このページの本文へ移動

財政制度分科会(令和6年3月5日開催)議事録

財政制度等審議会財政制度分科会
議事録

令和6年3月5日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政制度分科会議事次第

令和6年3月5日(火)9:30~10:50
第3特別会議室(本庁舎4階中-412)

  • 1.開会

  • 2.議題

    • 令和6年度予算等

  • 3.閉会

出席者

分科会長代理

増田寛也

赤澤副大臣

進藤大臣政務官

寺岡次長

前田次長

吉野次長

大沢総務課長

木村主計企画官

三原司計課長

西村法規課長

山本給与共済課長

横山調査課長

有利主計官

小野主計官

佐久間主計官

小澤主計官

寺﨑主計官

端本主計官

松本主計官

漆畑主計官

尾﨑主計官

後藤主計官

小野寺主計監査官

石田予算執行企画室長

西尾主計企画官

小田切公会計室長

秋池玲子

河村小百合

小林慶一郎

佐藤主光

武田洋子

土居丈朗

臨時委

上村敏之

小黒一正

木村

國部

権丈英子

末澤豪謙

和夫

滝澤美帆

田中里沙

中空麻奈

平野信行

広瀬道明

福田慎一

真奈美

横田響子

吉川


午前9時30分開会

増田分科会長代理おはようございます。まず、本日は冒頭からカメラが入りますので、そのままお待ちをいただきたいと思います。それではお願いします。

(報道カメラ 入室)

増田分科会長代理ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。御出席いただきまして、ありがとうございます。

本日は、「令和6年度予算等について」を議題としております。

また、本日は冒頭から赤澤副大臣、進藤大臣政務官にお越しをいただいております。どうもありがとうございます。進藤大臣政務官につきましては、本日初回でございますので、一言御挨拶を頂戴したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

進藤大臣政務官皆様おはようございます。今御紹介いただきました、財務大臣政務官を拝命いたしました進藤金日子でございます。委員の皆様におかれましては、日頃から本分科会の運営に御協力いただきまして、心から感謝申し上げたいと思います。

簡単に自己紹介をさせていただきますと、私は、農林水産省で勤務しておりまして、その後、2016年に参議院全国比例で当選させていただきまして、その後に、政府においては総務大臣政務官、内閣府大臣政務官を、国会におきましては農林水産委員会の筆頭理事あるいは消費者問題に関する特別委員会の筆頭理事を務めてきたところでございます。

本分科会におきましては、委員の皆様から、豊富な御経験と高い御見識に基づく御指導を頂戴したいと考えております。何とぞよろしくお願い申し上げます。

増田分科会長代理どうもありがとうございました。

それでは、報道関係の方はそろそろ御退出をお願いしたいと思います。

(報道カメラ 退室)

増田分科会長代理それでは、事務局の説明に入ります。

まず、横山調査課長から、令和6年度予算について説明をお願いいたします。

横山調査課長主計局調査課長の横山でございます。資料「令和6年度予算等」について御説明をいたします。

1ページ、目次でございますが、こちらの4項目を御報告いたします。

2ページ、令和6年度予算のポイントです。

3ページ、一般会計予算のフレームでございます。総額は112.6兆円、対前年度比1.8兆円の減となっております。

まず、歳出でございます。社会保障関係費は37.7兆円、令和5年度当初から8,500億円の増加でございます。社会保障関係費以外についてですが、令和5年度当初では、防衛力強化資金に繰り入れるために、3.4兆円の歳出を計上しておりました。令和6年度はこれが剝落するため3.4兆円の減、一方で、防衛関係費の増1.1兆円や、能登半島地震に伴う一般予備費の増5,000億円により、全体として1.8兆円の減となっております。

物価賃上げ促進予備費については、リーマン・ショック時の危機対応予備費の規模などを参考に1兆円を計上、前年度比で4兆円の減となっております。

地方交付税は、定額減税による住民税減収分の補塡等により、1.4兆円の増となっております。

国債費は1.8兆円の増加、うち予算金利を1.1%から1.9%に引き上げたことなどに伴い、利払費が1.2兆円増加しております。

次に、歳入でございます。

税収は、給与、生産、消費の改善が見込まれる一方、定額減税などの制度的要因もあり、前年度比0.2兆円の増を見込んでおります。

税外収入は、令和5年度は、防衛財源確保のために多額の税外収入を計上しておりました。令和6年度はそれが一定程度剝落するため、1.8兆円の減となっております。これら全体を差し引き、公債金の発行は35.4兆円、前年度比0.2兆円の減となっております。

4ページ、令和6年度予算のポイントでございます。

まず、物価に負けない賃上げの実現に向け、いわゆるトリプル改定において、令和6年度にベア2.5%、令和7年度にベア2.0%を実現するために必要な水準を措置しています。

こども政策については、「こども未来戦略」に基づく「加速化プラン」を実施していくこととしています。

外交・安全保障では、ミサイル防衛など防衛力を着実に強化していくこととしています。

また、能登半島地震への対応として、令和6年度の一般予備費を5,000億円増額し、計1兆円を計上しております。

5ページ、「物価に負けない賃上げ」の実現に向けた予算面での対応を横串に見たものでございます。先ほど申し上げたトリプル改定のほか、保育士等の処遇改善、教職員給与の改善、公共事業の設計労務単価の引上げ、トラックドライバーの賃上げ等に取り組んでいくこととしています。

あわせて、中小企業等への対応として、下請Gメンの増強、最低賃金の引上げに向けた業務改善経費の支援に取り組むこととしています。

6、7ページは、各歳出分野の特徴でございます。また、8ページ、こちらは主要経費別の内訳でございます。説明は割愛いたします。

9ページ、社会保障についてでございます。左側の点線で囲んだ部分にございますとおり、薬価等改定・薬価制度改革や、前期高齢者納付金の報酬調整などの歳出抑制努力を積み重ねた結果として、その下の図にございますとおり、社会保障関係費の実質的な伸びをプラス7,300億円程度、年金スライド分を除くとプラス3,700億円程度としております。その中で、トリプル改定によって現場従事者の処遇改善に必要な措置を講じるとともに、こども関連予算では、加速化プランの実現に向けた取組を進めることとしております。

10ページ、加速化プランの財源の基本骨格についてでございます。この資料は、昨年12月のこども未来戦略会議において、全世代型社会保障構築本部事務局が提出したものですが、この中において、既定予算の最大限の活用等を行うほか、2028年度までに徹底した歳出改革等を行い、それによって得られる公費節減の効果及び社会保険負担軽減の効果を活用することとされています。

11ページ、こども・子育て政策の強化についてでございます。こども未来戦略において、令和10年度までの3.6兆円の施策充実と安定財源確保の枠組みが決定されていますが、令和6年度は、このうち約3割強を実現することとしています。具体的には、所得制限の撤廃などの児童手当の抜本拡充、高等教育の負担軽減の拡大、幼児教育・保育の質の向上などを図ることとしております。

12ページは、予算の質の向上についてでございます。説明は割愛いたします。

続きまして、17ページに飛びまして、能登半島地震への対応についてでございます。被災者支援や被災地の復旧・復興に向けて切れ目なく対応できるよう、万全の財政措置を講じることとし、今年度中は一般予備費の残額を活用して対応することとしております。具体的には、脚注にございますとおり、1月9日、プッシュ型物資支援の経費を措置しております。その後、18、19ページに記載のとおり、1月26日、それから3月1日に、それぞれ所要の予備費の使用等を決定しているところでございます。また、令和6年度においては、先ほど申し上げましたとおり、一般予備費を5,000億増額して対応することとしております。

20ページに飛びまして、昨年秋の建議の反映状況でございます。21ページから、左側が昨年秋の建議における御提言、右側が令和6年度予算等への反映状況という形で資料をまとめております。

まず、社会保障です。少子高齢化については、「こども未来戦略」を昨年閣議決定し、「加速化プラン」を具体化するとともに、それを支える安定財源の確保策を決定しております。

次に、報酬改定については、現場で働く方の処遇改善を実現するために必要な水準を措置しつつ、例えば診療報酬について、診療所を中心に、管理料の再編等による効率化・適正化を図るといった対応を行っております。

22ページ、改革工程については、昨年閣議決定された改革工程等に沿って、医療・介護制度改革等に取り組んでいくこととしております。

23ページ、地方財政でございます。令和6年度地方財政計画において、一般財源総額を適切に確保しつつ、臨時財政対策債の発行額を過去最少の0.5兆円まで縮減させるなど、地方財政の健全化を推進させております。

24ページ、防衛です。防衛力整備計画2年目の予算として、可能な価格低減を図りながら、整備計画対象経費として7.7兆円の予算を計上しております。

また、外交については、民間資金を活用した効果的な事業等に重点化し、一般会計ODA予算については、対前年度比60億円の減となっております。

25ページ、文教・科学技術です。義務教育費国庫負担金について、小学校高学年の「教科担任制」を財源と併せて1年前倒しを行い、教育の質の向上や働き方改革を加速することとしています。

また、私学助成について、定員未充足の大学への配分見直しによる財源を活用し、経営改革等に取り組むモデル校を重点支援することとしております。

続いて、社会資本整備です。ハード整備のみならず、ソフト対策との一体的な取組により、防災・減災、国土強靱化を推進するほか、災害の危険性の高い地域における住宅支援の引下げ等を行うこととしております。

26ページ、農林水産です。水活交付金について、畑地化による転作作物の本作化を推進したことに伴う交付対象面積の減少等を適切に予算額に反映しております。また、収入保険について、他のセーフティーネットとの重複を排除する観点から、必要な見直しを行っております。

続いて、国内投資・中小企業です。GXについて、GX経済移行債を発行し、蓄電池の製造サプライチェーンの強靱化等を図ることとしています。

また、中小企業対策について、コロナ禍で増大していた中小企業対策費の正常化の状況等を記載しております。

27ページ、デジタルです。デジタル庁一括計上予算において新たなシステムを整備する際、デジタル庁は、利便性向上、運用経費の削減等を図りつつ、予算の投資対効果を可視化する仕組みを検討し、重点計画の次期改定に反映することとしております。

最後に、地方創生でございます。地方創生交付金について、事業の見える化、効果的な事業への支援の集中等により、地方創生に向けた支援を改善・強化することとしております。

続きまして、28ページ、中長期試算でございます。

29ページ以降が1月22日の経済財政諮問会議に内閣府が提出したポイント資料でございます。

30ページ左側のグラフ、こちらが国・地方のPB目標の見通しでございます。高い経済成長率が実現するケースにおいて、歳出効率化努力を継続していけば、2025年度のPBの黒字化が視野に入るということとされてございます。

31ページ、こちらは財務省の後年度影響試算でございます。

32ページが概要となってございます。二つの経済前提の下で試算を行っております。いずれも歳出は物価・金利に応じて増加し、税収等は経済成長等に応じて増加していくと。差額が新規国債発行額になりますが、令和9年度の発行額は、成長率の高い試算-1の場合、令和6年度に比べて若干減少する一方、試算-2の場合、令和6年度に比べて若干増加するという試算結果になってございます。

また、資料の下段におきまして、金利が1%上昇した場合の国債費の増額等、いわゆるストレステストの試算をしているところでございます。

簡単でございますが、私からの説明は以上でございます。

増田分科会長代理どうもありがとうございました。

まず、御欠席の芳野委員から意見書を提出いただいております。説明資料と意見書、各端末に格納しておりますので、お目通しをいただきたいと思います。

それから、ただいまの説明について、委員の皆様から、以降、御意見、御質問を頂戴します。会場の方はいつもどおりネームプレート、それからテレビ会議システムで参加の方は挙手ボタンのクリックをお願いします。会場の方は、備付けのマイクをオンにしてから御発言をいただき、テレビ会議システムの方はミュートの解除をお忘れなきように、よろしくお願いします。

会場から5名、オンラインシステムから5名と、このような順序で指名をしますので、よろしくお願いいたします。

それでは、どうぞ御意見のほう、よろしくお願いをいたします。

私から見まして右側、木村委員から順次5名の方にまず御発言いただきたいと思います。木村委員、どうぞお願いします。

木村委員どうも御説明ありがとうございました。今回、令和6年度予算の御報告ということで、今回の予算編成は、少子化対策をはじめ、国の将来を左右する重要な政策課題を数多く抱える一方で、財政健全化という大枠を守らなければならないという、二兎を追う極めて難度の高い予算編成だったと思います。財審の建議に盛り込んだ内容もある程度盛り込まれたこともあって、財務省の皆様の御苦労がにじみ出る仕上がりとなったというふうに思います。

その上でのコメントなのですが、やはり少し残念だったのは診療報酬改定です。端本主計官、松本主計官をはじめ厚労担当の皆様の頑張りもあって、勤務医と診療所のメリハリをつけることはできたとは思いますが、最終的に本体がマイナス改定にならなかったのは残念であると思っています。

この結果、少子化対策の支援金の位置づけと矛盾が生じているように見えます。支援金は、資料でもありましたが、実質的な負担を生じさせないという枠組みのはずですが、診療報酬本体がプラスになってしまうと、建議で指摘したように、保険料負担等が増加して現役世代の手取り所得が減少するという事態を招いてしまうのではないかという懸念もあります。

さらに、実はこの支援金自体が結構無理に無理を重ねた立てつけになっているといいますか、実質的な負担が生じないということにこだわるあまり、負担軽減の効果を生じさせるものとして、社会保障改革の徹底だけでなく、当初なかった賃上げまで加わったというのは、民間企業が決める賃上げで公的な負担を軽減させるという理屈は少し無理があるのではないかという気がします。こうした矛盾とか無理を抱えたままでは、なかなか国民の理解を進めるというのは少し難しいのではないかなという気もします。

今回、少子化対策だけでなく、防衛費の拡充とか、GX対策とか、大型の財政出動が相次いでいますが、今回新たな後年度影響試算に示されたように、今後は金利上昇に伴う国債費の増大というのも予想されています。一方で、防衛増税とかは先送りされて、増税どころか、定額減税を実施するというように、財源の議論自体がかなり置き去りになっているような印象を受けます。このままでは将来世代へのツケがますます膨らむのではないかという懸念も高まっていると思います。

ここから先は、財務省の手を超えるものかもしれませんが、こうした事態の背景にあるのが、もしいわゆる政治資金の問題で政権の政策推進力が低下した結果であるとすれば、極めて問題だなと思います。歳出効率化とか負担の増加にいよいよ正面から向き合わなければならないときに国民の政治不信が高まってしまっているという状態では、今後の歳入あるいは歳出改革の議論も十分進まないのではないか、先送りされてしまうのではないかという懸念もあると思います。春以降の財審は、こうした問題も踏まえながら議論をしていく必要もあると思います。

私からは以上です。

増田分科会長代理それでは、中空委員お願いします。

中空委員ありがとうございます。春の建議が始まるのだなというふうに思いますが、それに当たっていくつか意見を申し上げたいと思います。

1点目はやはり、しつこいようですが、財政再建はしていかなければいけないということを肝に銘じるべきというふうに思います。今年も112兆円という数字が立ち、予算が肥大化していくことはもう目に見えているわけです。必要なお金はたくさんあるわけですが、日本の財源がひっ迫しており、ないものはないということなので、いかに必要なものにお金を投下していくか、ということであると思います。それを、金利が上昇するという条件の変化なども、試算に含めて、我々はしつこく財政再建の重要性を主張していく必要があると思います。

2点目は、過去のこのPDCAが本当に回っているのかという、そうした復習をするということもきちんと行う必要があると同時に、無駄なもの、無駄なものと言ってよいか分かりませんが基金とか、予備費とか、それから補正予算、こうしたものをどういうふうに私たちは扱っていくのか、考えなければいけないのではないかと思います。これが2点目です。

3点目は、そうはいっても、必要なものには必要なお金を投下しないといけないので、とかく予算の話になると分配に力が入ってしまいがちですが、例えば、賃金を上昇させるためにも成長が必要なので、どうやって成長するかということに視点を置くべきではないかと思います。日本の政策は、残念ながら成長戦略に重点が置かれていなさ過ぎるのではないかと思っているので、その点、GXが出てきたりしていますし、あとは、どこに力点を置いて、とりわけどこで日本が勝っていけるかということを少し斟酌して考えていく必要があると思っています。

最後4点目なのですが、良いこともやっているのですよね、日本政府も。例えば今回地震があって、いち早く現地に入り、様々なことをやっている国土交通省のTEC-FORCEの働きについて、私はすごいなと思いました。そうした良いものについては、もっと国民に語りかけられるように、知ってもらえるように、そうした仕組みも同時に考える必要があるかなと思いました。

以上です。

増田分科会長代理それでは、秋池委員お願いします。

秋池委員今回の予算、今までの財審での議論が盛り込まれたところも多々ありまして、いろいろと財務省の御努力を感じるところがございました。

一方、木村委員もおっしゃったのですが、こども・子育て政策のところで、社会保障負担の軽減を一応前提としているところになりますが、なかなかこれは実現が難しいのではないかというふうに思っておりまして、この枠組みをつくったということは、一つの大義ができたということであり、これをもとに粘り強い御議論が続くことを願っております。

こども・子育てについて言いますと、これは、当然今回の様々な政策はいずれもよかったと思うのですが、いくら政策を積み上げても、将来に不安があると、こどもを持ちたくないと思ってしまう傾向がありますので、そうした不安を完全に払拭するというのは非常に難しいことなのだと思います。不安の払拭にというのには定量目標があるものではなく、安心と安全のような関係にあるわけですよね。安全は基準がつくれるが、安心の基準がないというのと同じですから、やはり活力ある社会であるとか、将来に夢を持てるという社会になっていくことが大事なのであると思います。せっかくやったこの政策をきっかけに、成果が出るような社会にできるよう、総合的な計画ができていくとよいと思っております。必ずしも財審だけでできることではないのですが、そうなるよう様々な持ち場で皆で努力をしていけたらと思います。

それから、インフラの維持などにつきまして、これは今非常に大きな問題になっていますが、現在あるものをそのまま直すのではなくて、将来の人口の動向ですとか、その地域のありようというのを考えながらやっていくことによって、より効率的にやる、どうしてもなくせないものがありますし、今回の能登の震災でも感じました東北大震災との違いの中で、やはり一つしかないというのはすごく難しいことなのだなということを実感させられたわけですが、過剰であってはいけないのですが、適切な冗長性があるということは大事なのですが、一方で、たくさん造り過ぎてしまうと、将来にわたってその維持に費用がかかるということにもなってまいりますので、そうしたところも念頭に置いた計画になることを期待します。

最後に、前回、EBPMのお手本のような機動的な分析を診療報酬に関わるところでなさいました。活きなかった部分もあるのですが、分析そのものの内容は、しばらくの間は非常に強固な事実として使えるものであると思いますので、是非引き続き活用していかれるとよろしいかと思いました。

以上です。

増田分科会長代理それでは、小黒委員、どうぞお願いします。

小黒委員ありがとうございました。予算編成も本当にお疲れさまでした。時間も限られておりますので、いくつか簡単にコメントさせていただきます。

まず、PBですが、2024年は節目の年で、御承知のとおり、政府が2023年6月に閣議決定しています骨太の方針で、経済・財政一体改革の進捗について、2024年度に点検・検証を実施するという記載がされているというところであると思います。

本日御報告がありました中長期試算ですが、見かけ上よくはなっているのですが、実際そうでもないかなというふうに思っているところもあります。これは、中長期試算に出ています過去の予測と、それから実績がありますので、これを一覧表にしてみるとどういうことになっているかというのが分かります。見ますと、2019年度以降、予測と実績の乖離が拡大しているという兆候があるということです。PBの赤字の予測、これは、もう少し長い期間を取ってみますと、大体平均2.9%ぐらいで、実績はどうかというと、4.3%ぐらいの赤字になっているということで、やはり1%近くの乖離があるということになります。この裏側では、例えば減税であったり補正予算を組むということがかなり影響していると思いますので、引き続き身を引き締めてやっていただきたいと思います。

加えて言いますと、PBが少し改善傾向にあるということは事実であると思うのです。ですが、国と地方ではなくて、やはり地方はPBがかなり改善していますので、裏側では国の財政が厳しい状況にあるということですから、可能であれば、国・地方のPBではなくて、是非国のPBを指標に設定していただくというような御議論もしていただければというふうに思います。

それからもう一つ、社会保障予算なのですが、本日の説明ではありませんでしたが、財務省が出しています資料を見まして、これに大臣折衝事項として、厚生労働省と財務省が昨年の12月20日に合意した文書があると思います。この中で、こども未来戦略における実質的な社会保障負担軽減が記載されているというところで、これは結構私は注目しておりまして、理由は、昨年の12月22日に閣議決定したこども未来戦略の脚注27というのがありますが、少し細かい話で恐縮ですが、ここでは、少子化対策の財源を含め、高齢化等に伴い、医療・介護の給付の伸びが社会保険料の賦課ベースとなる雇用者報酬の伸びを上回っており、このギャップにより保険料率は上昇していると、これは事実であると思います。その上での文章ですが、若者・子育て世帯の手取り所得を増やすためにも、歳出改革と賃上げによりこのギャップを縮小し、保険料率の上昇を最大限抑制するという記載がされているというところです。これは少し分かりにくいのですが、二つを合わせると、例外的な場合を除いて、介護、それから医療の社会保障負担増は、基本的に雇用者報酬の伸びの範囲内に可能な限り抑制して伸ばしていくということが求められるということで、これは2028年度までの措置になっておりますが、こうしたところ、これは私はある意味で新しい社会保障予算に関するルールのようなものが構築されつつあるのかなというふうに思いますので、ここは是非引き続き頑張っていただきたいなと思います。

また、冒頭、委員の先生からもありましたが、診療報酬改定は確かに残念だったというところもあると思います。これは伸びが0.88%になってしまったと。ただ、インフレ分や名目のGDPの成長率を勘案すると、実質的には医療費は目減りする可能性もあるのではないかというふうに思っています。ただ、インフレが予算の追い風になっているという部分はあると思いますが、この追い風がいつまでも続くかというと、そうとは限らないと思いますので、今後また更に一段踏み込んだ改革をしていただければというふうに思っております。

あと最後に、2024年、これは非常に世界的に見ても不確実な年で、自民党の総裁選もありますし、それからアメリカの大統領選もあると思います。そうした意味で、「財政安全保障」という概念があるかどうかは分からないのですが、これは私の造語ですが、こうした不確実性も含めて、引き続き財政の不断の見直しを行いつつ、財政の健全化に努めていただければと思います。

私からは以上になります。

増田分科会長代理それでは、佐藤委員お願いします。

佐藤委員御説明ありがとうございました。では、私からも手短に3点ほど。

まず1点目は、既に小黒委員からも御指摘ありましたが、2025年度プライマリーバランス黒字化目標があります。25年度以降どうするのであるということを真摯に考えるべきで、別に25年に黒字化したら、その後は赤字でよいなんて誰も言ってないわけですから、やはり黒字化あるいはプライマリーバランスの均衡というものをいかに持続させていくかということ、これを考えていくということ。

それからもう一つ、二つ目にも関わるのですが、今、金利が上がり始めると思いますので、それを考ると、これまでとは違うシナリオというのが生まれてくるだろうと。場合によってはベースラインよりも厳しいシナリオというのも考えた上で、プライマリーバランスの均衡化を25年度以降どうしていくかということはやはり議論する必要があるかなと思いました。

二つ目なのですが、やはりインフレがもし仮に続くならばというリマークがつきますが、インフレというのは、やはり財政運営の在り方を少し変えてくる。今御指摘ありましたとおり、診療報酬が多少伸びても、物価よりも伸びなければ、実質価値を抑えることができる。これは公共事業も同じということになります。ただ、ある意味、実質ベースでどれくらい歳出を抑えられるかということは考えていく必要があるのかなと、考えていけるのかなとは思います。

他方、留意するべきは、物価が上がったので、補正予算を組んで物価対策しますというと、また元も子もないということになります。また最近、税収増を期待する向きもあるのですが、もともとプライマリーバランスが赤字ですから、税収増で増えて、それをまた使ってしまったら、それも元も子もないということになりますので、やはりインフレという新しい局面、もちろん金利の上昇とかいうリスクもあるのですが、インフレという新しい局面を財政運営の中でどう生かしていくということ、これはやはり考えていく必要はあるのかなというふうに思います。

三つ目なのですが、やはり財政赤字というか、財政の問題が国民にちゃんと伝わっていないなというのはよく分かります。私は東京財団のほうでいくつかアンケート調査なんかをしたのですが、財政赤字の原因は何ですかと。1、政治の無駄遣い、間違いではないですが、2、公務員の高い人件費だそうです。社会保障と考える人は全体の30%いませんでした。なので、ある意味伝わっていないのです。なので、よく五公五民なんていうとおり、皆様はやはり税金はいまだに年貢であって、公共サービスはただ飯で空から降ってくると思っているわけなので、やはり受益と負担の乖離と我々は言っているくせに、これが国民に伝わっていないのは事実です。これは、理解しない国民が悪いというよりは伝え方が悪いのであると思うのです。なので、お金の流れの見える化も含めまして、皆様から頂いた税金はこんな形で使われています、それでも足らず前がこれだけの赤字になっているのですという、あなた方の公共サービスの何%は赤字ですとか、そうした形の財政赤字の見える化というのを今後進めていく必要があるのかなと思います。

他方で、この間、国会でも地方公聴会でも議論があったのですが、支援金をめぐっては、よしあしよりも、やはり説明が不透明であるということで、実質的に負担を上げないと言われても何のことだか分からないということになりますので、やはり国民に分かりやすい説明をしていかないと、かえって、やはり煙に巻くようなことというのはやめたほうがよくて、これから求められるのは明瞭なる説明責任であると思いますので、負担増があるなら負担増であると明確に言っていく必要があるのかと、それも併せて財政の透明化、見える化を進めていく必要があるかと思います。

以上です。

増田分科会長代理それではここでオンラインに移ります。河村委員、発言の希望があるようですので、どうぞお願いします。

河村委員御指名ありがとうございます。御説明ありがとうございます。本当に予算案の政府案の策定は大変な御尽力、御苦労があったと思います。本当に厚く御礼申し上げます。

私からはテーマを一つに絞りまして、今後の財政運営は、やはり非常にだんだん物価も上がってきて、金利も上がってきて厳しい局面に入っていきますが、その厳しさを国民にどう説明していくかというところ、そこのところで少し意見を言わせていただければと思います。

御説明の最後のほうで、横山課長から、内閣府の中長期試算と、それから財務省で出されている後年度歳出・歳入への影響試算、二つ御説明がございました。まず内閣府のほうなのですが、本日の資料の30ページですか、のところに出ていますが、国と地方のPB対GDP比がどうなるか、それから借金の残高、公債等残高対GDP比がどうなるかというと、この赤い折れ線のほうを見ると、何か知らないが、ばら色のシナリオが出ているのです。特に右側なんてすごいですよね、この状況で、見る見るうちに何か国の借金の公債残高のGDP比が下がっていくような、もうこんなに簡単に財政再建はできるのですよなんていう数字が出てしまっている。正直言って、こうした報道が出されてしまって国民がどう思うか。これはやはり正直申し上げて前提に問題があると思います。

この中長期試算、本日は参考資料という形で詳しい資料の本体が配付されていると思いますが、その19ページのところに、計数表というのが出てまいりますね。そこで御覧いただければと思うのですが、内閣府のほうのこの成長実現ケース、19ページの上のところに、物価上昇率であるとか、成長率であるとか、名目長期金利の前提があるのですが、物価上昇率、消費者物価の上昇率は、2025年、2.0%、その後それが横ばいでずっと続くという、今画面で出していただいている、こうした状況でありながら、その二つ下ですか、名目長期金利のところを御覧いただきたいのですが、どうですか、物価はこれだけ上がっていく、成長率もそこそこで行くというにもかかわらず、何ともうずっと長期金利1%台で2029年まで行くのです。長期金利が物価を上回るのは、何と2030年になってからであると、2.4%になるのはそこであると。これがもう正直申し上げて、この内閣府さんの試算のみそなのではないかと思います。やはり金利動向次第で利払費というものが大きく変わってくると思います。長期金利だけでなくて、短期金利の影響も、やはり日本の今の国債の調達構造を考えたら非常に大きいと思います。こうした前提の結果、先ほどお話ししたような、本体資料の30ページにあるようなばら色の、何だかこのままで行っても、もう自然と借金のGDP比なんて減りますよという数字が出てしまうが、正直申し上げて、これではあまり客観的とは言えないし、国民に要らぬ何か変な楽観論をまき散らしてしまうことになるのではないかなというふうに思います。

他方、内閣府とは別に、財務省のほうで毎年後年度影響試算をやってくださっていて、本日も御説明ございました。前提金利については先ほども御説明ありましたし、少しいろいろ伺ったりもしておりますが、短期金利とかについても、市場で形成されているインプライド・フォワード・レートとか、そうしたものを参考にしながら置かれているということで、手堅くというか、決して金利を低く置き過ぎることなくやられていて、大変これは良いことであるとは思いますが、やはり少し私のほうからお願いしたいのは、長期金利だけで利払費が今決まってくるような状況では、日本の国債の調達構造を考えればありません。ありませんので、やはり短期金利のところについても、どういう前提を置いているかということを、是非そうしたところも併せて公表して、国民にいろいろ現実を見ていただくという意味で公表することを検討いただいてもよいのではないかなというふうに思いますし、それから、試算を公表していかれる年度なのですが、この後年度影響試算というのは、前々から財務省で、当年度から3年先ぐらいまでという形で公表されていましたかね。ですから、あまり先になればなるほど、いろいろなことの前提によって変動する幅が大きくなるからという、そうしたお考え方もおありであるとは思うのですが、やはり厳しい現実、客観的な現実、何事もそんなにうまくばかりいくとは限りませんので、そうしたところを見せるという意味でも、ここの対象年をもう少し延ばして財務省としても公表されることをお考えになってもよいのではないか。それから、この後年度影響試算と併せて、本日の資料にはありませんが、国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算というのが出されていると思います。これについても、今は何年まで出されているかというのが、9年先までなのです。9年先までなのですが、これは私も少し古だぬきで、前々からよく拝見していましたが、前はもう少し、3年ぐらい長く出されていたのではないでしょうか。何で財務省さんはこの出す年限を短くしてしまったのかなというふうに、この仮定計算についても思っておりますが、やはり国民に対して、一定の前提の下で計算するしかないことは、それはもう十分分かるのですが、やはり客観的にというか、こうしたこともあり得るのだよということを、現実をきちんと見てもらって、ではどうやって取り組んでいかなければいけないのかということをみんなに考えてもらうという意味で、是非財務省としても、少しまたお考えいただけると、御検討いただけるとありがたいかなというふうに思っております。

以上です。

増田分科会長代理それでは、会場に戻ります。広瀬委員、どうぞお願いします。

広瀬委員ありがとうございます。

まず、令和6年度予算についてですが、建議で示された考え方を踏まえて、今回、物価上昇に負けないような賃上げの実現とか、少子化対策とか、経済安全保障対策、それから、能登半島への対応といった幅広い政策を盛り込んだ予算を編成していただきまして、歓迎したいと思います。確かに、良いことをたくさんやっていると思います。ありがとうございました。

先日、名目のGNPがドイツに抜かれて4番になってしまったというふうな報道が出ておりましたが、もちろん為替とか物価上昇率の差によるものと理解していますが、やはりそれでも、我が国の潜在成長率が低迷している、生産性が劣後している。これはやはり大きな課題ではないかなというふうに認識をしております。

企業人というか、企業の立場からお話しさせていただきますと、確かに今、人手不足という非常に厳しい経営環境が続いているわけですが、やはり我が国の成長をこれから確かにするためには、企業自らが、DXをはじめ成長投資をこれから積極的に行うということが非常に必要なのではないかなと。言ってみれば、皆様おっしゃるとおり、守りの経営から攻めの経営へということですね。それによって生産性あるいは付加価値を上げていくということが必要だし、今非常に大きなチャンスに来ているのではないかなというふうに思っております。

一方、足もとを見ますと、賃上げの機運が非常に高まっているわけですが、従業員の7割を占めています中小企業においては、依然として業績の改善を伴わないような、いわゆる防衛的な賃上げ、これが依然として多いというのが実態でございます。今後、自律的・持続的な賃上げに踏み出せるように、適正な価格転嫁、つまり、仕入れコストだけではなくて労務費も含めた適正価格、そうした環境を整えていくことが必要なのではないかなというふうに思っております。

最後になりますが、先ほど秋池さんからもお話がありましたが、やはり企業経営にとっても、国民生活にとっても、将来不安、これがある限り、なかなか前向きな行動をちゅうちょせざるを得ないということであると思います。そうした意味で、政府におきましては、財政健全化の旗を下ろすことなく、引き続き徹底的な歳出改革、これは当たり前ですが、不安の払拭に向けた成長と分配の好循環、これに全力を傾注していただきたい。これは経済界も含めて、あるいは国民も含めて日本の課題であると思います。是非政府におきましてはリーダーシップを発揮していただければというふうに思っています。

以上でございます。

増田分科会長代理それでは、土居委員お願いします。

土居委員令和6年度予算編成、お疲れさまでした。8ページの資料にその令和6年度予算の歳出が掲載されていますが、私は、令和6年度は令和5年度と比べて若干予算が増えていると。つまり、防衛力強化資金繰入れというのは令和5年度予算にはあるが、令和5年度中に支出するものではないということなので、それを差し引くと、令和5年度予算というのは総額で111兆6億円ということになって、それと比較すると1.1兆円ぐらい予算は増えていて、でも、0.96%程度しか増えていないと。物価上昇期の予算編成で財政健全化と整合的にするには、物価上昇を上回らないように歳出を抑えるという、物価上昇率よりも低いパーセンテージで歳出を増やすと。歳出を増やすというのは、もちろん減らすべきものは減らすべきであると思いますが、予算を要求する側も、やはり前の年度より予算は増えてほしいと思うと。だが、財政健全化を進めるには、実質的に財政支出を減らさなければいけない。そうした意味では、物価上昇と比べて低い歳出の増加率に抑えれば、財政支出は実質的に抑制できたと言えるというふうに思います。今回の予算編成は、政府経済見通しでは物価上昇率は2.5%ということになっているということであるとすると、それよりも低い増加率に収められたということなのだろう。そうした意味で、実質面での財政支出の抑制というのができたと言うべきであるというふうに私は思って評価をしております。

それからもう一つは公債依存度でして、公債依存度は、令和5年度は補正予算のベースでは34.9%まで上がっているということと比べると、令和6年度当初予算ベースでは31.5%ということで、低下させることができている。もちろん、この令和6年度内の補正予算で更に公債発行が増えるということのできるだけないように収めていただくということが、公債依存度を引き下げていくという意味では非常に重要であるというふうに思います。確かに、公債依存度は、東日本大震災のときに50%を超えて、コロナ禍で70%を超えたという過去があるわけですが、コロナ前では、あいにく40%を割るところまでは行ったのですが、3分の1、33.3%ですね、これよりも下回るということはなかなかいかなかった。今回の令和6年度の当初予算では3分の1を割るというところまで公債依存度を引き下げられているということですので、そうした意味では、公債依存度を引き下げていくということを通じた財政健全化というものの評価という意味では、スピードはいろいろ人によって評価は違うかもしれませんが、順調に公債依存度を低下させるということができているという意味で、これもまたよかったことなのかなというふうに思います。今度は3割を割ると。鈴木財務大臣にお目にかかるたびに、鈴木善幸内閣において、それ以前に公債依存度が3割を上回っていたところを、3割を下回るところにまで引き下げたという歴史的な業績がお父様にはおありであるということを申し上げているのですが、令和7年度には、できれば3割を割るというところを目指していただきたいというふうに思っていたりいたします。

そうした意味では、公債依存度を引き下げていくということが非常に重要で、それは、もう少し国民に理解を求めるということであれば、いかに今年の予算で恩恵を受ける我々が後世にツケを回すような割合、度合いを引き下げていくかと。ゼロにするということを言っているわけではないわけだが、できるだけ後世に迷惑をかけないようにする、その比率を下げていくということが非常に重要かなと思います。

最後に、佐藤委員もおっしゃっていましたが、2025年の目標の後どうするのであるということはあるわけですが、プライマリーバランスは、成長実現ケースでは改善していく傾向にあるということではあるのですが、プライマリーバランスは、あいにく利払費がその収支の定義の中に含まれてないということがありますので、今後の利払費の増加をのみ込んでも、なお財政を健全にできるような新たな財政指標というのは必要だろうと思います。

その意味でいうと、本日、参考資料で中長期試算を全文用意していただいていますが、財政収支ですね、基礎的財政収支ではなくて財政収支で見たときに、財政健全化目標を何か立てられるのかというと、よくEUの安定成長協定で、財政赤字が対GDP比で3%以下にするという、そうした議論もあるのですが、実際これを御覧いただくとお分かりいただけると思うのですが、成長実現ケースでも、ベースラインケースでも、2030年前後の日本の財政収支というのは3%を割っているという状態になっていって、これは、何の政策努力をしなくても3%を割るというところが実現できてしまうという、そんな話になってしまうわけなので、そんな目標は全然目標たり得ない。EUが掲げているからといって、日本でそれをまねをするといったところで、何の規律にもならないというふうに思いますので、そこは、今後議論していく上で、甘い目標設定を出さないように、しっかりと財政規律が確立できるように、しかも、その財政規律が確立するということは、無駄な支出を抑制するという意味において国民のためになるのであると。財政収支を改善して国民生活に何のためになるのですかというふうに言われると、説明するのが長くなるわけですが、無駄な支出をできるだけ出さないようにするということに関しては、国民も理解をしていただけるところになるのかなというふうに思います。

私からは以上です。

増田分科会長代理それでは、末澤委員お願いします。

末澤委員どうもありがとうございました。私から3点申し上げます。

まず、私も今、証券会社に身を置いている立場でございまして、日経平均株価が4万円を超えたということで、極めて喜んでおります。ただ、単純に喜べないのは、内外のバランスが大きく変化したからです。私は1980年代後半からずっと債券のディーラーをやっていたのですが、日経平均が前回高値をつけたのは、1989年12月29日大納会、3万8,915円、これはもうずっと頭の中に入っているのですが。その数年前、87年2月にNTTが上場します。87年10月にブラックマンデーが起きて、その後、私の記憶であると、大体NTTの時価総額がニューヨーク証券取引所時価総額と一緒になると。近年、ここ5年あたりは、ニューヨーク証券取引所上場の上位2社、足もとであるとマイクロソフトとアップルですが、これと日本のプライム市場の時価総額が一緒と。ですから、もう形成は逆転していると。89年から90年代初にかけて、東京都の山手線の内側の地価が大体カナダと一緒になり、23区の地価がアメリカ合衆国全体と一緒になると。これがバブルだったのです。ですから、当時と今とでは全く雰囲気は違うということは申し上げておきたいと。

なぜそうなったかというと、もう端的に言えるのは、やはり円の価値が下落していると。これは、インフレ換算した実質実効為替レートでは、今の円の価値は1970年以前、つまり、統計開始以前の水準にまで下落しています。それでどんどん下がっていると。つまり、ずっと円が名目で安くなる一方、日本はずっとデフレで向こうはインフレでしたから、実質的、いわゆる購買力平価でもどんどん落ちていると。つまり、日本人が買えるものというのは、同じ1円で買えるものは全然減っていると。つまり、この間ずっと国際競争力が落ち、また、少子高齢化、日本の人口のピークは2008年から2010年頃ですが、生産年齢人口のピークは1995年です。つまり、いわゆるジャパン・アズ・ナンバーワンというのはやはり1990年前後だったということです。そのトレンドはまだ変わっていません。最近ドイツにGDPが抜かれたというのは、そのトレンドが単に今表面化しただけであって、何ら最近変わったわけではないので、やはりここでもう本当に再起して、もう一回この日本の国際競争力を上げていく。つまり、成長戦略等をずっとやっていくということは極めて重要で、しかもこれがないと、恐らく人口ももっと減ると思います。韓国の合計特殊出生率が0.72ということで、去年、もう本当に衝撃的なニュースが出ていましたが、日本も、私はこのまま行くと1を割る可能性は十分あると。去年の日本における日本人の出生数は、私の試算であると72万8,000人ということで、もうこれは過去最低、統計開始以来最低になると。ですから、そうしたことに対して少子化対策を含め、産業振興策等をやらなければいけないということが一つ。

一方で、最近、IMFのいろいろな報告書、エコノミー・アウトルックでよく言われているのが、財政バッファーをつくりなさいということなのです。いろいろな危機が増えていると。私が申し上げる危機というのは、パーマ・ポリ・クライシスと言っているのですが、パーマは長期的な、ポリは複合的、長期的な複合危機がどんどん増えていると。これはウクライナ戦争、パンデミックもそうですね。今後、トランプ氏が戻ってくる可能性もありますし、いろいろな地政学、地経学的リスクは恐らく増えることはあっても減ることはない。そうした状況に備えて、これは少子高齢化もそうなのですが、財政バッファーをつくれと。今、平時下にようやく戻ってきましたが、これが最近のIMFのメッセージなので、次の危機への備えが必要です。これはやはり気をつけなければいけないと思います。

特に日本の場合ですと、欧米諸国と違うのは、コンチネンタルな国と違うのは、地震が多いのですよね。この1月1日大きな地震がありました。御案内のように。また、先々週、先週と、ずっと千葉で大きな地震が起きている。ワイドショーを見ていると、皆様水を買っている、簡易トイレを買っていると。備えをされているのですね。日本は南海トラフ地震の発生確率は去年引上げになりまして、40年内の発生確率が何と90%です。よく皆様言われるのは30年、これは、30年内発生確率は70から80、大体端的に言うと75%なのですが、40年の発生確率は去年引き上げられまして90%になったのです。そうすると、やはり90%の確率に備えるというのは普通の考えであると思いますので、そうしたやはりバッファーが必要であると。

そうした中で今回の予算を鑑みますと、よくはできていると思います。ただ、少し苦言を申し上げると、歳出の総額が1兆8,000億円減っているということなのですが、この前に予備費が4兆円減っていると。また、防衛力強化資金への繰入れが3.4兆円減っていると。ですから、これを除くと実は相当増えているのです。

もう一つ私が懸念しているのは、今回予備費が減ったと。これは良いことなのですが、今年度に関して見ると、実は補正は相当予備費の余りで対応していると。来年度に関して見ると予備費が少ないと。一方で、御案内のとおり、社会保障費の余剰分は少子化対策、歳出削減も含めてです。それ以外の部分は防衛力強化に向くということなので、つまり、今年度以前と比べると、補正予算に充てられるこの余剰分が大幅に減っているわけです。ですから、来年度後半に大型の補正予算を組むと、これはもう即2025年度のPB黒字化計画が相当厳しくなると。今回内閣府の試算であると、歳出効率化が進めば、0.2兆円、2,000億円の黒字が2025年に達成するということですが、これは当然補正予算等を含んでいませんから、そうした意味では2024年度の補正、また、2025年度当初予算は本当に正念場の予算になるということであると思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、國部委員、どうぞお願いします。

國部委員昨年秋、我々が建議を取りまとめて以降、例えば我々が主張した診療報酬の引下げ等をはじめとして、様々な反応、中には強い反発もある中で、建議を踏まえて令和6年度予算を御編成いただきました。関係者の御努力に感謝を申し上げます。その上で、本日は2点申し上げます。

1点目は、予算編成に関する建議の反映状況についてです。資料の20ページ以降に、建議における記述と予算等への反映状況を整理していただいております。こちらは、建議がどう反映されたかを中心に紹介していただいているわけですが、こうした点に加えて、「反映されなかったこと」、あるいは「反映されているが十分ではないこと」についてもしっかりレビューをして、来年度以降に向けて善後策を練っていく必要があると思います。

特に、歳出の規模が大きく、その分、歳出削減余地も大きい分野についてのレビューは、政策や予算のスクラップ・アンド・ビルドを進めるに当たって必須と考えます。

例えば、8ページにお示しいただいております主要経費別内訳のうち、コロナ前の平成30年度の決算額と比べて増えているのは、決算に出てこない予備費を別とすれば、社会保障関係費、防衛費、国債費、地方交付税等交付金であり、これらの分野に関して議論を深めることが、健全な財政運営の実現に向けて有用であると考えます。

具体的には、社会保障については、全世代型社会保障制度の構築を通じた負担と給付のバランスの見直しや世代間格差の是正、防衛に関しては、積み残しになっている安定財源の確保、地方交付税等に関しては、一般財源総額実質同水準ルールを今後どうするかなど、財務省だけで完結する話ではないかもしれませんが、政治や関係省庁を巻き込んで議論し、結論を得ていくべきと考えます。今後、金利上昇に伴う国債費の増加によって、予算編成の自由度が低下するリスクも懸念される中、これまで以上に歳出削減努力が求められるものと思います。

2点目は、春の財審で議論したいポイントについてです。昨年秋にも申し上げましたとおり、少子高齢化や安全保障環境の緊迫化、さらには、今後想定される金利上昇など、経済・社会を取り巻く環境が大きく変化しつつある中、今回の財審では是非、我が国の財政をどのように運営していくべきかという視点で議論をしていきたいと思います。

2024年度の骨太の方針には、先ほどから話題になっていますが、2025年度以降の中期的な経済財政の枠組みも盛り込まれる予定と聞いており、今年の春の建議は例年以上の重みがあると思います。2025年度のPB黒字化という財政健全化目標を達成し、その後も我が国の経済・財政運営に対する信認を確保できるよう、野放図な予算策定を許さない仕組みや、独立財政機関の設置、中長期的な財政計画の立案など、より大きな枠組みについて骨太の議論ができることを非常に楽しみにしております。

以上でございます。

増田分科会長代理それでは、武田委員、お願いします。

武田委員ありがとうございます。

まず、令和6年度予算編成及び能登半島地震への対応について、関係者の御尽力に感謝いたします。

令和6年度の予算編成の一つとして、こども・子育て財源の議論がございまして、それについては、先ほど木村委員等が御指摘したとおりと思います。ただし重要なのは、今後に向けての議論と思います。資料でも、工程表の提示と書かれておりますように、社会保障改革の工程表に基づき、具体的に話を進めていく必要があると思います。社会保障の具体的な改革を一つ一つ進めていくことが、先ほど広瀬委員もおっしゃられた将来不安の解消――解消とまでは難しいかもしれませんが、抑制に資するものと考えておりますので、是非改革の具体化に取り組んでいく必要があると思います。

2点目は、PB黒字化の方法で、目標に向けて、まずはしっかり達成することが重要と思います。同時に、金利上昇に対しては債務残高の高さが、サステーナブルな状況とは言えない水準であると考えます。数字でもお示しいただいたように、金利1%で3.6兆円、2%では、7.3兆円という結果が出ています。まずPB黒字化達成をしっかり実現するとともに、債務の安定的な引下げを目指していくこと、こちらも重要な論点ではないかと考えます。

3点目、成長と財政健全化のバランス、全体最適に関してです。成長に資する予算をしっかり確保する必要があるということは、そのとおりであると思います。大事なことは、真に効果があるものにしっかり使っているかということです。鍵は、EBPMとデータ連携で見える化していくことではないかと考えます。予算をつけた後に期待した成果が出ていないものもあろうかと思いますので、そうしたものについては、EBPMで評価しスクラップ・アンド・ビルドを図り、真に効果的なものに、より予算を回していけるようにしていく。また、予算だけでは駄目なケースも多く、制度改革を伴って行うことによって、真に成長に資するものにしていく、そうした努力が必要ではないかと思います。

行革ではレビューシートの策定を行っております。今後それを財務省でも予算の策定のときに使っていただいて、それが蓄積されれば、データベース化され、それによって様々な予算との関係性なども見える化できる可能性もございます。横断的に予算を活用することによって効果が出てくるもの、また、重複している予算も見えてくると思いますので、是非そうした視点で活用していただければと思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、ここで、オンラインの方にお願いします。

田中委員、それから滝澤委員、この順番で御発言お願いします。

まず田中委員からお願いします。

田中委員田中です。発言の機会をありがとうございます。

まず、令和6年度の予算では、やはり必要なところは支援を充実させて、また、特にこども・子育て分野は加速前倒しで強化をされるという内容であり、効果が限定的、あるいは効果が出ないであろうと思われるところは削減をして、予算の質の向上が図られたものと理解をしております。このメリハリが活力になって、PB黒字化目標に向かえるようにと、兆しや期待が持てるという面がありながら、でもやはり財政は厳しい、財政赤字である、財政健全化が必要ということへの関心が、国民の中でまだまだ十分ではないというか、希薄であるという現実もあるなと認識をしております。

財務省が発行する冊子の『ファイナンス』で、いつも読ませてもらっているのですが、Z世代の活躍する方とのフューチャートークという企画が掲載されているのですが、現状も危機感も想像以上に伝わっていないのだなということが分かりまして、少し寂しい、驚きにさいなまれるところですので、広報紙の方は直接この声を聞いて、直面してかなり衝撃を受けておられるのではないかなと想像です。同時に、でも、自分たちにも担える役割があるんであるとか、税についてもっと知ってアイデアを出したいというふうなZ世代の声も得ていますので、このきっかけを広げていくということはできるなと思っています。

暮らしと税の関係性が理解されなかったり、実感が湧かないということにアプローチをしていく中で、本日もお話が出ていましたが、日本の株式市場の力とか予算とか財政とか、全てがつながっているということを今こそ実感してもらうことが大事ですし、それぞれの主体の努力も、他者のことも正確に知って、何に取り組んで何を目指すかということが感じられるように、この資料の中のキーワードにもありましたが、この改革工程、税制の改革工程、ここへの理解と関心と、できればそこへの参加意識が高まるような情報発信や解説というのが出るよう工夫したいと思います。

賃上げも続く傾向において、また、能登地震における機動的な措置から、安心とか実感というのは、少し情報が付加されれば更に深まるところがありますので、これを顕在化しながら、今後、経済成長につながる財政ということを認識して、結果を皆で出していくという機運醸成に力を入れることが重要で、春の建議に向けても考えていきたいと思うところです。

よろしくお願いいたします。

増田分科会長代理それでは、滝澤委員どうぞ。お願いします。

滝澤委員御指名ありがとうございます。令和6年度予算の編成、それからポイントの御説明、ありがとうございました。

これまでも御指摘ありましたが、中長期の経済財政に関する試算ですが、ポイントは、全要素生産性、TFP上昇率の設定と労働参加率にあろうかと思います。ベースラインケースでは、TFPは直近の平均並み、0.5%で、成長実現ケースで、デフレ状況に入る前の期間の1.4%程度まで高まるという、そうしたシナリオが設定されています。労働参加率も、女性や高齢者を中心の成長実現ケースでは上昇するというようなことが前提になっていると思います。ですから、財政につきましても、こうしたTFPと労働参加率が、これら成長実現ケースの前提を実現できるような政策に資源が配分されるべきと思います。

これまで、中空委員はじめほかの委員の皆様も御指摘でしたが、成長及び生産性向上に資する政策というのは、賃金上昇とも関連して非常に重要と考えられますので、ワンショットではなくて長期的に、そうした政策は強化していくという姿勢を示していく必要があろうかなと思います。

私からは以上です。

増田分科会長代理それでは、会場に戻ります。

平野委員どうぞ、お願いします。

平野委員ありがとうございます。私からは大きく2点申し上げます。

1点目は、来年度予算についてです。既に何名かから言及されておりますが、昨年の建議で提案した診療報酬のマイナス改定が実現しなかったことは残念ですが、財務局を動員した機動的調査を通じて医療機関の財務状況を明らかにし、特に診療所における内部留保と、分配の公正性の問題について問題提起できたこと自体は、大きな成果だと思います。

ただ、先ほど秋池さんも言及されていたように、これを今回だけで終わらせてはいけません。一方で、人海戦術での対応には限界があります。これを機会に診療所等の経営実態を継続的に正しく把握するために、医療機関の経営情報のデータ整備と開示を進めていくべきだと思います。

また、全世代型社会保障制度の構築には、従来からの歳出改革に加えて給付と負担の見直しや、医療提供体制の効率化に向けた踏み込んだ制度改革が必要になるということも、既に言及されているとおりです。今回は時間もなかったので、各施策を昨年末の「改革工程」に落とし込むことで精いっぱいだったと思われます。これ自体はよくやっていただいたと思うのですが、武田さんがご指摘されていたように、リストアップした施策を時間軸も含めて実行計画に落とし込んでいく作業を是非急いでいただきたいと思います。

2点目は、春の財審のテーマについて、いくつか申し上げたいと思います。いずれも、経済が動き出した今こそ、放置すると財政規律が緩みがちになってしまうので、財政健全化、財政規律の回復に取り組むべきである、という問題意識によるものです。

まず、土居さんはじめ複数名が触れられていましたが、歳出の目安のリニューアルは必須だと思います。インフレの影響は確かに考慮しなければならない一方で、それに乗じた歳出拡大をどう回避するのか、くわえて、宿題になったままの子育て財源を約束どおり歳出改革で捻出することを促す仕掛けをいかに作り込むのか、という点がポイントになると思っています。

以降は、三点ほど問題提起をさせていただきます。

一つ目は、國部さんもおっしゃっていた、複数年度にわたる財政支出の大枠などを規定する3年ないし5年の中期的な財政フレームワークを導入することを是非検討いただきたいということです。政策の優先順位を明らかにしてスクラップ・アンド・ビルドを進め、資源配分の全体最適化、オプティマイゼーションを図るための枠組みであるということと同時に、補正予算をこの枠内に収めることで、安易な歳出膨張への歯止め効果が期待できます。英国、オランダ、オーストラリアあたりを参考に検討を進めてはいかがかと思います。

二つ目は、IFIについてです。これは、これまでも何度も申し上げてきたので繰り返しませんが、財審としてもスタディーして、しかるべきタイミングで考え方を用意しておくべきだと思います。

三つ目、これはどちらかというと質問なのですが、先ほど佐藤さん、土居さんからお話が出た、ポスト2025年PB黒字化目標、いわゆる財政健全化目標の設定に財審がどう絡んでいくのかということです。先ほどから何名かがおっしゃっているとおり、ここでもインフレをどう捉えるかということが重要な論点になります。格付上の健全化指標として、対GDP比の公的債務比率の改善にも意味があることは間違いないです。しかしながら、第1に、インフレ税依存型の改善でよいのか。第2に、仮に比率の改善を目標の一部にするとしても、レベルをどう設定するのか。第3は、小黒さんは財政安全保障と表現していましたが、末澤さんがおっしゃっていたパーマ・ポリ・クライシスともいわれるような有事への備えとしてのバッファーをどれほど見積もるのか。言い換えれば、そうした事態が起こったときに、国民生活に破局的な影響を及ぼすことがないようなバッファーというのは一体どの程度なのか、など本格的に議論すると論点は数多くあります。この辺りも踏まえて、しっかり議論をしていただければと思っております。

以上です。

増田分科会長代理それでは、権丈委員、どうぞ。お願いします。

権丈委員令和6年度の予算編成、どうもありがとうございます。私からは、既に何人かの委員からお話もありましたところですが、こども・子育てに絞ってお話しさせていただきたいと思います。

こども・子育て支援の安定財源の確保については、1.57ショック以来、長らく議論されてきたことです。そして、ようやく2021年の骨太の方針の中で、「安定的な財源の確保にあたっては、企業を含め、社会・経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で、広く負担していく新たな枠組みについても検討する」と書かれました。その後の検討の中で、少子化の原因でもあり、かつ、少子化緩和の便益を受ける既存の社会保険制度を活用するという理念を共有する与党がこのたび法案を提出されています。

財審でも、2020年秋の建議で、「賦課方式をとる我が国の社会保険制度の持続性の確保や将来の給付制度の向上につながるものであることを踏まえると、医療保険制度を含め、保険料財源による少子化対策への拠出を拡充するという考え方」が示されておりました。既にご指摘がありましたように、支援金制度に関する理解を促すことはとても大切なことだと思います。そして、それに関する関係者の皆様の御尽力に感謝申し上げます。

その上で、支援金制度を支持するかどうかというところは、理念、価値判断の問題でありまして、理念を共有されない人たちから反対があるというところは、ある意味で仕方がないと思います。

私は、支援金制度に関するこども家庭庁の大臣懇話会の構成員でありました。懇話会では、連合以外の、経済界、知事会、健保連、後期高齢者医療制度関係の代表されている首長の方など、皆様がそろって支援金の理念に賛同の意を示されておりました。くわえて、法律学者の早稲田大学の菊地先生は、少子化対策から受益する全ての世代、そして、経済社会全体が子育て世代を支える、分かち合い、連帯の仕組みであるという説明には十分な合理性があり、だからこそ、同じく連帯の仕組みである社会保険のスキームを活用することになじむと論じられ、さらには支援金制度を単なる財源調達のための技術的手段と捉えるのではなく、その本質を捉えて、今の日本に必要な新しい分かち合い、連帯の仕組みであり、社会保険制度のよって立つ基盤を更に強固にすることにもつながるものと捉える視点が重要であるとも論じられておりました。

先ほども申しましたように、支援金の話は、理念、価値判断の問題がございまして、そうした理念を共有できない人がいるのは当然とも言えます。しかし、政府が今般国会に提出した法案には、大勢の――この人たちは割とサイレントなわけですが――大勢の人たちが応援しているということを懇話会での議論を聞いていた1人として申し上げておきたいと思います。

以上でございます。

増田分科会長代理それでは、オンラインで堀委員から合図がございましたので、堀委員、どうぞ御発言ください。

堀委員よろしくお願いします。本年度は、診療報酬、介護報酬、障害者福祉サービスと、報酬改定のトリプル改定、そして、こども未来戦略全世代型の改革工程という非常に難題がある中で、調整を苦労されてまとめられたと思っております。尽力について敬意を払いたいと思います。

ただ、資料5ページの今年度の予算のポイントに記載されてありますような、「歴史的な転換点の中、時代の変化に応じた先送りできない課題に挑戦し、変化の流れを掴み取る予算」と書かれていますが、正直、どういう未来に向かっていっているのかというところについては、課題に挑戦されたということは理解はできているのですが、変化の流れについては、正直、私自身は少し分からないところもあるかなと思うところもあります。

財政そのものの「見える化」を進めるということは、これまでも財審でも、重要であるということは繰り返し皆様からも意見が出ておりますが、反映されたものと反映されなかったものがあるかと思います。先ほどほかの委員からも、反映されなかったものについてこそレビューが必要ではないかということがありましたが、繰り返し指摘されてもできないこともあると思います。なぜできないのかというところの分析のようなものも引き続き必要なのではないかと思われます。

昨年度、財務省が実施された機動的な財務調査のような調査は、「見える化」のために非常に重要であると思いますが、それを継続的に実現しやすくするためにはどうすればよいかというのは引き続き重要な課題であると思います。

また、医療福祉分野において率先した賃上げ姿勢を示すという観点から、今現場で働く方々の処遇改善、そのこと自体は理解はできるのですが、公的価格の在り方の見直しがこれからどういうふうに進むかにもよると思いますが、物価高、賃上げというのはこれからも続くと思いますので、本当にこれからも同じように診療報酬等の伸びだけで対応できるものなのか。これまでも、必ずしも加算をしても、それが実際の処遇につながっていなかったということもありますので、その辺のボトルネックがどうなっているのか。また、今後同じような傾向が続くときに、何かしらの合理的なルールのようなものが必要なのかというものを検討する必要があるのではないかと思います。

それから、支援金導入については、様々な価値判断があるかと思いますが、丁寧な説明、そして法的な整理も必要であるとこれまでも述べてきましたが、特に医療保険と医療保険の保険料に上乗せしてセットで徴収するということと、それは保険料であるかどうかということとは別の話であると思いますので、公費、保険料の役割機能についての整理をきちんとした上で、国民に分かりやすく説明していくこと、そして給付と負担の関係性を明確にするように具体的な制度設計をしていく必要があるのではないかと思います。

財審の役割は非常に大きいと思いますが、財審そのもののPDCAではないですが、私も何年か委員をさせていただいていて、うまくいっているものと、毎回課題で上がっているものがあるなと思っていますので、その辺の整理というものも必要ではないかと思います。

以上です。

増田分科会長代理ありがとうございました。

それでは、委員からの御発言は以上にさせていただきます。

最後に私も、今年の春のこの場での議論ですが、従来から何度も繰り返していますとおり、歳出構造を平時に戻すということをどう実現するのかという上で大変重要な時期に来ていると思いますので、本日は各委員からも、様々、その点御指摘をいただきましたが、そうしたことをきちんと議論できればと思っている次第でございます。

それでは、事務局からこれまでの発言を聞いて何かありますか。よろしいですか。

それでは、珍しく時間が早いのですが、以上で本日の議題は終了とさせていただきます。

なお、会議の内容につきましては、この後記者会見で御紹介いたしますので、個々には委員の皆様方から報道機関にお話をすることのないように、御注意いただきたいと思います。

次回は4月4日木曜日、14時から開催ということになりますので、よろしくお願いします。詳細につきましては、事務局から追って御連絡をさせていただきたいと思います。

本日はこれにて閉会といたします。御多用中のところどうもありがとうございました。

午前10時50分閉会