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財政制度分科会(平成31年2月4日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成31年2月4日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成31年2月4日(月)14:00〜16:10
第3特別会議室(本庁舎4階 中-412)

1.開会

2.議題

平成31年度予算等について

3.閉会

出席者

分科会長

榊原定征

鈴木副大臣

伊佐大臣政務官

神田次長

阪田次長

宇波次長

奥総務課長

安出司計課長

阿久澤法規課長

中澤給与共済課長

一松調査課長

西山参事官

北尾主計官

斎須主計官

前田主計官

中島主計官

吉野主計官

関口主計官

森田主計官

岩佐主計官

内野主計官

渡邉主計企画官

佐藤主計企画官

分科会長代理

増田寛也

赤井伸郎

黒川行治

神 津 里季生

佐藤主光

角 和夫

竹中ナミ

中空麻奈

永易克典

藤谷武史

宮島香澄

臨時委員

雨宮正佳

井堀利宏

老川祥一

大槻奈那

岡本圀衞

葛西敬之

小 林 慶一郎

小林 毅

末澤豪謙

十 河 ひろ美

田近栄治

田中弥生

冨田俊基

~子田 章 博

宮武 剛


午後2時00分開会

〔 増田分科会長代理 〕 それでは時間になりましたので、会議を始めたいと思いますが、本日は冒頭でカメラが入ります。このままでお待ちいただきたいと思います。

それではお願いします。

(報道カメラ 入室)

〔 増田分科会長代理 〕 ただいまから、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。

皆様には、御多用中のところ、御出席をいただきまして、ありがとうございます。

本日は、平成31年度予算等を議題としております。

それでは、報道機関の皆様方、御退室をお願いします。

(報道カメラ 退室)

〔 増田分科会長代理 〕 それでは議事に移りたいと思いますが、まず平成30年度の第2次補正予算、そして平成31年度予算のポイント、平成31年度予算編成等に向けた建議の反映状況、そして最後に中長期試算について、まとめて一松調査課長から説明をお願いします。

〔 一松調査課長 〕 調査課長の一松でございます。

それでは、まず資料1−1から御説明いたします。

1ページが、平成30年度第2次補正予算のフレームになります。左側の歳出の欄を御覧いただきたいと思いますが、まず防災・減災、国土強靱化に1兆723億円を計上しております。

ついで、2.でございますが、昨年末に発効したTPP協定に対応するための農林水産業の強化策等として3,256億円。

3.でございますが、中小企業・小規模事業者に対する支援として2,068億円。

4.その他喫緊の課題への対応として、1兆4,304億円を計上しております。

ここまでで、小計欄3兆351億円を歳出計上しております。

あわせて、5.でございますが、財政法第6条の規定に基づきます前年度決算剰余金の国債整理基金特会への繰入れ4,547億円。

6.前年度及び当年度の国税収入の増加に伴う交付税法定率分の増加として5,108億円を計上しております。

その財源でございますが、冒頭御説明した防災・減災、国土強靱化のための公共事業等の経費については建設公債の発行が可能ですので、歳入の欄の右下にありますとおり、建設公債の増額1兆3,082億円を計上しております。

それ以外の経費につきましては、同じ右側の歳入の欄の上から、税収の補正増8,490億円、税外収入1,393億円、前年度剰余金の受け入れ7,131億円を充てております。

左側の歳出の欄にお戻りいただきまして、7.に国債費をはじめとする既定経費の減として1兆2,909億円を捻出しております。

これらの財源のうち、必要な歳出の充てた後の財源の額については、特例公債3,000億円の減額に活用にしております。これが右側の欄の一番下の数字になります。

続きまして、2ページ目、3ページ目が、今、御説明した歳出各項目の概要になります。

まず、2ページ目の1.でございます。防災・減災、国土強靱化は、昨年末に閣議決定いたしました「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」のうち、速やかに着手すべきものを計上しております。内容といたしましては、1つ目の○、河川、砂防、道路等の防災・減災に加えまして、2つ目の学校施設の耐震化のほか、災害時の警察、消防用の資機材等の整備等といった内容になります。

次に、2.農林水産業の強化策等につきましては、1つ目の○、農地の更なる大区画化等を推進する農業農村整備事業、2つ目と3つ目の○、農業の生産性向上、畜産・酪農の収益強化のための設備投資支援等が盛り込まれております。同じ項目の最後の○、水産業の競争力強化のための漁船導入支援等といった内容も盛り込まれております。

3.でございます。中小企業・小規模事業者に対する支援につきましては、ものづくり・IT投入・持続化補助金、事業承継支援、軽減税率対応レジ導入支援といった内容となっております。

次のページでございます。その他喫緊の課題の対応は3つに分かれております。具体的には、(1)国民生活の安全・安心の確保につきましては、自衛隊の運用態勢の確保や保育所等の整備などを内容とするものです。(2)は災害復旧等、3つ目は(3)その他の経費でございまして、これにつきましては国際機関分担金・拠出金、ムーンショット型と言われる革新的研究開発推進プログラム、地方創生の拠点整備といった内容になっております。

続きまして、平成31年度予算案の説明に移らせていただきたいと思います。資料1−2を御覧いただければと思います。

1ページ目でございます。私どもは、平成31年度予算案のポイントを3点に分けて御説明させていただいております。1つ目の○でございますが、本年10月からの10%への消費税率引上げに伴い、消費税増収分を活用した社会保障の充実を行うというものでございます。国・地方を合わせた公費ベースでプラス8,110億円、国費でプラス7,157億円の積み増しになります。内容は、幼児教育・保育の無償化、介護人材の処遇改善、年金生活者支援給付金の支給、低所得高齢者の介護保険料の負担軽減強化といった内容でございまして、詳しくは同じ資料の10ページで紹介しております。

*マークのところを御覧いただければと思います。先ほど御説明した国費プラス7,157億円のうち2,349億円につきましては、本年10月からの消費税率引上げということになりますと、来年度中に地方に入る地方消費税収はほとんどないことを鑑みまして、幼児教育・保育の無償化に係る地方分の初年度の経費について、子ども・子育て支援臨時交付金で面倒を見ることとしております。この交付金は、地方財政の地方交付税交付金等のほうに計上されますので、社会保障関係費としての増加分は、この分を除いて国費で4,808億円ということになります。

次に2つ目の○ですが、消費税率の引上げに伴う経済へ影響を平準化するため、臨時・特別の措置として2兆280億円を計上しております。その主な内容は、中小小売業等に関する、9か月間、原則5%のポイント還元措置にかかる経費、来年度予算といたしましては10月から3月までの6か月分の計上になりますが、これに2,798億円、低所得・子育て世帯向けプレミアム付商品券1,723億円、住宅の購入者等への支援に2,085億円、先ほど御説明した今年度第2次補正予算にも計上された防災・減災、国土強靱化対策に1兆3,475億円といったものになっております。こちらの内容は、同じ資料の11ページに概要を載せております。

3つ目の○でございますが、ただいま御説明した防災・減災、国土強靱化につきましては、※のところにありますように、30年度第2次補正予算における計上と合わせますと、合計で国費2.4兆円計上したことになりますが、3か年緊急対策で3年間の事業規模はおおむね7兆円程度でございますので、残余の額は2020年度の臨時・特別の措置に計上されることになります。

その下の枠のところでございますが、財政健全化の観点からの御説明です。まず、「新経済・財政再生計画」の初年度の予算といたしまして、歳出改革の取組を継続しております。社会保障関係費につきましては、先ほどの消費税増収分を活用した社会保障の充実等を除きました土台のベースでは増加幅は4,774億円となっておりまして、高齢化による増におさめることができております。

次に、非社会保障関係費につきましても、土台のベースではプラス330億円の増加ということで、今年度予算までの3年間の予算と同じペースの増加に抑制することができております。国債発行額については1兆円の減額、一般会計プライマリーバランスも改善しております。

次の2ページ、3ページがフレームになります。

2ページ目、臨時・特別の措置を除いた通常分と、臨時・特別の措置に分けて御説明させていただきます。

まず、税収につきましては、消費税率引上げに伴う税収増は約1.3兆円ありますが、それを含めまして今年度の当初予算、30年度予算と比較して約3.4兆円、先ほど御説明した第2次補正予算による補正後税収と比較しても約2.6兆円の増加を見込んでおり、過去最高の税収62兆4,950億円を見込んでおります。その下、その他収入につきましては、財投特会、投資勘定からの受入金の増加などを反映して、1,140億円の増加で5兆556億円を見込んでおります。公債金は、後ほど御説明します。

歳出のほうに移らせていただきまして、国債費は公債残高の累増に伴う債務償還費の増加によりまして、2,062億円の増加を見込んでおります。一般歳出については、社会保障関係費は先ほど御説明したとおり、土台部分の増加は高齢化による増におさめることができて4,774億円の増加となった上で、社会保障の充実分の積増しが加わり、そこに消費税率アップ分に対する診療報酬による補塡分などが加わりまして、合計で1兆31億円の増加額となっております。非社会保障関係費については、土台部分を330億円の増加に抑えた上で、様々な入り繰りがありまして370億円程度の増加になっております。地方交付税交付金等につきましては、国税の増収見込みに伴いまして、交付税法定率分が増加します。さらに、先ほど御説明した子ども・子育て支援臨時交付金の措置に伴い、4,701億円の増加となっております。

下の欄に移ります。臨時・特別の措置、2兆280億円につきましては、その財源につきましても臨時の収入を充てるという考え方をとっておりまして、具体的には防災・減災、国土強靱化のための公共事業費等の経費については建設公債を充てることとした上で、備考欄にありますとおり、預金保険機構の利益剰余金、前年度決算剰余金等のその他収入を充てることとしております。

3ページは、通常分と臨時・特別分を合算したフレームになります。公債金のところを御覧いただきたいと思いますが、国債発行額は30年度予算より1兆317億円減少して、32兆6,605億円となっている次第でございます。

4ページ目は予算編成の前提となりました経済の見通しでございまして、右上の枠囲いのところを御覧いただきたいのですが、来年度の名目成長率2.4%、実質成長率1.3%といった計数を並べております。さらに、下のほうでは、今御説明した一般会計の財政指標を整理した一枚紙になっております。

5ページ目は、いわゆるワニの口の表のアップデート版でございます。6ページ目は通常分に係る歳出・歳入の構成の円グラフ、7ページ目は通常分の主要経費別内訳、8ページ目は臨時・特別の措置も含めた主要経費別内訳でございますが、いずれも御説明は省略させていただければと思います。

9ページ目でございます。消費税率引上げに伴う対応の概要につきましては、昨年末に茂木大臣が経済財政諮問会議で説明した資料になります。中ほどの消費税率の引上げの影響のところの表を御覧いただければと思います。

まず、薄いオレンジ色でございますが、5.7兆円、消費税率1%分の税収は、来年度予算ベースで1%、2.87兆円でございますので、軽減税率なかりせば2%分、5.7兆円程度の負担増が国民に生じることになります。次に、軽減税率による負担軽減効果が1.1兆円程度生じます。これが黄色の部分になります。他方で、軽減税率の財源確保の観点から行われた、たばこ税や所得税の見直しなどによりまして、再び薄いオレンジ色の0.6兆円程度の負担増が生じますので、以上をトータルすれば税制面で5.2兆円程度の負担増になるというのが赤い点線で囲ってある部分になります。

他方で、消費税増収分を活用した社会保障の充実等がございます。これらは、国民生活から見ればサービス受益の増加になります。引上げ分2%を活用した社会保障の充実で2.8兆円程度、こちらは緑色に塗られている部分です。加えまして、消費税アップ分に対応する診療報酬等による補塡等で0.4兆円程度、合計で3.2兆円程度の受益、サービス増になります。青い点線で囲っている部分になります。

よって、社会保障・税一体改革という観点で見れば、差引きで2兆円程度の経済への影響となると考えております。これが右枠の太枠で囲ってある部分でございまして、これに対応いたしまして、消費税率引上げに対応した新たな対策として国費2兆円程度の予算措置、さらには住宅、自動車購入に対する税制上の支援で0.3兆円程度、合計で2.3兆円程度の措置を講じます。これが黄色で大きく塗ってある部分でございまして、これらをもって経済への影響を十二分に乗り越える対策になっているという説明になります。

10ページ目は、社会保障の充実の概要でございます。11ページ目は消費税率引上げの対応策の概要、12ページは防災・減災、国土強靱化の概要でございまして、後ほど御参照いただければと思います。

13ページ目から16ページ目まで各歳出分野の取組が掲げられていますが、後ほど資料1−3を用いまして、昨年いただきました建議の反映状況という形で御説明したいと思っておりますが、2点ばかり補足的に申し上げておきたいと思います。

1点目は、14ページ目の一番上の欄でございます。御説明したとおり、社会保障関係費の実質的な伸びは高齢化の増におさめることはできたわけでございますが、このプラス4,774億円という増加額は、昨年夏の概算要求の段階では6,000億円という増加額で要求されていたところでございます。2つ目の○にありますとおり、そこから実勢価格の動向を反映した薬価改定、これまでに決定した介護納付金の総報酬割などの制度改革の進展で1,300億円程度そこから抑制される一方、物価上昇による年金スライドの増加100億円程度がありまして、差し引きで結果的にプラス4,774億円におさまったということでございます。

次に、16ページ目を御覧いただければと思います。平成31年度予算案そのものに盛り込まれたものではありませんが、今後の改革の取組についての工程表が昨年末に経済財政諮問会議において取りまとめられております。社会保障の4つ目の矢印を御覧いただければと思いますが、後期高齢者の窓口負担の在り方、医療・介護における現役並み所得の判断基準の見直し等といった給付と負担の見直しに係る事項についても、検討を進めていく旨が改革工程表に盛り込まれているところでございます。

続きまして、資料1−3の御説明に移りたいと思っております。資料1−3でございます。こちらでは、平成31年度予算案に関しまして、昨年いただきました建議の反映状況を取りまとめた資料になります。

資料1−3、1ページ目、まず社会保障分野の総論のところ、1つ目の○、社会保障関係費の伸びについてはただいま御説明させていただきました。

2番目の○でございます。左側から御覧ください。後期高齢者の保険料に係る軽減特例の見直しを実施すべきとの御提言をいただいたところでございますが、右側にありますとおり、本年10月から廃止し、法定の7割軽減に戻すこととしております。ただし、現行の8割5分の軽減が適用される方々につきましては、1年間に限り特例的に補塡を行う扱いとしております。

次に、1ページの下からですが、建議では医療・介護制度改革について様々御提言をいただきました。まず、医療から申し上げますと、同じページの中ほどより下ですが、左側の欄、1つ目の○として、新たな医薬品や医療技術の保険収載の在り方、2つ目の○として薬剤の自己負担の引上げ。

2ページ目に移りまして、1つ目の○として国保の法定外繰入等の解消、2つ目の○として地域別診療報酬の活用、3つ目の○といたしまして外来受診時の定額負担、4つ目の○として高額医療機器の配置の適正化、5つ目の○といたしまして後期高齢者の窓口負担の引上げ。

次の3ページに参りますと、左側1つ目の○として金融資産の保有状況の勘案、2つ目の○として現役並み所得の判断基準の見直し等といった項目について御提言をいただきましたが、先ほど申し上げたとおり、それぞれに対応する形で、右側の欄にありますように改革工程表において検討を進める旨の記載が盛り込まれてございます。

例えば、2ページ目にお戻りいただきまして、一番上の国保の法定外繰入等の解消につきましては、右側の欄にありますとおり、その解消期限や公費の活用等、解消に向けた実効的、具体的な手段が盛り込まれた計画の策定を着実に推進する等の内容が記載されております。同じページの一番下の後期高齢者の窓口負担の引上げにつきましては、右側を御覧いただきまして、世代間の公平性や制度の持続性確保の観点から、後期高齢者の窓口負担の在り方について、団塊世代が後期高齢者入りするまでに早期に改革が具体化されるよう関係審議会等において検討、という記載が盛り込まれている次第でございます。

3ページにお戻りいただきまして、3ページの中ほどより介護分野が始まります。左側の欄の1つ目、介護につきましては、軽度者向け生活援助サービスに係る給付の在り方の見直し、2つ目といたしまして介護サービスの経営主体の統合、再編。4ページ目に参りまして、1つ目の○としてケアマネジメントの利用者負担、2つ目の○として多床室室料相当額の見直しといった項目についても御提言いただきましたが、それぞれに対応する形で、右側の欄にありますような改革工程表における記載がなされているということでございます。

次に、4ページの中ほどの地方財政でございます。左側の欄にありますとおり、建議では、地方財政の健全化に取り組んでいくことは不可欠であるとの御指摘をいただきましたが、右側の欄にありますとおり、平成31年度地財対策におきまして、国・地方とも税収見込みが増加する中、地方の一般財源総額実質同水準ルールのもとで歳出の効率化、重点化を図りまして、折半対象財源不足の解消、臨財債の発行の大幅抑制、交付税特会借入金の償還増額など地方財政の健全化が大いに進んだところでございます。

同じ4ページ目の一番下、地方法人課税の偏在是正の御指摘に対しましても、右側の欄、5ページ目にまたがりますが、平成31年度税制改正大綱におきまして成案が得られたところでございます。

5ページ目、3.文教・科学技術でございます。教職員定数につきまして、左側1つ目の○にありますように、建議におきましては、さらなる教職員の増加は定量的、客観的なエビデンスやPDCAサイクルの確立が大前提である。2つ目の○にあるとおり、まずは教員の業務の見直しが必要だという御指摘をいただいておりました。また、3つ目の○にありますとおり、英語の授業時数の増加についてはさらに具体的指摘をいただいておりました。右側の欄にありますとおり、教員の業務の見直しについて、2つ目の○に・を2つ書かせていただいておりますけれども、教育委員会等からの事務、調査の厳選と合理化、それから部活動の在り方の見直しが講じられる方向となっております。

2つ目の○にあるとおり、教職員定数について既存定数の見直しを図っております。英語の授業時数の増加につきましては、記載が次の6ページまでまたがっておりますが、建議の御指摘を踏まえた必要人数の精査を行った上で、英語専科指導に係る加配定数を措置することとしております。その際、6ページ上から2行目にありますとおり、教員全体の質の向上につながるよう、教員新規採用者のうち、一定以上の英語力を有する者の割合を指標として加配を行う仕組みを導入することとしております。

次に、6ページ中ほど、国立大学法人運営費交付金については、中ほど左の欄にありますように、10%程度、1,000億円程度は、厳選された共通のアウトカム指標による相対評価に基づいて配分すべき、との御指摘をいただいてきたところでございます。

右側の欄の1つ目の○にありますとおり、平成31年度予算におきまして、評価に基づく配分の対象額を1,000億円まで拡大することとし、このうち700億円については教育・研究の成果に係る客観的な共通指標等として、※印で掲げられているような指標による評価に基づき配分し、300億円については重点支援評価に基づき引き続き配分することといたしました。同じく右側の欄、2つ目の○にありますような今後の改革の方向性についても、改革工程表等において盛り込まれているところでございます。

同じ6ページの下、科学技術につきましては、建議におきまして、7ページまでまたがりますが、左側の欄にあるとおり、新陳代謝を促すべき等の指摘をいただいておりましたが、右側の欄にありますとおり、若手へ配分を大幅にシフトしつつ、科研費の増額を図ることとしております。

8ページに参ります。社会資本整備につきましては、建議では、1つ目の○にありますとおり、防災・減災対策など優先的に取り組む事業については、従来の交付金による支援から、国の個別補助による計画的、集中的な支援に切りかえていくことについて検討すべきとの御指摘をいただいておりましたが、右側の欄にありますとおり、1,500億円の規模で個別補助化を図っております。

2つ目の○にありますとおり、防災・安全交付金につきまして、地方公共団体がソフト対策を加速するインセンティブを高める措置も導入しております。

農林水産につきましては、8ページの一番下の○にありますとおり、農地の集積・集約化の協力金について、9ページにまたがりますが、受け手への支援に軸足を移すべき、さらには具体的な農地の集積・集約化計画を策定することを要件とすべき、という御指摘をいただいておりました。また、9ページの次の○にありますとおり、漁業の構造改革や、生産性向上に資する取組への予算の重点化を図るべきとの御指摘もいただいておりましたが、それぞれ右側の欄に記載したとおり、建議の御指摘を踏まえた対応を講じております。

9ページから11ページにかけまして、6.エネルギー・環境、7.中小企業、8.出入国在留管理・治安関係について、建議でいただきました様々な御指摘への対応を記載させていただいております。

9ページの右側、中ほどより下では、FIT制度に関連する予算の見直しのほか、研究開発予算を含めましたエネルギー関係予算の合理化につきまして、10ページ右側では、3つ目の○にありますような環境関係の予算の見直し、4つ目の○で中小企業向けの補助金の重点化、5つ目の○で日本政策金融公庫の特別利率の見直し、11ページに参りまして、出入国在留管理・治安関係に関する予算における建議の反映状況を記載させていただいたところでございます。

11ページの中ほどより下、9.外交関係につきましては、右側の欄で、JICAの予算執行管理、さらには国際機関等への拠出金についての建議の御指摘に対応する反映状況を記載させていただきました。

12ページから10.防衛になります。建議の大きな御指摘といたしましては、左側の1つ目の○にありますように、防衛関係費の水準を財政の持続可能性を勘案したものにすべきというものでございましたが、右側の欄の2つ目の○にありますとおり、中期防対象経費につきまして、実質1.1%の伸びという決着となっております。

左側の欄の2つ目の○、新規後年度負担の適切な管理についての御指摘につきましては、新中期防の記載に盛り込まれております。

さらに、左側の欄3つ目の計画単価の明示等の御指摘に対しましても、単価の公表が防衛省において実施された次第でございます。

13ページでございます。調達改革により1兆円以上の合理化効果を目指すべきとされたことにつきましては、右側1つ目の○にありますとおり、新中期防において一層の効率化、合理化の徹底等の文言を盛り込んだ上で、31年度予算編成におきましては、2つ目の○にありますとおり、長期契約の効果的活用等の装備調達の最適化に加えまして、費用対効果の低いプロジェクトの見直しを行った結果、4,159億円の効率化、合理化を実現しております。

最後に、1月30日に経済財政諮問会議で示されましたいわゆる中長期試算について、作成元の内閣府の発表資料に即して簡単に御説明させていただければと思います。資料2−1でございます。

資料2−1のポイント紙でございますが、まず1ページ目でございます。【経済の想定】というところであります。1つ目の○といたしまして、直近までの経済動向を反映とあります。その2行下で、生産性の指標である全要素生産性、すなわちTFP上昇率が足元で鈍化して0.4%になっているという記載もございます。同様に、足元で物価上昇も鈍化しております。足元までのそうした数字を反映させている試算ということになります。

次に、【財政の想定】と書いてあります。国・地方の決算、それから平成30年度補正予算、31年度予算案などを反映して、財政の想定をアップデートしているということでございます。

2つ目の○の矢印の部分を御覧いただけば分かりますように、31年度予算案で実施された歳出改革の効果が試算に織り込まれているということでございます。その上で、将来につきましては、一番下の行にありますとおり、今後については歳出改革を織り込まない、いわゆる歳出自然体の姿で試算を行うという前提を置いているということでございます。

その結果でございます。2枚目、中長期的なマクロ経済の姿でございます。上のボックスの1つ目の○に、少し解説を加えながら御説明させていただきたいと思います。ただいま御説明いたしましたとおり、前回試算に比しまして足元の潜在成長率が鈍化、物価上昇率が鈍化しているわけでございますが、今後について内閣府の想定は、政府経済見通しを発射台といたしまして、その後、飛躍的に全要素生産性が向上し、2%の物価安定目標も達成するという前提でありますので、2020年代前半には実質で2%、名目では3%を上回る成長を実現するという結果になっております。

具体的には、4つ図が置かれておりまして、左上の図の赤線を追っていただきたいのですが、実質GDP成長率は中長期的に2%という水準になっております。また、右上の図で、赤線の名目成長率のほうは3.4%まで高まるという想定になっています。消費者物価上昇率は、左下の図にありますように、2023年度には2%に達する前提であります。

他方、青線でベースラインケースというのも試算されております。左上の実質GDP成長率の図を再び御覧いただければと思いますが、青線がベースラインケースになります。足元の潜在成長率が内閣府の試算で1%程度とされております中、経済はその潜在成長率並みで将来にわたって1%程度で推移するという前提になります。

ただし、これにも留意点がございまして、人口減少、高齢化が進む中で潜在成長率が低下しない前提とするためには、ベースラインケースですら、全要素生産性の上昇率などについて、成長実現ケースほどではないにしても、相当程度の上昇を見込まなければならないということでございます。この点は後ほども触れます。なお、名目GDP成長率につきましては、右上の図を御覧いただけば、青線で中長期的に1.5%程度の想定となっております。

以上の前提に基づきまして、財政がどうなるかというところを3ページ目に掲げております。3つの図がありますが、一番左の図を御覧いただきまして、赤線を目で追っていただきたいと思います。赤線の成長実現ケースが2025年でどうなっているかと申し上げますと、そこに▲0.2という数字が書かれていると思います。GDP比で▲0.2%、実額にしますと、括弧書きしてあります1.1兆円のPB赤字が残るということでございます。これは前回の試算では2.4兆円という数字でしたが、過去の決算の反映、31年度予算案による歳出改革、あるいは物価上昇の鈍化による今後の歳出の伸びの低下などを反映させると、前回試算より1.3兆円程度赤字幅が圧縮されるという試算結果になります。

御説明しましたとおり、この場合の歳出の想定は、今後、歳出改革をしないという歳出自然体で計算しておりますので、今後の歳出改革を織り込めば2025年度のPB黒字化目標は達成可能という試算になっております。さらには、この赤線は2026年度で水面上に出ておりますので、歳出改革を仮に行わなくても2026年度には黒字化できるという試算になっております。

他方、青線のベースラインケースでは、左側の図ですが、2025年度のところに▲1.1という数字が青字で書かれておりますが、GDP比1.1%の赤字幅が残る。これは実額では6.8兆円の赤字でございまして、前回試算のベースラインケースの赤字幅8.1兆円はやはり1.3兆円程度圧縮されます。

真ん中の公債等残高対GDP比のグラフを御覧いただければと思います。赤線の成長実現ケースではPB黒字化も達成されるということでございますので、公債等残高対GDP比は安定的に低下していくのですが、PB黒字化に至らないベースラインケースでは金利が低く抑えられることもあって、当面、公債等残高対GDP比は下がっていきますが、金利が上がるにつれまして、一番右側のグラフの財政収支対GDP比の青線を御覧いただくと分かりますように、財政収支対GDP比の数は徐々に悪化しまして、真ん中のグラフに戻りまして、公債等残高対GDP比も下げ止まるといった試算になっております。

今申し上げた試算の前提を、改めて本体資料、資料2−2で確認いただきたいと思っております。

1ページ目でございますけれども、2.経済に関するシナリオと想定を御覧いただければと思います。(1)成長実現ケースの前提の中で、1つ目の・でございます。全要素生産性上昇率が、足元の水準0.4%程度から5年間で1.3%程度まで上昇することを前提にしていると書かれております。下の脚注4を御覧いただくと、これは1982年度から1987年度にかけて、つまりバブル期前からバブル期にかけて計測された、5年間で0.9%程度という非常に高い伸び率を仮定しているということになります。

ベースラインケースにつきましても、2ページ目の2行目を御覧いただければと思いますが、全要素生産性上昇率が将来にわたって0.8%程度で推移すると仮定されております。これは、2ページの脚注6を見ますと、2002年1月以降の平均値とのことでございます。ただし、足元では諸外国の生産性が低下していることが知られています。様々な推計がありますが、OECDの統計などで、先進国の全要素生産性上昇率の過去10年平均を機械的にとると、比較的高いアメリカなどでも足元では0.5%程度でありますので、ベースラインケースであっても、それを飛び越えていくような高い伸び率を前提にしているということになろうかと思います。内閣府の中長期試算は、成長実現ケースであれ、ベースラインケースであれ、あくまでこのような試算の前提に基づくものであることに留意する必要があると思っております。

私からの説明は以上になります。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

これから皆様方から御意見などをお伺いしたいと思いますが、大きく2つあって、今年度の補正予算と来年度の当初予算に係る部分、そして今ほど説明がありました経済財政の中長期試算についての内容がありますが、時間等の関係もありますので、お一人2分以内で御発言をしていただければと。ネームプレートを立てていただきましたら、私から指名いたしますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

机上に配付されているかと思いますが、竹中委員のほうから、神戸の認知症対策について、面白い試みが始まったということで資料が配付されておりますので、初めに竹中委員から説明をお願いいたします。

〔 竹中委員 〕 貴重なお時間をいただいてありがとうございます。

机上配付させていただきました、この1月28日から神戸市で開始された「認知症の人にやさしいまち『神戸モデル』」についてです。これが非常にユニークなのは、全ての住民の住民税を400円上乗せすると、それで全ての財源を賄って行うというところです。そういう意味では、首長の覚悟をかけた政策かなと思うのですが、おかげさまで大変好評で、全国各地の自治体の職員の皆様、あるいは住民の皆様たちから、我が自治体でもこのようなことが始められたらいいのにというような御意見をたくさんいただいております。

認知症の問題というのは、本当に全ての人にとって悩ましいことで、自分が被害者になることもあれば、加害者になってしまうこともあるという意味では大変シビアな問題ですが、久元市長のお母様は認知症が大変重かったこともあって、覚悟を決めて実施され、しかも市民の多くの賛同を得て、そういうことが1月28日から始まったということです。

是非、この財審の皆様にも、単に一般財源の中からひねり出すというのではなくて、こういった共助の新しい方法についても一緒に考えていただければうれしいなと思って、御紹介させていただきます。ホームページに丁寧な説明もありますので、是非御関心のある方は、「認知症」、「神戸モデル」ということで検索をしていただければ結構かと思います。よろしくお願いいたします。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

岡本委員、お願いします。

〔 岡本委員 〕 ありがとうございます。

本当にいろいろ御努力されて大変だったんだろうなと思いまして、ありがとうございました。

一方で、試算の数値の実現の困難さとか、あるいは人口減少の時代であるというお話もあったわけでございまして、そのような中では、これだけの努力をしたが、やはり100兆円を超えてしまったと。これは厳密に見ると、通常はまだ99兆円だと言っていますが、やはり一般国民から見たらもう100兆円を超えたというようなイメージができているのです。指標の1つとして歳出が100兆円と、これが一つの大きな壁でありこだわらないといかんと思っていたのですが、超えてしまったと。それが、まさに消費税増税への対策を理由にして、何かソフトランディングで100兆円を超えたというような感じがするのです。

やはり本来、借金減らしに使うべきなのに、また新たな歳出を組むということになると、本当に大きな政府になっていくと思います。これだけの人口減少を迎えている中で適正な政府というのはどのような規模なのか。要するに、どの程度の規模が身に合った体制なのかの議論をこれからはしていかないといかんのではないかと、私はこの数値を見てそのように思いました。

以上でございます。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

神津委員、お願いします。

〔 神津委員 〕 平成31年度予算について少し申し述べさせてください。

まず、各論ですけれども、社会保障関係費については、全世代型への対応ですとか、介護・障がい者福祉の人材、保育士の処遇改善など、そういった改革が進められる方向性については評価できるものだと思っています。一方、幼児教育・保育の無償化については、依然として待機児童が2万人いることや、また認可外保育が対象となるということなど、政策の優先順位の点で疑問が残るということです。

それから、外国人労働者の労働環境の整備、共生施策への財政的支援、これは予算措置、体制の確保は十分とは言えないのではないかと懸念を持ちます。

次に、消費税率の引上げに伴う需要変動対策として様々な施策が盛り込まれていますが、政策効果、公平性、財政規律の観点から、必要性、妥当性に非常に疑問が残るところです。十分に見極めて、実施そのものの当否を見定める必要があるのではないかと思います。

そして、毎勤統計の問題についてです。12月の閣議決定後に問題が明らかになりまして、雇用保険等の追加給付分を一般会計に上積みにして予算案が修正される異例の事態となりました。また、その追加給付に必要なシステム改修などの事務費として、今後約195億円が発生するわけですが、こうした費用は、今回の問題がなければ本来は必要なかったことを踏まえますと、その全額を労使で負担する財源から拠出することは納得しがたいということは言わざるを得ないと思います。

各論は以上ですけれども、全体の問題については、今、岡本委員が言われたことと全く同じ認識であります。社会保障と税の一体改革の原点も踏まえて、社会保障の大きな将来像、それを支える税財政の在り方、財政健全化に向けた具体的な道筋を国民に示していく、将来世代への負担を先送りしない、そういったことが必要だと思います。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございます。

佐藤委員、お願いします。

〔 佐藤委員 〕 ありがとうございます。

まず補正予算ですけれども、今回いろいろと災害もあったので、必要なところがあるのは重々承知なのですが、その他経費とか、これはなぜ入っているのかみたいなものはあるわけで、補正予算に対する目配りはやはり必要だと思いました。

あと、今回の建議を反映していただいた予算について、いろいろ御紹介いただきましたが、反映してもらえなかった意見について、これからどうてこ入れしていくのかについても道筋があっていいのかなと思います。

それから基幹統計の話は、財審としても議論しておいたほうがいいと思います。もちろん、予算に対する反映という部分もありますが、我々の見通し、経済に対する判断、これを全て狂わせるわけです。特に懸念するのは、今、政府はEBPMを進めていると言っているのに、Eのところ、つまりエビデンスが信用できないとなると、また、エビデンスではなくて感情に基づく政策決定に戻ってしまって話にならないわけですから、今回の統計の不備は、決して統計に意味がないということではなくて、正しい統計を我々は必要としており、それに向けて財審としても取り組むべきことはあるのではないかと思いました。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 また後で担当から答えてもらいます。

末澤委員、お願いします。

〔 末澤委員 〕 どうもありがとうございました。

中長期の経済財政の試算について一言申し上げたいのですが、今回、2019年度の社会保障等の歳出改革の効果で、前回の昨年7月の試算よりは2025年度で1.3兆円程度改善していると。通常、たしか毎年1月の社会保障等の歳出の伸びは、物価上昇100%をスライドしているので、大体少し悪化して、7月に反映した際に改善するというのが続いていますけれども、今回の社会保障の改革の分および税収増等で、ある面、従来の要素よりも好転したということだと思います。

これはよかったと思いますが、一方で、今後、2020年代を見据えたGDP成長率については実質で2%、名目で3.5%弱ということで、ここ10年程度を見ても全く実現できておりません。海外でも、OECD、IMF、いずれも成長率見通しが今年に入って引き下げられておりまして、どちらかというと、マーケットでもグローバル経済の成長はもうピークアウトしたというような見方が中心になっています。むしろ今後、どこまで減速していって、場合によっては来年に向けてリセッションになるかどうか、こちらのほうが主流になっております。そろそろ高めの成長率見通しは取り下げて、いわゆるベースラインケースで成長率を試算した上で、歳出改革については、近年目標以上に実績が好転している点を踏まえ、ある程度実現可能な歳出改革の数字で、実際にシミュレーションしたときにどこまで行くのか。今の状態ですと、成長率は高目、ただし歳出の試算はやや水膨れしていて、実際の着地点が少し見えにくい状況が続いていると思うのです。グローバル経済の動向を踏まえて、いずれももう少し現実的な数字で、当審議会でも試算したほうがよろしいのではないかと考えております。

以上でございます。

〔 増田分科会長代理 〕 角委員、お願いします。

〔 角委員 〕 おかげさまで2025年、大阪・関西万博が無事に決まりまして、誠にありがとうございました。御承知のように、テーマは「いのち輝く未来社会デザイン」であり、SDGsにも合致するわけですので、是非とも健康、医療というテーマと、スマートシティという観点で具体化をこれからいろいろと決めていく。あるいは、社会の実験場にするということですので、その実験というのは2025年に始めるのではなくて、もう今からスタートを切っていかなければなりません。

そのような意味で、昨年5月の次世代医療基盤法の改正によりまして、医療データがビッグデータとして2次利用できるようになりました。3つほど匿名化のための認定機関を決めるとお聞きしておりますけれども、今、どのような状況になっているのか教えていただければありがたい。

関西では、2011年に東大であった医学会総会が実際は震災でほとんど開催できなくて、2015年、8年ぶりの京都での医学会総会が開催され、健康・医療について5つのプロジェクトをつくりました。その中の一つが、京大が中心になってやった「千年カルテプロジェクト」です。その千年カルテプロジェクトで、非常に多くの病院、100以上の病院が医療情報をデータセンターのほうへ集約していますので、いよいよ動いていくのかなということで、31年度予算のポイントの10ページに電子カルテの標準化等々、書いていただいていますので、是非とも31年度以降、継続的に、スピードを上げて、キャッチアップしていければと思います。

もう1点、今、関西には非常に多くのインバウンドの方に来ていただいています。その中で、何にストレスを感じるかという調査において、以前は、例えば情報が少ない、地点移動するのに行き方が分かりづらいと。そういったことについては、Wi-Fiの整備とか、KANSAI ONE PASSという乗車券をつくったりして、その辺のストレスは解消されてきました。その結果、今では、現金を用意しないと物が買えないというのが一番ストレスを感じるということになりました。したがいまして、今年10月の消費税率引上げのためにいろいろと対策を打っていただく中で、是非ともキャッシュレス決済が加速度的に、スピード感を持って前進するようにお願いできればと思います。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 質問等はまた後ほどお願いします。

田中委員、お願いします。

〔 田中委員 〕 ありがとうございます。1点は平成31年度のコメント、もう1つは質問になります。

まず1点目、防衛装備品について、平成31年度においていろいろな改革を説明されていますけれども、先日も防衛調達品の不正の問題が新聞で取り上げられており、審議会でも議論しましたけれども、これについては、コスト価格というよりも、やはり契約の仕方ですね。包括契約ではないという状態では、イノベーションを生むというモチベーションを妨げてしまいますので、やはり契約の仕方に対して抜本的にメスを入れていく必要があるのではないかと思います。

2点目、これは少し仮想的な質問になるのですが、幼児教育無償化については補正も含めて施行されますけれども、ある意味、消費税増税分を先取りして施行するということになります。万が一、消費税を増税しなかった場合、これはどうなるのかというのが、私の質問であります。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございます。後半の質問は、誰がどう答えるかというのはなかなか難しいかもしれません。時間を置いて、また後ほどやりたいと思います。

永易委員、お願いします。

〔 永易委員 〕 ありがとうございます。

大変な御努力をされて、特に社会保障を4,800億円増以内に抑えられたというのは大変なことだは思いますが、この5年間、2020年度にPB黒字化という目標を掲げて、財政健全化に懸命に取り組んできたわけですね。それが結果としてはうまくいかずに、もう1回やり直しているというのが、現在の大きい流れかと思います。

そのポイントとしては、消費税率引上げが遅れたというのはもちろんあるけれども、大きなところでは、やはり成長率がそれほど伸びなかったという点と、毎年のように組まれる補正予算、この2つが足を引っ張ったというのが総括でしたよね。やはりこれを今後の財審の審議に生かしていかないといけないですよね。

社会保障を4,800億円増にとどめたという中身を見ても、従来から掲げていた44項目の対策がありましたよね。これからも、いろいろなものが出てくるはずです。これは、実際は社会保障の給付を何とか抑えていくための対策なんですね。でも現実にやっているのは、総報酬割とかであり、本質的な給付と負担との関係に突っ込んだ対策というのは、実はまだ、ほとんど実現していないという現状だと思うのです。

ですから、今から春の陣も始まりますし、今後の2025年に向けた対策は、前回の失敗を本当に踏まえて、今度こそきちんとやるよという形の案にしないといけないし、そのための方策ですよね。PDCAなどとよく言われますけれども、44項目だってPDCAをやるには少し難しいような形になっていましたよね。何個かは確かにKPIがぴっしり書いてありますけれども、時期もばらばら、KPIもいまいちということでは、PDCAなど回るわけがありません。そういうものも含めて、今後のいろいろなやり方に生かしていくべきであると、非常に強くそう思いながら聞いておりました。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

老川委員、お願いします。

〔 老川委員 〕 どうもありがとうございました。

小さな話ですけれども、資料1−3の5ページ、教員の働き方改革に絡んで部活動の適正化、縮減を含めた検討と反映されたことについて、私は大変前向きに捉えたいと思います。それ以前の過去二、三回の議論は、子供の数は減っているのだから、教員の数も減らすべきではないかという主張に対して、いやいや、先生方の労働時間は長くて大変なんだ、だから教員を増やしてくれと、こういう議論の応酬でとどまっていたような気がするのです。今回は、具体的にこういうふうにすれば縮減できるというような方向へ話が進んできたというのは、僕は非常に建設的な前進だと思います。

したがって、財審でのいろいろな議論も、ここが間違っているとか、これは理屈に合わないというだけではなくて、現状の行政の在り方そのものについて少し踏み込んでいろいろ提言していく、それをまた反映してもらうということが非常に大事ではないかと感じましたので、今回は小さな一歩だと思いますが、そういう方向で今後も進めていただければありがたいと思います。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

井堀委員、お願いします。

〔 井堀委員 〕 ありがとうございます。

消費税の引上げに関する対応の概要へのコメントですけれども、資料ですと1−2の9ページの経済財政諮問会議から出ている考え方ですけれども、「臨時・特別」と2つ形容詞が並んでついているということは、必ず今回、一時的限りで、32年度予算でおしまいであり、33年度以降はやらないという決意表明が、この「臨時・特別」には入っていると思います。

ただ、9ページの引上げ対応の概要の基本的考え方をそのまま読むと、32年度で本当にやめることができるのかどうか、若干心配になってきます。なぜなら、ここで書いているのは、消費税引上げのネットの負担増である2兆円を経済へのマイナスの影響だと考えて、それをさらに歳出増で緩和するということなので、33年度以降も消費税は10%に上がったままですから、毎年毎年、来年以降もネットで負担増になるわけです。31・32年度予算だけバラマキで緩和して、33年度以降は緩和しないというロジックがこの説明からは読み取れない。この説明どおりだとすると、相変わらず消費税が増税で、国民にネットで負担になるのだから、その分は何とかしますという決意表明とも読み取れるわけです。

そもそも消費税を上げる大きな目的は、将来世代への負担転嫁を軽減するために、財政赤字の削減に使うはずですけれども、今回の予算では財政赤字の削減には全然使っていないということなので、そこのところの考え方が、この概要の基本的考え方だとどうもよく分からないので、そこが心配だというのが私のコメントです。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

赤井委員、お願いします。

〔 赤井委員 〕 簡単に3つ。

1つ目は補正予算について、細かいところはいろいろな御事情があるかもしれませんけれども、毎年毎年、補正予算が組まれて、初めはせっかく予算を絞ったとしても、後で増えるということになっているので、補正予算の中身をどのように厳しくチェックして増やさないようにするのかという仕組みを、長期的でもいいので考えるべきだというのが一つ。

2つ目は、今、井堀委員がおっしゃったのと同じで、資料1−2の予算のポイントについて、今回、消費税率を引き上げるために、2.3兆円の措置が一般国民向けにも必要ということになるのかもしれませんが、この措置は臨時ですから、もう確実にそこはとめて、今後は財政再建に回すと。これをずるずると引き延ばさないという議論を、この審議会としても深めたほうがいいのではないか。

3番目は、資料1−3の4ページ、地方財政についてですが、税収も増えていますので、結果として、折半対象財源不足という国と地方で分ける財源が11年ぶりにゼロになったということで、その背景で、余ったお金で臨財債を減らしたというとても評価できるような内容で、これは実質同水準ルールが働いているわけですけれども、これで財政再建は少し進んだようには見えます。一方で、この折半対象の外側、いわゆる同水準ルールの外側にあるところで、国土強靱化の政策もあり地方債が増えていると。つまり、臨財債が減った以上に地方債が増えていて、臨財債が減った分だけ将来世代へのつけ回しはなくなったように見えていますけれども、国土強靱化のための地方債が増えて、結果としては地方債が拡大しているということもありますので、国土を強くするというのは分かりますけれども、まちづくりとかを工夫しながら、将来、できるだけインフラの投資も少なくて済むように、お金のかからないような形でやっていくということが重要なのではないかと、今後に向けて思います。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

中空委員、お願いします。

〔 中空委員 〕 ありがとうございます。

私は、金融市場に長くいるのですが、金融市場というのはものすごく単純であるということを言いたいと思います。というのは、こういう財政の話が出てきたときに、金融市場はやはり分かりやすいメッセージが好きで、それを受け取ってしまう。以前ですと、2020年度にPB黒字化というものだったのですが、さくっと25年度になっていたりすると、信用が置かれなくなるものであるということです。PB黒字化を何年にするのかとか、消費増税は本当にできるのかとか、そういう単純で分かりやすい疑問に対して、しっかりしたメッセージを発信していくことが、本当に必要なことなのではないか。細かいことをこんなに努力していますというよりは、マーケットは動きやすいと思います。

もう1つは中長期試算で、今回と前回の成長実現ケースが2本出ていますが、ほとんど差が分からず、せっかく2本出したものの、あまり変わっていないということで終わってしまうと思います。ここも、出し方の工夫はもう少しあったのかなと思っています。

消費増税に関しては、各委員がおっしゃいましたが、ポイント還元やすまい給付金というのは景気対策として見合っているのかどうか、本当によく分からない。さらには、これができなければ負担になるのかどうかと先ほど田中委員が質問していましたが、私もそう思います。できなかったらできなかったで仕方がないと終わってしまうのではないか、少し心配になります。今から考えられる幾つかのことについては、いざ起きたときの対応策というのも踏まえていいかなということです。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 冨田委員、お願いします。

〔 冨田委員 〕 ありがとうございます。

まず、31年度予算についてですが、予算のポイントの1ページ目の下のほうで財政健全化の御説明をいただきました。私どもの建議に沿って歳出が抑制されて、国債発行額が7年連続して減少、プライマリーバランスも改善ということで、素晴らしい出来栄えに書かれているわけです。ただ、次のページでも御説明あったように、預金保険機構の利益剰余金ですとか、補正予算を2回にわたって組んでいることとか、東日本大震災特別会計に対する繰入れ4,000億円が新年度はないとかいうことで、これらを合計するとざっと5兆円ポケットが膨らんでおり、その背景としては、やはり財政健全化目標年度を2020年度から2025年度に伸ばしたことがある。やはりそういうことを念頭に置きながら、財政健全化については見ておく必要があろうと思います。

そして、中長期の試算、これは内閣府の試算ですけれども、昨年の1月に発表されました試算では19年度予算は98兆3,000億円と見ていたのが、先ほど来御指摘あるように101兆5,000億円となっております。しかも、成長率の見通しは低下し、先行きの物価上昇の見通しも、物価は前回と同じように上がるのですが、金利見通しが低くなっております。先ほど末澤委員から、社会保障関係費の見通しについて下方修正がなされたという御説明ありましたけれども、これは先のほう、つまり2023年度とか、24年度とかになると5,000億円も削減できている姿が想定されております。御説明では、財政の想定ということで、新年度予算案で実施された歳出改革の効果を試算に織り込むと書かれております。ただ、それにしては随分削減されているなと思います。そして、金利について去年の見通しよりも低くなっている結果、債務残高の水準も抑制されるという結果になっているのではないでしょうか。

つまり、この新しい中長期試算、特に成長実現ケースについてはかなり楽観的な形に組まれています。もちろん国民としては絶望的な姿よりは望ましいわけですけれども、果たしてこれできちんといけるかどうか。質問としましては、今、申し上げた社会保障関係費の新しい推計方法如何と、なぜ物価上昇率の見通しは同じなのに、10年国債金利の見通しを低くしているのか。以上の2点について、御説明をいただきたいと思います。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

小林委員、どうぞ。

〔 小林(毅)委員 〕 ありがとうございます。

統計の不正の問題については、先ほど佐藤委員がおっしゃったことと全く同じ問題意識を持っておりますので、財審としても深刻に取り上げたほうがいいのかなと思います。詳しい中身については、ほぼ同じ意見ですので省略いたします。

もう1つは、建議の反映状況ですけれども、反映されたものの内容を見ても、例えば関係審議会等において検討するとか、あるいは必要な措置を講ずるとか、ある種、今後こうしていきますという方針としてとどまっているものも、反映されたと考えているわけですよね。それが実際、どういうふうに反映されていったのか。例えば、11ページにある国際機関評価のさらなる開示などを見ると、引き続き検討となっています。ということは、これまでも検討してきたけれども、まだ検討していきますという話なんですね。こういうものについては、少し厳しくチェックの目を光らせていかなければならないのではないかと思います。

同様に、先ほど老川委員が評価していた教員の業務の見直しについても、見直しをいたします、あるいは予算の使い方を改善しましたと記述されているのですけれども、それがどういうふうに見直されて、どういうふうな効果が出てきているのか。こういう効果測定もしていかないと、建議が政策に本当に反映されたと言っていいのかどうか疑問に思います。その辺りは、時間や手間はかかるとは思いますけれども、やはり今後きちんと見ていかなければいけないと思います。

いずれも意見です。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

十河委員、お願いします。

〔 十河委員 〕 一言、意見を述べさせていただけたらと思います。簡潔に。

私も、財審の委員をやらせていただいて、当初より2020年度のプライマリーバランスの黒字化目標について、大分勉強させていただきまして、その目標に向かって、毎年、このような会議で皆様と意見を交わしてきたわけですけれども、来年が2020年度ということで、やはりなかなか実現するのは難しいなということを改めて感じています。

そのような中、昨年、今後の財審の在り方ということで委員に募集されまして、また資料4では一般の方の意見を募集するという形になっております。やはり思いますのは、世の中が大きく変わっている中で、一般の人々が、こういったことにどの程度これから関心を持っていくかに関しては、もっと発信力を強めていく、あるいは門戸をある程度開いていく、その上で専門の先生方が意見を集約していく、という形をとらないと、どうしてもこのエリアの中の、非常に精度・感度の高い意見で終わってしまって、大変もったいないと思います。広く理解をしていただくという努力も、あわせて我々は行っていくべきだと思います。特に、私としては、女性にもっと財政のことを知ってもらいたいですし、ただ単に特典、今回の商品券のようなものを与えて終わりというと、それがどれほど厳しい状況の中で捻出したかということも気づいていないままだというもありますので、やはり痛みを分かち合うということも含めて、何か体制をもう少し広げていく必要があるのではないかと思いました。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 ただいまの御意見、この後で議論する内容とも若干絡んでいますが、財審の在り方等についての意見として承りたいと思います。

それでは、いろいろ御意見いただいたところで、まず各次長からお答えいただきましょう。

では、神田次長。

〔 神田次長 〕 貴重な御意見、本当にありがとうございました。

今回の予算編成は、先生方からいただいた貴重な御提案に対して、実感としてはかなり反映できた部分もある、しかしながら、もちろん至らなかったところもあると思います。ただ重要なのは、政府がどういう方向で議論をすべきか、そして我々、財政当局が何を念頭に、どういうことが国益であり、どういうメソドロジーが効果的であるのかという、言ってみればガイダンスをいただいて編成に当たってきたのは事実でございまして、そこはまた引き続き頑張っていきたいと思っております。

もう閣議決定しており、これから国会に予算を通していく立場でございますけれども、かなり御意見をいただいたので、誠実にお答えすべきだと思っております。

やはり一番大きいのは、ほとんどの先生方が触れたか、触れようとされていた2.3兆円のところだと思います。まず、臨時・特別の措置について、事実関係からいって平成31年度限りではございません。去年の骨太において、2年間に限り、つまり31年度、32年度ということになっております。

あくまで消費税率引上げの一時的な影響に対する対応ということで、2年後に剝がすというのは当然ですし、例えば今回お配りした中長期試算、あるいは財務省が出しております後年度影響試算におきまして、あくまでも再来年度の数字というのはこれから概算要求、骨太の方針、シーリングがあって、そして予算編成過程で決まるものですから、別に何か決まっているわけではありませんけれども、仮定の数字として置いているのは防災・減災、国土強靱化で大体3兆円台半ばとなっていて、30年度第2次補正で1.1兆円、今回の31年度当初予算の1.3兆円で、残りが1兆円ぐらいと仮定して置いています。

それから、消費喚起対策の中で、例えばポイント還元を9か月やることになっているところが、6か月分しか31年度予算には計上されていませんので、3か月分が、32年度に計上されることになります。

日本では、高齢化社会に伴って当然に必要となる歳出に対しての費用が税金で賄われていない。こうした状況をなくして、最低限、ペイ・アズ・ユー・ゴー、必要なものは次の世代の負担にならないように、あるいは国家を危機に至らしめないようにお支払いいただくような、普通の環境に持っていくための機会費用なのだろうと思います。

では、何も工夫のしようがないのかというとそうでもなくて、一例を挙げれば、無償化について少しでもより効果的なものにするために、昨年末の12月28日の関係閣僚会議におきまして、対象となる生徒や教育機関の要件について、きちんとしたインセンティブスキームになるようにするという話もありますし、一旦入れたものでも未来永劫というわけではありません。例えば、この財審でも御批判のあった、前の政権のときに実施された高校無償化も、その後に所得制限を導入したという例もございます。今回のいろいろな制度においても、まだ議論しているところではございますけれども、おそらくしっかりと施行して見直しするような条項が法律に入る方向の議論でございますので、引き続きより良い財政にするために頑張っていきたいと思っております。

あと個別の主計官たちが申し上げたと思いますけれども、建設的な議論とおっしゃったのは極めて大事で、やはり国家が介入するのにふさわしい市場の失敗のような場面で、どういうふうに我々が介在するかということで、より費用対効果が高い、あるいは、よりアドバースセレクションが少ない手段を提案すると、世の中が良くなるだけではなくて、比較的フィージビリティーが上がるため、そのようなことについて先生方からいろいろなアドバイスをいただくことはありがたいし、我々もそのような形で頑張っていこうと思っております。

それから、統計の話は非常に残念で、EBPMを一生懸命やろうとしたのに、議論のアイデンティティーの基本であるものが崩されるというのは、致命的なものであります。とりわけ、ポストトゥルース、あるいはフェークニュースが入り乱れる中、せめて国家が出すものは議論のアンカーにならなければ、まともな議論はできないわけで、そこは政府、あるいは財政当局もしっかりとやっていかなければならない。他方で、より良い議論をするために、開示、あるいは効果、検証をこれまで以上にやっていくことによって、行政をより効果のあるものにしていきたいと思っております。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

宇波次長、どうぞ。

〔 宇波次長 〕 神田次長が申し上げたとおりでありますけれども、ファクトだけ若干の補足であります。

1つ、臨時・特別の措置については、今、神田次長が申し上げたように、昨年の夏の骨太において2年間の措置となっていますが、消費税率引上げに対して恒久的に実施している分は残ります。それから増税の効果も、当然ながら所得効果として恒久的に残るわけですけれども、この臨時・特別の措置というのは、閣議決定上も、消費税率の引上げ時に伴う需要の変動に対しての対応ということになっております。

なぜ2年間かというと、2019年度は10月から消費税率が引き上がりますので、半年分が消費増税の影響になりますが、その消費増税の影響が2020年度になりますと満年度、1年分になりますので、おそらく駆け込み反動減は2019年度の10月前後に一番大きいと思います。そうした消費税の影響が満年度化する2020年度までを含めて、この2年度間、需要変動に対して対応をとるということで、決して恒久的な増税の所得効果に対して対応をとるという考え方には立っておりません。

中身についても、今、申し上げたように価格変動ということで、特に日本は欧州諸国に比べて駆け込み反動減が大きいものですから、ポイント還元であるとか、あるいは大型耐久消費財に対する対策をとることによって、需要変動そのものの平準化を図ろうということを基本にやっているということでございます。

また、公共事業などについては、今年から始まる3年間の国土強靱化の措置ということで、それも再来年度には終わるということでございます。

もう1つは、田中委員ほかから御指摘のあった充実について、消費税分を先取りして施行しているけれども、もし消費税率が引き上がらなかったらどうするのかと。ファクトだけを申し上げますと、この消費税の使い道は、一昨年、経済政策パッケージということで、2017年の12月に閣議決定をしております。そこに充実策が書いてあるわけですけれども、これらの施策は2019年10月に予定されている消費税率10%への引上げを前提として実行すると閣議決定をされてございます。

したがって、2019年度の充実分は、最終形は2.8兆円の充実ということになっております。もともとの政策パッケージ上は、消費税を2%上げたときに5.6兆円、来年度の予算ですと5.7兆円であり、そのおおむね半分を充実なり、幼児教育の無償化に使うということになっているわけでありますけれども、来年度の予算は組まなければいけませんので、消費税収は満額入ってくるわけではなくて、初年度ですとおおよそ3分の1ぐらいということも踏まえまして、来年度の充実分は最終形2.8兆円のうち0.8兆円分を実行するということになっていますので、予算上も消費税の引上げとあわせて行うということで組まれてはおります。

もちろん、田中委員がおっしゃっているのはそういうことではなくて、保育所の申込みがもう既に始まっており、保育所に入られる御両親の方々は、おそらく保育所から、今年10月から無償になりますという説明を聞きながら、今、お子さんの入所を4月に向けて準備しておられると。そういう意味では、もう準備が始まっております。そういうことも踏まえて、先立っての総理の国会冒頭の所信表明演説でも、全世代型の社会保障を実現するためには消費税の引上げが必要であると、国民の御理解と御協力をお願いしたいと申し上げているということで、今回の消費税率の引上げは、社会保障の充実策とセットの、一つのパッケージとして閣議決定をやっているということでございますので、私たち財政当局としても、リーマンショック級のことがない限り、これは予定どおり引き上げるものと理解をしております。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 どうもありがとうございました。

阪田次長、お願いします。

〔 阪田次長 〕 阪田でございます。

田中委員から包括契約、防衛装備品について御指摘いただきましたけれども、おっしゃるとおり、コストダウンをいろいろやっておりますけれども、まだまだ足りないところもございまして、御指摘の包括的な契約、維持整備の部分については少しずつ対象を広げておりますけれども、まだまだ改善の余地はあると思いますので、私と内野主計官も含め、またいろいろ御指導いただければと思います。よろしくお願いします。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

角委員からの質問について、吉野主計官お願いします。

〔 吉野主計官 〕 角委員の質問の中に、医療情報の匿名化のお話がございました。匿名化の認定機関のお話だと思います。条文上は、匿名加工医療情報作成事業を適正かつ確実に行うことができる者を認定するとなっておりまして、昨年の5月11日に法律が施行されておりますが、その後の認定状況につきまして情報を持ち合わせておりませんので、確認いたしまして改めて御報告いたします。

〔 増田分科会長代理 〕 冨田委員からの御質問もありました。これは一松課長、お願いします。

〔 一松調査課長 〕 全ての質問に十分に答え切れるか分かりませんけれども、冒頭おっしゃられたことは、前回の試算に比べて、31年度予算案は歳出の数字が膨れ上がっているということですが、これにつきましては、先ほども御説明したとおり、臨時・特別の措置が入っているという形になりまして、この臨時・特別の措置につきましては、当然、前回の試算のときにはその規模は想定されていなくて、来年度予算には入っています。ただし、これについては2年間過ぎた後は剝落していくということでございまして、歳出について、私の承知している限りでは、どちらかというと今回の試算は、両方のケースで1.3兆円改善した原因は、1つ目は、29年度決算が実態として判明したところ、過去の想定より良かったということと、31年度予算案によりまして1年分、歳出改革が進展した。さらに、足元の物価上昇を見込んで将来の歳出を見込んだところ、歳出の伸びは当然低くなるということで、歳出についてはむしろ改善要因として織り込まれたと承知しています。

その上で、社会保障の歳出につきましては、本文等々の前提のところにも書かれておりますように、基本的には高齢化要因、物価・賃金上昇率を反映して機械的に増加させている、そこに対しまして想定される、満年度化される社会保障の充実を乗せているという推計方法になっています。

お尋ねの中でありましたのは、特に名目長期金利の推計が成長実現ケースなどで下がっているということについてだったかと思いますけれども、まず実質GDP成長率につきましては、当然、前回の想定よりも若干鈍化しております。それから、消費者物価上昇率につきましては、同じ2%目標に達するということなので、グラフ上は非常に見えにくくなっておりますけれども、物価上昇目標の達成が1年先送りになっています。したがいまして、名目GDP成長率の推計も同じような3.4とかいう数字になっていますけれども、大体1年遅れで前回の試算と同じ水準に達するということになっています。金利も、縦で見ますと低下しているように見えますけれども、横を御覧いただくと、1年遅れで同じ水準になっているという見方をしていただければと思っています。

以上でございます。

〔 増田分科会長代理 〕 中長期の試算は内閣府の資料ということでありますけれども、いろいろ委員の皆様方から御意見いただいたような問題があるわけです。また補正予算は今、国会でまさに審議中ということですが、来年度予算についてはこれからということで、現役の幹部の皆様はなかなか言いづらいところはあると思います。決まった問題、閣議決定された予算ではありますけれども、当然、国会の中ではもっといろいろ議論がされると思いますので、そこで本日の各委員の御意見も十分踏まえた上できちんと対応していただくということ。

それから、この後、少し皆様方から御意見いただきますが、昨年の建議について、私自身もかなり丁寧に予算措置の段階で反映されていると思いますけれども、やはり大きな問題が幾つか残っているのは否めないと思いますので、それについてはまた今年、新しい構成になると思いますが、春の建議に向けての審議の中でも十分考えていただかなければいけないと思っています。

それでは、予算の関係についての御説明と質疑は以上にさせていただきたいと思います。

本日の大きな議題の2つ目、資料3の2枚紙でございます。こちらについて、私のほうから説明したいと思います。これは、昨年の秋から懸案になっておりました、当財審の在り方等についての意見をまとめたペーパーでございます。

昨年11月20日に建議を取りまとめましたが、その中で、「平成の時代に当審議会が果たしてきた役割、果たしえなかった役割を真摯に見つめ直し、新たな時代を見据え、発信力の強化などを含め、体制や運営の在り方を改革していくことを辞さない覚悟である」という記述が最後の部分に盛り込まれております。そしてその際の分科会で、榊原会長から、私と起草委員の皆様方に対して、改革の方向性等について、各委員の意見をもとに一定の整理を行っていただき、年明けの分科会に報告してほしいと、指示があったところであります。

こうした指示を受けて、昨年11月に、全員の委員の皆様方に御意見を伺い、私と起草委員において整理をいたしましたので、その内容を簡単に紹介させていただきたいと思います。

まず、T.現状認識でございます。下線部分を中心に説明いたしますと、財審は財政規律を保つ「砦」として、財政健全化に向けた国民のコンセンサス、醸成に一定の寄与をしてきたと言えます。しかし、その一方で、平成における財政状況の一段の悪化に歯止めをかけられなかった事実は謙虚に受け止めなければならないということであります。加えて、財政の深刻な状況や、社会保障制度の持続可能性等の課題について、国民全体に広く浸透し、国民が十分に自らの問題として受け止めているとまでは決して言えない状況であるということであります。

続いて、次のページ、U.改革の基本的方向性でございます。ただいま申し上げました現状認識を前提に、改革の基本的な方向性として、大きく2点、発信力の強化、そして、体制や運営の在り方、それぞれの観点から各委員の意見の整理を行ったところでございます。

発信力の強化策としては、まず政策目的と手段の体系といった大きなフレームワークを提示する。それから、より踏み込んだ歳出抑制策の検討。それから、年2回の建議、現状、年2回、春、秋と行っております。そういう現状からの発信回数の増加等が挙げられます。また、深刻な財政状況、財政健全化の必要性等に対する正しい理解のさらなる浸透を図るため、エビデンスに基づき、偏りのないファクトを、公正な姿勢で、幅広い対象を意識した、分かりやすい言葉で伝えて、国民の間でより良い議論が行われる素地をつくる必要がある。その際には、諸外国における財政悪化の事例や、財政健全化に向けた取組事例等のこれまでの蓄積を広く発信すべきとしております。さらに、情報の発信に当たりましては、多様な受け手の存在を意識して、それぞれに効果的なチャネルとコンテンツを用いることや、国民と直接対話する機会を増やすことを検討すべきとしております。その際、将来世代を意識した公聴会や、地方公聴会も選択肢となり得ると考えております。あわせて、SNSを含め、情報収集手段が多様化している状況を踏まえた情報発信の在り方も検討する必要があります。

続きまして、体制や運営の在り方、最後の3ページ目になりますけれども、こちらにつきましては、緩やかなグループ等による議論を状況に応じて活用できるよう、体制を整備することが考えられるとしております。その上で、新たな財政規律や財政健全化の道筋等について積極的に検討するため、財政に関する長期推計を行う必要があるとの意見もありました。財政の議論に当たりましては、歳出・歳入一体での検討が不可欠でありまして、同時に経済情勢や金融政策等の関係も視野に入れる必要があります。歳出面に限りましても、優先順位を明確にした上で議論を深める、考え方のフレームワークを整理するといった工夫も必要でありまして、その際、分野によっては省庁横断的な問題設定も求められます。また、これはこれまでも何回か実施をいたしましたが、外部有識者からの意見聴取も有益であることにも鑑みると、全体として開催回数の増加による審議の充実を目指すべきと考えられます。

この対策について、後半の2枚を今後の改革の基本的な方向として取りまとめて、しかるべく御検討をいただければと考えたところであります。

以上が、取りまとめ案の主な内容でございます。

これ以降、残りの時間は、ただいま御紹介いたしました意見の整理案に関して御意見等がありましたらお願いをしたいのですが、プロセスを言いますと、本整理案、先ほど申し上げましたように、昨年11月に委員の皆様から御提出いただいた意見を取りまとめたものでありまして、できるだけ正確に、そして、お互い矛盾しないように、何回か議論して整理したものでございますが、自分が提出した意見が正確に反映されていないとか、あるいは表現として、ここが問題あって適正化すべきといった観点から御意見をいただければと思っております。この後、記者会見のときに、この意見の整理(案)は案を取って発表したいと思っておりますので、そういう状況であるということも御理解いただいた上で、もし何かございましたら、ネームプレートを立てて御発言、お願いしたいと思います。

それでは、岡本委員、大槻委員の順番でいきたいと思います。よろしくお願いします。

〔 岡本委員 〕 何度もありがとうございます。

私が話したことは、ほとんど網羅して入っておりますので、その点については何ら意見はないのですが、この中で結構重要だなと思うのは、2ページ目の国民と直接対話する機会を増やす、国民に対して向き合う姿勢の徹底ということです。以前、女性向けに、ここのメンバーがしゃべって結構よかったと、そういうところについての評価もいろいろありますが、結局、国民に本当の意味で徹底するためにはどうしたらよいかと考えると、どういうレベルの人に、どういう形でやるのか。この財審という場所は、ものすごく専門的で、ここでやっていることはこの場の皆は分かりますが、では、どういうレベルの人に、どの程度分かってもらうかが大事であり、統一的な資料のようなものをつくって、例えば私がどこかへ飛び出ていって、すぐそれを説明して、大半の人が、「ああ、そういうことなのか、危機とはこういうことなのか、これが起こるとこういうことになるのか」とか理解してもらうこと、私はそういうところがものすごく必要な感じがするんだと思うのです。

ですから、この文はこれでいいですが、公聴会など何かをやるといってもどれも部分的なので、NHKなどの30分番組で取り上げてもらうと、実はこんなに分かりやすいとか、そういうところを考えていったらいいのではないかと思います。

あと、1ページに、当審議会は財政規律を保つ砦とありますが、私は本当に最後の砦だと思います。我々はやはり最後の砦ということで、きちんと意識してやっていかないといかんなと自分も反省しているわけでございます。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

大槻委員、お願いします。

〔 大槻委員 〕 すみません、ありがとうございます。

関連のデータで、弊社が今年の1月半ばにとったアンケートですけれども、これは、定期的にとっているデータで、今だったら投資とか消費をするのと貯蓄をするのとどちらがいいかというのを、大体、政策会合の直前にとらせていただくのですけれども、実は1月半ばのデータが、過去最低の消費・投資性向だったのです。貯蓄をしたほうがいいというデータになりました。理由も聞いていますけれども、1つ目は消費増税が嫌だから、2つ目は国の財政が不安だから。すごく矛盾していますけれども、この混乱状態がまさに個人の方々の不満がそのまま出てきているのかなと思っています。要は、情報がいろいろ交錯していて、どこをどうやって集約していいのか整理ができないということだと思うので、先ほどの直接の対話などで整理の機会を与えるということが必要なのではないかと思います。

それから、もう1点、前のセッションの統計不信も、かなり盛り上がっていまして、SNSとか御覧になっていらっしゃると思いますけれども、やはり国のデータは信用できないという感じになってしまっている結果、これからの発信というのは我々も結構ハードルが上がってしまったかなと思います。ゆえに、何らかの形で直接の対話というのが必要だなと、直接伝えるというのがすごく重要だと思いますが、御指摘のとおりで、やはり対話でも対面でやると、やはり限られたところになってしまうので、上手に双方向型のニュースメディア、例えばニューズピックスというのはまだ2年ぐらいですが、会員が10万人以上ということで相当広まっていますし、何らかの形での、直接での、しかしながら広範囲の拡散の、発信というのが大事なのではないかと思っています。

最後に1点だけ、分かりやすい情報発信が大事というコンテクストの裏側に、個人はやはり知識がないからと思っていらっしゃる方もいるかもしれません。私も、機関投資家に対するアナリストから個人向けになったときに口を酸っぱくして言われたのは、個人の知識、考える力が低いと決して思うなと。むしろ、やはり時間がないので、時間を節約してあげるような情報発信を心がけよということでありました。我々も、そのような形で、理解を短時間で進められるような形を何か工夫していく必要があるのではないかと思いました。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 黒川委員、お願いします。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。

私がとても重要だと思っていたのは歳出歳入一体での検討です。今までどうしても歳出の方ばかりでしたけれども、やはりここに来てみると歳入面も具体的に何か提案をしていく、場合によっては税調とも一緒になって考えていく時期にもうなってしまっているのではないか。当然ながら、収支均衡に向けての節約努力を絶対やるべきだったと思いますけれども、もう少し歳入のほうについても検討する必要があるのではないか。

それからもう1つ、ここの文章に直接は入っていませんが、先ほど神田次長がおっしゃったことに関連し、特に、いつも財務省は削ることばかり言っていて、何となくそういうイメージが国民の間にもあるような気がするのです。むしろ、財務省が積極的に代替案を提示していくことも大事なのではないか。要するに、財務省のイメージが国民の中で、何となく良いイメージではないようなことが多いので、もう少し国民目線で、財務省はこういう案も考えているんだよというようなことを示していく、そういうことが大事かなと思いました。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 小林委員、お願いします。

〔 小林(慶)委員 〕 私も、まとめていただいた文章、基本的に全く同意ですけれども、私が強調したいと思っているのは、やはり民間の参加を促すというのか、民間の力をどのようにして巻き込むのかというところが、この改革の重点なのかなと思っております。3つぐらいポイントを言うと、例えばここにSNSを利用してというようなことが書かれておりますけれども、こういう我々の審議だとか、建議をつくる過程の間にというか、でき上がったものを発信する以前に、つくっているプロセスの部分を何らかの形で、一定の限度を設けて公開して、パブリックコメント的な形をとりながら、リアルタイムでつくっていく。ウィキペディアみたいに民間の知恵も入れながら、ここの建議とか、議論をつくり上げていくことはできないのかというのが一つ、少し夢みたいな話ですけれども、そういうことを思ったというのが一つ。

もう1つは、将来についての試算とかを考える際に、試算の計算方法とか、基礎的なデータを民間の人が再現しやすいような形で公開して、我々が出している試算はこうだけれども、少し前提を変えた試算を民間の人がすぐやれるようにして、そこから出てきた民間の試算から、世の中でいろいろな議論が巻き起こるような、そういう仕掛けをしていくとか、そんな工夫はできないのかというのが2点目であります。

3つ目は、逆にもう既に民間の団体とか、企業とか、金融機関とかでいろいろな計算をして、財政についての提言や意見、あるいは将来推計が出されているわけですけれども、それに対してレスポンスをする。

例えば、去年の7月ぐらいに経済同友会が、内閣府の経済財政諮問会議の試算を検証するというレポートをきちんと書いて、より手がたい想定で計算すると、財政収支は赤字のままだというような計算を出しているわけです。さらに、内閣府の計算は2027年度までだけれども、それをもっと延ばして、2060年まで延ばすとこうなるというようなことも、同友会では計算していたりするわけです。

そういうことに対して、政府側、あるいは財審のようなところからレスポンスをしてあげるというのは結構大事ではないかと思っています。民間の団体が出した将来推計みたいなものはメディアでもあまり大きく取り上げられない。政府とか、日銀が出すと大きく報道されるわけですけれども、民間のシンクタンクとか、経済団体とかが計算してもスルーされてしまうようなことが多い。重要な計算や提言が、同友会とか、経団連とか、そのようなところから出ているわけですけれども、それが目立たない。そういう中で、政府側からも何かレスポンスをして、例えばこれは良い試算だとか、何かそういうことを言うだけでも相当、権威づけになる。何かしら注目を集めるための一歩にはなるのかなと。

そういう意味で、最後に繰り返しですけれども、民間の力を巻き込んで、こういう財政の議論を盛り上げていくという工夫ができるといいなと思います。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 今、札を上げている方でおしまいにしたいと思います。

佐藤委員。

〔 佐藤委員 〕 では、手短に。

まず、先ほど大槻委員からお話があったアンケートの結果ですけれども、そんなにびっくりするような結論ではなくて、おそらく国民の多くは消費税を増税しても財政は健全化しないと思っているからだと思います。では、どこまでやったら健全化するのかという何か道筋を見せたほうがいいと思います。やはり国民からすると、消費税はどこまで上がるのか、歳出抑制と言うけれども、どこまでやるのかが分からないわけで、これ自体が不安ですよね。ならば、いっそすっきりと、20%までです、これで大丈夫ですとか、年金であればマクロスライドを完全に導入します、これで年金は大丈夫ですとか、大丈夫な姿を見せたほうがいいと思います。それが1つ目です。でないと、やはり人というのは、ある種リスクをとる方向、リスク愛好的というか、かける方向に、生活防衛に走ってしまいます。

2つ目、これからパブリックコメントをとるようですけれども、おそらくいろいろな珍論、反論が出てくると思いますが、例えばシムズ理論についていろいろとここでも議論しましたけれども、最近だとヘリコプターマネーとか、いろいろな議論があるわけで、ちゃんと反論集をつくったほうがいいと思います。

最後に、省庁横断的な分野で議論しようというのは非常に良いことだと思いますけれども、最近、自治体の仕事をしていて、一つのドライビングフォースになるなと思うのは人手不足です。人がいなければサービスは提供できません。となれば、変な言い方をすれば、実はこれが歳出に対する歯止めになってしまっているのです。人手不足を前提にどうやって財政運営をするかというところ、実はそこの出口が財政の健全化になるかもしれない。最後は意見です。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

藤谷委員、お願いします。

〔 藤谷委員 〕 ありがとうございます。

今の佐藤委員がおっしゃったこと、あと神田次長の御発言に絡めて皆様がおっしゃっていたことにもかかわりますけれども、私は、伝え方を工夫していくということについては、もちろん大賛成ですけれども、やはり、財政について語る言葉、専門家がかみ砕いて語る言葉の単なる分かりやすさだけではなくて、バージョンアップが必要だろうと感じております。それは、今の佐藤委員の御発言にもかかわりますけれども、結局、やはり我々が直面している財政の状況というのは、おそらく未知の領域といいますか、これだけ高齢化は進んでいるが、国民貯蓄はまだたくさんあって、しかし将来的にPB黒字化はなかなか難しいというような状況で、しかし足元、財政破綻も起こっていなければ、大丈夫ですよねと言われてしまうときに、これがどうして長期的には持たないシナリオなのかということを分かりやすく伝えるための言葉を開発する必要があるのではないか。

例えば、公債というのは将来世代への負担つけ回しだ、という言い方は分かりやすいですが、しかしミクロ経済学の公債論を読んでもそう単純なことは書いていないわけです。結局、ケース・バイ・ケースということで、我々の時代に合った人的、資本の形成のための公債発行はいいけれども、無駄な投資はいけませんとか、あるいは先ほどの民間貯蓄の問題にしても、それがどうして最終的には持続可能ではないのかという説明が必要であろうと思います。そのためには、例えば公債残高と民間貯蓄の関係をどう考えるかなど、ある種、財審で正面から扱ってこなかった変数を取り込んだ上で、でも、やはり現在の財政運営では無理だよねということを分かりやすく説明するための理由付けのバージョンアップというのは、あってもよいのではないかと感じております。

以上です。ありがとうございます。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

~子田委員、お願いします。

〔 ~子田委員 〕 少し皆様の考え方とは違うと思いますが、私は現状認識のところで違和感がありまして、財審が財政規律を保つ最後の砦なのかというところです。私は、結論から言うと、最後の砦というのは国民の常識というか、コンセンサスなのではないか。財審は、財政の在り方を議論して、正しいやり方を提示する。それを国民自らの問題として受け止めてもらって、こうあるべきだというコンセンサスを醸成していく。実際にコンセンサスの醸成に失敗してきたから、その結果として、先ほど神田次長がおっしゃったように負担はしたくないという国民になってしまって、財政の悪化に歯止めがかからないという結果を生んだのではないかと、こういう順番ではないかと考えております。

これから考えるべきは、やはり議論の仕方、プレゼンの仕方、答申の書き方も含めて、幅広い国民に到達させるにはどうしたらいいか。そして、発信の仕方、どうやって国民を巻き込んでいくか。よく財政の議論をするときに、例えば高齢者だったら孫、五、四十代だったら子供に負担を負わせていく、それでよいのかという議論がありますけれども、当の若者がどういうように考えるかということが非常に重要だと思います。

せんだって、ある経済団体で、我々メディアとかの企業の人とかと、ある大学の財政の専門の先生と学生たちで議論をしたことがありましたけれども、やはり学生たちが自ら考えて、自ら発信していくということに導いていくことを考えたらどうかと。ここでSNSを使ったというのは非常に新しいアイデアで、是非やってみましょうというところですけれども、やはり学生同士に発信するわざに長けているのは若い人たちかなと思いますので、大胆に言えば、例えばこの財審も学生に限って傍聴を許すとか、各大学の財政に興味のある学生たちを一回一回呼んできて、それをまた大学に持ち帰って議論をしてもらって発信してもらう。

あるいは、日本の財政はサステーナブルかどうかみたいなことを命題にディベート大会みたいなことをやってもらって、ある人はシムズ理論とか持ち出して可能だとか言ってくれるかもしれないし、ある人は、いや、それは不可能だと。そういった、自ら若い人たちが考えられるような環境をどうやってつくっていくか、それに向けて発信が大事かと思います。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

宮島委員、お願いします。

〔 宮島委員 〕 ありがとうございます。

普段から発信を担っていて、発信と受止めというのはすごく差があって難しいと思っています。特に、今の消費税の対策の需要平準化策は、需要平準化策であって期限があるということはここにいるメンバーは100%皆理解していると思いますけれども、これが伝わるとそうではない場合があって、消費税は上がっても景気は悪くなりません、皆お返しするので大丈夫ですと言われると、なるほど、これは景気対策で、消費税を上げても景気は悪くならないんだと受け止める人は世の中にいる。そして、しばらく時間が経って、この平準化策を剝ぐときに、だって、あれ、景気対策だったでしょうと思う人がいて、そこで負担増が明らかに出るので、負担増になって景気が悪くなるんだったら反対ですという人は、多分、出てきてしまうと思うのです。なので、たった今の段階で、ここのメンバーは分かっているけれども、必ずしも皆が理解しているかが不安な、これは需要平準化策としての対策であって、消費税アップの全てのマイナスの影響を払拭できるための景気対策ではないというところをちゃんと伝えておかないと、これは1年後か、2年後の大きな問題になってしまうと思いました。

同じように、伝えるのは本当に難しくて、私たちの会社は、数か月まで財政にものすごく理解のあるキャスターを背負っていて、しょっちゅう財政をどう伝えようかと議論していましたけれども、それでも今までできたのが限界でした。1つは、新しい局面がなかなかなくて、何回やっても状況が同じであることと、途中からいろいろな議論が出てきて、そもそもなぜ財政再建は要るのか、要らないのではないかと言う人まで出てきて、それに対するロジックを誰もきれいに示してこられなくなってしまったのです。だから、財政再建はやはり要らないのではないかと言う人に対してのきちんとした説明を、あらゆる反論を含めて、まずはきっちりこの会議で出すということは非常に重要だと思います。プロの人たちでもしっかり納得できるような形の説得。

次に、特に次世代に対してですけれども、ものすごくシンプルに、このままやってしまうと皆様の時代は大変ですよということを、本当に伝える必要があると思います。何人かがおっしゃいましたけれども、今、さすがに80歳の人にどんなに大変だと言っても、多分、正直なところ、自分は逃げ切れると思っているので、行動は変えないかもしれない。そう思いますけれども、本当にまさにどうなるか分からない20代、30代の人たちが、この状態をひっくり返す材料ができるような議論をちゃんとしていく必要があると思います。

国民との対話というのもありましたけれども、今までやったシンポジウムの中で、何人かが壇上に座ってやるとなると、日本人の特性として、そこになかなか質問はしづらく、誰か意見が出るころに時間が終わってしまうというようなシンポジウムが多かったと思うので、例えば委員の1人か、2人でいいと思います。あるいは、事務方1人か、2人でいいと思いますけれども、すごく小さくて話がしやすいような、小さな積み重ねをしていくとか、財務省や財審は国民の敵ではなく、皆と一緒に考えたいんですよというところを、きっちりと地べたからやっていくという必要もあると思います。

資料4にもありました意見交換は一つ良い方法だと思いますけれども、気になったのは、もしかして財政当局はいよいよアイデアがついに何もなくなって、皆のアイデアを募集しているのだと思われかねないかなと思ったので、もちろんしっかり皆様と意見交換をする、そして私たちも一生懸命考えるという点を、うまく説明していただければと思います。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

赤井委員、どうぞ。

〔 赤井委員 〕 簡単に1つだけ。

私、関西から来ておりますけれども、東京で議論をしていて、財務省とかの議論は遠い感覚があります。地域だと、市役所とか、区役所とかは、割と身近な存在ですけれども、できるだけそういうような存在に近づくように、何か遠くで、雲の上で議論しているというようなことではなくて、若い人は働いている人が多いと思いますけれども、やはり子供とか、女性とか、全国にまだ多いと思いますので、そういう人にも伝わるような意味での、もう少し距離感が近くなるような形、身近で、自分事に感じられるような仕組みとして、いろいろな地域に行ってしゃべるとか、ネット中継とか、SNSとか、そういう発信力を高めるのは良いことだと思います。

以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 ありがとうございました。

いろいろ意見いただきましたが、基本的に今後の運用について、こういう形で気をつけるようにという趣旨の御意見だったと理解をしております。それから、~子田委員、最後の砦について御意見ありましたが、国民が民主主義の中で最後はそこに帰着すると私も思いますけれども、その国民の多様化する意識の中に、最後にどうやって働きかけていくかという意味では、財審がそういう任務を引き受けるのがいいのではないかという意味での最後の砦という意味だと思っております。

それから、意見の募集についても、財政当局と国民の双方から考えるという趣旨が伝わるように、この後、また努力したいと思います。よろしくお願いいたします。

この委員の意見の整理(案)について、皆様方に御賛同いただいて、この会議後の記者会見のときに公開したいと考えております。よろしゅうございますか。よろしいですか。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。

最後になりましたけれども、榊原会長から会議を締めくくる御発言をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

〔 榊原分科会長 〕 委員の皆様におかれましては、財審の今後の在り方につきまして、大変貴重な、真摯な御意見をいただきまして、ありがとうございます。また、増田会長代理、及び起草委員の先生方におかれましては、その意見をしっかりと整理していただいて、本日発表できるということで感謝申し上げたいと思います。

この分科会ですけれども、現体制の任期は今年の3月末に到来いたします。4月以降も引き続き精力的に議論ができるように、今回の委員の意見の整理を、新体制へのいわば引継書のような形で活用していきたいと思っております。

本日、まとめていただいた意見の整理におきましては、財政健全化について国民の理解を求めていく必要性があると、今、御意見をいただきましたけれども、それも盛り込まれております。私からの一つの提案でございますけれども、平成という時代が区切りを迎えるこの機会に、そうした取組の一環として、国民の皆様から広く、幅広く平成の財政を振り返る意見募集を行ってはどうかと考えております。

この意見募集につきましては、お手元にお配りしています資料4に概要を書かせていただいておりますが、昨年11月の「平成31年度予算の編成等に関する建議」において、平成財政の総括を行いました。財政健全化を実現するためには、広く国民一人一人に財政の問題について当事者意識を持って捉えていただくということが極めて大事であろうと考えます。そのような趣旨から、平成から次の新たな時代に向かうこの機会、具体的には本日、2月4日からおよそ2か月間、4月5日までの間、国民の皆様から財政健全化に向けた御意見を伺いたいと考えております。集まった意見につきましては、意見募集の期間の関係もございますから、新体制において整理をしていただくことを想定しております。

本日、委員の皆様から御賛同いただけましたら、早速、本日から意見募集を行いたいと考えておりますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

〔 榊原分科会長 〕 よろしいでしょうか。ありがとうございます。

それでは早速、本日から、資料4に沿った形で意見募集を始めたいと思いますので、事務局で手続を進めていただきたいと思います。

また、本日の審議をもちまして、現体制での議論も一区切りということになります。これまで委員の皆様方、大変熱心に御議論いただきまして、改めて感謝申し上げたいと思います。今後、体制や運営の在り方の見直しを経まして、この審議会が平成の次の新しい時代に求められる役割を十分、しっかりと果たしていくということを期待したいと思います。委員の皆様の中には一部、交代される方もおられるかもしれません。皆様方には今後とも財政健全化の実現に向けてそれぞれの役割を果たしていただく、いろいろな立場で果たしていただくのは変わりないと思っております。私自身、引き続き先頭に立って取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうかよろしくお願い申し上げたいと思います。

私からは以上です。

〔 増田分科会長代理 〕 どうもありがとうございました。

以上で、本日の議題は終了いたしますが、会議の内容については会議後の記者会見で御紹介をさせていただきますので、個々の発言につきましては報道関係者等にお話をすることのないよう、御注意をいただきたいと思います。

それでは、本日はこれにて閉会をいたします。どうもありがとうございました。

午後4時10分閉会

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