員、お願いします。
〔 吉川委員 〕 立正大学の吉川と申します。
私はマクロ経済学を専攻しております。委員の皆様方は、御存知のとおり、財政というのは分配にかかわるものであります。一つの世代の中での分配、それから前回の建議が強調したように現世代と将来世代の間での分配。問題は、この分配の基準、何人かの委員の方も言われましたが、公平(エクイティ)、あるいは公正(フェアネス)ということですが、これは経済学でもう一つよく言う効率性(エフィシェンシー)とは違って、一つの正解があるわけではありません。要は、価値判断に依存する。
したがって、社会でこの答えを出すためには、民主主義のもとで、いわゆる政治がそれを担うということであって、財政は政治と切っても切れない関係になるということですが、民主主義がよく機能するためには、あるいは価値判断を下すためには、事実に関してはできるだけ正確な認識を共有しておくということだと思います。医療で言えば、治療方針というのは多くの場合、何らかの価値判断に依存する。例えば、患者の年齢とか、あるいは薬物を使うといっても副作用があるかもしれない、手術を行うのが適当であるかどうか。様々な、いわゆる総合判断になるかと思いますが、その治療方針決定のもとになる診断は、正確に、客観的に下されなければいけない。社会の問題もそういうことだろうと考えています。
そういうことなのですが、財政は、社会全体で、その事実に関する認識が十分になされているかというと、私は必ずしもそうではないと思っています。この部会の設置も、初めに会長からお話がありましたが、まさに世の中に正確に財政の現状を認識してもらうということにあると考えていますが、これは今、お話ししたとおり、私は大変大事なことだと思います。日本人全体が、問題の所在を正確に、なるべく共有して、その上で価値判断に依存するところはどうしても当然、出てくる。それは、民主主義のもとで政治に委ねる。こういうことだと思いますが、こうした分科会に参加させていただくことを光栄に思っています。
よろしくお願いいたします。
〔 増田分科会長代理 〕 どうもありがとうございました。皆様方全員から、大変短い時間で恐縮でございましたが、御挨拶を頂戴いたしました。
それでは最後に、うえの副大臣から御感想や分科会への期待などございましたら、お願いいたしたいと思います。
〔 うえの副大臣 〕 それぞれ皆様、多様なバックグラウンドをお持ちの方ばかりですし、また、それぞれの分野、第一線で御活躍の皆様ばかりだということを改めて認識いたしました。
非常に難しい、困難な課題もたくさんあるわけでございますが、是非幅広い観点から、また、より長期的な視点から、様々な議論を頂戴したいし、ある意味尖った議論もどんどんやっていただければありがたいと思っております。比較するわけではないですが、ほかの審議会と比べても、これだけの皆様がお集まりというのはなかなかないと思いますので、大変ありがたく思いますし、また、すばらしい議論が展開されますことを期待したいと思います。
〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。
以上で、本日の議題は終了とさせていただきます。次回から本格的な審議ということになりますので、どうぞよろしくお願いします。
本日の会議の内容につきましては、榊原会長と私から、この後の記者会見で御紹介をさせていただくこととしております。会議の個々の発言につきましては、皆様方から報道関係者等に対してお話をすることのないよう、よろしくお願いいたします。
次回は4月17日水曜日、15時半から予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
本日はこれにて散会いたします。ありがとうございました。
午前11時30分閉会