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財政制度分科会(令和5年4月28日開催)議事録

財政制度等審議会財政制度分科会
議事録

令和5年4月28日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政制度分科会議事次第

令和5年4月28日(金)15:00~17:10
第3特別会議室(本庁舎4階中-412)

  • 1.開会

  • 2.議題

    • 財政各論②:人口・地域

    • 国家公務員等の旅費制度の見直し

  • 3.閉会

出席者

分科会長代理

増田寛也

秋野副大臣

井上副大臣

宮本大臣政務官

青木大臣官房長

渡部政策立案総括審議官

新川主計局長

寺岡次長

中村次長

前田次長

八幡総務課長

小野主計企画官

渡邉法規課長

尾﨑給与共済課長

松本調査課長

一松主計官

三原主計官

佐久間主計官

有利主計官

小澤主計官

寺﨑主計官

大沢主計官

端本主計官

河口主計官

坂本主計官

渡辺主計官

内之倉主計監査官

山岸予算執行企画室長

鈴木主計企画官

園田公会計室長

秋池玲子

河村小百合

熊谷亮丸

小林慶一郎

佐藤主光

武田洋子

土居丈朗

安永竜夫

芳野友子

臨時委

上村敏之

遠藤典子

小黒一正

木村

國部

末澤豪謙

和夫

田中里沙

中空麻奈

平野信行

広瀬道明

福田慎一

真奈美

田章

横田響子

吉川


午後3時00分開会

増田分科会長代理時間になりました。今日は冒頭からカメラが入りますので、少しお待ちいただきたいと思います。

それでは、お願いします。

(報道カメラ入室)

増田分科会長代理ただいまから、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。

本日は冒頭から、秋野副大臣、井上副大臣にお越しをいただいております。また、宮本大臣政務官も後ほどお越しいただく予定となっております。どうもありがとうございます。

本日の議題は、財政各論の人口・地域と、このようになっております。

それでは、報道関係の皆様、そろそろ御退室をよろしくお願いいたします。

(報道カメラ退室)

増田分科会長代理まず、議事に先立ちまして、本日は、榊原前会長にお越しをいただいております。どうもありがとうございます。

前会長におかれましては、本年3月まで6年間、財政制度等審議会と、この財政制度分科会、両方の会長を務めていただきました。榊原前会長から皆様に離任の御挨拶を頂戴したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

榊原前会長皆様、こんにちは。榊原でございます。本日は、離任の御挨拶の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

6年前、2017年6月に、吉川前会長の後任として引き受けさせていただきました。この6年間でございますが、御案内のとおり、世界の政治、経済、社会、実に様々な事象が発生した6年であったと思います。ざっと挙げてみましても、米中デカップリングの問題、あるいは北東アジアにおける地政学的なリスクの顕在の問題、あるいは新型コロナの世界規模での感染拡大もございました。それから、ロシアによるウクライナ侵攻、また、それに伴う世界規模での物価高騰の問題、さらには、FRBの利上げもございますし、直近では金融不安の問題も出始めているということで、我が国の経済財政政策にも非常に大きな影響を及ぼす事象がまさに次々と発生しているということで、まさに激動の時代というのではないかと思っております。

そうした中で、当財政制度等審議会では、一貫して歳出改革、中でも社会保障改革に関する議論は積極的に進めてまいったと思っております。そして、2025年PB黒字化、これは国家及び経済の信認維持の観点から、そして、国民の将来不安の払拭、あるいはリスク軽減のためにも極めて重要であるということを一貫して主張してまいりました。

また、皆様御案内のとおりですが、平成最後、2018年秋の建議におきましては、平成の財政を振り返りつつ、新たな時代、令和の時代では財政を悪化させてしまった過ちを繰り返してはならないということを強く主張しました。また、翌年、令和元年、春の建議におきましては、令和の時代は受益と負担の乖離と将来世代へのツケ回し、これに歯止めをかける時代としなければならないということを主張いたしました。さらには、財政運営においては、甘い幻想とか根拠のない楽観論は厳に慎むべきということも主張いたしました。

また、直近、昨年秋の建議におきましても、我が国財政が長年抱えている問題と、先ほども申し上げた世界的な環境変化など様々な事象が発生していますが、こうした新たに生じた様々な課題、こうした課題を真正面から受け止め、そして解決していく。そして、このことが財政に対する市場の信認を維持する、将来世代への責任を果たしていくために不可欠であるといった考え方を盛り込みました。

こうした方向性の中で、2025年PB黒字化という目標をずっと堅持してきたわけでございますが、今後は、このPB黒字化の目標を単なる目標で終わらせることなく、是非必達目標として、2025年にはPB黒字化を必ず実現するためのしっかりとした道筋を提言していただきたいと思います。

財政健全化は、経済成長、歳出改革、歳入改革の3本の柱で成し遂げるものでございます。この前の財審におきましては、社会保障改革を中心とした歳出改革に重点を置いた提言になっていたと思いますが、今後は歳入改革についてもタブーを置かずに議論していただきたいと思います。「タブーを置かずに」と申し上げたのは、やはり消費税を含めた様々な財源の確保についてもしっかりと議論していただく必要があるのではないのかなと、それをまた提言に結びつけていただきたいと思うところでございます。

私の後任は、既に今月初旬の会合にも御出席いただいておりますが、十倉経団連会長にお願いしました。新会長に対しましても、引き続き、委員の皆様方の御支援、御協力をお願い申し上げたいと思います。この私の6年間、田近前分科会長代理、そして、増田現分科会長代理をはじめとする委員の皆様方、それから、財務省の皆様方、多大な御支援、サポートをいただきまして、ここに改めて感謝の意を表したいと思います。

最後でございますが、皆様方の御健勝とますますの御活躍を祈念申し上げまして、私の離任の御挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。

増田分科会長代理榊原前会長、大変ありがとうございました。

それでは、ここで榊原前会長は御退室されます。どうもありがとうございました。

(榊原前会長退室)

増田分科会長代理それでは、事務局説明に入ります。今回の議題、「財政各論②:人口・地域」と、このようになっております。

初めに松本調査課長から簡潔に説明をお願いします。

松本調査課長それでは、資料1「財政各論②:人口・地域」の資料について説明させていただきます。

まず1ページでございます。人口減少社会を迎えまして、経済力の一層の低下、特に地方の担い手不足等々が懸念されるところでございます。

2ページです。人口減少の中では、一人当たりの行政サービスの維持強化も図りつつ、歳出改革に取り組んでいくということであると思っております。特に地方におきましては、広域連携あるいはデジタル活用といったことが鍵となると考えております。

3ページでございます。東京一極集中は各種リスクへの脆弱性の問題がございます。多様な地方都市が自立的に持続できる社会を目指すべきといった指摘が出されてございます。

続いて、4ページでございます。人口減少を前提とした上で、持続可能な地域社会のグランドデザインを考えていく必要があると考えております。地方税源の偏在是正、あるいは教育など行政サービスの質の向上、コンパクトなまちづくり、農村等地域整備といったことが課題になると考えてございます。

続いて、5ページからでございます。まず少子化の関係について説明申し上げます。

6ページ、出生率の状況についてお示ししてございます。

7ページです。10代から30代の若年人口は、今後急速に減少する見込みということになっております。

続いて、8ページ、近年ですが、特に高所得国におきましては、従来の傾向とは異なり、所得あるいは女性の労働参加率が高いほど出生率が高くなるということになっております。

9ページです。女性のキャリアと家庭の両立が出生率向上の要因ですので、一つには、父親の参画、あるいは、母親の就労に好意的な社会意識、さらには柔軟な労働市場、そして、子育て支援政策、そうした4点がポイントになるということが指摘されてございます。

10ページです。日本の状況について申し上げますと、就業率の「M字カーブ」は解消に向かってきておりますが、30代、40代は非正規雇用が中心となっておりますので、正規雇用率を見ていただきますと、「L字カーブ」になっているということでございます。

11ページからは、両立の推進のポイントの1点目、父親の参画についてでございます。現状を申し上げますれば、共働きの夫婦でも育児負担が女性に集中する、いわゆるワンオペの傾向があるといったことを示しております。

12ページです。男性の育休取得率は女性よりも大幅に低く、短期間が中心となっております。制度があっても利用しづらいといった声もございますし、特にそうした声が中小企業で顕著ではないかと考えられます。

13ページです。政策対応でございますが、男性の育休取得促進のため、制度給付の両面での対応強化が必要と考えております。また、中小企業向けの支援も必要であろうと思います。

14ページです。さらに短時間勤務等につきまして、夫婦での家事、育児の分担を促すことも目指して、給付を創設する方向ということになってございます。

15ページに進みます。両立推進のポイントの2点目、社会意識に関することでございます。日本は遅れていると指摘されていますが、変化の兆しも見られております。

16ページが政策対応でございます。両立支援に積極的な企業の見える化、あるいは補助金採択時に考慮することなどを挙げてございます。

17ページは、都道府県別の女性の労働参加率と出生率の関係、御参考までに示してございます。

18ページからは、両立推進のポイントの3点目、労働市場の関係でございます。これは前回も提出した資料ですが、個人個人が主体的に学び直しに取り組めるという環境を整備することが重要と考えております。

19ページです。雇用のセーフティーネットの適用を拡大し、非正規であっても、両立環境を整備するということが課題になると考えております。

続いて、20ページ、こちらも前回提出した資料でございますが、同一労働同一賃金の徹底が必要と考えております。

21ページからですが、両立推進の4点目、子育て支援政策でございます。支出規模に関して言えば、OECD平均に近づいておりますし、こども一人当たりでは上回っているという状況になってございます。

22ページは、保育の受皿整備の状況を参考に示しております。待機児童数は顕著に減少している状況でございます。

23ページです。これまでのこども予算の充実は、消費税率引上げの増収分、あるいは子育て事業拠出金の増額、さらには、社会保障関係の歳出改革により確保してきているということでございます。

24ページです。今回の少子化対策強化の財源についてでございますが、まずは全世代型社会保障構築の観点に立って歳出改革の取組を継続しつつ、骨太2022に明記されましたとおり、企業を含め、社会・経済の参加者全員が公平な立場で負担する新たな枠組みを検討していく必要があると考えております。

25ページです。地方を含めた財源確保に当たりましては、全国的な充実・強化と、他地方単独事業との重複排除なども必要と考えております。

26ページは、このパートのまとめでございます。

続きまして、27ページから、少子化以外の各論の1点目、東京一極集中と地方財政についてでございます。

28ページですが、人口動態あるいは経済活動における東京一極集中の状況を示してございます。

29ページです。特に税源の偏在性が大きい地方法人課税につきましては、累次にわたり、偏在是正措置を講じてきておりますが、一方で、東京都の税収シェアは高止まりをしているという状況でございます。

30ページからは、事業形態の変化の影響について述べております。事業所を持たない電子商取引ビジネスの地方税収というのは本店所在地に集中いたしますので、東京都に集まる傾向が続いていくという可能性があると考えております。

31ページは、コンビニが増加している影響ですが、本部にフランチャイズ料を支払うということですので、店舗所在地の税収の一部が本部のある東京に移転すると、そのような形になってきていると思っております。

32ページです。東京都と地方との間で行政サービスの格差が広がっていきますと、更なる一極集中ということを招きかねません。他方で、東京都も経済の牽引役としての役割、あるいは、昼間の人口の大きさなどの事情があることは留意が必要と考えております。その上で、様々なことを考慮しながら、偏在性が小さい地方税体系を構築することが重要と考えております。

続きまして、33ページからは、地方財政全体に係る論点でございます。令和5年度地方財政計画におきましては、地方財政の健全化が進んでおり、今後も継続していく必要があると考えております。

34ページです。コロナ以降、コロナ臨時交付金など国からの財政移転が多額に上っておりまして、これによって地方の一般財源の使用が節約された面があると思っております。

35ページです。今の話ですが、東京都におきましても、令和2年度は都の財源が過半を占めておりましたが、令和3年度は、コロナ臨時交付金など国からの財源が8割超を占めているというデータでございます。今後、地方財政の構造を平時に戻していくべきと考えております。

36ページは、今のパートのまとめでございます。

続きまして、37ページから各論の2点目、人口減少下における社会資本整備についてでございます。

38ページです。秋の財審でもお示しをしたとおり、社会インフラは概成しつつあるということでございます。

39ページ、他方で、多額の公共投資が地域の発展につながったかどうかは判然といたしません。右側の港湾整備を例に取りますと、国際戦略港湾に多額の投資をしてきたものの、国際基幹航路の寄港回数は減少傾向です。効果を検証し、全体的に今後の在り方を検討すべきと考えております。

40ページ、北陸新幹線の開業前後の富山、石川の人流変化を例示しています。人口も宿泊者数も必ずしも伸びておりません。こうした検証、分析の取組が必要と考えております。

41ページ、担い手の問題でございます。建設業従事者や物流を担うドライバーが不足してきております。自動運転、ロボットなどの技術導入を加速すべきと考えております。

42ページからは、ここまでの分析を踏まえました今後の対応の方向性です。新規事業の着手は慎重に判断し、更新投資、技術力への投資に重点を置くべきと考えます。B/C分析の精度向上も課題と考えております。

43ページからは、既存インフラの使い方の改善についてでございます。このページでは港湾を例に挙げてございます。

44ページは、別の例として、治水対策など、災害対策においてもソフト、ハード一体の対策が必要ということを述べております。

45ページ、技術の実装を加速すべきとも考えております。物流サービスへの自動運転技術の実装に向けたロードマップづくりが遅れていることなどを指摘してございます。

46ページです。コンパクトなまちづくりを推進すべきということを述べております。道路などインフラ整備による影響にも留意が必要と思われます。これまでの取組の成果を検証すべきと考えております。

47ページでございます。災害リスクが低い地域に居住エリアを形成すべきものでございますが、逆の動きも起きているということでございます。震災復興における好事例もありますので、こうしたことを参考とすべきと考えております。

48ページは、このパートのまとめでございます。

続きまして、49ページから各論の3点目、人口減少下における農村等の在り方です。

50ページは、農業生産構造の現状についてでございます。個人経営体数は大幅に減少しております。

51ページです。特に中山間地域におきましては、高齢化、人口減少が急速に進みます。農家世帯の割合も低下していくということでして、農水省の施策以外の施策との連携、集約が必要でございます。

52ページは、今申し上げたことの関連で、農村地域で利用可能な施策、農水省以外の施策も含め、示してございます。

53ページは、農村のインフラ機能についてです。今後は更新需要が増す一方、農家の急減が見込まれますので、代替手段による対応、広域化・共同化あるいは低コスト化などを図っていく必要がございます。

54ページ、営農が必要な農地につきましては、いわゆる多面的機能に着目した支援を行っておりますが、逆に、営農継続が困難な農地につきましては、例えば放牧、植林など、低コストで維持管理できる土地利用への転換を促すことなどが考えられると思います。

55ページは、今申し上げた農地の多面的機能関係の参考資料でございます。

56ページは、このパートのまとめです。

57ページからは、各論の最後、4点目、少子化の中での教育の質の向上です。

58ページ、教職員定数ですが、児童生徒数ほどには減少しておらず、主要諸外国平均よりも手厚い配置となっているということでございます。

59ページ、加配定数により、35人学級や教科担任制などを進めてまいりましたが、合理化も必要であり、それにより得られた財源を有効に活用していくことが考えられます。

続きまして、60ページから教員の成り手の問題です。質の高い教員の確保が課題となっております。

続きまして、61ページです。今後は新規学卒者の受験者数が減少するおそれもありまして、教育の質の維持向上のため、教職の魅力を高める取組が不可欠と考えております。

続きまして、62ページです。上の囲みのとおり、教員の厳しい勤務実態や時間外勤務手当の問題がある中で、教職の魅力を高めるため、働き方改革、負担軽減、給与体系がポイントになると考えております。

63ページです。教員の魅力向上に向けた取組の1点目、働き方改革についてでございます。外部人材の大幅拡充、あるいは取組状況の公表を補助要件化するなどの工夫を行ってきておりますが、更なる業務適正化も検討すべきと考えております。

続いて、64ページでございます。取組の2点目、教員の負担軽減です。スクールロイヤーの活用あるいは各種周知などの取組を挙げてございます。

65ページからは、取組の3点目、給与体系についてでございます。前提としまして、教員は、勤務の特殊性から勤務時間の内外を切り分けることが難しく、時間外勤務手当の支給はなじまないとされているということを紹介してございます。

66ページは、教員の場合、給与負担者と服務監督者がずれているということも指摘しております。仮に時間外勤務手当を導入しても経費節減のインセンティブが働かず、勤務時間がかえって長くなりかねないと考えてございます。

67ページです。その上で、例えば主任業務にある教員は、勤務時間が長い傾向にあるというデータでございます。こうした頑張る者が報われるメリハリの利いた給与体系とするよう、一律支給という形になっている手当の見直しと併せて検討すべきと考えております。

68ページがまとめでございます。

私からの説明は以上です。資料の内容に限らず、大所高所からの御議論を是非よろしくお願いいたします。

増田分科会長代理ありがとうございました。

本日は、伊達委員から意見書を御提出いただいております。それから、御出席いただいておりますが、芳野委員からも資料を御提出いただいております。お目通しをいただければと思います。

それでは、ただいまの説明につきまして、委員の皆様方から御意見、御質問を頂戴いたしますが、いつもどおりネームプレートを立てるか、挙手するボタンのクリックで合図をしていただくように、そして、この会場から5名程度指名して、その後、テレビ会議システムと、いつもどおりの形で進めていきますので、よろしくお願いいたします。

それからまた、途中御退席の御予定の方もいらっしゃるようですので、そうした方は早めに合図していただければと思います。

会場から、子田委員からまいりましょうか。どうぞ、子田委員、御発言ください。

神子田委員御説明ありがとうございました。前回もそうですが、こうして横串でお話を聞くと大変勉強になるとありがたく思っております。

理論的に詰まっているかどうかは不確かですが、地域の活性化、地域を盛り上げていくということと、少子化対策はつながっている話ではないかと。感覚的ですが、テレビで報道を見たり、実際、自分が移住や取材をしに行ったりした感覚ですと、こどもたちが自然に触れて非常に楽しそうに過ごしていて、親たちも時間にゆとりがあると。最近、某商社で、朝早く出社するようになったら、社内の出生率が増えたという事例があって、これはかなり顕著に増えているのですが、やはりそうした時間帯で過ごしたほうがこどもも増えるかなと、これも漠然と思ったりしてですね。地方の財政の使い方、今日の御説明にもあったのですが、やはり公共投資とかハード、いつも災害のときに、私はこの席で言っているのですが、やっていったら切りがないという、できるだけソフトに移して、とにかく人の命を助けるということの施策をやっていくということと、もう一つ、ハードは、コンパクトシティというか、災害に強いまちづくりをして、真ん中に大きな建物をドーンと建てて、医療や介護から面倒を見られるようなものをつくることに集中的に投資をすること。その代わり、地方の経済を起こすのに必要なのは、やはり企業がどのようにして経営をうまくやっていくか、あるいは地方のマーケットは小さいので、輸出していくときにどのようなノウハウを授けるのかという伴走支援、人や経営者を育てるソフトの仕事にはやはり人が必要なので、人への投資、育てる人を用意するための予算という使い方をしていったら良いかなと思います。

ただ、どうしても地方は人が少ないと、マーケットも小さくなるし、担い手も少ないということで、よく同一労働同一賃金ということが言われますが、これは全国同一労働同一賃金というのを実現してはどうかと思うのです。今ですと、やはり地方へ行くと、物価も低いですし、東京の給料を持って地方に行ったら、その分使い道もある。しかも、時間もゆったりして、これは良いなと。恐らく地方に行ったら少し収入も下がってしまうし、経済もさびれているからどうかなと思うのですが、ここを是非、経済の活性化、そして、賃金も下がらないというようなシステムをつくったらどうかと思うのです。

こうしたことを言うと、企業は、経済原理に沿って払えるわけがないということで、確かに企業は無理なのですが、そこを何か国の政策で補えないか。それは何か社会主義のような政策だなと言われることもあるのですが、むしろそこまでやらないと、東京から地方に人が動いていくことにはならないのではないか。異次元の対策というのであれば、これまでの常識では考えられなかったことをやるべきではないかということで、ひとつ、地域の活性化に向けて、全国同一労働同一賃金というのを提唱したいと思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、秋池委員、どうぞお願いします。

秋池委員私もこの切り取り型での議論は大変意義があると感じております。本日の議論の中で、地域のインフラの維持等に関してですが、これはつくってしまうときに「コンパクトに」を目指すことは、それは初期的な投資を減らすという意味においても意義があるわけですが、その先、維持したり、置き換えたりしていくこと、そのことによって持続性が高まるということも念頭に置きながら、その計画を各地域が立てていけるようにしていくような何か流れができると良いと思います。多くの日本人が味わっている快適な暮らしというものは、今さら手放すことができないのは当然のことなのですが、そうしたことを念頭にしながら、何は取って、何は手放すのかということの中で、まちづくりの議論が行われるとよろしいかと思います。

それから、女性のL字カーブのお話がありましたが、非正規のほうが働き方に融通が利くのでというような御説明もおありで、これも一面の真理であると思っております。一方で、様々な企業が最近は正規の社員に対しても非常に幅のある働き方を提示しているということになりますと、その面だけを取って言いますと、かなり融通の利く働き方に近づいてきているところもございます。そうしたところがよく理解されるようにしていくということと、それから、これは税の問題もあろうかと思いますので、そこに着眼して、女性が長く働いていけるような素地ができていくと良いと思っております。

それから、男性の育児休暇を特に中小企業で取りにくいというお話があったのですが、人手不足なので休みにくいということもあると思います。これは公的な施策というよりは、民間が工夫しなければいけないところなのかもしれないのですが、いつも誰かが何らかの理由で休んでいるということを念頭に体制を考える。しかし、人手不足で社員を増やすということが難しいときに、どのような手があり得るのか。例えば退職をなさった方に一時的にお手伝いに来ていただくというような、様々な工夫も含めて検討が深まるとよろしいかと思いました。

以上です。

増田分科会長代理それでは、武田委員、どうぞお願いします。

武田委員ありがとうございます。2点、申し上げます。

1点目は、少子化対策については、以前も申し上げたとおり、労働市場の格差、固定化の問題が大きいと思いますので、本当に少子化に手を打つということであれば、雇用問題とはセットで議論していただきたいと思います。

2点目、大きく捉えれば人口減少の流れを変えるのは容易ではないと考えております。人口減が続くことを念頭に、地域あるいは社会のシステムを考えていくことが極めて大切な局面に来ていると思います。

そうした観点から、以前からこの場で議論されているコンパクト化がどこまで進んでいるのかは気になっております。自然災害の頻発、人口減、さらには、インフラの老朽化の問題、こうしたことを考えますと、立地適正化施策の成果の検証が欠かせないと思います。うまく実施しているところもあると思いますが、うまく実施できていないところがあるとするならば、その違いは何なのかという理由を是非御教示いただきたいと思います。この先も立地適正化計画は進められると思いますが、インフラも関係してきますのでなかなかアジャイルに変更することは難しいと考えます。今の時点でしっかりギャップの原因を確認し、効果的にこの先、進めていただきたいと考えます。

そうした議論を是非、秋の予算編成などでも議論していただければ幸いです。

以上です。

増田分科会長代理それでは、安永委員、どうぞお願いします。

安永委員ありがとうございます。まず少子化対策については、これはもう言わずもがなで、待ったなしの対策を講じていかないと、日本の国内経済が目に見えてシュリンク(縮小)する事態です。企業はグローバルで闘っていますが、やはりホームカントリーの経済が縮小するということは、国として大きなディスアドバンテージになりますので、難しい課題ではありますが、社会全体で少子化対策を考えていくことが必要であると思います。

その上で、財源ですが、現役世代に負担が偏らないように、全世代型で負担していくことが肝要ではないかと考えます。同時に、今後増え続けていく高齢者の医療についても、負担する能力に応じて全世代で支えるという考え方、つまり子育てと、高齢者の医療、あるいは介護、それぞれにおいて負担の適正化を図ることが重要です。また、マイナンバー制度をこれだけ普及させてきた中で、所得や資産の保有状況を把握して、より公正な負担の在り方を実現していくことが必要であると思います。

個社ベースのお話しを少しさせていただきたいのですが、子田さんから競合他社の働き方改革で出生率が増えたというお話ありましたが、私どもとしては、出生率は個人データが絡むこともあり、育休取得の実態ということで紹介させていただいております。今や、男性の育休も最長1年まで認めるようにしておりまして、もちろん給与を全部払うわけではなくて、段階的に、給料は支給が下がるのですが、それでも育休制度を会社の中で、各組織の中で、きちんと認めて使ってくださいということを浸透させたことで、育休の回数、それから期間というものは着実に増えてきています。

そうした意味では、大企業だけではなく、先ほど来のお話で、中小企業にそんな余裕があるかというお話はあるのですが、インフレに対して給与を上げていくという今の流れも含めて、まず大企業で取り組んで、その流れを社会全体に進めていくということが重要であると思っております。

もう1点、労働者が不足する中で、外国人労働者をいかに増やしていくか。日本という労働市場を外国人に開放していくこと、これは何より重要で、そのためには企業も、それから社会も、ダイバーシティに対する考え方をもう一段進める必要があると思っています。そうした意味では、我々海外で仕事をつくっていく中で、海外の人材を獲得する機会には大変恵まれていますので、その人たちを母国だけで使うのではなくて、日本を含めた第三国にローテーションを組むことによって、会社全体のダイバーシティをもっと当たり前のことにしていく。そうしたことを着実に進めていくことで、結果として、日本のダイバーシティが進み、もっと外国人に対して寛容な社会になっていくのではないかと期待しています。

最後にインフラの老朽化に関連して、今までは、国土の均衡ある発展という題目の下に、全ての自治体に対して同等のインフラ整備を行ってきて、それが結果的に全国におけるネットワークの完成に近づいてきているのですが、やはりこれからはコンパクトシティ化を目指すとするならば、先ほど説明ありましたとおり、新しいものをつくるのではなく、メンテナンスに主体を置いていく、あるいはメンテナンスのための技術開発を進めていく。それによって、メンテナンスの効率化、それから、コストの削減を相当意識していかないと、これまでつくったネットワークを維持できないのではないかと危惧しています。

以上です。

増田分科会長代理それでは、土居委員、どうぞお願いします。

土居委員御説明どうもありがとうございました。まず少子化につきましては、安永委員が今おっしゃったように、財源、これは世代間で公平に負担できるような形でしっかり確保する。国債という形でこどもたちの将来にツケを回さないようにするということが非常に大事であると思います。

それとともに、育休取得については、これは大変大事なのですが、13ページにありますように、確かに給付するというところで、給料がある一定程度保障されるということは良いことですが、育休を取るということと、キャリア形成がストップするということが、両方同時に起こってしまうということの悩ましい問題があるので、キャリアパスをきちんと、キャリアの蓄積をきちんと積み重ねていきたいという人からすると、いくら育休の給付がよかったとしても、育休を取りたがらないという可能性もありますので、キャリアの蓄積が阻害されないような形で育休取得を促していくということが大事であると思います。

それから2点目は、東京一極集中のことについてですが、28ページにその議論があります。東京一極集中は、私は逆説的に思っているのですが、東京に魅力がないから東京に集まってくるということです。つまり、東京という都市は、世界各国のほかのアジア諸国の都市と競争している。だが、残念ながら、アジア諸国のほかの都市に比べて魅力がない。そうすると、東京の地価が低くなる。東京の地価が低くなると、福岡とか札幌でビジネスを営みたいと思っている人でも、東京は地価が安いので、そこで賃料を払って、東京でビジネスができてしまうということになるわけなので、むしろ東京の魅力を高めることによって東京の地価が上がって、別に東京でビジネスをせずとも福岡や札幌でビジネスをしたほうがよほど返ってくるのではないかというような、東京は東京で別の魅力が必要ですが、地方でビジネスが営めるということを、もちろんインフラを整えるのも大事ですが、東京の魅力が高まらないと、結局は東京で仕事をしてしまうということになりかねないというような問題がありますので、逆説的ですが、東京の魅力は東京の魅力として高めつつも、それは国際都市としてという意味ですが、地方でビジネスができる環境をつくっていくことが大事であると思います。

2点目は、公共投資についてです。やはりこのところ、補正でたくさん公共投資を積んで、これを繰り越して、翌年度にあまり不用が出ない形で使うという傾向が強いので、きちんと当初予算で予算を組んだ上で、補正でそんなにたくさん盛り込まないというきちんとした予算管理をしっかりやっていただきたいと思います。

それから次は、地方財政についてです。34ページにありますように、やはり臨時交付金のおかげといいましょうか、それによって、地方自治体側からするとそれなりに財源が担保できたということなのかもしれませんが、その裏側では、国がその分、赤字国債を出しているということが片方であるから、やはり国と地方の財政収支のバランスというところを考えると、平時に戻していくということは当然として必要であると思います。

参考資料の17ページにありますが、地方の税収も過去最高を更新しているという状況がありますので、やはりそうした地方税で収入が賄えるということであれば、地方交付税をその分、借入金の返済に回すということをしっかりやっていくことが、国と地方の歩調を合わせた財政健全化につながると思いますし、この臨時交付金の使途をきちんと今後も公開していただくということは、参考資料の25ページにあるとおりであると思います。

最後に教員の関係ですが、参考資料の30ページに、教員、教師不足が指摘されています。これは非常に重要なポイントで、確かに教師不足であると言われてはいるのだけれど、本当に教師の魅力を高めることができているのかという問題提起は、まさに私もそのとおりであると思っておりますし、さらには、少子化で大学の卒業者が減ってきているということを考えると、今までのように教員を確保できるわけではないと。ほかのところ、ほかの分野だって人手不足ですから、人手不足であるということは別に教師に限ったことではないということを踏まえながら、どのように教師を確保していくかを考えていただく必要があるのではないかと思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、一旦、テレビ会議システムに移りたいと思いますので、この順番で5人の方に御発言いただきます。佐藤委員、上村委員、國部委員、角委員、田中委員。この5名の方にこの順番でお願いします。よろしく準備をお願いします。

佐藤委員、どうぞお願いします。

佐藤委員よろしくお願いいたします。では、私から3点ほどコメントさせてください。

まず第1は、先ほど出ていますが、少子化対策の財源についてです。その財源として、今、社会保険料が取り沙汰されていますが、今の社会保険料は、やはり勤労世帯の負担が重い、それから、雇用にも悪影響です。恐らく理念としての社会保険料と現実の社会保険料に大きな違いがあるのです。本来、消費税が社会保障の基幹財源でもあることから、消費税をタブー視しない議論があってしかるべきかと思います。

また、少し気になってくるのが、社会保障の負担は、これまでの年齢別から能力負担別へとよく言われますが、実は高齢社会において、この能力負担は、負担能力が所得だけではなく、資産ストックにもよると思います。なので、資産ストックにも着目した社会保障の負担の在り方というのは、まさに榊原前会長がおっしゃったとおり、歳入改革の一環として検討することであると思います。

さらには、少子化対策にも関わるのですが、先日、国立社会保障・人口問題研究所から新たな将来人口推計が出されています。少子化対策は、仮に出生率をいくばくか上向かせたとしても、全体として日本の人口減少の傾向に変わりはありません。本日取り上げられている地域の再編成、農村地域の在り方にも関わりますが、社会資本整備も含め、全ての施策を人口減少を前提としてやろうとするといった見直しがやはり必要かなと思います。少子化対策をしたから人口減少の問題が改善するだろうというのは楽観的過ぎるので、これは厳に慎むべきであると思います。

また、第3に地方財政についてです。先ほど土居委員からも御指摘があったとおり、コロナ禍で、地方創生臨時交付金が増加しまして、結果としまして、コロナに係る財政リスクというのを国が一手に負った格好になっています。交付金については、使途についての議論もありますので、今後、検証が必要ですが、やはり財政の正常化の観点から臨時交付金はもう廃止するという方向を打ち出すべきであると思います。

ただ、臨時交付金が問題なのは、実は補正予算であることです。補正予算であり、巨額の予備費がその出どころです。なので、総じて、コロナで広がった財政の風呂敷を閉じるという観点からも、今後、大型の補正予算や巨額の予備費などは厳に慎み、見直していく必要があるのかなと思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、上村委員、どうぞお願いします。

上村委員御報告ありがとうございます。3点あります。

第1に、少子化対策についてですが、婚姻数を増やすという観点が抜け落ちていないか気になっています。夫婦世帯の完結出生児数は、近年は2.0を切りましたが、それでも1.9以上あります。つまり、夫婦世帯では二人程度のこどもが生まれています。もちろんこども・子育て施策は大切なのでやるべきであると思います。しかし、日本は、結婚の後、出産という順番の社会になっていますので、少子化対策において未婚者数の増加も課題なのではないか。その点に向き合う必要があるのではないかと思います。政策的に難しい側面があるということは重々承知しております。

第2に、地方財政において、少子化対策の自治体間競争が過熱化していることを国としてどう評価するかです。東京都は手厚い子育て施策を打ち出していっていますが、これが東京一極集中を加速化する側面があると思っています。つまり、自治体の少子化対策は住民移動を伴っていて、日本全体の人口のパイが増えない中で、非効率な住民獲得競争をしているように思えます。中には、子育て施策に傾倒するあまりに、将来的に必要な公共投資をおろそかにする自治体もあります。これは首長や地方議員の任期が4年という短い期間であることから長期的な政策形成ができずに、短期的な成果が上がりやすい政策が好まれてしまうということも原因かと思っています。少子化対策は、本来は国の仕事であると私は考えます。自治体と国との役割分担を整理していくことが重要であると思います。

第3ですが、地方税の話が出てきました。財審で税の話が出るのは珍しいですが、政策パッケージなので、補助金の制度、規制緩和、そうした枠がなく、幅広に検討がなされていることについては歓迎しています。

私は税も専門なので、地方税についてコメントします。地方の法人課税についてですが、法人事業税や法人住民税がありますが、こうした地方の法人課税を持っている国は国際的に珍しくなっています。地方の法人課税、税収の偏在を起こすということなので、今まで、ずっとパッチワーク的に改革をやってきましたが、どうしても偏在が残りますので、国税化の検討も必要かと思います。

その理由ですが、やはりインターネットの発展によって、受益と負担の関係が一致しなくなっているということです。この点に関して、コンビニの事例を提供していただきました。同様の問題はほかでも進んでいまして、例えばインターネット銀行です。ほとんどのインターネット銀行は本店が東京にあります。しかし、預金者は地方の方もおられますので、そうすると、地方の預金者の住民税利子割の税収が東京に入っていくということで、ここでも税収の東京一極集中が起こっていて、受益と負担の一致がなくなっているということです。こうした傾向のある地方税について、国税に集約化するなどの検討を行うべきであると思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、続いて、國部委員、どうぞお願いします。

國部委員増田会長代理、ありがとうございます。人口減少の問題というのは、我が国の経済力、ひいては、国力の低下をもたらす極めて重要な課題であると思います。少子化対策については次回のテーマと聞いておりますので、その際に改めてコメントさせていただきますが、岸田首相が打ち出しておられる異次元の少子化対策に期待していますし、更に言えば、もう一段踏み込んだ施策が必要ではないかと思っています。もっとも、少子化対策が功を奏しても、その効果が出るのは10年以上先であるため、当面は人口減少を前提として持続可能な地域社会の在り方を考えていく必要があって、議論の方向性に賛同いたします。

その上で、今日は、人口・地域というテーマで、横串を通して議論するに当たって、重要と考える点について、2点申し上げたいと思います。

1点目は、それぞれの政策の前提条件をすり合わせる必要があるのではないかという点です。今回、取り上げられております地方財政、インフラ整備、農村、教育というテーマは、それぞれ所管官庁が異なりますため、同じ「地域」に対して別々の観点から政策が講じられることになります。その際、数年後、例えば2030年にどのような地域社会を目指すのかという前提条件が一致していなければ、期待した政策の効果が得られないという結果になりかねないと思います。もちろん、地域の将来像と一口に言っても、地域ごとに個別性が高いため、一概に論ずるのは難しく、一定の限界はあると思いますが、連携中枢都市圏を中心とした圏域をつくる、あるいはコンパクトシティ化を推進するなど、人口減少が続く中でも、サステナブルな地域社会の姿について議論を深めて、地域に関する政策の前提条件をそろえる議論の場が必要なのではないかと思います。

また、財務省におかれてもできる限り俯瞰して、各省の政策の前提条件がそろっているかという視点で、横串を通してチェックしていただければと思います。

なお、目指す地域社会の姿を明らかにすることで、各省による政策の前提条件をそろえるとともに、今回、人口・地域というテーマで一つのテーブルに乗せていただいた「やるべきこと」に、優先順位をつけて、限られた資源を最大限有効に利用することを目指すべきと考えます。

2点目は、今回の資料では取り上げられていませんが、人口・地域という横串を通して議論すべきテーマという観点では、観光立国に向けた取組が必要ではないかと思います。3月の訪日外国人数が180万人を超え、コロナ前の2019年比、約7割程度の水準まで戻ってきています。まちを歩いていても、外国人観光客を頻繁に見かけるようになり、インバウンド消費の回復に期待が高まっています。実際、外国人のクレジットカードの利用状況を見ますと、決済額自体は東京や大阪といった大都市で大きいわけですが、例えば山形や群馬などでは、コロナ前を大幅に上回るなど、地方でも回復の動きが見られています。

平時で4~5兆円と言われるインバウンド需要に、国内の旅行消費、これを加えると20兆円規模のマーケットになります。今年3月に閣議決定された観光立国推進基本計画においても、観光は「成長戦略の柱」、あるいは「地域活性化の切り札」と位置づけられておりまして、持続可能な観光地域づくりに向けた取組が始まっています。

今回、取り上げられているテーマに関しても、地域内での周遊や地域間の送客を視野に入れたインフラ整備であるとか、里山風景をはじめとする観光資源の管理、保全であるとか、観光にとどまらない地域産業の担い手作りといった視点も求められるはずです。我が国経済の成長という観点からも、この計画で目標とされている、早期にインバウンド消費5兆円、国内旅行消費額20兆円の達成、さらには持続可能な観光地域づくりを後押しするような政策を期待したいと思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、続いて、角委員、どうぞお願いします。

角委員ありがとうございます。本来、この会議は、歳出改革について議論するのが本来の姿であるとは思うのですが、冒頭に前会長から、歳入改革についてもきちっと議論すべきであるというお話がございました。建議書に書いていただけるかどうかは別として、やはり今後、歳入改革しなければ、とても今のいろいろな課題、防衛の問題や少子化の問題など、こうした非常に長きにわたって安定的な財源を必要とする項目について、やはり5年単位の話ではとても心もとないということになろうかと思います。

歳入改革の一番簡単なやり方は、以前も申し上げましたが、やはり受益者負担を増やすということであると思います。例えばインフラ整備におきましても、一旦は自動車専用道路の建設がかなり止まってしまった時期がありましたが、ようやく受益者負担を入れて、関西で申し上げますと、湾岸西伸部ですとか、淀川左岸線の延伸ですとか、こうした問題については、大体1乗車平均50円の受益者側から、要するに、車で、まだできていない道路に対して、例えば阪神高速を使う人は1回50円の負担をしていただくということで、全体の事業費の中の半分弱は受益者負担でカバーするという構造が出来上がったわけです。これについては、是非そうした発想をほかのインフラ整備についても入れていっていただければ良いなと思います。

それと、受益者負担のもう1点は、今年の4月から、いよいよ各鉄道会社で、いわゆるバリアフリー、特にホームドアを整備していくということについて、これは1乗車10円が認められました。ホームドアというのは、例えば地下駅になりますと、10億、20億という投資が必要になります。ですので、それを整備したからといって、運賃収入が増えるわけでもないので、非常に困っていたわけですが、今回、1乗車10円を徴収できることで、半分強の投資がそれでカバーできますので、劇的にホームの安全性が前へ進むと思います。

それと少子化についてですが、これも今、國部委員がおっしゃったように、今、補助をしていっても、その効果が現れるのは10年から15年、実際は20年ですかね。フランスで2000年前後から始めて、効果が生まれてきたのは2010年半ば頃ということであると思いますので、10年、15年の時を要する中で、これも安定財源ということを考えますと、消費税しかない。消費税という名前は問題であると思いますが、広く薄くシンプルに、安定的に将来にわたって財源を確保するとなると、現在の消費税しかないと。プラスして、防衛の問題もそうですし、いろいろな改革をこれからしていく中で、どうしても安定財源を増やさざるを得ないので、是非ともその消費税についての議論をしていただきたい。そのきっかけになるのが、やはりコロナで支出したものをいかにして、いわゆるツケ回しを減らしていくかということであると思います。2011年の東日本大震災のときは、春に災害が発生して、あの場合は、いわゆる被害額といいますか、税を投入する額が、その災害が起きた時点である程度確定しますので、それを秋の参議院で40%、4割までは増税によりカバーする、償還するということが決まったわけです。一方で、コロナの場合は、税金の投入がどこで止まるのかというのが今までは見えていなかったのが、今回、5類に変わりますので、この時点で長くとも秋までということになります。

したがって、償還する全体の額が決まるわけですから、例えば東日本と同じように、それの4割の金額を増税等によって償還するとしたらどうなるのか、どのような設計をすれば良いのかという議論を是非ともスタートしていっていただきたいと思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、田中委員、どうぞお願いします。

田中委員発言の機会をありがとうございます。

まず一つ目は、東京一極集中の流れを変えるために、地域の個性や特徴を際立たせるというアイデアが実行されて、移住、定住数など、インパクトは多大とまでは言えませんが、小さくとも確実な成果を上げている地域というのはいくつもあります。小さなお子さんを持つ子育て世代が、やはり自然豊かで、家族との時間が大切にできて、暮らしの質が高いと実感できる地域に移住する動きを追って、そこからまた更なる課題というのが今、顕在化してきています。小学校、中学校、高校と、そこにおける教育のサポートや新たな仕組みですとか、オンラインも含む教育環境、また、地域の教育と世界の教育機関との連携など、場所や空間の制限と受け取られるような、受けられる教育の制限が開放されるような仕組みを際立たせて、若者世代に伝えるということは有効で、この流れが途絶えないようにできるのではないかと思っています。

二つ目は、少子化対策に関しては、今、進んでいる政策や補助や手当も効果は大きいですが、未来予測を見ても簡単なことではないなともちろん考えます。男性の育児参加において、やはり大手の企業は、育児休業中に、例えば考えたことや経験したことも人事考課に加点されるような制度とか、もう既に進んでいるところもあるかもしれませんが、こうした具体的なことを発信していくということが必要であると思いますし、中堅、中小企業は、まず育児休業が取得できるような仕事の明確化と支援、また、リモートワークの充実というのが必要ですし、現場のある仕事の方は、その人の業務が途切れないためのリスキリングや、仕事を離れる期間の情報共有と、きめ細かい具体的な活動を充実させることが待たれているかと思います。

ここで、16ページでしたでしょうか。こうしたことを見える化しましょうということもまとめていただきましたが、特に上場企業では、くるみん、えるぼしのようなことを表現されて、これはマーケットに対しても効果を発揮していると思いますが、有価証券報告書に書いたり、入札のとき等の加点になったりするのみならず、取れた理由が何だったかや、独自性、オリジナリティーは何かということの具体的な内容を公表していくことが効いてくるかなと思います。

そして、同時に、当事者において、特に女性の中には、少子化対策に対して、これ以上の無理を私たちに強いるのかという受け止め方をされている方も少なくないという現実があります。女性のライフプランにおいて、出産や育児をどう位置づけ、考えていくかというのを個人の視点で描いて、心配や不安という、このような要素を超えるような、こうしたことが世の中に多く発信されていますので、これを超えて、具体的にこどものいるスライス・オブ・ライフを共有して、世の中、社会の気分を変えていくということに注力すべきかなと思います。

最後1点は、4ページ目やほかにも、社会整備のコンパクトなまちづくりがありますが、人口減少や災害リスクを踏まえたコンパクトなまちづくりというのは非常に有効で大切なことですし、推進されているところですが、やはりコンパクトに加えて、ネットワークの担保というのはすごく重要であると思います。大規模な災害は、今、地域で起きていますし、日常交通の確保ですとか、高齢者の方々のウェルビーイング等にも寄与するような必要なリダンダンシーの担保というのは不可欠かなと考えます。

以上、よろしくお願いいたします。

増田分科会長代理それでは、また、こちらの会場のほうに戻したいと思います。

河村委員、続いて御発言お願いします。

河村委員御指名ありがとうございます。私からは、少子化のところ、それから地方財政、教育について、少し意見を言わせていただければと思います。

まず少子化のところですが、国の歳出を使って、お金を使ってできることはやはり限りがあるとは思うのですが、そうした中で、社会の意識を変えていくためにいろいろな取組をという辺りを指摘していただいていて、これは大変良いことではないのかなと思っております。14ページの辺りとか、例えば時短勤務が選択しやすくなるようにという話も出ていて、私の職場は割とそうしたことが早くから入っていたところだったので、そうしたものを使いながらやってこられたというところがありますので、是非やはりこうしたところを推進してと思いますが、ただ、振り返って思うと、このページで書いてあることは、要するに、時短勤務を選択して、収入が減ってしまうことになってしまうから、時短勤務を避けてしまうことにならないようにということで、給付を創設と書いてあるのですが、これを使わない理由というのは、お金の問題ももちろんあるのですが、それだけなのかなと。私も、もうこどもはみんな社会人なのですが、やはりいろいろな思いを、いろいろなことを経験しながらこれまでやってきたところがありますので、是非世の中の意識を変えていくというところに力を入れていただけると良いかなと思います。

20ページの辺りで、男女間の差別云々の問題だけではないということで、やはり雇用の問題というのがあると思います。いろいろ非正規の問題、女性だけの問題ではもちろんないのですが、同一労働同一賃金というところを是非推進していただきたい。諸外国の例を見ると、最低賃金というのを時給ベースだけではなくて、週ベースとか年収ベースでちゃんと入れるということにして、やはり企業の側にもしっかり責任を果たしていただいて、社会的な格差が広がらないようにとしている国もあるということを聞きますし、そうしたことを参考にしながらやっていくのも一つ良いのではないかなと思います。

それから、24ページの辺り、少子化対策のための財源のところ、今、非常にいろいろ議論になっていて、社会保険か、それとも消費税かという話も出ていますが、もう少し幅広く考えてもよいのではないかと思います。現役世代の負担があまり重くなり過ぎてはということももちろんありますし、ただ、消費税にすると、逆進性の問題もあって、やはりこれ以上なかなか厳しいのではないかなというところもありますので、やはりもう少し視野を広く取って、資産課税の部分というか、相続税であるとか、それから、贈与税のところも随分特例がずっと続けられているところがあります。ある意味では、いわゆる富裕層の方々の、御自分のお子さんとか、お孫さんとか、御自分の御家族の中での次の世代の対策ということにはなるのでしょうが、もう少し目を広く持って、社会全体に貢献していただく、この国全体の次世代のことを考えていただくということで、そうした財源のことも考えてもよいのではないかなと思いました。

次に、地方財政のところなのですが、冒頭の4ページのところでも御指摘いただいていますが、財源の多寡、自前の税収の多寡によって、いろいろ行政サービスに差がついてしまうというのはあまりよくないと、本当におっしゃるとおりであると思うのですが、現実には、これまでの動きを見ても、例えばこどもの医療費助成とか、私立高校に行くときの助成とか、正直言って、表立って言わないが、お金が有り余って困っているような東京都のようなところが先にやると、周りの自治体も苦しい中で続けてやらざるを得ないのです。そうした流れになってしまった政策というのがいくつもあったと思います。ですから、税源の偏在の是正というのをしっかり取り組んでいくことが必要で、榊原前会長が先ほどおっしゃってくださったように、財審の場でも、歳出のことがメインなのでしょうが、今回のように、歳入のところまで言及して、資料のところもいろいろお作りくださったところが何か所もあって、是非そうした意味でも議論していけば良いのではないかなと思います。

やはり法人課税を地方税に持ってくるというのは、どうしたってやはり偏在が出る。さっき上村先生もおっしゃっていましたが、海外を見ても、連邦制の国では地方でその法人課税を持っているところ、地方に振り向けているところ、ドイツとかありますが、ほかの国ではあまりないのです。法人課税はやはり国税ということで歳入に入れてということでやっている国が多いと思いますので、そうした意味でも、少し考えてもよいのではないか。

弊社でも、私のチームで一緒に仕事している研究員が同じ問題意識で考えたときに、例えば国と地方の歳入の金額全体は中立になるように、法人事業税を国に持ってくる一方で、いわゆる個人の所得課税の部分をもう少し地方に移すという形で改革ができるのではないかというリサーチをやったりしていることもありますので、是非そうした選択肢も視野に入れてお考えいただけると良いかなと思います。

最後に、教育のところですが、これは先ほど松本課長がここに書いていないことについても意見を言ってもよいとおっしゃってくださったので申し上げたいのですが、今回の少子化のところのテーマは、少子化が進展する中での教育の質の向上ということで、本当にここで扱ってくださった話、すごく大事なことばかりです。そこをどうのと言うつもりは全然ないのですが、話が義務教育のところだけになってしまっていて、是非やはり、この観点から高等教育のところも議論していただきたい。考えていかなければいけないと思います。

この国ですごく大学進学率、上がりましたよね。ただ、定員を見たときにどうなのか。本当にこれだけ少子化が進んでいるのに、それこそトップクラスの国立大学を見ても、定員が全然変わっていないのです。そうした中で、国全体として、高等教育の質が本当に維持できているのかという疑問が非常にあると思います。

少し前ですが、私がいろいろリサーチのペーパーを書くときに調べて、OECDのEducation at a Glanceという統計の2018年版に、大学卒業者がどれほどの水準の所得を得ているかという統計を比較したのがあって、大学を出ていながら、大卒のレベルの給料をもらえているのが、日本の場合であると58.5%というのです。これは実はOECDの加盟国の中で最低であると。OECD平均が74.9%、これに対して、大学を出ているのに高卒レベルの給料しかもらえていない人というのが、日本は29.1%で一番多いのです。OECD平均は14.5%です。だから、こうしたことを見ると、今、奨学金を返せないということが問題になって、次々と、足りないなら、お金つけて、お金つけて、そちらのほうにばかり政策が行っています。それも大事ですが、それよりも、やはりしかるべき教育を受けたら、しかるべく、ちゃんとエンプロイアビリティを獲得して稼げるようにならなければいけないのに、教育の質というのが確保できているのかどうか。

それはこの少子化が進む中での定員の設定の問題もありますし、それから、日本の場合、教育の質の評価というのが全然できていないです。ほかの国はもっとそうしたところ、シビアな指標とか全部を公表して、ガンガン競争させている国もあります。男性も女性もないと思いますので、そうしたところをもっと、少子化の中での教育の質の向上ということであれば、是非高等教育の部分も考えていただければと思っています。

以上です。

増田分科会長代理それでは、広瀬委員、どうぞお願いします。

広瀬委員ありがとうございました。2点申し上げたいと思います。

少子化、人口減少がすごい勢いで進んでいるわけですが、人口減自体はもうこれは所与のものとして、むしろ前向きにこれを捉えていったほうが良いのではないかなと思います。真逆なことが戦後あったわけですが、例のベビーブーム、それから、急激な人口増加ということで、当時、ある意味で非常に悲惨な状況で、例えば小学校も60人、70人というクラス、それから、午前、午後の二部とか、その固まりをどうすれば良いのかと、当時の方は相当苦労されたと聞いております。

今は逆に、個々を大事にしよう。その延長として、多様性も大事にしよう。これはもうそうした面では、当時は固まりでしか見られなかったのですが、現在は一人一人と、こうした発想になったということ自体は非常に前向きに受け止められるのではないかなと。

念のために申し上げますと、私は団塊の世代ではございませんで、その次の、もう少し新しい世代ですが、そうした面で、時代に合わせて発想の転換、例えばGNPなどもどうしても、国のGNPというのをずっとやってきたわけですが、これはもう当然のことながら、どんどんほかの国に比べると落ちてくると。問題はむしろ一人当たりのGNPをこれからもう少し注目しなくてはいけないと思うのですが、その肝腎の一人当たりのGNPがもう二十何位になっていると。そちらのほうが非常に問題で、インドに抜かれるとかそうした点はもうあまり気にする必要はないのですが、これは仕方がないと。むしろ一人当たりのGNPに視点を当てたほうが良いのではないかなと思っています。

ただ、いずれにしても、これだけ急激に進む少子化ですから、経済に与えるインパクトは非常に大きいので、これは徹底的な少子化対策をやっていただきたいと思います。そのときの財源ですが、これについては徹底した歳出改革、あるいは持続的な経済成長を通じた税収増、これが先決ではないかなと思います。

社会保険料につきましては、皆様おっしゃっているとおり、保険料率の上昇と現役世代の可処分所得の減少が非常にマイナスに効いてきますが、さらに言うと、中小企業、今、賃上げを一生懸命やっている中小企業もありますが、そうしたモメンタムに水を差すようなことにもなりかねないので、これは是非慎重に考えていただきたいと思っています。

2点目は、社会インフラでございます。これは一つの側面としては、コスト、それから、もう一つの側面としては、将来への投資ということになると思うのですが、そうなると当然、その費用対効果、どのようなところにお金を使うと一番効率的で効果が一番高いのか。これは従来ずっとそのようなことでやってきていただいていると思いますが、これからはもっとそこをシビアにしていく必要があるのではないかなと。効果というのは、もちろんレジリエンスそのものに対する効果もありますが、同時に、地域を活性化するとか雇用にどうとか、そうした幅広い効果ということになると思うので、是非そうした費用対効果をギシギシとやっていく必要があるのではないかなと。

特に日本の場合にはこれまでインフラを相当整備していますから、既存のインフラをまずどう活用していくか。今、日本はどうしても、欧米に比べると、古いものをもう1回という発想はないのですが、それはもう少し考え方を改めてもよいのではないかなと思っています。既存のインフラをどうやって有効活用しながらレベルを維持していくか。そうした発想で社会インフラの整備をこれからも図っていただきたいと思っています。

以上でございます。

増田分科会長代理それでは、末澤委員、どうぞお願いします。

末澤委員どうもありがとうございました。私からは、人口減少と少子化対策、また、教育その他ということで、3点申し上げたいと思います。

1ページを開けていただきたいのですが、左の下のグラフ、これは今週26日に国立社会保障・人口問題研究所が出した、日本の将来推計人口、2023年推計ということですが、このグラフの下に書いていますように、2056年に1億人を割り込むということで、これは実は前回2017年のときは、これは2053年でしたから、3年、後ろ倒しになったと、良い話ということですが、実は私、今回のこの推計を見て、一言思ったのは、もう完全に外国人頼みであると。なぜかというと、日本人の人口で見ると1億人を割るのが、前回が2049年だったのですが、今回、2048年になっているのです。合計特殊出生率は下がりました。1.4から1.36。これも実は外国人頼みでございまして、総人口ベースであると、今回の推計でいくと、合計特殊出生率は、昨年、2022年に1.25に下がり、今年は何と1.23に下がる。最終的に、2070年に1.36に上がるという推計になっているのですが、これを日本人女性に限ると、実は昨年が1.23、今年が1.20で、2070年の段階でも1.2853、つまり、これは一度も1.3に戻らないという試算になったのです。

そうすると何が起こるかですが、この総人口に占める外国人の比率、これは報道にありましたように、2020年段階で2.2だったのが2070年に10.8、5倍になる。9人に一人が外国人と日経新聞は書いていますが、よく見ると、実はこれは年代によって偏りがあります。具体的に申し上げると、26歳から35歳というのは、18から19です。つまり、若い人が入ってくるという前提になっているのです。ですから、30歳前後は、もう2割が外国人。当然、これは地域の偏りがありますから、地域によっては4割、5割というところも出てくるわけです。

今、ヨーロッパの外国人比率は、平均すると大体10%です。ただ、ヨーロッパの場合は、外国で生まれて自国民になった方が10%ぐらいいらっしゃるので、全体で2割ですが、2070年には今のヨーロッパ、ここ数年、移民、難民問題で揺れたヨーロッパに近くなると。ですから、この推計が別に良い、悪い、妥当とかどうではなく、仮にそうなるとすると、相当長期的な戦略と準備をしておかないと、我が国も大混乱が起きる可能性があるということを考えておく必要があるということです。

2点目は少子化対策ですが、では、どうやったら日本人の女性に産んでいただけるお子さんの数が増えるのかということで、今回、7ページ、8ページに、特に8ページに、先ほど課長からも御紹介ありましたように、実は女性の社会進出度といいますか、労働参加率が上がると、むしろ出生率が上がる。最近、そうした統計になっているという御紹介がありました。私も実は毎年、WEF、世界経済フォーラムがグローバルジェンダーギャップ指数というのを出すのですが、これを使って、合計特殊出生率とプロットしたグラフをいつもつくっておりまして、10年ほど続けているのですが、大体言えるのは、縦軸に合計特殊出生率、横軸に政治指数、つまり、政治における社会進出、女性の社会進出を取ると、平仮名の「し」、「し」カーブになります。つまり、発展途上国などでは、女性の社会的地位は低いが、出生率も高い。これはだんだん下がりまして、一番底が、今であると、0.78の韓国、また、日本、ロシア。これからイギリス、アメリカ、フランス、北欧まで上がってくるのです。つまり、やはり女性が普通に我が国で活躍できるような環境をつくることが、実は遠回りかもしれないが、長期的な出生率の引上げには、私は絶対必要ではないかということでございます。

3点目です。これは58ページです。教育のところです。これは教育に限る話ではないので、毎回申し上げていることですが、要は、児童生徒数が減っているが、教員の定数は減っていませんと。だが、今、教育の現場もブラック化して、私の娘は教員免許を取得しましたが、教員試験を全然受けていないのですが、要は、もうなかなか人が集まらないということなのです。これはある面、当然なのですよね。どのようなことかと言うと、日本はどんどん人口ボーナスから人口オーナスになっている。要するに、規模の利益が規模の損失になってきているわけです。つまり、学校の規模が変わらないと、これはどんどん手間がかかって、おそらく、管理職の数と一緒ですから、もう回らない。これからこの定員を下げていくとなると、これはもっと大変になると思います。

今週辺りもNHKで相当やっていましたが、もう本当に大変であるという話が起きていまして、要は、これは社会資本整備でも農業でも全てに言えることで、つまり、規模の損失、規模の不利益になってくるわけですから、少子高齢化の中では三つ、これは三種の神器と私が勝手に言っているのですが、一つは、統廃合です。集約と言ってもよいかもしれません。二つ目がICT化です。三つ目が、これは民間へのアウトソーシング。この三つを進めないと、これは立ち行きませんということを、これは毎回同じですが、申し上げて、以上とさせていただきます。ありがとうございました。

増田分科会長代理それでは、小黒委員、どうぞお願いします。

小黒委員ありがとうございます。私は、資料の21ページの関係で、質問とコメントをいくつかさせていただきます。現在の政権は、少子化対策に力を入れているわけですが、財源については、既に何人かの委員の先生から出ておりますが、私も国債以外の財源か、あるいは歳出改革でしっかり賄ってほしいと思います。

この資料の中でも理論的に整理したほうが良いのかと思うところがいくつかございます。というのは、この21ページ以外も含めてです。例えば東京一極集中の是正ということとか、また、先ほど、都市のコンパクトシティというような話もありましたが、成長を促進する意味では、やはり人口密度の維持や向上が非常に重要ということであると思います。人口密度を高めると、しかしながら、例えば出生率が下がるというような見かけ上のトレードオフのようなことも観測できるということもあります。

では、このときに、トレードオフの問題をどう考えれば良いかということで、都市と出生率の関係で興味深い試算を少し紹介させていただければと思います。これがまず、1点目です。

例えば、2021年の全国の合計特殊出生率ですが、これは1.3です。他方、東京都は1.13程度になります。東京都以外にもいくつかの地域がありますが、東京以外を全部一つにまとめた場合に加重平均したとき、合計特殊出生率の値がどうなるかを考えます。加重平均というのは、20歳から44歳の出産可能な女性の方々、日本全体で大体1,700万人いますが、東京が大体235万人で、東京以外が大体1,465万人です。この比率から、東京以外の合計特殊出生率が平均的にいくつなのかと出しますと、大体1.327という値になります。この値が意味するのは、もし地域別に出生率が決まっていた場合に、これは仮定の計算なので現実的にあり得ないですが、東京都を完全に消滅させた場合に出生率がいくつ上がるのかというのを計算しますと、もともとの値は1.3ですから、これが1.327に上昇するのは確かですが、出生率は僅か0.027ポイントぐらいしか上がらないという形になります。

またもう一つ重要なのは、例えば札幌市の中央区の出生率は0.98なのですが、東京都の中央区は1.39、これは平成25年から29年の平均です。それから、千代田区も1.28あるということを考えると、必ずしも、人口密度が高いから出生率が低いとは限らない。むしろ、子育てしやすい都市構造をどうつくっていくかということのほうが重要ということであると思います。

それから2点目は、財政との関係で、家族関係支出(対GDP比)ですが、21ページにございますように、OECDの平均を取りますと大体2%ぐらいになっています。他方、日本はこちらにありますように、対GDP比で1.7%程度の値になっています。ですが、注意が必要な視点があります。この資料には載っておりませんが、女性の社会進出が進んでいて、子育て関係、それから、いろいろな支援が行き届いている、福祉国家のモデルであるフィンランドの家族関係支出(対GDP比)が2020年度でいくらになっているかというのを計算しますと、大体4%ぐらいになります。これは日本の大体2倍強の家族関係支出(対GDP比)になっています。にもかかわらず、では、フィンランドの出生率が現在どれぐらいになっているかといいますと、リーマンショック前までは1.8ぐらい高い値があったのですが、最近はもう1.37%ぐらいまで落ちています。これは2020年の値ですが、こうしたことを考えますと、必ずしも、子育て支援の予算を倍増したとしても、出生率は上がらないという可能性があるということもよく念頭に置く必要があるということではないかと思います。

この関係で少し気がかりになるのは、4月26日に経済財政諮問会議が公表した資料です。少し話題となり、報道もございましたが、対GDP比で1%ポイントくらい、家族関係支出を増やしたときに、一つのシナリオとしては、1.3の出生率が約40年間かけて1.4になるというような試算になっています。この前提で、2060年に、人口がどれぐらい増えるのかということで、最大180万人という試算になっております。

そうしますと、では、どのようなことが起こっているかといえば、1%ポイント対GDP比で、家族関係支出を増やすということは、年間5兆円増やすということになります。これを大体40年間ぐらい継続するということになりますと、これは200兆円ぐらいの財政的な資源を突っ込むことを意味します。試算では、その結果として180万人増えるということですが、一人の人口を増やすのにいくらの資源を投下しているのかということを考えると、これは1億円強、使っているということになりますので、これは本当に効果に見合った対策なのかということも中身を検証する必要があるのではないかと思います。

それから、3点目ですが、何かヒントがあるのかということで、こちらも興味深い試算を少し提供させていただければと思います。日本の場合は、婚外子が少なくて、2%ぐらいです。これは過去あまり変わっていなくて、例えば1940年も、婚外子は4%ぐらいしかおりません。そう考えますと、日本では、合計特殊出生率は「婚姻率」(結婚する人々の割合)と「有配偶出生数」(結婚する夫婦がどれぐらい子どもを持つかという値)を掛け算したものに概ね一致するということになります。この近似式の「婚姻率」は「1-生涯未婚率」ですが、この式から導ける生涯未婚率が大体32%となり、婚姻率が大体68%になります。また、有配偶出生数は1970年ぐらいからあまり変わっておらず、概ね2です。厳密には、2021年の有配偶出生数は大体1.9ですが、いま申し上げた近似式から、出生率の値が導けます。つまり、婚姻率が0.68で、有配偶出生数1.9を掛けて、2021年の合計特殊出生率が概ね1.3と計算できます。

では、過去、例えば1940年がどうだったかといいますと、有配偶出生数が御存じのとおり非常に高くて、このときは4.27ございました。生涯未婚率が大体6%で、それで合計特殊出生率が大体4ぐらいになっているということです。

では、婚姻率と有配偶出生数の低下が両方来ているわけですが、どちらが要因として効いているかというのを計算しますと、大体3割が婚姻率低下の影響で、残りの7割が有配偶出生数の低下です。これは1940年と比較ですが、大体それぐらいの値になります。そう考えますと、これは今、有配偶出生数の推移から明らかですが、1970年あたりから、結婚すれば女性はほぼ二人のこどもを産んでいるわけです。このような事実を前提として、婚姻率を引き上げるような政策と、有配偶出生数を引き上げる政策と、仮にどちらかしか選択できないということを考えた場合に、どちらに力を入れたほうが合計特殊出生率が上がるかということは簡単に計算できます。例えば、後者の政策に資源を集中して、有配偶出生数が2から3に上がりますと、例えば婚姻率が0.68のままでも、要するに、68%のままでも、合計特殊出生率は1.84まで引き上がります。

他方で、生涯未婚率が今、32%ぐらいで、婚姻率が68%ですが、これが改善しまして、婚姻率が、要するに、80%ぐらいになったとします。そのときでも、有配偶出生率が1.9のままですと、合計特殊出生率を計算しますと大体1.52という値になります。

そう考えますと、これは第3子とか、要するに、今、結婚している方々に追加でどれぐらい産んでもらえるのかということが、いかに重要かということが分かります。現在、少子化対策とそれ以外の子育て支援などの区別が十分になされず、いろいろな手当を拡充しようとしているのも気になります。岸田首相の判断で、昨年12月に出産育児一時金というのを42万円から50万円に増やしましたが、例えば、この延長で、生まれたときだけ、しかも第3子以降だけ、例えば累進型で支援するという政策とか、さらに少し角度をつけて行うとなれば、資源も効率的に利用できると思います。しかも、もし第3子以降の出生数が増えなければ、追加の予算はあまり出ていかないという視点も重要で、もう少し考えた政策というのも今後検討していく余地があるのではないかなと思います。

以上でございます。

増田分科会長代理それでは、遠藤委員、お願いします。

遠藤委員 〕まず出生率の低下について、女性が働くようになって経済的に自立して結婚が遅れるから出生率が低いのであるという文脈があります。大企業の経営層とか、政治家の方々とか、表舞台ではおっしゃらないのですが、お酒が入るとそうした本音がこぼれるということをよく経験します。女性参加率が高いほど出生率が高いということが、社会に浸透しきっていないと思いますので、声高に言い続けていかなくてはならないと思います。企業サイドも女性の賃金の引上げが出生率につながるということを意識して取り組んでいただきたいと思います。

育児休業の取得が進まない理由について、先ほど土居先生がおっしゃったのですが、もちろんお金の問題もあるのですが、やはりキャリアの途絶が大きいと思われます。復帰したときに元のポジションに戻れないということが、働いている女性たちが出産を諦めるという選択をする一つの大きな原因になっているということを、我々の世代だけではなくて、もっと若い人たちの意見を聞いても思わされることが非常に多いです。ですので、制度と実際のオペレーションのところが、お金だけではなくて、整うことが非常に重要なのかと思います。

男性の意識を一番変えるためには、制度上で何ができるかというと、やはり配偶者控除と、第3号被保険者制度の撤廃です。ずっと懸案事項として議論されていますが、いよいよ異次元の少子化対策を唱えているのですから、これも変えていくべきでしょう。世帯収入の面でも、女性が130万円を超えて働いた方が良いのだけれど、それは主人が嫁を働かせているように見えるから企業に言い出しにくいとか、そうした声があるということを鑑みて、そうした制度改革に取り組んでいただきたいと思います。

財源の話につきましては、何人もおっしゃられましたが、全世代型で実現していく、負担していく。それも将来世代への先送りではないと考えたときには、どう考えても消費税なわけです。社会保障を目的としているというものですから、それを使っていく必要があって、経団連から提言は出ましたが、そうした声がもっと財務省からも上がるべきではないでしょうか。消費税を排除して財源を検討していくというのはあまりよろしくないのではないかと思った次第です。

これはさっき末澤委員がおっしゃられたのですが、やはり人口問題研究所の数字はインパクトがありまして、中でも外国人頼みの数字の予測になっているということをインパクトを持って受け入れました。今、入管法の改正が議論されていて、在留資格を与える、与えないということで、世の中がざわざわしていますが、更に外国人を受け入れていくのか、いかないのかということについては、もう少し国民の議論が必要だろうと思います。

国民の議論が必要であるということにおいては、ICTの活用や一人当たりのGNPという御指摘が広瀬委員からございましたが、省力化の技術、イノベーションをどう使っていくのか、もしかすると、むしろ人口が少ないということがGNPを引き上げる転換点を迎える可能性もあるので、技術論も含めて、議論が必要であると思った次第です。

最後、教員不足の件ですが、教員が少ない、足りないとかねてより指摘されていますが、教員の業務も多様化しており、どのような業務が足りないのかブレークダウンすることを考えていかなくてはならないと思います。

大学教員は、実は免許が要らないではないですか。免許がなくても従事できるような内容の仕事には、例えば採用側が面接したり、試験したりする採用枠のようなものも柔軟に考えていく必要があるのではないかと思った次第でございます。

以上でございます。

増田分科会長代理ここからテレビ会議システムのほうに移りまして、次の4名の方、福田委員、堀委員、それから、小林委員、平野委員、4名の方に発言していただきます。会場のほう、まだ4名の方、いらっしゃいますので、都合8名の方に御発言をこれからいただきます。

それでは福田委員、どうぞ御発言ください。

福田委員既に多くの方が非常に重要な御意見をおっしゃっていますので、私は手短にお話しさせていただきたいと思います、少子化対策、待ったなしというのは私も全くそのとおりですし、事務局が提示された方向性はそのとおりであると思います。ただ、そうしたものを考える場合に、財源の問題もあれですが、効果検証を非常に丁寧にやっていって、本当に効果のあるものは何かということをきちっと検証していくということが大事なのだろうと思います。

足もと、出生率、残念ながら反転して、せっかく反転していたのが下がっているわけですが、取組、不十分でありながらもやっているのだけれど、下がってしまったという事実はあって、やはり効果のある対策と、効果のない対策というのはあるのだろうとは思います。

また、検証もやはりきめ細やかにやる必要があるのではないかと思います。例えば女性の労働参加率と出生率は、むしろ正の相関があるというエビデンス自体は、私も非常に面白いエビデンスだったとは思いますが、都市部と地方でかなり事情が違っているのではないかとは思います。都市部は非常に核家族化が進んでいる中での関係ということになりますが、地方になると、やはり3世代で一緒に住んでいるというケースも非常にあって、有名なのは福井モデルと言われているものですが、福井県などは3世代同居が多くて、かつ、奥様の御両親と住んでいるケースで、働いているが、出生率も非常に高いというエビデンスも提示されています。そうした意味では検証も非常に丁寧にしていくということが大事であると思います。

また、地方も、ひとまとめにするというのもかなり乱暴なやり方、東京以外は全部地方で一緒というような言い方をするのも少し乱暴で、例えば北陸新幹線ができて、石川県への観光客、必ずしも増えていないのではないか。そのとおりであるとは思うのですが、石川県の中でもやはり増えているところとそうではないところの差というのは非常にあって、金沢市への、石川県なら石川県の中での一極集中のようなものが起こっている。そうしたものも丁寧に検証して、より効果のある少子化対策をやっていくということを望みたいと思います。

私からは以上です。

増田分科会長代理それでは、堀委員、どうぞお願いします。

堀委員ありがとうございます。皆様からの意見もありましたが、縦割りでなく、横串でしか見えないところを今回資料で見せていただいて、本当にありがたかったと思います。

4ページに記載されていますが、既に人口減少も進行しておりますし、本日の議論でも外国人労働者をどうするのかということも議論が必要になってくるかと思いますが、多少、出生率が反転したとしても効果が出るのには時間がかかりますので、ある程度の人口減少を前提とした持続可能な地域社会の在り方をデザインするという意見に対しては賛同いたします。

また、出産可能な女性の人口が既に大幅に減少していますので、合計特殊出生率が上がったとしても、すぐに出生数が大幅に増えることはありません。この人口の課題というのは、実はもう明治からの大きな人口動態の変容に伴うものですので、すぐに即効性を求めるというのはかなり難しいと思いますが、中長期的に考えていく必要があると思います。

ただ、そうは言いましても、コロナで日本は深刻化したということもありますので、総額ではなく、一人当たりで見たときの支出をいかにワイズ・スペンディングにしていくのかという視点が重要なのではないかと思っています。生活関連サービスのインフラが維持できるように、コンパクトシティの推進、また、公的設備の集約化、DXといった、これまでのやり方ではない、新しい提供体制の在り方というものを整備していく必要があると思いますし、また、投入した支出が本当に賢いものであったのかどうかを、これも何度もこれまでもお話ししていますが、PDCAを回すための指標を設定していくことが非常に重要であると思っています。

少子化総論につきましても基本的な認識は共有しておりますが、9ページにあるように、女性のキャリアと家庭の両立性が出生率の向上の背景要因にあるということは賛同いたします。

細かく見るといろいろあるのですが、基本的にはこの認識で良いと思うのですが、17ページの日本の都道府県データでやってみても恐らく同様の結果が示されているのですが、先ほど、小黒委員だったか、東京は1.3というお話がありましたが、こちらの資料では極端に東京が、たしか1.08ですか、非常に低くなっていて、一方で、沖縄が1.8となっています。ここの二つの都道府県を外れ値として外せば、かなり海外にも近いデータになってくるのではないかと思いますし、先ほど福田委員がおっしゃっていたように、日本の場合ですと、3世代同居であるとか、あるいは持家率もかなり関係すると言われていますので、地方の場合と東京の場合では、同じ出生率と言っても取り巻く環境などの状況が違うのではないかと思います。

また、今言った特殊性もありますので、東京一極集中についてですがこのまま東京が育児の現金給付を充実化させてしまうのは、その効果などの検証も必要ですが、全体としての格差を拡大することになると思いますので、これは是正が必要ではないかと思います。

また、少子化対策について、メッセージが非常に難しいと思うのですが、単純に産めや増やせのような形になってしまっても、若い人たちは反応しないと思いますし、制度的な対応だけでなく、こちらの資料に丁寧に挙げられていると思いますが、父親の参画、ワンオペの解消あるいは意識改革というのも非常に重要であると思います。これは政策的対応だけではなく、民間企業あるいは教育の役割が大きいと思っています。

また、先ほど、遠回りかもしれないがという話がありましたが、グローバルジェンダーギャップの議論もありましたが、日本はOECDでもかなり低いので、そうしたことも少しずつ改善していくということも重要であると思っています。

また、人口減少による労働力不足は深刻になるということは、もうこれも明白ですので、いずれにしても女性の就労参加は必要、高齢者も含めて必要であると思うのですが、非正規の被用者保険の適用拡大と同時に、配偶者控除の見直しも個人的には重要ではないかと思います。また、正規と非正規間の不合理な処遇の格差の是正、同一労働同一賃金も上げられていましたが、恐らく全体として人口が減る中で、働き方改革の推進が中長期的に最も重要であると思います。育児休業取得に関しては、私の職場でもそうだったのですが、育児休業を取得される方がいると、その分、補充されるわけではないので、人手不足感が増えていく要因でもありますので、育児休業取得を男女問わずとりやすくするためにも、業務を賄えるような業務そのものの見直し、効率化を伴う働き方改革が必要ではないかと思います。

ただ、それをすぐこの忙しい現場でできるかというと、なかなか難しいところもありますので、そのためにもリスキリングが必要であると思います。リスキリングができるような労働市場の環境整備が必要であると思います。主体的に学び直し、より高い賃金が得られるような職務にできるようにライフコースを通じて、働き方の見直しができるような、リフレッシュ休暇ではないですが、リスキリングができるような、そうした制度ができると、性別やこどもの有無にかかわらず、要は、育児する人だけが育児休業するわけではなく、誰もがリスキリングのために休めるようになると、恐らく休みにくいとかそうしたこともなくなるでしょうし、業務の内容も必然的に見直せざるを得ないと思いますので、柔軟な労働市場と社会保障をセットで、少子化対策を進めている北欧の事例などもありますが、そうしたものも参考になるのではないかと思います。

最後に、少子化総論、まとめ全体に賛同しているのですが、今回、多くの委員からもありましたが、歳出改革と同時に歳入改革は非常に重要であると思います。財源を子育て世代に、全世代だけで負担するのではなく、国債で負担するのでもなく、消費税も含めて、全世代で公平な立場で負担できるような議論が必要であると思います。

すみません。最後にもう1点だけ。雇用、教育について、これも何度も言っていると思うのですが、定数に応じての教員の量を画一的に増やすことを政策目標とするのはやはりどうかと思いますので、教育の業務、働き方、処遇、それから、業務の内容や、地域によっても、定員というのは同じものでなくてもよいと思いますので、それによって優秀な人材が教員という仕事に魅力を感じるようになる可能性もあると思いますし、少子化に対応した新しい人材が育成できるのではないかと思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、小林委員、お願いします。

小林委員資料から若干外れるかもしれませんが、少子化の話と、それから、東京一極集中の問題、これについて言いたいと思います。

まず少子化総論、少し外れるかもしれませんが、人口減少下の社会保障制度についても少し考えるべきであると思います。長期的に人口が減少すると、人口が減少し続けるということを前提にした社会保障制度を構想しないといけないと思います。例えば、年金制度について考えれば、人口減少社会では、賦課方式でなくて、積立て方式が最適となる。これは割とよく知られていることであると思います。

実はこれと同じことが高齢者医療の医療費についてもおそらく言えると思うのです。人口減少社会では、要するに、自分が若いときに支払った保険料を高齢期に取り崩すというようなタイプの積立型の制度設計が、本来は社会厚生を最大にしてくれる、改善してくれるということがおそらく、理論的に示せる。これは異時点間の資源の分配という問題なので、これは年金と実は同じ構造になっているということであると思います。ですので、これから100年、人口減少が続いていくかもしれないということを考えますと、年金にせよ、健康保険にせよ、積立型に近い制度設計を考えていく必要があるのではないかということが1点目です。

ちなみに、少子化対策についての財源の問題ということですが、これも多くの方々が言っているとおりですが、私も、財源は基本的に税を中心に安定的な財源を調達すべきであるということを考えますし、税財源の整備に時間がかかるとすれば、というか、時間がかかると見込まれるので、その間はやはり税制改正の計画をしっかり立てた上で、一時的なつなぎとしての国債発行を認める、こうしたような形で現実的な財源の整備というものを目指すべきであると思います。これが1点目です。

2点目、東京一極集中と地方財政の問題ですが、これも人口減少が続いていく、長期的に続く社会の中で、限られた地域に人口や資源が集中するということは、国際的な競争力を高める、維持するためにも、社会の活力を維持するためにも、ある程度必要だろうと思います。そうした意味で、地方のインフラ整備もメリハリをつけるということが必要である。そのためには、地方債の利回りに、その地域の将来性、あるいは将来の展望が反映されるようにすることが非常に効果的だろうと思います。これで思い出すのは、20年ほど前に、構造改革の議論の中で、地方自治体の倒産制度についての議論があったと思います。つまり、地方債の債務不履行の可能性を明記するような、そうした債務不履行の制度が議論になったということがあったと思います。地方債の債務不履行が実際の可能性として出てくれば、地方債の利回りに適切にリスクや将来性が反映されるということになりますので、これは資源配分を効率化する、あるいは自治体の合併を促して、人口減少に合わせて、行政区域の大きさを適正化するというような動きを円滑にしていくという効果もあるのではないかと思います。そうした意味で、こうした地方自治体の倒産制度のようなものも、やや大きな話ですが、改めて検討する意義というのが出てきているのではないかと、このように考えております。

私からは以上でございます。

増田分科会長代理それでは、平野委員、どうぞお願いします。

平野委員ありがとうございます。今日は論点が多いですが、2点に絞って申し上げます。

1点目、先ほどから話題になっている少子化についてです。少子化に関しては社会全体で子育ての環境を整えるとともに、子育て世代の将来不安を払拭する、これがポイントであると私も思います。そのために国がやるべきこと、企業がやるべきこと、地域社会や家族がやるべきことをそれぞれ分けて考える必要があるのではないか思います。

国がやることに関しては、バラマキを回避するためにも、先ほど小黒さんが詳しくご指摘されていた政策立案時のEBPMの徹底と、福田さんがおっしゃっていた長期的な効果検証が不可欠です。効果的な政策が分からない中でも少子化対策に取り組まなければいけないので、効果検証が必要ということです。

その上で、国がやるべきは所得の再分配であると思っています。有期雇用等労働者への雇用保険の適用拡大や積極的労働市場政策といった、新たなセーフティーネットの構築が、安定的な所得を得られないために結婚できない、あるいは望んでもこどもが持てないといった現在の深刻な問題への対処として有効であると思います。

児童手当に関しては、日本は、OECD平均に比べて、こどもを持つ一定の低所得層に対する負担軽減策が不十分であるという統計があります。そうした層を中心に、所得に応じた支援を行うべきです。

財源に関しては、皆様がおっしゃっているとおり、歳出改革が必要です。特に社会保障領域内での、とりわけ医療を中心とするシニア偏重の給付の見直しや明らかな無駄の排除を行うべきです。しかし、それだけでは賄い切れない部分が必ず出てきます。それについては、将来の社会保険の担い手を育てるという意味で社会保険を全く排除するものではありませんが、子育て支援による恩恵は社会全体に及ぶことになるので、広く負担していくという考え方の下に、税を主軸に安定的な税財源を確保すべきと思います。この場合の税は、消費税が最も望ましいと思いますが、最終的には社会保険料や、所得税、法人税も含むベストミックスに向けて知恵を絞ることが我々の使命であると思います。

また、先ほど遠藤さんや堀さんもご指摘しておりましたが、企業がやるべきことは極めて多いということも財審として示してよいと思います。非正規・正規における同一労働同一賃金の徹底、L字カーブを含む男女所得格差の解消、働き方改革や職場の意識改革を通じた男性の育児参加の促進などは、企業の持続的成長のために必要なことなので、企業は責任をもって自ら取り組むべき、ということは言うべきであると思います。

2点目、地域の問題については二つ申し上げます。

一つ目、問題の解決に向けて様々な施策を講じなければいけないわけですが、それでも人口減少は避けられないとすれば、やはり必要なのは行政サービスと社会資本のコンパクト化と効率化であると思います。地方自治の原則は尊重する必要がありますが、私は国が強力に背中を押すべきと思っています。

例えば、資料2ページで触れられている地方行政の広域連携、特に広域連合に関して言うと、域圏内でのゼロサムと捉えられてしまい、住民の抵抗を受けて頓挫することが多いわけです。これを各自治体の自主性に委ねるのではなく、国が連携対象になる自治体の目安を示したモデルを提示したり、都道府県が市町村間の調整役を積極的に引き受けるといった推進策を講じるなど、国や県が更にイニシアティブを発揮すべきであると思います。

46ページ以降で触れている社会資本のコンパクト化でも全く同様です。有効なのは明らかに集住化ですが、これもなかなか進んでいません。土地利用規制の権限移譲を受けた自治体が条例で規制を緩和して、無秩序な郊外化を招くといったケースを避けるためにも、規制的な手法と、インセンティブ・ディスインセンティブを併用して、手後れにならないうちから対策を加速すべきであると思います。

二つ目は、地域財政についてです。34ページ以降で触れられているコロナの臨時交付金のケースを見るにつけても、1,700ある日本の地方自治体の中には行政能力を疑わせるものも少なくありません。そして、それを許している現行の制度にも問題があるのではないかということを改めて痛感しました。

コロナ交付金事業に関しては、政府が自治体に今年度末までの公表を要請したことは当然であると思いますが、これにとどまらず、地方財政全体の透明化を高めるために、自治体の行政データの整備と開示が必要であると思います。デジタル技術の活用によって、地方の行政サービスの大胆な効率化を目指すとともに、データ整備と開示によって、各自治体の行政の運営実態を明らかにして、企業におけるディスクロージャーが企業経営にディシプリンを与えるのと同様に、行政の品質向上につなげていくべきであると思います。開示などをやらせると人手がかかり、自治体の負担を増やすだけだし、見る国も大変であるという声も聞きますが、それはデジタル化次第であると思っています。

以上です。

増田分科会長代理それでは、会場のほうの4名の方、最後に御発言いただきます。

木村委員からどうぞお願いします。

木村委員御説明ありがとうございました。新たな将来推計人口が出たばかりということで、今回、人口減少というのは非常にタイムリーなテーマであると思います。この人口減少の議論というのは、各委員おっしゃられたことと重なりますが、三つの観点が必要かなと考えております。一つは、人口減少をできるだけ食い止める。社会の機能を維持するためにということで、その一つが今回出ている少子化対策でしょうが、産めよ増やせよをやってもなかなか増えないので、先ほど小黒委員もおっしゃっていましたが、財政を幾らつぎ込んでも十分な効果が出ない可能性も当然あり得るわけですから、財政支出に偏らずに、資料に挙げられているように、社会意識の変革あるいは労働市場の柔軟化も進めていく必要があるとは思います。

また、人口減少対策で大事なのは、外国人の受入れです。本当に1割なのかどうか、すごく楽観的な見通しと思いますが、いずれ外国人抜きではやっていけない社会が来ると思います。既にもうそうなっていますが、その際、大事なのは、単なる安い労働力と見るのではなくて、外国人も住みやすい生活環境を整える必要があるという、これも人口減少の社会を迎えるに当たって大事な視点であると思います。

それから二つ目は、一つ目で言った少子化対策を進めることは大事ですが、これも皆様おっしゃっていますが、それはあくまで、人口減少のペースを緩やかにすることはできても、減少自体はなかなか避けられないですから、その人口減少を前提とした経済や社会を考えていくことが大事であると思います。

2015年でしたか。政府は50年後、2065年に、人口1億人を維持するという目標を掲げています。もうどなたも覚えていないかもしれませんが、まだその目標が生きているかどうか分かりませんが、今回の将来人口推計でも、将来人口推計自体が楽観的と言われているものですが、さらにその中の上位推計でも2060年代の1億人というのは無理であると出ているわけですから、こうした現実離れした目標ではなくて、きちんと現実を踏まえた将来を描いていく。あまり無理して背伸びすると無駄な財政支出につながるということで、無駄な予算を削って、それこそ前回取り上げた成長分野に重点的に投資することが大事なのではないかと思います。

その意味で、資料にある持続可能な地域社会のデザインというのは重要ですし、具体的には、これも資料にあるように、効果的、効率的な社会資本整備、あるいはコンパクトなまちづくりが急がれると思います。実際、資料でも御指摘されていますが、多額の公共投資は地域の発展につながっていないというのはそのとおりと私も考えておりまして、ならば、この当初予算、公共事業費は毎年度、6兆円前後で安定的に推移していますが、こうしたものを大胆に見直すのもよいのではないかと思います。

それからまた、東京一極集中の是正も欠かせないのですが、コロナとテレワークで東京から移転する人たちが一旦増えましたが、また、最近、東京に回帰する動きとなっているのは、私は残念であると思います。人口減少を補うための有力な一つの手段はデジタル化ですが、これは地方こそ重要であると思います。対策の一つが、デジタル田園都市構想なのでしょうが、これもあまり最近聞かないですが、その成果はどれだけ出ているのかという、その検証も大事ではないかと思います。

最後、三つ目ですが、人口減少社会を前提にするのは大事ですが、同時に縮み志向だけであると受け取られないことが大事ではないかと思います。例えば教育ですが、少子化に対応した在り方は重要で、加配定数の合理化による財源を教育の質の向上に含めるということは確かに大事なことであると思います。ただ、資源もなくて、人口も減っていく日本にとって、教育というのはやはり国力を維持するために非常に重要な分野ですし、要は、少子化に対応した教育費が国の負担軽減、削減だけを考えているのではないかと誤解されないように、教育費の見直しを通じた教育の質の向上が人口減少時代の日本の国力の維持にどう役立つのかというのを、難しい課題ですが、その展望も併せて描いていくことが大事なのではないかと思います。

以上です。

増田分科会長代理 〕

それでは、中空委員、どうぞお願いします。

中空委員一点を除き、できるだけ、皆様がおっしゃらなかったことだけ、お話をしたいと思います。

ここは財審なので、財政をどうやってうまくコントロールしていくかということを標榜する会であると思いますが、どうしても少子化対策になってくると、バラマキが憂慮される時代であると思っています。人口問題は日本にとって最大の問題と言えますが、バラマキは慎まなければいけない。その意味では、本当に必要な人に必要な手当をというところは揺らぐべきではないし、給食などの現物出資とか、できるだけそちらのほうに行くべきだし、それから、問題になってくる住居費のようなものの手当についても、手当ではなく、空き家対策の一環としても、空き家を国が買い上げて、安く貸し出すことによってこども対策になるなど様々なことが考えられます。バラマキではない、できるだけ効果的なものを考えて、対応していく必要があると思います。

それと、育児休暇についてです。安永委員が1年間ぐらい取れるという話もしていただきましたし、この会は企業トップの方が多いのであえて申し上げたいのですが、年数とか取りやすさということもさることながら、本当に重要なのは柔軟性であると思っております。大昔に育休を取った経験からいきますと、こどもというのは、新生児のときだけに休みたいのではなくて、中学生になっても休みたいときがある。なので、かなり長期にわたって、1日、2日、パッと休めるという柔軟性こそが、私は本当に重要であると思っています。そうしたことを取り入れていただければと思いまして、あえて発言しました。

次が東京一極集中です。これは土居先生が、裏側としては、ほかの地域が頑張っていないという言い方をされておりましたが、まさにそうであると思っています。TSMCを誘導して、うまくいっているという熊本ですとか、また、文化庁が移ったことによる京都とか、こうしたことがどれぐらい、どのような効果があったのか是非計測していただきたいと思います。それが二つ目です。

三つ目は農業についてです。農業については、今日はそうした趣旨ではないと思うのですが、中身を見ていますと、生物多様性の観点が少しも入っていないのです。私は、海外の生物多様性などのレポートをよく読んでいますが、農業はメタンガスをたくさん出すことにより、もっと緊迫した話になっているのが現状です。是非、農業のことを取り上げるときには、生物多様性の問題をどうするかということの観点も入れていただきたいと思っています。

最後に、もう1点、教員についてです。私は、日本の教育制度、特に小中学生については何が重要かというと、公立の学校の質を良くすることではないかと思っています。そのために報酬を見直すというのは大変重要ですが、さっき松本課長のお話ですと、主任だからどうのという話があったと思うのですが、そうしたことではなくて、優秀、これもどのような定義をするかによるのですが、優秀な先生に必要な報酬を、というのを考えるのはいかがかと思います。そうしたことから、公立学校の質を変えていけないかということを御提案したいと思います。

以上です。

増田分科会長代理それでは、熊谷委員、どうぞお願いします。

熊谷委員ありがとうございます。少子化対策について大きく2点申し上げます。

まず第1に、少子化対策の中身についてです。私は、予想される出生率の改善効果を必要とされる財政支出額と比較して、言わばB/C的な観点から政策の優先順位づけを行うべきであると考えます。私ども大和総研の試算では、先月、小倉大臣が発表された、たたき台に盛り込まれている政策オプションの中では、両立支援や働き方改革などに関する施策が、費用対効果が最も高く、逆に費用対効果が低いと見られる児童手当拡充の3倍弱から6倍程度に達するものと推定されます。従って、児童手当に関しては、特に所得制限や多子加算などの論点に関して、給付の重点化が必要であると考えます。

なお、前回の会議でも申し上げましたが、我が国の労働生産性を上昇させる成長戦略という観点からも、労働市場改革こそが宝の山です。我々の試算では、女性の非正規労働化を防ぎ、Lカーブを解消することができれば、向こう20年間で61兆円の経済効果があります。また、不本意非正規をゼロにすることができれば、同じく30兆円の経済効果が生じます。

くわえて、近年の少子化の主因とも言える、若者の婚姻数の減少への断固たる政策対応を講じることが喫緊の課題です。我が国では、正規、非正規の年収格差が固定化していることが結婚の格差につながっています。こうした観点からは、本日の御説明資料に、正規、非正規の格差是正を極めて重要な政策課題であると位置づけ、同一労働同一賃金ガイドラインの見直しや、非正規の待遇改善に関する取組状況について、非財務情報の開示対象に加えることなどを御提案されていることを高く評価いたします。

2点目は、少子化対策の財源についてです。まず大前提として、少子化対策はサステナブルな社会をつくるために行うものですから、国債によって財源を賄うことは明らかな論理矛盾であり、基本的に慎むべきです。また、マスコミ報道等によれば、最大8兆円程度に達するとも言われている少子化対策の財源を、歳出の合理化や経済成長のみによって捻出することは極めて困難であると考えられます。最終的には、消費税を含めた様々な税財源や、社会保険料などを財源として検討せざるを得ないと思います。

少子化対策の財源として考えた際に、消費税と社会保険料には一長一短がございます。まず社会保険料には、負担が給付に一定程度ひもづいており、負担者の理解が得やすい面があります。また、このまま少子化が加速すれば、制度の存続が危ぶまれるとの見方もございますので、少子化対策はこうした各種社会保険制度の長期的な財政が安定するという観点などからも被保険者にとっては恩恵があると考えられます。

他方で、社会保険料は負担者が限定されるので、高齢者も負担する消費税などと比べて、必ずしも国民が広く薄く負担するという理想的な姿にはなりません。また、社会保険料は消費税と比べて逆進性が大きいことなども問題です。

最終的には、少子化対策の財源としての消費税などの税財源や社会保険料のメリット、デメリットを比較考量した上で、税や社会保険料などの適切なバランスやべストミックスに関する国民的な合意形成を図るべきであると考えます。

私からは以上でございます。ありがとうございました。

増田分科会長代理それでは、最後になりました。芳野委員、どうぞお願いします。

芳野委員ありがとうございます。要点を絞って発言させていただきます。

なお、意見書も提出しておりますので、建議案に反映していただきたいと思います。

まずは少子化総論について3点申し述べます。

1点目は、育児期における経済的支援についてです。男女共に育児休業を取得する場合の育児休業給付率の引上げや、時短勤務時の給付の創設について言及がありましたが、これらの追加施策の財源は、こども・子育ての財源で対応すべきです。男性の育児への参加促進などは賛成しますが、介護など、他の事由により時短勤務を行う労働者や、育児のために退職し、その後、パートタイムで働く者との公平性にも配慮する必要があると考えます。

2点目は、雇用のセーフティーネットの適用範囲の拡大についてです。非正規雇用で働く女性が多いことを考えれば、全ての労働者に雇用のセーフティーネットが適用されるよう、雇用保険の適用拡大を進めるべきです。また、その対象者の範囲については、社会保険と足並みをそろえて検討することが重要です。

3点目は、子育て支援施策についてです。仕事と子育ての両立には、保護者が安心して保育サービスを利用できる環境整備が不可欠です。こどもの保育を受ける権利を守るためにも保育施設の設備を進めると同時に、保育士などの賃金、労働条件の改善によって、必要な人材の確保を進めるべきです。

なお、こども・子育ての財源の検討に当たっては、こども・子育てを社会全体で支えるための政策を迅速に実行し、その費用を国民が広く負担し合っていくとの考え方に立ち、税や財政の見直しなど、幅広い財源確保策を検討すべきと考えます。

最後に、教育の質的向上に関して、1点申し述べます。前回の改正給特法において、勤務時間の上限指針が導入されたにもかかわらず、直近の文部科学省の教員勤務実態調査においても、今なお、教職員は長時間勤務の実態にあることを直視すべきです。教員の長時間労働の是正に向けて、再度の給特法の見直しや、外部人材の確保など、学校の働き方改革の実現のための予算措置が必要と考えます。

以上でございます。

増田分科会長代理ありがとうございました。

それでは、御意見等はここまでとさせていただきます。

最後に事務局から、旅費制度の関係がありますので、簡潔にお願いします。

尾﨑給与共済課長資料2、国家公務員等の旅費制度の見直しを御覧ください。本日の横串のテーマとは直接関係ございませんが、昨年秋の建議で、旅費制度や運用について検討を深めるべき旨、御提言いただいていることも踏まえまして、現在の検討状況を御説明させていただきます。

1ページを御覧ください。主計局では旅費法を所管しておりまして、国家公務員が出張する際の交通費、宿泊料などについて規定しております。この旅費法でございますが、制定された昭和25年以来、法改正は累次行われてまいりましたが、法律制度の骨格に大きな変更は加えられておりません。

2ページを御覧ください。そこで、旅費制度が現在の実態に合っているのかという観点から主計局において検討を進めたところ、国内外の情勢の変化に対応できていない面への対応などを制度に反映させるなど、広く見直しを行う必要があるとの問題意識を持ちつつありました。その中で、昨年の大幅な円安や物価上昇に伴い、特に海外の宿泊料で実際にかかった額が法定されている支給額を超過する事例が多くなりました。個別の調整手続により、出張者に不足が出ないように対応してまいりましたが、制度改正を求める声が強くなりました。

これらの背景の下、関係省庁と連携しつつ、以下にある四つの視点を基本として、有識者や関係者の御意見も伺いながら今後検討を深め、本年秋に制度改正の方針を提示した上で、令和6年に旅費法改正法案の国会提出を目指すことを考えております。

3ページ以降、これらの四つの視点ごとに現時点で検討している論点を示したものを記しておりますが、今後の検討により、この論点は増減し得ると考えております。詳細にわたりますので、時間の関係上、御説明は割愛させていただきます。

御説明は以上でございます。

増田分科会長代理ありがとうございました。

今日用意しておりました議題は以上でございますので、特にほかにないと思いますので、以上とさせていただきます。

この後、記者会見で、私から内容について御紹介いたします。

次回は5月11日木曜日14時、午後2時からの開催を予定しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

重ねてですが、少し時間超過いたしまして、申し訳ございませんでした。本日はこれにて閉会いたします。どうもありがとうございました。

午後5時10分閉会