財政制度等審議会財政制度分科会
議事録
財政制度等審議会財政制度分科会議事次第
令和8年5月20日(水)15:00~17:06
第3特別会議室(本庁舎4階中-412)
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1.開会
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2.議題
- とりまとめに向けた審議
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3.閉会
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分科会長 |
十倉雅和 |
高橋大臣政務官 三反園大臣政務官 湯下審議官 宇波主計局長 中山次長 吉沢次長 一松次長 原田法規課長 玉川給与共済課長 浅賀調査課長 松本主計官 山本主計官 末光主計官 河本主計官 大来主計官 宮下主計官 山川主計官 馬場主計官 黒坂主計企画官 小田切公会計室長 |
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分科会長代理 |
増田寛也 |
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委員 |
河村小百合 熊谷亮丸 佐藤主光 武田洋子 田中里沙 土居丈朗 藤谷武史 宮島香澄 芳野友子 |
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臨時委員 |
上村敏之 上村敏之 小黒一正 木村旬 國部毅 権丈英子 櫻井彩乃 中空麻奈 平野信行 広瀬道明 堀真奈美 神子田章博 橫田響子 吉川洋 |
午後03時00分開会
〔増田分科会長代理〕それでは、時間になりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。本日は、御多用中のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
本日は、高橋政務官にお越しをいただいております。少し遅れて三反園政務官にもおいでいただく予定になっております。どうもありがとうございます。
本日は、お手元の建議の案について御審議をいただきます。この建議の案ですが、河村委員、佐藤委員、武田委員、土居委員、中空委員、吉川委員に起草委員をお願いして御議論いただき、取りまとめていただきました。先生方、お忙しい中、ありがとうございました。
本日はこの案について、紙での配付としておりまして、目次、概要の紙を含む参考資料についてはPC端末に格納させていただいております。この建議の案につきましては、前半の第Ⅰ章の財政総論から始まる冊子、それから後半は第Ⅲ章の社会保障から始まる冊子の2つを用意しております。また、建議取りまとめスケジュールというメモを紙で配付しておりますが、審議に先立ちまして、今後のスケジュールを御説明申し上げますので、御覧いただきたいと思います。本日は、15時から17時までの予定で素案の御議論をいただきますが、追加でコメントがある場合、明日5月21日(木曜日)の15時までに、事務局にメールで御提出をいただきたいと思います。御回答いただく様式は、昨日、19日になりますが、事務局から送付したものをお使いただきたいと思います。委員の皆様には、大変お忙しい中、極めて短時間で御確認をお願いするということになりますが、何卒よろしくお願いしたいと思います。
また、次回の分科会の日程になりますが、こちらはそこに記載のとおり、6月の開催を予定しておりまして、そして、会議終了後、片山大臣のお時間が許せば、取りまとめられた建議を大臣にお渡しできればと、このように考えております。あともう一度、6月、そこで最終建議、決定をいたしまして、直ちに大臣に建議をお渡しすると、こうした段取りで進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、本日の審議の進行でございますが、まず、今15時少し過ぎておりますが、16時10分ぐらいまで、すなわち1時間強を目途に、前半として、Ⅰの「財政総論」、それからⅡの「人口減少と不確実性の時代における総合的な国力の強化」、こちらを審議いたします。これが前半戦。その後、後半として、残り1時間弱になりますが、第Ⅲ章の「社会保障」を審議させていただきます。前後半に分けますので、それぞれで皆様方にコメントを頂ければと、そしてその後、よろしければ起草委員の方々からもコメントを頂ければと思っております。
本日は、御欠席の山口委員から御意見書を頂いておりますので、これも参考資料と同様に、各PC端末に格納しております。お目通しいただければと思います。
それでは、内容に入りたいと思います。前半として「財政総論」、それから「人口減少と不確実性の時代における総合的な国力の強化」、こちらでございます。御意見頂戴するときに、該当ページを御指摘いただきまして、財政総論とか、それから第Ⅱ章、それの何ページということをおっしゃっていただいて、その上で御意見のほうをおっしゃっていただければというふうに思います。
大体一応のめどとして、御発言は3分以内ぐらいでまとめていただきますと助かりますので、そうしたことでよろしくお願いをしたいと思います。早速、委員の皆様方からの御発言、御意見を頂戴していきたいと思います。
それでは、熊谷委員、どうぞお願いします。
〔熊谷委員〕すばらしい建議案をまとめていただきまして、誠にありがとうございます。何点か申し上げますが、私が必ずしも読み切れていない部分もあるかもしれませんので、もし的外れな指摘等があれば御容赦いただきたいと思いますし、最終的な御判断は全面的にお任せ申し上げます。
まず1ページ目の28行目ですが、修文案として「実質賃金の上昇が定着したか否かは依然として予断を許さない状況にある」という文章の方が良いのではないかと思います。それから、2ページ目の20行目、細かい点ですが、「海外投資やM&Aが」と、「M&A」を入れた方が良いのではないでしょうか。次に、2ページ目の15行目、16行目ですとか、3ページ目の8行目、9行目のあたりで、ここの書きぶりが、わが国は生産性にはあまり問題がなくて、専ら労働分配率の問題であるというトーンで書いていますが、これは事実関係としてやはり違うと思いますし、また、国民に対して間違ったメッセージを送ることになるのではないかと考えます。アメリカとの差で見れば、やはり労働生産性の差が大きく利いていますし、また、わが国は労働生産性の絶対水準が極めて低いので、そのあたりを含めて、ここは少し書きぶりを変えていただきたいと思います。
それから、3ページ目の26行目、人材という部分で、この後AI活用とか労働移動の話が中心に出るわけですが、例えば、AI時代の教育の在り方といった「教育」の話を是非ともしっかりと書き込んでいただきたいと考えます。
次に、10ページ目の1行目、2行目の危機管理投資等の新たな投資枠でございますが、ここはもう少し踏み込んで書いていただきたいと思っておりまして、やはり財政民主主義の観点からは、相当慎重に対応する必要がございます。歯止めをかけたり、費用対効果を検証したりするようなメカニズムを事前にしっかりとビルトインすることが鍵であるという点を書き込んでいただいて、例えば成長投資のリスク・リターンを誰がどう測定するのかですとか、失敗したときにやめるリスク管理の仕組みの導入ですとか、そのあたりのことまでできれば記載していただきたいと思います。それから、危機管理投資に関しては、この会合で申し上げましたが、やはり費用対効果をみて厳格なプライオリティーづけを行う必要があって、蓋然性がある程度高い分野で集中的に実施するべきです。くわえて、サプライチェーンの見える化等も必要となります。
15ページの17行目、18行目ですが、責任ある積極財政における「責任ある」の定義について是非踏み込んで議論する必要があるのではないかと思いまして、やはり数値目標、水準の話ですとか年限ですとか、そのあたりも考えるべきではないでしょうか。
それから、16ページの13行目、14行目のフローの指標でございますが、ここももう少し踏み込んだ書き方が望ましいのではないかと考えます。この会合でもフローの指標を軽視し過ぎないようにすべきだという意見が多数あったと認識しておりますし、何らかの問題があったときの是正措置であるとか歯止めを設定すべきだという意見があったという点なども是非とも書き盛り込んでいただきたい。
次に、25ページは若干細かい点ですが、25行目以降の農業の話の中で、輸出がこの部分では出てこなくて、49ページ以降で出てきますが、少し分散している印象がありますので、25ページなどでまず輸出の話をしっかりと書いていただきたいと思います。
それから、44ページの28行目ですが、国内投資については、企業は投資はしているのだが、これが海外投資とM&Aに流れていて、やはり国内の投資環境に問題があるということをしっかりと書くべきです。また、例えば中身で見るとIT投資ですとか非製造業の投資などが弱いという点などについても記載していただければと思います。
次に、46ページの4行目、5行目、ここは修文でございますが、「企業収益が」の後の「過度に」を取って、「株主還元ばかりを専ら増加させる構造についても」としていただいた方が良いのではないでしょうか。この修文をご提案するのは、総還元性向で見れば日本はアメリカなどと比べて決しては高いわけではなくて、日本はもともと還元していなかったものが、ようやく少しまともになってきたという、少な過ぎたものが正常化したと、そうした状態であるという認識に基づいております。
それから48ページのあたりで、中小企業に限らず、「新陳代謝」というキーワードがあまり出てこない印象を受けますので、是非とも入れていただきたい。
次に、49ページの1行目、2行目のあたりではないかと思いますが、恐らく「メザニン」がキーワードになると思いますので、その文言を入れることを御検討いただきたい。
最後に、その他で少し気になった点をざっと簡潔に申し上げますと、独立財政機関の話が建議本文にしっかりと書き込まれていないのではないでしょうか。それから、「強い経済」についてでございますが、これはあくまで民間の自律的な成長が鍵であって、経済と財政を対立構造で捉えるのではなくて、財政の健全性もやはり強い経済の一部であるという、そうしたニュアンスが必要ではないかと思います。また、総論の部分におけるキーワードとして、抽象度の高い概念である「見える化」の使用頻度がやや少ないのではないかなと感じました。そして、EBPMに関する記載も若干少ない印象を受けておりまして、これは個別の政策レベルだけではなくて、ある程度大きな政策のブロックなどについても政策決定過程に組み込む形で、EBPMを総論のところでもう少し強調していただきたいと考えます。
その他の点では、過去の会合においてガソリン補助の見直しの議論も出ていたと思いますし、給付付き税額控除は、小さく産んで大きく育てる形で、基礎インフラをしっかりと活用するべきだというご指摘もありました。それから租特・補助金はサンセット方式でやるということ。さらには、補正予算は必要であるとしても、ゆめゆめ当初予算で入れるようなものを入れるべきではないという、そのあたりのこともご無理のない範囲で、注釈なども含めて、是非とも盛り込んでいただければと思います。
私からは以上でございます。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
続いて、平野委員、どうぞお願いします。
〔平野委員〕ありがとうございます。細かい話は別途意見書を出させていただくので、少し総論的・マクロ的な論点についていくつか述べたいと思います。そのような理由から、社会保障の内容は意見書にまとめますので、この枠で5分ほど話させてください。
今回は本当に力作であると思います。日本の社会経済、あるいは国際情勢が歴史的な転換点を迎えている中で、今後日本の財政をどう運営するかということです。有事に備えたバッファーを持っておく必要があるということは、従来から言っていますが、今回特に、日本の限りある資源、これはヒト・モノ・カネ全部ですが、これを最適配分するのであるということを初めて言ったと思います。それによって生産性を最大化するということを基軸に据えた上で、従来言っていたワイズスペンディングにとどまらず、施策あるいは政策の優先順位づけや精査が必要であるということを随所に指摘しています。企業経営がそうであるように、何を目指すか、一種ビジョンを明確にした上で、そのために何を取って何を捨てるかというのを決めるのが、まさに国家経営における不可欠な行動原理であって、今回そこが明確に出てきたという点を高く評価したいと思います。
社会保障に関しては、簡単に言ってしまいますが、医療分野でアウトカム重視の評価や、包括払いへの転換を打ち出しました。それから、調剤薬局の量的規制にまで言及しました。また、概算経費率の廃止を提示しました。保険者機能の問題を提起しました。さらに、原則3割負担についても明確に打ち出したということで、踏み込んだ提言が盛り込まれています。いずれも財務省、我々審議会と言っても良いと思いますが、覚悟を示したものであり、こうした点について全面的に支持したいと思います。その上で、大きく3点ほど申し上げたいと思います。
1点目。高市政権が「責任ある積極財政」を進める中で、今回の財審が取り組むべき重要な課題としては、財政規律の在り方というのがありますが、現行案は具体性に欠けます。政権は、市場の信認を重視すると度々言ってきているわけです。この信認というのは、究極的には行動によってのみ得られるものです。現状、皆様御承知のとおり、金利あるいは為替の動向、つまり市場がウォーニングを発し続けるような現状下においては、制度的な枠組みによって、そうした信認を得るための行動を促す、または仕組みをつくることが、より重要になってきていると私は思います。
今回13ページの8行目に結構良いことが書いてありまして、「説明可能で信頼できる中期経路を示すことが重要」と言っているのは実に的を射た指摘であると思いますが、そのためにも財政目標の策定、それからその実現に向けた中期財政計画の必要性などを、より具体的に書き込むべきであると思います。IFIについても、皆様あれだけこの場で発言されているのですから、この文脈で書けば良いと私は思います。
2点目、政策手段の問題です。我々は、先ほど申し上げたとおりまさに歴史的転換点に立っていて、情勢は揺れ動いているわけです。静かな有事である人口減少も起こっているということなので、やはり政策を迅速かつ効果的に実行しなければならず、時間的な余裕はないということです。今回、小規模分散の非効率性と低生産性を指摘されました。これはとても良いことで、特に社会インフラ、それから農業、医療提供体制、中小企業分野は一番手をつけにくいところですが、ここについて、このコンセプトを明確に打ち出しました。
これはよいのですが、こうした分野の政策の実現手段として、従来、どちらかというと補助金などのインセンティブで誘導しようということでやってきました。結果的に、これは財政負担を増すばかりでなくて、非効率、低生産領域を温存する結果を招いてきたことを、やはり我々は反省すべきであると思うのです。そうした意味では、成り行きベースではどうしても政策目標の実現がおぼつかないような領域においては、これは最高裁判例の問題もあるのですが、公益的な観点から、義務化を含む規制的手法の活用をためらうべきではないと思います。例えば薬局の量的規制、医療機関の経営情報提出の義務化、それからマイナンバー付番義務化などが、典型的な例であると私は思います。
最後、3点目です。今回建議の中で少し漏れているのではないかと私が思うところがあります。それは、今回の骨太方針というのが非常に重要な指針となります。それに向けて、二つ大きなコンテンツがあると思うのです。一つは成長戦略会議で示される成長戦略、それからもう一つは社会保障国民会議で議論されている内容なので、ここについても是非どこかで触れていただきたいと思います。
第1に成長戦略に関しては、従来、官民計画って名前がついているのですが、明らかに官主導で策定されてきました。しかしそれは本意ではないわけで、最終的には民主導で推進していかなければなりません。そのためには投資のフィージビリティーをどう高めるかが、民間投資牽引型経済の実現の鍵です。したがって、民による投資の好循環を実現するためには、規制緩和などのいわゆる構造改革的な施策を通じて、民の期待、及び将来に対する期待を醸成する、これが重要であるという点です。
それから第2に、国民会議に関して、今しきりに議論されている給付付き税額控除ですが、対象者の絞り込みとインフラの構築は、我々財政の立場からも最も重要なポイントです。具体的には、ターゲットは働く中低所得者層に限定すること、それから、政策実現のための基盤として「ガバメント・データ・ハブ」を構築する必要があるということ、この二つは、是非お願いしたいと思います。
いずれにせよ、今回の建議は、緊迫化する国際情勢の中で、ようやく始動した経済成長のモメンタムを途絶えさせることなく、持続可能な日本の社会を実現するための財政運営の指針を提示するものでなければいけない、そうしたタイミングでの建議です。現行案でも十分パワフルであると思いますが、最後の一筆、リタッチを、よろしくお願いいたします。細かくは後ほど紙で提出します。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは、芳野委員、どうぞ。
〔芳野委員〕建議案、ありがとうございました。私からは3点に絞って発言したいと思います。なお、各論における具体的な修正案を別途提出いたしますので、建議に反映いただきたいというふうに思います。
まず1点目は、財政健全化についてです。6ページ17行目に、内閣府の中長期試算を引用し、債務残高対GDP比は着実に低下する見通しとしていますが、中長期試算は成長ケースでさえ、利払費が増加する下で、財政収支の赤字対GDP比が拡大するとも記載をしています。利払費の膨張が政策経費を圧迫しつつあることを踏まえ、財政運営の目標は、債務残高対GDP比ではなく、債務残高そのものを削減すべく、単年度の財政収支黒字化とすべきです。また、財政に対する市場の信認低下は、急激な金利上昇を招きかねないことから、中長期的な財政運営を評価、監視する独立財政機関を設置し、財政規律の強化に速やかに着手すべきです。
2点目は、人材希少社会における人材力の強化について触れたいと思います。3ページ18行目から4ページにかけては、労働生産性の向上が強調されていますが、今求められていることは、長時間労働に依存した職場風土を一掃し、労働時間短縮と生産性向上を同時に実現することです。その土台となる労働時間制度については、上限規制の強化や勤務間インターバルの義務化も含めた、働き方改革の前進と定着こそ必要です。一方で、長時間労働を招きかねない裁量労働制の拡大などは、労働生産性の低下を招くばかりか、過労死という恥ずべき言葉を生んだことへの反省が見られないもので、到底容認できません。長時間労働に依存した企業経営や国家運営は永続的なものとなり得ないということを、強く申し上げておきたいというふうに思います。
3点目は、中小企業の生産性についてです。48ページ1行目から9行目にあるような、生産性の低い中小企業への労働資源の集中が、生産性の高い企業の付加価値創出や労働投入に悪影響を与えるという見方は、価格転嫁が進まずに、生産性が低く評価されている現状を踏まえれば、一面的な分析と言わざるを得ません。労働資源の移動・集約を性急に進める前に、まずは適切な価格転嫁の徹底や、生産性向上に資する支援策を通じた中小企業の成長支援と、その基盤となる人への投資こそが重要と考えます。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは、木村委員、どうぞ。
〔木村委員〕起草議員の先生方及び財務省の皆様、建議の素案、力作であると思います。まとめていただいてありがとうございました。財政政策に関する政権の考え方が大きく変わって、御苦労も多かったとお察ししますが、内容はかなり充実したものになったと思います。特に今後の財政運営が、成長と金利の想定で楽観的になり過ぎないように、要所要所で警鐘を鳴らしたということは大事なことだったと思います。6ページで、足もとの債務残高対GDPの低下には低金利時代の金利ボーナスが寄与しているとか、あるいは13ページで、成長率と金利の関係には大きな不確実性を伴うと指摘したことは、これは金利上昇時代に欠かせない指摘であると思います。
その上でのコメントですが、危機管理、この成長投資について、総花的にすることなく、戦略的に絞り込んだ上で目標、道筋、政策手段を明確にするようはっきり求めたこと、19ページですが、これも大切なことであると思いますが、熊谷委員もおっしゃいましたように、リスク・リターンの第三者による客観的な判定とか、そうした、より厳密化したものも併せて盛り込んだほうがよいかなと思いました。
それからまた、いわゆる骨太を控えて、財政健全化目標の変更に関して申し上げたいのですが、15ページ17行目以下ですか、債務残高対GDP比の安定的な引下げを中核目標として明確に位置づけることは、これまでのプライマリーバランス中心の管理という段階から、新たな段階に移行することを意味する。これは非常に御苦労された表現であると思うのですが、「新たな段階」という表現がどういうことなのか。財政の健全化が進むのか、これはよいことなのか違うのか、いま一つよく分からないところがありますが、これ以上突っ込みませんが、財審の建議である以上、やはり財政健全化の数値目標、目安とかは、何らか具体的に本来書き込みたかったという思いはあります。昨年の春財審の建議では、債務残高対GDP比とかプライマリーバランスの黒字水準で、具体的な数値の目安のようなものを盛り込みました。こうした具体的な目安、目標とかがなければ、やはり債務残高対GDP比の安定的な引下げと言っても、単なるスローガンになりかねないというところがあります。
熊谷委員もおっしゃっていましたが、やはり責任ある積極財政の、この「責任」の具体的な中身、これをある程度明確にしておいた方が良いと思います。難しいかもしれませんが、債務残高対GDP比の引下げとか、プライマリーバランスの水準で具体的な目安、目標設定を求める、少なくとも意見もあったという表現を脚注とかで盛り込めないかどうか、御検討をお願いしたいと思います。
また、表現上のことなのですが、財政総論、冒頭で日本経済の構造変化に関する記述、重要なことで、かつ的確な内容であると思いますが、これが長々と続いて、なかなか財政の話にたどり着かないところがありまして、構造変化の話に入る前に一言、今後の財政運営の在り方を述べる際に、その前提となる日本経済の構造変化を指摘するというようなことを一言冒頭に入れておけば、より読みやすいのかなと思いました。
それからもう一つ、あとタイトルですが、「人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営」、少し長いというのですかね、何を言いたいのか、読むほうは混乱します。やはり4つの要素を一つの文に押し込めるというのは少し無理があるのではないかなと、私個人的には、この「国力強化」というのは言わずもがななので、必要かどうか疑問なのですが、これ、落とすわけにもいかないでしょうから、例えばメインタイトルとサブと分けて、メインタイトルは「人口減少期の国力強化と財政運営」とかして、サブタイトルに「不確実性の時代に備えて」とか、これは例えばですが、何か分けると少しすっきりするかもしれないなと思いました。
また、すみません、最後に補正です。総理は、補正予算の編成、検討する方針を表明されましたが、これは原油高から国民生活を守る対応が必要なのでしょうが、予算規模が過大になれば、マーケットが警鐘を鳴らしているように、長期金利の上昇とか円安とか、そうした問題も生じることは明らかなので、それに注意を促すような文言というのは、その他とか、そうした項目で盛り込んでもよいのではないかと思いました。
申し上げたことは、いずれも最終的に起草委員の先生方にお任せしますが、御検討いただければ幸いです。
以上です。
〔増田分科会長代理〕続きまして、國部委員、お願いします。
〔國部委員〕起草委員の先生方並びに事務局の皆様におかれましては、この春の財審における様々な議論を踏まえて、大変充実した建議をおまとめいただきまして、誠にありがとうございます。
前半部分について、私からは3点申し上げます。
1点目は、我が国の財政に対する市場の信認確保についてです。足もとでは長期金利が2.8%に達し、およそ29年半ぶりの高水準になっています。様々な要因がありますが、我が国財政への不安を反映していることは明らかであり、これを市場からのメッセージとして重く受け止めて、信認確保に努めるべきです。例えば、今般見直される財政目標に対して、市場の信認を確保するためには、建議に記載されたとおり、債務残高対GDP比の安定的な引下げに向けた「説明可能で信頼できる中期経路」を示すことが重要です。また、複数年度で別枠管理する項目が増え、予算の在り方が一層複雑化していく中で、その適切性や効果の客観的な検証を行い、市場関係者に明示していくことも必要です。
こうした点に関連し、この春の議論では、多くの委員の方から独立財政機関の設置を求める声がありました。建議素案では、私が見たところ、18ページのコラムにおけるEUの事例紹介にとどまっております。我が国財政に対する市場の信認を得るためには、独立財政機関の必要性について、建議本文に明示すべきだと思います。
2点目は、効率的な医療提供体制の早期実現についてです。建議素案の37ページ以降、効率的な医療提供体制への転換に向けた施策が示されており、医療分野の情報基盤の整備の必要性も指摘されています。これらの施策はかねてより指摘されており、コロナ禍を経て改めて重要性が認識されたにもかかわらず、なかなか実現に至っていないのが実情です。平時における利便性の向上や医療費の適正化といった効果のみならず、パンデミック等の有事における円滑な医療提供と追加的な財政負担の抑制の観点からも、早期実現を図る必要があると思います。ついては建議本文においても、情報基盤の整備を含め、効率的な医療提供体制の早期実現の必要性を一段と強調した書きぶりにしていただきたいと思います。
3点目は、成長志向の中小企業への支援手法についてです。建議素案48ページ30行目以降に、「中堅・中小企業の成長投資への支援として、渡し切りの補助金ではなく、金融支援を活用すべき」と記載されています。しかし、金融機関として現場の声を聞く中では、補助金は一定程度有効であり、必要とする中小企業の声があるのも事実です。中小企業の支援の在り方については、第2回に提出した意見書で述べた通り、補助金か金融支援かの二者択一ではなく、幅広い支援メニューを揃えることが望ましいと思います。したがって、建議素案においては、中小企業の実態を踏まえ、「補助金のみならず、金融支援を含め、企業の成長段階に合わせた適切な支援手法を活用すべき」といった記載に変更していただければと思います。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、堀委員、御発言お願いします。
〔堀委員〕ありがとうございます。取りまとめ、お疲れさまでした。全体としては本当にすばらしい内容であると思いますし、これまでにない丁寧、かつ踏み込めなかったところまで踏み込まれた議論ができているというふうに思っております。事務局の皆様の労力に対して改めてお礼を申し上げます。ただ、全体的な流れは賛同しているのですが、今回の建議で挙げられた議論の中で、若干ですが検討したほうが良いかなというところだけ述べたいと思います。
DX、AIの普及について全体的に多く書かれているのですが、AIの普及とAXが同じ意味で使われている場合とそうでないときなどに表現に少し揺れがあるように感じます。DXがデジタル化で日常生活が変わるようなことであると同じように、AXも同様かと思います。細かいところですが、どのような意味で使われているのかによって変わると思いますが、表現を確認した方が良いように感じます。あと社会保障負担率という用語が使われているのですが、これもよいと思うのですが、ここも少し丁寧に、脚注とかで説明をしたほうが良いのではないかなというふうに思います。
それから、2ページのところで26行目「社会保険料負担の抑制を図る仕組みが制度的に構築されている」、これはそのとおりなのですが、丁寧にここも説明したほうが良いかなというふうに思っています。社会保険料負担の抑制を歳出改革によって促すような仕組みになっているのは事実ですし、そこを記載するのは全く問題ではないと思うのでよいと思うのですが、昨今、子ども支援関係の拠出が「独身税」とも言われることもあったりしていていて、趣旨と違う間違った表現で注目されてしまうこともあるので、ここはとても丁寧に記載をしたほうが良いのではないかと思います。
ちなみに、制度設計の際にも注意事項としてお伝えしたと思うのですが、こども家庭庁のホームページを見ると、こども支援金の説明で、これは何かと、「社会保険料です」というふうに記載がされています。これは本当なのかどうかというところで、社会全体で支える仕組みであって、内容そのものには私も賛同していますが、保険料と言えるかどうかは疑問の余地もあるかと。また、医療保険の保険者を通じて徴収されるというのも、これも今の現実を考えると妥当であるとは思うのですが、性質を考えると社会保険でもなく、税でもなく、目的税に多少近いかもしれないですが、そうしたファジーなところもあるものです。そのこと自身が間違っているというのではなくて、何が言いたいかというと、先ほど言った、社会保険料負担を抑制するとか社会保障負担率という用語を今回出されていますので、そのときにこども支援金は一体何としてカウントされるのかということが将来的に言われてくる可能性があると思うので、これはこれで別のもの、新たなカテゴリーとしてちゃんと位置づけられているということを明確にしたほうが良いというふうに思います。ただ、そうはいっても実際、社会保険の医療保険者を通じて徴収しているので、社会保険方式で算定しているところもありますので、そこのところも含めてどういうふうに説明するのかというのは、今というよりは、今後引き続き検討していくところがあるのではないかなというふうに思います。
それから、少し細かいところはまた別に戻しますが、7ページの19行目、これは配付資料の参考資料の2―6を見たときには特に何も思わなかったのですが、この名前の特定疾病制度というと、実は介護保険にも同じ名前の制度があります。少し混乱してしまうので、恐らくここは……。
〔増田分科会長代理〕堀委員、すみません、今御指摘いただいているのは、後半で議論する社会保障のほうではないかと思うのですが。
〔堀委員〕すみません、前半と一緒にしてしまいました。では、後半のほうはここまでで、前半のところで止めます。AXとDXのところが前半でした。すみません。では後半で、また手を挙げます。
〔増田分科会長代理〕分かりました。では、今のところ、続きは後半のほうでお願いします。
〔堀委員〕すみません。ごめんなさい。
〔増田分科会長代理〕それでは続いて権丈委員お願いします。
〔権丈委員〕ありがとうございます。
建議案の取りまとめ、ありがとうございます。今回、地域医療連携推進法人について、医療機関の小規模分散への対応や、機能分化・連携を通じた効率的な医療提供体制の構築という観点から、比較的丁寧に位置づけられているのは大変重要であると考えております。財政総論において、人材希少社会の下で労働供給制約が強まる中、マクロ的な人材配分の偏りをできる限り是正し、労働生産性の向上と人材配分の適正化を一体の課題として進めていく必要性が説かれておりまして、その流れの中で38ページにおいて、ミクロの取組として、医療・介護分野における地域医療連携推進法人の活用が位置づけられているものと理解しております。
その際、地域医療においては、関係者間の顔の見える関係に基づく連携が重要であるという点を改めて強調しておきたいと思います。医療機関の機能分化・連携が経済合理性を持つこと自体は、以前から繰り返し論じられてきました。しかし実際には、競争関係にあった主体間の調整や役割分担には困難も伴い、そうした壁を越えるためには、主体間の協調的な関係性の構築が不可欠であることも長年指摘されてきたところです。地域医療連携推進法人は、日常的な人間関係の積み重ねを通じて、そうした顔の見える関係を形成・維持する制度的な基盤となり得ます。実際、連携法人の理事会や社員総会が、地域医療構想調整会議に類似した機能・役割を果たしている地域も見られます。したがいまして、例えば38ページ17行目の医療の機能分化・連携の強化を、「顔の見える関係に基づき、医療の機能分化・連携の強化」のように修文することも、是非御検討いただければと思います。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、小黒委員どうぞ御発言お願いします。
〔小黒委員〕ありがとうございます。これだけの大量な資料というか、本文を短期間にまとめていただいた起草委員の先生方とか事務方の尽力に感謝申し上げます。基本的に内容には賛成なのですが、いくつかコメントさせていただきます。
財政総論のところで、これ、最初のところは、木村委員と少し同じところを実は思っていたところがありまして、今後、骨太方針の2026に向けて、やはり最大の焦点になるのが財政健全化目標の取扱いということではないかと思います。政府内部では、単年度の基礎的財政収支の黒字化目標に代えて、複数年度でのストックの指標、いわゆる債務残高GDP比の安定的引下げ。これは当然必要なものなのですが、それに変えていくという動きもありますが、やはりフローの目標も重要なので、木村委員からも指摘がありましたように、財政総論15ページ目の脚注などに、例えばですが、ストック目標の導入をもってフロー目標の規律を後退させることがあってはならず、市場の信認を確保するため堅持しなければならないというような意見があったということを記載いただけないかなと思います。
それから、少し細かい話で、全体で15個ぐらいあるのですが、細かいところは全部、後で送らせていただきますので、4つぐらいに絞ってコメントさせていただければと思います。
最初の1ページ目のところで、最初は気づかなかったのですが、少し今見ていたら15行目のところに、「このような需給構造の変化」云々と書いてあって、おおむね2%を超える水準で消費者物価上昇率がなっているというようなことが書いてあるのです。これは少し実は、御存じのとおり、足もとでは、例えば全国のCPIとか、コアCPIとか、これは2%下回っていますから、少し誤解を与える文言であると思うので、例えば最後のところを「している」ではなくて、「してきた」とか、何か過去形のような形に変えていただくか、あるいはコアコアCPIのようなものに変えていただくか、少し厳密性を担保していただければなと思います。
それから、少し細かいのは飛ばして、7ページ目の6行目から8行目のところなのですが、長期金利の上昇により、令和7年予算に係る同試算における1%上振れというところで、これは非常に私も重要な問題であると思っていますが、ただ少し言葉が強過ぎて、思いがあり過ぎるのであると思うのですが、「金利上昇リスクが顕在化した」とはっきり書かれてしまっているところがあるので、ここはもう少しトーンを弱めて、「金利上昇リスクが顕在化しつつある」程度ぐらいにとどめた方が良いのではないかなと思います。当然、御存じのとおり、金利が上昇したとしても、国債の償還年限は10年ぐらい、少し長いので、利払費に反映されるのは時間があるということ。後ろにも書いてありますが、そことの関係の整合性を取るためにも、その方が良いのかなと思います。
また、次がまた大きい話なのですが、10ページ目の15行目から19行目のところで、ここも実は熊谷委員と同じなのですが、新たな投資枠の創設に当たっては、債務残高GDP比の安定的低下を目指すと、さらっと書いてあるのですが、やはりもう少し書いていただいた方が良いのかなと。例えばですが、新たな投資枠の創設に当たっては、財政民主主義の観点から、対象分野・期間、それから事業評価指標、あるいは終了条件とか、あるいは財源の在り方を明確にした上でというような、例えばそうしたワードを入れていただいたらどうかということです。
それから、次のところも少し大きな話で、20ページ目の1行目から6行目のところで、これは平野委員からあったところとも関係するのですが、これまで以上にコンパクト・プラス・ネットワークの観点を持つ必要があるということで、これは、要は集中と選択の話をもう少しやっていくということであると思うのですが、であるとしたら、もっとはっきり書いていただいた方が良いのではないか。例えばこの後に、「反映させる必要がある」の後に、その際、例えば危機感を持つためにワードとして、実は東京も2030年ぐらいからもう人口減少になるという話もありますので、そうした予測があるということや、人口密度と生産性・経済成長には正の相関があることも踏まえ、また社会資本整備や規制改革の活用も含め、空間的な集中と選択を進めるべきであるとか、そうしたようなことをはっきり書いていただいた方が良いのかなと思います。
それから、最後なのですが、農業とかもあるのですが、これは後で出させていただいて、41ページ目のところで、これは前の建議書のときにも実は申し上げたのですが、8行目から9行目のところで「AIを中核に据えた、患者本位の医療提供体制の構築が期待される」というところを、誤解を与えないために、気持ちは分かるのですが、例えば「AIを有効に活用し、医師、看護師等の専門職による判断や、対人ケアを補完する形で」というのをワードで入れていただいて「患者本位の」というふうにすれば、誤解を与えないのかなと思います。
取りあえず、以上になります。細かいところは後で出させていただきます。
〔増田分科会長代理〕それでは、横田委員、お願いします。
〔横田委員〕ありがとうございます。御起草、ありがとうございます。私からは3点ほど、各論のところになりますが、意見申し上げます。
まず、28ページ目から地方財政とか、地方の行政の人材のところです。地方行政の効率化に当たるところですが、何か行政の人材が減って、いきなりインフラマネジメントをきちんと広域でやってこうと飛んでいて、せめて行政が少人数になったとしてもきちんと回る仕組みを取りましょうというような文章を入れてあげてほしいなというふうに思っています。実際、本日ちょうど34次の地方制度調査会の総会が朝あったのですが、これまで結構出てきているのが、やはり人数が少なくなっていく中で事務量は増えていて、複雑化していてというところもあるので、事務量を抜本的に減らしていくとか、そうしたこともしつつ、DX、AXをやっていかなければ回らないという話が出ていますので、そうしたものを入れた上でかなと思っています。入れる場所としては、12行目の「また」の「インフラ」の前のところに1文言入れる、あるいは20行目の「こうした観点から」の前に、前提としてきちんと業務の見直しも行った上で、国、都道府県、市町村間の役割分担の見直しをするか、どちらかには入れられるのではないかというふうに考えています。小黒先生が先ほどおっしゃっていた選択と集中、やはりお役人の仕事にも重要かなというふうに感じている次第でございます。
2点目は、31ページ目の文化施設についてのところです。これはもう皆様も御覧になっていると思う、結構分かりやすい話題なので、新聞もSNSも結構反応された案件かなというふうに思っているので、丁寧にもう少し書けないかなというふうに思っているところです。今の書き方でいうと、当該割合というのが何を指しているのかが分かりづらかったりとか、例えば法人全体の収入の65%と、間違えて読んでしまう人が出てきたり、本来だったら恐らく展示に関連するところの65%という意味合いであるというふうに思うのです。法人全体というのも、1法人なのか、複数法人、要は文化施設に該当する法人全体の65%とか、少し記載を足さないと、皆様何か、65%自己収入じゃなかったら統廃合されるぐらいの勢いでSNSでは盛り上がっている印象を持ちましたので、本来は、運営費交付金がこれぐらいあって、実は展示収入というのは3割なのだが、その3割というのが実力の見せどころであると、文化施設の。ここが自己収入に反映されて、価値があればお金を払ってもらえるのだから、あなたたち価値を発揮してよというところまで書けたほうが親切なのかなというところです。
最後34ページ、もう本当にこれは、私学の、大学の規模の適正化に関するところで、10行目ですか、私、これ、大学の規模の適正化と見てしまうと、個々の大学の規模に読めてしまうので、やはり何か「(総量)」とか入れないと、少し誤解されてしまうかなと。若干ラジカルな話ではあるのであれですが、明確化したほうが良いと思います。
全般的に、参考資料とセットで読めば何ら問題がないのですが、文章単独で読むと誤解を受けてしまう面もあると思いますので、その点で指摘しております。よろしくお願いします。
〔増田分科会長代理〕それでは、神子田委員、お願いします。
〔神子田委員〕起草委員の皆様、ありがとうございました。時代の変化と課題を的確に捉えて、それを明確にして、かつどう具体的に対応していくかというのが非常に分かりやすく書かれていたと思います。私はジャーナリストの観点から、ここをもう少しやったほうが分かりやすいのではないかとか、分かりにくいところとかを、学者やエコノミストの方のように専門知識のない、一般国民の知的レベルの観点から言わせていただきたいのですが、平野委員がすばらしい前例をつくっていただいたので、私も後半の時間を返上して、前半少ししゃべらせていただきたいと思います。
一つ目は、大体分かるのですが、2ページの24行目です。「未来への投資」とあるのですが、ここはやはり国内というのをもう一回強調したほうが良いのではないかなと、一つ思いました。
それと、少し分かりにくかったのが、3ページ目の上の労働分配要因、これは結局、企業がどれだけ賃金を払うかという話なのですかね。そこは少し言葉が難しいなと思ったのと、その下の「我が国では家計が直面する」云々かんぬん「きたため、交易条件悪化のコストを家計が負担し」という、この「ため」という因果関係が少しよく分からなくて、ここをもう少し分かりやすく説明してほしいなというふうに思いました。
また、3ページ目の最後の「単に労働投入量の増加を図ることが重要なのではなく」という、何か上の文で人口減少しているからもう労働、増加ができないと言っているのに、ここは要らないのではないかなというふうに思いました。
そして、7ページ目の債務残高対GDP比の話が出てきて、例えば16行目から17行目で、この比率が高いほど大きくなるというのは、別に債務残高が大きくなったら、金利の負担、大きくなるのですよね。でも、ここであえて債務残高対GDP比ということを出すのはどういうことなのかと。恐らくそこを言いたいからこう書いていると思うのですが、この金利との関係が非常に少し分かりにくくて、もう例え話で、例えば日本は巨額の債務という重い荷物を背負っているが、GDPを成長させて体力を増強すれば、荷物の負担の度合いは相対的に軽くなる。しかし、この荷物は金利が上昇すればそれだけ重くなる。だから金利の上昇に備えて体力を強化するとともに、荷物そのものの重さができるだけ増えないように努めるべきであるとか、何かそうした分かりやすい例え話をしてくれると、もっと分かるかなと思いました。
それと、あと10ページ目16行目の「全体としての債務残高」というのも、この「全体として」の意味が少し曖昧で、ほかの財政需要も考慮してとか、後に書いてあるのですが、少し何か、繰り返してもよいから、分かりやすく書いてもらいたいなと。あと10ページ目でいうと、7行目の「債務残高対GDP比やプライマリーバランスの指標との関係においても」、これも年度ごということですかね。何年にもわたってということに対する対比として書いてあるのかなと思って、年度ごとだったら、そう書いてもらいたいなと思いました。
また、先ほどから出ている新たな段階の話なのですが、私たちずっと財審でプライマリーバランスを重視してきたのですが、14ページの最後から15ページの、何とかする構造が四半世紀にわたり継続してきたと書かれているところで、何かいけないことをしてきたようなニュアンスをすごくここで、まず感じるのですよね。それで、少し全体的にプライマリーバランスについて、後退し過ぎではないかというか、引き過ぎではないかというふうに思って、先ほどから出てきた新たな段階に移行することを意味するというのも、何か今まで悪いことやってきたのだが、これから正しいことをやっていくぞといった、そうしたニュアンスをすごく感じて。プライマリーバランスがすごくないがしろにされて、この10年財審やってきた私たちは何だったのだといったような、すごい何か喪失感の大きい表現になっていると思います。恐らくメディアも毎年毎年、プライマリーバランスは駄目だったとか、よかったとか、期限が延びたとか一生懸命捉えてきて、結構いきなりのこの方向転換はどうかなと思いまして、もちろん大事にしているということは書かれているのですが、16ページの13行目からフロー指標について再整理が必要であるというのは、別に決してフロー指標を捨てているということではなく、それも大事にしていくということなので、何かその辺の書き方を、決してプライマリーバランスは捨てるわけではないという。
もちろん私自身、複数年度で見ていくとか、そうしたより柔軟な考え方がこれからの日本の成長にとって大事であると思うので、そこを反対するわけではないのですが、中長期的な健全目標を達成するためにも、やはり単年度ごともしっかり見ていくということを強調するような書き方をしてもらいたいなと思うのです。だから、例えば14ページの17行目の「債務残高対GDP比の低下に向けて」という、これもやはり中長期的に低下させていくために。つまり、中長期の目標はきちんとやると、一方で単年度も一応見ていくというようなことで書いていただければと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、田中委員、お願いします。
〔田中委員〕ありがとうございます。田中です。まず、本当にタイトなスケジュールの中で、多様な意見をすばらしい案にまとめていただき、起草委員の先生や事務局の皆様に御礼を、感謝を申し上げます。
私も、まず最初のタイトルのところなのですが、木村委員もおっしゃっていましたが、いよいよ人口減少時代で国力の強化と財政運営だなと、これを聞くと本当にまさにそのとおりで、読む人にも冷静にこのテーマに向き合おうというふうに思わせてくれるものなので、この「不確実性」というのが、これまでも時代の転換点であるといろいろ警鐘を鳴らしてきて、いよいよこうですよということが伝わるとよいなと思ったので、先ほどのようにサブにするのか。タイトルが長いと、新聞等で記事になるときに難しいかもしれないので、検討してもよいのかなというふうに思いましたが、メッセージ性高く記していただいたと思います。
全体として、財政総論の2ページ、3ページ、4ページのこのあたりで、今回、成長戦略取られる中で、財政の透明性と、効率化には社会からの注目が集まりますし、公金の使途の見える化、これは納得感があるかということですとか、あと無駄の徹底排除がなされるかとか、あと効果の検証、これはEBPMの厳格化というのが大切であるという認識も高まると期待をします。新しい政策に取り組む際にはEBPMは極めて重要で、特に効果の予測や検証のデザインというのが最初から組み込まれないと、成功の成否が明確になりませんし、効果が出ない場合にも、すぐに撤退や修正も必要ですので、特に初期データの収集ですとか、こうしたところに力を入れるということが問われているので、この部分の趣旨を知っていただけるとよいとに感じたところです。
各論のところでは、まず34ページの高等教育のところなのですが、これもやはり、大学が各地域、全国でどんな人材を育成していくかというところでは、非常に産業界との連携で、地域を支える人々がいなくなっては困るから改革しましょうということを言われ、それに恐らく今一生懸命チャレンジをされていると思いますので、産業界との連携とかそうした言葉が入ると、皆様の、この建議をもって行動指針にもなるような流れができるのではないかなというふうに期待をします。
続いて、42ページの介護のテクノロジーのところなのですが、これもAIとかAXというのは事業者側の流れになるので、ユーザー側としては介護ロボットとか、働き方とか生産性が高まるとか、そうしたこともあるので、ロボットという言葉を入れるかどうか。ここには入っていなかったので、ユーザー側に認知が高まるような表現があってもよいのかなと思いました。
最後、50ページにコンテンツの海外需要開拓があるのですが、ここは内閣府の知財事務局等がいろいろ活動する中で、成長戦略で20兆目指していますし、ここはかなり、流通のプラットフォームを拡大したりですとか、海賊版の対策は書いてあるのですが、次代を担うクリエーターを育成してグローバル人材を育てて、新たないろんな世界の市場を狙っていくというようなことの計画が立てられていると思いますが、漫画に終始しているところがあったので、もう少し広い視野であることを示せたらと思います。最後のデジタルプラットフォームも、漫画のアクセスのプラットフォームだけではなく、官民連携のプラットフォームでコンテンツを、日本の国力を打ち出す装置として形成するというふうなことが意図としてはあると思っていますので、もう少し広い範囲の言及もあってもよいのかなというふうに希望するところでございます。
以上、よろしくお願いします。
〔増田分科会長代理〕それでは、広瀬委員どうぞ。
〔広瀬委員〕ありがとうございます。起草委員の皆様の御苦労の跡が節々の表現に表れていて、皆様の多様性と団結力のたまものかなと感じています。この席では一言だけ申し上げたいと思います。
今最も重要な課題は何かということですが、日本は賃上げと物価の好循環を通して、経済の活性化・再生を図ろうということで、ここ数年、官民、大企業、中小企業も含めて、みんなで努力し、ようやく成果、つまり歯車が回ってきたわけです。そこで発生したのが今回のイラン戦争、中東危機なわけです。したがって、今重要なのは、回り出したこの歯車を止めないことが非常に大事なのではないか、是非政府はあらゆる政策を動員して、ここまで来た良い流れを何とか維持していただきたいと思っています。
先ほど芳野委員、國部委員からも話がありましたが、中小企業についてです。中小企業は御承知のとおり、今まだ賃上げ進行中でありまして、まさに今回の中東情勢が、もろに影響を受けているわけです。したがって、中小企業の賃上げのモメンタム、あるいは投資意欲を何とか維持できるよう考えていかなければいけないのではないか。そうした意味で、今回も財政の健全化・再生と、強い経済、特に、ここ数年回してきた歯車を回していくという観点で、是非政策を進めていただきたいと思います。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは宮島委員、御発言ください。
〔宮島委員〕宮島です。すみません、少し電波の状況や周りの環境がいま一つなので、後半の部分もまとめてお話しさせていただくことをお許しくださいませ。できるだけ、今までの方とダブりなくお話ししようと思います。
今回の財審では、特に人口減少時代の中で、若い人材の配置も偏っているということなどの資料も示されました。私、やはり将来にわたるこの人材の偏りについて、かねてから非常に課題であると思っておりましたので、今回、32ページ、「関係府省における人材需給分析を統合し、我が国の人材政策の前提として俯瞰的に示していくことが求められる。」と書いていただいたのは非常にありがたいことであると思っております。ありがたいことなのですが、今読み上げた文章が1回で少し頭に入ってこない感じかなと思っていて、さらに、概要にもそのままその単語が書いてあるのですが、もう少し分かりやすくできないかなというふうには思います。例えば、人材がどの分野にどのぐらい求められているかの将来にわたる全体像を示すとか、もちろん全部が示されるわけではないので、こうやって「俯瞰的」と書いてあるかもしれませんが、概要として書くにも言葉が難しいので、何らか、もう少し分かりやすくならないかなと思います。
この流れでなのですが、社会保障の医療のところでは、「職種別給与の見える化」の必要性が書かれています。ここの部分、やはり、しっかりとデータを出すべきというところで話が終わっている感じがします。ただ、データをしっかりと職種別に見た後には、これまでもみんなで議論してきた必要なタスクシェアですとか職域を考える上でも、このデータというのは重要なのではないかと思いますので、そうした方向性のことも少しこのあたりに足せればよいと思いますが、いかがでしょうか。
それから、後半、社会保障の分野です。まず、総論の2ページから4ページあたりというのは、恐らく、担当記者が読んでも、かなり難しいのではないかと見えます。もちろん、これは歳出の水準をどういうふうに考えればよいかという非常に専門的な話なので、丁寧に詳細に書いてあるということは分かるのですが、もう少し分かりやすくできないかなというふうに、ここは御検討いただきたいと思います。特に社会保障費全体の管理に関しては、今回、いわゆるインフレの時代になってきて、新たな考え方を見いだす必要性があるということには同意します。具体的な手法についてなのですが、かねてより社会保障費に関しては、その伸びをGDP成長率の一定、どの関係で示すとか、様々な議論がされました。ただ、平成8年度の予算を見ると、例えば医療では診療報酬の高い改定があったのですが、あったにもかかわらず、伸びに関しては、名目GDPの成長率の見込みを下回りそうであるということになっていまして、議論してきた今までの状況が、令和8年度などインフレがある関係で状況が変わってきたものもあるのかもしれないというふうに思いました。やはりGDPで見るのがしっかり押さえになるかということが分からないのであれば、今回書いていただいたように、社会保障を国民に伝わりやすく、社会保障負担率ということを丁寧に注記でも書いた上で、それの引下げを目指すという考え方、今回の示し方はよいのではないかと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、後半の部分に一部発言もありましたが、前半は以上にして、起草委員の皆様から何かここでありますか、それとも後半へ行って最後に…。
土居委員、何かありますか。
〔土居委員〕まとめて言います。
〔増田分科会長代理〕では、まとめてにしましょうか。最後に起草委員の方に御発言いただくということで、このまま後半戦に移りたいと思いますので、それでは、御発言をいただきたいと思います。
それでは後半戦も、熊谷委員から、どうぞよろしくお願いします。
〔熊谷委員〕ありがとうございます。
社会保障費全体の制度の在り方については、前回の分科会における私を含む多くの委員の発言も踏まえて、社会保障負担率を引き下げるという方針が示されました。制度のための指標として何を用いるべきかについては複数の意見がございましたが、私は社会保障負担率を活用する考え方に強く賛同いたします。
社会保障負担率は、賃上げを軸とする経済全体の動向と社会保障改革による保険料負担の抑制の双方を反映するものであり、国民にとっても、現在、どの程度の社会保険料負担が国民全体に課されているのかを端的に、かつ、分かりやすく示す指標であることは間違いありません。
その上で最も重要なことは、社会保障負担率を確実に引き下げていくことです。社会保障費は、デフレ期において、経済成長を大きく上回るペースで拡大し、非効率な部分が数多く温存されております。現行の社会保障制度を前提に、改革余力を残したまま負担を高止まらせることは断じて許されません。確実な引下げを実現するためにも、具体的な数値目標と年限を明確に掲げるとともに、その達成に向けた社会保障改革の具体的な改革項目について、工程表を改めて作成すべきです。その旨を建議にも盛り込むよう、起草委員の先生方にも、私から強くお願いをいたします。
そのほかの点については簡単に申し上げます。11ページの1行目あたりですが、医療法人に関しては、例えば理事長職に関する規制改革等を実施するべきだという観点から、「ガバナンス」という文言をキーワードとして入れていただいた方が良いのではないかと考えております。
それから13ページの16行目、保険者機能でございますが、ここも恐らく「ガバナンス」がキーワードであり、この会議の中でも、ガバナンスコードをつくるような議論も出ておりましたので、そのあたりを記載していただきたいと考えます。
そのほかの点は、ざっと申し上げます。今から申し上げるような要素を盛り込んでいただきたいと思いますが、私が見落している可能性等もございますので、最終的な御判断はお任せいたします。
まず一つは、マイナンバーの全預金口座に対する付番の義務化が書かれていないのではないかと思いました。
2点目として、就労年齢の延伸でございますが、極めて重要なポイントであり、労働市場改革とセットで、未病であったり、予防であったり、もしくは健康寿命の延伸というようなことを書き込んでいただいた方が良いのではないでしょうか。
3点目が民間保険の参入の促進の問題、4点目として、かかりつけ医の実効性の向上に向けた具体的な施策、5点目として、新たな地域医療構想で、ここは規制的な措置も含めて、しっかりと国が中心となって行うことが肝要です。そして最後に6点目として医療・介護に関しては、機能分化と連携が鍵であるという点を、是非とも強調していただきたいと思います。
私からは以上です。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕それでは続いて、芳野委員、どうぞお願いします。
〔芳野委員〕ありがとうございます。社会保障制度について、2点申し上げたいと思います。
24ページ8行目、(2)の担い手の確保等では、介護現場の生産性向上と賃上げの好循環について記載されています。医療・介護は国民の生命と生活を支える基盤であり、単なるコストとして、抑制の対象とする考え方は適切ではありません。業務の効率化や負担軽減に資するDXやICTの導入は重要ですが、医療・介護の人の手によるサービス提供を本旨とし、質や安全性の確保が重視される分野です。このため、DXやICT導入を人員配置基準の柔軟化につなげるべきではありません。労働生産性の指標のみで他の産業と単純に比較することは適切ではなく、分野の特性に応じた評価の在り方を検討すべきと考えます。
また、医療、介護、障害福祉、保育などの分野が魅力ある職場となるよう、更なる処遇改善施策の実施が必要です。とりわけ2027年度(令和9年度)の介護報酬改定では、賃上げ、物価上昇に対応する財源を確保し、更なる処遇改善を通じた人材確保を行うべきと考えます。
以上です。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございます。それでは、木村委員、お願いします。
〔木村委員〕ありがとうございます。
社会保障の方向性に関してはおおむね賛成で、その上で、総論に関して簡単にコメントしたいと思います。総論を一般の国民に近い観点から読むと、最初の1ページの11行目で、高齢化の進行などで社会保障給付費は継続的に増加し、負担は将来世代への先送りが重ねられていると指摘されて、これだけ読むと、負担の引上げが恐らく必要なのだなというふうに受け取れるのですが、確かにその認識は正しいと思いますが、読み進めていくと、2ページ目の4行目で「社会保障負担率を着実に引き下げていく必要がある。」というような表現が出てきて、負担は上げるべきなのか、下げるべきなのか、一般の人、読む人によっては戸惑うこともあるかもしれないと思いました。実際、どちらも正しくて、インフレ時代は現役世代の可処分所得を増やす必要があって、そのために社会保障負担率を下げる必要がある。負担率を下げるには医療・介護を中心とした社会保障制度改革を着実に進めることが必要であり、社会保障制度改革が進めば、給付が効率化されて、最終的にというか、結果的に将来世代への負担の先送りもある程度、効果が見込めるのではないかという、そんなロジックのような気がします。こうしたロジックであるとすれば、何か補うような表現があれば、読むほうも分かりやすいのではないかなということは考えました。
社会保障制度改革の重要性って幾ら強調してもし過ぎることはなくて、今回の建議でも70歳以上の患者の自己負担割合、現役世代と同様に原則3割とすべきで、その実現に向けた具体的な道筋を明確に示すべきと提言されていますが、患者に負担増を受け入れてもらうには、やはり医療機関の経営改革というのは欠かせないし、これが前提になると思います。
8ページ以下の(2)保険給付の効率的な提供で挙げられている①効率的な医療提供体制の構築などはどれも重要な内容ばかりなので、こうした改革に関しても、実現に向けた具体的な道筋を明確に示す必要があるというような、これに類した、そうした明確な表現もあってもよいのではないかなと思いました。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは國部委員、どうぞ。
〔國部委員〕社会保障について、建議の方向性に賛同しますが、1点だけ申し上げます。建議書11ページに記載されているとおり、医療法人の経営基盤を強化する観点から、医療法人の業務の拡大を進め、収入源の多角化を進めていくことに異論はありません。もっとも、業務が拡大した医療法人のトップには、より高度な経営力が求められることから、第3回に提出した意見書で述べたように、現在要件とされている医師免許保持者のみならず、専門的な知見を有する経営人材の理事長登用を可能にするといった規制緩和についても検討し得ると考えます。建議本文においても、理事長の就任要件の緩和等について言及されてはいかがでしょうか。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは小黒委員、お願いします。
〔小黒委員〕ありがとうございます。私も少し2点だけ。
1点目が大きくて、2点目は少し小さい話なのですが、1点目は熊谷委員と関係するのですが、また、木村委員がおっしゃられたこととも関係すると思いますが、1ページ目の22行、23行のところで「社会保険料率は横ばいないし微減で推移する局面が見られている。」ということで、下がってきているような話が書いてあるわけですね。それは確かに重要なのですが、やはり足もとでのインフレであるとか、制度改革の影響とか、はっきり言えばそれらの効果であると思うのですが、そうしたところが効いているというところなので、今後また上昇してくる可能性は十分あると思います。
そうした意味では、4ページ目のところの、これから言うことをどこに書いていただくのがよいのかというのはあるのですが、16行目から21行目のところが恐らく一番最後のところになると思うので、「家計可処分所得が持続的に増加していくことが重要である。」というところの後ろに、例えば次のような脚注をつけていただけないかなと。今言ったことの繰り返しなのですが、足もとではインフレや制度改革の影響もあり、社会保険率、医療保険料率、この資料のほうには医療保険料率が出ていますが、それが徐々に低下する見込みが示されているが、内閣府の試算では、2060年度に向けて、高成長実現ケース、3%ぐらいの名目GDP成長率があるケースですが、そのケースでも医療給付費の伸び率が経済成長率を上回るということの姿が示されている。なので、現役世代の社会保険料負担の再上昇を抑制するためにも、医療給付費の伸びを中長期的な経済成長率の範囲内に確実に抑制する仕組みについても検討する必要がある、これは従来、建議に書いてあるような意見であると思うのですが、それを少し書いていただけないかなということです。
意味としては、先ほど言った足もとでは短期で物価上昇とか制度改革の効果であると思うのですが、長期的には、やはり医療の高度化とか高齢化の要因によって医療給付費の伸びが中長期的に経済成長を上回るということは十分あり得ますから、それを抑制するという趣旨でございます。
それから2点目は、飛びまして、7ページ目の3行目から5行目のところで、「70歳から74歳の者についてはもはや一律に高齢者扱いすべきでないとも考えられる。負担能力に応じた負担とする観点から、原則3割負担とするとともに」という記述があるのですが、これは全く賛成なのですが、今の制度のいろいろな見直しを考えると、いきなり3割に全部するというのは結構難しいと思うので、間のところに、例えば「就業率や健康状態の変化を踏まえ、…、年齢のみで一律に高齢者扱いすることの妥当性も見直すべきである」というようなところで1回切っていただいて、「負担能力に応じた負担をする観点から原則3割とするとともに」というような感じにしていただいたらどうかなということです。
趣旨としては全く賛成なのですが、繰り返しますが、「もはや一律に高齢者扱いすべきでない」というのはやや強い表現なので、制度論として受け入れられやすくなるよう、今のような文言を入れていただけないかと思います。
また、ほかにも10個ぐらいあるのですが、それは後で出させていただきます。
〔増田分科会長代理〕それでは、堀委員、どうぞお願いします。
〔堀委員〕すみません、先ほどは失礼いたしました。
途中からになっていたかと思うのですが、関係するのでもう一度お話ししますと、こども・子育て支援金が社会保険料なのか何なのかというところについて、こども家庭庁のホームページに「社会保険料」という記載があったので、少し気になったので、今回コメントさせていただいているのですが、医療保険の保険者を通じて徴収されるというのは事実ですし、社会保険方式を利用しているのでそのように呼ぶことがあっても良いとは思いますが、従来型の社会保険料と呼ぶものとは異なるものです。目的税的な要素も多少あるという意味で、社会保険なのか、税なのかというふうに議論になるものだと思いますが、今後、「社会保障負担率」というものを目標にする際、こども・子育て支援金のカテゴリーは統計上どこになるのかというのは、少し検討していく必要があるのではないかなと思いました。文章の記載のところに脚注で構いませんので、どういうふうに整理するのか、しているのかというのが記載されるとよいのかなというふうに思いました。
それから、5ページの7行目、「医療政策のトリレンマ」、これも確かにそのとおりなのですが、様々な議論もありますので、例えば将来的にAIを活用して、提案にもあったと思いますが、アクセス、質、コストの規制をしないでイノベーションということもあり得ますし、あるいは給付の範囲の在り方を変えれば、給付範囲の在り方の中で、アクセス、質、コストというのも可能でもあるので、脚注に少し補足のようなものを入れたらよいのではないかと思います。
それから特定疾病制度、先ほどお伝えしましたが、恐らく、普通に特定疾病制度でやると、今回の資料かなりマニアックなので、私は自分が授業等で教えていてもなかなか、これ説明できるかなと思いながらなのですが、ここに挙げられている特定疾病制度は、いわゆる高額療養費の特例になっているような血友病とか人工透析の話であると思うのですが、実はほかにも似ているような名前の類似の制度がいくつかありますので、分かりやすいように、70ページの19行目に変なところでかぎ括弧がついているところがありましたが、そこは少し丁寧に記載をしたほうが良いかなと思います。
それから、9ページの地域の診療所のところも、かかりつけ機能を強化するのはそのとおりですし、是非強調していただきたいのですが、一部医療機関の病院でもかかりつけ医の機能強化を持っているところもありますので、そこのところの整理を少しして書いた方が良いかなというところと、それから、扶養者のところはよいと思うのですが、「現在、被用者保険の適用拡大も進んでいるが、こうした情勢も踏まえ」というような文言を少し入れておくと、この問題を整理する上ではとても良いのではないかなというように思います。
それから、今まで書かれていなかった特定健診、保健指導の支援であるとか、また、高額医療費負担金の見直し等も突っ込んで書かれていて良いのですが、恐らく、高額医療費負担金も、一般の方たち、恐らくここにいらっしゃる方たちも、何だろうと思われている方や勘違いされる方もいるのではないかと。国民健康保険の国庫負担金の算定における高額医療費の負担金のことで、これは保険者機能を強化するためのものでもあるので、その辺のニュアンスが分かるように書かないと、高額療養費の医療の話なのかと思ってしまうと、そうではなくて、これは国保の国庫負担等の算定で、これを進めることによって国民健康保険の保険料の都道府県単位の統一とかが進みやすくなる可能性があるということなのかなと私は解釈していますが、恐らくその辺の表現を少しどこかに書いておかないと、ただ読んでいると難しいかなというふうに思いました。
それから障害者福祉についても、最近、不正も含めてかなり増加しているというところもありますので、制度横断的に見て、各制度間の不整合のようなものは少し整理する方が良いかなと思います。
細かいところは私もたくさんあるので、それは改めてメールで送ります。
最後に1点だけ、私、ここで書かれていること、基本的に多くは賛同していますし、是非進めていただきたいと思うことが多いです。ただ、こども・子育て支援金もそうですし、高齢者医療、後期高齢者の医療の拠出金もそうなのですが、財政調整によって財政的持続可能性ができるという意味でとても良いことなのですが、一方で、それが複雑になればなるほど、共有のお財布、みんなのお財布で使うので、誰が幾ら使ったかというのが少し分かりにくくなるので、どういうふうに使っているのかというのを「見える化」しないと、患者の負担が増えていく中で、恐らく、納得性は得られにくくなると思います。そこをしっかりするのと、あと財政的なガバナンス、ワイズスペンディングというのが複雑になればなるほど難しくなってくるところもあるので、自律的に意思決定をできるようにするためにも財政規律があった方が良いというふうに私自身は思っています。そのためには、それができるような、もう少しシンプルで、分かりやすく、市民感覚でも納得できるようなものに、将来的にはしていく必要があるのではないかなというふうに思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは続いて、権丈委員、お願いします。
〔権丈委員〕ありがとうございます。
社会保障の1ページ、30行目、下から1、2行目の「令和8年度(2026年度)の社会保障負担率は低下する見込みとされている。」という記述につきまして、「社会保障負担率は」を「社会保障負担率も」とされたほうが、「は」を「も」にするだけなのですが、近年の低下傾向をより適切に表現できるのではないかと思っております。
社会保障負担率は国民所得に占める社会保険料の割合であり、2020年度の19.4%をピークに、2023年度の例外的な動きを除けば、近年は低下傾向が続いております。2026年度には17.6%となる見込みとされており、おおよそ2ポイント程度の低下となります。
また、社会保障負担率は、こども・子育て支援金の議論において、「実質的な社会保険負担」とほぼ同義の概念として用いられてきたものであり、中長期的には負担の評価というのは、こうした国民所得比やGDP比で行われるべきものと考えます。
こうした点を踏まえると、分母に当たる賃金、所得の上昇も反映した社会保障負担率の低下傾向については、4ページの脚注7にも触れられているところではありますが、もう少し強調されてもよいのではないかと考えております。
それから、ほかの点になりますが、今回、9ページ16行目に「「包括払い」に転換すべき」と明記され、注19において、これをサブスクリプションに分かりやすく例えられております。高齢化が進み、慢性疾患の診療が一般的となってきた人口減少地域では、「出来高払い」は過剰診療を誘発する側面や周囲との競争を促す側面もあるように感じます。その意味で、慢性疾患の患者さえ減少している地域の医療関係者は「出来高払い」に疲弊している面もあるのではないかと思います。これまで財審でも「出来高払い」、「自由開業制」、「自由標榜制」が日本の医療の特徴として論じられてきたわけですが、まずは高齢化と人口減少による医療の質と量の変化に見合うように支払い方式の改革を進めるという今回の建議の方針は支持したいと考えております。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、田中委員、お願いします。
〔田中委員〕田中です。ありがとうございます。
社会保障のところは、冒頭、やはりこれまで共助の仕組みがあったわけですが、これが機能しづらくなってきたという中で、総論、こう始まりますが、ここもやはり、人口減少とか少子高齢社会に頼る制度設計の転換が大事なのであるということが最初にアピールできると良いかなと思います。
その中で、今回提案されているアイデアというのは皆、理にかなっていて、納得感もあって、これが実行されたら、イノベーションも起きて、工夫が生まれて、社会に活力も出る可能性もあるのかと思います。共助とか全体の合意というので大体これは語られますが、それぞれの対象者別に、若い世代にとっては保険料の上昇に歯止めがかけられるかもしれないとか、高齢者の世代にはそれによって希望が、若い世代に安心感が出れば高齢世代にも希望が生まれると、医療機関にも持続可能性が志向できると、こうしたようなメッセージが送れればと思いまして、社会のマインドセットを変えていくのであるというようなことがメッセージできるようになると良いかなというふうに思っています。
各論のところで1点だけ、28ページの7行目に、これは保険外サービスの活用のところなのですが、これも介護の領域の方々の生産性向上や、人材が介護の業界にこれからも入ってくれるようにということを考えると、「国民の利便性向上」だけではなくて、やはり、国民の多様なニーズにも対応しながらというふうなことが言えると良いのかなと、それが少し加えられると良いのではないかというふうなことを思いました。
以上、よろしくお願いいたします。
〔増田分科会長代理〕それでは広瀬委員、お願いします。
〔広瀬委員〕ありがとうございます。
最近感じるのは、医療制度改革について、確かに一部厳しい意見もあるのですが、おおむね国民に理解され、受け入れられている状況になっていると思います。昔は様々な反発が出ていたと思いますが、制度を受け入れてもらえる背景には、地道に続けてきた広報活動がじわじわと効いているのではないか。例えば、これからは財政が非常に厳しくなること、個々の医療制度に持続性がないこと、欠陥や矛盾、無駄があることを国民もだんだん理解してきたのではないか。そこには当然メディアの役割は大きかったと思うのですが、徐々にそうした成果が出てくるわけですから、広報活動については、引き続き、しっかりやっていただきたいと思っております。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは、ここからは起草委員から、前後半、全体通じて、御意見を頂ければと思います。
それでは土居委員、どうぞ。
〔土居委員〕皆様から御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。できるだけ反映できるように努めてまいりたいと思います。
総論のところなのですが、確かに、財政の話にたどり着くまで読まないといけないという御指摘もありました。なかなか現状の日本経済の背景的なところを描写する上で、もちろん、それぞれの皆様の御認識というのはあるかと思うのですが、一応これ、大臣にお渡しして、さらに経済財政諮問会議とか、そちらのほうにも内容を御理解いただきたいと、そうした思いがあり、特に象徴的には1ページの総論の6行目ですが、需要不足のときの政策ならば有効かもしれないが、今そうではないのではないかということが必ずしも共通認識になっていないというような政策環境にあるというところについては言及しておきたい。GDPギャップはそんな昔のような状況ではないというようなことも申し上げていきつつも、そうは言っても21ページに中東情勢が緊迫しているということのほうが、むしろ今は多くの方がインフレの直接的原因になりかねないと非常に不透明性を感じていると、そうした状況があって、それを丁寧に書いていると、だんだん文章が長くなっていってしまったと、そうしたような経緯がございまして、もう少し、皆様からいただいたところを含めて整理をさせていただきたいというふうに思います。
それから、プライマリーバランスについて多く御意見をいただきましたので、少なくとも、意見があったということぐらいは書かないわけにはいかないのではないかというふうには思っております。ただ、これも悪目立ちしてもいけないし、かといって、しっかりフロー指標を位置づけていくべきであるという皆様方の財審での御議論というのは、これまでずっとそうしたトーンでまいっているということは私としても全く同感でありまして、何とか良い形で我々の認識を浸透できるような文章の書き方で引き取らせていただいて、考えたいというふうに思っているところです。
それから1点だけ、熊谷委員からEBPMについて触れられていて、私もそれはそうだったと、EBPMについて全く――全くというか、言及として踏まえていなかったというところが、それはむしろ触れるべきところであるというふうに思った次第でして、ちょうど11ページの所得見直し、補助金見直しの関係は、行政改革の観点から、かなり近接したところにEBPMの考え方ないしは取組の部局がありますので、そのあたりで触れるとかというようなことが考えられるかなというふうに思いまして、大変インスパイアされたという次第です。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは吉川委員、どうぞ。
〔吉川委員〕どうも活発な御議論ありがとうございました。
社会保障も含めて、各論に関する具体的なコメントは、ほとんど全て、私ももっともだなというふうに伺っていまして、しかるべく修文等させていただくということであると思うのですが、私からは一つ、初めの総論のところのプライマリーバランスに関する記述、これは、お手元、読んでいただいたもともとの案についても、私もコメント等もして、もちろん読み、また、起草委員会でコメントもした部分なのですが、現状、6ページから7ページ、14ページから15ページあたりに記述があるわけです。
ここから先は、起草委員というよりは、財審の一委員、一経済学者として発言させていただくとすれば、それをお許しいだたきたいと思うのですが、神子田委員が非常に、14ページ15ページあたりにかけての記述に関して、ストレートな発言、感想を述べられた。このまま、現状であると、これまで財審というのは違ったことをしていたと。つまり、プライマリーバランスを重視して間違ったことをやってきたのをこれから改めますというようにも読めるというような感じの御発言をされたと思うのですよね。
改めて私も特に14ページから15ページを見ると、おっしゃるとおりかなと思うのです。ここから先は、先ほどから言っているとおり、一委員の発言として聞いていただければよいいのですが、財審の建議というのは行政府の一機関としての財務省の建議ですから、当然そうしたものとして、我々全員がそうした建議をつくろうということでやっているということはあるわけですが、財政をめぐる現状については、はっきり言って私は180度変わったという感じがありますが、端的に神子田委員がずばりおっしゃったとおり、プライマリーバランスを単年度、特に単年度を重視することは間違っていると現政権が言っているのではないかと私は思います。要するに、単年度でのプライマリーバランスの黒字化目標とは、これは「緊縮財政」と、こうした表現も使われていると思います。緊縮財政の結果として、世界一のデットGDP比の水準になるというのは一体どういうことか、これは私は全く納得がいっていません。
ただ、それはもちろん私個人の考えなのですが、それはそれとした上で、どのように文章をつくっていくか、ここから先は起草委員会あるいは事務局の仕事ということであると思うのですが、繰り返しになっているかもしれませんが、高市政権あるいは経済財政諮問会議、そうしたところの考えというのはあるにしても、我々財審としてプライマリーバランスのフローとしての黒字化を目標として掲げるということの意義については、それなりに許容範囲で書くべきではないかなと。
初めに戻りますが、14ページから15ページの記述を見ると、14ページの一番下から15ページの頭、「四半世紀にわたり継続してきた」というあたりは、少し財審の建議としてはいかがなものかなと、これは一委員としての発言です。むしろプライマリーバランスの黒字化が先延ばしされ続けてきた、それはある意味では財政の健全化が遅れてきたということですから、締めると緩めるで言えば緩めるのほうの話で、その結果としてデットGDP比の水準がこれほどまでに高まってきたというのが、これが私の個人的な見方ですし、財審の委員の方々の中にはそうした考えを持たれている方もたくさんいらっしゃるのではないかと私は思っています。
長くなっているかもしれませんが、まず、財審の建議であると、財務省の建議であるということはもちろん認識していますので、その範囲内でどのような表現が可能なのか、これは今度は起草委員の一員として考えさせていただければと思っています。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、武田委員。
〔武田委員〕委員の皆様、大変貴重なコメント、御意見をありがとうございました。重要なことは、市場のウォーニングが出てきている局面にあることだと思います。その点については、平野委員、國部委員もおっしゃっていました。背景には、国内の需給ギャップの問題だけではなく、国際情勢の変化が大きく影響していると思います。そうした変化の中で、市場の信認を維持すること、そして、維持するための姿勢・取組が重要な局面になってきている点についての記述が、が少し薄いのではないかと思います。起草委員会でも議論してきており、現在の総論の冒頭の文面になっております。
実際に起きている事実の範囲であれば、起草委員の一人としても、ある程度記述してよいのではないかと考えます。その点については、もう一度起草委員会の中で議論いたします。最後は吉川委員と同様の結論になりますが、起草委員会としてどのような結論を出し、皆様に御承認いただけるかという観点から、改めて検討したいと思います。それぞれ御意見をいただきました中期の見通しや独立機関、単年度ごとのモニタリング等について、どういった形で書き込むことができるのか相談させていただきたいと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、河村委員。
〔河村委員〕いろいろコメントいただいて、ありがとうございました。
財政目標の、プライマリーバランス云々のところは、いろいろ御指摘いただいたとおりで、しかし、先ほど吉川先生がお話しされたとおりで、財審の立場もあって、これからまた、いろいろ相談であると思うのですが、ただ、今の段階でも、実はこれぐらい書いているのですよということは少し伝えていきたいなという御提案があって、例えば財政総論の16ページの15行目から16行目のところ、本文であると少し目立たないかもしれませんが、「プライマリーバランスを複数年度で管理する枠組みの下においても」の後のところで、「利払費を含めた財政収支の動向にも目配りを行い」と書いている。是非概要を見ていただきたいのです。概要の1枚目の下から2番目の丸のところを御覧いただくと、「プライマリーバランスを複数年度で管理する枠組みの下でも」は細い字なのです。それで右のほう、「利払費を含めた財政収支の動向」を太くしているのです。フローの指標って、プライマリーバランスだけではありません。いや、正直申し上げて、今の局面、利払費が入っている財政収支のほうが大事なのではないかと私は個人的に思いますが、でも、財審の立場もあると思いますが、いろいろ工夫して、どこまで書けるかというのはありますが、いろいろ工夫はしているというところ、そこは少し御理解いただけるとありがたいかなといったところはあります。実際に最後はどうするかは、またいろいろ、起草委員会で御相談であると思います。
あともう一つ、IFI、独立財政機関のことを御発言くださった方が何人かあったので、御参考までに、この前、海外へ出張行かせていただいたときにドイツで聞いた話を少しお話ししたいと思います。
18ページのコラムの2ページ目の上から4行目、5行目のあたりかな、少し独立財政機関のことが、出てきますね。「諸外国では独立財政機関等」と「等」を入れたのですが、何で「等」が入っていると、これ、ドイツのことなのですね。ドイツはそんなに強い独立財政機関があるわけではなくて、見通しは経済省がつくるのですが、チェックしているのは5大研とかなのですね。実際に今回ドイツへ伺ったときにも「一つの役所が見通しをつくって、政治的ないろいろな圧力とかが加わったりしないのですか」とお尋ねすると、結構、「えっ、何でそんなこと聞くの?」というような顔をされてしまって、ほかの役所もチェックをするし、5大研もチェックをするし、ドイツでは連邦経済省が見通しをつくるが、そんな前提が恣意的になるようなことはないというお話もあって、また、独立財政機関に近いような機関のところもあって、その先生にお話を伺ったときに、「ドイツの場合には、必ずしもそんなに強い独立財政機関は必要ないのです」と言われました。それは債務ブレーキがあるからなのですって。やはり債務ブレーキの意味は極めて大きいと、それがあって、機能していれば、独立財政機関、すごく強いものがなくてもやって、こうした実際の財政に出ていますが、そんなお話もありましたので、少しこれは御参考までにお話しさせていただきたいというふうに思いました。
以上です。すみません。
〔増田分科会長代理〕中空さん、よいですか。
〔中空委員〕大丈夫です。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、起草委員のほうも、皆様よろしいですね。
それで、本日、様々いただいた意見については、起草委員会でしっかりと議論していただいて、最終案を決めていただくということにさせていただきますので、最後になりますが、冒頭申し上げましたとおり、明日21日木曜日の15時までに、事務局に御意見をメールで御提出ください。本日も御発言の中で、後でメールで出しますという方がいらっしゃいました。様式は昨日お示しをしておりますので、それにのっとった形で御提出を頂ければと思います。
それでは、起草委員会のほうで修文案を検討して、寄せられた御意見について、できる限り反映ということでさせていただきますが、難しい判断となるものもあるかと思います。いずれにせよ、修文案については、基本的に起草委員の皆様に御一任をさせていただきたいというふうに思います。この点も御了知いただきたいと思います。そして、委員の皆様のお手元に、次回の分科会の前に修文案が届くように手配をさせていただきます。
それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。
午後5時06分閉会

