財政制度等審議会財政制度分科会
議事録
財政制度等審議会財政制度分科会議事次第
令和4年11月17日(木)15:00~17:10
第3特別会議室(本庁舎4階中-412)
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1.開会
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2.議題
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とりまとめに向けた審議
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3.閉会
分科会長 |
榊原定征 |
秋野副大臣 井上副大臣 宮本大臣政務官 青木大臣官房長 新川主計局長 寺岡次長 中村次長 前田次長 八幡総務課長 小野主計企画官 大久保司計課長 渡邉法規課長 一松主計官 三原主計官 有利主計官 小澤主計官 寺﨑主計官 大沢主計官 端本主計官 河口主計官 坂本主計官 渡辺主計官 内之倉主計監査官 山岸予算執行企画室長 鈴木主計企画官 園田公会計室長 |
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分科会長代理 |
増田寛也 |
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委員 |
遠藤典子 大槻奈那 佐藤主光 十河ひろ美 武田洋子 土居丈朗 中空麻奈 宮島香澄 |
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臨時委員 |
宇南山卓 河村小百合 熊谷亮丸 権丈英子 小林慶一郎 小林毅 末澤豪謙 角和夫 竹中ナミ 田近栄治 冨田俊基 平野信行 広瀬道明 福田慎一 堀真奈美 神子田章博 横田響子 吉川洋 |
午後3時00分開会
〔増田分科会長代理〕それでは、時間になりましたので、ただいまから財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。今日はマスコミ等の取材はございませんので、このまま会議に入りたいと思います。
御多用中のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
本日は、冒頭より秋野副大臣、井上副大臣にお越しいただいております。大変ありがとうございます。なお、宮本大臣政務官、金子大臣政務官には、後ほどお越しいただく予定となっております。
本日は、お手元に配付をしております建議(案)について、御審議をいただくこととしております。初めに申し上げておきますが、本日の意見をいただいて、また修正等ございますので、この建議(案)、机上に分厚いものを置いてございますが、これは会議後要回収とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
この建議(案)は小林毅委員、武田委員、田近委員、土居委員、冨田委員、中空委員、吉川委員に起草委員をお願いして、御議論いただき、取りまとめていただきました。お忙しい中、大変ありがとうございます。
審議に先立ちまして、今後のスケジュールを御説明いたします。お手元に、建議取りまとめスケジュール(現時点の予定)と書いているメモが配付されていると思います。そちらを御覧いただきとうございます。本日の会議終了後に、追加でコメントがある場合は、ショートノーティスで大変恐縮ですが、明日18日金曜日の15時までに、事務局にメールで御提出をお願いします。様式は自由でございます、任意の形で結構でございます。その後、本日の御議論を踏まえて、起草委員会において改訂版を作成いただきます。
次回の分科会は、11月29日火曜日を予定しており、会議終了後、鈴木大臣のお時間が許せば、その日のうちに取りまとめられた建議を大臣にお渡しできればと、このように考えております。
委員の皆様には大変お忙しい中、短時間で御確認をお願いすることとなりますが、何とぞ、よろしくお願い申し上げます。
なお、次回、11月29日の分科会までの間に開催が予定されております経済財政諮問会議がございますが、こちらの場におきまして、鈴木大臣より、財政制度等審議会の建議の方向を大臣から御報告いただくことが想定されておりますので、その際に使用する予定の資料もお手元に配付してございます。こちらも御確認いただきたいと思います。
スケジュールは以上でございます。
次に、本日の審議の進行についてですが、まず、前半後半と分けまして、16時頃までを目途に、前半戦として、総論、社会保障、地方財政を審議して、その後、後半戦ということで、防衛以下の残る項目を審議いたします。そして、御意見については、前半後半、それぞれ区切って、皆様方から御意見をいただいた後に、よろしければ起草委員の方々からも、それらに対してコメントいただければ、このように考えております。
なお、お手元には本日御欠席でございます安永委員からの意見書をお配りしてございますので、こちらもお目通しをお願いいたします。
それでは、前半戦として、総論、社会保障、地方財政について、1時間弱ほど審議を行いたいと思います。お手元に配付しております案で、ページ数で申し上げますと、1ページから56ページまでの部分でございます。
これまでと同様、御意見がある場合には、会場にいらっしゃる方はネームプレート、それから、オンラインの方は挙手するボタンで合図をしていただければ、指名順もこれまでと同様、会場から5名、オンラインから5名と、交互の形で行ってまいります。マイクのオン・オフ、それからミュート操作につきましても、よろしくお願いいたします。
なお、限られた時間の中で、できるだけ多くの方々に御発言いただきたいと思いますので、目安ですが、御発言二、三分程度でまとめていただくようにお願い申し上げます。
それでは、建議(案)については事前に配付しておりますので、これについて説明は今日は行いません。早速、御意見を頂戴するということで始めていきます。
会場にいらっしゃる方、御発言の方はネームプレートで合図をしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、大槻委員から平野委員という順番で、発言をお願いしたいと思います。
大槻委員、どうぞ、お願いいたします。
〔大槻委員〕ありがとうございます。前半戦についてということで、いくつかコメントさせていただければと思います。
まず、最初の1ページ目から、2ページ目、3ページ目のところです。6行目に「拡張的な財政運営に対して」とございますが、その後で出てくる例はイギリスのことでございますので、「拡張的」だけでなくて「持続可能性の低い拡張的な財政運営」といったような形が適切なのかと思いました。
そして、同じくイギリスの例について、並び替えがあったほうが良いのではと思うところがございまして、今申し上げた6行目としては、インフレ等の問題があって、結果として市場の信認が問われることになったということになっているので、その順序で、この2、3以下、6ページ目くらいのところを、先に来ている「1.財政に対する市場の信認」というのは、むしろ、「2.インフレ・物価高騰と財政」のほうがより本源的であるとも思いますので、そこの後のほうがよろしいのではと思います。
それから、同じ、3ページ目の上から6行目に「大手格付け会社」とございますが、これは脚注等で名前を入れたほうが良いと思います。
続きまして、10ページ目です。財政出動が不十分だったから伸びなかったという指摘があると書かれていた後に、それについての反論が述べられているのですが、ここの反論としては少し不十分ではなかろうかと思います。ドイツの例は、結局、そうしたことなしでも成長ができたということなので、ここはもう少し、うまい修文案がないのですが、反証になっていないのではということを少し心配しました。
それから、11ページ目でございますが、PDCAは、どこかに略語を解説しておいたほうが良いと思います。
そして、最後に45ページ目です。10行目に「労働市場の流動を高め、」とありますが、必ずしも流動性を高めることが目途ではないので、ほかでも使っている「労働市場の円滑化」ということにするとともに、修文の案はないのですが、議論でも出ていましたが、企業をベースとするのではなくて、個人に重点を置いた施策に転換すべきであるという点をどこかで触れたほうが良いと思いました。
以上です。
〔増田分科会長代理〕どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、平野委員、どうぞお願いいたします。
〔平野委員〕ありがとうございます。建議案を拝見しましたが、とてもよくできていると思います。特に総論の部分は非常にバランスが取れており、客観的かつ冷静な書きぶりとなっている点が大変すばらしいと思いました。
その上で3点申し上げたいと思います。
まず、1点目、現下の情勢を踏まえた財政運営の構造改革の必要性について、しっかり書くべきであると思います。具体的に三つ申し上げます。
一つ目、財政の全体最適化に触れるべきあるということです。パラダイムシフトと言われる、今の世界情勢の変化を受けて、防衛、GXなど、新たな財政出動を伴う国家的な施策がめじろ押しである中で、今後の財政運営に求められるのは、限られた財政資源を日本の長期的な成長と内外の安全保障の安定を図るために、いかに持続可能な形で有効に配分するかということに尽きるのではないかと思います。
その意味では、今回、EBPMを通じて、個別施策の有効性を高めるべきであるという点に論点が置かれています。これは正しいと思われますが、それに加えて、政策の優先順位づけとスクラップ・アンド・ビルドを通じて、財政の全体最適化を図るべきであるということを、例えば10ページの19行目から21行目あたりに盛り込んではいただけないか。
二つ目は補正予算についてです。これは前回も議論しましたが、当初予算と補正予算を合わせた、中期の財政計画を策定して、複数年度にわたる財政の大枠を規定するような制度的対応が必要であるということを、どこかに書いていただけないかと思います。
三つ目はPDCAについてです。今回、検証体制の改善に踏み込んでいただいたのは大変良いことですが、書式の見直しなどの記載に力が入り過ぎているのではないかと思います。代わりに、先日も申し上げましたが、実効性を高めていくための取組として、一次評価を行う各府省に対する、いわゆる牽制機能の構築や、政策立案機能とは異なるエキスパーティーズが必要な専門人材の育成が重要であるということも書いていただけないかと思います。
2点目は、「3.日本経済の成長力と財政」の記載についてです。8ページ、17行目以降で、日本経済の長期低迷が議論の軸に据えられていることは、大変正しいと思います。一方で、総論全体の結びとなっているのが14ページの19行目になりますが、この辺りに、日本が長期停滞から脱却し、成長力を取り戻すということを財政運営の大きな目標として据えた上で、そのためにPDCAサイクルを回し、かつ成果志向の支出を行うと繋げたほうが、論旨がより明確になるのではないかと思いました。
その内容については三つあります。
一つ目は、新陳代謝の促進です。今、大槻さんからもお話がありましたが、日本の成長力を取り戻すための施策として、人への投資を含む投資の拡大と円滑な労働移動については、書いていただいています。
くわえて、もう一つ大きな鍵となるのは、産業・企業の新陳代謝を促進することです。これを9ページの五、六行目あたりに書き込んでいただけないかと思います。
二つ目、今回、社会保障の各論で、子育て、雇用対策で、非正規に焦点を当てて働き方に中立的な制度設計が必要であるということを示されました。これは画期的であると思います。
ただ、この章でも、労働に焦点を当てるのであれば、若年層一般というよりはむしろ非正規に焦点を当てて、例えば積極的労働市場政策を取るべきではないかということを、9ページの3行目から5行目あたりに書いていただけないかと思います。
三つ目、4ページの市場環境の認識についてです。冒頭にも言いましたが、海外と事情が異なる日本で、金利上昇のリスクをあまり強調し過ぎるのも不適切ということで、ここでも非常に慎重なワーディングで、うまく表現していただいていると思います。
それにくわえて、別の見方として、今後、成長戦略が奏功すれば、潜在成長率が上がり、前向きな意味での金利のある世界が戻ってくるはずです。その備えとして、異次元緩和策からの出口戦略と国債管理政策の在り方についても、トランジション戦略を今から考えておくべきであるということも追記してはどうかと思いました。
最後、3点目は医療についてです。28ページ1行目で、医療費のマクロコントロールに触れていただきました。これは大変結構なことであると思います。
ただ、結論が「保健医療支出の伸びが経済成長率と乖離しないことを一つのメルクマールとしていくことが考えられる。」で終わってしまっているのは残念です。この乖離を調整する仕組みづくりなど、具体的な対応を検討する必要があると、もう少し踏み込んで書いていただきたいと思いました。
それから、32ページ14行目、「医療提供体制」は大きなポイントであり、地域医療構想については、33ページ23行目で「都道府県の責務の明確化」と書いていただきました。これは結構ですが、併せて基本理念の強化を書いていただいた上で、今後進捗感が乏しい場合には経済的、規制的な手法を検討すべきということまで書いてしまってよいのではないかと思いました。
それから、かかりつけ医の機能という点では、今回、登録制について、どこまで踏み込むことができるか分かりませんが、例えば英国やフランスなど、登録制を義務化した国において国民受容性を高めてきた事例も参考にして、国民理解を得る努力をすべきであると書いていただいてはどうかと思いました。
以上です。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございます。
それでは、熊谷委員、お願いします。
〔熊谷委員〕ありがとうございます。まず、総論の部分では、先ほど平野委員から御指摘のあった構造改革の必要性というお話ですが、ここは強く賛同いたします。
御指摘があったところ以外で言えば、やはり財政規律を守る制度的な対応をビルトインするということで、例えば独立財政機関の話であるとか、ペイ・アズ・ユー・ゴーであるとか、中長期の財政計画であるとか、その辺りについても是非言及していただければと考えます。
もう一つは、補正予算であるとか予備費に関する言及があまりなかった印象がございます。補正がある意味で年中行事になって、予備費が非常に大きく積まれているといった問題点にも言及していただければと考えます。
なお、これは次回以降の課題かもしれませんが、財政を野放図に出してよいという考え方、例えばMMTであるとか、いろいろな考え方がございますが、それに対する反論もどこかのタイミングでしっかりと行う必要があるのではないでしょうか。
また、足もとでやはりコロナ第8波と言われておりますので、もちろん提言の内容を変える必要はないと思いますが、第8波の状況はかなり慎重に見極める必要があろうかと考えます。
ここからは、ページに即して申し上げます。
まず、2ページ、23行目で、「税収のみならず」ではなくて、「膨張する歳出を税収で十分に賄うことができず」という表現のほうが良いのではないでしょうか。
8ページは、7行目あたりで、平時と有事をしっかり峻別するということを書き入れてはいかがかと思います。
9ページは、先ほど平野委員からも御指摘ございましたが、「新陳代謝」という文言であるとか、もしくは「ダイバーシティー」という文言を、上の部分で入れていただければと思います。
11ページで、GDPギャップに沿ってやることはないということが書いてあるのですが、これだけではなくて、例えば、よしんばGDPギャップを一つのメルクマールにしたとしても、これは概ね15兆円程度ですから、今回の補正はやはり大き過ぎるわけですし、より重要なポイントとして、最終的には民需主導の持続的な経済成長を目指すのだということを、是非書き込んでいただきたいと考えます。
13ページの6行目あたりで、もしかすると私が見落としているのかもしれませんが、2025年のPB黒字の話が今回出てきていないのではないかと思いますので、この点はしっかりと書き込んでいただきたいところです。
16ページで、社会保障の部分に関しては、税と社会保障の一体改革、給付と税の一体改革ということが入ってもよいと思いますし、また、マイナンバーについては、医療のところでは出てくるのですが、介護であるとか総論のところではあまり出てきませんので、例えば金融資産の管理などに関連して、マイナンバーに言及していただいたほうが良いのではないでしょうか。
17ページでは、ウイズコロナに関連して「平時と有事の峻別」ということを入れていただいたほうが良いと思います。
23ページの「こども・子育て」ですが、ここは踏み込んで書くのであれば、個人のウエルビーイングと社会のウエルビーイングの双方に、こどもに対する対策は好影響があるという、社会全体に裨益する、国民がその費用を広く薄く負担するべきであるということを書かれてはどうかと思います。
それから27ページの12行目で、安永委員からの意見書で、「税による」というのを入れるという御指摘がございましたが、私はあえて縛る必要はないので、「税による」という言葉はここで入れるべきではないと考えます。
28ページで、これは先ほど平野委員から8行目に関する御指摘がありましたが、もう少し踏み込んだ書き方をしてほしいと思いますし、また、基本は「入るを量りて出ずるを為す」ことであるという、その辺りを是非書いていただきたいところです。
また、35ページの8行目のあたりで、ここはもう少し踏み込んだ形で、強制力ですとか工程表、時間軸というところを強く書いていただきたいと考えます。
それから、最後に45ページですが、7行目で「阻害する一面もある。」と書いてありますが、例えば、「阻害することなどを通じて、中長期的な日本経済の成長力に悪影響を与える面もある」などと、中長期的な日本経済の成長力にマイナスの影響を与えているということを書かれてはいかがかと思います。
以上、いずれも強い主張ではございませんので、最終的な御判断はお任せ申し上げます。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
続いて、佐藤委員、どうぞお願いします。
〔佐藤委員〕よろしくお願いいたします。熊谷委員からも御指摘ありました。まず、11ページのGDPギャップと財政支出の話ですが、そもそも成長の主役、原動力は民間部門であるということ、帳尻合わせをするのは別に国の仕事ではない、きっかけを与えるのは国の仕事かもしれませんが、最終的に成長の担い手は民間なのであるということは、改めてもう少し強く言ってよいのかと思いました。
それから、今回、12ページ以降、13ページのところ、「将来世代への責任」とあるのは非常に良いと思いました。前回の委員会で、私、途中で退席したものですから、意見を申し上げられなかったのですが、世代間の話をするならば、改めて考えるのは、やはり世代関係をもう1回考え直してもよいのではないか。一時期盛り上がったのですが。将来世代に我々は実際いくらの負担を押しつけているのか、感覚論ではなく、定量的に一体いくらの負担を押しつけているのかということについては、改めて考えてみてもよいのかと思いました。
また、今回、将来世代を強調されるのは良かったのですが、他方で、今いる国民にとっても財政の問題を自分事として捉えてもらう、そうした視点もどこかで記載があってよかったのか。それについては、後で申し上げます地方財政とも関わるのかと思いました。
それから34ページ、社会保障に行きますが、34ページ、細かいのですが、患者データの集約・活用は結構ですが、これは意外と困難にしているのは、本人同意の問題です。つまり、どこで取るのかとか、そうした話です。本人同意というところも含めて、やはり仕組みを見直していくということ、個人情報保護法の関係ですが、そちらとの整合性をどうやって取っていくのかとか、どうやって、法律を見直すというよりは解釈の問題であると思いますが、あまり本人同意と言わないということですか。そうしたところでもっと柔軟性を持たせたら良いのではないかという話。
それから、こちらも既に指摘がありますが、医療法人等の経営状況の見える化については、期限を定めるということが肝要で、これをやらないと、いつまでもだらだらやるだけなので、期限を定めるということと、難しいのは分かっているのですが、医療法人の社会福祉法人とか、事業形態によって会計の基準が違うというのは、意外と横並びの比較を難しくしています。本当であれば、会計の標準化というか、財務情報の標準化を、本来あわせて進めたほうがよかったのかと思います。これは長期的な課題かと思いました。
それから、次に介護に行きまして、40ページから41ページにかけてですが、全体として今回、介護における給付と負担の関係が大きな議論になると思うのですが、全体として大きく支え手を支えるという視点があってよいのかと思います。
例えば、今回、1号被保険者の話が出ていますが、2号被保険者はどうなのかということで、2号被保険者の負担をどれだけ抑えられるかがポイントで、そのためにはある程度1号被保険者の方々の負担、あるいは自己負担、こうした窓口負担の増加という自己負担の引上げとか、そうしたところが求められるといった視点があってよいかと思います。
また、同じ支え手という観点から見れば、サービスの事業者も支え手です。介護サービス事業者も支え手ですが、それで41ページの19行目、20行目、地域支援事業への移行の話が出ています。これは利用者のニーズとか満足度というだけではなくて、それによって介護事業者がより高度なサービス提供に特化できるであるとか人材不足に対応できるとか、支え手であるサービス介護事業者にとっても重要な課題であるということは、全体として強調してよいかと思います。これは前回、議論したときに、現場のアンケート調査の御紹介がありましたが、ケアプランの有料化も含めて、やはり現場の本当の声をきちんとくみ上げるところが肝要かと思います。どうしても業界団体の話を聞くと理念ベースばかりになるので、建前か理念ベースでの話が多くなってしまいますので、現場の声をくみ上げた形での改革は本来なければいけないのではないのかという視点は言うべきかと思いました。
すみません、あまり時間をかけないで、次に、地方財政に行きます。51ページまで飛んで行きますと、これはいわゆる臨時交付金の話です。23行目、24行目に書きますように、確かに事業の実施状況とか効果について自治体が公表するのも大事ですが、それを政府がきちんと求めること、これは今回管轄は内閣府ですから、内閣府がきちんと求めることが必要、これは支払い責任であると思います。
であれば、本来交付金を配るときに、あらかじめ検証できる仕組みをつくっておく必要があって、様式も含めてです。後になってから検証しろと言われても、それは自治体からすると聞いてないという話になってしまいますので、初めから支払う側にもきちんと成果を図るという意識を持ってもらう必要があるかと思いました。
53ページについて、デジタル化のところで18行目から19行目ですが、標準化・共通化の話が出されたのはよかったと思うのですが、全体として、標準化に関わりますが、ローカルルールを排除していくということ。いろいろな手続、内部管理及びオンライン申請のところとか、その申請手続のところで、いろいろなローカルルールがあります。自治体は、そこを全て排除していくこと、こうした視点が必要かと思いました。
これは素朴な疑問ですが、今回広域化の話が出てなかった、民間委託と広域化の話が出ていなかったのは何でだろう。別に毎年言う必要はないのかもしれませんが、これも、今人口減少で人手不足に悩む自治体から見れば大事な視点かと思いました。
最後に一言、55ページで、いわゆる「枠計上経費」の適正化の話がありました。大事なのは計画と決算の対応関係の見える化に絡んで、お金の流れの見える化、誰がお金を払って、それがどこに使われたのかということの見える化、これは先ほど申し上げたように財政の自分事にもつながると思います。国の財政と言われても、多くの国民にとっては、それは他人事です。でも、自分たちの自治体の行政サービスと言われたら、それは自分事になるわけなので、実は国のお金がこのような感じで皆様の自治体に流れてきて計上されている。単独事業も含めて、皆様の行政サービスにこのようにつながっているのですよという、お金の流れを見せるということ、それはもちろん説明責任を果たすという観点からも重要ですが、やはり住民、あるいは国民が財政について、より自分の問題として捉えるという観点からも大事なことかと思いました。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、続きまして、横田委員、どうぞお願いします。
〔横田委員〕ありがとうございます。私からは4点ほど申し上げたいと思います。
まず、細かな点ですが、11ページ目の3行目、『「規模ありき」ではなく、「成果志向の支出」』となっているところ、改めてここはワイズ・スペンディングとの対比になっていますので、(アウトカム・オリエンテッド・スペンディング)と追加をしてもよいのではないかと思いました。それが1点目。
2点目はPDCAの取組に関する、12ページ目ですが、前回の会議でも申し上げたのですが、総務省の行政評価局の連携も非常に重要であると考えているので、追記ができないか御検討いただきたいと考えております。というのは政策評価と行政事業レビューシートの一体化も考えられている中で、現場の負担が減るという可能性もありますし、政策評価部局ではデータ取得の、PDCAのための、かなり現場の支援にも重要な役割を果たします。さらに、地方に監視や相談センターも持っていて、地方に広げていく際にも非常に重要な役割を果たすと思いますので、是非御検討いただきたいというのが2点目でございます。
3点目がフューチャーデザインに関するところです。3行目あたりに、もう一歩踏み込んで書けないかですが、欄外で岩手県の事例が入っていて、実際、水道料金の見直しがなされたということが注釈に出されていますが、将来世代になったときに、きちんと政策の見直しがなされている、活用している自治体もあるというところだけではなくて、活用して、将来世代のために行動変容が起きたというところまで書けないかが3点目となります。
4点目は、20ページ目になるのですが、ワクチンの件です。実は報道を見ていて気になったのですが、ワクチンが自己負担になったときに、1万円負担になるような報道を見かけたのです。1行目に、「1回当たりの接種単価は1万円を超える場合もある。」となっているのが、恐らく独り歩きをしてしまっているのではないかと危惧しております。
後段で「通常の接種費用2,070円」が、そのまま置き換わるのか分かりませんが、1行目のところに、通常だったら2,070円程度のものが、現状1万円超えているようなところで、書けるのであれば、そう書いたほうが親切ではないか。逆に10行目の「通常の接種費用2,070円」というところを、場合によっては数字を取ってしまっても大丈夫かと思いました。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、ここからオンラインに1回移りたいと思いますので、ウェブで御参加の次の5名の方に御発言いただきたいと思います。河村委員、権丈委員、小林慶一郎委員、福田委員、宮島委員、この5名の方です。
それでは、初めに河村委員から、どうぞ御発言をお願いします。
〔河村委員〕御指名ありがとうございます。起草委員の先生方、今のこの局面で大変危機感が伝わる、本当にメッセージ性がすごく詰まった建議(案)をお考えくださって、ありがとうございました。私からは、総論のところで何点かと、それから地方財政で少しありまして、絞って意見を言わせていただければと思います。
まず、3ページの上のところでイギリスの話が書いてあるのですが、何でこのようにイギリスのマーケットの反応が起こったのかというあたりで、2行目「金融政策と財政政策の整合性が疑問視」という話とか、OBRの話とか出てくるのですが、やはりここで、財源の裏づけがなかったことが問題視されたということを一言挟んだほうが良いと思います。マーケットでは、それがはっきり言われていましたし、そうした報道がたくさん出ていたと思います。同じページで18行目には『財源なき「成長戦略」が修正された。』と書いてくださっているのですが、やはり上でも書いたほうが良いのではないかと思いました。
それで、順番について、先ほど大槻委員から御意見があったと思うのですが、私は、すみません、違う意見を申し上げて恐縮ですが、今のままのほうが良いと思います。この章立てが、一番最初に御説明のあった例の諮問会議に出される建議の方向などにも生きてくると思うのですが、その建議の方向などを見たときにも、やはり今回は一番最初に市場の信認の話が来るのだなということで、やはりそこを、今本当に問われている局面であると思いますので、それを一番先に持ってきてというほうが、私は良いのではないかと思いました。
それから、5ページ、これから何に取り組むべきかというところで、最初のあたりで、短期債が増えていて大変で、危ないという話を書いてくださっていて、5ページの5行目から6行目のあたりですが、「こうした観点からも、債務残高をできる限り抑制するよう、」と、そのとおりですが、今やはり気をつけなければいけないのは、債務残高、ストックだけではなくて、毎年の借換えですので、「こうした観点からも、」の後に、「毎年度の借換債の発行をできるだけ縮減できるよう」という一文を入れたほうが良いのではないのかと思います。
それから、本当に今回の総論のところも、よくぞ書いてくださったというところが何か所もありまして、例えば、8ページの10行目から12行目、日本は、危機対応のための支援策を、手厚く、長く続けてしまう傾向があって、それが民間活力も損いかねないというあたりとか、それから9ページの16行目から18行目、この30年間の状況は、これまでの政策対応、財政のお金の使い方の結果なのであると、その現実を真摯に受け止めて、きちんとやっていくべきであると、これは分科会のときに吉川先生がおっしゃったことで、本当にそのとおりであると思うのですが、是非こうした記述を、是非残していただきたいと思います。
その次の10ページですが、上から4行目、欧米の国の話が書いてありますが、欧米の国は危機のときには赤字幅を拡大させているが、日本ではとつながっていくのですが、欧米が赤字幅を危機のときには「拡大させているが」の後に、「その後は財政再建に努めており」というのをワンフレーズ挟んでおいたほうが分かると思います。やるべきことを彼らはきちんとやっているが、日本はやっていないのではないかということが分かるようにしたほうが良いのではないかと思います。
このページの下の22から23行目のところ、ワイズ・スペンディングが「単に財政支出の規模を膨らませるための方便として使われかねない」というのも、私も日々いつも感じていたことなので、ワイズ・スペンディングをやれば、この国の財政問題は解決できるという言われ方をされることも多いのですが、そのようなレベルの財政事情ではないだろうということを本当に私も思っておりまして、本当にここ、よくぞ書いてくださったと思っております。
次の11ページ、9行目から12行目のあたり、GDPギャップのところですが、財政支出はギャップの、先ほども指摘ありましたが、埋めるためのものではなくて、民間需要を引き出すためのものであるというあたりも、やはりよく書いていただいて、本当に良いと思いました。
それで、最後、将来世代のところもいろいろ、13ページ、それから14ページでもすごく書いてくださって、このままでは我々の世代が残した借金の元本の償還費とか利払い費の負担で制約されるということが9行目から13行目のあたりに書いてくださって、是非、こうしたメッセージを打ち出していただきたいと思います。
すみません、地方財政のところで簡単に意見を言わせていただきます。51ページですが、11行目のあたり、どうやっていくべきかというところで、「一般財源ルールを堅持する中で、歳出の改革・抑制に取り組むこと」と書くと、何となく一般財源ルールが守れていれば、それでオーケーと、その範囲内でやっておけばよいみたいに取られかねないのではないかという気もして、やはりこの国の厳しい財政事情を考えれば、そうしたわけにもいかないのではないかという気もしますので、ここは、どうでしょうか、「一般財源ルールを堅持しつつ、歳出の一段の」とか「更なる改革・抑制に取り組むことが必要である」ぐらいのもう少し踏み込んだ表現にしてもよろしいのではないかと思いました。
このページの下のところ、先ほど佐藤先生がおっしゃられた臨時交付金のところは私も同感です。やはり、しっかり国としても公表していただくようにということを言ったほうが良いと思いますし、次の52ページにかかるところ、52ページの1行目で、自治体間で政策を相互に比較できるようにということが書いてありますから、そこではやはり、内閣府に果たせる役割があるはずで、これは、比較できるようにという意味では、内閣府にもしっかりと比較できるサイトを、内閣府のところに用意するとか、できることがありますので、御努力いただけるようにということを書き込んだほうが良いのではないかと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、続きまして、権丈委員、どうぞ御発言ください。
〔権丈委員〕ありがとうございます。権丈です。建議(案)の取りまとめありがとうございました。先週のコメントと重複するところもありますが、社会保障について4点ほどコメントさせていただきます。
まず、16ページにあるように、「能力に応じて負担し、必要に応じて給付し、持続可能な制度を次世代に伝える」ということは、社会保障制度を考える上での基本中の基本となります。今、年齢が負担能力を表す指標でない時代となっているのに、御指摘のように、医療費の窓口負担や高額療養費をはじめ、年齢に着目した負担の差が多く残っています。くわえて健保組合の保険料負担をはじめ、負担が負担能力の多寡に対応していない側面は、制度における依存性、歴史性があるとはいえ、明らかにおかしな側面です。
28ページにある『「負担能力に応じた負担」に向けて』にリストアップされている改革は、徹底して、しかもスピーディーにやっていただきたいと思います。
こども・子育てについてです。24ページの「非正規雇用をはじめとする働き方をめぐる課題への対応」については、今初めて気づいたような書き振りにも見えるのですが、以前からあった問題です。リーマンショック以降、均等・均衡待遇の取組が進められ、それを拡張する形でいわゆる日本型同一労働・同一賃金が導入され、関連して、有期雇用労働者への育児休業制度の利用要件の緩和などの政策努力がなされてきました。指摘されている、第一子出産前後の継続就業率についても、今回の調査では、前回の調査と比べて、正社員よりも非正規雇用労働者の上昇幅が大きかったということもあります。また、就業形態の多様化に関する総合実態調査がありますが、そちらにおいて正社員以外の労働者を活用する理由として、従前多かった「賃金の節約のため」がかなり縮小しているという結果なども出ています。これまでの政策にも少し触れて、一定の成果を上げていることは明記したほうがよいと思います。その上で、こうした政策努力と矛盾しない政策を行う必要があるのではないかと考えています。
また、27ページに、こども政策に関する安定財源についての記述があります。来年度にはこども家庭庁が発足します。財源を準備する時間はさほどないわけですが、そのことも視野に入れた今年の「骨太の方針」にあるように、企業を含め、社会・経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で広く負担していく新たな枠組みを考えなければならないと思います。
最後、4点目となります。医療の提供体制の改革については、32ページにあるように、「かかりつけ医機能」を有する医療機関の機能を明確化、法制化し、機能発揮を促す必要があると思います。現在もかかりつけ医機能を評価した診療報酬上の措置はあるのですが、34ページで指摘されているように、実際には運用面で、外来機能の分化につながっておらず、こうした既存の制度の増額ではなく、今とは違う角度からのアプローチが必要であると考えます。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
〔増田分科会長代理〕それでは、次いで、小林慶一郎委員、どうぞお願いします。
〔小林(慶)委員〕では、私は4点ほど簡単にコメントしたいと思います。
建議(案)の取りまとめ、どうもありがとうございました。それで財政総論の「5.将来世代への責任」のところ、こうした項目が立ったことは非常にすばらしいと思います。
その中で、14ページの8行目から14行目あたりの段落で、将来世代への責任がなぜ必要かというロジックが書いてあるわけですが、その中で将来世代の税の使い方を債務償還費や利払い費に使うということを現在世代が勝手に決めてしまう、これは理不尽であるというロジックが書かれていて、これは正しい話であると思います。ただ、こうしたことを書くと必ず反論があって、それに対しても備えた書き方が、もしできれば付け加えておければ良いのではないかと思います。
どのような反論かというと、将来世代は、債務としての国債もあるが、国債を家計や企業は資産として相続しているわけですから、債務償還費や利払い費に使われた税金というのは、同世代、将来世代の納税者に戻ってくるので問題ないのであるという反論があり得ると思います。
それに対しては、やはり国債を保有している人と保有していない人が、将来世代の中にできて、国債を持っていない人から持っている人へ税金が支払われるという不平等の構造を、現在世代が将来世代の中に勝手につくってしまう、だから不公正なのだ。そうした将来世代の中の格差を現在世代が勝手に決めてしまう、そうした不公平性があるのであるという反論ができるのではないかと思います。
二つ目も同じく、将来世代の責任への論点ですが、現在世代の努力によって将来世代はある程度豊かな生活が、より豊かな生活ができるようになるのだから、現在世代の政策に対して文句を言う筋合いはないという考え方もあると思います。
つまり、技術進歩や経済成長を我々現在世代が達成するから、将来世代は豊かな生活ができる。だから、文句を言われる筋合いはないという話で、特に、何らかの財政政策、財政拡張のおかげで新しい技術が生まれたりすれば、将来世代が国債の累増というコスト以上の利益があるかもしれない、こうした議論があるわけです。それに対しても、やはり反論を用意しておくべきかと思います。
要するに、現在世代が財政拡張で何か将来世代に利益をもたらすとしたら、これは非常に効率の高い財政支出の使い方が行われた場合であって、無駄遣いをして、借金が増えるだけという財政支出の在り方は正当化されないということは、改めて強調する必要があるかと思います。
つまり、明らかに非効率な財政支出のために将来の借金を増やすということは、これもまた、将来世代に対して不公正な行為であるということ。そして、財政支出の内容を厳しく精査する責任が、将来世代への責任として我々には課されている、こうした主張ができるかと思いました。
3番目は、フューチャーデザインの実践や、財政教育、財政の情報発信についての方法として、フューチャーデザインの実践をぜひ活用してほしいと私も思います。
そのときに重要なのは、フューチャーデザインというのは30年とか50年先の未来に生きている人間になったつもりで議論するということですから、その際に必要な情報として、30年先、50年先の財政の長期推計が必要だろうと思います。これが今の日本では、政府からしっかり出されていないという問題がある。これも指摘しておくべきではないかと思います。
ですから、フューチャーデザインの手法で、財政の情報発信や啓発活動を行うということであれば、概算でもよいので、30年先、50年先の将来までの財政推計を国民にきちんと提供し、将来世代の目線になって財政運営について議論すべきではないか、こうしたことを書き込めないだろうかと思います。
最後に、4点目ですが、35ページの6行目あたりの医療機関の経営情報の「見える化」について、いろいろ書かれているのですが、厚労省では、やはり今、個別の医療機関の名前は出さないとか、あるいは地域などである程度集計した形で出すということで、検討が進んでいるように伺っておりますので、個別の医療機関名をどこまで出すのかは議論があるかもしれませんが、例えばイギリスなどでは、個別の医療機関名も、たしか出ているはずであると思いますので、医療機関の名称も調べればきちんと分かるように出す。それが「見える化」の本質であるということも、どこかに書き込めないだろうかと思います。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
続いて、福田委員、どうぞお願いします。
〔福田委員〕ありがとうございます。私も、基本的には、大きな流れはよく書かれていると思いますし、原則、基本賛成ということは申し上げたいと思います。
その上で少し細かい点ですが、いくつか申し上げたいと思います。
まず、10ページ目にある財政支出のワイズ・スペンディングという観点ですが、私もそれは非常に必要なことであるとは思いますが、どのようなものがワイズ・スペンディングなのかということ、あるいは成長を促す財政支出とはどういうものなのかを、もう少し明確に書いたほうが良いかとは思いました。
財政支出には、基本的に移転支出という、何ら付加価値を生まないものと、それから付加価値を生むものとがあって、乗数効果は明らかにこの二つでは違うということはあります。そうした意味では、付加価値を生む財政支出という概念は、もう少し強調されて、移転支出は基本的には付加価値を生まないものだ。もちろん、所得再分配という点では大事なことは私も否定しないのですが、付加価値を生む財政支出という概念が、乗数効果を言及されていることを考えれば、もう少し書かれても良かったのかとは思いましたということです。
それから次に、9ページ目、この前後に日本の長期低迷の原因等が述べられていて、基本的にはそのとおりであると思うのですが、一番上の行に生産年齢の人口が影響していると書いてあります。それもそのとおりですが、もう少し強調したほうが良いのは、今後更に減少していくということではないかと思います。
それは、その下にある注の数字から見てもそうですが、日本の生産年齢人口は、もちろん団塊の世代が退職して大きく減ったのですが、まだ団塊ジュニアという人口の層の人たちは働いているのですが、それが間もなく大量に退職する時代が来て、そこで本格的に生産年齢の人口の減少が始まって、そこでいよいよ労働人口の不足が本格化していくという点があって、そうした将来への危機感を、将来世代への負担という意味では将来のことを後で議論をされているのですが、長期停滞を考える上でも、現状も問題ですが、今後更にいろいろな問題が起こってくるのであるということを、もう少し強調したほうが良かったと思いますし、その後の設備投資の伸び悩みに関しても、アニマルスピリッツがないからであるという形で紹介されているのですが、では、アニマルスピリッツさえ発揮できれば良いのかという、なぜ発揮できてないのかというと、やはりいろいろな将来への不安というものは、企業セクターのみではなくて家計セクターもあるとは思うのですが、そうした将来への不安というのが、企業の現預金の保有、あるいは、家計の過剰な貯蓄というものにつながっていると思いますので、現状の経済状況だけではなくて将来の状況、これは恐らく人口減少だけではなくて巨額な財政赤字が膨らんで、将来、償還等も含めると、いろいろな形で不安があるということにもつながっていると思いますので、そうした点をもう少し強調されても良かったのかとは思いましたということです。
最後には、財政支出が民間の活力をどのような形でそぐのか、これは8ページ等にも議論されているわけですし、それは非常に重要な論点であるとは思いますが、今起こっていることは、伝統的な経済学でいうクラウディングアウトは起こっていない。伝統的なクラウディングアウトは、財政支出をすると金利が上がって、それが民間の設備投資を阻害するというメカニズムですが、どんどん財政を膨らませても、なぜか金利は上がっていませんので、そうした意味で設備投資を抑制するというメカニズムは働いてはいないわけです。
他方で、巨額な貯蓄があるにもかかわらず、それが民間の設備投資には回らないで、他方で国の財政の赤字を補塡するという形で流れているという非常に不健全な、経済成長という観点からすると非常に健全ではない資金の流れが現状でもあって、それが広い意味では民間の活力につながっていないという資金フローの観点はあるとは思うのですが、そうした意味では、どのようなメカニズムなのかということは、もう少し明示的に書いたほうが分かりやすかったかもしれないという印象を持ちました。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、宮島委員、どうぞお願いします。
〔宮島委員〕ありがとうございます。いろいろな議論を丁寧に書いていただいてありがとうございます。いくつか申し上げます。
まず、ワクチンの、お金のことですが、補助金が出過ぎたということのほかに、これまでの議論ではワクチンを打つのに、看護師さんなどできたほうが良いのではないかという、医療全体のタスクシフトという議論があったと思います。今回の社会保障の議論の中では直接は出なかったかもしれないので、この11月の議論だけで出なければ建議に書けないのだったらしょうがないとは思うのですが、医療のところかワクチンのところか、どこかに医療現場のタスクシフトが進むべきというところを入れたほうが良いのではないかと思います。実際、諸外国並みにいろいろな人が打てたら、ここまで費用は膨らまなかったのではないかと思います。
二つ目は、27ページぐらいの子育てです。今回、医療より前に書いてあって、この前の議論でも、本当にみんなの危機感が共通であると思ったのですが、一方で、世の中を見ると、やはり防衛費の話が大きいのか、最終的な財源が本当にいつきちんと来るのかということに関して大変不安な状況を感じます。子育ては、早くなければどんどん、どのように手を打っても間に合わなくなる。そうではなくても、15年前に今の対策が打てていたらどのように変わっただろうと思うところもありますので、安定財源を確保すべきというところも含めて、早くやるべきであるということをどこかにしっかりと書いていただきたいと思います。このままでは少し先送り感があるかと感じております。
三つ目はコロナの交付金で、地方財政のコロナの交付金の51ページですが、情報公開がしっかりしてないということがすごく書いてあるのですが、それだけではなくて、やはり使い方の施策そのものに問題があったと思います。これは会計検査院なども指摘しているところですが、公表している中にも、一体この使い方はいかがなものかというものがあったと思いますので、公表の仕方だけではなくて、実際問題としての施策の在り方、どのように使うのかという点に関しても少しあっても良いのではないかと思います。
また、いつも出していただいている概要は、この後、できると思いますが、毎回申し上げているように、記者は建議を全部きれいに力を入れて読むということは、するとも限りませんので、概要の書き方は物すごく大事かと思っています。特に、今回、ストーリーとしてすごくきれいにまとまっていると思うのですが、逆に、ここ数年あったような、メディア側から見たらここ取るよねとなるキャッチーなフレーズのようなものが見当たらないと思います。これは別にキャッチーなフレーズをつくれと言っているわけではなくて、ばーっと読んだときに分かりにくいと、ニュースバリューを下げられるのはとても残念なので、概要は本当に力を込めてつくっていただきたいのです。できれば私たちも拝見する形が良いので、次の会議の前日とかに来るのではなく、できればもう少し早く私たちにも見させていただければと思います。よろしくお願いします。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは、また、こちらの会場に戻します。末澤委員から順次御発言いただきます。
まず、末澤委員、どうぞ。
〔末澤委員〕どうも。毎回大部になってくるので、本当に事務局、お疲れさまでございます。特に今回、拝見すると、諸外国ではいろいろな混乱が起きているのに、日本は相変わらずの財政支出をやっている、何だという、じくじたる思いが前半見えてくるのですが、ただ、やはりこの建議を使って国民の皆様に御理解いただくことが必要ということで、その意味で分かりやすいものにすべきだろう。私は、質問は1点で、簡単な話を5点させていただきます。
まず、ぱっと見て、毎回、タイトルがあって、そこでこのタイトル、さっきのキャッチーかどうかという話ですが、今回、タイトルがないのは、これからつくるということですか。
〔冨田委員〕秋の建議はつくってませんね。
〔末澤委員〕もともとないのですか。失礼しました。
細かい話ですが、3ページ目の上から4行目「結果的に、公表直後から国債金利が急騰、ポンドは急落した。」イギリスの話ですが、私はもともと債券のディーラーをやっていたので、金利の話は専門ではあるのですが、俗世間の方はあまり金利を意識しないし、円安も良いのではないかということをおっしゃって、私が何を言いたいかというと、株の話を入れるべきだろう。「急落した。」の後に、「英国長期金利の上昇は、米欧金利の上昇を招き、世界的な株安要因ともなった」というのを一つ入れておくと、株が下がるということになると、興味のある方が増えますので、入れたほうが良いのではないかということです。
また、11ページ目の上から3行目『「規模ありき」ではなく、「成果志向の支出」を徹底していくべきである。』というところですが、これもまさにそのとおりであると思います。
ただ、これ、要は先ほどの、この後のPDCAも絡んでくるのですが、これでは不十分でありまして、「そのためには事後的な検証も極めて重要だろう」とか、そうした文言がないと、言いっ放しになってしまうので。
その関係で、11ページの下のPDCA、12ページになりますが、ここで行政事業レビューについて細かく書いていただいているのですが、あえて言うと、行政事業レビューは、上にも書いていますが「各府省自らが予算の使い方や資金の流れをチェックする」、内部チェックです。そうした面で、やはり外部チェック、現状、会計検査院等もありますが、先ほども御意見ありましたが、外部チェックの改善ないし場合によっては新たな導入がないと、恐らく、冒頭の話、要は財政支出をやっても、効果があったのかどうか検証できないと、また繰り返しになりますので、特に今回はそうしたところを、この4項目で入れるべきではないかと思います。
12ページ、13ページの「将来世代への責任」ということで、私も将来世代の話はずっと毎回申し上げているのですが、ここに及んで、この話だけでは足りない。なぜかというと、出生数は80万を今年割るわけです。そうしてみると、これは有権者の数も少ない、しかも投票率も低い、本当に政治的な力がどんどん低下しているわけなので、このことは必要ですが、一つは、将来世代というのは、我々の世代の子供の世代であり孫の世代である。つまり、リンケージをもう少し明確化するということと、将来世代が傷むということは、その前に現役世代に影響が来るわけです。社会保障制度の持続可能性が弱まり、例えば負担と給付の関係が、従来の低負担中福祉から、高負担低福祉になる可能性も、過去たしか何回かあったと思いますが、そうした文言を入れておいたほうが、今の現役の方にも頑張って、心配してもらうしか、もう今やないということで、そこのことを入れたら良いのではないか。
また、20ページですが、ワクチンの話です。実は、先ほどテレビの話もありました。今、マスコミでやっているのは、ワクチンがこれから自己負担になる、これでワクチンを受ける人はいなくなるのではないかという心配と、一方で、ワクチンが余っている、両方、相反する報道がありまして、私は実は余っているほうが案外重要であると思っています。ここにも書いてありますが、4.6億回も打ち残っている。どう見てもこれは全部使えるわけないです。しかも今、ちまたでは、モデルナBA.1、ファイザーBA.1、ファイザーBA.5、3種類打っています。どう見てもBA.1対応のワクチンを打つ人はいなくなるので、何が言いたいかというと、単に個人負担を増やすだけではなくて、コロナ対策の効率的で実効性のある、ワイズ・スペンディングという言葉を使うと、またかと思われるので、この言葉は使わずに、本当により効率的で実効性のある対策が必要であるということを、当部会からも強調することは、要は単にお金を減らすという意味ではなくて、そうしたことが必要なのではないかと思います。
また、23ページは、本当に一言だけですが、こども・子育て、我が国の年間出生数、上から六、七行目、「新型コロナの影響もあり、平成28年に史上初めて100万人を割ってからわずか5年で昨年は81.2万人まで大幅に減少し」とあるので、81.2万人、括弧ですね、(日本における日本人)、つまり、人口動態の統計は、総人口ベースと日本人の統計とありまして、81.2万人は日本における日本人です。もう一つは、外国における日本人及び日本における外国人を含めた総人口ベースなので、これだと数字が2万人ぐらい違ってしまうので、ここは(日本における日本人)と入れておいたほうが良いと思います。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、広瀬委員、どうぞお願いします。
〔広瀬委員〕ありがとうございます。
まず、大変理路整然というか、まとまった資料をつくっていただきまして、ありがとうございます。詳細については、また、コメントを明日までに提出させていただきますので、認識のようなことを、特に時代認識と、それから財政に対する認識について、一言コメントさせていただきたいと思います。
特にこの半年間の動きを見ていますと、本当に今ほど先が読めないというか、そこはかとない不安のようなものがあるというのはないのではないか。コロナ、ウクライナ、自然災害、それからエネルギーと食料という、人間とって必要不可欠なエネルギーと食料、価格だけではなくて供給も含めて。そうした面で、予測不可能というか、本当に何かそうした不安のようなものが今蔓延しているのではないか。
そうした中で、やはり国が豊かで安全でなければ、国民生活を守り、あるいは事業活動を維持するのは非常に難しいということが改めて認識されたのではないかと思っています。
したがって、今こそ次なるリスクに柔軟に対応できるようなレジリエンスですね。レジリエンスというと、インフラとかということではなくて、私はレジリエンスの重要な要素として、財政があるのではないか。これはもうずっとこの場で、財政こそ最大のレジリエンスと、皆様からありましたが、それはもう間違いなく、今こそそうした感じがしております。
それで、私もこの委員会も3年少したつのですが、財政に対して、毎回、いろいろな危機を皆様に知っていただく、さっき宮島さんは、キャッチーという話がありましたが、あまりオオカミ少年ではいけないのですが、毎年毎年そうしたもので発信しているわけですが、この半年間の動きを見ると、私も3年になりますが、やはりすごく変わったのではないかと思っています。
一つは、イギリスのことが書いてありますが、言ってみれば、もう熱が出ない体になってしまったということです、制度的に。私なども最近ほとんど熱が出ないのですが、熱が出ないということは、年取って、体がもう若くないということで、これは本当に大変なことですので、そのような非常にショッキング、それからもう一つは、制度的だけではなくて意識的に、財政規律に対して相当弛緩してしまったのかということを、この半年間で、いろいろな報道などを見ると感じています。
したがって、キャッチーにこだわる必要はないと思うのですが、何かそのような、この半年間でいろいろなことが起きたことに対して、秋の建議はあまりそうしたことがないということではありますが、場合によったら、今こそそのようなことを、どのような形になるか分かりませんが、具体的なアイデアがあれば言えるのですが、ないものですから、また、お願いしなくてはいけないのですが、是非また、そうした検討をお願いできればと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕神子田委員、どうぞお願いします。
〔神子田委員〕起草委員の先生、建議の取りまとめ、ありがとうございました。
私はまず、イギリスの例を持ち出されているところで、ポイントは、市場がシグナルを発したということであると思います。それで、でも日本のほうが財政の規模が悪いのに、なぜ日本では起きないのかというところで、やはり一つ説明が要るのではないかと思って、例えば3ページの21行目、日本の云々かんぬん「財政状況は厳しさを増している。」の後に、日本では日銀が景気下支えのために、国債を市場から大量に購入して、長期金利を低く抑えていることで、財政悪化による金利上昇という市場からの警告シグナルを感じ取りにくくなっている、といったような事情を説明したほうが良いのではないかと思いました。
それと、次は質問ですが、10ページの22行目、さっき河村さんが、よくぞ入れてくれましたという、『いわゆる「ワイズ・スペンディング」の議論は、単に財政支出の規模を膨らませるための方便として使われかねないことにも』というところ、どうにも理解できなくて、単に財政支出の規模を膨らませるというのは、そもそもワイズではない話ですから、どうしてこうしたつながりになっているのか、もう少し分かりやすく書いていただけたらと思いました。
最後は、将来世代のことを前回も申しましたが、まさにこうした視点が必要であるということを思っております。
一つは、13ページに、15、16、17行目で、防衛力強化、少子化対策・こども政策、GXへの投資、いずれも日本の将来を左右する大事な課題であると書いてあります。先ほど小林委員もおっしゃっていましたが、将来にツケを残すことをしてはならないというネガティブなことだけではなく、将来世代にどのような意義あることを残せるかという観点も、将来世代のことを考えている意味では非常に重要である。ですから、どこかに、例えば自然環境を守るための政策ですとか、利便性を高めるためのデジタル化ですとか、国を守るための確固たる安全保障とか、こうしたものを残していくことも大事であるという視点も入れておいていただきたい。その上で、残すべきものと残してはいけないものの間で予算をどうつくっていくかという知恵を絞っていくべきであるということを考える必要があることを書いていただきたいと思います。
最後に、14ページの13行目に、我々の世代における政策決定に関与できないまま云々かんぬん、理不尽ではないかということで、これは我々の今の、財審にいる皆様とか、今の人たちの課題を書いてあるのですが、私は、今回の総合経済対策を見て、29兆円という規模になって、財源どうするのだと、それこそ本当に、お豆腐のように「はい、22丁、お待ち」のような感じで、国債を発行するというのは、6年ぐらい財審の委員をやっていて、非常にむなしくなるのですが、ただ、これは政治家の先生が悪いというよりも、やはりそれを支持する有権者がいるから、規模規模と、要は規模ありがたいという有権者がいるから、先生は規模規模と言うわけであって、これはやはり今の世代の意識が変わらないといけないのですが、中高年以降は、財審の先生はみんな違うのですが、一般的な有権者が変わらないというのは、私はもう既に諦めておりまして、やはり若い世代を今から巻き込んで、中長期的に、この国の財政がどうあるべきかと真剣に考えるような社会にしていかないといけない。つまり、若い世代の取り込みが、財政教育などを通じて、若い世代を取り込みながら、将来のことを考えていく社会にしていく必要があるというメッセージを盛り込んでいただきたいと思いました。
それと、簡潔に言います、宮島先生がおっしゃっていたキャッチーであるというか、記者の観点から、これ要は、こうしたら良いのではないか、総論のインフレ・物価高騰のところは、最初の中ポツですか、上の2行は入れなくて、下の結論だけ書いたら良いのではないかと思います。日本経済の成長力と財政については、二つ目のポツですが、単に財政支出を拡大することで云々かんぬん、最後、「極めて心もとない」と非常に控えめに書いてあるのですが、ここは「結果は望めない」と言い切って良いのではないでしょうか。先ほどから財審の議論を聞いていたら、別に遠慮することはなく、「望めない」と言っていただいて、これを1行目にしたら良いと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、オンラインで堀委員、それから会場で十河委員、このお二方で、前半戦を最後にします。その後、コメントを起草委員の方からいただいて、その上で、後半戦の防衛等々に入っていくのですが、少し時間が伸びぎみになっていますので、これからできれば簡潔に、御意見等を頂戴できればと思います。
それでは、オンラインで、堀委員、どうぞお願いします。
〔堀委員〕ありがとうございます。全体を通じての印象ですが、今まで「ワイズ・スペンディング」という用語がかなり頻発に、よく出ていたと思うのですが、今回は「メリハリ」という言葉が多く出ていたという印象を受けました。
それから、若い世代を巻き込むメッセージが何かあると良いのではないかと、総論としては思います。
それから、簡単に述べます。18ページについて、これだけの支出が目的に比して適切なものであるのかとありますが、実績の検証してほしいですが、同時に目的の設定もどうだったのかと。
医療について、27ページ、「我が国の医療保険制度の特徴と課題」のところですが、ここに書かれていることは間違っているとは言えないのですが、ここに書かれている課題の多くは出来高払いとフリーアクセスに関してのものですので、表現の仕方を少し工夫したほうが良いと思います。修正案を後ほどメールで送らせていただきます。
それから28ページ、政府支出に占める公的医療費の割合は2番目に高いのは事実ですが、なぜかというと、これは結局、公費支出構造が、前期高齢者・後期高齢者の医療費のための拠出、支援金など、公費構造がそのようになっているからです。ですから、公的医療費の割合が高いのは今の公費支出構造によるものなので、今の制度構造が一定のままであるとするならば、経済成長率と乖離しないことというように、何か前提を記載したほうが良いのではないかと思います。
それから、負担能力に応じた負担、28ページですが、これは内容が、12行目から18行目は、負担能力に応じた負担の話が書かれているのですが、19行目以降は世代間格差の話に話がすり替わっているような印象を受けます。ですので、もう少し整理をして記載されたほうが良いのではないかと思います。
それから、給付費の1割について、ほぼ固定というところも、参考資料には記載されているのですが、現役世代の負担割合4割、公費5割、高齢者自身の保険料1割ということも、どこかで記載していたほうが、誤解がないのではないかと思います。
また、この制度の、参考資料にも書かれてはいるのですが、これはもともと若い人の人口の減少によって、現役世代の一人当たりの負担が増加すると、その分を高齢者と現役世代で半分に折半するという仕組みがあるのですが、その折半分のことが問題であると言っているのか、それとも、ここで述べているように、介護保険のように人口比に合わせたほうが望ましいと言っているのか、どちらなのかが分かりづらいと思いました。あるいはどちらか決まってないならば、もう少し表現を工夫したほうがよいかと。結構25行目以降、強く書かれているのですが、世代間の公平性の観点から、支援金の負担構造の在り方を見直す必要があるというようにしておくほうが良いのではないかと思いました。
それから29ページ、これも「加入者数に応じた調整」と書いているのですが、これは被用者保険の加入者全てと勘違いされてしまう可能性があると思いますので、前期高齢者の加入者数としたほうがよいかと。ここに書かれていることについて反対しているわけではないのですが、よく考えてみると、非正規雇用が拡大して、非正規適用を拡大すると、前期高齢者で働く人が増えれば増えるほど、前期高齢者が被用者保険に入ることになるので、そうすると全国平均の前期高齢者の加入者よりも平均より多く加入しているところであると、全国平均以下までに負担が下がるという仕組みです。恐らくそこが整合性の面からどうなのかと思うのですが、この文章であると少し分かりにくいと思いました。また、「加入者数に応じた調整」から「報酬水準に応じた調整」というときに、前期高齢者総報酬に応じた納付金ということを言っているのか、個人の可処分所得に応じたということなのかはよく検討する必要があるかと。
それから、30ページ以降ですが、これは文章が、17行目から、薬価改定の議論になっていますが、「薬剤費には計上されていない部分で、新型コロナのワクチンを含む医薬品についての多額の予算措置」について問題提起をしたいという趣旨は分かるのですが、ここに書くと、薬価改定の話と混乱してしまうので、やはり薬剤費に計上されてないワクチンの話は、ワクチンのところに入れるか別のところに入れたほうが良いと思います。
米国についての話も、色々書きたいという気持ちはよく分かるのですが、脚注にするなどしないと、次の23行目とのつながりが不明瞭なため、読み進めるうちに何が論点なのか分かりづらいものになっています。議論を整理して、明確にしたほうが良いのではないかと思います。
それから、すみません、早めに言います。31ページ以降にも関わるのですが、イノベーションの促進のところで、ここに「加算後の薬価が維持される枠組みが設けられている。」と書かれていますが、実際には、特許切れ前に維持されてないものも一部あったりします。新薬創出加算や市場再算定によって、イノベーションが起きにくい環境になっているという指摘もあります。「イノベーションの促進」とわざわざ、オ)という形で出すなら、もう少し丁寧に書いても良いのではないかと思います。そもそも保険給付の見直しを進めて、薬価の対象となる範囲を一律ではなく柔軟に変えるということをすれば、イノベーションの恩恵を受けられるようになる可能性も高まるのでは。ただ、前回も言ったように、これは薬価制度の構造問題でもあるのですが、それだけではない産業構造、ビジネスモデルとか社会保障の範疇を超える課題でもあります。今のビジネスモデルに問題があることもあると思いますので、これを薬価のところに一緒に入れるべきなのかどうかとか、その辺を総合的に考えたら良いのではないかと思います。この辺も改めてメールで、細かいところをしたいと思います。
それから、かかりつけ医の機能についてですが、本日の経済財政諮問会議向けの資料では、積極的に導入するように書かれているのですが、本文の34ページ以降を読むと、結局、あまり何も言ってないのに等しいようなイメージがします。今までの取組における課題が書かれているだけで、これから何を検討すべきというところがないので、わずかでもあったほうが良いのでは。表にまとめられた総論のところに書かれている割には、こちらの本文のほうであまり具体的なことが書かれてないのではないかという印象を受けました。
以上です。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは、十河委員、どうぞ、お願いします。
〔十河委員〕起草委員の先生方におかれましては、非常に分かりやすく踏み込んだ建議をつくってくださいまして、ありがとうございました。
その上で、私もほかの先生もおっしゃられているように、今回は非常に具体的な文言が、国民にも伝えやすく書かれておりますので、これに関しては賛同したいと思います。
その中で、社会保障についてですが、今、堀委員も触れておりましたが、各論の社会保障の部分については、国民が医療費に強く関心を寄せておりますので、今こそ、ここは本当に待ったなしである、かなり厳しい状況であるということを、もう少し強く表しても良いのではないかと思いました。
例えば、29ページ、4兆円という予算が診療報酬の特例として支援される見込みとありますが、このようなさらっとした書き方ではなく、4兆円という莫大な予算を用いてですとか、驚くような大きな金額がこちらに流れていることをしっかりと伝えていくために、例えば、29ページですとか、32ページの19行から24行、さらに33ページの18行目、34ページの5行目、35ページの4行目などは、もっと強めてはいかがかと思いました。
同様に、今待ったなしであるということも意図的に強く伝えていく必要があるのではないかと思います。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは、御意見等は以上といたしまして、起草委員の方からコメントがあれば、順次お願いします。それでは、土居委員から、どうぞお願いします。
〔土居委員〕委員の皆様、本当に大変貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。できるだけ反映できるように努力したいと思いますが、意見が分かれているところもございましたので、そこは、起草委員の間で議論させていただきたいと思います。
総論のところで、さすがにこれはなかなかのみ込みにくいというところだけを申し上げさせていただきたいと思います。
神子田委員ほかがおっしゃっておられたところかと思いますが、日銀の政策にまつわる部分を、ここにもう少しはっきり書くということは、なかなか財審という立場とか、日銀、雨宮委員も委員であられるのですが、あまり日銀の政策を評価するかのような文言は、財審の建議としては書きにくいところがありまして、そうしたところが、ところどころ奥歯に物が挟まったような言い方になっている点はお許しいただきたいと思います。
それから、もう一つは、「ワイズ・スペンディング」の言葉が10ページにあって、それで分かりにくいというのはおっしゃるとおりです。政務の方がおられる前で言うのはなかなかはばかれるところがあるのですが、永田町方面で、ワイズ・スペンディングという、もともとは経済学の用語だったものが、随分違った意味合いを込めて、ワイズ・スペンディングとおっしゃっておられる方がいるというニュアンスを書いているのですが、誰であるとまではっきり分かるように書くと、いろいろハレーションが大きいので、便法というような何かそうした言葉で濁しているところは、御理解をいただきたいと思います。というところでございます。
それから、末澤委員からPDCAのところで、行政事業レビューで外部チェックが必要であるというのはまさにおっしゃるとおりですが、既に、行政事業レビューは外部の専門家が、ここの委員の中にもたくさんかかわられている方がおられますが、既にビルトインされているものですから、ここには書いてないのですが、改めて、あまり知られてないということなので、むしろ外部チェックというところは、書けるところで何とか反映させられればと思います。
それから、平野委員からも御指摘があったような点も、ここで何らか入れられればと思います。
それから、もう一つ、かかりつけ医に関してあったのですが、かかりつけ医については、今非常に重要な議論の局面を迎えているのだそうでありまして、あまり後ろから鉄砲を撃つわけにもいかないというか、決めることを粛々と決めていただくということを、ぜひお願いしたいというところで、特に、平野委員がおっしゃっていたイギリスの例も参考にとかというと、結構、イギリスのようにするべきではないという勢力が一方におりまして、まとまるものがまとまらなくなることを懸念しているところで、あえて、あまり外国の例については、ここでは触れていないことを、御理解いただければと思います。
あとは、できるだけ皆様の御意見を反映させられるように頑張りたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕それでは続いて、冨田委員、どうぞ。
〔冨田委員〕まず、総論の章立てで、大槻委員と河村委員の御意見を伺いました。私どもも中で、どちらだということを、いろいろ議論いたしました。
私はこの順番に落ち着いて、よかったと思っています。それは、イギリスに起こったことを全体の流れの中に据えて、市場のシグナルを政治がどう受け止めるべきかという形の流れになっています。極めて短い形ですが、8月から金利が、そしてポンドが安くなってきた。決め打ちが9月23日だったという流れになっております。つまり、市場はかなり早くからシグナルを出していたのだが、政策を決める政治が、それを十分にそしゃくできなかったことに問題があるというメッセージとして、この最終のところを受け取っていただきたいということです。
それともう一つ、ここで言いたかったことは、平野委員、熊谷委員が財政規律の話をされました。中期財政計画とか、独立機関という、いつも平野委員、御指摘のことですが、実は今回のイギリスの例で、OBRは7月7日に、中期の、50年先の財政の展望をしています。それは今のままやると、対GDP比、政府債務残高、300%超えてしまう。それを75%というコロナ前の水準に戻すためには、10年に1回ずつ、歳出入を1.5%ずつ健全化しなければいかんということを言っています。これも、トラスさんは無視してしまった。そうした流れの中で起こってきた問題です。
熊谷委員は、2025年ないではないかというお話ですが、この文章の一番最後のところ、14ページに明示しておりますので、御安心ください。これは我々の一丁目一番地ですので、記してございます。
それから、河村委員、地方財政のところで、一財ルールのお話が出ました、一般財源総額実質同水準ルール。実はこれ2010年からやっています。ようやく、きっちりと守られて、地方も、臨時財政対策債の償還ができるようになった。ということで、これは守り続けていただきたいということで、ここに書いております。10年以上も同じ水準、実質ですから、少しは増えているのですが、同じ水準を国と地方の約束事として守ってきたというルールですので、これはこれからも守っていただきたいというメッセージでございます。
それから、神子田委員御指摘の、日本のことですが、これも実は、日本銀行との関係云々ではなしに、きちんと記述してございまして、4ページ、日本とイギリスとでは、状況は異なっていると示しております。正直に言いたいことを言えば、イギリスは、今日も発表があったのですが、消費者物価は11%の上昇です。日本と比べたらという話になるのですが、あまりそれは強く言えないので、ここでは、経常収支の話だとかという形で、インフも穏やかであり、金融政策のスタンスも欧米諸国と異なっていると、非常に上品に書かせていただいて、御理解賜れたらと思っております。
それから、佐藤委員、世代会計の話をなさいました。これも、日本の赤ん坊は2回産声を上げる。一つは呼吸のためであって、もう一つは、生まれたときから非常に巨額の債務を抱えているという意味で、そうした話もあるのですが、世代会計も、将来の話を現在世代が解釈するという、立場は現在世代の方に理解を求めるものです。
ということで、今回のメジャーな流れのフューチャーデザインとは少し違うので、書いていないということで御理解いただきたいと思います。
私からは以上です。
〔増田分科会長代理〕武田委員、どうぞ。
〔武田委員〕ありがとうございます。章立てについて、冒頭に委員会での思いとして市場の信認の話を載せたいという趣旨であったことを御理解いただければと思います。
〔増田分科会長代理〕起草委員の皆様方、ありがとうございました。
それでは、後半です。該当のページで言いますと57から111ページ、防衛以下の残る項目全てということになります。一応の想定の時間ですが、想定として考えておりました時間よりも大幅に、30分ぐらい遅れていることになっておりまして、防衛等大変重要な項目も含まれておりますので、御発言はできるだけ手短に、2分ぐらいでおまとめいただければということを初めにお願いしておきます。
それでは、御発言の方、同じく、また会場から指名します。宇南山委員、それから大槻委員という順番で御発言いただければと思います。
宇南山委員、どうぞお願いします。
〔宇南山委員〕ありがとうございます。私は科学技術の部分、71ページから73ページあたりについて、コメントさせていただきます。
72ページで、研究開発費総額とTop10%論文の数の比率をもって「論文の生産性」という言葉を使っています。一方で、73ページでは、「論文の執筆数に比して、注目度の高い論文の輩出が少なく(生産性が低い)」という言葉を使っておりまして、「論文の生産性」という言葉が違う定義で使われている。ここのところをきちんと、恐らく後半のほうは生産性っぽくない言葉ですので、73ページの「生産性が低い」を削除していただくのが良いのではないかと思いました。
ここのところ、中身としても、どのような研究をしてほしいのかが若干難しくて、民間資金の活用などで研究の多様性と言っているのですが、Top10%の論文を書くという活動が最重要であると考えるとすると、民間資金によって産学連携のような論文は書かなくて良いというようなニュアンスが出てくるはずなのに、一体何を求めているのかがもう少し明確になったほうが良いと思います。
国際化の部分についても、10%の輩出、論文の執筆数に占める10%の論文の比率が低いというのは、もちろん、研究者にもっと努力せよという点になり得るわけですが、10%の論文というのはなかなか狙って書けるものではないので、執筆数がきちんと出ているということがあるならば、もう少し評価をしても良いのではないかと思いました。
最後に、国際的な業績が国内で十分に評価される環境を整えていくことも重要であるということや、科研費などで国際性評価を強化すべきであるというような提言がされているのですが、ここについては、なぜそのように言えているのか、国際的な業績が国内で評価されていないという資料がついているわけでもありませんし、科研費で国際性を評価すると、Top10%論文が出やすくなるというような資料もないので、ここの書きぶりはもう少し慎重にしていただいたほうが良いのではないかと思いました。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、大槻委員、どうぞ。
〔大槻委員〕ありがとうございます。1点だけ、ここのパートではない、前半部分の信認のところについてですが、そうした形で非常によく分かりました。
であれば、もしかしたら、先ほど来皆様がおっしゃっている一つのメッセージは、信認がリスクにつながるということであるということが、何らかの形で大きなメッセージであるとしたのが良いのではないかと思いました。
ただ、これについて私が1点だけ気になっているのは、下落の後半はテクニカルです。一部の年金のデリバティブのマージンコールなので、そのことを債券の人たちがよく御存じなので、あまりにも価格下落ということを強調せずに、冨田委員がおっしゃったように、シグナルを見逃してしまったというところを強調されるのが良いのかと思いました。
該当部分について三つだけ簡単に。まず、68ページ目ですが、上のところです。従来はこの特別免許については、昔の資料ですと、文科省がこれを与えるような仕組みを検討することもあり得るのではないかということでお話を書いていらっしゃるかと思いますが、それがなくなって、今度新しい仕組みを検討ということに今回なったようですし、それも一つ、今の制度がワークしないのであれば、あり得ることであると思うのですが、一方で、既存の仕組みを前の発想と同様に、どうやって使うかということもあり得る発想であると思いますので、例えば3行目の「不可欠であり、」の後に、「その障害をいかに取り除くかを改めて検証するとともに、新しい仕組み」ということも良いのではないかと思いました。
それから、69ページ目で、68から69のところで、そもそもアウトカムベースにするには大学の評価制度が適切でないということが大きな問題であると思います。ここにもそれは匂っているのですが、もう少し、そうしたアウトカムベースの評価指標ということを入れていかれたほうが良いのではないかと思いました。
それがひいては70ページ目にあるような、最終的に大学の質向上と、もしかしたら再編ということにつながるということを匂わせるほうが良いのではないかと思いました。
そして、最後に、99から101ページ目にかけての中小企業でございます。99ページ目の25行目、そのため支援策は量的及び質的転換ということで、その後に述べるような様々なやり方の方向性の転換も入れたほうが良いかと思いました。
そして、同じく中小企業についての最後ですが、101ページ目の1行目の「事業再生・事業再構築などのきめ細かな支援」ということですが、より大切なのは成長に向かうような形で銀行等が一緒になってやっていくという、中小企業庁さん等がおっしゃっている伴走型の取組という形で、時として厳しいことも言わなければいけないかもしれないということも含めて、取組という形が良いのではなかろうかと思いました。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、平野委員、どうぞお願いします。
〔平野委員〕ありがとうございます。防衛、GX、デジタルについて、手短に申し上げます。
まず、防衛、3点ですが、まず一つ目、今回の建議(案)、しっかり書き込んでいただいています。かつ、防衛力の強化と財政の両立ということで、真に必要な防衛力への重点化と安定財源の確保ということを書いていただいて、大変結構であると思うのですが、基本的な考え方として、GDP2%等の数字ありきではなくて、日本の目指すべき、まず防衛戦略をしっかり立てて、それに基づいて必要な防衛体制は何かを明確にし、新戦力の配備と同時に、既存の戦力のスクラップ・アンド・ビルドを行うことで、真に必要な防衛力に予算をつけますよということが書けないかというのが1点目です。
2点目、安定財源の確保に関しては、60ページの16行目から18行目に書いていただいていますが、財政全体の資源配分を踏まえつつ、防衛の受益者たる個人、それから企業、全体に広く負担を求める必要がある。もう一歩踏み込んで、書いていただいてはどうかと思います。
3点目、59ページの13行目、防衛、民生のデュアルユースは大事ですが、アカデミアも含めた技術の共同研究開発に向けて省庁間の縦割り云々ということで、「アカデミア」をぜひ入れていただきたいと思いました。
それから、GXに関しては2点です。まず、95ページ18行目から、GX経済移行債が出てきます。特に欧州からトランシュアウォッシングとみなされないように、資金使途を明確化した上で、効果を測定し、それを開示していくという体制の整備など、グローバルな目線を踏まえた設計が重要であるということを記載できないかと思います。
二つ目がカーボンプライシングですが、95ページ10行目に「成長志向型カーボンプライシング」という言葉が記載されているだけで、少し中身が乏しいです。カーボンプライシングは、各主体の行動変容を促すとともに、GX経済移行債の償還原資にも充てられる有効な施策であると、これは少しコントラバーシャルではありますが、書いてしまってはどうか。その上で、脱炭素化と経済成長、そして財政の持続可能性の確保という目標に向けて、カーボンプライシングには税制等を含む政策のベストミックスを練り上げる必要があると書いていただいてはどうかと思います。
それから最後、DX、いつも申し上げて恐縮ですがマイナンバーです。110ページの3行目、4行目で公平・公正な社会を実現していく上での基盤と書かれているのは正しいのですが、そしてまた、その文脈でいうと社会保障の章でも、今後年齢ではなくて、応能負担の原則を基軸にする必要があるいという御指摘もある。ただ、もしそうであれば、所得にくわえて資産の把握が必要です。是非、全銀行口座への付番義務化の検討が必要であるという意見もあったということを書いていただけないでしょうか。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、熊谷委員、どうぞお願いします。
〔熊谷委員〕熊谷でございます。どうもありがとうございます。
まず、防衛に関しては、今、平野委員がおっしゃったことに賛成でございまして、数字ありきではなくて、やはり防衛体制をしっかりとまず考えるということですとか、もしくは、60ページのあたりで財源については、ここはやはり広く社会に裨益するということで、もう少し踏み込んだ形で、ぜひ書いていただきたいと考えます。
それから65ページで文教・科学技術については、私が見落としているかもしれませんが、「ダイバーシティー」という言葉はあまり出てこない印象がございますので、それを是非入れていただきたいと思います。
そして細かい点ですが、68ページの一番上の1行目で、情報分野の人材が特に不足しているということを付言されてはいかがかと思います。
そして、94ページのGXでございますが、ここは大きな枠組みとして言うと、一つは脱炭素ですとか環境、それから二つ目が経済ですとか競争力、3点目として財政のサステナビリティ、この三つをやはり一体的に確保していく、バランスを取って実現する、そうした基本的なところは是非強調していただきたいと思います。
また、司令塔の一元化ですとか、民間の予測可能性、グランドデザイン、そして平野委員から御指摘あったグリーンウォッシングを防ぐということなど、その辺りを書き込んでいただきたいと考えます。
それから95ページの18行目で「将来の財源の裏付けを持った」というところを削るというような意見書も拝見しましたが、私はここは肝になると思いますから、是非残していただきたいと考えます。
そして95ページ一番下の注の116は、かなり重要な内容であると思いますので、本文の部分で触れられても良いのではないかと考えます。
そして最後、99ページ、中小企業のところで、これも私見落としているかもしれませんが、「新陳代謝」という言葉が全く出てきませんので、いろいろあつれきがあると思いますが、例えば23行目から25行目のあたりで、その文言を入れられてはいかがかと思います。
いずれにしても全て最終的な御判断は、お任せ申し上げます。ありがとうございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、佐藤委員、どうぞ。
〔佐藤委員〕よろしくお願いいたします。まず、防衛ですが、60ページの16行目、「安定財源の確保」というのがあるのですが、もう少し強く言って良いのかと思います。財審でもさんざん、財政力、財政的な余力がなければ防衛の拡充はできないということを言ってきているわけなので、財政なくして防衛なしと良いますか、お金がなければ弾は出ないという、そこをはっきり示したほうが良いのかと思いました。
ただ、一方で、では増税しますか、今しますかと言われたら、それは今はできないと思うので、足もとの経済状況を考えると。恐らく、足もとでは仮にそれを赤字国債で賄うということがあったとしても、必ずその償還財源は明確にしておく。GX経済移行債の発想と同じで良いと思いますし、かつて復興債でも、そうした例がありますので、少なくとも赤字国債を出すのであれば、その償還財源を必ず明確にしておく。その意味において財源の安定化を図る、そうした視点があって良いかと思いました。
また、今回もう一つ必要なのは、防衛費の見える化というか透明化でありまして、防衛費は後年度負担があるので本当の負担がよく分からない。後年度負担については、61ページの注釈の70に少し出てきますが、もう少し後年度負担の見える化をきちんとするという、理想的にはきちんと経費として計上するべきである。ある種債務を発行しているのと変わらないので、その辺りもう少し議論があっても良いのではないかと思いました。
また、99ページ、今、熊谷委員が御指摘のとおり、新陳代謝の話はあって良いと思います。新陳代謝と言いにくいのであれば、国際的に見て開業率、廃業率が非常に低いというこの状況は一体何なのだということは強調してよいのかということ。
1個質問ですが、21行目で「各支援策は、新型コロナ流行前から元々生産性が低かった企業ほど利用していた傾向が指摘されている。」というのは、何のエビデンスかと思ったので、もし何か出所があれば、ここは明確にしておいたほうが、後で突っ込まれずに済むかと思いました。
また、最後に110ページ、マイナンバーのところ、全体としての趣旨は分かるのですが、やはりマイナンバーを普及させるに当たってボトルネックは何かをきちんと洗い出すという視点もあって良いかと思いました。
また、マイナンバー及びマイナンバーカードの普及というと、税金を取られる話ばかり出ていますが、資産の捕捉とかを含めて。もちろんそこはあるのですが、やはりセーフティーネットとして非常に重要であるというところ。つまり、マイナンバーは何のためにやるかというと、もともと社会保障番号ですから、セーフティーネットの構築に不可欠なのであるという辺りはもう少し強調してよいのではないかと思いました。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、ここからオンラインに行きます。オンラインではお一方です。河村委員です。
河村委員、どうぞお願いします。
〔河村委員〕御説明ありがとうございます。私からはGXのところで意見を言わせていただきます。あと少しだけ、細かいところで文教で1点ございます。
GXですが、読ませていただいた限りで、何のために地球温暖化対策をしなければいけないのかという話、やはり後の世代に対して、きちんと持続可能な環境を、私たちの世代の責任で、きちんと負担もして、受け渡さなければいけないのであるということが書かれていないのではないかという感じがしたので、これは大事なところで書いておいたほうが良いのではないかという気がいたしました。特に、今回の総論で将来世代のことを随分配慮して、どう考えなければいけないのかということを、あれだけ踏み込んで書いてくださっていますので、やはり、それに呼応するような形で書いておいたほうが良いのではないかという気がいたしました。
具体的には、95ページの下から96ページにかけて、償還財源の話も財審では入れたと思うのですが、しっかり書いてくださって本当に良いと思うのですが、ここに挙げられているポチが三つあります、95から96ページにかけてあるのですが、ここに二つぐらい足しても良いのではないかと思います。一つは、今申し上げたような、後の世代に対して現世代の負担できちんと持続可能な地球環境をつくって受け渡すという観点、もう一つは、社会全体として効率的かつ公平な負担、温暖化対策として効率的かつ公平な負担をするという観点も入れておいたほうが良いのではないかと思います。
財審ですので、償還財源ということで炭素税が念頭という感じかもしれませんが、排出量取引は経産省ということもあるかもしれませんが、やはりそこは効率的な負担ということがあってしかるべきですし、公平というのは、やはり、脱炭素の受益者負担を求めることになって、最終的に負担が家計に回ってきて、それが当然ですが、でも、これはやはりすごく低所得になればなるほど負担が重くて、しんどいことになるということはあると思いますので、諸外国でもそうしたところは配慮している国もありますので、やはりそうした観点も入れても良いのではないかと思いました。
GXは、先ほど申し上げた現世代の負担で持続可能な地球環境をというのは、やはり94ページの一番最初の冒頭に入れても良いのではないか。例えば3行目、地球規模で取り組むべき喫緊の課題といったあたりに、ワンフレーズかませて、現世代の責任でしっかりやるべきところではないかという感じで書いていただいても良いのではないかと思いました。
こうしたあたり、私は特に防衛は意見はないのですが、防衛では、何で現世代で負担しなければいけないのかといったことが、60ページの3行目あたりでしっかり書いてくださっていたので、やはりGXのところでも書いていただいたほうが良いかと思いました。
もう1点、文教のところは、少し細かいのですが、高等教育の69ページ、19行目から22行目のあたりで、先ほど大槻委員が御指摘くださったことともしかしたら同じ趣旨になるのではないかという気がするのですが、これから何をしなければいけないかというので、大学による取組の発信とか、学生が説明できるようにする取組となっているのですが、それだけではなくて、やはり客観評価が必要であるということを、これまで財審としても打ち出してきたと思いますし、文科省も、全然十分ではないのですが、でも、それは気がついて、やろうとは、彼らも一生懸命しています。国立大学と一緒にやろうとしているところもあるので、そこはやはりここに足しておいたほうが良いのではないか。ですから、学生が学習成果を具体的に説明できるようにする取組とかの後ぐらいに、例えば、学外からの客観的に評価する取組とかを、財審としてメリハリづけとか要件設置等によって後押しすべきであるということを入れてはいかがかと思います。その客観評価というのは、分科会のときにも申し上げましたが、高等教育の成果はエンプロイアビリティ、社会で雇用され得る能力、働いて社会に貢献できる能力がどれほど養われているかということであると思いますので、そうした意味で客観評価を後押しすることを入れてはいかがかと思います。
すみません、以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、末澤委員、どうぞお願いします。
〔末澤委員〕どうもありがとうございます。私は防衛と文科とデジタルについて、お話しさせていただきます。共通した話題ですが、前段の総論でもありましたが、今、日本の少子化が一段と進んでいる。特に出生数、先ほどの、日本における日本人は2019年、これは令和婚の関係で1年先送りされて、出生数が減って、20年、21年、22年と大幅に将来推計人口を下回っている。恐らく、今年80万割れば、八、九年早い人口減少が起きる可能性、こうした環境下、やはり防衛についても、足もとの人口減少、少子高齢化、潜在成長率の低下等を踏まえると、大盤振る舞いできるような環境にはないということを明確に言った上で、60ページですが、そうした面では現実的な安全保障上のリスクに対し、必要な防衛戦略を策定し、実効性・効率性の観点から最適な防衛態勢の構築が必要である、こうした文章、一部入っているのですが、何で必要かということを入れた上で、既存事業においても費用対効果を見直しと行ったほうが良いのではないか。
それの関係でいくと、義務教育ですが、66ページ、私は入っていなかったので、「少子化の進展」とあるのですが、実は先ほどの4年、出生数が減ったということは、一番初めに影響が出てくるのは義務教育です。数年後には影響が出てくる。そうした観点から、足もとの人口動態の変化に対応した、新たな教育政策の見直しが必要であると。私は以前から申し上げていますが、水平統合、垂直統合、水平は科目、垂直では小中学校とか、ICT化の推進、民間を含めたアウトソーシング、この観点から、今の我が国の人口動態に対応した義務教育体制の再構築が必要でということを、どこかに入れていただけると、ありがたいと思いました。
デジタルです。これも先ほど佐藤さんとかがおっしゃっていたと思いますが、デジタルとマイナンバー、これはなぜ必要なのかが明確ではない。これもやはり少子高齢化、人口ボーナスからオーナスの世界になってきていますから、当然こうしたものが必要であるということだし、国際競争力の維持向上、また、国民生活の質を上げるためにも必要であるということを、デジタルとマイナンバーの前段に言って、だから、マイナンバーの推進が必要なのであるというロジックに持っていただかないと、何のためにやるのかがよく分からないと思いましたで、そうしたことでございます。
以上でございます、ありがとございました。
〔増田分科会長代理〕それでは、神子田委員、どうぞお願いします。
〔神子田委員〕防衛について3点ほど申し上げます。
防衛は、国民の間で賛否両論あるだけに、ネガティブな話もストレートに分かりやすく書くことが必要ではないかと思います。
1点目、59ページの11行目ですが、「例えば、研究開発予算や公共投資については、民生を含めると主要国と遜色ない水準にあり、」というのは、いきなり出てきて、どのようなことか分からないうちに、次に「資源の有効活用」とあるのですが、研究開発予算や公共投資について、防衛用途に活用できるものもあるということを明示した上で、お話しいただければと思いました。
次は61ページの8行目に、スタンド・オフ・ミサイルの関連で各種弾薬を増強するには火薬庫等の設置も必要となるが、そこで地元の理解が必要というところです。なぜ、火薬庫が地元の理解が必要となるかということで、これが軍事的なターゲットとなるということで反対されるということも、明示したら良いと思います。
それと64ページの5行目、「アメリカを中心とした同盟国・同志国との連携を前提としているか。」は、どのような意味かということで、これは例えば、役割分担をして、日本の支出の削減を図ることができないかという意味であれば、そのように言ってもらいたいと思います。
最後に、安永委員からの意見書の6ページ目に、57ページあたりのことについて、周辺国の侵攻を思いとどまらせるために十分な水準の防衛力を整備し、抑止力を強化することが重要であるという、抑止の観点が書かれていまして、防衛費を拡大するのは、別に日本から攻めていくということではなく、戦争もしたいわけではなく、むしろ戦争しないための抑止という意味で、防衛費の増強が必要であるという観点は非常に重要であると思いますので、こうしたところを採用していただけたらと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕ありがとうございました。
それでは、意見はここまでとさせていただきまして、起草委員から順次コメントがあればお願いしたいと思います。
中空委員、どうぞお願いします。
〔中空委員〕御意見ありがとうございました。それぞれ担当があって、私は文教・科学、エネルギー、GX、中小あたりなのですが、そこにコメントいただいた方に向けて、答えられるところだけ答えさせていただこうと思っています。
その前に皆様にお願いです。私は自分が早口なので、人のこと言えないのですが、皆様も相当早口でしゃべっていただいたので、メモを取れませんでした。ですので、できれば修文の、ここは絶対入れろよというのがあったら送っていただきたいと思います。そこは予めのお願いです。
それから、文教・科学のところですが、まず、最初に宇南山委員からTop10%論文の話について、御指摘ありました。確かに生産性のところについては考え直す必要があると、今読んでいて思ったところです。検討したいと思っています。
一方、私自身も問題視しているのが、Top10%が、KPIになっているのかという点についてです。今回はこの方向で話を詰めてきたので、このままTop10%は使わせていただきますが、また、おいおい考えていくべきだし、いきたいと思っているところです。
それから、大槻委員からあった特別免許の話、高等教育の話ですが、安永委員からも指摘を受けていて、この部分については、どのような修文をしたら良いかと今考えています。ぜひ、大槻さん、案をお願いします。
また、河村委員と大槻委員からあったアウトカムの話、大学の評価のところです。評価指標、質向上については、何かしらの検討をしたいと思いました。
それから、文教に関しては、末澤委員からあった人口動態の話、これは何か入れようと思います。人口動態を十分踏まえた上で書いてきたつもりですが、改めて書いたほうが良いという指摘を受けたことは重々配慮したいと思っています。
また、中小企業について、新陳代謝について書きなさいというのがあったと思います。それは書いても良い、書くべき文言であると思います。ほかの起草委員の先生にお諮りして、大丈夫であれば入れていきたいと思っています。
また、大槻委員からあった質的なところも入れるべきではないかという御意見についても、十分検討したいと思っています。
また、伴走型取組です。地方銀行の話は書いてあると思うのですが、そこに伴走型という言い方や取組を考えるべきかどうかということは、もう一回検討させていただきたいと思っています。
また、GXに関して、平野委員から、GX、グローバルの話とか、成長志向型、カーボンプライシングについて書きが不十分という御指摘を受けました。確かにそうですが、カーボンプライシングはあまり話していなくて、あまり書き込むことがないというのが正直なところではございます。ただ、私も同じ気持ちではいて、カーボンプライシングはGX経済移行債の財源として考えるべきだよねというのは確かな方向性なので、その辺について、少なくともしっかり取り組んでいかなかったら、支払い原資がないということ、償還原資がないということ、についてできるだけ触れたいとは思っています。先ほど平野委員が言ってくださったベストミックスのあたりの文章がよかったので、是非もう一回修文の提示をお願いします。
また、河村委員から御指摘あった持続可能性とか、それから将来世代に関してのコメントを入れるべきではないかという話については、本当にそうであると思いました。最初のほうで高らかな文章ができるかどうか分かりませんが、将来世代に向けて今やらなければいけないことのようなところの表現を入れたいと思います。ありがとうございます。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それでは、ほかに。小林委員ですね。
小林毅委員、どうぞ。
〔小林(毅)委員〕御意見、どうもありがとうございます。
デジタルのところに関しまして、マイナンバーも含めて、なぜこれが必要なのかということと、それからなぜこれが普及していかないのかということ、きちんとやったほうが良いのではないか。全くおっしゃるとおりではあるのですが、実は私の中には、何で必要かとかいうのも、去年までにさんざん書き尽くした、あとはやるしかないのではないの。それが最初の前文のところの、利便性の向上と行政、実現する任に応えられるか、真価が問われているということに込めたつもりだったのですが、あえてそこらあたりのところを、繰り返しになっても構わないというのだったら入れても良い。
それから、先ほどのセーフティーネットの構築に不可欠という、佐藤委員からのお話もございました。こうしたことも含めて検討してみたいと思います。
銀行口座のひもつきの話も出たと思うのですが、基本的には新年度予算に関する話で、その話は若干射程が長いかという気もしないでもないので、これでも既に来年以降数年、令和7年度ぐらいまでの話まで入って、そこの準備に向けて何が必要ですかというのが今回の眼目でもありましたので、そこのところは検討させていただければと思います。
それから、デジタルのところではないのですが、先ほど「市場の信認」という言葉が出て、今回のキャッチーな言葉に、それがなり得るのではないかということで、実は起草委員の中で、そうした議論もございました。今回のキーワードはやはり「市場の信認」ということだよねということではありましたので、もしそれを前文か何かで強調したほうが良いということであったら私も、神子田さんや宮島さんと同様でございまして、そうした言葉があったほうが当然、記事にしやすい。去年は、それが「例外からの脱却」であったし、その前の年は「三兎を追う」という言葉だったので、そのような形で入れられれば、少し考えたいと思います。
ただ、市場のシグナルを見逃すなという話にしてしまうと、逆に、市場のシグナルが出るまでは良いのかということを、絶対考える人がおります。だから、その前段階として、市場の信認が失われるようなことをするなということであると思いますので、その辺りのところは考えてみたいと思います。
以上でございます。
〔増田分科会長代理〕それでは、土居委員、どうぞ。
〔土居委員〕自分の担当のところではないのですが、後で起草委員で話せば良い話とはいえ、拒否をしたということが後々誰の意見でそうだったかということが、委員の方々に誤解を招いてはいけないと思うので、1点だけ。
文教のところで宇南山委員から出た意見ですが、これは、文部科学省の概算要求でも出てくる言葉なので、そこはむしろ、起草委員とか、ないしは主計局で、わざわざこうしたことをつくり上げて、このような表現をしているわけではないというところは、まず御理解いただきたい。
Top10%は、明らかに文科省が概算要求のところで、こうしたことをしたいから予算を増やしてくれと、わざわざ言ってきている言葉です。ですが、必ずしもそうではないのではないかというところが問題であるということを、ここで申し上げているということ。
それから、72ページと73ページで「生産性」という言葉が違う意味になっているのではないかということではあるのですが、「論文の生産性」という言葉自体も、文科省は複数の定義を持って、こうした生産性、ああした生産性と言っているというところが、まずそもそもあるということと同時に、一応、72ページの6行目は注目度が高い論文数が、すなわち論文の生産性と言っていて、こちらもTop10%とは、72ページは直接結びつけてはいませんが、注目度の高い論文の輩出が少ないということは、さっきの定義と同じ定義であるということで73ページというつもりで書いてあるということであると私は理解しております。きちんと起草委員会で議論はさせていただきますが、ほとんどそのままで良いのではないかと私は思っているということだけ、前もって申し上げたいと思います。
以上です。
〔増田分科会長代理〕それから、冨田委員、どうぞお願いします。
〔冨田委員〕防衛のところですが、ここでの審議を踏まえましてまとめたもので、今日、平野委員、熊谷委員、末澤委員、神子田委員からいろいろ御指摘いただきました。
私の理解は、大筋は御賛同いただけたものと思っておりますので、今御意見いただけた部分で、できるだけ反映できるものを反映していきたいと存じます。よろしくお願いします。
〔増田分科会長代理〕起草委員の先生方、以上でよろしゅうございますか。
それでは、会長から一言お願いします。
〔榊原分科会長〕時間も過ぎていますので、簡単に一言申し上げたいと思います。
毎回のことですが、起草委員の皆様に心から感謝申し上げたいと思います。今回の提言書案ですが、何人かの委員の皆様から御指摘ございましたが、本当にしっかりとした、よくぞ書いてくれたと言った委員もおられましたが、各課題にしっかりと切り込んだ、危機感の伝わるような提言書案ができたと思います。
特に総論の2ページ、これは皆様も注目していただきたいのですが、2ページの12行目から16行目のところ、これは我々財審として、毅然とした姿勢を端的に表現した力強い文章であると思います。令和5年度予算は、我が国財政の長年抱えている問題と世界的な環境変化で新たに生じた課題のいずれをも真正面から受け止め、解決していく決意を示したものとしなければならない、これが非常に重要なポイントであると思います。しっかり掲げていきたいと思います。
今日、委員の皆様から、大変貴重な御指摘いただきましたので、極力反映するように努めていきたいと思います。本当にありがとうございました。
〔増田分科会長代理〕会長、どうもありがとうございました。
それでは、お時間参りましたので、本日の審議は終了といたします。
そして、少し事務的なことを申し上げますが、冒頭申し上げたのですが、追加の御意見がありましたら、明日18日金曜日の15時までに、事務局にメールで、様式は任意ですが、御提出をいただきたいと思います。議論を踏まえて、改めて起草委員会で修文を検討していただきます。できるだけ反映していただければと思いますが、難しい判断になるものもあろうかと思います。いずれにしても、修文案につきましては、基本的に起草委員の皆様の御議論に委ねたいと思いますので、よろしくお願いいたします。中空委員がおっしゃっていましたが、事務局で全部記録しております。大分早口で皆様、進行に御協力いただいて早口でしたが、そちらも活用していただいて、また御議論をよろしくお願いします。
その上で、委員の皆様のお手元にも、次回11月29日の分科会ですが、当然ですが、その前に修文案が届くように、できるだけ前に届くようにさせていただきますので、御理解よろしくお願いします。
それから最後に、この点だけ申し上げておきますが、資料は非公表の扱いでございますので、まず、お手元の資料は、会議後回収ということですので、その場にそのまま置いておいていただきたいというのが一つ。それから、内容について、今日の審議経過について、恐縮ですが、対外的にはお話しにならないように、皆様方の御協力をよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。本日はこれで閉会といたします。どうもありがとうございました。
午後5時10分閉会