財政制度等審議会財政制度分科会
議事録
財政制度等審議会財政制度分科会議事次第
令和5年11月8日(水)14:00~15:55
第3特別会議室(本庁舎4階中-412)
-
1.開会
-
2.議題
とりまとめに向けた審議
3.閉会
分科会長代理 |
増田寛也 |
神田副大臣 矢倉副大臣 瀬戸大臣政務官 佐藤大臣政務官 新川主計局長 寺岡次長 前田次長 吉野次長 大沢総務課長 木村主計企画官 西村法規課長 山本給与共済課長 横山調査課長 有利主計官 山岸主計官 小野主計官 佐久間主計官 小澤主計官 端本主計官 松本主計官 漆畑主計官 尾﨑主計官 後藤主計官 石田予算執行企画室長 西尾主計企画官 小田切公会計室長 |
||
委員 |
大槻奈那 河村小百合 熊谷亮丸 小林慶一郎 武田洋子 土居丈朗 藤谷武史 芳野友子 |
|||
臨時委員 |
上村敏之 遠藤典子 小黒一正 木村旬 末澤豪謙 田中里沙 中空麻奈 平野信行 堀真奈美 神子田章博 横田響子 吉川洋 |
午後2時00分開会
〔増田分科会長代理〕それでは、会議を始めます。本日は特にカメラは入りませんので、ただいまから財政制度等審議会の財政制度分科会を開催いたします。
本日は冒頭から、矢倉副大臣にお越しいただいております。ありがとうございます。神田副大臣、瀬戸大臣政務官も後ほどお越しいただく予定でございます。また、佐藤大臣政務官にはオンラインで御参加をいただいております。
本日は、お手元の建議の案について御審議をいただきます。
この建議案は、河村委員、佐藤委員、武田委員、土居委員、中空委員、吉川委員に起草委員をお願いして御議論いただいて、取りまとめていただきました。起草委員の皆様方、お忙しい中大変ありがとうございました。
なお、前回までこの分科会、ペーパーレス化の取組として、端末及びスクリーンに画面共有で資料を表示すると、こうしたことにしておりましたのですが、今回、それから次回の取りまとめのとき、会議運営上の関係で、建議案及び建議概要については、紙による資料配付、それから参考資料として、いつもどおり図表が後ろに、厚いものがつきますが、参考資料については端末に格納とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
審議に先立ちまして、今後のスケジュールをまず御説明いたします。紙でお手元の建議取りまとめスケジュールというもの、右上に委員限り・対外厳秘と書いていますが、そちらを御覧いただきたいと思います。本日が11月8日で14時から16時までの予定で、この素案を御議論いただきますが、その後、会議終了後に追加でコメントがある場合は、明日11月9日木曜日の15時までに、事務局にメールで御提出をいただきたいと思います。様式は自由で結構でございます。その後、本日の議論、そしていただきました御意見を含めて、起草委員会において改定版の作成作業を行うと、こうした段取りでございます。
次回の分科会は、再来週になります。11月20日月曜日を予定しておりまして、会議終了後に、鈴木大臣のお時間が許せば、取りまとめられた建議を大臣にお渡しすると、こうしたことで考えております。まだ国会の都合等々もおありかと思いますので、一応時間は、このペーパー上は省いてございますが、これもまた後ほど御連絡ということになるかと思います。
委員の皆様には、大変お忙しい中で、短時間でこの建議案の御確認をお願いすることとなりますが、何とぞよろしくお願いいたします。
資料のスケジュールの関係は以上でございまして、次に、本日の審議の進行について申し上げます。
まず、今から1時間弱、50分強になりますが、15時頃までを目途に前半戦です。前半戦は、この建議の素案の総論部分、社会保障部分、それから地方財政の三つの分野を審議していただきます。その後、後半のほうは防衛以下の各項目の御審議をいただくという形で、前後半二つに分けて進めていきたいと思います。そして前後半それぞれ皆様方から御意見をいただいた後に、その時間の中で起草委員の方々からもコメントをいただくと、こうしたことで進めていきます。なお、各起草委員の御担当が分野ごとに分かれておりますので、いろいろ御意見いただいたところ、主にその分野の御担当された起草委員の方からコメントをいただくという形になろうかと思います。
それでは前半戦として、総論、社会保障、地方財政について、これから1時間弱ですが、審議を行っていきます。該当ページでいいますと、お手元に配付されている案の1ページから69ページということになろうかと思います。会場から御意見を5人いただいて、その後、オンラインシステムで5人いただくと、この繰り返しで進めていきたいと思います。それから、いつもどおりでございますが、大変恐縮ですが、限られた時間の中で御発言いただくということですので、2分ないし3分で御意見をおまとめいただければと、このように思います。
それでは、まず前半戦の部分について御意見をいただきたいと思いますので、会場の皆様方からネームプレートを立てて合図をしていただければと思います。
それでは、まず会場で、末澤委員から順に御発言いただきます。末澤委員、どうぞよろしくお願いします。
〔末澤委員〕どうも今回も大部の取りまとめ、本当に起草委員の皆様、事務局の皆様、お疲れさまでございました。引き続きよろしく願います。
それでは、私のほうから申し上げます。まず一番初めにですが、これは思いつきで申し訳ないのですが、毎年、春の建議には副題が、割とキャッチーな副題がついているのですが、年末はついていないと。読者の皆様の関心を誘うためには今後、今回は結構ですが、来年からでも副題を少し載せて、皆様の思いを巻頭に表現したほうがよろしいのではないかと、これは御提案でございます。すみません、それは無視していただいて結構です。
それで、2ページなのですが、上から12行目です。10年債の金利のところなのですが、「0.955%となり、11年6か月ぶり」となっていますが、ここは7か月ぶりが良いのではないかと。この詳細は次のページで御説明したいと思いますが、5ページに同じくだりがございます。5ページの5行目です。「10年債の金利は、11月1日の終値で0.955%となり」と、ここからなのですが、2012年4月9日の0.960%(終値)以来、11年7か月ぶりの高水準となったと。
何でこうした話をするかというと、実はこの前日、10月31日に0.955%は日中、ざら場でついているのです。それをもって各紙が10年5か月ぶりの高水準という報道を一斉にしています。これは、日中のざら場では2013年の5月23日に1.000%ついているのですよ。だが、ここは終値で表現しているので、終値で表現すると先ほどの11年7か月ぶりです。2012年4月9日の0.960%、これ以来となるので、少しここは誤解を招かないようにするために正確にしたほうが良いのではないかということでございます。すみません、私、以前、債権アナリストをやっておりましたので。
そして、7ページ目でございます。7ページ目の下の注のところですが、11でございます。「なお、その後アメリカでは、2024会計年度に向けての歳出予算法案」とあるのですが、ここは「歳出法案の審議が難航し」と、「予算」を取ったほうが良いのではないかと。「政府機関閉鎖危機が訪れたが、9月30日に」、ここなのですが、48日間。なぜかというと、11月17日までですので48日間、ないしは11月17日までの暫定予算、ここを暫定予算として、「暫定予算」の後、括弧で「(2024年歳出継続法)が成立し」です。これはその日にバイデン大統領が署名して成立しておりますので、「成立し、政府機関閉鎖は回避された」と。これはアメリカの場合、可決だけでは成立しないので、したほうが良いと。成立です。少し細かい点で恐縮でございます。
次、14ページです。こども未来戦略方針のところですが、これは私の単なる印象ではあるのですが、やや表現がポジティブなところがありまして、例えば11行目の「問題意識を正面から」という表現です。あと14行目「詳細に」、ここは残していただいても結構ですが、割と気持ちが相当入っているなと。ただ問題は17ページ、上から3行目「今回の『加速化プラン』によって、我が国の少子化対策は、画期的に前進することとなる」、この「画期的に」というのはややどうかなと個人的には思っておりまして、「大きく」ぐらいが良いかなと。これはお任せしますが、「広く国民の負担を求め、巨額の予算を投じる以上、政策が当初想定した効果を発揮しているか、KGI、KPI、EBPMの観点も踏まえながら検証を行い」と、私は、できればKGI及びKPI、EBPM、この三つ入れていただきたい。ちなみに、これについて解説がなければ、下に少し解説を、要は目標を入れろという私の主張がこの辺りで少しでも入れば良いかなというところでございまして、これも詳細はお任せします。
また、少し飛びまして、総務省さんのところです。64ページ、地方財政です。地方財政の現状で、上から8行目「臨時財政対策債の借換債の発行を1.0兆円」とありますが、この後「(前年度比マイナス0.8兆円)」と、これは前年度比入れたほうが良いだろうということです。
また、その2行目下です。10行目「計画額を上回る1.3兆円」とありますが、計画額の後に「(0.5兆円)」と。計画は0.5兆でしたので「計画額(0.5兆円)を上回る1.3兆円を償還するなど」といったほうが、どの程度改善しているのか分かりやすいのではないかと思いました。
ここまでですよね。以上でございます。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございます。
それでは続きまして、小黒委員、どうぞお願いします。
〔小黒委員〕私も、今回これだけのものを、起草委員や事務局の方々が取りまとめていただき、本当に感謝申し上げます。基本的に全体の案については賛成でございますが、大きなところや細かい部分も含め、いくつかコメントさせていただければと思います。
まず、3ページ目の1行目ですが、ここは「事業会社や金融機関の資金調達」という言葉がありますが、冷静に考えると、国の財政が金利上昇したときに大変になるということはもう明らかなのですが、金利が上昇すると、同時に地方自治体の財政にも大きな影響を及ぼす可能性があると思います。もっとも、この議論は地方交付税との関係もあり、やや複雑な話ですので、例えば「事業者や金融機関などの資金調達」という形で、「など」ということを入れていただくと良いのかなというふうに思います。同じ話が、ほかのページ、10ページの8行目にもありますので、そちらももし可能であれば修正していただければと思います。
それから、9ページ目の19行目ですか、多分、これは原案の作成段階でパーツとパーツをつなげたのでこうなっているのかなと思うのですが、「この30年間、我が国の政府支出対GDP比」という記述があり、この後の議論が「対GDP比」の記述かというふうに思われる文章で記載されていますが、下の方を見ますと兆円単位で書いてあります。ですので、ここの「政府支出対GDP」というのは「政府支出」という形にしていただくか、あるいは、下の方の記述を「対GDP比」で記載して、統一していただくほうがよいと思います。
それからあと10ページ目、こちらもまた細かい話ですが、上から2行目のところで「足もとでは再び金利のある世界が現実のものになりつつある。」ということで、今まで低金利で国債の利払い費が節約できていた、いわゆる金利低下ボーナスがあったわけですが、それでも一応、金利もあったことは事実なので、役所の文書という意味では正確性を高めるため、例えば「再び金利上昇圧力がある世界」とか、あるいは「金利低下ボーナスが終焉した世界」とか、もう少し正確に記載していただいたほうが良いのかなと思います。
それから、同じ10ページの20行目のところですが、内閣府の中長期試算に関連した記述があります。この記述は、当初予算ベースの話であり、補正予算を組んだりしないとか、減税をしないとかという前提の下での試算であるというふうに思っています。この文章を読むと、歳出の効率化努力さえすれば、あとは自動的に満たされるというような文章になり過ぎているような気がしますので、その部分を、例えば「歳出効率化などの努力」とか、少しぼかしていただいて、やはり減税などをしても難しくなるということを明確化していただければと思います。
それから、12ページ目のところの12行目ですが、ここはマイナーチェンジといいながら、実は結構重たい話になります。12ページ目の12行目のところに「今後3年間(変革期間)」というふうに、3年に限って書いているのですが、可能であれば、それ以降もというところを書いていただけると良いのかなと思います。なので、提案としては「今後3年間(変革期間)及びそれ以降」という形に修正していただけないかというのが私の提案です。
それから、15ページ目の18行目、こちらも今の子育て財源のところで非常に重要な話であると思います。ほかのところであれば、もう少し言い切っている形なのですが、「使途の拡充を検討すべき」と書いてあって、「検討」という形になっているのです。そうではなくて、ほかのところであると、例えば「すべき」とかと、はっきり書かれていたりするので、使途の拡充を行うべきとはっきり書いていただいたほうが良いのではないかと思います。
それから、あと17ページ目のところです。この提案は、社会保障改革との関係で、かなり重たい要望になります。この記述のところの全体のどこに置くか少し迷っているのですが、例えば22行目に「相当程度の乖離がある」という記述がありますが、その文章の後に、例えば次のような文章を入れていただくことはできないでしょうか。私の文章案を読み上げさせていただくと、「もっともマクロ的には、社会保険料収入などの財源は中長期的な経済成長率に連動して増加するため、給付がその範囲の伸びに収まるなら許容できるが、そうでない場合、現役世代の負担増を抑制するためには、医療、介護に係る保険給付の伸びも一定の範囲内にとどめる必要がある」とはっきり書いていただくということがもし可能であれば、していただけないかなと思います。
それから32ページ目のところで、これは薬価制度との関係なのですが、10行目で、国民皆保険の持続可能性とイノベーションの両立、これは非常に重要な話に思います。ただ財務省の視点からすると、薬価制度をどんなに微修正しても、既存の薬品の数量が伸びれば財政全体のバジェット(予算)に収まるとは限りませんので、「薬価制度の在り方」というのを、例えば「薬価制度などの在り方」とかに修正いただけないでしょうか。この「など」の意味は、趣旨を申しますと、事前の財政規律を確保するためには、やはりミクロの改革のみでは限界があるので、薬剤費の総額管理のようなものも検討する余地を残すために、「など」というのを入れていただけないかという提案です。
それからまた、58ページ目の27行目です。27行目から次のページの18行目まで、どこに挿入してよいか分からないのですが、金融資産を考慮に入れた負担の仕組みというものの迫力が少し少ない、弱いように思います。現状、国民保険料には、御存じのとおり資産割があり、例えば固定資産税に税率を掛けて徴収する自治体(例:福島県相馬市、令和5年度から4年間で資産割を段階的に下げ、令和8年度には3方式に移行)がまだ残っているということもあると思いますから、金融資産等の考慮との関係でこのような情報も、例えばフットノートでもよいので、何かどこか挿入いただくことはできないかということがもう一つです。
また、65ページの10行目です。地方財政のほうも先ほどの中長期試算と同じ関係ですが、10行目のところで、歳出改革努力は重要なのですが、それだけではなく、自治体は自主財源なんかもしっかり確保していただく努力が必要があると思いますから、「歳出改革努力など」とか、「など」という言葉を入れていただけないかというのが、取りあえずここまでの私の御提案です。よろしくお願いします。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは続いて、平野委員、お願いします。
〔平野委員〕皆様がおっしゃっているとおり、今回の建議案は大変な力作でありまして、まずもって起草委員はじめ、事務局の皆様に敬意を表したいと思います。
最初に潮目の変化ということを打ち出した上で、各論の部分で、今回は特に社会保障を中心に具体的な改革のアクションも示されており、構成や構えも誠に当を得たものであると思います。その上で、追記いただきたいことを申し上げて、残りは意見書を提出させていただきます。
まずは、総論でもう少し書き込むべきと思うことについて申し上げます。
1点目は、我が国の経済財政運営の基本的な考え方についてです。ここでは民需主導と言いながらも、総論全体の印象としては、このままでは格下げになりかねないから財政健全化を進めていかなければならないというトーンがかなり強く出ています。非常に危機的な状態にあるのは間違いないし、その考え方は健全ですが、ならばどうすべきかという基本的な視座を、7ページ19行目の(2)民間主導の経済について記載があるところで書きこめないかと思います。具体的には二つ申し上げます。
一つ目は、6ページの下段にもご記載いただいているように、世界の主要各国が財政健全化に向けた取組を進めているわけですが、同時に国家的な成長施策を強力に推進しているということも新たな変化です。そうした中においては、日本でも、財政規律を回復させると同時に、日本の潜在成長率を引き上げるための成長投資に向けて民間の投資を誘引するという観点から、戦略分野を中心に重点的に推進するという国の役割を総論で明確に打ち出すべきではないかと思います。
二つ目は、社会保障領域においても、総論の中で目指すべき方向性について書き込むべきではないかということです。その意味では、経済成長と、社会の安定化というようなテーマを総論の中に入れてはどうかと思います。具体的には、「現在あるべき姿から乖離が目立つ医療・介護領域の適正化を通じて、現在の日本の社会で損なわれつつある世代間あるいは世代内のフェアネスを取り戻す」、「それによって国民の間に根強く残っている将来不安を解消して、社会のダイナミズムを取り戻す」というメッセージを総論で書き込めないかと思います。
2点目は、以前から何度か申し上げているのですが、財政に関する制度的対応の必要性について言及できないかということです。二つ申し上げます。
一つ目は、9ページ目の下段で補正予算の膨張に歯止めがかからないと書かれていますが、ではどうするのかということまでは書きこまれていないので、それを抑制するためのアクションとして中期財政計画の策定の必要性について書いてはどうかということです。これは、第1に財政資源の配分における優先順位を明らかにして歳出歳入両面の全体最適化を図るということでもありますし、第2に補正予算の膨張を抑止する仕組みとして、3年から5年ぐらいの中期計画を策定する必要があると思います。今、複数年度予算が必要だということは言われていますが、どちらかというと財政を膨張させる方向に議論が進んでいるように思われますので、そうではなくて、財政に枠をはめるという意味で中長期的な財政計画を立てるということを、近々策定される次期経済・財政再生計画の中に盛り込むべきですし、それこそ検討すべきではないかと思います。
二つ目は、制度的対応についてです。これも何度か申し上げていますが、これからGX や半導体、子育てなど長期にわたる施策が出てくることになります。今回、EBPMを強調していること自体は良いことですが、加えて二つの仕組みが必要だと思います。第1に、まとまった政策を進めていく場合に、その評価検証を行うための仕組み、すなわち総合的な政策評価機関が必要です。第2に、それら施策の結果として長期的な財政がどうなるかという意味でIFIと言っても構いませんが、長期財政推計が必要です。これら二つの機関設計をすべきではないか、あるいは少なくとも議論を始めるべきではないかということを書き込めないかと思います。
次に、社会保障ですが、これは今回の建議のなかでも、まさに白眉と呼ぶべき部分であり、具体的、かつピンポイントで急所をついている指摘がすばらしいと思います。実証的な調査も行われたということですが、追加で四点申し上げます。
1点目は、今回提案された社会保障の一連の改革で我々が目指している全世代型の社会保障について書き込むべきではないかということです。具体的に言うと、「全世代型社会保障を通じて国民の将来不安を取り除き、社会保障制度の持続可能性を確かにする」という目指すべき姿・ビジョンを明確にした上で、具体的な取組内容として、「医療・介護における過剰な支出、すなわちナイス・ツー・ハブ的な支出を削減することで、シニア偏重の保障的な支出から、現役・子育て世代への未来志向の投資的な支出にシフトする」、「応能負担によって世代内での公平性を確保する」という、哲学・ビジョンを社会保障の各論の部分でもう少し具体的に書いてはどうかと思います。
2点目は、マイナンバーについてです。今回は、金融資産を勘案した応能負担という書き方になっていますが、具体的な制度設計として、全銀行口座への付番の義務化を検討すべきというところまで書き込んでよいのではないかと思います。そうはいっても、必ずしも全員が歓迎するわけでもないので、それで何が得られるのかというベネフィットを国民に見える形で示すべきだと思います。例えば、65ページの自治体DXの推進について言及しているところで、子育て支援におけるデジタルを活用したプッシュ型給付の実施や、その後、それ以外の業務への流れをつくる、というようなアイデアを少し書いてみてはどうかと思います。
3点目は、医療提供体制の再構築と効率化について、二つ申し上げます。
一つ目ですが、53ページのかかりつけ医は、今検討中のかかりつけ医の制度の改定を前提にした書き方になっていますが、それ自体が中途半端であると思います。実効性のある制度にするためには、今の報告制から認定制、登録制への移行に加えて、出来高払いから包括払いへのシフトなどにも進むべきであるということを書くべきではないかと思います。
二つ目は、55ページ5行目で地域医療構想の進捗の遅さに言及していただいていることは適切ですが、「国においても必要な対応を行う」ということをもう少し書き込んで、具体的に何が必要なのか示すべきだと思います。国がもう一歩前へ出て、具体的に自治体を動かしていく、あるいは医療機関を動かしていく必要があるし、もし進捗が望ましい方向に行かない場合は、経済的あるいは規制的な手法も検討すべきであるというようなことを書くべきであると思います。4分の1は国庫負担になっているということもはっきり書いていただいて良いと思います。
4点目は、改革工程表の進捗管理についてです。今回、改革工程表のメニュー出しをしていただきました。とても良いメニューがそろったと思いますが、問題は、改革工程表に掲げられた改革項目が、必ずしも今まで順調に進んでいないということです。メニューを出すのも大事だと思いますが、先ほど小黒さんも御指摘されていましたように、定量的な目標と時間軸を設定して、従来以上に厳格な期限管理をしていただく必要があると思います。くわえて、重要となるのは責任部署を決めること、誰が責任を持つのか決めることだと思います。我々民間では、担当役員決めて、施策がうまくいかないと減俸したりするのですが、そこまでやるかどうかは別にして、誰が責任を負うのかというのをなるべくシンプルな形で最高責任はこの人・この部署が持つということを明確にしていくべき、というような内容を入れていただけるとありがたいと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは、神子田委員、どうぞお願いします。
〔神子田委員〕最初に、起草委員の先生方、大部な報告をまとめていただいてありがとうございました。全体を通じてぴしっと書かれているなという印象を持っております。細かいところとか、このほうが分かりやすいのではないかと、いくつか申し上げます。
一つは、3ページの5行目から「経済あっての財政であることは言うまでもないが、財政が経済の足を引っ張るようなことがあってはならない。」ということが書いてありまして、そのとおりなのですが、財政が経済の足を引っ張るという具体的な話が書いてあるのが、このページの1行目から2行目にかけて「事業会社や金融機関の資金調整にも悪影響を及ぼし得る。」というところが具体的に足を引っ張るところなので、この文章はその直後に入れてよいのではないかなというふうに一つ思いました。
それと、この足を引っ張る話が後でもう1回、同じ表現が丸々出てくるので、2回繰り返して言ってもよいのですが、削るのを忘れてしまったと思われないように、「改めて言うが」とか書いておいたほうがよいかなと、改めて言ってよい話であると思います。
そして、この3ページの15行目「今がまさに財政健全化に軸足を移すべき時」であるというのは全くそのとおりで、異論はないのですが、気になるのが来年度、所得税減税をやるということなのです。こことの整合性をやはり財審としてもつけなくてはいけないのではないかというふうに考えまして、例えばこの13行目に「財政健全化目標の達成に向けた道筋をしっかりと示し、所得税減税も1年限りとするなど」とか、そうしたのをびしっと書いたらどうだろうかというふうに思います。
それと9ページ、ここは疑問なのですが、21行目から「例えば新型コロナ対応前の5年間の補正予算による歳出」はこれこれの後、23行目から「令和2年度~の3年間の補正予算」って、何で5年と3年を比べているかと、少し疑問に思いまして、ここはなぜなのかなと。当然5年と3年ではスケールが違うので、ここはどうしてなのでしょうかという疑問がありました。
それと、先ほど小黒先生もおっしゃっていたのですが、10ページの2行目です。金利のある世界、ない世界というのはメディアでもよく使って、私は猛反発しているのですが、やはり一般国民も住宅ローンで今までも金利は払ってきたということで、決して金利のない世界に生きてきたわけではないので、不正確であるし、かつ金利のない世界で債務を膨張させてきたことの、何か免罪符に聞こえることもあるので、ここは私はシンプルに「金利の上がる世界」にしたらどうかなというふうに思いました。
最後に11ページの8行目、「物価動向など我が国の経済の現況に鑑みれば」というところなのですが、財政に関しては、ここは金利なのではないかなと思いまして、物価より金利ではないかなというふうに思いました。「金利動向など」ではないかなと思いました。
続いて社会保障の関係なのですが、一つは16ページの28行目に「支援金や事業主拠出金、雇用保険料といった特定の財源」とあるのですが、ここは公費は入らなくてよいのかなと思ったのですが、資料のⅡ-1-9を見ると、国、地方からも矢印が伸びていたので、そこは少し疑問に思いました。
それと、あと細かいところなのですが、17ページの30行目、最後の行に「診療報酬・介護報酬を1%引き上げると」というところが、これは同時に両方とも引き上げるのか、どちらかなのか、どちらともなのかというのは少し意味が分かりにくかったので、そこを具体的に書いていただければと思いました。
それと、36ページというか、35ページから医療経済実態調査の不備な点をいろいろ書いてあって、これを改善すべしというふうに書いてあるのですが、評判がよかった財務省の機動的調査に関して、問題が改善されないなら財務省の機動的調査を継続して行う必要があるというふうに書いたらどうかと思いました。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは続きまして、熊谷委員、お願いします。
〔熊谷委員〕すばらしい建議をおまとめいただきまして、誠にありがとうございます。
まず総論のところでは、一つ気になっているのが、安易な補正予算の編成であるとか、予備費の活用という点で、これはなかなか正面から批判するのは難しいのかもしれないのですが、根っこのところで言えば、やはり今の最大の問題は現状維持バイアスが強すぎて、本来は今の暮らしを守ることと、将来に向けた改革にバランス良く取り組まなくてはいけないのだが、ほぼ毎年のように選挙があることによって、前者のほうに偏っていることです。こうした点を踏まえて、補正とか予備費に関しても、可能な範囲でもう少し強いトーンで牽制していただければなと思いました。
2点目は、これは先ほど平野委員から御指摘のあった点ですが、やはりガバナンスというような面で、財政の制度の再設計といった骨太の議論にもなるべく早期に取り組んでいかなくてはいけないと考えています。例えばEBPMの強化等の観点に照らせば、外部の専門人材の育成ですとか、中長期の財政計画ですとか独立財政機関、更に踏み込むのであればペイ・アズ・ユー・ゴーというようなことも議論するべきだと思います。
3点目として、やはり概要の部分が非常に重要であると思いますから、今回も引き続き、何らかのキャッチーなフレーズであるとか目玉をはっきりして、国民に伝わるような形にしていただきたいです。
4点目は、吉川先生から御指摘のあったワイズアクションの話です。今回、建議の中にどこまで入っているのか、私にはうまく見つけられなかったのですが、ここは非常に重要な御指摘であると思いますので、例えばインバウンドのワイズアクションの話とかを少し例示として盛り込むようなことも考えられるのではないでしょうか。
ここからはページに沿って申し上げていきますが、2ページの24行目の辺りで「民需主導の」と書いてありますが、ここの前に、やはり新陳代謝が大事であると思いますから、例えば「適切なペースでの産業、企業の新陳代謝を伴いつつ」であるとか、「新陳代謝」という言葉を入れていただきたいです。
また、8ページの3行目、4行目の辺りですが、この部分ではやはり緊急避難的な策を講じるときには目的をまず明確にして、それから事前にどういう条件があれば続けるか、やめるかというような、ある意味で段階的な縮減の仕組みをビルトインするとか、その辺りを少し書いていただければと思います。
さらに、9ページの1行目から3行目の辺り、EBPM等でございますが、ここは今、デジタル行財政改革なども行っていますので、例えばデジタル化であるとか、それから見える化というようなことに言及していただいたほうが良いのではないでしょうか。
それから、10ページの2行目、3行目、これは先ほどから御指摘がございましたが、例えば「金利のある世界」というのにかぎ括弧をつけて、いわゆるというような形にするのが良いと思います。
また、19ページ、診療報酬改定でございますが、やはり今回の機動的調査というのは極めて有意義なデータであって、恐らく今回の建議の最大の目玉の一つではないかと思います。そのことを踏まえると、通常、財審では、医療経済実態調査が出る前に建議をまとめていましたので、改定率の水準にまで踏み込むことは行ってこなかったわけでございますが、今回は事前に、よりカバレッジの広い正確なデータがあるということですから、今回の建議においては従来よりも踏み込んで、診療所の改定率の水準を明示するべきではないかと考えます。この点は是非とも前向きに御検討いただきたいと思います。
そして最後に64ページ、地方財政ですが、恐らくこの部分のキーワードは見える化で、地方財政計画、地方創生臨時交付金等々の見える化が大事であるということなので、この「見える化」という言葉をどこかで、少し目立つような形で、しっかりと入れていただきたいと考えます。
その他細かい点については、またお送りしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは、ここから一度、オンラインに移りまして、次の3名の委員、芳野委員、上村委員、小林委員に御発言いただきます。
まず芳野委員、どうぞお願いします。
〔芳野委員〕起草委員の皆様、ありがとうございました。時間も限られておりますので、本日は特に強調したい2点に絞って発言をさせていただきます。
なお、各論における具体的な修正提案を別途提出いたしますので、建議に反映いただきたいと思います。
1点目は、来年度予算編成の在り方についてです。本来、予算編成は、真に必要な政策に対し財源を措置するものでなければなりません。そのため、前年度までの政策効果の検証は当然のこと、国民の目が行き届きにくい予備費の計上や基金の新設、積み増しは必要最小限に抑えるべきと考えます。また、先週閣議決定された経済対策は、物価高対策として減税と給付がセットとなっており、その政策効果が国民に分かりにくいことに加え、物価高対策以外は年度予算で措置されているものへの積み増しとなっています。予備費だけでなく、新たに赤字国債の発行も検討されるなど、財政規律の緩みを感じざるを得ません。本年の骨太方針で2024年度に行うとした経済財政一体改革の検証を前倒しで行うとともに、財政規律の徹底による歳出構造の抜本的な見直し、独立財政機関の設置など、財政健全化に向けた取組を早急に進めるべきと考えています。
2点目は、こども・子育て政策についてです。大前提として、こども・子育て政策の財源確保に当たって、医療、介護、年金、雇用をはじめとする社会保障の機能劣化を招いてはなりません。その上で、今回示された支援金制度は、法的な位置づけが不明確であり、給付と負担の関係性も曖昧で、国民の理解と納得が得られる仕組みになっていません。くわえて、支援金制度の運営体制や責任の所在、拠出する側の意見反映など、課題が山積しており、慎重に検討すべきと考えます。共働き、共育てを推進するためには、給付や助成などの一時的な財政措置よりも、働き方改革の徹底による長時間労働の是正、誰もが仕事と生活を両立できる職場環境、社会の構築こそが先決であることを改めて申し上げたいと思います。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕続いて、上村委員、お願いします。
〔上村委員〕起草委員の方々、事務局の方々にお礼申し上げます。総論の基本的な趣旨については賛同します。前半部分について私から、社会保障と地方財政、中でもふるさと納税についてコメントします。
社会保障について、総論に当たる部分ですが、全世代型社会保障がどういったビジョンであり、どういった改革が必要だから何をすべきであるという大きな話を冒頭に書くことが大切であると思っています。そうすることで、個々の部分の全体像が分かりやすくなります。
次に、地方財政です。今回初めてふるさと納税を取り上げられたというのは画期的かと思っています。規模1兆円に迫る勢いで急速に伸びていまして、持続可能な仕組みになっているかの懸念があります。ふるさと納税ですが、寄附者が使途を指定している場合があるわけですが、使途事業の成果を地方自治体が示すことが必要かと思っています。例えば、ふるさと納税の寄附金収入を原資とする支出がどのような成果を上げたのかを見える化すべきではないかといった表現を追加できないかと思っています。というのは、私が見ている限り、ふるさと納税の寄附収入が恒常的に見込まれる地方自治体においては、経常的な収入になってしまっていて、経常的な財源になっています。また、それを当てにした事業がかなりいいかげんに使われているケースもあるので、使途事業の見える化は重要かと思っています。ただ、建議のこの辺りの内容は地方財政計画の経営上の話になっていると思われますので、個々の自治体の話を入れるべきかどうか迷ったのですが、気になったのでコメントしました。御検討ください。
以上です。
〔増田分科会長代理〕続いて、小林委員、お願いします。
〔小林委員〕短く2点申し上げたいと思います。大変大部な建議の取りまとめ、起草委員の先生方、ありがとうございました。内容については、もう大賛成でございます。書き方についてのような話で、二つコメントします。
一つ目は総論の最初の話ですが、春の建議にはあった基本的認識というのが、今回そうした表題のあるところはなくなっているのですが、やはり基本的な哲学のようなことは毎回しつこく書いて、国民に訴えるべきなのではないかと思います。特に、将来世代の利益のために長期的な視野で国家の政策は運営されなければならないというような考え方とか、あるいは、将来世代に持続的な国家を引き継ぐのは現在世代の基本的な責務であるというような原則とか、そうしたことは毎回改めて確認するということがあってもよいのではないかと思いました。春の建議のときには3ページ、4ページも基本的認識が書かれていたわけですが、そんなに書く必要はなくて、数行程度の記述でよいと思うのですが、今言ったような長期的な視野に立った基本哲学というようなことを書かれるべきかなと思いました。
その文章として使えそうかなと思っているのは、春の建議の一番末尾に「将来世代の視点」という章があって、そこの最後の締めの言葉です。少し読み上げますと、将来世代が「『日本に生まれてよかった』『日本で暮らして良かった』と思えるような、より良い経済社会を残していくために、我々は今何をなすべきか。足もとの利害を超えた、真摯な議論と実践が求められている。」というような言葉がありましたが、そうしたような文章を総論の基本認識として入れるべきかなと思います。
関連して、フューチャーデザインという言葉が春の建議までは議論されて、多くの審議会の委員からも賛同を得たと思います。これは継続的な政策の姿勢を表している言葉であると思いますので、できれば今回も書き加えられると良いかなと思っています。先ほど述べた文章の中に、例えば「将来世代の視点で現在を振り返って政策を検討するフューチャーデザインの考え方を活用した真摯な議論や実践が求められている」というような言い方を加えてもよいのではないかと思います。これが1点目。
二つ目は、建議概要の各論の医療のところです。先ほどから皆様お話しになっている機動的調査について、本文の中ではいろいろ記述があるわけですが、建議の概要の中では全く触れられていないと思いますので、概要の社会保障の医療のところに「診療所の極めて良好な経営状況」という言葉が出てきます。その説明として、例えば「38都道府県の2万2,000法人の診療所のデータを集計した機動的調査によって明らかになった」というような説明を加えるとか、何かしら機動的調査という言葉なり、あるいはその調査をやったということを概要の中でも強調しておくべきではないかと思います。前に説明あったときに、財務省としてこれからも調査を続けるというわけではないということだったと思いますが、確かにデータが電子的に閲覧できるようになれば、財務省に限らず誰でも、もっと簡単に診療所の経営状況を調査できるようになるわけなので、データの閲覧のやりやすさなどを求めていくべきであると思いますが、そのためにも、今回この機動的調査が非常に有益であったということを強調するということ、そしてまたマスメディア中心に、この調査が非常に注目される状況をつくることが重要であると思います。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、会場に戻りまして、続いて木村委員、どうぞお願いします。
〔木村委員〕非常に充実した内容の建議案いただきまして、起草委員の先生方、財務省の事務局の皆様、本当にありがとうございました。基本的な方向性は私も賛同いたしますので、あとは主に総論で、細かいコメントをいくつかいたしたいと思っています。
一つは総論の表現ぶりなのですが、2ページの総論の書き出しの部分で拝見すると、柱は二つあって、一つはコロナ5類移行後の日本経済の正常化、もう一つは低インフレ・低金利から高インフレ・金利上昇という変化、この柱の説明に入る前に、全体の方向感を示すような簡単な文章が前文的にあったほうが、読むほうとしては分かりやすいのではないかなと思いました。例えば、春の建議に似てくるかもしれませんが、日本経済は大きな転換点を迎えているとかで、その一つはコロナの5類移行で経済が正常化しつつあるということ、もう一つは低インフレ・低金利から高インフレ・金利上昇に変化しつつあるという、そうしたような全体の方向感を示す簡単な文章があると、全体の構成を読むほうとしてつかみやすいのではという気がします。
それから、この二つの柱、いわゆる経済の正常化とインフレへの変化を根拠にして財政の健全化は当然という結論を導き出していて、そこは適切であると思うのですが、その根拠と結論の関係ももっとはっきり書いたほうが分かりやすいような気がしました。今の書き方、2ページの19行目で「既定の政府の方針に従って歳出構造を平時に戻し、財政を健全化していくことは当然である。」となっていますが、読むほうは少し分かりにくいかもしれませんので、そうした根拠と結論の関係も明確に書いていただいても構わないのではないかなという気がします。
また、末澤委員もおっしゃりましたが、私も何か建議の副題というのですか、サブタイトルというのがあったほうが、起草委員の先生方の思いが伝わるような気がします。具体的に対案があるわけではないのですが。
二つ目は総論の内容です。例えば3ページの14行目にあるように、「物価動向など我が国の経済の現況に鑑みれば、今がまさに財政健全化に軸足を移すべき時」であるという、要するに財政健全化の必要性を随所で強調されている。これは財審の重要な役割ですので、それは必要であると思うのですが、財審としても、単なる緊縮財政を求めているのではなくて、財政健全化を進めることが結果的に日本経済の目指すべき賃金と物価の好循環につながるのであるということも、何らか明示してもよいのではないかなと思いました。例えば、安定的な財政運営こそが金利や物価の安定につながって、それが民需主導の経済活動を支えて、最終的に賃金と物価の好循環を生み出す土台になるとか、例えばそんな表現を御検討されても財政健全化のメリットがよく伝わるのではないかなという気もしました。
最後に、最も気になるのは、神子田委員、芳野委員もおっしゃっていましたが、やはり先週閣議決定された経済対策との整合性です。例えば8ページ14行目以下の記述ですが、「物価高や供給力強化といった課題への対応は必要である。」と。ただ、要するにインフレが加速するおそれが否定できない現在の経済情勢の下――はしょると、「そうした課題に対応していくためには、真に必要で効果的な施策に的を絞って講じていくことが必要である。」という表現で、これはまさに私、そのとおりであると思います。では、それと、今回経済対策に盛り込まれた所得税の減税というのは、この真に必要で効果的な施策に絞ることに当てはまるのでしょうか。要するに財務省の今回の建議と政府の施策が矛盾しているのではないかという、こうした疑問を抱く国民はいると思います。
あるいは建議案の9ページで、補正の膨張に警鐘を鳴らしていますが、経済対策に伴う補正は13兆円ですか、結構な規模になるという見通しになっています。だからといって、今さらどうすべきであるというのもなかなか言い難いのですが、そうした疑問は出てくるということは、可能性があるということは認識しておいたほうが良いかなと思いました。
あと最後に、社会保障で1点だけです。末澤委員がおっしゃったように、17ページの少子化対策加速化プランの過剰な修飾語です。「画期的」とか含めて、読み方によっては自画自賛に過ぎると受け取られかねないので、具体的な表現はお任せしますが、もう少し客観的な書きぶりにされたほうが良いように思いました。
以上です。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございます。それでは、大槻委員、お願いします。
〔大槻委員〕ありがとうございます。何ページ目までがこのブロックのコメントでしょうか。
〔増田分科会長代理〕69ページです。
〔大槻委員〕69ですね。ありがとうございます。それでは、まずはお疲れさまでございます。本当に力作であると思います。先ほど来、皆様もおっしゃっているとおりの点で、1点ですが、やはり総論の最初のところに、どんな時代という認識かというのを何らか入れたほうが良いと私も思った次第です。
その中で、去年も転換点、春も転換点、転換はもうしたのかなという感じもしないでもございませんですが、ここで書いていただいている御認識に全く同感でございまして、転換した結果、全体感として平時なのだが、今まで見たことが、しばらくぶりのインフレとか人手不足、金利上昇というところをコンパクトにまとめてという環境認識であるということから始められるのがよいかというふうに思いました。
そして、記憶する限り、去年の秋の建議は、市場の信認と将来世代という、この二つの軸を書かれていらっしゃったと思うので、今回も市場の信認というのは強く書いていただいていて、やはり将来世代への責任というのをどこか整理して入れたほうが良いと思います。さっきも御意見に出ましたが、それをメッセージとして、強く伝えるべきということで思った次第です。
それから、神子田委員もおっしゃった10ページ目、4行目以降ですが、冒頭のところとほぼ一緒の文言が記載されています。強調されたいという意味では良いと思うのですが、何か一部文言が違ったりもしているので、ここの10ページ目、4行目以降の2段落は、少し短くまとめる形、要約版でよいのではないかと思いました。
それから、25ページ目、これは確認も含めてですが、17、18行目のところに経常利益率と出てきています。一方で、参照されている資料のほうは収益率となっていて、これは恐らく経常利益率あるいは利益率という形でやっていただいたほうが良いのかと思っております。
それから、70ページ目まででしたか。22行目のところですが、防衛のところで……。
〔増田分科会長代理〕すみません。防衛は次のブロックでして、今は69ページまででお願いします。
〔大槻委員〕69までですね。すみませんでした。では、以上です。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、いただいた御意見等々は以上です。あまり時間ありませんが、起草委員の皆様方から何かこの場でお返しがございましたら。それでは、土居委員、どうぞお願いします。
〔土居委員〕御意見いただきまして、誠にありがとうございました。基本的に、皆様から御意見いただいたものを最大限反映させていただきたいと思っておりますので、また起草委員会で検討させていただければと思っております。
確かに御指摘のとおり、ほぼ全ての委員がもう少し、この目玉をとか、ビジョンを書けとか、そのとおりでありまして、ただ、最初の案文として出すときには、この秋の財審で全く審議していない、全く出ていない意見をいきなり案文として出すというわけにはまいらなかったものですから、そうした部分が載っていなかったというところがあったかもしれません。本日御意見をいただきましたので、それは正々堂々と建議に盛り込めることになったということかなと思っています。
それともう一つは、もう少し長期的な展望とかそうしたものはできるだけ今後盛り込めるように修文したいと思っているのですが、やはり来年度予算編成というところにすごく焦点が、力点が当たっているものですから、どうしても目先、目先という感じの、目先に言っておくべきことをというのがかなり前のめりになっているところがあったかと思いますので、長期的なビジョンを持ちながらも目の前の予算編成をという、そうしたようなトーンで書かせていただければと思います。
それともう一つは、減税の話にも言及がありましたが、それからまた、こども・子育てもそうですが、閣議決定をひっくり返す勢いで頑張れと建議で書いて、主計局を応援するというわけにもなかなかまいりませんので、閣議決定は閣議決定というところは重んじるところはあろうかと思います。ただ、こども未来戦略方針に関しては、起草委員の中でも多少なりとも皆様の御意見に近いような意見を持っている者もおりますので、少し表現、細かいところで御指摘いただいた点を我々も、我々は何人か分かりませんが、同調したいところもありますので、そこは少し前向きに検討させていただければと思っております。
個別のところで少し、前もってお返事できるところに関して申し上げたいところがありまして、まずは社会保障のところ――すみません。9ページの補正予算のところですが、確かに5年と3年というふうになっているところは、熊谷委員に御指摘いただいたかと思っているのですが、3年にしてしまいますと、消費税増税対策の臨時特別の措置の補正予算という部分ばかりに焦点が当たってしまうというところがあって、コロナ前というのが少し数字として出しにくいという感じがあるというところで、5年とか、私個人で計算しているところでは、さらに、安倍内閣が始まってからの7年ということにしても大体3兆円ぐらいという、そうした数字にはなろうかと思います。
ただ、片方のコロナ後というか、コロナ禍、コロナが始まってからというところは、あいにくもう3年しかございませんので、これ以上、年数を延ばすことはできないというところで、お察しのとおり、こうした補正予算を、どちらかというと慎むようにというようなニュアンスのことを書かせていただいたというところかと思います。
それから社会保障については、まず12ページのところでもう少し全世代型の社会保障についてのビジョンとかを書くというところは、平野委員、上村委員から書いていただきましたので、それはそのとおりですが、小黒委員から、それ以降もというところは、申し訳ありませんが、あくまで、この年末までに今後の3年間どうするかというところを、工程含めて議論するということになっているものですから、どうしても3年というところを強調したいというところがございます。そうしたことで、全世代型の着想、ビジョンを記すというところで、これ以降もというところを含み込ませていただければというふうに思います。
それから、神子田委員から16ページで御指摘があったところは、支援金、事業主拠出金、雇用保険料というのは、そもそも使途が特定されていて、公費は、そもそも普通税というか、使途を特定せずに税金を取っていて、それを予算編成の中で使途を特定するという、そうした順番になっているものですから、取る段階で既に目的税的に取っているというニュアンスで、ここに今、列挙させていただいていて、公費は後で予算編成で使途を決めるという、そうした対応関係かというふうに思います。
それから、診療報酬、介護報酬を1%という話は少し分かりやすいように表現を改めたいと思います。
それから、何人かの委員から機動的調査について御意見いただきまして、私もこれは目玉であると思っております。もう少し目立たせるように書けるかどうかはチャレンジしてみたいと思うのですが、ただ、社会保障のセッションのところでも主計局から御説明ありましたが、機動的調査を継続的にやっていくというわけではないので、あくまでも、牽制効果というか、確かに医療経済実態調査で、36ページに、これは神子田委員から御指摘いただいたのであると思いますが、機動的調査を継続するかのような、継続するというふうには申し上げられないのですが、機動的調査でやったことができるような御時世、時代なわけだから、そもそも医療経済実態調査でもしっかり調査をせよという、そうしたところで牽制して、改善を促すということはあるかなと思います。
それからもう一つは、小黒委員から御指摘のあった資産勘案のところの国民健康保険料の資産割という話ですが、既に国民健康保険が都道府県単位化しているところで、全市町村の保険料の徴収を統一するという過程の中で、資産割をなくすという形で、4方式から3方式と言っているのですが、3方式化されてしまいましたので、少し資産割がもうなくなってしまっていると。ということなので、なかなか書きづらいところがあるかなというところです。
すみません。長くなりました。私から以上です。
〔増田分科会長代理〕ほかはよろしいですか。それでは、吉川委員、それから、武田委員。どうぞ。
〔吉川委員〕委員の先生方、コメント、どうもありがとうございました。私がお話しすることはないのかもしれませんが、何人かの委員の方から、副題がないのは少し寂しいと。適当なものをつけたらどうかというお話。気持ちとしては同感ですが、この秋の建議というのは、この右上に書いてあるのが、要するに、予算編成の最中と言うのですか。来年の予算編成に向けての建議であるという位置づけで、余りカラフルではないのですが、非常にはっきりとした、通常のこうした名前になっているということのようですという理解で、私どもは、副題は今回つけてはいないと、つけてはいけないという理由が積極的にあるかどうか、そこまで不明ですが。
また、私からは、オンラインで、小林先生ですか。また、フロアの何人かの委員の先生方からも言っていただいた将来世代の問題というのは非常に大切な問題であると思いますので、総論でしかるべく文章としてきっちり書き込めたらと思います。
それから、これも何人かの委員の方々がおっしゃった医療に関する今回の、いわゆる機動的調査、これも私自身の個人的な感想では、十数年前に統計法が改正されたわけですが、旧統計法の下では、統計というのは、それぞれの公式統計を作る官庁が自分の行政のために統計というものはつくるのであるという、そうしたたてつけだったのです。ですから、直接的な所管事項でないようなことについて、恐らく他官庁が何かやるというのは、やってはいけないということはないにしても、少なくとも正式の統計としては認められないし、やや越権行為的な位置づけがあったと思うのですが、現在の統計法の下では、統計というのは国民にとって有用な情報、公共財であるという、これが統計法の第一部の基本的な考え方になっているので、そうした意味でも、分かりやすく言うと、財務省が医療関係のことや何かについて調査するというのは、もちろん何の問題もないわけですし、やや乱暴な表現で言いますと、低姿勢になる必要は全然ないのですよね。国民にとって非常に有用な情報を財務省が今回の場合、得たということですので、委員の方々がおっしゃったとおり、これをもう少しフィーチャーすると言うのでしょうか、することができないか、起草委員会で議論できたらと思います。
ここにも書いてありますが、診療所の医師の先生方の平均所得が3,000万円ということですから、現在の所得分布の中で極めて右端といいますか、高所得の階層にあるので、これだけ格差が世の中で言われている中で、金持ち喧嘩せずという感じで、医療関係者の方々にもあまり、いわゆる診療報酬についてアグレッシブになっていただきたくないものだなというのが、個人的な、一国民としての感想です。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、武田委員。
〔武田委員〕委員の皆様には大変貴重なコメントをいただきまして、ありがとうございました。一番感じたことはビジョンの箇所、そして、建議のメッセージです。それらをもう少し明確にという点は改善してまいりたいと思います。将来世代が大切であることは、全起草委員、思いは一緒ですので、その点ももう少し分かるようにしたいと思います。
2点目は、何人かの委員がおっしゃった政府の経済対策との関係ですが、起草委員の間でもその点、結構議論いたしまして、思いをにじませたというのが正確なところです。この表現について、いろいろとコメントをいただきましたので、もう少し見直したほうが良いかどうか再度議論させていただきますが、思いをにじませたということについて御理解を頂ければ幸いです。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、続いて、少し時間が厳しくなってきましたが、後半戦に行きたいと思いますので、防衛からです。ページ数で言うと70ページからおしまいまで、122かな。ここまでの項目で行きたいと思います。また後半戦もフロアから御意見頂戴したいと思います。それでは、ネームプレートを立てて、委員の皆様方、よろしくお願いします。
ここの回も、それでは、末澤委員からお願いしましょうか。どうぞお願いします。
〔末澤委員〕よろしくお願いします。それでは、防衛のところからで、71ページ、内容的には極めて、これはアグリーでございまして、ただ、少し読んで気になったのが71ページの1から3行目です。「『防衛力整備計画』では、過去の『中期防衛力整備計画』と異なり、防衛力整備の水準に係る総額(43兆円程度)等を名目値で記載しており、物価等の影響はその枠内で対応しなければならない」。おっしゃるとおりですが、少し素っ気なくて、けんかを売っているようなので、私的には、「防衛力整備計画」では、過去の云々と異なり、「防衛力整備の水準に係る総額(43兆円程度)等を名目値で記載している」でとじて、「物価や為替変動などの影響はその枠内で対応しなければならないことに留意する必要がある」と、やや穏やかで、ただ、為替の影響とかも入れたほうが良いのではないかと思いました。防衛のところはそれだけです。
次、83ページ、文教・科学技術です。ここの6行目からですが、「労働力人口の減少を踏まえれば、」ですね。「『働き方改革』の徹底、」、これは「や」をやめて、「、」にして、読点ですね。読点にして、「ICTの活用、学校施設の統合化・複合化、」です。読点です。また、「民間への委託等により持続的・効率的な学校運営を図っていくことが重要である」と。1回切って、「大学においては」云々と。私は三種の神器を是非入れたいので、民間への委託とICTの活用と統合です。廃合と入れるとまた少しあれなので、統合化・複合化です。これは是非入れていただきたいと思っております。
それで、次が90ページ。国立博物館・美術館です。これは久しぶりに入りましたので、少し付け加えさせていただくと、90ページの11行です。「各法人がその本部機能を十分に発揮し、適切な水準の入場料の設定、」です。読点。「クラウドファンディングも活用した寄附収入、収蔵品の貸出し収入、物販収入の拡大等、自己収入の拡大に向けた取組を進めるべきである」と。少し詳しくしました。
もう1回行きましょう。「各法人がその本部機能を十分に発揮し、適切な水準の入場料の設定、クラウドファンディングなども活用した寄附収入、収蔵品の貸出し収入、物販収入の拡大等により、自己収入の拡大に向けた取組を進めるべきである」というところでございます。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、小黒委員、どうぞお願いします。
〔小黒委員〕私は3点ございます。
1点目は、71ページの1行目から3行目のところで、末澤委員と同じ指摘になります。少しきつ過ぎるので、もう少しマイルドにしたほうが良いのではないでしょうか。この話は結構重要な話であり、あまり、この場で言うのはあれですが、炎上しないような形で書いていただいたほうが良いのかなと思います。
それから、72ページ目のところの4行目ですが、これは本当に重要な話です。コストの削減だけではなく、これは少し踏み込んだ話ですが、例えば数年前に核シェアリングのような話もありましたが、政府全体の安全保障戦略であるとか防衛戦略を見直すことで、いろいろな意味で、例えば装備品にも代替できるものがあると思います。そうしたことで、全体のコストを大幅に変更できる可能性も十分あると思いますので、例えば次のような形にしていただくようにできないかと。「防衛力の抜本的強化を達成するためには」というところまで同じですが、その後に、「政府全体での安全保障戦略、防衛戦略の不断の見直しのほか」というのを入れていただけないでしょうか。その後に、「価格低減等のコスト削減」とあるのですが、その「など」というのに先ほどの代替のような話とかも含めるという意味で、「など」を加えていただけないかなと思います。
それから、117ページ目のところですが、これの下のほうの28行目のところで、これは何回か、この分科会のほうで、すみません。出席はできなかったのですが、コメントを出させていただいたところと関係する話ですが、最終的には、地方でデジタルガバメントが浸透していくと、単に規制改革や事業の見直しだけではなく、地方自治体の行政運営の在り方など、最終的には相当、国と地方の関係も含めたところまで変わってくる可能性があると思います。ですから、「システム整備だけではなく」という後に、「国と地方の関係を含め」というのを入れていただいて、今すぐには議論しなくても、長期的には議論していただくというようなニュアンスを残していただけないかというのが最後の御提案です。よろしくお願いします。
〔増田分科会長代理〕それでは、平野委員、どうぞお願いします。
〔平野委員〕3点申し上げます。
1点目は、地方行政についてです。小黒さんからも御指摘がございましたように、デジタルか地方のどちらで書き込むべきかという問題はありますが、基礎自治体における行政の在り方、すなわち小さい自治体でもフルセット型行政を提供しているという現状を変えていかなければならないのではないかという視点をどこかに書き込めないかと思います。基本的な行政サービスについては、国のプラットフォームを一つつくりあげて、その上に必要なカスタマイゼーションを加えれば良い、ということを前回申し上げたのですが、それに加えて地方行政の在り方自体を見直す必要があると思います。人口減少や財政状態も徐々に悪くなる一方で、行政組織横断的な感染症や災害対策なども必要になることを踏まえると、地方自治体自体の在り方を見直すべきではないかということもどこかに書き込むべきだと思います。令和の大合併とまで書くかは別の議論かもしれませんが、少なくとも、そうしたニュアンスを今回、是非どこかに入れていただきたいと思います。
2点目は、社会資本整備についてです。95ページ辺りで、行政の縦割りを超えた対応が必要であるという書き方をしていただいていますが、「縦割りを排した国による総合的な推進体制の必要性」のような形で新たに項目を設けて言及いただいてはどうかと思います。これは国交省所管の社会資本整備の問題だけではなく、病院や学校、上下水道など、まさに省庁横断的に議論した上で、国が一定のイニシアティブを持って、これから先の地方の人口減少等に対応していくということを求めるべきだと思います。これは前々回申し上げましたが、地域医療構想が自治体任せでなかなか進んでいないという教訓も踏まえて、国土構想・社会資本整備でもそうした思想が必要であるということをどこかに書いていただけるとありがたいと思います。
3点目は、防衛についてです。審議の際にも申し上げましたように、今回は、コストの問題に集中した議論が行われていますが、コストの問題を考える上では、産業の在り方を考えなければならないと思います。なぜ日本が高コストになっているかといえば、サブスケールになっているからですが、サブスケールから脱出するには、恐らく二つの方法しかないと思われます。一つは、売り先を増やすことです。武器輸出という言葉を使っていけなければ、装備品の移転を増やすということです。もう一つは、産業の集約化です。これは水平、垂直の両方があり得ます。これら二つの方法に加えて、装備品の移転に絡めて付け加えるとすると、供給サイドで横につながるという可能性があります。すなわち、同盟国、ないしはライク・マインデッド・カントリーズの間での共同開発が、恐らくコスト削減の決め手になると思います。建議案には、財務省視点の、ややテクニカルなことが書いてあって、これは別に間違ってはいませんが、これだけでは本質的な問題の解決にはならないと思います。そこは少し書いてもよいのではないかと改めて思いました。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、神子田委員、どうぞ。
〔神子田委員〕私も防衛以降も、書いてあることは理解もできるし、賛同するのですが、こう書いたほうが分かりやすいのではと思ったところが何点かありますので、一つずつ申し上げます。
一つは、70ページの24行目から下辺りですが、要は、ここは先に予算化されて使うのだが、その財源のほうがまだ決まっていないよということを言ってるのであると思うのですよね。なので、私の案としては、24行目の最後の「既に」を「しかるに」と。「しかし」でもよいのですが、この下の26行目です。「開始された以上」ではなくて、「開始された一方で」、その後、少し言葉を補って、「その財源について、税制改正の時期は決まっておらず」というふうにしたらより分かりやすいのではないかなと。要は、出だけ決まって、入りが決まっていないよということがより分かりやすいのではないかなと思いました。
それと、72ページの3行目、「防衛力の抜本的強化を達成するためには、価格低減等のコスト削減に努めなければならない」という、全体の文脈では理解できるのですが、この文章だけ取り出してみると少し分かりにくいので、「防衛力の抜本的強化を達成するためには」、例えば、「限られた財源の中で装備を最大限に充実させる必要があり」とか書くと、その後の「価格低減等のコスト削減に努めなければならない」の意味もより通じるかなと思いました。
それと、社会資本整備、91ページの11行目です。「公共投資の適切な規模を見極めていく必要がある」、この直前に労働状況の話が書いてありまして、この労働状況の観点と、この適切な規模をどう見極めるかというところをもう少し具体的に。この後、読むと書いてあるのですが、例えば、民間事業の人手を過度に奪うことなく、人手不足の中でも執行可能な事業の規模はどのぐらいが適切かのような、そうした問題意識を持った、添えた書き方があったらなと思いました。
最後、これは本当に細かい話ですが、100ページのお米の話ですが、お米を作り過ぎているというか、需要が減るので転作するという話の中で、多収性の専用品ではなく、「一般品種の作付に大きく偏っていたことから」というのがあって、ここはなかなか、専門家ではないと意味がよく分からなくて、その後、「飼料用米の生産性の向上を図る」と書いてあるから、恐らく何か、今、生産性が悪いのだろうなというのは想像されるのですが、要は、多収性が少なくて、一般品種が多いと、その実態とどう違うかとか、例えば現実には多収性のほうが市場ではニーズがあるとか、何かそうしたことを書いてくれないと、この文章は少し分かりにくいなと思いましたので、細かい点ですが、申し上げます。
最後にこちらの概要です。本日は宮島委員がいらっしゃらないので、私が代わりに申し上げますが、記者も忙しいので、極端な話、こんな全部読んでいられなくて、これだけ読んで書く怠慢な記者もいるという現実に即して言いますと、やはり先ほどから出ています機動的調査の話はここでも強調すべきではないかと。各論と書いてあるところの社会保障の上から、報酬改定、医療・介護・障害のところの2行目に、「診療所の極めて良好な経営状況等を踏まえ」という、あたかも既知の、みんな知っているかのように書かれているのですが、これは新たな調査でこうしたことが分かったという、こうしたことが分かったところも、余剰金が何千万円とか、そうした少しこう、目を引くような数字も入れて、こうしたことが分かったので、こうするというふうに書いたほうが、初めて見た人、これは大分このとき、記者たちは書いてくれたのですが、財審の答申、年1回だけ書くという記者がもしいたとするならば、おっ、そうなのかと思って飛びつくと思いますので、そうした工夫をされたら良いと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、熊谷委員、お願いします。
〔熊谷委員〕ありがとうございます。まず防衛の部分は、私なりに解釈すると、恐らく最大のキーワードはガバナンスではないかと考えております。国民の血税だからちゃんと文民統制をして、実効性のあるガバナンスを強化していこうということであると思いますので、ガバナンスですとか、それに伴う見える化であるとか、独立した第三者によるチェックであるとか、その辺りのキーワードを是非しっかりと入れていただきたいです。ガバナンスという言葉があるかどうか、私も見落としているのかもしれないのですが、74ページの28行目のところでガバナンスという言葉が出てきます。ただ、これはアメリカの事例に触れた流れの中で出てきているわけですから、正面から、もっと目立つ形で、本質はガバナンスの問題なのだという点を是非とも強調していただきたいです。それから併せて、産業としての側面も非常に重要であると思いますので、その辺りもしっかりと、バランスを取る形で書いていただきたいと考えます。
それから、71ページの1行目、4行目の辺りで、先ほど末澤委員ですとか小黒委員からご指摘がありましたが、私は、ここは例えば3行目の物価の後に為替変動というのは加えたほうが良いと思いますが、書き方としては、あくまで財審の建議ですから、それほど表現を弱める必要はないのではないかと考えております。
次に、83ページで、文教・科学技術ですが、恐らく通底するキーワードとして、ダイバーシティ、多様性という単語が非常に、ある意味で、最も重要なのではないでしょうか。それが欠けているのがこの分野であると思いますから、見たところ、どうもダイバーシティ、多様性という表現があまり入っていないように見受けられましたので、そこは明確に目立つ形で入れていただきたいです。
それから社会資本整備に関しては、91ページの23行目から25行目、この部分はまさに最も重要なポイントであると思いますが、恐らくアウトカム目標というのが最大のキーワードの1つであって、防災減災であるとか、経済の活性化等を含む形で、しっかりアウトカム目標を決めて政策を遂行するということを明記していただきたいです。また、先ほど平野委員からも御指摘がありましたが、縦割りの是正が非常に大きなポイントでございますので、その点ももう少し深掘りする形で記述していただきたいと思います。
最後に、98ページ、農林水産の部分ですが、産業としての競争力と、それから、食料安全保障をバランスよく両立するという観点からは、やはり輸出が、極めて重要であって、マーケットインの発想でしっかり輸出に取り組んでいくことが肝要です。この点は過去の建議では明確に書かれていたのですが、今回、その要素があまり入っていないように感じましたので、是非とも書いていただきたいです。それから、これは少しハードルが高くなりますが、この分野でも新陳代謝がポイントだと思います。勿論、いろいろなあつれきはあるのでしょうが、やはり農業でも新陳代謝が必要なのであって、そこを可能な範囲で書き込むことを御検討いただきたいです。
私からは以上でございます。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、1回ここでオンラインに移りまして、藤谷委員、どうぞ御発言ください。
〔藤谷委員〕90ページの9行目、科学、文化の辺りですが、クラウドファンディング、こちらです。ありがとうございます。御案内のとおり、科学博物館のクラウドファンディングの予想外の成功については、賛否両論出ているところでございます。クラウドファンディングというのは効果的ではあるのですが、安定的な財源になるかどうかというのはケース・バイ・ケースであると。本文、ここに書かれている記述自体は、私は賛成です。正しいと思います。独法が自主的、自律的あるいは戦略性に基づいて自己収入を拡大し、より少ない公費負担で、より充実した公共財を提供していくべきであるという方向性、これは大変重要なものであると思います。
ただ、この段階、この本日のタイミングでクラファンに言及してしまいますと、多くの人が科学博物館のあれを思い浮かべてしまいますし、参考資料のほうには実際そのように書かれているわけです。ただ、コロナによる入場料収入の激減という特殊事情を埋めるための急場しのぎだったということも報道等で知られているわけでありまして、そのような例と、この本文で想定しておられる独法の本来の理念に即した自己収入拡大というのは、必ずしも合致しないのではないかと少し懸念いたします。
ちなみに、ルーブル美術館、ここの参考資料のほうで上がっております報告書を実際確認しましたところ、コロナ禍でやはり収入が物すごく減っているわけですが、そのときには、国費補助金は例年の2倍増額して、全体の予算を維持したというような事実もあるようですので、なかなか都合のよいところだけつまみ食いしているというふうに言われないようにしていく必要があるのではないかと。
ただし、ここに書いてある、本文に書いてある方向性は正しいと考えますが、そのためには何が、財源の厳しい中で、自己収入に委ねる結果として、うまくいかない活動が削られるということも当然あり得るわけですが、そうした優先順位付けというか、理念のようなところまで踏まえて考えているということを何らかにじませることができないかと。そうでないと、何となく今、賛否両論ある中で安易にクラファンの成功例に飛びついていると、建議の狙いとずれたところで批判されてしまってはよろしくないと考えますので、この点のみ指摘させていただく次第です。よろしくお願いいたします。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは、また、会場に戻りまして、木村委員、どうぞお願いします。
〔木村委員〕防衛費で細かいこと、1点だけですが、71ページの11行目以下の段落、13行目ですか。この5年間、「43兆円程度」のくだりですが、要するに、「『43兆円程度』という定められた金額を最大限に活用しつつ」という表現がありますが、確かに、安全保障環境の変化に応じた防衛力の強化に必要な金額というのは当然確保しなければならないですし、なおかつ、ここで言う最大限というのは、要は、物価高の中でもできるだけ効率的に活用するという意味なのでしょうが、現実的ではないかもしれないが、43兆円以下に今後の努力で抑えられるなら抑えてもよいわけですし、43兆円をどんどん使えるという、そうしたふうに誤解されないような表現にしたほうが良いのかなと思いました。表現が適切かどうかは分かりませんが、最大限効率的に活用するとか、少し私の気の回し過ぎかもしれませんが、何かしらそうしたような表現もあってもよいのかなと思いましたが、これはお任せします。それだけです。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、横田委員、お願いします。
〔横田委員〕私は、中小企業のところで少し御相談差し上げたいのですが、今回の書き方としては、コロナを抜けて正常化に戻すということがゴールになっているかと思います。中小企業対策はコロナ前からかなりじゃぶじゃぶと、ものづくり補助金など、いろいろお金が落ちていたところであるというふうに理解しております。なので、やはりデータを基に、そうした今後の効果検証もしながら、メリハリをつけていくことも含めて、正常化していくということをにじませられないかなというふうに思っています。
現状の記載では、中小企業の生産性の向上のところで効果検証や、事業再構築補助金の精査までは書かれているのですが、やはりデータで出したところがどうなっていて、何の施策が重要なのかを見極められるような取組も必要であることをご記載いただきたいと思っています。
余談ですが、先日、中小機構のヒアリングをしている中で、主務省である中小企業庁が今後ちゃんとビッグデータ化をし、検証できるような体制を取っていきたいとおっしゃっていたので、そんなことは御相談の余地があるのではないかと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、大槻委員、お願いします。
〔大槻委員〕まず70ページ目のところですが、防衛のところです。その後のところに少しだけ匂ってはいるのですが、改めて、「債務を残すことが経済安全保障に負の影響を与えることになることは本末転倒である」という趣旨の文言を入れて、全体のスタンス感を示してはというふうに思いました。22行目のところでした。
それから、83ページ目ですが、文教・科学のところです。ここのブロックの一番のキーであると思うのは、教育の質というところではないかと思っています。各論になると、質を維持向上ということで具体的な施策等出てくるのですが、このリード文のところは、「大学において」のところで、「教育の質を維持・向上」という、そこだけになっているので、そうではなくて、全体として義務教育等も含めて、教育の質の維持向上というのがメッセージとして、4行目の後に必要なのではと思います。例えば「重要性は論を俟たない」の後に、「教育の質の維持向上のため・・・」とかという形にするなど、そこにメッセージ性とかキーワードを入れてはと思いました。
それから、88ページ目でございます。8行目ですが、これは国際的な評価の高い論文の筆者の話ですが、資料のほうを見ると、このデータ自体は自然科学分野のみが対象であると思います。ですので、ここで「40歳未満であり」と数字、に触れるのであれば、「国際的な評価の高い自然科学論文の筆者は…」ということにするのか、あるいは、数字を入れないのであれば、全体として若い人が、成果が上がっているんだよということにとどめるのか、どちらかと思いました。
そして、90ページ目の文化庁のところです。今、御指摘あったのですが、個人的には、クラファンというのは、今で言うところの“推し”の表れでもございますので、趣旨にもかなっているし、新しい形の、かつ多様な調達源として、やはり具体例を入れておいたほうが良いのではないかと思っております。
一方で、同じところ、90ページ目、12行目ですが、「適切な水準の入場料の設定」とありますが、水準だけではなくて、無料入場の範囲などが、たしか資料の中でも御指摘されていたかのように記憶していますので、課題は水準だけではない、ということで、「適切な入場料の設定“など”」という形がよろしいのではないかと思いました。
そして、最後、96ページ目、最後から2番目です。地域公共交通のところの25から26行目のところですが、ここについては地方の移動手段がなくなってしまう可能性があるところについて、少し突き放すような感じがしないでもございませんので、例えばここに、この間の規制改革推進会議でも提示されたような「住民の移動の自由をできる限り確保しつつ」とか、そうした形で利用者にも配慮するという趣旨を少し入れてはと思った次第です。
そして最後が、117ページ目、先ほど平野委員からもありましたが、地方自治と、こうした事務の共通化、標準化、ここについての切り分けというか、標準化をデジタルで行うことについては、これは地方自治とは一線を画すものであるということを入れつつ、事務の統一化ということをうたっていけるような文言を入れていただきたいと思っております。具体的な文言が出なくて申し訳ないですが、以上です。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは、御発言、御意見は以上であると思いますので、今いただきました御意見について、起草委員のほうからお返しする点があれば、どうぞお願いしたいと。それでは、中空委員、どうぞお願いします。
〔中空委員〕ありがとうございました。私はいくつか担当しているところを中心にお話をさせていただきたいと思います。その前に、私が担当していないところではあるのですが、防衛のところ、先ほど来、皆様から御意見があったので、私たちもすごくそこは盛り上がったのですという話をさせていただきたいと思っていますが、71ページの冒頭から4行のところです。特に私は、長らくマーケットにいるので、為替の話、末澤委員と熊谷委員のご指摘は、私も同じ気持ちで、為替も含めたらという主張をしていたのです。ですが為替や物価を入れると、それを加味して、もっと防衛予算が必要だと言うように使われかねないという考え方もあるので、変動要因を中にいっぱい含めることによる弊害が起きかねないという説明を私は主計官から受けて、それもそうだなというふうに思った次第です。
この部分は恐らく、割と読み手も多くなるのではないかと思うので、いただいた御意見をもう一度、書き換えるべきかも含め、考えたいと思いました。
防衛については、ほかの先生からまた御意見あるかもしれないので、私の担当のところに移りたいと思います。文教・科学でいただいた御意見のところですが、ダイバーシティや多様性というのをもっとという話が熊谷委員からありました。それについてはこの議論が出たところの工夫をして、何か加えられるものがあったらというふうには思います。
あとは教育の質、これは大槻委員から言っていただいたのですが、私も本当にそうであると思っています。もう量ではなくて質だよねという転換については、これまでも言ってきていると思うのですが、もう少し全体にかかるような表現が工夫できるかは検討したいと思っています。
また、末澤委員からあった民間等の活用についても、どこかしらに入れなさいということについては少し考え、入れられたら入れたいというふうに思いました。
後半のほうに行きまして、これも大槻委員からあった自然科学について、つまり、データと整合性の取れる書き方をしてねということだったと思うのですが、それについても注意したいと思っています。
また、文化庁の話ですね。今回、この部分がきちんと書かれていた珍しいケースだったと思うのですが、国立博物館、美術館ということだけにかかわらず、私自身も実はここはもっと競争する観点が必要なのではないかと思っています。もっと自主的にお金を集めるとか、です。実際、その能力が高いところが日本にはいっぱいあるのではないかと。なので、もう少し自主性に任せて頑張らせる、頑張ってもらうという意見があったほうが良いのではないかと思いました。私は、競争力、競争力とどこでも言っているので、その流れで解釈するとそうなるのですが、一方で、こんな例をまた主計官に言われたのです。小さいお寺とかで、1個だけ何か大変な貴重な仏像を持っていて、こうしたものを1個1個、このロジックで語られても、それは話にならないのだと。かと言って、すごく貴重なものを無視してよいかというと、いや、日本の国宝ですとか言われてしまうと放置もできません。また、国宝になるとこれはお金が出るのですが、重要文化財ぐらいだとお金が出ないので、そうした細かいところのさじ加減がとても大事になるというところです。ですので、自主性をもっと高めて、自発的にお金をもうけなさいという意見を前面に押し出しつつも、バランスを取った書き方に、なってしまうのではないかなと思います。
クラウドファンディングの事例についてもどう捉えるか、が重要かと思います。割と分かりやすいコンセプトであり、お金もたくさん集まったので、目立つかもしれないので43兆円に並ぶほどではないでしょうが、慎重に考えたいと思います。
それから、ここは絶対に修正が必要、含めるべき、という話が皆さまの方にある場合は、メールしておいていただけるとありがたいです。
また、後ろのほうで、中小企業の話、横田委員からいただいたのですが、データについてもっと検証しなさいということは、私も必要であると思います。どこかしらに入れたいと思います。文言も含めて、もし何かアドバイスがあったらお願いします。とりあえず、私のところは以上です。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは、続いて、土居委員、お願いします。
〔土居委員〕担当の委員がいませんが、デジタル関係で、特に地方自治体に関連するところで、平野委員、大槻委員から御意見いただきまして、まさにおっしゃるとおりであると思っています。どこに書くかについては、結局のところ、地方財政係に引き取ってもらって、予算編成に反映していただくのが効果的なのか、それとも、デジタル係に引き取ってもらって、予算編成に反映してもらうのが効果的なのかというところが建議の打ち出す先、当て先ですね。これによって場所が変わってくるというようなところがございますので、また起草検討委員の中で検討させていただいて、適切な場所に反映させていきたいと思います。ありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕ほかはよろしいですかね。それでは、各委員からの御意見、コメントも以上のようでございますので、本日の審議は以上とさせていただきまして、もう一度繰り返しになりますが、またお読みになって、追加の御意見がございましたら、明日、9日金曜日の15時までに事務局にメールで、様式は任意で結構でございますので、御提出をいただきたいと思います。失礼しました。木曜日ですね。明日9日木曜日の15時までということになります。大変ショートノーティスで恐縮ですが、よろしくお願いします。
本日の議論、それから、改めてもし御意見があれば、その内容を踏まえた上で、起草委員会で、更なる修文案を検討していただきます。寄せられた御意見については、起草委員会の御判断でございますが、基本、これまでどおり、できる限り反映を頂けるものは反映いただくということで臨まれるということでございますが、中には難しい判断というものになるかもしれません。いずれにせよ、修文案につきましては、起草委員の皆様の御議論にお委ねしたいと、このように思いますので、是非この点、御理解をよろしくお願いいたします。
その上で、委員の皆様のお手元に、次回11月20日と申し上げました、その分科会の前に修文案が届くように手配させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それから最後ですが、本日の資料は非公表扱いと、こうしたことになりますので、今お手元に資料が、建議の案があるかと思いますが、これは本日の会議後に回収させていただきます。恐縮ですが、お持ち帰りにならず、机の上にお残しいただきますようにお願いいたします。
また、内容および審議経過につきましては、対外的にお話しにならないように、是非御協力をお願いいたします。
それでは、以上でございますので、本日はこれにて閉会いたします。どうもありがとうございました。
午後3時55分閉会