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財政制度分科会(平成30年4月25日開催)議事録

財政制度等審議会 財政制度分科会
議事録

平成30年4月25日
財政制度等審議会


財政制度等審議会 財政制度分科会 議事次第

平成30年4月25日(水)14:00〜16:15
第3特別会議室(本庁舎4階 中-412)

1.開会

2.議題

地方財政

社会資本整備

農林水産

社会保障2

3.閉会

出席者

分科会長代理

田近栄治

今枝大臣政務官

長峯大臣政務官

岡本主計局長

茶谷次長

大鹿次長

神田次長

青木総務課長

中野司計課長

奥法規課長

若原給与共済課長

関口調査課長

江島主計官

安出主計官

湯下主計官

小宮主計官

高橋主計官

中島主計官

阿久澤主計官

岩佐主計官

竹田参事官

前田主計官

中山主計官

内野主計官

北尾主計企画官

藤ア主計企画官

遠藤典子

倉重篤郎

黒川行治

佐藤主光

武田洋子

竹中ナミ

土居丈朗

臨時委員

伊藤一郎

井堀利宏

宇南山   卓

老川祥一

大槻奈那

葛西敬之

小林 毅

進藤孝生

末澤豪謙

冨田俊基

~子田 章 博

 

 

 

 

 


午後2時00分開会

〔 田近分科会長代理 〕 定時になりましたので、始めたいと思います。

本日は、冒頭、カメラが入りますので、このままお待ちください。

(報道カメラ 入室)

〔 田近分科会長代理 〕 ただいまから、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。皆様には、御多用中のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。

本日は、お手元の資料にあるように、地方財政、社会資本整備、農林水産の3つに加えて、先日、既に予告されていました社会保障について、御議論いただく予定としております。

それでは、報道関係者の方は御退室いただきたいと思います。

(報道カメラ 退室)

〔 田近分科会長代理 〕 本日は、各論の議論の最終回になります。

議題が4つありまして、地方財政について、事務局の説明を15分、質疑を15分程度と考えております。その次に、社会資本整備と農林水産を一括りでやらせていただいて、事務局の説明が25分、質疑を30分程度と考えています。そして、最後のセッションとして、社会保障について議論させていただきたいと思います。

それでは、早速、議題に入らせていただきます。

まず初めに、地方財政について審議を行います。高橋主計官より簡潔に御説明をお願いいたしたいと思います。

〔 高橋主計官 〕 地方財政を担当しております主計官の高橋でございます。よろしくお願いいたします。

それでは、資料1に沿って御説明をさせていただきます。

2ページの目次で、資料の構成を御説明いたします。初めに、地方財政計画の概要等として基礎的な資料をつけておりますが、こちらの説明は省略させていただきます。

今後の課題と改革方針といたしまして、まずは一般財源総額実質同水準ルールについて御説明した後、その他各論として、こちらに掲げる6つの論点を順次御説明させていただきます。

それでは、早速、9ページを御覧ください。こちらもおなじみの資料ではございますが、現在の地方財政に関する財政規律である一般財源総額実質同水準ルールの内容をまとめた資料でございます。右側が骨太2015からの抜粋でございますが、一番下の赤いアンダーラインが引かれている箇所にありますとおり、一般財源の総額、左側の黄色い部分、地方交付税、地方特例交付金、地方税・地方譲与税、臨財債の総額につきまして、2018年度までにおいて、2015年度の地財計画と実質的に同水準を確保するというものでございます。これによりまして、例えば地方税収が増えることになれば、その分、交付税は少なくなりますし、逆に地方税収が減ると交付税は増えるということで、地方団体にとっては安定的な財政運営がしやすくなるというメリットがございます。他方で、一般財源総額の水準が同水準であれば歳出はどんどん増えていくことにはならないという意味で、財政規律として機能しているというわけでございます。

10ページに、一般財源総額の推移をお示ししております。平成23年度に、一般財源総額実質同水準ルールを設定いたしまして、以後、その水準は消費税率の引上げによる増収分等を上乗せした水準で維持されております。

11ページを御覧ください。地財計画における一般財源総額の内訳の推移を示しております。先程申し上げましたとおり、一般財源総額実質同水準ルールが地方の安定的な財政運営に寄与する中で、地方税収等が増加し、地方交付税及び臨財債が減少しているということがお分かりいただけるかと思います。

12ページを御覧ください。こちらは、昨年秋の財審でもお示しした資料でございますが、計画と決算が比較可能となるような方法で、私どもが行った試算でございます。具体的な試算方法は資料に記載のとおりでございますが、地方税収等の決算増収分の見合い歳出など計画上予定されていない歳入などを財源とした歳出を、決算から控除するといったことなどによりまして、比較可能な計画歳出と決算歳出を算出いたしますと、平成27年度におきましては計画が決算を0.6兆円上回るような結果になってございます。

13ページに、平成19年度まで遡った同様の試算結果を示しております。これを見ますと、継続的に1兆円前後、計画が決算を上回る結果となりました。毎年度、国において赤字国債を発行して一般財源総額を確保しているということを踏まえますと、各年度に必要となる財源保障の適正規模については、より一層の精査が必要ではないかと考えております。

14ページの下段に、折半対象財源不足額の推移を示しております。大変恐縮ですが、ここで一旦、地方交付税総額の算定につきまして図示をいたしております資料の5ページにお戻りいただきます。平成30年度の数字で申し上げますと、地財計画における歳出歳入ギャップが16.2兆円生じておりますけれども、これに対して、まずは国税の一定割合である交付税の法定率分等15.2兆円、更に地方法人税の税収全額などの交付税特会の財源が0.6兆円充当されまして、それでも不足する部分、折半対象財源不足0.3兆円について、国・地方が折半でそれぞれ特例公債、臨財債を発行して財源を確保するという仕組みになってございます。

再び14ページに戻っていただきまして、折半対象財源不足額は御覧のとおり年々縮小いたしておりまして、平成30年度の額は先程5ページにありましたとおり0.3兆円でございました。今後、地方税収や交付税の法定率分等が増加いたしますと、折半対象財源不足が解消され、財源余剰が生じる可能性が出てまいります。その場合、財源余剰分につきましては、地方のPB歳出の積み増しに費消するということではなく、国・地方のPB改善に着実につなげ、過去に累積した債務の縮減を図っていく必要があると考えております。その際、これまでの財源不足期には、地方だけではなくて国も法定率分を超えて特例加算、あるいは別枠加算といった形で負担をしてきた経緯がございますことや、国は地方以上に厳しい財政状況にあるといったことを踏まえますと、この財源余剰分は地方の債務縮減に充てるだけではなく、国の債務縮減にもつなげていくべきではないかと考えております。

15ページは、今まで申し上げたことのまとめになります。3つ目の丸に記載しておりますが、現在の一般財源総額実質同水準ルールは2018年度、平成30年度までのルールでございますけれども、このルールの今後の取り扱いにつきましては、1つ目、2つ目の丸に記載しておりますようなことを踏まえながら、検討を行っていくべきと考えてございます。

続きまして、その他各論として、論点を順に御説明させていただきます。

まずは、計画と決算におけるPDCAサイクルでございます。17ページですが、従来申し上げておりますとおり、地財計画について歳出決算との比較検証を行って、その結果を踏まえた歳出改革を行った上で、翌年度の地財計画を策定するといったPDCAサイクルを回していくことが必要と考えております。このため、計画と比較可能な形での決算データの公表を検討していく必要があると考えております。

続きまして、業務改革と見える化といたしまして、18ページからトップランナー方式に関する資料でございます。これまでの取組成果といたしまして、23業務が検討対象とされておりまして、平成29年度までに18業務について導入済みであります。平成30年度は、窓口業務の民間委託のための取組を強化して、その状況を踏まえ、平成31年度の導入を視野に入れて検討することとされております。

続いて、19ページです。トップランナー方式の課題といたしまして、平成28年度における対象経費の割合は、全基準財政需要額のうち3.5%程度という極めて低い割合に留まっているといった点がございます。

20ページを御覧ください。歳出の効率化のためには、トップランナー方式による取組に限らず、地方団体による自主的な改革を推し進めるということで、PDCAサイクルを回して地財計画などに適切に反映させる必要があると考えております。こうした考え方に基づきまして、原則、全ての行政分野を対象に地方歳出の見える化を進めながら、同規模の類似団体間の経費水準を比較して、これによって判明した先進・優良事例の横展開を促進することを通じまして、効率的な団体の歳出規模に合わせていくべきではないかと考えております。また、これらによって捻出される財源につきましては、その一部は地方団体の改革インセンティブを高めるような形、すなわち頑張った地方団体が報われるような形で配分しながら、残りは国・地方の財政健全化に貢献させるべきではないかと考えているところでございます。

21ページを御覧ください。こちらはやや技術的な話でございますけれども、見える化されたデータの一層の利活用ということで、現在、内閣府の「見える化」データベースといったものがございますけれども、現状では、総務省が発表しております類似団体比較の類型と同様の比較を行うための条件設定ができないといったような問題がございますので、こういったシステムの機能拡充も必要ではないかと考えております。

続いて、広域連携でございます。22ページを御覧ください。人口減少社会の中で、行政サービスを安定的、持続的に提供していくためには、広域連携を一層進めていく必要があると考えております。この点、平成21年の総務省の研究会による報告書におきましても、資料の左下に列挙されておりますような監査、会計管理・出納、情報公開といったものが、広域連携を進めることが可能である分野として例示されているところでございますが、現状を見てみますと、右下の表にありますように必ずしも広域連携が進んでいるとは言えない状況でございますので、こうした業務についてさらなる広域連携を促す仕組みを検討していくべきではないかと考えております。

続きまして、1ページ飛ばして24ページを御覧ください。公営企業改革でございます。地方公営企業は、経営に伴う収入、すなわち料金収入で経費を賄う独立採算性が原則となっております。しかしながら、総務省が定めております繰出基準を満たす一定の経費につきましては、地方公共団体の一般会計などが負担をすることとされておりまして、これを地財計画において公営企業繰出金として計上いたしております。この他にも、基準に基づかない基準外の繰出金が、収支の赤字補塡などのために公営企業会計に繰り入れられておりまして、その額は左下の表にありますように0.7兆円に上っております。広域連携、あるいはPPP/PFIなどによる事業の効率化といったことに加えまして、民営化、あるいは廃止できる事業については廃止するといった措置を含め、抜本的な改革を進めまして、赤字補塡など必要性が認められない基準外繰出金については廃止していくべきではないかと考えております。

25ページを御覧ください。こちらでは、公営企業のうち下水道についての論点をお示ししております。下水道財政につきましては、雨水公費・汚水私費の原則がございます。すなわち、雨水処理は繰出金を含む公費で、汚水処理は私費である使用料収入で賄うという原則でございますが、分流式の下水道の汚水資本費に対する公費負担、このページでいいますと右下の図の黄色い部分でございまして、分流式については合流式よりも水質保全効果が高いので、公的な便益がより大きい一方で、分流式の方がコストが高いということもございまして、人口密度に応じて一部を黄色い部分、公費負担としているものでございます。こういった原則とは異なる繰出が繰出基準において認められているということでございます。こうした繰出によりまして、人口密度の高い団体において、使用料が低いにも関わらず経費回収率が高いという状況が見られるところでございます。

下の経費回収率と使用料の関係をプロットした図で申し上げますと、このうち右下の象限になりますけれども、この象限に属する下水道事業につきましては、公費負担の必要性は低いということで繰出基準の見直しを行うべきではないかと考えております。また、左下の象限は、経費回収率が低いにも関わらず使用料も低い団体ということでございまして、こちらの象限に属する事業につきましては、使用料の適正化が図られるよう改革を行うべきではないかと考えております。

続きまして、地方の基金でございます。26ページに、地方の基金残高の推移をお示ししております。直近の平成28年度の残高は21.6兆円と過去最高となっております。

27ページ、28ページは不交付団体と交付団体に分けて残高の推移を示しておりますけれども、いずれについても増加傾向にあるということでございます。

続いて、29ページを御覧ください。地方全体を見ますと、基金残高が増加している一方で、臨時財政対策債の残高も増加しているところでございます。右下の図を御覧いただきますと、基金の増加率と臨時財政対策債の増加率をプロットしたものでございます。右上の象限に属する団体は、臨財債の残高を増やしながら基金残高も増加している団体でございますが、それが全体の約7割に上っております。健全な財政運営の観点からは、地方の債務残高の安定的な引下げを行っていくことが重要でございますので、例えば地方債の発行時期を工夫することによりまして、年度末、予算の執行状況を見ながら、一定の決算黒字が見込まれる場合は地方債の発行を取りやめることを検討することなどを通じて、地方団体が自主的な財政運営を行う中で財政の持続可能性を高めていくべきではないかと考えております。

最後に、地方法人課税の偏在是正でございます。30ページに、平成28年度における地域間での税収の格差を示しております。地方税全体で見ますと、人口1人当たり税収の格差は2.4倍、税目別に見ますと地方法人二税の格差が特に大きく、6.1倍となっております。

31ページに、地方法人課税の偏在是正に関するこれまでの対応といたしまして、下段に地方法人特別税、譲与税の創設と、法人事業税の復元、上段に法人住民税法人税割の交付税原資化に関する制度改正の内容をお示ししております。

32ページは、昨年末に決定されました平成30年度与党税制改正大綱からの抜粋でございます。一番下の3行のところに記載がございますように、地方法人課税の偏在是正のための新たな措置につきまして、平成31年度税制改正において結論を得るとされております。

33ページを御覧ください。地方税収等の推移をグラフでお示ししております。平成30年度地財計画において、その額は42.1兆円と見込まれておりまして、過去最高水準となっております。

続いて、34ページを御覧ください。東京都の地方税収等の推移と全国シェアを表すグラフでございます。地方税収等が過去最高水準に達する中で、東京都の税収も増加しておりますし、全国に占める税収のシェアも過去最高水準となっております。31ページで御説明いたしました、地方法人課税の偏在是正措置が講じてこられた平成20年度よりも前の平成19年度の水準と比べましても、税収、全国シェアとも同程度以上に回復していることがわかるかと思います。

35ページを御覧ください。平成24年度以降の都道府県の財政力の状況の推移を示しております。上段の青い折れ線グラフは東京都及び特別区を示しておりまして、上昇傾向を示しております。これに対しまして、下段の赤い折れ線グラフは財政力指数が平均値未満の団体を示しておりまして、横ばいとなっておりますので、東京都との財政力格差は拡大をしているということが分かります。

こうしたことを踏まえますと、32ページでお示しいたしました与党税制改正大綱に沿って、地方法人課税における新たな偏在是正策についてしっかりと検討を行い、平成31年度税制改正で実現が図られる必要があると考えております。

私からの説明は以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

それでは、ただいまの高橋主計官の御説明につきまして、御意見、御質問を承りたいと思います。いつものとおり、御意見ある方はネームプレートを立ててください。

では、佐藤委員。手短にお願いします。

〔 佐藤委員 〕 前回も申し上げたのですけれども、今、経済・財政一体改革推進会議においても地方からのボトムアップの改革ということで、特に地方自治体の改革に向けた自主的な取組を求めているということがあります。それに関連して、今回、重要なことは3点あって、1つはやはり広域化であります。一部事務組合や、広域連合など、規模の小さい自治体が、特に上下水道や公共交通、あるいは公共施設関係などは共同で運営していくという姿勢が必要になってきますので、やはりどこまで広域連携を進めていけるかということがポイントになると思います。ただ、少し留意するべきは広域連携のガバナンスでありまして、一部事務組合は気をつけないと勝手なことをやるので、ガバナンスの透明化を前提に進めていくということがあると思います。

もう一つは、コストの見える化であります。一般会計からの繰出金が多いということは、結局、上下水道の料金と上下水道の更新費用がリンクしていないのです。だから、結局、利用者があまりコスト意識を持たなくなる。これは、恐らく、前回の社会保障の話にも少しつながるのですけれども、やはり給付の水準と負担、ここでは料金ですが、これを適切にリンクさせることによってコストを見える化させて、利用者にコスト意識を持たせることが改革を進めていく上での原動力になるだろうということ。

それから、今、地方自治体で改革を進めていく上での最大の推進力は、実は人員不足、人がいないということ、また、残業時間が延びていますので、ある意味、働き方改革としての業務改革であり、業務改革を通じた行政改革ということになると思うので、やはり業務の効率化、具体的には窓口業務の包括委託、あるいはICTの活用、自動化、AIの利用等によって業務を減らして公務員の皆さんに早く帰っていただけるようにする。それは、一石三鳥になります。サービスもよくなるし、コストも抑えられるし、労働時間も減ることになりますので、業務改革というのは意外と現場レベルで改革を進めていく上でのドライビングフォースになるという気がします。

最後の1点です。一般財源の総額をコントロールするというのは、別にそれはそれで引き続きやるのは構わないと思いますが、多分、地財計画をつくる総務省側からすると一般財源は結果であって、彼らの頭の中にあるのは財源保障の方なのです。財源保障が必要だから、この程度の一般財源が必要だと。つまり、入るを量って出ずるを制するのではなくて、出ずるを見て入るを量っているというのがポイントだと思います。本来は、もし一般財源の総額を抑制するのであれば、あわせて国の財源保障の範囲、具体的には特に単独事業等は、やはり財源保障の範囲を精査していくことをあわせてやらないと、歳出と歳入の差異、一般財源と歳出、財源保障がうまくつながらないと思う。うまくつながらないと、先程から言っているようにPDCAが回らないことになりますので、やはり財源保障と一般財源のリンクは考慮されたほうがいいかと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、土居委員、武田委員、お願いします。

〔 土居委員 〕 ありがとうございます。

今、佐藤委員がおっしゃった最後の点にも関係するのですけれども、5ページの資料で、折半対象財源不足が小さくなっているということは、それはそれで税収が確保され、財政状況がよりよくなっているという意味ではいいのかもしれませんけれども、やはり歳出特別枠がなくなったということは高く評価しておりますけれども、問題は、昨年秋の建議でも指摘したところでありますけれども、一般行政経費などで枠計上経費がまだ残っていて、本当に財源保障すべきものなのかどうかということが明らかになっていない。明らかにせよと我々も言ったわけですけれども、まだ十分な説明がないという状況でありますから、そうした状況のもとで地方一般財源総額の実質確保というルールを維持することになりますと、税収が増えて、交付税法定率分の収入も増えるけれども、その丈に合わせて、歳出側で枠計上経費等、歳出特別枠めいたようなもので歳出の丈を増やしてしまって、結局は引き続き折半対象財源不足のようなものが残ってしまう。ないしは、主計官が御説明になった、財源超過になった場合には、地方の収支を改善することにはもちろん使ってもいいけれども、国の収支改善にも一部活用する、ということにすら、なかなかたどり着けないようなことになってしまいます。

そうした問題を避けるためには、やはり地方財政計画の歳出が真に財源保障すべきものなのかどうかということを、しっかりと徹底的に精査するべきであります。それがなければ、一般財源総額の実質確保というのはやはり歯止めとしては緩いと。私も、財審で何度もこのルールについての問題点を指摘させていただきましたけれども、税収が増えて、交付税財源が増えることに連動して歳出も増やしてしまっては、財政収支は改善しませんので、やはり地方財政計画の中での歳出、特に枠計上経費は昨年の建議同様、今回も改めていただく必要があると思います。

最後に、地方公共団体の基金に関してでありますけれども、これも昨年来、指摘をしているところであります。ただ、基金について指摘をすると、基金を剥がされる前に自分たちで取り崩して使ってしまおうという悪乗りが起こりかねません。ですから、基金を取り崩すには、プライマリーバランスを地方でも改善していくように基金を取り崩していただくという誘導といいましょうか、地方公共団体の財政健全化への協力を積極的に進めていただく必要があると思います。

以上です。

〔 武田委員 〕 御説明いただき、どうもありがとうございました。2点申し上げます。

1つ目は、やはり頑張った地方団体が報われるように、見える化と改革インセンティブをうまく組み合わせていくことが、結果的には改善に資するのではないかと思います。例えば、本日、広域連携の事例を数字で見せていただきましたけれども、これはあくまでも件数です。これをやはり成果という形で、連携することによるメリットがどの程度あって、削減できたか、こういったものを横展開していくという部分をしっかり見せていく必要があるのではないかと思います。

2点目、基金については、29ページの右のグラフでお示しいただいたとおり、基金増加率と臨時財政対策債の増加率の組み合わせで7割が右上というのは、やはり改善していく必要がある部分ではないかと思います。土居委員がおっしゃった点には十分留意していく必要があると思うのですけれども、この点、どういうように改善していくのか、情報開示をまずしっかり進めることではないかと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、主計官のほうで、佐藤委員と土居委員からあった、一般財源の総額をコントロールしても、要するに歳出を増やしてしまったら元も子もないではないかという点についてはどうですか。同時にそこを見ないといけない。

〔 高橋主計官 〕 すみません。初めにテクニカルな部分として申し上げますと、佐藤委員も土居委員もご承知の上でおっしゃっているかと思いますけれども、例えば地方税収、あるいは地方交付税の法定率分が伸びたとしても、臨財債の発行を落とすことによって一般財源の総額自体は別に伸びていかないことになりますので、歳出の丈は必ずしも伸びるとは限らないということでございます。

それはそれとして、両委員から御指摘がございました、個々の歳出について財源保障すべきかどうか、それが適正かどうかをきちんと見ていくということは、一般財源総額実質同水準ルールか否かに関わらず重要なことだと思いますので、特に枠計上経費については、今回、時間の関係もあり参考資料に落としておりますけれども、我々としてきっちり見ていくという姿勢が後退したわけでは決してございません。本日の両委員からの御指摘を踏まえて、きちんと歳出についても見ていくといった姿勢は続けていきたい、堅持していきたいと思っております。

〔 田近分科会長代理 〕 分かりました。

その他、御意見、御質問。よろしいですか。

〔 冨田委員 〕 では、すみません。

計画と決算との乖離について、地方財政計画全体の議論はここで何度も行い積み上げてきて、年平均すると1兆円程度計画のほうが大きいということが明らかになったわけですが、個別経費についての計画と決算との乖離をやはり明らかにしていく必要があるだろうと思うわけです。この計画と決算とを、マクロだけではなしに個別の経費ごとに見るということをどのように進めていくかについて、主計官のお考えをお聞きしたいというのが1点。

それから、トップランナー方式、やはりこれが基準財政需要の算定に使われる、自治体間で効率化する上で、互いに参照し合うという意味で非常に重要な意味を持っていると思うのですけれども、これが3.5%プラスアルファとか、そのようなレベルでしかないのはなぜなのか。地方公共団体における歳出効率化がどういった状況になっているか、我々としては全然見えないわけです。財政が苦しいというお話はよく聞くのだけれども、どうしてこのレベルで留まっているのかということについてお聞きしたい。

この2点、お願いいたします。

〔 田近分科会長代理 〕 では、お答えをお願いいたします。

〔 高橋主計官 〕 計画と決算の乖離につきまして、私どもから現時点で可能な試算としてお示しできるのは、今回の資料にお示ししております全体の乖離だけでございまして、現状、個別経費の乖離については、私ども公開されている情報をもとに試算することができないということでございます。現状、そのような制約があるということではございますけれども、一方で決算と計画の乖離について、計画と決算が比較可能となるように項目をそろえるべきではないかといったような指摘は、例えば昨日の経済財政諮問会議等でもなされているところでございます。それを受けて、総務省の方でもきちんと取組をしていただくことを期待しながら、それをもとに我々も可能な限り、個別経費について試算できるかどうか少し研究をさせていただきたいと思います。引き続きの課題とさせていただければと思っております。

それと、トップランナー方式につきまして、なぜ3.5%なのかということでございます。これは、直接のお答えになっていないかもしれませんけれども、トップランナー方式については、18ページに書いておりますとおり、あらかじめ検討対象を23業務に限定した上で、それについてできるかどうかといったようなアプローチで進めてきているものですから、それに対しては、私どもが20ページで指摘しておりますように、必ずしもトップランナー方式というやり方に固執するのではなくて、原則、全ての行政分野を対象に見える化を進めて、先進・優良事例を横展開することで、歳出規模を効率的な団体の規模に合わせていくべきといったような取組を進めていくことが必要ではないかと考えております。

〔 田近分科会長代理 〕 井堀委員、小林委員にご発言いただいて、このセッションは締めたいと思います。よろしくお願いします。

〔 井堀委員 〕 35ページの財政力格差の話ですけれども、このグラフを見れば、事後的には格差は拡大しているので、新たな偏在是正策が必要だということになるのですが、実際には偏在是正策をやり過ぎると伸びるところが伸びなくなってしまう。要するに、経済活性化にとってマイナスなので、あまり東京都をいじめ過ぎると、結果として日本全体がマイナスになることもありますので、そこも考える必要があるのではないかというコメントです。

〔 小林(毅)委員 〕 先程の冨田委員の話と少し関連すると思うのですが、PDCAを回すということ自体は当然いいのですけれども、17ページの表で見るとDとCの間にかなりのタイムラグがあるわけです。この資料には平成27年度の計画と決算が出ているのですけれども、平成28年度以降は決算ができていないということではなかろうかと想像いたします。だとしたら、タイムラグの解消は、一般会計も全部同じことが言えるのですけれども、もう前から言っているのですけれども、なかなか難しい。そういったことであれば、それはもう所与のものであると、タイムラグは解消できないということを前提として何か手を打つ必要があるのか。例えば、途中経過の段階である程度のものを見せて、それを予算に反映させていくとか、そうしたことをしていかなければいけない時期が来ているのではないかと思います。もし、何か手立てを考えておられるのであれば、ここで少し教えていただければありがたいですし、これからの検討課題ということであればコメントということで結構です。

〔 高橋主計官 〕 これからの検討課題ということで、コメントとして承らせていただきます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

それでは、先に進めさせていただきたいと思います。続いて、社会資本整備、農林水産についてです。まず社会資本整備について中山主計官からお願いします。

〔 中山主計官 〕 社会資本整備予算担当、中山でございます。それでは、資料2に沿いまして御説明したいと思います。

まず、1ページ、おめくりください。目次ですが、まず平成30年度予算等のポイントと当面の留意点、及び今後の社会資本整備に当たっての基本的考え方を整理させていただいた上で、今回、整備水準について総括いたしました。その上で、当面の改革工程における課題と対応につきまして、5点、御説明したいと思います。

3ページ、おめくりください。直近の予算の状況でございますが、平成29年度補正予算につきましては、赤の棒グラフにありますように、約1兆円の公共事業関係費を計上してございます。主な内訳は、右上にありますように、九州北部豪雨等を受けた災害復旧に2,907億円、今回、顕在化いたしました流木、土砂災害等を中心とした中小河川の緊急対策1,500億円を中心として、防災・減災事業に重点化した補正予算措置を講じております。

当初予算につきましては、目安を踏まえまして安定的に財源確保を図り、その中で生産性向上、防災・減災、老朽化対策に重点化を図っております。

具体的には、4ページにございますが、秋の財審の建議を踏まえまして生産性の向上、安全・安心の向上、これを2本柱として重点化を図ってきたところでございます。

その上で、公共事業関係費の水準につきまして、5ページでは平成に入ってからの30年間の公共事業関係費を整理してございます。左側が一般会計予算額の推移でございますが、ピーク時は平成10年度、補正後でいいますと14.9兆円でございました。近年の水準を見ますと、補正後ベースで7兆円前後の水準となっております。過去との比較で見ますと、薄い青色の部分が特会の一般財源化に伴う影響額でございまして、比較では、これを除いて考えますと6兆円強という水準です。例えば、小泉改革と言われました平成13年度から平成18年度を御覧いただきますと、平成18年度で8兆円弱という水準ですので、引き続き抑制している姿が見られるかと思います。

一方、国際比較いたしますと、右側でございますが、一般政府の総固定資本形成のベースで見ますと、先進国との比較で引き続き高い水準にあると考えてございます。

その上で、当面の留意点といたしまして3点整理してございます。1つ目は、6ページ、需給ギャップの解消ということで、需給ギャップ解消といいますか、過熱感が出ている状況にございまして、建設業の業況判断指数を見ますと、全産業を上回る形で、中小企業を含めて良好な状況が続いております。

こうした状況を受けまして、7ページでございますが、人手不足感もタイトになってきているという状況が確認できます。

また、8ページ、公共事業の投資効率の低下傾向ということで、左上の費用便益分析(B/C)の推移を示してございます。足元、重点化を受けまして、低下傾向には若干歯止めがかかってきた状況かと思いますが、10年で見ると低下傾向が続いております。また、B/Cの課題につきましては後ほど述べたいと思います。

こうした状況を受けまして、考え方として9ページに整理いたしました。全体の水準といたしましては、欧米諸国との比較で見ると、引き続き高い水準にある中で、日本の社会資本は概成しつつあると考えております。この社会資本整備の水準につきましては、第2章で詳しく御説明したいと思います。

こうした状況を受けまして、昨年の財審でも量から質へとの方針をいただいているところでございます。質に関しては、3つ目の丸にございますように、エビデンスに基づく事業評価の厳格化、ソフト対策、民間活用、新技術の活用等が重要な課題だと考えてございます。

一方、量に関しては、現在の経済状況を見ますと、総需要追加のための公共事業の必要性は乏しい状況にあると考えてございます。また、将来の増高が懸念されている老朽化対策につきましては、予防保全による計画的、効率的なインフラの長寿命化を図っていくことで、維持管理、更新コストの増高を抑制していくべきだと考えてございます。

これら下線部の課題につきましては、第3章で述べさせていただきたいと思います。

続きまして、10ページから整備水準でございます。

11ページ、御覧ください。これは去年も一度御説明しましたが、1965年、東京オリンピックの翌年と比較いたしますと、飛躍的に整備水準は向上し、社会インフラは概成しつつある状況にあると考えております。今回、それを分野別に見てまいります。

12ページは高速道路でございます。高規格幹線道路につきましては、右側にあります昭和62年のいわゆる四全総におきまして、全国1万4,000キロメートルの整備計画が策定されたところでございますが、現時点で、事業中の区間を含めまして約94%の進捗となっております。今後は、将来の人口や交通量の減少を踏まえ、既存ストックを最大限活用しつつ、真に必要なミッシングリンクの効率的整備を進めることが重要と考えておりますし、あわせて維持管理コストの利用者負担の観点から料金政策を一層活用していくべきだと考えてございます。

13ページは整備新幹線でございます。現在、地図上の赤で示されている3区間について整備中でございます。整備新幹線につきましては、昨年春の財審で、左側に記載されています、いわゆる政府・与党の着工5条件に加えて、3点、新規投資に当たっての費用便益分析の徹底、民間資金の最大限の活用、既存ストックを最大限活用した最適な交通ネットワークの構築という視点をいただきまして、これに沿った対応を進めていくべきだと考えてございます。

今回、特に九州新幹線について動きがございますので、ご報告したいと思います。14ページを御覧ください。14ページ、右側の地図で御覧いただきますと、現在、長崎ルートの武雄温泉−長崎の区間については、赤の太線で示されているルートにおいてフル規格で整備が進められております。

その根元にあります新鳥栖−武雄温泉間につきましては、既存の在来線を活用してフリーゲージでの運行を想定してございました。しかしながら、フリーゲージについては、これまで500億円の開発費用をかけて研究してまいりましたけれども、開発に遅れが生じております。加えまして、左側の表にありますように、山陽新幹線乗り入れが困難という状況に至っております。これを踏まえまして、今現在、選択肢3つで検討が与党で行われているところでございます。

ポイントだけ申し上げますと、いわゆるフル規格での整備につきましては、在来線に並行して新しくフル規格でもう1本つくることになりますので、追加費用が5,300億円という状況にございます。一方、在来線を活用したもう1つの方法として、ミニ新幹線での整備という選択肢につきましては、追加費用500億円という形が示されておるところでございます。

これらの検討に当たっては、昨年の財審の指摘を受けて、以下の3点の精査が必要だと考えてございます。1つ目は、新規投資に当たってのB/Cの徹底ということでございます。14ページの一番下に注がございます。現在、精査している中で、長崎−武雄温泉間の工事におきまして、費用の増高、上振れが生じているという状況でございます。こうした状況を重く受けとめ、厳正に費用便益を精査する必要があろうかと考えてございます。

2つ目は、民間資金の最大限の活用ということで、貸付料収入を最大限確保することで国・地方の負担を最小化していくことが重要だと考えてございます。

3つ目、既存ストックの活用ということで、山陽新幹線の乗り入れを考慮するのであれば、既存の鉄道インフラの活用によるコスト縮減を徹底する必要があるのではないかと考えてございます。

続きましては空港でございます。空港につきましては、かつて1県1空港と言われてまいりましたが、現状で供用されている空港は97ございます。既に概成した状況でございまして、コンセッション等を通じて既存ストックの最大限の活用を図っていくフェーズに入っているものと考えております。

16ページは港湾です。水深14メートル以深の岸壁で見ますと、現在、77カ所まで増えておりますし、近年の船舶の大型化に対応した水深18メートル以深の岸壁につきましても、官民で整備を重点的にしているところでございます。今後も、インバウンドを含め、国際競争力強化のために重点的な投資が重要と考えてございます。

17ページはダムでございます。治水ダムにつきましては、現状、558カ所、その他の発電ダムを含めた利水ダムについては892カ所で、全国で1,450を超えている状況です。ダムにつきましては、良好なダムサイト、ダムがつくれる場所は有限でございます。また、適切な維持管理を行えば半永久的に利用可能という状況でございますので、こちらについても既存ダムを最大限活用していくフェーズにあると考えてございます。

最後、生活関連社会資本でございます。その中で、まず住居の安定確保の観点から公営住宅等の整備を進めてまいりましたが、状況としては空き家対策に重点を移していくべきと考えてございます。水道については既に概成しておりますし、汚水処理施設につきましても普及率は90%を超え、今後10年で概成の見通しとなってございます。未普及の解消に当たっては、浄化槽をはじめ、最も効率的かつ持続可能な手法で整備すべきだと考えておりますし、整備されたインフラにつきましては広域化等により運営の効率化を徹底していく必要があろうかと考えてございます。

その上で、次の章で改革工程における課題を5点、整理いたしました。

1点目は、エビデンスに基づく事業評価の厳格化でございます。公共事業につきましては、平成10年度以降、費用便益分析を含めた事業評価を体系的に行っております。20年たっておりますので、これまでの実績等を検証し、いわゆるEBPMの観点から事業評価の客観的な把握を推進していく必要があると考えてございます。

この点で、1つ具体例で検証を行いました。21ページでございます。先程御説明した、現在整備中の新幹線3区間でございます。3区間とも平成24年度に着工いたしまして、5年たちましたので、昨年度、事業評価の体系に基づきまして事業の再評価を行いました。

表を御覧いただきますと、同じ時期に同じ構造物をつくっているわけですが、北海道新幹線については総事業費の見通しに変更なし。北陸新幹線については、プラス200億円、2%程度の費用増高。九州新幹線については、実は先程のフリーゲージトレーンの不確定要素がありましたので、今回、事業評価の体系の中で評価手続を見送っておりましたが、足元の精査の中で、先程も御説明しましたが、右側にありますように事業費が24%、1,200億円ほど増高していることが判明しております。

これらを並べてみますと、事業評価のプロセスが十分に機能せず、適切なコスト管理が行われていない状況が認められるのではないかと考えてございます。こうした状況を重く受けとめ、全ての公共事業分野において事業評価の実効性を高めるとともに、適切なコスト管理を徹底していく必要があると考えております。また、新幹線につきましては、独法による施行を前提としておりますけれども、整備主体等につきましても、PFI等の最近の事例を参考にしながら、最適な選択を行える環境を整えるべきではないかと考えております。

具体的には、右下に幾つか例を挙げておりますが、高速道路については民営化してコスト縮減を図っております。空港については、先程ありましたが、コンセッションを図っております。

また、比較は難しい面はありますが、韓国の事例を22ページに整理しました。平昌オリンピックにあわせましてKTXの新線整備が行われました。赤で示されている区間ですが、120キロメートル、総事業費3,760億円でして、単純にキロ当たりの整備費を見ると約31億円、工事期間は約5年半となってございます。これを日本の足元の整備新幹線の事業費、工期と比べますと、大体80億円から100億円かかっている状況で、工期も10年超となってございます。単純比較はできませんが、インフラビジネスの海外展開を推進する観点からも抜本的なコスト縮減が重要だと考えてございます。

次に、23ページ、こちらも新幹線関係でございますが、北海道新幹線の事例を挙げさせていただきました。現在、JR北海道におきまして、単独では維持困難な線区について地方との協議が進められているところでございます。右側の地図の下にございますが、今、協議が進められている区間の営業損失を合計しますと158億円でございます。一方、左側、整備新幹線ですが、開業時点での想定は新幹線による営業がマイナス47億円、同時に並行在来線の整理を行いますので、その効果がプラス49億円で、新幹線効果は全体としてトータル、プラス1億円の想定でございました。しかし、足元、利用者は減っている状況でして、新幹線の平成30年度の計画はマイナス102億円と悪化している状況にございまして、本文にもありますように、JR北海道の経営状況を一層悪化させ、地域交通網の維持に影響を及ぼすおそれが出てきている状況でございまして、客観的な見通し策定を制度的に担保し、こういったことのないようにしていく必要があろうかと考えてございます。

24ページは、コンパクト・プラス・ネットワークでございます。これまでも財審で御指摘いただいて、反映させていただいているところでございますが、いわゆるエビデンスで見ますと、今回、富山市の事例を挙げさせていただきました。富山市は、まちづくりにあわせてLRT、バスをはじめとした公共交通機関の再編を同時に行って、高い効果を上げているところでございます。一方、足元の状況を見ますと、立地適正化計画をつくった116団体の中、バス等の再編を実施している団体は4団体に限られておりまして、富山の例等を踏まえますと、これらを一体として進めるべきと考えてございます。

25ページは、2つ目の課題で、ソフト対策の最大限の活用でございます。まず、道路について挙げておりますが、一般道について、実勢速度との乖離が大きい路線の規制速度の引上げを行っております。また、高速道路におきましても、設計速度が120キロメートル以上の新東名の一部区間について、規制速度110キロメートルへの引上げも試行しているところでございます。暫定2車線区間については、これまでポールを立てていましたが、安全対策上、ワイヤロープに切りかえることで安全性向上を図っております。また、先進安全自動車技術の進展もございますので、安全確保を前提に規制速度の引上げについても検討すべきではないかと考えてございます。また、新東名をはじめとしたハイスペックなインフラについて、既存のインフラを最大限活かした機能強化を検討すべきではないかと考えてございます。

26ページはダムでございます。先程申し上げましたとおり、ハード対策には限りがある状況でございます。その中で、例えば右側にございます河川法第52条に、利水ダムにつきましても洪水調節のための指示ができる規定がございます。ただ、発動実績はゼロ件ということでございます。また、平時においても、電力会社との治水協力をやっている例がございます。こういったものをしっかり横展開して、利水ダムを含めたストックの最大限の活用を図るべきだと考えてございます。

27ページは、TEC-FORCEを挙げさせていただきました。国土交通省の地方整備局におきまして、緊急災害対策派遣隊を創設して、地方の大規模災害に対して派遣体制をとっております。この10年で非常に高い成果を上げているところでございまして、平時から地方団体との連携強化を図るとともに、TEC-FORCEの体制機能の強化を図っていくべきではないかと考えてございます。

3つ目の論点は民間活用でございます。空港コンセッションの箇所を挙げておりますが、足元でいいますと、本日、静岡空港について午前中に入札結果が公表されました。地方管理空港で、年間約5億円の赤字空港でございますし、更新投資について国庫補助を行っておりました。入札結果におきましては、将来の国庫補助ゼロという提案をいただいております。加えて、運営権対価10億円の提案で落札されているという状況にございます。こうした好事例をしっかり横展開し、まだ未着手の空港が地方空港を含めございますので、しっかり横展開していくべきと考えてございます。

29ページは上下水道でございます。こちらについても地方財政分野と連携して進めていきたいと考えておりますが、広域化が重要と考えておりまして、そのための前提として公営企業会計の適用が重要だと考えております。上水道については当然適用となっておりますが、下水道については任意適用で、小規模団体での適用が進んでおりませんので、その促進を図っていくべきと考えてございます。

4点目は新技術の活用でございます。左側、御覧いただきますと、平成29年度補正予算で中小河川対策を行いました。その中で、水位計の設置を進めてございます。従来ですと、写真にありますように小屋をつくっておりました。これですと1,000万円から1,500万円かかっていたのですが、今回、IoT、いわゆるセンサーを活用いたしまして、下にありますようなメンテナンスフリーの機械を設置することで、国・地方を合わせて約1万カ所に予算措置を行いました。結果、今は足元、単価は20万円まで下がっている状況でございまして、やはりこういった新技術の活用を大幅なコスト縮減につなげていくべきと考えてございます。

31ページはメンテナンス分野でございます。こういった新技術の活用を進めていく優良分野だと考えられておりますが、しっかり地方にも先進事例を横展開し、長期的にコスト縮減につなげていくべきと考えてございます。

最後、5点目は長寿命化でございます。右側のグラフを御覧いただきますと、これは経済財政諮問会議で示されたグラフでございますが、単純事後更新を行っておりますと、今後40年間で更新費用が1.75倍になるという試算でございます。足元の長寿命化の取組を展開いたしますと、平均で1.2倍です。これは幅がございまして、いわゆるトップランナーでいきますと、ほぼ横ばいで対応可能という姿が見通せる状況にございまして、こういった取組を進めていくべきと考えてございます。

33ページに御説明してありますが、個別分野でも見通しの策定が進んでございます。直轄道路でいきますと、当面、予防保全のコストはかかりますが、その後、横ばいで推移する姿を示しているところでございまして、河川、港湾、更には地方にしっかり横展開していくべきと考えてございます。

説明は以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

続いて、農林水産について、前田主計官よりお願いします。

〔 前田主計官 〕 よろしくお願いいたします。

まず、1ページの目次を御覧ください。農林水産予算につきましては、本日は中期的な課題として米政策に絞って御説明をしたいと思っております。

2ページを御覧ください。今年度、平成30年度予算でございます。平成30年度から、国による米の生産数量目標の配分、いわゆる減反が廃止されます。これを踏まえまして、平成30年度予算におきましては、生産調整のインセンティブ措置であった米の直接支払交付金714億円を廃止し、転作作物に対する助成措置である水田活用の直接支払交付金を154億円増額としたところでございます。また、秋の財審の建議を踏まえまして、林業の成長産業化総合対策に235億円を新たに措置、それから農地中間管理機構(農地バンク)につきまして、単なる集積の場合の単価を引き下げるなど43億円の減額を行ったところでございます。

3ページを御覧ください。これは、秋の財審でも御紹介いたしました農業生産構造の現状でございます。左の円グラフにございますように、農業の総産出額は約9兆円、畜産、野菜、果樹で7割ということになっておりまして、右上、オレンジ色で示された米は2割弱となっております。他方、右側の棒グラフでは、同じ色で示しておりますが、従事する農家数は全体の6割を超えている。その下、同じ色で囲んだもので、稲作を中心とした土地利用型農業について、直接的な補助金だけで6,000億円を超える金額を措置していることになっております。畜産、野菜に比べてかなり多額になっていますので、やはり今回取り上げる米政策というのは農業予算の中心的な課題であろうと考えております。

続いて、4ページを御覧ください。戦中・戦後の食糧管理制度、それから米の増産政策の結果ですけれども、米の生産が過剰となって、左側ですけれども、昭和46年から国が米の作付面積を削減する、いわゆる減反を始めております。この減反と同時に、水田において転作作物をつくった場合、米を作付けした場合と同じ所得を農家に補償するという趣旨で転作奨励金も始まっております。その後、食糧管理制度、流通のほうの見直しが先行しまして、もろもろありましたけれども、ほぼ50年ぶりに、今年から国による生産調整が廃止となります。

ただ、右側に赤枠囲みをしておりますけれども、生産調整は廃止されるわけですが、転作奨励金は引き続き存続しておりまして、今ほど御説明したとおり、平成30年度予算でも増額となっております。したがいまして、今後は転作奨励金の内容を見直していく、予算の質を高めていく議論を行うことが必要ではないかと考えております。

5ページを御覧ください。グラフの青い折れ線ですけれども、これは食用米の需要量です。毎年8万トンずつ減少してきています。この需要の減少に生産調整のほうが追いついておりませんものですから、オレンジの折れ線、これは米価ですけれども、基本は右肩下がりです。ただし、自然災害、平成15年の冷害ですとか、平成23年の東日本大震災というものがあった場合に限って、米価が上がるということがこれまでの例だったわけですけれども、グラフの右端、赤の丸で囲んでおりますけれども、最近はそういう特段の大きな自然災害がない中で、米価は3年で3割高騰しているという状況にございます。

この原因につきましては、6ページを御覧ください。左上のグラフ、少し小さくて恐縮ですけれども、上の薄い青色の棒が米の生産量、濃い青色が需要量となっていまして、今、申し上げたとおり、基本的には需要量の減少に生産調整が追いつかずに、恒常的に供給過剰となっているという構造だったわけですけれども、平成26年産からオレンジ色の飼料用米、餌用の米の生産が増えまして、平成27年産からは供給が需要を下回る、すなわち、その年に我々が食べているだけの米を生産できていない、赤い矢印で書いた需給ギャップが生じているという状況でございます。

下の帯グラフは水田の利用状況でございますけれども、既に4割程度転作が行われていますが、中でも飼料用米、WCS用稲の作付が急激に伸びているということがお分かりいただけるかと思います。このように、主食用米から飼料用米への過度のシフトの結果として、3年連続で米価が上がってきたのではないかと考えております。

7ページを御覧ください。左上のグラフで黒い線、これは今、御説明いたしました米全体の価格、3年間で3割値上がりです。その下の青い線は、いわゆる業務用米と申しまして、お弁当屋さんや中食、外食ユーザーに供給されておりまして、通常であれば2割程度価格が安い米なのですけれども、この3年間で価格が上がったものですから、主食用米との価格差はほぼなくなっているという状況にあります。結果、右側に報道を引用させていただいておりますが、パックご飯であるとか、牛丼の価格が上がっている、あるいは価格は据え置いていますが中身が減っている、といったような消費者の負担増が発生している。

また、左下のグラフは輸入米の応札状況ですけれども、業務用米の値段が上がったことから、平成29年度は限度いっぱいの10万トンが応札されております。転作奨励金というのは、本来、食料自給率の向上が目的だったわけですけれども、飼料用に国産米、主食用に輸入米という現状は、その目的に必ずしも合っていないということが言えるのではないかと思っております。

これは、必ずしも消費者だけの問題ではなくて、右下、業界のほうにもヒアリングをさせていただきましたけれども、米の価格が上がりますと需要が減りますので、中期的には生産者にもマイナスの影響が出るだろうと思われます。需要量が年間8万トンずつ減少していると御説明をいたしましたけれども、平成29年産に限れば20万トン程度減るのではないかという予想もございます。

このような主食用米から飼料用米への過度な生産シフトは、補助金の影響もあるだろうと思っております。8ページを御覧ください。左のグラフにありますように、主食米をつくっていれば10アール(1反)当たり10万円の売上があり、経費を引くと3万円の所得となります。真ん中2つありますけれども、小麦でありますとか、餌米であっても、基本は生産調整を進めるためですので、主食用米と同じ所得になるように補助金の単価は設定しております。ただ、右端ですけれども、この補助金が米の生産調整を担保するという実態はさておき、建前として餌の国産化を進めるということが目的になっているものですから、多収品種に高い単価、11万7,000円を交付しております。そうすると、主食用米を作るよりも所得が高くなるという逆転現象が起きております。

9ページを御覧ください。今ほど1反当たりの単価で御説明いたしましたけれども、実際の経営体で見てみますと、モデル1については、10ヘクタールの規模で仮に主食用米を生産しておられる場合、1,000万円程度の売上があって、経費を引くと340万円程度の所得となり、大体、専業で経営できる規模だろうと思っております。

さはさりながら、10ヘクタール全部で米をつくるという状況にはありませんので、モデル2のとおり、半分麦に転作すると所得はモデル1と大体同じとなります。

問題はモデル3でして、全部餌をつくるということで多収の餌米をつくった場合、売上は90万円でほとんどないに等しいわけですけれども、1,200万円の補助金を交付して、所得も430万円と主食用米をつくるよりも多額になっている。結果として、例えば野菜をつくりたいというような意欲的な農家さんでも、ハウスなどの初期投資もありますし、市場価格の上下があるものですから、補助金、単価が固定されているという意味でリスクも非常に少なくて、どうしても餌米のほうにシフトするという誘因になっている。しかしながら、せっかく米の生産調整を廃止したことは、市場が求めるものを自ら経営判断してつくるということが最大の目的だったわけで、なかなかそれと合致していない状況が、現状、起きているのではないかと思っております。

10ページを御覧ください。これももう毎回御説明しておるところですけれども、農業の生産基盤というのは大変弱体化しておりまして、左上、就業者は減り、左下、高齢化も非常に進んでいる。結果として、右上ですけれども、本来、需要が非常にある野菜ですとか、果樹の生産も縮小しているという状況でございます。そういう意味では、飼料用米の助成というのは、米の生産調整の担保という点では大変効果が大きかったことは認めるわけですけれども、一方的に飼料用米に生産がシフトしていくということは、農業の生産基盤の弱体化を進めているのではないかという懸念が生じております。

11ページを御覧ください。それではどうするかということで、今回、春の財審ですので、具体的な補助金の制度設計というよりは農政の大きな方向性ということで、4点、挙げさせていただきました。以下、12ページ以下で御説明をいたします。

12ページを御覧ください。左のグラフを御覧いただきますと明らかでけれども、先程御紹介した主食用米だと1反当たり3万円程度の所得ですけれども、野菜をつくれば4倍以上の所得は当然あるわけでございます。そういう意味で、今、言われております農業の成長産業化ということであれば、都市などの消費地に近い地域では、当然、需要もあって、高収益である野菜などへの転換を進めるべきではないかと考えております。ただ、下に書かせていただきましたけれども、労働時間も米の4倍程度かかりますので、なかなか労働時間が確保できないような場合は麦を作るという選択肢もあるかと考えております。右側にございますように、国産の麦の品種改良は大変進んでおりまして、近年3年では国産麦の需要は、オレンジ色の部分ですけれども、供給を上回る状況もございまして、麦を作るということも選択肢としてはあり得るだろうと思っております。

13ページでございます。ここは御参考ですけれども、野菜や麦など、本来、畑作のものを作るのであれば、やはり水田そのものを汎用化していく、畑地化していくということは不可欠であろうと思っております。近年、土地改良事業の予算を増額をしておりますけれども、このような水田の汎用化、畑地化を一層進めていくべきであろうと考えております。

14ページを御覧ください。そうはいっても、気候の条件ですとか、土壌の条件で、やはり米を作る、米を作らざるを得ない地域があるのも事実でして、その場合、どうするかということですけれども、左のグラフにありますように、従来、大規模化によって米の生産コストの削減を図ってきたわけですが、10ヘクタールを超えるとなかなか限界があり、60キログラム1万円を切ることが難しいという現状にございます。したがって、これ以上コストを下げようと思うと、単位面積当たりの収量を上げることが一番考えられる方策ですけれども、従来は生産調整しておりましたので、品種改良や栽培技術の改良については、基本的には味をよくして価格を上げることを目的として、極めて限られた形で進んでいました。そうした中、飼料用米の一つのメリットとして、初めて多収化による低コスト化の取組が進んだということがございまして、これを需要のある業務用米ですとか、加工用米、更には輸出用米にもつなげていくことが可能になるのではないかと考えております。

15ページ、御覧ください。先程申し上げたように、飼料用米というのは幾つかの複数の政策目的が絡み合っているのですけれども、本当に国産の餌を増やそうということであれば、左側のグラフにございますとおり、生産コストや労働時間の面ですぐれるトウモロコシへの転換のほうがよいのではないかと思われます。また、右に取組事例を御紹介いたしましたけれども、本来であれば飼料作物の生産への支援というのは、米農家よりも畜産農家への支援として、畜産物の売上を視野に入れて行い、畜産も含めて全体として収益を確保するようにしていくべきではないかということを考えております。

最後、16ページでございます。今まで3つほど選択肢を御紹介させていただきましたけれども、4番目は適地適作ということでございます。左の日本地図にございますように、転作作物というのは、気象条件、土壌条件、あるいは畜産地帯であるかどうかによってさまざまになっています。他方、本来であれば、東京に近くて、気象条件からも野菜の栽培などが可能であると考えられる関東近郊の県で、飼料用米の栽培を行っているという若干不自然な実態も見受けられております。

この現状は、いわゆる補助単価が生産調整を目的として設定されていたものですから、全国一律の単価であったことも一因であろうと思われます。しかし、本来であれば、各地域に適した作物を生産するためには都道府県において単価を設定するという、現在でも一部ある独自の支援をしていく必要があるだろうと考えております。先程農地バンクについて御説明させていただきましたけれども、都道府県が様々な形で農業政策に関与する手段を拡大しておりまして、そういった意味では今後は都道府県が主体となって産地づくりを進めていくことが望ましいのではないかと考えております。

いずれにいたしましても、米の場合は、やはり今後の需給、価格の動向を見ながらということになろうかと思っておりますので、補助体系を具体的にどのように見直していくのか、今後、議論を重ねていきたいと思っております。

以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

それでは、お二人の社会資本整備と農林水産について、御意見、御質問ありましたら、お願いします。

では、早速、老川委員、伊藤委員、冨田委員、お願いいたします。

〔 老川委員 〕 ありがとうございます。

社会資本整備について一言コメントしたいと思います。御説明にありましたように、社会資本はほぼ概成段階にあって、今後は量の拡大よりも質の充実という考え方で、特にその中で防災・減災に力を入れていこうというのは私も全く同感で、そのような方向でぜひ進めていただきたいと思います。

最近、豪雨、豪雪等の自然災害が非常に目立ち、大きな被害をもたらしている。確かに、これは異常気象といいますか、環境の変化によって、かつて経験したことのない豪雨、豪雪になっているということで、それだけだと何となく仕方がないとしか言えないのですけれども、よくよく見ると、その災害も、例えば流木によって被害が拡大しているとかいうことがよく指摘されているわけです。そうなると、やはり日ごろからの山林の手入れ、保全、そのようなことが必要になってくるでしょう。それから、また、ダムのある地域はあまり被害が出ていないというようなことも伺っております。そうしたことを考えると、先程ダムの利用ということがありましたけれども、その辺りに、もう少し着目して、もう少し効果的に、被害をより少なくしていくことが必要ではないかと思います。

それから、災害に遭った方々の避難所、避難生活、最近、災害関連死というものが非常に増えていて、一時的に1日、2日ならともかく、これが長引いてくると、ストレス等で健康を害して、結局、亡くなってしまうということで、人命の損失は非常に重大だと思います。そういう訳で、避難所、あるいは仮設住宅のつくり方も、色々と工夫していく必要があるのではないかというようなことも言われています。避難所などの対策は地方自治体の一義的な責任なのだろうと思うのですが、国としてもソフト面について視野に入れて、色々と対策を練っていっていただきたいと思います。

それから、本日の新聞を見ていましても、防災の観点から、ここに土砂崩れが起きないように色々手当てをしたい、ところが所有者がわからないと。相続しないまま相続人がいなくなってしまっている、あるいは、その土地の所有者であった法人が解散してしまっていて、誰が所有者かわからない。そのようなことで手がつけられないということが現実に起きているらしい。その辺りの、立法措置が必要になってくると思うのですけれども、自治体が必要なところに必要な措置を講ずることも必要になってくるかと思います。先程の御説明にもありましたけれども、ハードだけではなくてソフトも重視していこうというようなことが指摘されていましたので、そのような中で、やはり全体的な、総合的な観点からより進めていただければありがたいと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 伊藤委員、お願いします。

〔 伊藤委員 〕 御説明ありがとうございました。

量から質へという話がありましたけれども、社会資本整備について、限られた予算の中で必要なインフラ整備を進めていくということになりますと、ストック効果の高いインフラ整備を重点的に進めるということが1点。2点目はいかに効率的に予算を生かして使っていくかという観点、この2つがあると思うのですけれども、先程の説明で言うと30ページの水位計の事例です。コストが100分の1になったというお話がございましたけれども、これは有効に、効率的に使うという意味で非常に特筆すべき事例だろうと思います。

このケースは、国側から具体的に性能コスト等の要求水準を明示して、官主導によるオープンイノベーションで、新技術の開発をしたということがポイントだと思いますが、自治体では、国の基準が示されていない新技術にはリスクがあると考えて、導入に消極的というお話も聞きます。そういう意味で言うと、今回のように国が新技術の基準を自治体や民間に明示することで、民間における新技術の開発競争を促し、インフラが新技術分野におけるビジネスチャンスを生むということにつながるわけですから、大変いい話だったのではないかと思います。

こうした取組は、加速するインフラの老朽化や、自治体の技術職員の不足という問題等、全体として人手不足が深刻な建設産業の働き方改革という様々な課題を克服することにもなりますし、国民の安全、安心と生産性向上を支えるインフラを良好な資産として次世代に引き継ぐことにもつながりますので、こうした点は大いに評価してやっていただきたい。4月12日でしたか、未来投資会議で総理から各省に対して指示があったと聞いていますけれども、点の取組で終わらせることなく、全てのインフラ分野に横展開、現場実装を加速させて、効率的なインフラ整備を進めていただければありがたいと、こう考えます。

以上、コメントでございます。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

冨田委員、土居委員の順でお願いします。

〔 冨田委員 〕 まず、公共事業の基本的考え方としては、どうしても二面性を持っているわけでして、それは需要喚起という面と、生産性の上昇にどのような影響をもたらすのかということです。前者については、資料の6ページを御覧いただきますと、御説明もありましたが、日本銀行によっても、内閣府によっても、需給ギャップがプラスになっているという状況を考えなければならないと思うのです。これまでマイナスのときには、需給ギャップはこれだけマイナスなのだから、公共事業はこれだけ増やせという大合唱がよくあったのですけれども、これだけ需給ギャップがプラスになっても減らせという声がない。だけど、よくよく考えてみると、こういった状況で本年度、補正予算で公共事業は必要なのかということについては、必要ないと考えるべきだと思います。

それから、供給面への影響ということで、次の8ページに資料があるのですけれども、社会資本の限界生産性について、内閣府の試算で見ますと、地域別に見ても限界生産性は低減している、どんどん低下している姿が分かります。それから、右側にあるOECDのワーキングペーパーから持ってきたクロスセクションデータで見ると、日本の社会資本ストックは、他の先進国はGDP比で大体60%なのですが、倍程度あるのです。資本ストックが多い結果、限界生産性はクロスセクションの分析でいけばマイナスなのです。だから、社会資本整備を単純にどんどんやっていくと、我が国の潜在成長率を引き下げる、これは成長戦略に反するということになるわけです。

したがって、先程の説明であったのですけれども、質を重視するということは当然のことでして、長期的な成長を阻害しないように、やはりB/Cの分析等で事業を厳選の上にも厳選していくということが重要だと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

土居委員、お願いします。

〔 土居委員 〕 社会資本整備に関しては、特に整備新幹線については、まさに主計官から御説明があったように、例えば14ページ、九州新幹線でかようなほどに追加で費用がかかるということは、B/Cで考える上では非常に問題があると思います。何らかの方法をとらないと、結局、武雄温泉と新鳥栖の間はつながらないということであるとすれば、しっかりとフルコストでコストを評価した上で、上振れをしないような形で事業執行するという形で、コスト管理を徹底していただくということは極めて重要だと思います。特に、21ページにあるように、今、既に着工されている区間でも費用が上振れしているというのは、まるで財審で防衛費の話をしたときの防衛装備品のコストと似たような形で、事業を始めてからコストがますます増えるという変な構造を公共事業でも引き起こしているということですので、厳にコストの管理をしていただきたいと思います。

それから、農業のほうですけれども、主計官が説明されたように8ページの飼料用米、特に多収性専用品種の場合は、過剰に交付金を交付していると言わざるを得ないような状況で、まさに説明された需給関係からすると、飼料用米をここまで過剰に誘導する必要はないと私は思うわけであります。ただ、飼料用米に転用するという話が、10ページにあるように食料・農業・農村基本計画における生産努力目標が誘発させているとすると、努力目標自体も改めていただかなければ、交付金の水準を改めていただくというところにつながらない可能性もあるのではないかと心配するわけであります。ですから、努力目標は努力目標であって、それが達成できなくても別にどうということはないというのであればよいですが、努力目標が達成できるように予算づけをするという話になるとすれば、それは目的と手段が誤っていると言わざるを得ないわけで、やはり飼料用米に対する過剰な誘導をやめていただくような交付金のメリハリづけをしていただく必要があると思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

それでは、武田委員、佐藤委員、小林委員、黒川委員で終わらせていただきます。

〔 武田委員 〕 御説明ありがとうございました。

まず、社会資本整備に関してですけれども、最先端技術の実装、これは進めていくことが重要だと私も思います。先程、伊藤委員からもございましたけれども、人手不足という観点、これからインフラ維持管理コストは増大することがわかっておりますので、それを効率的に進める点、それから日本のイノベーションを促進していく点、これらは相乗的によい方向に進むのではないかと思っております。

本日は、特にインフラのメンテナンスや点検、危機管理ということで事例をいただいたのですが、実は公共工事全体の建設現場などでも、そうした新技術の活用による効率化がコスト抑制という点に資するのではないかと思うところでもあります。したがって、これはそういうことが可能かどうかということなのですが、例えば公共工事における総合評価で、そのような新技術でどの程度のコストを抑制できるかということを取り入れることが可能なのかどうか、1点、もしお分かりでしたらお伺いできればと思います。

2点目ですが、農業に関しましては、飼料用米の話は昨年も出ていて、これはもう大きなゆがみをもたしているのは間違いないということで、この問題は農業の成長産業化、6次産業化の伸び代を抑制してしまうということ。それから、結構重要なのは、地元の若い人にとって魅力ある産業、農業になっていかないという点がよくないのではないかと、私は思っております。その点、単に飼料をトウモロコシにすればよいのかどうかも含めて、今後の制度設計に向けてご検討いただければと思いました。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、佐藤委員、お願いいたします。

〔 佐藤委員 〕 先程の地方財政のセッションでも申し上げましたけれども、やはり今回、社会資本整備の中でも、特にPFIの活用という観点から、焦点が当たるのは上下水道のところで、空港とは対照的にコンセッション等が進んでいない。なぜ、なかなかPFIが進まないかという理由の一つは、やはり自治体が抱え込んでいるので、なかなか規模の経済が働かないということで、やはり広域化していくことが大前提だということ。もう1つは、担い手としての地元企業が極めて弱いという問題があって、結局、PFIが担えるのはやはり中央資本の大手ということになってしまう。

そこで、内閣府のほうでも、今、PPP/PFI地域プラットフォームというもので、地元企業の技能とかを高めようということをやっているのですけれども、この問題、実は人手不足ともかかわる話で、介護、建設、土木、どこもそうなのですけれども、零細事業者が多過ぎるのです。結局、零細事業なので、なかなか技術革新も進まないし、経営上の規模の経済も働かない、ノウハウも蓄積できないという問題がある。実は、PFIの問題は、一見、財政問題に聞こえますけれども、産業構造の問題なので、いかに地方の土木、建設産業の構造転換を図っていくか。具体的には、もう少し集約化させていくか。これを一緒にやらないと、なかなか担い手づくりにならないという気がします。

あと、コンパクトシティーですけれども、最近の新聞では、なかなかコンパクトシティーが進んでいなくて、かえって郊外化が進んでいるという議論があります。本日のお話では、立地適正化計画と地域公共交通の組み合わせの議論がありましたけれども、やはり立地適正化計画という地域全体でどうするかという議論と、個別の施設をどうするかという議論が、多分、自治体の中でうまくつながっていない。とりあえず病院をつくらなければいけない、でも土地がないので郊外にというような議論になっている。これは、多分、公共施設等総合管理計画と個別計画との関係も同じで、全体のマスタープランと個別のプランが自治体の中で適切につながっているのかどうかということを確認していく必要があると思います。

あと、農業について言うと、最後の議論がすごく重要で、地方分権化を進めていって、きちんと責任を持って都道府県に転作事業を担わせるということをやっていいと思うのです。随分前の財審などでも、地方でも助成金というか、国の補助金などに対する色々な上乗せがあるけれども、使い方はほとんど国のやっているとおりで、あまり地方の独自性がないという議論が確かあったと思います。やはり地方のそれぞれの実情に合った農業政策を、地方自治体に求めていくことが必要だと思います。

最後に1つだけ。本日は、例の出国税、国際観光旅客税の話がなかったのですけれども、担当は国土交通省なのですけれども、事業についてしっかりと精査しておいたほうがいいという気がします。

〔 田近分科会長代理 〕 では、小林委員、お願いします。

〔 小林(毅)委員 〕 まず、農業のほうですけれども、今まではおいしい米をつくって価格を上げていきましょう、規模を大きくしてコストを下げていきましょうということが大きな方向性だったと思うのです。これを、どちらも一定のところになると限界が来ていますと、頭打ちになりますと指摘するのはもちろん大事なことで、だから次を考えましょうということになるのですが、それをそのまま、例えばもう大規模化を進めなくていいのかとか、質を上げていかなくていいのかという議論に転嫁してしまうと、また話がおかしなことになってしまうので、そのあたりのこちら側としての提言の仕方は少し注意したほうがいいという気がいたします。

それから、社会資本整備の整備新幹線のところで韓国の例が出ていて、おそらくこれを出された方も、この2つの比較については条件は違いますがということを何度も強調されていたのですが、やはり韓国と日本を比べて大丈夫なのか。それを比較して日本が高過ぎると言うのはいいのかという議論とそのままつながってしまうと、全体の論拠がひっくり返されてしまう可能性もありますので、そこの書きぶり、あるいは使いぶりは慎重にしたほうがいい。

もう1つ、九州整備新幹線のコストがどんどん上がっていっているということは、もしわかればお答えいただきたいのですけれども、人件費の高騰などと関連しているのでしょうか。それとも、それ以外のもっと構造的な話なのでしょうか。もしわかれば、少し切り分けて議論したほうがいいという気もいたします。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 お答えはまとめていただくとして、黒川委員、お願いします。

〔 黒川委員 〕 ありがとうございます。

私からは、社会資本整備についてですけれども、主計官の資料は大変よくできておりまして、全く同感です。まず、大事なことは無駄なものをつくらないということですが、それを所与として考えますと、その後、長寿命化による長期的なコストをいかに合理的にするかという問題が大事なのですが、そのためには、前もお話ししましたように設計段階で合理的な設計ができるか。2番目は、施工段階であまりにもコストを安くすると手抜き工事のことが心配になるので、やはりこの辺も合理的な価格で、きちんとした施工を担保することが必要だ。それで、3番目に維持管理を、今で言えば予防的な維持管理をしなくてはいけないということです。

さて、そこでどうするかですけれども、私、会計学者としては1人だけ社会資本メンテナンス戦略小委員会のメンバーだったし、高速道路の委員長をしていたときに、15年前ですけれども、本四架橋は海の上にありますので、さびがつくと非常に大変なので、予防的な維持管理をしなくてはいけないということを会計基準に入れた経緯があり、そこで見に行っているのです。そこでの経験からいきますと、まず第1は現状のデータベースをしっかりとつくる。例えば、ここは1年以内に更新、あるいは修繕しなくてはいけないところ、あるいは5年先でもいいというようなデータベースを、適切につくっていくということがまず大事なのです。

2番目は、これは会計学者の意見かもしれませんけれども、もう少し細かく原価管理をしてほしい。例えば、費目ごとに金額を記録しておく。あるいは、会計単位、例えば道路であればもう少し短い単位で幾らかかったのか。そうした会計単位を非常に細かくした固定資産台帳みたいなものをつくっておく。

3番目は、新技術の導入が非常に大事で、30ページのところにドローンの写真が出ています。3次元の画像を修正して損傷箇所、程度を把握するということが大事です。これが今、言いました、1番目のデータベースを整備するのにあたって非常に重要なことになります。

それから、技術の導入という点でもう1つあるのですけれども、例えば下水道を実際に見に行ったのですけれども、前もお話ししたように、どんどん下水管が古くなっている。これを掘り返して、また新たな下水管をつくるなんて都市部では大変なことです。ところが、新しい技術では、本管は2メートル程度あるので、掘り返さないで、プラスチック製なのかどうか分かりませんけれども、その中に、らせん状にチャックのような感じで、ぴったりくっつくように入れていくのです。そういう技術を東京都と中堅の建設会社でつくっている。こういうような実際の維持管理に関する技術革新も重要です。

そういうわけで、結論は何かというと、長期的なコスト削減を目指すならば、短期的には、今言ったようなデータ整備や、会計上の帳簿の作成等、技術を育成するということはお金がかかるかもしれないけれども、ぜひとも長期的な観点でそういったものについては考えていただきたい。そのほうがいいのではないかと経験上は言えます。

以上であります。長くなりました。

〔 田近分科会長代理 〕 主計官のほうで御意見、御質問にかかわるところでお答えがあれば。

〔 中山主計官 〕 まず、武田委員からの新技術の導入をどう評価していくかという点ですが、御指摘ありましたように総合評価方式の中で事業者提案、ここに加点を入れることによって反映することが制度上可能になっております。ただ、色々と事例を伺いますと、なかなか差がつきにくいという指摘もあります。また、新技術についてはまだ基準が整備されていないという課題もございますので、今後、予算編成等を通じまして、そのような課題の克服を図っていきたいと考えてございます。

佐藤委員から御指摘ありました施設との連携ですが、これまでも財審で御指摘いただいている中で、福祉施設などとの連携ということで関係省庁会議において基準づくりなどを進めておりまして、そのような中で更に一層詰めていきたいと思っております。

出国税につきましては、関係閣僚会議で基本方針が示されていますので、平成31年度予算案に向けて精査していきたいと考えております。

小林委員から費用増高の要因ということでございますが、今、精査中でございますが、約1,200億円増高の中で、労務単価や資材の増高で約400億円、河川、道路等を管理する関係機関との協議で400億円程度、地盤条件等の精査の中で工法の見直しなどに伴う費用が300億円程度というのが現状でございます。

以上です。

〔 前田主計官 〕 武田委員ご指摘の飼料用米を作ると夢がないというところについては、少し私のほうの説明不足だったかもしれませんが、畜産農家に着目して餌を見るのであれば、最終的には肉を売る、あるいは子牛を売るということになりますので、それは少し補助体系を考える必要があるだろうということが1点。

2点目は、小林委員のほうからございました質の向上であるとか、大規模化、これは引き続き続けていくわけですけれども、これも少し言葉足らずだったと思いますけれども、従来、それしかない、米のビジネスモデルは米価の維持しかないという状態でしたが、今後は、生産調整をやめた以上は、複数の米、多様なビジネスモデルを導入していかなければいけないということだろうと思っております。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 ありがとうございました。

続いて、3つ目の議題である社会保障について審議を行いたいと思います。

阿久澤主計官よりお願いします。

〔 阿久澤主計官 〕 社会保障予算担当の阿久澤でございます。よろしくお願いいたします。

それでは、社会保障の関係につきまして、資料に沿って御説明をさせていただきます。本日は、前回、積み残しとなっていました視点3に関する改革項目について、御説明をさせていただきます。

2ページをお開きいただきたいと思います。前回の社会保障の回におきまして、医療保険制度の持続可能性に対して、今後、直面する課題として、これまでも認識をされていた「高齢者の増加による医療費の増」といったリスクに加えまして、「制度の支え手の大幅な減少による保険料等の負担能力の低下」といったリスク、更には「技術の進歩による医療の高度化・高額化による医療費の増」といったリスクがございまして、今後の医療保険制度を持続可能なものとしていくためには、これらの3つの課題に公的保険制度としてどのように対応していくのかといった観点からの制度の見直しが不可避であると、このように考えているところでございます。その面を御説明させていただきました。

その上でありますが、次の3ページにおきまして、こうした医療・介護保険制度が今後、直面する課題を踏まえて、財政と医療・介護保険制度の持続可能性を確保していくために必要となる改革の視点をこの資料でまとめさせていただいております。

更には、次の4ページでございますけれども、この改革の視点ごとに具体的にどのような改革を実施していくべきかをまとめたものがこの資料となっております。

前回も申し上げましたが、ここでお示しした改革項目には、現在の改革工程表において既に掲げられている改革項目も含まれておりますけれども、それだけではなく、新たな改革項目や既存の改革項目の内容を深掘りした項目も追加しております。冒頭に申し上げました今後の直面する課題に対応し、医療・介護保険制度を持続可能なものとしていくためには、新たに追加した改革項目も含めまして、ここで掲げた制度改革にしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。

それでは、前回、積み残しになりました視点3、高齢化や人口減少の中での制度の持続可能性の確保に関する改革項目について、御説明をさせていただきます。

6ページをお開きください。まずは、「医療保険における後期高齢者の窓口負担の在り方」についてでございます。この改革項目につきましては、現在の改革工程表にも掲げられておりまして、後期高齢者数や医療費が毎年増加し、それを支える現役世代の保険料や税負担が重くなっていく中にあって、世代間の公平性や制度の持続可能性を確保していく観点から、75歳以上の後期高齢者の自己負担については2割への引上げを行っていくべきである、このように考えております。

あわせて、7ページにもありますように介護保険につきましても、今後とも介護費が大きく伸びていくと見込まれる中で、制度の持続可能性の観点などを踏まえれば、利用者負担の引上げを行っていくべきであると考えております。

続きまして、8ページをお開きください。「金融資産等を考慮に入れた負担を求める仕組み」についてであります。高齢化が進む中にありまして、能力に応じた負担をお願いするに際しましては、やはり金融資産も負担能力として考慮をしていく必要があると考えております。まずは、現行制度のもとでの取組として、入院時生活療養費などの負担能力の判定に際しましても、介護保険の補足給付と同様の仕組みを適用していくべきではないかと考えております。更に、医療保険や介護保険における負担の在り方全般につきまして、所得のみならず、金融資産の保有状況も勘案して負担能力を判定できるようにするための基盤整備につきまして、マイナンバーの在り方も含めて検討を進めていくべきであると考えます。

続きまして、9ページの「後期高齢者の現役並み所得者の判定方法」についてでございます。後期高齢者の自己負担は、現役の平均の所得水準を基準に、それ以上の所得があれば現役と同様3割負担とされております。しかしながら、実際の判定基準は、所得要件と収入要件の両方を上回ることとされているために、現役以上の所得があっても「現役並み」とは評価されない可能性がある仕組みとなっております。このため、「現役並み所得者」の割合は極めて低く、しかも減少傾向になっております。やはり、「現役並み所得者」の判定基準につきましては、現役世代との公平性の観点から見直しを行うべきであると考えます。

最後となりますけれども、「医療保険の給付率を自動的に調整する仕組みの導入」についてでございます。10ページをお開きください。医療費に占める給付費の割合、これを実効給付率といいますけれども、左の図で見ていただきますように実効給付率は、自己負担割合が低い高齢者数の増加、更には医療の高額化が進む中で、高額療養費、つまり負担上限でありますけれども、それが適用される頻度の増加などの影響によりまして、年々上昇しているということでございます。医療費は基本的に自己負担と給付で賄われますので、この足し算が100%になるということでありますけれども、逆から言えば、参考資料の7ページにありますように、実効患者負担率は制度の見直しを行わなくてもどんどんと自動的に下がっているという構図になっております。

本体資料の10ページに戻っていただきまして、他方、右側の図にありますように、2065年までの人口推移を見てみますと、前回も申し上げましたが、「支え手の大幅な減少」といったリスクが顕在化することは明らかであります。こうした支え手の大幅な減少の中にあっても、制度の持続可能性をどのように担保していくのかといった観点からの改革は不可避であると思っております。

医療費は、先程申し上げましたように、保険料負担と公費負担からなる給付費と、患者負担で賄われることになるわけです。すなわち、医療費が増加をすれば、何らかの国民負担が増加をするということになります。このため、診療報酬の適正化などによりまして、今後とも医療費の伸びの抑制に取り組んでいく必要があるわけでありますけれども、医療費の適正化に取り組んでもなお、医療費の伸びが国民の負担能力の伸びを上回った場合、何らかの形でその負担を賄っていかなくてはならないということであります。

そこで、11ページをお開きいただきますと、上のほうの図にありますように、現行の仕組みでは、この場合の負担増は基本的に全て保険料率などの上昇といった形で、支え手側の負担増という形ではね返ってくることになります。具体的には、この図にも示しましたが、国民の負担能力の増加を超える医療費の伸びとともに、先程申し上げました実効給付率の上昇という要因も相まって、二重の意味で保険料負担や公費負担にのしかかってくることになります。更に、先程申し上げましたように支え手の減少が生じてきますと、1人当たりの負担はそれによって上がってしまいますので、まさにトリプルパンチとなって、支え手の負担増につながってきてしまうことになるわけであります。

今後、長期間にわたりまして「支え手の大幅な減少」が見込まれる中で、このように保険料負担や公費負担のみに負担増のしわ寄せを続けるといったことには限界がありますので、制度の持続可能性という観点からも大きな問題だと考えております。

このため、下の図にもありますように、医療給付費や経済・人口の動向に応じまして、支え手の負担が過重とならないように、一定のルールに基づいて給付率を調整する。すなわち、裏から言えば自己負担を調整するということで、医療費や支える側の負担能力の変化の中で、将来にわたり公的保険制度の持続可能性を確保していく必要があるのではないかと考えます。

2022年度に向けまして、これまで御説明した高齢者の窓口負担の見直しなどを行った上で、その後に備えて本制度を導入することで、ある程度、将来にわたり医療保険制度の持続可能性が確保できるという道筋がつき、制度への信頼感にもつながるのではないかと考えております。

このように、経済成長や人口動態を踏まえて、支え手の負担能力を超えるような医療費の増加があった場合に、ルールに基づいて給付率を自動的に調整する仕組みについて検討し、人口減少が本格化する前に制度の導入をしていくべきであると、このように考えているところであります。

私からの説明は以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 それでは、様々な御意見があると思いますので、ネームプレートを立ててください。では、そちらから大槻委員。

〔 大槻委員 〕 御説明ありがとうございます。

8ページ目の個人資産、金融資産等を考慮に入れた負担を求める仕組みというところについてコメントなのですけれども、私は個人の金融資産などを見ていますけれども、もちろんこれが公平である、公平性についてはフローだけを見るのではなくて、ストックもということも十分理解できるところなのですが、一方、技術的には、公平性を担保するというところについては、十分な配慮をしていかなければいけないということを切に感じる次第であります。果たしてこれは預金だけなのか、金融資産等ということなので株式なども考慮するのかもしれませんが、その場合、時価にするのか、簿価にするのか。豊かさという意味では時価かもしれませんが、それをどうやって、どの時点で把握するのか。公平性という観点と個人資産の適正化という意味で、もしかすると預金からその他のリスクアセットに、リスク資産に対しての流れを促すということを含めて考えるとしても、それが本当に個人個人の資産形成に見合ったものなのか。個人の資産の適正化ということも含めて、様々な点、複雑な解を求めていくべきではないかと思った次第です。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 では、こちらから、伊藤委員。

〔 伊藤委員 〕 簡単に言います。医療費のところですけれども、特に後期高齢者の方々の自己負担率を2割にするというのは、もう書かれているとおりで、是非そうしないといけないでしょう。それから、既に後期高齢者になっている方も、もう何回か申し上げているのですけれども、2割に引き上げる。ただし、一遍に2割にするというように、あまり急に上げることが無理なら、激変緩和措置的に少しずつ段階を踏んで、1.2割、1.5割、最後に2割、というようにしてでもやっていただきたいということが1点。

2点目は、10ページ以降に新たに給付率を自動調整するという考え方が出てきているのですけれども、この議論は厚生労働省等の関係者の間でどのようになっているのでしょうか。もう議論は十分されている話なのでしょうか。質問として伺いたいと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 それについては、今、答えてもらいましょうか。

〔 阿久澤主計官 〕 給付率の調整に関する議論につきましては、与党での議論といたしますと、自民党の財政再建特命委員会のもとに小委員会がございまして、そちらの中でも御議論されているものであります。それを踏まえて、今、親委員会である財政再建特命委員会でも議論が行われているような状況になっていると認識しています。一方、厚生労働省の審議会ですが、先般の医療保険部会でも一定の議論が行われたと承知しているところであります。

〔 田近分科会長代理 〕 時間軸についてですけれども、様々な改革と同時に進めて、今、伊藤委員がおっしゃった2割負担等とフラットに、同じように進めていくというイメージでいいのですか。

〔 阿久澤主計官 〕 当然、制度の検討は急いで、速やかに行う必要があると思っております。導入のタイミングにつきましては、先程も私の説明で申し上げましたけれども、高齢者の窓口負担の見直し等をまずは行った上で、その後の制度の持続可能性に備えた形で導入していくことが考えられるのではないかと、私どもは思っているということであります。

〔 田近分科会長代理 〕 では、続けて、~子田委員、土居委員、武田委員とお願いします。

〔 ~子田委員 〕 最後の11ページの話ですけれども、要は医療費全体の額が非常に増えていったときに、支え手側の人数も限られて負担が重くなって、それでは持続可能ではないので、要は給付を減らすということだと思うのです。実際に医療費を払う側は負担が増えるということかと思うのですが、どの程度の負担が増えていくイメージなのか。

一方で、私、前回の社会保障の回でも言ったのですけれども、例えば高額医療費、非常に高い薬を飲めば治るというときも、やはり高額所得者ほどたくさん負担する、高額所得者というか富裕層ほどたくさん負担することになると思うのですけれども、あまりにも高い、1粒何千万円とかいうような薬のときに、そこまでして治りたいという人は、当然、富裕層でないと治らないというか、払えない薬なので、だったらそれに匹敵する額の負担を求めたいと思うのです。その辺のところを、最後の議論に絡めてどのように考えられているかということです。今、給付を抑えるというか、要は自己負担を増やすという話をしているのですけれども、診療報酬を自動的に低くするとか、そういったことを考えてもいいと思うのですけれども、その辺はどういうように思われていますでしょうか。

〔 田近分科会長代理 〕 今、ここでとめると、御指摘の給付率自動調整の設計のイメージをもう少し具体的に、主計官からお答えいただくだけでは不十分だと思いますけれども、とりあえずどのような設計をしようとしているのかは、まとめて答えていただくということで、土居委員、お願いします。

〔 土居委員 〕 今の話に関連するのですけれども、もう少し具体的なイメージを与える、ないしは、あらぬ誤解を解く必要があると私は思っています。

給付率自動調整というと、かつてあった医療費の総額管理というイメージを浮かべる方もおられるのですけれども、その話とは若干違うと私は思っているわけです。それから、伊藤委員も御指摘されていた、まさに75歳以上の方の自己負担率という話との連動で考えますと、全ての医療保険制度にこれを入れるとなると相当大変なことになりますけれども、既に独立制度としてある後期高齢者医療制度にこの仕組みを入れるという話になると、今、主計官が説明された話は、ほとんど全て1本の糸で結ばれることになると思うわけです。

つまり、完全に独立会計になっている後期高齢者医療制度の中で、給付財源の半分は税金だけれども、4割は被用者保険と国民健康保険の保険料から拠出金が出て賄われていて、結局、75歳以上の方が払った保険料は1割しかないという状況なわけです。それでいて、新聞報道でもありましたけれども、健康保険組合で実際とっている保険料の4割程度は、結局、高齢者に、人生の先輩に貢ぐために払っているというような状況になっている。

そういうことをあわせて考えると、やはり事業主負担保険料も含めて現役世代の保険料には負担の限界がある。高齢者も確かに負担の限界はあると思いますけれども、幸いと言うべきか、高額療養費制度があるので、確かに最初は3割負担とか、2割負担とかから始めなければいけない人は増えるかもしれないけれども、やはり負担の上限という意味では高額療養費で頭打ちになっている。だけども、保険料負担、現役世代は何の負担の制限もなくて、青天井で保険料が増えていくかもしれない。

そういう状況にある中で、結局、後期高齢者の何%程度の人を3割負担なり、2割負担にすればいいのかという話を、まさに11ページにある負担率調整というか、私は自己負担率を調整していると言ったほうがいいと思うのですけれども、自己負担率を調整する。それで、今、1割の人に14.3%払ってくださいなど、細かいことを言ったって実務的ではありませんから、それならば3割負担の人を75歳以上の何%程度まで増やしますか、2割の人を何%程度まで増やしますかというような形で、トータルで見ると何%、小数点コンマ何%とあるのかもしれませんけれども、実際に負担される高齢者は1割負担の方、2割負担の方、3割負担の方というような形で変えていく。

そうすると、「現役並み所得」の定義も改めなければいけないし、伊藤委員が御指摘された、今度、75歳になられる方から順次2割負担にするということもどんどんやっていくことで、最終的には被用者保険ないし国民健康保険が高齢者に向けた拠出金のためにどんどん保険料が増える、現役世代に負担を求めるということを抑制する。それから、負担の抑制自体は、当然、診療報酬を適正に改めていくこととセットでやっていくということは、重要なことではないかと思います。

〔 田近分科会長代理 〕 土居委員おっしゃられたように、75歳以上の自己負担は1割、2割、3割の組み合わせをフレキシブルに考えていく、それをもって自動調整だと言うなら、それなりのイメージが湧くと思いますが、やはり自動と言ったときに、~子田委員の質問とかぶりますが、何をもって自動と言うのか。そこがファジーなところで、様々な議論が出ているんでしょうね。分かりました。

では、武田委員、末澤委員、佐藤委員とお願いします。

〔 武田委員 〕 御説明ありがとうございました。

今、自動調整の話が出たところですけれども、私は、2018年度には絶対優先したいというか、優先すべきだと思っているのは、やはり時間的な制約を考えると、後期高齢者の窓口負担の部分を2022年度までに2割というところは、ぜひ2018年度中に目処をつけていただきたいというか、それは社会保障制度の持続可能性の観点では極めて重要なので、とにかくここは絶対ということで、ぜひ進めていただきたいと思います。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 末澤委員、お願いいたします。

〔 末澤委員 〕 どうもありがとうございました。

私も、やはり最終的には自動調整制度、これはマクロ医療調整制度と言うのか、マクロ社会保障調整制度と言うのか分かりませんが、年金のマクロ経済スライドと同様のシステムとして必要だと思います。ただ、先般の年金のときにも、相当、財審主導で負担増を求めているような報道が一部ございました。私は、むしろ参考資料の10ページからですけれども、人口構成の変化だとか、たしか75歳以上と65歳未満で比べますと医療費は1人当たり5倍、介護費は75歳以上と75歳未満で大体10倍の差があったと認識しております。そのようなところをもう少し前段で幅広く御説明して、だから、これを見ると、もう何らかのオプションを採用せざるを得ないという国民的議論を少し醸成しておかないと、逆に抵抗だけが浮上して、本来やらなければいけないことを、最終的な実現が遅れるリスクもあろうかと思います。まずは、客観的な状況認識をもう少し、昨年、一昨年やりました財政教育ではないですけれども、特に日本の場合は少子高齢化、また、ある面グローバル化、この2つがやはり最大のリスクだと思います。それについては、アカウンタビリティーではないですけれども、もう少ししっかりと、この資料の前に出していただいたほうが最終的には進むのではないかという個人的な感想でございます。

以上でございます。

〔 田近分科会長代理 〕 では、佐藤委員、お願いいたします。

〔 佐藤委員 〕 もう既に何人かの委員の方がおっしゃっていますけれども、最後の11ページの自動調整のイメージがやはり少しファジーだと思うのです。これがこのまま出ていったら、多分、あらぬ誤解と言うべきか、色々な想像をかき立てる可能性があるので、やはり何を対象としているのか。医療費と言うときに、何の医療費が伸びると困るのか、誰の負担を抑えて、誰に負担を求めるのかということは、もう少し明確な軸があっていいと思うのです。多分、伸びていく医療費は高齢者の医療費であり、こう言ったら申しわけないけれども、負担を求めていきたいのは高齢者、守りたいのは支え手ということであれば、やはり自己負担、といっても3割から4割になるのではなくて、1割が2割になり、2割が3割になる。つまり、高齢者の負担を上げるというのが自己負担としての連動だし、保険料を上げるという選択肢もある。多分、医療経済をやっている側からすると、自己負担を上げるよりは保険料を上げたほうが様々な意味でいいと思います。ただ、保険料も、健保等の働き手の保険料ではなくて、しかも今、赤字が増えていますので、むしろ後期高齢者の保険料を上げていく。こういった形での連動が必要だと思います。

自動と言うと、何となく政治的な過程がなくできるので楽というイメージと、逆に自動だからこそ入れるのにハードルがあるという議論があると思うのですが、やはり少し選択肢を見せたほうがいいと思うのです。前回、奈良県の話が紹介されていたと思いますが、あれ、うまいなと思ったのは選択肢を見せているというところです。つまり、保険料を上げますか、診療報酬を下げますかという選択肢なのです。もし、高齢者の医療費が増加していくという中において、1つとして自己負担、ないしは高齢者の保険料を上げていくという選択肢があるとしたら、もう1つはやはり診療報酬を下げるという選択肢があって、国民の皆さんに、さあ、どちらがいいですかと問う形のほうがやはりコストがよく見えると思うのです。でないと、やはり自己負担を上げるのも嫌だ、報酬を下げるのも嫌だと、ただそれで終わってしまうので、選択肢を明確にしていくという軸はあっていいのかなと思いました。

以上です。

〔 田近分科会長代理 〕 議論が1つのテーマに集中し過ぎた感じもありますけれども、末澤委員が包括的にまとめてくれたように思います。それも含めて、いよいよこの負担について、本日はそれだけではなくて全般的なことも議論されたので、阿久澤主計官のほうからお答えください。

〔 阿久澤主計官 〕 幾つか御質問も含めまして、意見をいただきました。

基本的には、給付率を調整するための手段をどのようなものに求めていくのかということが、まず議論としてあると思っています。これ、実は先程も少し御紹介させていただきましたが、自民党の小委員会の中でも議論されていて、ある意味、着眼点として、これをどのように形づくっていくのかということについては、更に詳細な議論が今後とも必要になってくると私も認識しております。

ただ、負担調整のあり方のポイントについて大きく考えた場合に、支え手の負担とサービスの受け手の負担の間の調整をするということがあるならば、様々な考え方があると思います。先程言った、ある程度広く薄く御負担をいただくという考え方もあるかと思いますし、極めて高額な医療の部分の負担をどのように負っていただくのか、更にはそれをどう組み合わせていくのか。これらの制度設計論は、今後、更に深めていく必要があると考えているわけであります。

一方で、むしろ単価を抑えるのはどうかという話であります。経済成長の伸びを超えて医療費が増加した場合、それに応じて診療報酬単価をスライドさせるという考え方は、過去において御議論がございました。これは、いわゆる伸び率管理なり、総額管理などと言われたものでありますが、医療費の増加が経済成長率を上回ったものを単純に単価だけに反映させると、結局、医療機関の経営との両立をどうしていくのかというところが過去の議論の中でもありまして、伸び率管理なり、総額管理などは成案を得るまでに至らなかったわけです。

今般、この制度を入れれば、他に何もしなくていいということではないと思っておりまして、先程土居委員からもありましたように、やはり同じように診療報酬の抑制をしていく努力は引き続きやっていく必要がございます。仮に、診療報酬を抑制する努力を行うことである程度成果が得られれば、結果として、この仕組みによって調整しなければいけない調整幅がかなりの程度小さくなる、場合によっては、その年は調整しなくてもよくなるような形になると思います。

そういう意味では、様々な医療費適正化努力を引き続き行ってきた上での、最終的な安全弁のような形で、どのようにサービスの受け手と支え手が費用を分担し合うのかといったところについて、一定のルール化ができないかというような考え方であると理解しています。ただ、おっしゃられたように、例えばどういうような自己負担調整が考えられ、それによってどのような負担が生じ得るのかということについては、更に制度設計を深めていきたいと考えております。

〔 田近分科会長代理 〕 本日、この後、記者会見があり、この点が記者の方の関心の一つだと思うので、財審での議論をどう紹介するかを一応、確認させていただきたいと思います。もちろん給付と負担のバランスをとらなければいけない。その場合、まさに武田委員と伊藤委員がおっしゃったように、75歳以上の自己負担の増加等、まずしなければならないことはあるだろう。その次の自動調整ということに関しては、本日の財審では、自動調整についてはこれから中身を詰めていく必要があると、そういった形の紹介をさせていただきたいのですが。それでは不十分だという方もいるし、言い過ぎだという人もいると思うので、今のような形でよろしいですか。~子田委員も、他の方も。

〔 ~子田委員 〕 本日のところは、本日、出たばかりなので、議論を尽くす必要があるということだけおっしゃっていただければいいのではないでしょうか。

〔 田近分科会長代理 〕 そうですよね。

〔 土居委員 〕 よろしいですか、1点。医療費総額管理や、伸び率管理という話とは違うということは言っておいたほうがいいと思います。過去にあった例の話とは違うと。

〔 田近分科会長代理 〕 要するに、給付と負担のバランスをとっていこうということですね。

では、そういうことで言い過ぎず、過少でもなく、適切に議論を反映したいと思います。ありがとうございました。

阿久澤主計官、いいですね。

それでは、本日は盛りだくさんでしたが、終わらせていただきます。

先程申し上げたように、本日で各論の議論を終わらせていただいて、これから起草委員の方々に建議の起草を開始していただきます。その起草が整ったところで、また会議を開かせていただきます。よろしくお願いします。

次回の日程については、調整の上、事務局より連絡させていただきます。

本日は、どうもありがとうございました。

午後4時15分閉会

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