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財政制度分科会(令和5年5月11日開催)議事録

財政制度等審議会財政制度分科会
議事録

令和5年5月11日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政制度分科会議事次第

令和5年5月11日(木)14:00~16:00
第3特別会議室(本庁舎4階中-412)

  • 1.開会

  • 2.議題

    • 財政総論(補足)

    • 財政各論③:こども・高齢化等

  • 3.閉会

出席者

分科会長代理

増田寛也

秋野副大臣

金子大臣政務官

青木大臣官房長

渡部政策立案総括審議官

新川主計局長

寺岡次長

中村次長

前田次長

八幡総務課長

小野主計企画官

大久保司計課長

渡邉法規課長

松本調査課長

一松主計官

三原主計官

佐久間主計官

有利主計官

小澤主計官

寺﨑主計官

大沢主計官

端本主計官

河口主計官

坂本主計官

渡辺主計官

内之倉主計監査官

山岸予算執行企画室長

鈴木主計企画官

園田公会計室長

大槻奈那

河村小百合

熊谷亮丸

小林慶一郎

武田洋子

土居丈朗

藤谷武史

宮島香澄

臨時委

上村敏之

小黒一正

木村

國部

権丈英子

末澤豪謙

和夫

伊達美和子

田中里沙

中空麻奈

平野信行

福田慎一

真奈美

田章

村岡彰敏

横田響子

吉川


午後2時00分開会

増田分科会長代理それでは、間もなく会議を始めますが、本日は冒頭からカメラが入りますので、そのままお待ちいただきたいと思います。

それでは、お願いします。

(報道カメラ入室)

増田分科会長代理ただいまから、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。

本日は冒頭から、秋野副大臣にお越しをいただいております。どうもありがとうございます。また、金子大臣政務官にも後ほどお越しいただく予定となっております。

本日の議題は、「財政総論(補足)」、そして、「財政各論:こども・高齢化等」と、このようになっております。

それでは、そろそろ報道関係の方は御退室をお願いいたします。

(報道カメラ退室)

増田分科会長代理それでは、事務局説明に入ります。

まず「財政総論(補足)」ですが、松本調査課長より簡潔に説明をお願いいたします。

松本調査課長主計局調査課長の松本でございます。資料1、「財政総論(補足)」(補足)の資料でございます。これまでの審議での御指摘につきまして、大きく3点補足させていただきます。

1ページ目が補足の1点目、コロナ対策の正常化についてでございます。最近の分科会あるいは昨年秋の建議での御指摘を掲げてございます。平時への移行に苦労している等々の御指摘をいただいているところでございます。

2ページを御覧いただけますでしょうか。経済財政諮問会議での議論について御紹介しております。財政健全化目標を達成するには、コロナ対策等で膨らんだ歳出の剥落が前提であるということがこちらでも指摘されているということでございます。

3ページ、正常化に向けました取組状況、一枚にまとめてございます。御覧いただきますとおり、更なる対応が必要な項目もあるということでございます。

以下、個別に4ページは、資料2のちょうど取り上げます病床確保料の問題でございます。

5ページ、6ページは、前回取り上げさせていただいた地方向けの臨時交付金の問題。

そして、7ページ、8ページに行っていただきますと、前々回に取り上げました雇用調整助成金の見直しの方向性についてでございます。

続きまして、9ページ、10ページは、中小企業の業況と、支援が高水準となっている状況についてでございます。引き続き正常化に向けた取組を続けていく必要があると考えてございます。

11ページ目からは、補足の2点目、PDCAサイクルの確立についてでございます。プログラム単位の検証が必要であるといった御指摘をいただいているところでございます。

12ページです。行政事業レビューのみならず、政策評価と一体的に検証を推進していくべきということは御指摘のとおりと存じます。その上で政策評価を地に足のついたものとするためにも、政策の最小単位である事業の検証を強化するということも同様に重要であると思っております。ここにありますとおり、外部人材による検証あるいはレビューの質の向上など、地道に取り組んでいるということを御報告させていただきます。

その上で、13ページ、こちらは4月14日に出させていただいた資料でございますが、行政事業レビューが予算編成過程できちんと活用されるよう、データの活用、あるいは予算編成業務の見直しと併せまして、地味ですが、着実に取り組んでいきたいと考えておりますことを重ねて報告を申し上げる次第でございます。

14ページから補足の3点目、フューチャーデザインについてでございます。

15ページ、当面の取組といたしまして、お手元にも配付してございますが、パンフレットを作成いたしておりますほか、対象者に応じた各種コンテンツの作成あるいは実践、さらには官民連携のプラットフォームづくりの検討などを掲げさせていただいているところでございます。

16ページ以降は、財務省の広報誌に掲載予定である社会人向けのワークショップの実践例でございます。御参照いただければ幸いです。

私からは以上でございます。

増田分科会長代理それでは、続きまして、「財政各論:こども・高齢化等」について、こちらは、大沢主計官から説明をお願いします。簡潔にお願いいたします。

大沢主計官厚生労働主計官の大沢でございます。まずは、本日の資料の中で15ページ目に、本日御紹介した中身を一枚にまとめてございます。まず、急速な人口減少の中だからこそ、将来展望というものがますます重要になると思います。その中で、ここに賃上げ、雇用制度、持続可能な社会保障と書いてございますが、こうしたものがしっかりしているかということがますます関心事項になると思います。そのために我々が進めてございますのは全世代型の社会保障でございまして、今、進めております少子化対策とともに、当面、更に高齢化が進むわけですから、それに対応した、特に医療・介護の政策をセットで考えていかなければならないと思います。

この中で、本日の議論では、少子化対策について、児童手当の在り方、さらに財源の在り方、また、医療・介護につきましては、新型コロナの経験から、今後の対応にどうつなげていくか。また、あわせて、これから確実に進む超高齢化、10年先には団塊世代の人口のコブが85歳を迎えるという中で、介護保険、それから、薬剤費について改革が必要ではないかといった問題について、先生方の御意見を頂ければと思います。

以下、ポイントに絞りまして、資料の御説明をいたします。

戻っていただきまして、3ページ目でございます。こちらが昨年生まれた人数が80万人割れと言われたデータでございます。御紹介だけさせていただきます。6ページ目でございます。人口減少の年金医療といった保険制度への影響でございます。右下、将来の保険料は、人口が低く推移した場合、高く推移した場合と比べまして、18%、2割近く保険料が高くなると推計されます。こうして見ますと、この少子化を押しとどめることは、医療・介護といった各保険制度を今後将来にわたって機能させるためにも必要なことかと思います。

続きまして、11ページ目、御覧いただきます。社会保障改革ですが、実は長年にわたり、この「2025年」を目標に掲げてまいりました。2025年が、団塊世代が後期高齢者に到達して、医療・介護の費用が放っておくと大幅に増えてしまうこととしたからでございます。2025年まで、あと2年となりまして、法改正の時間などを考えますと、2025年までに改革を実現するには、今年が事実上、最後のチャンスになるわけでございます。したがって、少子化対策だけでなく、医療・介護についても議論を加速する必要があると思います。

14ページ目でございます。医療・介護でございますが、この20年で、オレンジ色の公費だけでなく、青色の保険料負担も大幅に増加しております。今後は、公費だけでなく、保険料負担を抑えるため、医療・介護の給付全体を抑えていく改革が必要かと思います。特に年末には、診療報酬・介護報酬の同時改定がありますが、これらを例えばプラス1%引き上げますと、保険料負担が3,000億円増えるということは念頭に置いておくべきかと思います。

次に、少子化対策です。17ページ、本日は、経済的支援の中でも児童手当の在り方について、特に御紹介いたします。

18ページ、3月末の試案が出ましたが、3点、所得制限の撤廃、高校生までの拡充、多子世帯への支援が盛り込まれております。

19ページです。児童手当について、年収1,200万円以上の世帯は、令和4年10月に特例給付が廃止されました。実は税制上の支援もない状態にございます。こうした中で高所得者に対する児童手当についてどう考えるかという論点でございます。

21ページを御覧ください。現在、高校生には、扶養控除による税制上の措置がございます。この中で高校生まで拡充することによってどう考えるかというものでございます。

22ページでございます。左側のグラフ、黄色の棒グラフのとおり、こどもが3人以上の夫婦の割合が低下しております。また、右側のグラフのとおり、こどもが3人以上の世帯は経済的困窮を感じている割合が高いということを踏まえまして、多子世帯への支援をどう考えるかという論点でございます。

23ページでございます。児童手当は、事業主拠出金が導入されておりますが、この中で、歴史を見て、適切な財源構成をどう考えるかという論点でございます。

飛んでいただきまして、28ページ目でございます。少子化対策の安定財源を確保する際には、現在の持続的・構造的な賃上げの取組と整合的になるように、子育て世帯が手取り増となること、それから、医療・介護の改革によって保険料負担の増加を極力抑制する取組を行うことが必要と考えます。

32ページを御覧ください。制度横断的に少子化対策を強化する中で、給付と財源構成の見える化を更に進める必要があると考えられます。

続いて、医療でございます。まず、コロナ対応から何を学ぶかということでございますが、35ページ目、この3年間で、医療分野で21兆円もの国費が投じられております。

36ページ目、コロナ発生以来、この医療費自体は順調に伸びていることに加えまして、病床確保料を含めた補助金が上乗せされる形になっております。

37ページ目、コロナ禍で、病院の財務状況が非常に好調でございまして、特にこの純資産が大きく貯まる傾向にございます。

39ページ目、今、高騰しております光熱水費は、実は全体経費の2%程度にとどまっております。

40ページ目、今後も75歳以上、続いて80歳以上の人口が増えますので、医療費の増加は続く見通しでございます。

41ページ目、コロナ禍で、医療・介護の処遇改善を行う場合には、黄色い部分の中での分配の見直しや見える化が前提になるとされております。

44ページ目、見える化の一環として、医療の世界でもデータベースが導入されることになっておりますが、肝腎の一番下の職種別給与が任意提出事項になっておりますので、ここは提出義務化に向けた取組が必要なところかと思います。

46ページ目でございます。さらに今後の後期高齢者の窓口負担を原則2割とすることも次の課題かと考えております。

49ページ目でございます。続きまして、新型コロナの反省として、病院の役割分担がうまくいかなかった、必要なコロナ病床を確保できなかったということがございます。

51ページ目、その中で、インセンティブとして、3年間で5兆円に上る病床確保料を配ったわけでございますが、この見直しがなかなか進まなかったという問題がございました。

52ページ目、すみません。53ページ目です。この病院の役割分担の問題は、感染症以外でもこれから高齢化が進む中で大きな問題となってまいります。

58ページ目、地域医療構想と役割分担を2015年以来、進めてまいりましたが、なかなか計画どおり進んでおりません。

59ページ目です。この状況の打開策として、診療報酬の構造を実績ベースに転換する必要があるという御提案をさせていただいています。

60ページ目です。さらに、この法改正によって病院への義務づけを検討すべきではないかと御提案させていただいております。

64ページ目、続きまして、薬の問題でございます。右上のグラフ、日本の薬剤費はアメリカよりも高い状態にあります。

65ページ目です。薬価のマイナス改定を続けておりますが、実際の薬剤費は伸び続けております。

68ページ目、この中でやはり産業構造を見直していくことが必要であると考えておりまして、このページで指摘させていただいていますが、特に企業規模の問題、それから、輸出能力の問題が挙げられると思います。

70ページ目、また、海外の例も参考に、医薬品の自己負担を見直していくことも必要な段階にあると思います。

73ページ目でございます。続きまして、都会で診療所が増え過ぎているのではないかという問題でございます。左側のグラフを見ていただきますと、患者数は変わっていないのに診療所の数は増える一方でございます。

77ページ目を御覧いただきますと、フランス、ドイツでは、地域別、診療科別に定員制がございますので、そうしたことも参考に一歩踏み込んだ新規開業の規制が必要ではないかと考えております。

79ページ目、医療DXともよく言われておりますが、現在、急速にインフラ整備が進んでおりまして、担当のお医者さんが患者の診療履歴など、かなりの情報を見ることができるようになっております。

80ページ目、「全国医療情報プラットフォーム」と称しまして、電子カルテを共有するなど、更に大きな構想が進められております。

81ページ目、問題は、これを何に使うかでございまして、例えば、既に重複投薬は、リアルタイムに把握できる状態になっていますので、そうした効率化を進めるべきかと思います。

85ページ目でございます。リフィル処方箋を導入していただきましたが、昨年の診療報酬改定では、医療費が0.1%減る前提で予算編成しておりますが、実際にはほとんど効果が出ておりません。例えば、薬剤師の判断でリフィルに切り替える仕組みを検討すべきかと思います。

続きまして、介護の問題でございます。93ページ目、介護については、85歳以上になると、右側の赤丸でございますが、半数以上が要介護者になるということで、改革を急ぐ必要がございます。

95ページ目ですが、この中で、介護事業者は、ほかの産業と異なりまして、安定的に収益を上げております。

96ページ目ですが、社会福祉法人を見ますと、現預金などが積み上がっている実態がございます。

97ページ目として、特に社会福祉法人でございますが、大規模化という課題があるかと思います。グラフを御覧になったらお分かりのとおり、介護事業者は、規模が大きいほど収支が良い状態にございます。

98ページ、コロナ禍で、社会福祉法人の出入りが少なく、小規模ほど収支も悪い状態にございますので、法人同士の連携や人事交流によって処遇を改善していく方向性が考えられます。

100ページでございます。また、保険料の抑制も必要でございまして、後期高齢者医療に合わせて、2割負担の拡大についても、今回、3年に1回の改正の機会でございますので、早急に手当てすべきかと思います。

最後、障害福祉でございます。110ページを御覧ください。障害の予算ですね。左側のグラフのとおり、直近10年間、2倍に増加しております。

112ページでございます。この中でサービス業の地域差というものがかなり大きくなっております。

113ページでございます。真ん中の赤い矢印のように、総量規制がないサービスの地域差が大きく、総量規制の対象拡大などを検討すべきかと思います。

最後、115ページでございますが、障害は、利用者負担が低く抑えられております。その中で適切な報酬設定が必要かと思います。例えば、サービスの利用時間に応じた報酬体系に見直すべきかと考えております。

以上、駆け足でございましたが、手短に御説明させていただきました。よろしくお願いします。

増田分科会長代理ありがとうございました。

本日は、広瀬委員、安永委員、芳野委員から意見書を御提出いただいております。お手元にお配りしておりますので、お目通しをお願いします。また、小黒委員からも資料の御提出をいただいております。

それでは、以降、委員の皆様方から御意見、御質問を頂戴したいと思います。ネームプレート、または挙手するボタンでの合図をお願いいたします。会場から5名、テレビ会議システムから5名と、いつものとおりの形で指名していきますので、お願いします。

前回の会議では、所定の時間を超過いたしました。したがいまして、今回も委員の皆様方の御発言をできるだけ簡潔にまとめていただくといったようなことで、円滑な進行に御協力をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

それでは、まず、会場から5名指名いたしますので、私から見まして、向かい側の列、左手から指名させていただきます。河村委員から、小黒委員、熊谷委員と、こうした形で指名いたしますので、よろしくお願いします。

河村委員、どうぞ御発言お願いします。

河村委員御指名ありがとうございます。本当にこの局面で、多岐にわたる大変な問題をたくさん抱えている中、御丁寧な御説明をくださり、ありがとうございます。その中のごく一部ですが、児童手当の部分、それから、医療のところで少しだけ意見を言わせていただければと思います。

児童手当ですが、19ページの辺りとか、いろいろ記載ありますが、所得制限を撤廃する方向でということで試案が出ておりますが、この方向に賛成です。やはり国として手当をどう配るかというのは、国としての姿勢を表す面でもありますので、そこのところではやはり所得制限を撤廃するので良いのではないか。ただ、そこで、受け取る側に経済力に差があるというのも事実であると思いますから、その辺りは課税所得に算入するような扱いにするといった形で、きちんとバランスを取っていくことができれば良いのではないのかなと思っております。

この後、判定のところも、19ページの左側の箱の中にありますが、制限なしになれば問題ないですが、ここは誰の所得をもって判断するかといった問題もいろいろありましたので、そうしたところもやはりなしにするという形でやるのが良いのではないかなと思います。

その財源ですが、28ページのところで御指摘いただきましたが、子育て世帯として、子育て期間全体として見て、手取り増になるようにというのは、もう本当に当然、最低限、マストというか、絶対こうでなければ駄目だなと思いましたので、本当に賛成です。その意味からも、財源については、これは23ページの辺りであると思うのですが、やはり公費を中心にやっていくということでしかるべきではないかなと思いますし、社会保険の方とのバランスをどう取るかということで、税だったら消費税という話も出るのですが、それだけではなくて、次の世代への、ある意味での格差の是正というような意味も含めて、御自分のお子さん、お孫さんだけに渡すのではなくて、やはり平等に次の社会につなげていくという意味で、資産課税の活用ということも考えてよいのではないのかなと私は思います。

またそれから、22ページ辺りで、多子世帯への配慮ですが、当事者の一人として申し上げますが、やはりいろいろ大変なのが実情で、今日の直接の議論の対象ではないと思いますが、高等教育のところで少し配慮とかそうした話も出ていますが、こどもが多くて、たくさんかかるのは教育費だけではなくて、やはり住居など、スペースの確保も大変ですし、食費も大変です。やはりこれは児童手当のところでも配慮されてしかるべきなのではないのかなと思います。

また、医療のところですが、問題はたくさんあると思うのですが、一つ、私から言わせていただきたいのは、今回の御報告の中でも、それから、主計官の御説明の中でもいろいろ御説明くださっていた医療の世界のというか、一般の国民の目から見たら、やはり特別扱いされているのではないかなというのがコロナ禍であらわになったような側面もあるのではないのかなと思います。

やはりびっくりしますのは、39ページのところにある病院診療所の経費構造のことで、診療所の院長先生の給与費が3,000万円とかいって、「えっ」と、やはりみんなびっくり、目が点になると思うのですが、こうした世界なのだなと。それから、コロナ病棟が足りないとか、必要な診療科に必要なお医者様が回っているかどうかという問題は、これはコロナ以前からいろいろ言われていたことではあったというふうに思うのですが、やはり48ページの辺り、これは権丈先生が別の会議で言われている話ですが、自由開業医制であるとか、自由標榜制であるとかということ、また、フリーアクセスということが条件が重なると、やはりこうしたことになってしまうと思うのですが、こうしたところも含めて、開業規制などに関しても、これは77ページの辺りですか。御指摘くださっていますが、やはりこれだけ社会保障費、特に医療の部分は私たち国民は使う側でもあるが、負担もやはりそれなりにしているわけで、必要なときに必要な医療がきちんと受けられるような体制を国として整えていく必要があるのではないのかなと思います。

またもう1個だけ、薬価のところです。新薬の開発を促進しなければいけないということでいろいろお話もあったかと思うのですが、やはりこうした辺り、薬価に乗ってくるというのは分からなくもないのですが、67ページの辺り、これだけで決める話でもないのではないのかなという気がしますので、やはり科学技術政策と併せて、国としての取組を強化していく必要があると思います。

以上です。

増田分科会長代理小黒委員、どうぞお願いします。

小黒委員ありがとうございます。多岐にわたる論点がある中で、二つ、少しコメントさせていただければと思います。お手元に資料をお配りしてございますが、本体の資料との関係で言いますと、財政各論③のこども・高齢化等の12ページ目と関係する話であると思います。

この12ページ目の資料によりますと、これは2018年に政府が公表した資料であると思いますが、この「社会保障給付費の見通し」では、ベースラインケースで、2025年度の社会保障給付費は約140兆円、対GDP比で最大21.8%程度になると予測していました。また、2040年度では約190兆円、対GDP比で24.1%になると予測していたわけですが、お手元の資料のほう、私がお配りした図表をご覧ください。黒い実線が社会保障給付費(対GDP比)の実績になります。これを見ていただきますと、2019年度で、これは予算ベースですが、既に22.14%に到達しています。他方、青い線(政府が予測していたもの)が右側にありますが、この値は政府が予測していた2025年度の値である21.8%を既に超えているという状況になっています。

同様に、下側に実線の破線がございますが、これは対GDP比で見た社会保険料の負担での推移です。この社会保険料負担(対GDP比)の実績をご覧いただくと、2019年度で13.22%という値になっています。政府は、先程の「社会保障給付費の見通し」と同時に、社会保険料負担(対GDP比)の予測も公表していますが、その予測では2025年度での値は12.6%と見積もっていました。ですが、2019年度の13.22%という値は、既にその水準を超えて負担が膨らんでいるという状況になっています。

これから申し上げることは、図表の上の扉に記載してございますが、2023年度で、健康保険の平均的な保険料率が大体9.27%になります。既に年金は18.3%で固定してございますが、また、介護と併せると、社会保険料の負担だけで30%ぐらいになるということで、今後、社会保障給付費(対GDP比)が引き続き伸び続けると、国民負担は現在でも、足もとで大体46.8%という形ですが、もう50%を超えてもおかしくないのではないかと思います。そうした状況になりますと、二人以上の勤労者世帯で見た場合、1988年と2017で比較した場合、可処分所得がなかなか伸び悩んでございますが、直接税は比較的横ばいか、微減という形で、他方で、社会保険料の負担が8割ぐらい負担増という形で増えているということを考えますと、やはりもう少し伸びを抑制していくということを考えないと難しいのではないかと思います。

ですので、伸びを完全にゼロにしろというわけではなくて、中長期的な経済成長率と乖離しないように、社会保障給付費の伸びを微調整するような仕組みについても考えていただけたらと思います。

こちらの財務省が出している資料の71ページ目にそのヒントのようなものとして、薬剤費総額と経済成長の関係で、新時代戦略研究所というところが出している微調整の仕組みもありますので、こうしたものも参考にして御議論いただけると良いのではないかなと思います。

それからもう一つは、この資料の22ページ目のところで、今、話題になっている異次元の少子化対策でございますが、私は、財政的な制約も考えると、これは前回の財審でも申し上げましたが、やはり3人以上のこどもがいる世帯の割合が非常に減少しているというところがやはり一番大きいポイントであると思います。ここの部分について、少し集中的に支援することによって全体の出生率を引き上げていくという政策にすれば、もう少し違った形で財源的な節約もしながら対策ができるのではないかなと思ってございます。その辺も御検討いただければと思います。

以上でございます。

増田分科会長代理それでは、続いて、熊谷委員、どうぞ。

熊谷委員ありがとうございます。私からは大きく2点、コメントさせていただきます。

まず第一に、少子化対策についてです。財源について、経済界では、消費税を推す声が根強い状況ですが、私は、社会保険料も有用な財源になり得ると考えております。特に資料28ページにございますように、子育て世帯以外に、事業主や子育て中以外の世帯にも広く薄く御負担いただいて、子育て世帯に集中的に還元すれば、子育て世帯は消費性向が一番高いので、これ自体が強力な消費活性化策になります。

また、社会保険料には負担が給付に一定程度ひもづいており、負担者の理解が得やすい面もあります。くわえて、このまま少子化が加速すれば制度の存続が危ぶまれるとの見方もございますので、少子化対策は、こうした各種社会保険制度の長期的な財政が安定するという観点などからも被保険者にとっては恩恵があると考えられます。

ここで大切なことは、お金の出し手から見て納得のいくお金の使い道であることだと思います。前回の会合でも申し上げましたが、私は予想される出生率の改善効果を必要とされる財政支出額と比較して、言わばB/C的な観点から政策の優先順位づけを行うべきであると考えます。私ども大和総研の試算では、先般、小倉大臣が発表されたたたき台に盛り込まれている政策オプションの中では、両立支援や働き方改革などに関する施策が費用対効果が最も高く、逆に費用対効果が低いと見られる児童手当拡充の3倍弱から6倍程度に達するものと推定されます。こうした定量的な分析などを踏まえて、児童手当に関しては、特に所得制限や多子加算について、お金の出し手から見て、一律ではなく、資金を重点配分していると説明できる形にしていただくことが肝要です。

第2に、現役世代の保険料を抑制するために、今後の診療報酬改定、介護報酬改定は極めて重要であるという点を強調させていただきます。14ページにございますように、プラス1%の改定を認めると、それだけで年間3,000億円、保険料が増加してしまいます。様々な制度改正で、3,000億円の企業の負担増といえば大変な議論になりますが、報酬改定も同じように負担増を抑制する観点から注視するべきです。こうした文脈の下で、本日御紹介があった、多くの病院でコロナ補助金によって純資産が増えているという指摘は極めて重要です。

37ページ目の表によれば、純資産が費用の5%分ずつ毎年積み上がることになり、コロナ禍の3年間で、単純計算で、年間総費用の15%分が積み上がった計算になります。そういたしますと、仮に賃金、物価で総費用が2%増えても、7年程度はコロナ補助金でやっていけることになります。これはあくまで仮定計算ではございますが、そうしたことも念頭に置いて、これからの医療費に関する議論を注視する必要があると考えます。

ここまで申し上げましたとおり、こども・子育て政策の枠を超えた全世代型社会保障改革の視点を堅持しつつ、給付の効率化等の医療保険、介護保険制度の改革を断行して、現役世代の保険料負担の増加を極力抑制する取組が極めて重要であるということを、第2のポイントとして強調させていただきます。

私からは以上でございます。ありがとうございました。

増田分科会長代理それでは、木村委員、どうぞお願いします。

木村委員御説明ありがとうございました。いろいろ重要な論点を示していただいて、大事なことであると思いました。私は今回、少子化対策に主に絞ってお話ししたいと思っています。資料の26ページにあるとおり、こども関連予算は、実は過去9年でほぼ倍増しているということですが、少子化には歯止めがかかっていないということ、なかなかこれは重い現実であると思います。総理は、こども予算を更に倍増されるという方針を示されていますが、こうした厳しい現実を踏まえて、効果的な対策を検討しなければ、もしかしたら単なるバラマキに終わってしまいかねないということを考えて、これからの対策を進めるべきであると思います。

いくつか申し上げますと、一つは、先日の財審で議論したので簡単に指摘にとどめますが、財政支出以外の対策についてもきちんと取り組むということ、要するに、社会の仕組みやその意識を変えるということですね。非正規雇用の問題に取り組んだりすること、あるいは選択的夫婦別姓を認めて、多様な家族の在り方に応じた仕組みを取り入れることも一つ重要な選択肢ではないかなと思います。そうした財政支出以外の取組を行った上で、財政支出の理念を明確にした上で、効果的な対策に絞って実施することが大事ではないかと。例えば児童手当の所得制限、これを撤廃するかどうかが焦点になっていますが、子育ては社会全体で支えるという理念を明確にすると、所得で差別するのは問題という考え方ができます。ただ、所得再分配の観点から、撤廃する場合は税制でその負担の在り方を検討するということも課題となると思います。

また、効果的な対策という観点からでは、資料で挙げられた児童手当の増額の対象、多子世帯、こども3人以上にするというのもこれは有力な考え方と思います。

最後、財源論ですが、これはいくつかの原則に基づくことが重要であると思います。一つは、まず効果的な財政支出に絞る。その上で、歳出全体の改革を進めて、財源を確保する。これによって国民の負担をできるだけ少なくする。もし国民に負担を求める場合は子育てを社会全体で支えるという理念の下、幅広く負担を求めて、安定財源を確保する。将来世代にツケを残してしまえば、少子化対策の趣旨に逆行するということなので、安定財源の確保というのは重要なことであると思います。

また、細かい話ですが、歳出改革は、資料で示されているとおり、全世代型社会保障の観点から、医療・介護の歳出効率化を進めるということが大事であると思いますが、少し気になるのは、社会保障予算の枠内でやりくりすることだけでいいのかなという疑問があります。同じように倍増する防衛予算というのは、非社保の歳出改革で、子育て予算は、その社保の歳出改革という線引きがあるようですが、国民にとってあまり関係のない線引きであると思います。大胆にスクラップ・アンド・ビルドを進めることが大事ですから、歳出改革、そうした観点からもっと柔軟な対応が必要ではないかと考えます。その上で国民に負担を求める場合は、現役世代にその負担が集中しがちな社会保険料よりは、高齢者も含めて広く負担する消費税のほうが望ましいという考え方はできると思います。

ただ、今は物価高で家計も苦しくなっている中で、果たして消費税で負担を求めることが妥当なのかどうかという議論もあると思います。当面は比較的余裕のある事業者や富裕層に負担をお願いして、将来的な消費税も排除しないという時間軸も考慮した適切な組合せを探ることも大事なのかなと思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、小林委員、どうぞお願いします。

小林委員御説明された問題提起、問題意識や政策の改革の方向性というのもほとんど、もう全て賛成でございます。その上で三つ、かいつまんでコメントさせていただきたいと思います。

一つ目は、医療機関の経営情報の更なる見える化のことです。やはり医療費をこれからどう把握してコントロールしていくかというのが今後、数十年の財政運営の肝になる部分であると思います。そのための基礎的な情報として、公的な医療保険で収入を得ている医療機関の経営情報を政府と国民が把握するということは当然の権利でもあり、また、政府にとっては義務でもあると思います。この膨張する医療費を制御できなくなるということになってしまえば、戦前の日本で軍事費がコントロールできなくなった、聖域化してしまったということとほとんど同じようなことになって、国を誤ってしまうということになりかねないと思います。

ですので、資料44ページにありましたとおり、経営情報のデータベースについては、やはり国民への説明責任の観点を踏まえて、職種別の給与や人数の提出を義務化するということは財審としてもしっかり求めていくべきではないかというのが1点目でございます。

2点目、関連しますが、この資料の中では触れられてはいなかったと思いますが、医療統計の改革の問題です。先ほども御指摘あったように、コロナ禍において、21兆円の国費が医療提供体制に支出されていたにもかかわらず、それは厚労省の国民医療費の中には計上されていないということだったと思います。これは、要するに、健康保険の診療報酬の対象となっているものが国民医療費として計上されますが、例えばコロナ禍における医療機関への補助金とか、あるいはワクチン接種の費用とか、そうしたものは診療報酬には入っていないので、分類できないという、こうした話だったと思います。

ですので、やはり医療政策にかかった費用がどれだけあるのかということを統計的にしっかり把握するということは重要であると思いますので、OECDの公式統計であるヘルス・エクスペンディチャーの基準にのっとって、国内の統計情報の集計あるいは区分、そして、推計方法というものを大幅に見直すということを求めていきたいと思います。

そして、ほかの国と同様に、1年、2年という短い期間で、国際比較可能な確保の統計の情報を提出するように改めていくということが必要なのではないかと思います。そうした意味で、統計の改革というのは、政府がやるという、その気になれば、社会の中で大きな反対を言う人もいませんので、おそらく、ある意味、簡単に実現できる改革であると思いますので、このヘルス・エクスペンディチャーを日本の医療統計の基本形にしていくという改革を是非進めていただけないかと思います。これが2点目です。

3点目、財政総論(補足)で触れられたフューチャーデザインの取組についてです。財政教育の一環として、フューチャーデザインの取組を財務省さんが進めていただいているというのは非常に良いことであると、大きく敬意を表したいと思います。フューチャーデザインは50年先の将来にタイムトラベルしたつもりになって、将来世代の視点から現在の政策課題を振り返ろうという取組ですが、これはある意味で、熟議民主主義、デリバラティブ・デモクラシーの取組の一つではないかと私は理解しています。熟議民主主義というのは様々な政策課題をいろいろな立場から、いろいろな視点から論じるということであると思いますが、将来世代の視点を入れるということも、まさに熟議の一つだろうと思います。

そうした意味で、フューチャーデザインというのは、民主主義の意思決定に対する一つの補正を行っているという意味で重要な取組なのだろうと思います。ただ、今日の資料の中のお話は、一般の社会人や、大学生、高校生などへの教育の一環として、フューチャーデザインを使おうというお話だったのですが、それだけでなく、例えば役所の中のブレーンストーミングのような際に、この将来世代の代弁者を入れて、政策についてディベートするなど、財務省あるいはほかの省庁の内部での議論にも活用できるのではないかと思います。ですので、フューチャーデザインが新しい発想を生む刺激剤として扱えるように、役所や、あるいは企業の中などでも活用に取り組んでいただければと思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、ここで、オンラインのほうに移りますが、オンラインの方、委員では、次の4名の方にまず御発言いただきます。上村委員、権丈委員、福田委員、横田委員、以上の4名でございます。

それでは、上村委員、どうぞ御発言ください。

上村委員御報告ありがとうございます。基本的に御提案に賛成です。私からは少子化対策について、3点コメントします。

第1のこども・高齢化等の7ページの「全世代型社会保障」についてですが、いわゆる負担とありますが、これは支払い能力であると解釈できます。日本の場合、社会保険料の負担を求めがちですが、支払い能力が所得だけではなくて、資産も含まれるべきであると思いますし、所得がなくてもストックの資産が大きい人がおられますので、資産の捕捉を進めておくべきです。また、これまでの社会保障の充実は、消費税の増税が背後にあったから実施できているわけですので、今後の社会保障の充実を求めるということにおいては、消費税を財源の候補から外す必要はないと思います。

第2に、こども・高齢化等の11ページにある「社会保障の『2025年モデル』は実現したか?」ですが、これまで政府は、2025年を目標年次として社会保障改革に取り組んできました。何を目指して、何が実現できる、何が実現できていないかを明確にすべきであると思います。社会保障に限らず、一旦掲げた政策はどこまで実現していたのかも検証せずに政策を上塗りしていくということが繰り返されているように思いますが、それはよくありません。2025年まで、実質的にはあと1年ですので、何を目指してきたのかを改めて整理して、実施できることは実施するということであると思います。

また、終わった段階で政策を検証して、次につなげる体制を整えるべきであると思います。財政総論(補足)の報告にもあったものに、政策、施策、事務事業という政策体系の中で、施策レベルと事業レベルについては行政評価が入っているわけですが、一番上の政策レベルのPDCAサイクルの意識や評価改善を行う仕組みが弱いのではないかというように考えています。政策体系全体を捉える評価改善スキームも併せて検討すべきではないかと思います。

第3に、28ページ、少子化対策の財源の在り方について、子育て世帯については給付増が負担増を上回るとありますが、現状がどうなっているのか、改革の後、どうなるのかについて、しっかり国民に知らせていくことが必要であると思っています。社会保障全体に対して言えることですが、制度が非常に入り組んでいますので、非常に分かりにくいです。なので、給付と負担がどのような構造になっているのか、一層の見える化の努力が必要ではないかと思いました。

以上です。

増田分科会長代理それでは、続いて、権丈委員、どうぞ御発言ください。

権丈委員ありがとうございます。3点ほど手短にお話しさせていただきます。

一つ目は、今、お話もあったところですが、子育て支援の財源についてです。27ページにございますように、企業を含め、社会経済の参加者全員が公平な立場で広く負担する新たな枠組みについて検討しているというところであると思います。今は、子育ては社会全体で支えるという国の在り方を大きく変えようとしている段階にあります。新しい財源調達の在り方を工夫することにより、つながりが持てる社会になり、そのつながりに全員が参加しているという意識をかん養することができる方法を是非考えていただければと思っています。

28ページの左の図にありますように、社会全体で薄く広く負担していけば、子育て世帯にとっては、ネットの受益は確実にプラスになります。それが再分配制度というものです。その際、所得再分配調査のように、現物給付も給付額に加える必要があるわけでして、そうした説明をしていくのは難しいと思いますが、正確な情報を国民に伝える努力をよろしくお願いいたします。

二つ目、三つ目、医療となります。

二つ目は56ページです。「地域医療連携推進法人」、山形県と兵庫県の例を挙げていただいておりますが、私はそちらは両方訪れておりましたが、医療ニーズに見合った提供体制の改革がしっかりと進められているところです。病院経営は、経営者による経営権の保持と、病院の持続可能性の維持との間で選択しているようでして、人口減少などで経営の持続性が危うくなると、連携統合を進め、地域医療構想が描く方向に動くという仮説も立てることができます。つまり、なぜ地域医療構想が進まないのかというと、まだ経営にゆとりがあるからということになります。

しかし、将来、必ず医療需要は減少していきます。誰よりも先に競争よりも協調に転じた人たちは、多方面にわたって、良い面を持っていますので、彼らが模範となるような制度を今後とも検討していってもらいたいと思っております。

最後、59ページでございます。これまで看護配置に基づいて病院の機能分化が行われてきたわけですが、看護配置というインプット指標は、病床が果たしている医療機能を代理するにはかなり距離がある指標と言うことができます。病院の機能分化は、本来は果たしている医療機能に基づいて行うべきものですので、患者の重症度などの実績を反映した体系に展開していくということは当然のことであると思います。

以上となります。ありがとうございます。

増田分科会長代理それでは、福田委員、どうぞお願いします。

福田委員ありがとうございます。私からは大きな点を1点だけ申し上げさせていただきたいと思います。少子高齢化の進行というのはもう非常に大きな問題ですし、それに対する対策が待ったなしであるということはもう議論をまたないことであると思います。また、それに対して抜本的な対策を行わなければいけないということも事実であると思います。その際に異次元の対策をしなければいけないということですが、その異次元の対策の意味が、単に政府の財政支出が異次元であると解釈されないように議論を持っていくということというのが大事なのだろうと思います。

社会全体の仕組みを抜本的に変えることのほうがむしろ大事で、そうしたことを通じて、異次元の改革をしていくということなのではないかなと思います。例えば、現状、子育て、非常にお金がかかる、大変である、それは事実なのであると思います。ただ、仕組みをある程度変えることによって、多少お金のかからないような子育てというのができるかもしれないということは十分あり得ることであると思います。

例えば子育ての世帯が本当に大変であるというのは私もそうであると思いますが、実は意外に子育てが終わると生活に余裕が出てきたりするということもあるのだろうと思います。実際、日本人の資産というのは本当に高齢者に偏っていて、収入だけの問題がクローズアップされますが、収入だけではなく、資産の偏りというのも極めて大きくて、金融資産も若い人よりも高齢者が明らかにたくさん持っている。そうしたような仕組みを変えると、ある程度いろいろな問題が変わるかもしれません。あるいは、まちづくりとかそうした意味でも費用を削減できるかもしれないとは思います。子育てしやすいようなまちづくり、あるいは高齢者が住みやすいようなまちづくり、そうしたことをすることによって、ある程度の費用、お金がかからないような生活というのもできるのだろうと思います。

また、議論されていることですが、働き方を変える、働き方の改革、そうした社会全体の仕組みを変える異次元の政策というのがより大事で、まず金額が異次元であるということの議論にはならないように話を持っていくということが大事なのではないかと思います。

私からは以上です。

増田分科会長代理それでは、横田委員、お願いします。

横田委員ありがとうございます。横田です。私からは3点ほどコメントいたします。

まずフューチャーデザインについてですが、若手向けのリーフレットの御作成、ありがとうございます。さらには官民連携でのプラットフォームというところに非常に期待しております。社会全体の巻き込みが非常に必要であると思いますので、今後の進捗をもし御共有いただける機会があったら、また是非お願いできればと思いますし、後ほどちゃんと資料を読んでおきます。ありがとうございます。

2点目は、22ページの多子世帯に関してです。私は個人的に多子世帯に対する経済支援の検討の余地があると考えております。今回お示しいただいた実態でもありますが、以前、内閣府のアンケートで、こどもを希望する方々に阻害要因や躊躇する理由を聞いたアンケートを拝見したことがあります。第一子目がなぜ欲しいのにできないのかというのは、不妊だったり、そうした理由が第1番目に上がっていて、第2番目が、家族の協力、要はワンオペになっていて、第二子を持つ余裕がなかなか現実味がないようなことがあったのですが、第三子目でようやく第一に経済的理由というのが挙がっておりました。つまり、これまで先生方から意見が出ていましたが、社会構造で働き方の改革などで第一子、第二子、不妊治療についてはもうサポートがなされていますし、多子世帯については経済的要因を補助することで、希望する方々が産み育てるということが増えていく、少子化対策にもなると考えます。

3点目がリフィル処方箋について意見を申し上げます。私は個人的に非常に関心を持っておりましたので、結果の御共有をいただき、ありがたく思いつつも、もともとマイナス0.1%分の効果を考えていたところが10分の1程度にとどまったこと、非常に残念に感じております。

一方で、本件を進めることの難易度の高さも非常に実感しております。私自身、定期通院する中で複数回、診療時間が1分未満のようなことが続いたケースがあって、先生におそるおそる「リフィル処方をお願いしたいのですが」と言ったら、結構あっさりと拒絶されてしまったという経験も持っています。やはり医療機関にとってメリットがなかなかないものの、医療費の節減に考えると、リフィル処方を進めていくことは非常に重要であると思っています。医療機関の協力が得られないのであれば、診療報酬改定率マイナス0.1%分の効果が得られないということになりますので、その分を他の診療報酬から差し引くということも考える必要があると思いますし、今回お示しいただいたとおり、リフィル処方箋の促進策として薬剤師から処方医への働きかけの評価はもちろん、OTC類似薬の場合、薬剤師の判断で切替えをできるようにするというのは、早急に検討していかないと進まないのではないかと思います。

ジェネリックのときも浸透に時間がかかって、リフィル処方箋も同様のことになると思いますので、状況によっては診療報酬へのダイレクトの反映というのも検討していくべきであると思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、会場のほうに戻りたいと思います。続いて、國部委員、どうぞお願いします。

國部委員ありがとうございます。多岐にわたる重要な論点について御説明ありがとうございました。私からは少子化対策について2点、それから、医療や介護を含む社会保障全般について1点申し上げたいと思います。

少子化対策の1点目は、児童手当の効果検証についてです。今回、議題に上がっております児童手当の目的には、本来二つの側面があると思います。経済的に困難を抱える子育て世帯への支援という面と、少子化対策という面です。今回、政府の試案では、児童手当を「全てのこどもの育ちを支える基礎的な経済支援」として位置づけた上で、所得制限を撤廃する方向性が打ち出されています。こうした政策の方向性は一定理解できるものの、少子化対策においてもワイズ・スペンディングが求められると思います。

資料23ページにあるとおり、児童手当は1992年度の0.2兆円から2023年度の1.9兆円へと、過去30年で約10倍に増やしてきたわけです。これだけの資金を投じて、期待した効果が得られたのか、我が国の少子化傾向に歯止めがかからない原因というのは、児童手当が足りなかったからなのか。実際、子育て世代の従業員に聞いてみましても、「児童手当が拡充されたからといって、それだけで『もう1人』とはならない」と言っていました。少子化対策に本腰を入れて取り組む上では、持続的な賃上げや、仕事と子育てを両立できる働き方改革、働き方に中立的な社会保障制度の構築といった方策が本筋であると思います。児童手当の更なる拡充に踏み出すに当たって、これまでの政策による効果を検証すべきと考えます。

くわえて、財源ですが、前回の分科会でも多くの委員から指摘があったように、国債に依存するのではなく、子育て世帯にとって負担増とならないよう、消費税を含む税と社会保険料の最適な組合せで捻出すべきと考えます。

少子化対策の2点目は、社会構造の変革に踏み込む必要があるということです。こども未来戦略会議では、「若い世代の所得を増やす」、「社会全体の構造・意識を変える」、「全ての子育て世帯を切れ目なく支援する」という基本理念に沿って具体策が検討されていると聞いており、今後の議論に期待しています。

いずれも重要な考え方ですが、中でも少子化対策を異次元のものにする上で重要と考えますのが、社会全体の構造・意識を変えることであると思います。既に男性の育児参画を促す制度づくりや、社会全体の育児フレンドリー化など、今、子育てをしている世帯や、これからこどもをもうけようとする層に対する支援が議論されています。これらの施策に加えまして、そもそも結婚したくない、あるいはこどもを産むことにためらいがあるといった、若い世代の結婚や家庭に対する価値観に寄り添った対策も必要と考えます。出生率の引上げに成功したと言われるフランスには、法的に婚姻関係にないカップルも法律上の夫婦と同様に支援する制度があります。もちろんこれについては賛否両論あります。それも踏まえて、若い世代の多様な価値観にどう応えていくか、子育て世帯の在り方に対する常識にとらわれず、社会構造の変革を視野に入れて、幅広く議論していくことが必要と考えます。

最後に、社会保障についてですが、医療・介護、障害福祉に関して、機関、施設ごとの役割分担や、給付と負担のバランスの適正化、DX等による効率化といった資料にお示しいただいている改革の方向性に賛同いたします。これまで長年議論を重ねてきて、それでも実現していない論点だけに難易度は高いと思いますが、しっかりと実行していただきたいと思います。

その上で1点申し上げます。社会保障改革については、長期的に持続可能な制度のトータルビジョンを定める。そして、その財源について、税も含めて歳入面を見直す。そして、給付と負担に関して国民のコンセンサスを得るという三つのステップで進められるものです。例えば福祉国家といわれるスウェーデンでは、長期ビジョンを共有した上で、受益と負担の対応関係を明示することで、国民の納得感を醸成しながら負担を増加させてきた経緯があります。その際は、労働組合あるいは経営者団体、政府間のコミュニケーションが密に行われ、また、党派をまたいで、社会保障に関する大枠のビジョンが共有されていることで改革が進みやすくなったと指摘されています。

我が国においては、昨年末、全世代型社会保障構築会議が報告書を取りまとめ、トータルビジョンが示されました。しかし、税を含めた歳入面の見直しや国民のコンセンサスはこれからです。民間の有識者にとどまらず、与党内の各会派、野党の意見も取り入れながら、国民のコンセンサスを得ることを視野に入れて成案を得ることが、迂遠に見えるかもしれませんが、最短距離ではないかと考えます。

私からは以上です。

増田分科会長代理それでは、末澤委員、お願いいたします。

末澤委員よろしくお願いします。ありがとうございました。私からは2点申し上げたいと思います。

まず新型コロナウイルス感染症に関してですが、御案内のとおり5月5日、WHOは、COVID-19に対する国際的な公衆衛生上の緊急事態、いわゆるPHEIC宣言を、これは2020年1月30日に発出していますが、3年少しぶりに解除、終了を宣言しています。ただそのときに、マイク・ライアンという緊急事態対応のドクターが言っていますが、実は、パンデミック――ちなみにパンデミックは、今回は非公式のものです。今WHOでパンデミックは基本的には新型インフルエンザしかないので、非公式な宣言として出されていますが、ただ、このライアン氏は、ほとんどの場合、パンデミックが本当の終わりを告げるのは、次のパンデミックが始まったときであると、こうしたふうに言っておりまして、先ほどのPHEIC宣言も2009年以降で7回発出されています。つまり2年に一度の割合で出ているわけなので、これでいくと来年ぐらいに、また新たなものが出てくる可能性が。

そうした中で私が気になったのが、38ページです。今回公立病院の経営が急激に改善しているということですが、パンデミックの中でこんなに大赤字が大黒字になるというのはおかしいと。これが仮に幽霊病床等の存在が背景にあるとすれば、これは大問題であって、今後2年後、5年後、10年後の次の危機に対する備えとしては極めて問題があると、やはりもう一度、こうした体制は検証し直すことが必要だろうと思います。

2点目は、人口動態の変化の観点から、今回こうした少子化対策とかを議論するということになって、その点で申し上げたいのですが、まず28ページです。28ページの左下に書いていますが、経済財政諮問会議で出た、企業を含め社会・経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で、広く負担していく新たな枠組みをつくると、この方向は賛成なのですが、これは相当早くやらないと難しくなる。なぜかというと、この三つの枠組み、事業主、子育て世帯、その他の世帯で見ると、今後どんどん真ん中のウエートが減っていくのです、人口動態的に。つまり、遅くなれば遅くなるほど、シルバー民主主義等の影響で、負担に対する忌避感が出てくると。ですから、これはやはり相当早く、少なくとも枠組みをつくらないと駄目であるということです。

また、今日あまり出ませんでしたが、障害福祉サービス等の問題で、110ページです。これで、要は10年で2倍になっているという話がありまして、私は、これはある意味当然であると思うのです。なぜかというと、少子高齢化が進んでいると、一方で女性のM字カーブが少し復元しているように、これはつまり日本では共働きが増えてきて、一方で核家族化が進んでいます。2020年に国勢調査が出まして、そこで日本の世帯数は、平均世帯人員が2.21と、世帯数は過去最高です。人口のピークは2008年から2010年ですが、世帯数はずっと今増えていまして、前回の国立社会保障・人口問題研究所の推定によると、今年にピークになると。実は本当は新しい推計が今年出るはずだったのですが、人口動態、将来人口推計自身1年遅れたので、おそらく来年の春になると思うのですが、つまり、まだまだ世帯数が増える可能性があるのです。世帯数が増えるということは、平均世帯人員がどんどん減っていくと。

この2.21という2020年が世界的に多いのか少ないのかというと、実はヨーロッパと比べると、むしろ少し多いのです。何が言いたいかというと、これは今後もっと減る可能性があると、つまり核家族化が進んで、しかも日本は、いわゆる老年化指数、65歳以上人口を14歳以下人口で割った、この比率が世界で唯一200%、実は2022年で見ると250%ですが、200%超えている国は日本しかないのです。ということは、これはどんどん介護であるとか障害福祉のニーズはアウトソースするしか、つまり家庭内介護、家庭内保護というのはもう無理なので、生活保護も含めてですが、どんどんこれはもう、要は順回転というか、スパイラル的にどんどんそのニーズが増えてくると。

ですから、相当勢いをつけてスピードアップしていかないと、おそらくそのうち手が回らなくなるのではないかというふうに考えています。

以上でございます。

増田分科会長代理それでは、大槻委員、お願いします。

大槻委員ありがとうございます。非常に多岐にわたる論点を分かりやすく御説明いただきまして、ありがとうございました。

三つほどですが、一つ目が医療についてです。様々な問題を御提起いただきましたが、とにかくもう抜本的にパラダイムシフトしないと、これはどうにもならないなということは皆様の共有する認識なのではないかと思うのですが、具体的には、地域医療構想、タスクシェア、タスクシフト、今日これは出てきていないですが、それから先ほども横田さんから御指摘あったリフィル、私も拒否されたことがありますが、それからDX、これらはやはり、私もやらせていただいている規制改革、それから制度改革、そうしたことと一緒にやっていかないと、これはお金のつけ方の問題とか、それを改革するというだけではおそらくもう間に合わないということで、そこは両輪でしっかりやっていっていただきたいというのが1点目です。

それから、こども・子育てについてです。これはPDCAまたはEBPMという観点からお話ししたいのですが、予算の重要性ということでありつつも、やはり数字が先にありきでは、これは後に禍根を残すということになるかと思いますが、その中で、やはりこども・子育て、教育、これはどういったものが効果があるのかエビデンスが出るまでに時間がかかるという、それが難点かと思います。ですから、今から研究者の方々と、既に連携されていらっしゃると思いますが、早期に、できる限りのデータを惜しみなく出すことによって、その効果検証を早くから進めていただきたいというのが2点目です。

そして3点目は、全世代型、特に高齢者の暮らしの問題ということでお話ししたいと思います。今回、医療介護等が高齢者の問題として挙げていただいているのですが、省庁横断的にということの観点から申しますと、高齢者の暮らしというのは、これから様々ほかの問題も出てくるところであると思っています。具体的には、もう住むところすら、賃貸物件も借りられないし、それからサ高住等の高齢者向けの住宅というのは極めて小さい。そして、今日挙げていただいている施設、それから介護者の問題もあるということに加えて、例えば地方で暮らす方々の足の問題、交通網の問題等々、非常に多くの問題が出てきていると思います。これを先ほどもお話しいただいた、将来を見据えた形での政策決定、政策を考えるときには、全生活、生活全体の改革、保障ということを念頭に考えていっていただきたいと思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、田中委員、お願いします。

田中委員御説明ありがとうございます。私も3点、意見をさせていただきます。

一つ目は少子化対策について、まず若い世代の所得を増やすことというのが、前回議論もありましたように、奨学金とか就職とか雇用とか所得の充実とか、これは非常に重要なところであると思いますが、今回提示のありました手当というのは、あれば助かりますが、可能ならば第2子、第3子を持ちたいというふうな気持ちが高まるかというと、やはりそこにつながるようなモチベーションというのがなかなか持てない面もあるというのが現実かというふうに思っています。

その中で、皆様御指摘のように、全世代型で、全世代で役割を担うということで、資産課税も一つの方法と思いますが、それを、例えば社会全体で子育てをしていくのであるというふうな認識と、あと子育てを終えた人たちが知見を生かしていくための投資であると考えてもらうような、そうした世論形成というのが非常に重要ではないかというふうに思っています。

このたび「異次元の」という対策が始まるわけですから、ただいまから、やはり子育ては、こどもが生まれて社会人になるまでにはおおむね20年かかりますので、今から全ての、今生きる何歳であっても、その人たちにとっての20年のスタートラインというふうな感じを意識して、若い世代が子を持つことの不安や負担感を払拭するためのプログラムが走りますというふうなことの20年のスケジュールを共有することが有効かなと思います。産業界もいろいろな支援をされていますし、自社でも貢献とか対応されているわけですが、ここに国の政策と予算と、あと企業、産業界とのつながりというのがいろいろ考えていけると思いますので、ここのインセンティブの連携ということを考えていく設計ができれば良いのではないかというふうに思います。

2点目は、44ページぐらいですか、医療経営の見える化というのはやはり大きな問題であると思いますし、コロナ禍で病院の方にたくさん助けてもらって、本当に感謝の気持ちを持っている人がたくさんいますが、同時に経営がこうしたふうな状況になっているというのは、国民の多くは知らないところであると思います。今後、診療報酬の実績ベースの適用というのは重要な観点と思いますし、また、今緑の字になっている職種別の給与というあたりは、もう経営の中の一番重要なデータになるところですので、経営の要素となる人件費ですとか職種別の給与が共有されて分析ができないというのは、非常に戦略性に欠けるところになりますし、別のところでも出た地域医療構想の運用も、やはり人的なネットワークですとか、医療法人、医療に関わる方々の連携がポイントであるということも提示されていましたので、この点を明確にして経営改革に取り組むことが有効であるということを実証、いい事例も示していただきましたので、そこから導き出すことができればというふうに思います。

もう1点は、リフィル処方箋、大槻さんも横田さんもお話しされていて、少し拒否があるのだと、厳しいかなと思いましたが、これはいろいろな消費者のリサーチデータとかを私も見てみると、大変、通院にかかる時間的な負担、待ち時間とか移動とかも減らせますし、薬が欲しいだけという忙しい働く人たちへの対応にもなるので、とても良い制度で、これがもっと普及すればなと思ったのですが、患者、消費者の認知度がとても低いという状況があって、医師と医療機関と薬局側は認知があるものの、全く知られていないというふうに言っても過言でないほど認知が低いので、これをやはり認知向上が生み出す効果というのを試算して、目標設定をして取り組めると良いかなと思います。

以上、よろしくお願いいたします。

増田分科会長代理それでは、土居委員、お願いします。

土居委員今日取り上げていただいた論点というのは、骨太の方針の策定に向けて非常に重要なポイントで、それぞれをより良く骨太の方針に反映していただけるように、その前に我々の建議があって、それにうまく取りまとめられるようにと思います。

私からは、児童手当と医療と介護、3点申し上げたいと思います。

まず児童手当ですが、いろいろな考え方があるということは承知しておりますが、当分科会ではこども・子育て分野の予算というのは重要であるということを常々建議で申し上げてきたところですが、令和2年11月の令和3年度予算の編成等に関する建議では、所得制限を超える者への特例給付については廃止するべきであるというふうに明言しております。これをやはり軽々しく踏みにじるわけにはいかないと思います。もちろん当時の委員の全員一致でこの建議が決められたわけではないとはいえ、御了承いただいたということではあるはずなので、そうした意味では、財審の建議が付和雷同であるというふうに言われないような形で今回の建議を取りまとめていただく必要はあるのだろうと思います。それが児童手当に関するところです。

それから、もう1点は医療についてですが、先ほど来リフィル処方箋が大変話題になっていて、私も同感でありまして、横田委員がおっしゃったように、もし令和4年度診療報酬本体の改定率がプラス0.43%で、そのうちのマイナス0.1%がリフィル処方箋の普及によって、その分改定率を下げられるということで取りまとめられたにもかかわらず、たかだか0.01%のマイナスにとどまっているということであれば、令和6年度診療報酬改定では、その分の未達の分はやはり診療報酬を上げるべきでないという形で、しっかり実績を次の診療報酬改定に反映させるような形にするべきであるというふうに思います。

それから、最後に介護ですが、99ページに社会保障審議会の介護保険部会の意見書が出ています。私も社会保障審議会介護保険部会の委員は2007年から2018年まで、4期の改定にまつわるところで議論に関わらせていただきました。2018年には退任しているのですが、そのときの意見書というのは、こんな腑抜けな意見書だったかなというふうに思うわけです。あまりにも問題を先送りにし過ぎていると言わざるを得ないと。もちろんこれらの99ページにある内容というのは、その当時も問題だったが、しっかり改革せよと応援をしていたが、いろいろな事情で実現しなかった。ところが今回の2022年12月のこの意見書は、もう明らかに先送りするというようなことを明言している部分が多々あって、せめてこの青字や赤字になっているところの、結論を得ると言っているところは、今年きちんと改革する方向で意見をまとめていただきたいというふうに思います。

特に2割負担者の拡大というのは、それは高齢者のためにもなると。確かに利用者の負担というのはあるが、高額介護サービス費という負担の上限めいたものがあるわけなので、決して1割負担の人が2割負担になったからといって、直ちに2倍に利用者負担がなるというわけではなくて、負担の頭打ちがあるので、そこの部分以上には増えないということがありますし、利用者負担をしていただいた分は、保険料含めて、ほかの健常者の方々の負担が軽くなるということに、恩恵が及ぶということになりますから、元気なときにはそんなにたくさん保険料を負担しなくてよいということが、そこには含意としてはあるということですので、一つ上の1号保険料負担も、多段階にするということは良いと思いますが、少なくとも平均的に保険料負担が増えないようにするには、やはり利用者負担の2割というのを拡大することが欠かせないと思いますし、ほかのページでも御指摘あったように、介護事業者に対する大規模化の働きかけというのは介護報酬にも織り込みながら、価格面、制度面で大規模化を進めていくような取組というのは、私は欠かせないというふうに思います。

私からは以上です。

増田分科会長代理それでは、ここでオンラインのほうに行きます。次の3名の方、御発言お願いします。角委員、伊達委員、堀委員と、この3名です。

それでは、角委員から、どうぞお願いします。

角委員ただいまの土居先生のお話で思い出したのですが、大分以前ですが、生活保護、当時4兆円ぐらいかかっていたと思いますが、その約半分は医療費でありまして、30代の生活保護受けている人と受けていない人の、いわゆる受診機会が明らかに違うということで、やはり負担がゼロということは、不必要な診察ですとか、あるいは薬ですとかということにつながっていって、それがある場合はネットで売られたりもしているというふうなこともありましたので、私の当時の意見としては、生活扶助費を例えば1,000億上げて、その代わり、その1,000億に見合う受益者負担という意味からも、たとえ5%でもいいから自己負担を導入すべきではないかと、かつその上限を低くすれば、そんなに大した実害はないのではないかということを申し上げたのを思い出しました。

2点目は、80ページの全国医療情報プラットフォームですが、これは2015年でしたか、次世代医療基盤法が改正されまして、いわゆる医療情報をビッグデータとして、匿名化をした上で、医療の発展とか創薬、新薬の開発とか、そうしたことに役立てていこうという話でスタートしたのですが、残念ながら、京大が中心になってやった西のほうのところも100病院強で止まってしまいました。AMEDの予算がつかないので止まってしまっています。

その話と、全国医療情報プラットフォームのこれができるということは、ようやく遅れている日本も、このコロナでいかにDXが遅れているためのロス、無駄が多かったかということは全国民、もう嫌というほど知らされたわけです。例えば阪急交通社が旅行のコールセンターを活用し、かかった方のケアをするということで、かなりのお金を頂いたわけです。今回はある意味で初めての経験だから仕方がないが、次のパンデミックが起きたときは、こうした無駄な税金の使い方を是非やめるようにしていただきたいなというのがあります。要するに、この全国医療情報プラットフォームと、京大がやった匿名化とか認定機関とか、こことの連携というとおかしいですが、もし事情が許すならば、新たにできるところの予算の一部を次世代医療基盤法のほうに回していただくと、更にもっと良くなるのではないかという気がしております。

最後ですが、先ほど國部委員からフランスの件が出ましたが、これも常に私も申し上げていますが、やはり3歳以上は、保育所ではなくて、幼稚園、保育学校にすべきではないかと、そして統一した幼児教育をしていただくと。ゼロ歳から3歳までは保育園として厚労省がやるのがいいのかよく分かりませんが、少なくとも今三つに分かれているのは集約すべきではないかなというふうに思います。

以上です。ありがとうございました。

増田分科会長代理それでは、伊達委員、どうぞお願いします。

伊達委員ありがとうございます。少子化関係のところについてですが、3ページで見るように、出生数の減少というのは大変危機的な状況で、全世代型として子育て支援にシフトすることは重要です。しかしながら、例えば所得制限の撤廃というのが議論されていますが、私はこちらは不要であると思っています。現在の1,200万という上限は少し低いかもしれませんが、上限額を上げることによって、対象にすべき人とそうではない人と分けても良いのではないかと思います。その理由は、経済的支援が目的であるということを考えますと、経済的に安定している家庭においてこども向けの手当というのは不要ではないかと考えております。また、給付金が増えても少子化の歯止めがかかっていないという意見が他の委員の先生方からも出ておりましたが、私も同様に思っておりまして、手当をばらまくのではなくて、仕組みというものを考えるべきではないかと思います。そのために、少子化してしまう原因、課題というものをもっと深掘りして、経済的支援では終わらないような考え方で異次元の提案というのをしていただきたいと思います。

特に22ページですが、多子世帯が減っているということの課題よりも、私はこの2021年、一人っ子世帯が増えていることに注目しています。先ほど横田委員がおっしゃったかと思いますが、一人から二人に移行しないということは、経済的なものよりも、ワンオペ、いわゆる母親だけに仕事が偏ってしまっていることによって、続けることが難しい、これ以上は難しいという意識が強くなってしまっている原因であると思います。こうしたものが2002年よりも2021年に移行していく中で、女性自身の社会進出をより支援していこうと、社会的に受け止めていこうということも要因としてあるとも思いますし、また、それにもかかわらずワンオペのまま、子育てや家事というものが遂行されている現状が変わらないということを意味しているのではないかと思います。

そうした意味で男性の育児、家事の参加というものを積極的に促すために、どのように社会の価値観を変えていくのか、例えば学校教育の中でもそうした指導を、家庭及びこどもの教育の中でもしていくということが必要ではないかと。いわゆるアンコンシャスバイアスというものをどうやって社会的に排除していくのかなど深掘りして、真剣に受け止めて、何らか制度化というか、方法論を考えていくべきではないかと思います。

また、子育てにおいては、いわゆる仕事の量だけではなくて、責任というものが女性に偏っている傾向がありますので、そうしたものも社会の価値観として変えていく必要があるのではないかと思います。また、託児所が不足しているというのは数年前から言われてきておりますが、こちらは大分充足していく中で、次に問題なのが小学校以降に上がった後の放課後の対応に課題が出ています。教員の不足により部活指導がなくなるというような動きもありますし、両親ともに働いている中で小学生がどのように生活していくのか、社会的なインフラとして対応していくという、そうした仕組みづくりも必要であると思っています。

最後に、手当を配付するに当たって、最近の事情は分かりませんが、かつてのを見ていますと、郵便物が毎回来て、そこから手続をしてということをやっており、全くDX化されていないという印象を持っていました。わざわざ自治体から郵便物を配付するという手続、無駄なコスト等々を考えますと、マイナンバーカードを活用することも含めて、DX化をすすめ、合理化を図っていくということも加えて必要ではないかと思っております。

以上です。

増田分科会長代理それでは次に、堀委員、どうぞお願いします。

堀委員ありがとうございます。財政総論の補足についてと医療についてお話をさせていただきたいと思います。

まず補足について、コロナ対策からの正常化とPDCAサイクルの確立、そしてフューチャーデザイン、未来世代の視点を重視というところですが、国民目線でも非常に分かりやすいメッセージで、良いと思いました。

コロナ対策の正常化に関する取組については、各論のほうでも後で述べますが、新型コロナが感染法で5類になりましたので、病床確保料、雇用調整助成金は速やかに見直しをしたほうがよいと思いますし、個別事業だけではなくて、全体的に見たときの、膨大な公費が本当に有効であったかどうか、かなり疑問がありますが、PDCAサイクルで見たときにどうだったかということを国民にも丁寧に伝えていく必要があるのではないかと思います。

また、フューチャーデザインの研修について取り上げていただいていますが、とてもすばらしい取組であると思います。公務員の人事研修でも使えるのではないかと思いますし、また、参考資料で挙げられているような事業等での活用もあると思います。ただ、認知症サポーター講座について、私、発言させていただいた記憶があるのですが、こちらの講座であると参加した人自身にもメリットといいますか、インセンティブがありますので、参加した人自身に具体的なインセンティブが何なのかというのを示せるといいのではないかと思いました。

各論の医療についてです。11ページの「社会保障の『2025年モデル』は実現したか?」という、スライドに強い問題意識が示されていると思うのですが、コロナ危機によって医療改革が全体的に遅れましたので、まさに2025年はあと2年以内なので、平常時というふうに意識を切り替えて、急ピッチで進める必要があると思います。特に全世代型社会保障に向かっているという方向性そのものは良いのですが、実際は必ずしも全世代型になっていない、年齢に寄与する負担がかなり残っていると思います。医療費の窓口負担もそうですし、高額療養費等に関しても、介護と医療の合算制度もそうですが、年齢だけで説明できないような負担設定の在り方については内容を見直す必要があるのではないかと思います。

それから財源については、基本的には、私個人としては消費税も含めて、新たな安定的な財源確保の道を探ることも忘れてはいけないと思います。ただ、現状でできるところ、46ページにもありますが、被用者保険の保険料負担を含め、事業主や企業の負担も含めて検討が必要であると思いますし、現役世代との負担の公平性、現役世代の負担軽減というところから、基本的には後期高齢者医療制度の2割負担についても、一定所得という切り分けがあることが逆に制度を複雑にしておりますので、前期高齢者と同じ形でいくのもいいのではないかと思います。

42ページ、経営情報の見える化についてですが、これは社会福祉法人でも進められていますが、収入の多くが診療報酬、つまり社会保険料や公費が原資ですので、見える化は当然必要であると思います。ほかの委員の方からもお話があった、デジタル化すればよいかというと、入力する側の負担もありますし、入力サポートや、入力した側にとっても活用のメリットを感じられるような、本当の意味でのDXに進めていく必要があると思います。要は、見える化させるということ、こちらのニーズとしては必要なのですが、見える化させることでデータを入れる側にとってもプラスになるようなものがあると、速く進むのではないかと思います。

49ページ、これは先ほど述べましたが、政府や都道府県の要請で、病床確保料というインセンティブありましたが、先ほど幽霊病床というコメントもありましたが、当初は想定が難しかったと思うので、一定の意義はあったと思うのですが、トータルで見た、事後的に見たときのPDCAで見ると、賢く使われたかはかなり疑問があります。

有効支出が困難であった背景は、日本の医療提供体制の構造的な課題があったと思うので、なかなか難しいと思うのですが、未来の非常時に備えるためにも、医療提供体制の構造課題を解決することは非常に、これまでも財審でも述べてきましたが、重要であると思います。人口減少社会がもう本当に進んでいますので、医療提供体制そのものを効率的、効果的にするためにも、地域医療構想の推進や、かかりつけ医機能の実装、地域包括ケアの推進はとても重要で、医療資源の散在の背景には、基本的に民間の中小規模の病院が多いということがあると思うのですが、点ではなくて、面で地域の実情に応じて連携できるという意味では、地域医療連携推進法人はとて良い、ここで挙げられていた例もいい例であると思いますが、場合によっては、地域や地区の医師会のようなところも中心になって主体的に連携を進める、地域として責任を持たせて進めるということもあるのではないかと思います。

地域医療構想について、コロナ以前に公立病院、公的病院の公表を行ったことで、かなりバッシングがされたこともあったと思うのですが、なぜ必要だったかということも含めて丁寧な説明をすると同時に、公立・公的だけでなく、民間病院も含めて進めていく必要があると思いますので、本当に平時に戻ったという意識が重要であると思います。

それから、急性期病院の機能評価の7対1、10対1についても、平成18年以降進められたものですが、その政策、当初の意義というのはもう失われているというか、中身を見直して、単純に全国一律の人員配置のような基準ではなくて、急性期で求められる実績あるいはアウトカムに応じた反映に転換していくという視点が重要であると思います。

それから医薬品について、産業構造を起因とする課題と薬価制度を起因とする課題がありますが、68ページにありますように、グローバル市場では、社会保障の範疇外の議論が必要で、グローバルで稼げるように産業競争力を持たせていく、そのために産業構造の転換にお金を使うということは非常に投資として重要であると思います。ただ、そうなるためには、ここにも記載あります企業の規模の問題であるとか、様々な課題がありますので、流通構造の近代化であるとか、販売データの見える化なども含めて、総合的に医薬品産業全体の近代化を進めていく――近代化といいますか、すみません、現代環境に応じた構造転換を進めていく必要があると思います。

それから、薬価制度につきましては、新しいモダリティーに対応できているのかというところもありますし、同じ医薬品といってもタイプによって課題も多数まだあるとは思うのですが、これからの国内市場を考えると、社会保障との持続可能性両立という視点も重要であると思いますので、保険償還の在り方や自己負担、保険給付範囲の在り方も含めて更なる検討が必要であると思います。

リフィル処方については、多くの委員の先生方がおっしゃっていたので、繰り返すところはないのですが、1点だけ、やはり医療機関側にとっても、おそらくこれは収入減というところもあると思いますが、健康被害が起きたらどうしようという不安などもあると思うのです。なので、それを払拭させると、先ほどの横田委員が言ったようなことが起きなくなると思うので、そのためには広報周知を進めると同時に、調剤薬局での働きかけもあると思いますが、診療報酬そのもののDXを進めると、見える化が、お互いにとってメリットが見えてくるのではないかと思います。

少し長くなってしまってすみません。それから、57ページ、58ページの病床機能の分化・連携、地域包括ケアの構築は進めるべきであると思うのですが、ここでも述べられているように、進捗状況、なかなかうまくいっていません。これはおそらく地域によってボトルネックがあるのだと思うのですが、60ページに現在の知事の権限が記載されているのですが、医療計画の責任主体である都道府県知事に、主体的にもっとリーダーシップを発揮していただいて、全国一律でなく、都道府県独自でもできるところは、地域医療構想を進めるためにできるところは進めてもらえるような環境整備が必要ではないかと思います。

それから75ページ、医師の偏在について、これまでも非常に指摘されてきていますが、地域医療構想や医療計画は規制がかなりあるのですが、開業医についての規制がなかなかありませんでした。保健医療2035の資料もここに記載されていますが、人口減少が加速していくと、将来的には、このままであると医師の偏在が更にひどくなりますので、日本の国民皆保険の維持も難しくなってきます。偏在の状況によっては、保険医の配置、定数、自由開業医等の見直しも必要になってくるのではないかと思いますし、また、、全国的に開業医は高齢化しているのですが、東京で若手の開業医が増えてきているとも言われています。ただし、若手の医師の方たちは、地域で必要とされている診療分野と関係なく、自由診療で開業する方も増えているというふうに、東京都の医療関係者の中でも指摘されていることがあります。繰り返しますが、都心、地方の医師の偏在、診療科の偏在が深刻になりますと、地域医療連携、機能分化はもとより、日本全体の国民皆保険の維持も難しくなってきますので、将来的な検討ということで、2015年にこの問題は提起されていますが、もう既に2022年ですので、更なる検討が必要であると思います。

最後に、医療DX、介護DXについて。医療DXで、マイナンバーカード取得率が7割を超えたということなので、これから加速することを期待しています。医療費適正化という意味で、重複投薬や重複検査の効率化ができるようにすべきであると思うのですが、薬局で偽造処方箋が一部出回っているという話もあるということを聞いたことがあるのですが、DXを進めることによって、そうした不正も含めて確認ができると思いますし、医薬分業を推進する上でも、調剤薬局の人たちの業務が対人業務に本当にシフトできているのかというところもありますが、DXが進むことによって、質の確保など人間が本当にしなければいけないところと、機械的にできるところを分けていくことができるのではないかと思います。

介護についても同じように、ICTの活用が非常に重要で、そのためにも経営規模の大規模化が重要かと。また、従事者の処遇改善も重要ですが、業務の見直し、働き方改革を進めるにも経営主体としてのガバナンスは重要になると思います。トータルで見たときに、医療と介護は負担に関して、例えば高額医療・高額介護合算療養費制度のようなものがありますので、制度そのものもトータルで見たときの整合性が必要なのではないかと思います。

すみません、長くなりました。ありがとうございます。

増田分科会長代理それでは、あと会場のほうで4名の方が残っていらっしゃいますので、意見はこの4名の方までとさせていただきます。

それでは、中空委員、どうぞお願いします。

中空委員ありがとうございます。こども、防衛、GXと、今年はお金を使うことが大変多くなっています。どんなに必要なものであっても予算には財源が必要であるということは、もう当たり前のことです。とりわけ恒久的な支出であればあるほど、恒久的な財源が必要になってくるというふうに思います。同時に、お金は限られているため、メリハリをつけて必要な人にきちんとお金が行くのかということを手当てする、それを念頭に置いて様々な各論を考えていく必要があると思います。

今般取り上げていただいた各論はいずれも大事な話ですが、社会保障の中の宿題でありました地域医療構想、介護の2割負担、薬の自己負担増については、先ほど土居先生も腑抜けであると総括しておられましたが、やはり早急に進めていただく必要があると思います。コロナが終わりかけているわけですが、コロナが終わりかけの今こそ、どういう問題があったのかということについては、きちんと検証しなければいけない。医療機関の役割分担ができていなかったことを反省し、そうでなくても、我々財審でも、なんちゃって急性期病床の話をずっと問題として指摘してきたわけですから、にもかかわらずこの問題が残っていたということを考えると、かかりつけ医の話が多少なりとも進み始めているのはいいとしてもまだ不十分であるし、病院の役割をきちんと法整備まで持っていく必要があると思っています。

それから、先ほど小林委員がおっしゃっておりましたが、医療統計の整備も必要であるということです。日本は、別に医療に限った話ではないのですが、本当にびっくりするぐらいデータの後進国だと思うことが多いです。医療統計についてもきちんと、この際整えていく必要があるのではないかと思います。それなくしてPDCAやEBPMという話でもないよな、というふうに思っています。

それからもう1点だけ、薬の自己負担についてです。薄く広く負担増とすることが必要であるということなので、それは実現していただきたいと思います。日本人はとかく薬を飲みがちで、飲み過ぎ問題というのがよく指摘されていますが、これを解決するには価格をどうするかという観点が必要であると思っています。それから、こうした薬価の話を財政面のときに取り上げると、どうしても薬価を引き下げましょうという話が出てくるのですが、同時に、日本の医療メーカーの競争力をどうするかということも考えなければいけないと思います。ワクチンの開発の際にも、日本のメーカー、たくさんあるにもかかわらず出てこられなかった。これは言いかえれば、日本の医療メーカーの競争力が削がれているのではないかということを考えなければいけないのではないかと思っています。ということで、薄く広く負担増とすることで、そうした支援もできていくのではないかということを踏まえ、早急に取りかかられることを期待したいと思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、宮島委員、お願いします。

宮島委員ありがとうございます。まず医療についてです。コロナがあって、献身的に頑張ってくださった医療関係者には感謝をしつつなのですが、医療体制が国によって大分いろいろ違うのだなということを、一般の人も改めて気づく機会になりました。それで、一定の公的な立場であると思っていた医療関係者が、例えばワクチン接種を進めるために、本当に驚くほどのインセンティブが必要だったということに大変驚きました。日本病院の多くは民間であって、どういう医療をするかの自由があるために、国民が期待するほどには動いてくれない医療者がたくさんいたなと思っております。医師の報酬はもともと税金と保険料ですし、実際ほかの民間業務ではあまりない、かなり技術が下手でも同じお金をもらえるとか、そうしたところもありますし、医療機関や医師は、やはり国の政策には協力する、その自由度はもう少し狭めた形で、公的であって、そして立派な職業という形の業にするべきではないのかと思います。

日本は地域医療構想でも、地域の話合いに任せたところ、結局役割分担は進んでいません。そして、地域ごとの医療機関ですとか医師の偏りも解消してこなかったと。資料でもフランスやドイツに医師の開業は地域ごとに定員があるというのがありますが、法律でもっと病院の義務づけを増やしたり、あるいは開業を含めて、もっと強力に配置を調整できるようにしないと、今後更に厳しい状況の医療資源が効率的には配分されないと思います。これはタスクシフトもそうで、医療の中の役割分担を変えていく必要があると思うのですが、各国を見ていて、ワクチン接種、いろいろ人ができるのではないかと一般の人も思ったのではないかと思います。つまり、こんなにお金をかけずにということです。

かねてより私は、優秀な高校生が将来安心に見える医師志望にどんどん偏っていって、それが止まらなくて、先進技術やAIや宇宙や、ほかの産業にも行くべき様々な能力、人材を奪っているのではないかというふうに指摘してきました。若年人口がこれだけ減る中で、医療体制が合理的で適切な形に強制力も持ってできないと、日本全体の人材資源の配分にも大きな悪い影響が出るのではないかと心配しています。医療に関しては、合併や提携で効率にしながら、本当に地域に必要な医療機関や体制というのを選別していくべきですし、診療報酬に賃金物価の上乗せをしてほしいというような議論があるようですが、まずは今ある経営のための、その維持ありきのための配分は必要がないと思っております。コロナの後、資産として残ったお金も活用してほしいと思っております。

次に、児童手当についてです。私はかねてより、財政効率におけることは理解しつつも、所得制限をかけたときに、子育てをみんなで支えるというメッセージとしてマイナスになるのではないかという心配をして、そうした発言もしてきました。それで、1回つけた児童手当は扶養控除を取ってつけたので、年収制限の結果誰にでもあるはずの基礎的な控除や手当的なものが一部のこどもだけに何もないという、少し全体としておかしなことになっているところに問題意識があります。もちろん政治の変動があったとはいえ、こどもを持つかどうかというのは気持ちの問題も結構大きいので、1回つけたものを剝ぐというのは、メッセージとしては、つけなかったときよりもマイナスだったのではないかなというふうに個人的には思っております。

なので、もし今回児童手当を拡充するときは、多子加算なども拡大ですが、今のムード、勢いに乗っていっぱいつけて、そして後になって、やはり別の政策にするから少し減らしますとか、やめましたということにはならないように、とにかく財源とか効果を十分に吟味した上で、子育ての安心感と、お金を出す側も納得感のある形にして、しっかり考えていただきたいと思います。

さらに、これまでの委員もおっしゃいましたが、少子化対策は若い人への気持ちの上での働きかけというのがとても重要であると思っております。お金をかけずにできること、例えば離婚家庭への養育料の強制徴収を進めたり、あるいは婚外子や選択的夫婦別姓の許容ですとか、結婚や出産に少しでも今マイナスに働いているものを、お金のかからないものを動かすものも必要なのではないかと、そしてそれは若い人や当事者の気持ちに沿ってルールを変えるべきではないかと思います。そうすれば若い人たちにも、今の急速に盛り上がったこのムードに対して、いや、政府や高齢者が自分たちの都合で言っているのではないかと、自分の都合でがんがん産んでほしいと言っているのではないかと、そうしたふうに受け取られないようにできるのではないかと思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、平野委員、どうぞお願いします。

平野委員ありがとうございます。子育てについては前回お話をしましたので、簡単に申し上げます。

宮島さんも言われたとおり、社会の意識や仕組みを変える、あるいは企業が取り組むべきことがあるように、お金をかけずに取り組めることは多いと思います。常々申し上げておりますが、企業が取り組むべきことは、第一に賃上げ、第二に男女の所得格差、正規・非正規の格差をなくすこと、第三に職場での働き方改革や、男性の社員が家事や育児に取り組むための社内の制度をつくることだと思います。これに取り組むことで随分変わると思います。

先ほどから少し議論が分かれている児童手当に関しては、確かにNice to haveではあると思いますが、少なくとも少子化対策としてはmust haveではないということは、おそらくエビデンスでも立証されていると思いますので、これを一般に増額する必要はないと思います。一方で、例えば、日本の一定の低所得者に対する負担の軽減や給付の状況をOECD平均と比べると、日本では一定の低所得者層の負担率が高いというデータがあります。したがって、これらの一定の低所得者層に加えて、多子世帯という政策的な効果が大きい二つのセグメントに絞って児童手当を考えるべきだと思います。

また、今日は話題になっていませんが、高校生まで児童手当を延長した場合、4,000億円程度が必要になると思われます。既に就学支援金という制度がある中で、更に4,000億をつけることに本当に意味があるのかは考えなければいけません。これについては、やや迂遠に聞こえるかもしれませんが、本質的には日本の教育制度の在り方を変えるべきだと思います。高校生にお金がかかるのは塾代だということは、街頭インタビューで、お稽古代や塾代を出してほしいという声が聞こえることからもうかがえます。特に公教育について、日本の教育制度の在り方を変えることで、塾に行かなければ勉強ができないという体制を解消する必要があると思います。

以降は、医療と介護について申し上げます。

医療に関しては、堀さんをはじめ、先ほどから何人かの方が言及されておりますが、今回のコロナ禍で、世界に冠たると言われてきた日本の医療体制の脆弱性がこれだけあらわになったわけですから、今回を機に、医療体制の再構築に向けて、正面から取り組むべきだと思います。目指すべきは、無駄なく効率的、かつ危機時にも強靱で持続可能な医療体制であると思います。急性期を中心とする大病院とかかりつけ医を組み合わせた最適な医療提供体制をしっかりデザインした上で、再編に向けて国と自治体がいかにイニシアティブを発揮できるかがポイントであるというのは、堀さんや宮島さんもおっしゃったとおりです。

一つ目、地域医療構想については、進捗は捗々しくなく、都道府県の自律的なガバナンスに任せて解決できる問題ではないということが、今回の資料からもはっきり示されています。一方で、常々申し上げているように、この分野には多額の国費が投入されているにもかかわらず、国や地方自治体が十分な権限を持っていない、宮島さんの言葉を借りれば強制力がないという状態は、納税者の一人としては理解できません。これに対しては、国が政策的判断を行い、それに基づいて国や地方自治体が権限と責任を持って医療機関を動かしていくという体制をつくるべきだと思います。

二つ目、今日あまり議論されていませんが、かかりつけ医の機能に関しても、報告制度が導入されるということをもって一段落したと思ってはいけません。これを本当に普及させるためには、国民に信頼され、選ばれるものにすることが必要です。かかりつけ医機能を持つ医療者もしくは医療グループを公的に認定した上で、責任を果たした医療者に対してしかるべき報酬を設定する枠組みをつくるという追加的な措置がフェーズ2として必要になりますので、是非御検討を続けていただきたいと思います。

介護に関しては、今回、改めて危機感を持ちましたが、やはりデザインし直す必要があると思います。もちろんデジタルの活用や協働化、大規模化を通じた効率化は重要ですが、もともと労働集約的な性格が強いため、医療に比べてもはかどらない可能性はあると思われるので、生産性の向上に加え、支出の抑制も重要であると思います。ポイントは二つあると思います。

一つ目は、過剰給付の見直しです。これはタブーかもしれませんが、要介護度の認定に関しては自治体ごとのばらつきが大きく、その一因となる過大認定を是正する必要があります。また、軽度要介護者向けのサービスを介護保険から地域事業に一部移行する案が来年度からの第9期計画では見送られていますが、これも再度検討する必要があると思います。

二つ目、先ほどの子育てと同様に、全てを公の負担で賄うのではなく、民間や地域でやれることは、民間、地域が担うという発想に変えていくべきだと思います。これは、地域の再生、地方創生とも絡む問題であり、簡単ではないと思いますが、少し長い視点で、地域包括ケアシステム構想を通じて介護の受け皿として地域コミュニティの能力を引き上げていくことで、介護保険から地域、民間への移行範囲の拡大を目指すべきだと思います。

最後、医療、介護共通の課題として、給付と負担の見直しに取り組む必要があります。社会保障制度を持続可能なものにするためには、給付の効率化だけでは足りません。負担についても、特に応能負担、受益者負担をより重視した制度に改めていく必要があると思います。

一つ目、これは先ほど土居さんが指摘されたとおりですが、特に介護分野における一定以上所得の範囲の拡大の問題や、今回も先送りになった3割自己負担となる現役並み所得基準の見直しについては、腑抜けとなることがないように、早期に実現していただきたいと思います。

二つ目、医療、介護サービスの負担能力の判断の上では、現状一部が抜けている資産性の所得を含めたり、何人かの委員からも御意見あったように、所得だけではなく、資産をマイナンバーの活用を通じて把握した上で考慮するような応能負担に踏み込むべきであると思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、子田委員、お願いします。

子田委員今日も丁寧な御説明ありがとうございました。各委員の話を聞いていると課題山積で、だんだん頭が痛くなってきましたが、気を取り直してお話ししたいと思います。

ある番組で、どうして少子化問題が深刻なのかという問いに対して、国内市場が縮小して成長力が落ち、社会保障制度と財政が持続可能でなくなるからと答えている人がいるのを見て、それは違うだろうと、少子化が問題なのは、こどもが欲しいと思う人が安心してこどもを持てない、そうした社会が問題なのだろうというふうに思っております。

その社会を変えて、こどもの欲しくない人は別に、結婚したくない人もそれはそれで自由で、ただ欲しい人が持てるようにするためには、私はポイントを三つの「ふ」にまとめたのですが、ありきたりなことを言いますが、一つは経済的な負担をなくす。先ほどからお金では解決できないと言いましたが、やはりこどもがいれば食費もかかりますし、教育費もかかるし、スイミングスクールにも通わせたいというふうに、やはり先立つものは要るのではないかなというのは厳然としてあるのではないかと思います。

もう一つは、将来の不安をなくすということです。これは老いたときの年金までいかなくても、こどもを学校に通わせるときに、先生がちゃんとしているかなとか、最近また物騒になってきましたが、地域の治安は大丈夫かとか、安全保障も含めて不安をなくすということがもう一つ。

そしてもう一つが、次の「ふ」がなかなか見つからなかったのですが、ここにさりげなく置いてあったフューチャーデザインです。これは中村次長に、これに触れてくれと頼まれたから触れているわけではないのです。私、これを読んで、21ページのまとめのところに、フューチャーデザインを研究されている西條特任教授と中川教授が以下のようにお話しされていますのところで、なるほどと思ったのですが、自分のこどもや孫のためになることなら、自分が我慢してでもやってあげたいと思うことがあります。こうした気持ちが親と子の間だけでなく、現世代を将来世代との間にも成り立つとき、すなわち現世代が将来世代のためなら喜んで我慢をしたいという気持ちを持つとき、現世代は将来可能性を持つと定義したいと思いますと。

なかなかそのとおりだなと思って読んでいたのですが、要は、こどもにこの日本を受け継ぎたい、だからこどもをつくって育てたいと思うには、今この国が良い国だなと思うことが大事であると思うのです。私はある国で、日本と全く政治体制の異なる国で、その国も少子化が非常に深刻な問題になっているのですが、友達になって話をすると、いや、この国でこども残してもねというような答えが返ってきて、そうした国であるとやはりこどもを残そうという気にもならないということで、これは社会保障制度の持続可能性も含めて、やはりこの国をどんな国にしていきたいかというフューチャーデザインというのは非常に大事なのだなと思いました。それが三つ目の「ふ」です。

そしてもう一つ、最近気になっているのは財源論なのですが、これもある解説している人の話の中で、こどものための負担、財源どう確保するかというときに、1に税金、2に企業から取る保険金です。それでもう一つが国債と言っていたのです。私は、国債は財源と言わないのではないのですかと言ったら、いろんなメディアでも国債を財源というふうに書いてあるところがあって、でも私は、やはり三つ目の正しい答えというのは、ほかの優先度の低い予算を削って、そこから持ってくるというのが正しい答えではないかなというふうに思いました。

その意味で、今日、社会保障の説明ということで、こども・高齢化という、タイトルだけ時流に合わせてこどもが先に来ているのですが、中身は大体毎年同じようなことが書かれていて、ただ、これは私、前にも言いましたが、やはりこうした取組を年々やろうとすることが大事で、徐々にですが進んできていると思いましたので、聞けば聞くほど、あれもこれもいろんなことで切り詰められるところがあるのではないかと。世代間で高齢者からこどもへ予算をシフトするという考え方であると、また世代間の争いが起きてしまうので、考え方として、是非非効率から効率へという考え方、これまで有効に使われなかった予算を有効に使うという考えで、これからも予算編成に臨んでいただければと思います。

以上です。

増田分科会長代理ありがとうございました。

それでは、会場は以上です。あとオンラインで武田委員、追加の合図があったみたいです。武田委員、御発言ありますか。

武田委員はい。ありがとうございます。

増田分科会長代理それでは簡潔に、すみません、お願いします。

武田委員はい。本日は包括的な御説明をありがとうございました。意見は3点です。

1点目はこども関連についてです。皆様おっしゃっているとおり、少子化対策については、本気で取り組むべき課題だからこそ、費用対効果をよく勘案すべきであると考えます。特に児童手当や多子加算は真に必要な世帯に重点化し、効果がより高い施策に重点化して取り組む必要があると考えます。では何が効果的かといいますと、社会の仕組み、そして意識改革を行っていくことは、私も同意見です。特に、以前から申し上げているように、未婚率に2倍の差がある雇用格差への対処、これが重要であると考えます。弊社が4月に行った調査によりますと、就業者全体として先行きの3年から5年後の賃金予想は上方へシフトしていますが、非正規に限ってみますと、その分布の山は、依然としてゼロです。つまり将来への期待に差が出ています。これは非正規の結婚、出産の選択に大きな影響を及ぼすものと考えます。

2点目は医療介護の制度改革です。恒久な支出に対して恒久財源が必要であるというのはそのとおりですが、同時に既存の社会保障予算の適正化、効率化も徹底していく必要があると思います。基本的には、大きなリスクは公助、小さなリスクは共助や自助という原則に基づき、保険の給付範囲の見直しや自己負担の更なる見直し、こうした議論を進めるとともに、以前から課題の地域医療構想に魂を入れていただきたいと思います。

3点目は、コロナ禍の予算の検証と見える化についてです。21兆円もの予算が使われたとのことでしたが、政府として国民に説明責任を果たすためにも、また次のパンデミックに生かすためにも、是非5類になった今こそ総括検証し、次に向けて改善点を整理いただきたいと思います。問題の一つとして、補助金とセットでデータの提出、見える化を求めなかったことがあると思いますので、その点について是非今後仕組み化できないか御検討いただければと思います。

以上です。ありがとうございます。

増田分科会長代理ありがとうございました。それでは、御発言は以上にいたしまして、時間もちょうどまいりましたのですが、事務方から何かありますか。よろしいですか。何かあれば。

それでは、今日多様な御意見をいただきましたので、これについては建議の中で、またまとめて皆様方に御紹介をして、次回その議論になりますので、そこで御意見をいろいろいただくと、こうした形にさせていただきます。この後、私、今日の様子については記者会見で御紹介します。

次回ですが、5月22日月曜日に予定しております。14時、午後2時からの開催予定で、そちらで建議の素案について審議をいたします。今回の建議案については、河村委員、佐藤委員、武田委員、土居委員、中空委員、吉川委員、以上の6名の方に起草委員をお願いしておりますので、委員の皆様方、どうぞよろしくお願いします。

以上で本日の会議を閉会といたします。どうもありがとうございました。

午後4時00分閉会