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財政制度分科会(令和3年5月21日開催)議事録

財政制度等審議会財政制度分科会
議事録

令和3年5月21日
財政制度等審議会


財政制度等審議会財政制度分科会議事次第

令和3年5月21日(金)16:00~17:00
第3特別会議室(本庁舎4階中-412)

  • 1.開会

  • 2.議題

    とりまとめに向けた審議

  • 3.閉会

出席者

分科会

榊原定征

中西副大臣

矢野主計局長

角田次長

青木次長

日室司計課長

森田法規課長

有利調査課長

中島主計官

大久保主計官

飯塚主計官

渡邉主計官

関主計官

岩佐主計官

一松主計官

波戸本主計官

藤﨑主計官

渡辺主計官

井上主計企画官

山川主計企画官

分科会長代理

増田寛也

赤井伸郎

遠藤典子

大槻奈那

神津里季生

佐藤主光

十河ひろ美

武田洋子

土居丈朗

中空麻奈

藤谷武史

宮島香澄

安永竜夫

臨時委

秋池玲子

上村敏之

宇南山

河村小百合

木村

熊谷亮丸

小林慶一郎

末澤豪謙

和夫

竹中ナミ

田近栄治

伊達美和子

田中里沙

冨田俊基

平野信行

広瀬道明

福田慎一

別所俊一郎

真奈美

神子田章博

村岡彰敏

横田響子

吉川


午後4時00分開会

増田分科会長代理お待たせいたしました。定刻になりましたので、ただいまから、財政制度等審議会財政制度分科会を開催いたします。

本日は、前回に引き続きまして、建議の取りまとめに向けて、御手元にお配りしております財政健全化に向けた建議(案)、大部になっておりますが、これについて御審議いただくことを予定しております。一応、目安ですが、所要時間は1時間ということで、今日は進めていきたいと思います。

今回の建議案ですが、前回、11日の会議の場で、あるいは、その後、書面で頂きました御意見を踏まえて、起草委員の皆様に修正をしていただいたものでございます。御手元には、前回の会議でお配りしたバージョンからの修正を、見え消しにして赤字で書き込んだものと併せまして、修正を溶け込ませたクリーン版も配付をしておりますので、参考にしていただければと、このように思います。

審議に先立ちまして、前回の会議でお配りしたバージョンからの主な変更箇所につきまして、事務局から説明を初めにお願いいたします。こちら、有利調査課長から説明をお願いします。

有利調査課長前回、5月11日の分科会で頂きました御意見、それから書面で頂きました御意見につきまして、起草委員会で御審議いただきました。原案からの修正案について、先ほど分科会長代理から御説明ありましたように、修正反映後の溶け込み版と、それから修正点が赤字になっている見え消し版の両方がありまして、私からは見え消し版に沿って御説明をさせていただきたいと思います。

まず、建議全体の平仄に関する修正ですが、伊達委員から、デジタルトランスフォーメーション、DXは重要なキーワードであって、文中に盛り込むべきという御指摘がありまして、昨秋の建議同様、固有名詞化している文言などを除き、表記を「デジタル化・DX」という形に統一されております。

別所委員から、ページ数の表記を「p」にすべきという御指摘も修正されております。

伊達委員、別所委員から、IT、ICTの用語の使い分けをきちんと統一すべきであるということで、固有名詞化している文言などを除き、表記を「ICT」に統一されました。

大槻委員、別所委員から、ペイアズユーゴーの表記を統一すべき、堀委員から、ペイアズユーゴーについては脚注を入れて分かりやすくすべきとの御指摘を踏まえて、ペイアズユーゴーという用語は片仮名表現するとともに、18ページに脚注29を追記されております。

続きましては、1ページ以降の総論の修正です。

1ページの3行目から29行目、神津委員から、新型コロナの感染拡大が進む中で提出される建議として、国民が感じている問題意識を前面に出すべきとの御指摘を踏まえまして、原案の第1パラグラフの後半部分が文章の冒頭に移動することで、国民が感じている問題意識が最初に述べられるように修正されました。

22行目ですが、別所委員の御指摘を踏まえて修正されております。

3ページに移ります。8行目でございます。赤井委員から、これまでも政策を的確にできていないことがあったため、「エビデンスを踏まえ」との旨を記載すべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

17行目から19行目、平野委員から、今回のコロナによって明らかになったように、日本の構造問題の抜本解決に取り組まない限り、日本がこれまでたどってきた地盤沈下に歯止めがかからないという点にも言及できないか、例えば生産性や豊かさを示す指標の動向を注釈で言及すべきと、そうした御指摘を踏まえまして修正されております。

それから、4ページに移ります。4行目から5行目、佐藤委員、堀委員、赤井委員から、支援策について、PDCAを回すことも必要である旨を記載すべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

続きまして、同じページの9行目から11行目、佐藤委員から、非常時における積極的な財政出動は、財政規律を弛緩させ、財政再建を放棄してよいということは意味しないと、そうしたことを強調すべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

下の注3ですが、末澤委員から、公債残高の後ろに普通国債残高と追記すべきとの御指摘を踏まえ、脚注が追記されております。

5ページ目でございます。1行目から6行目、熊谷委員から、国民目線の議論についてもう少し盛り込まれていくと更に良いのではないか、佐藤委員から、財政の課題と再建の必要性について広く国民と理解を共有していくべきこと、そのためのデータの公開や丁寧な説明が必要なことは追記してもよいのでは、平野委員から、財政に関する危機意識の欠如についての記載をもう少し拡充してもよいのではないかとの御指摘を踏まえ、修正されております。

同じ5ページの9行目から10行目、大槻議員から、マクロの高齢化の進行にミクロの負担増が追いついていないのではないかとの御指摘を踏まえ、修正されております。

6ページ目、2行目から3行目、田中委員から、2020年までの数字でコロナ前後とすべきでないとの御指摘を踏まえまして、資料Ⅰ-2-3、すみません、恐らくこれは溶け込み版にしか入っていないと思いますが、本文が修正をされております。

7ページ目でございます。12行目から14行目、平野委員から、格下げ時のリスクについては、まず国債の信用力低下が指摘されるべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

下の注9、平野委員から、償還年限の長期化かつ市中供給量の増加が起こる時期には突発的な金利上昇が起こりやすく、国債の安定償還、年限長期化は相当神経を使わなければならない問題であることを何らかの形で追記してもよいのではないか、また、短期国債への一定程度の依存が不可避である理由が分かりがたいとの御指摘を踏まえ、修正をされております。

18行目から20行目、河村委員から、経常黒字の大宗を占める所得収支の悪化につながるリスクの意味するところが分かりづらいとの御指摘を踏まえ、修正されております。

8ページ目に移ります。下の注11でございます。末澤委員から、注釈にてプライマリーバランスの定義と、その必要性に触れたほうが良いとの御指摘を踏まえ、脚注が追記されております。

9ページ目に移ります。7行目から9行目、それから注15について、起草委員から、プライマリーバランス赤字の大きいベースラインケースに近いケース、それからベースラインケースでは、成長率が金利を上回る場合ですら、公債等残高対GDP比が上昇するという点も重要な検証結果であるので言及すべきとの意見がありまして、追記されております。

同じページの注16です。平野委員から、中長期試算の成長実現シナリオは楽観的過ぎる、宮島委員から、もっと中立的な試算をつくるべきとの意見もあるとの御指摘を踏まえて修正されております。

9ページの13行目ですが、別所委員から、0.5%ではなく0.5%ポイントとすべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

続きまして、10ページでございます。注19、平野委員から、諸外国の中期計画に言及した上で、中期財政計画を財政規律としてしっかり機能させることも非常に大事であるとの御指摘を踏まえて、脚注を追記されております。

11ページ目に移ります。注21ですが、平野委員から、財政規律を裏づける制度的対応が必要、財政運営状況の監視や検証、長期予測の策定など、規律を遵守するための制度的枠組みの必要性を書けないかとの御指摘を踏まえ、修正されております。

12ページ目、23行目から24行目でございますが、平野委員から、プライマリーバランス黒字化が遠ざかってしまわないような記述をすべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

続きまして、12ページの28行目から13ページの2行目にかけまして、平野委員から、改革工程表の中でKPIを適切に選択し、厳格な進捗管理を行うべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

同じ13ページの7行目から8行目、平野委員から、補正予算の事後検証に関する御指摘を踏まえて修正されております。

同じ13ページの10行目から19行目でございますが、神子田委員から、前後の文章とのつながりを考慮すべきとの御指摘を踏まえまして、目安の歳出の規律づけによるスクラップ・アンド・ビルドを通じた省庁、分野を超えためり張りづけ等の効果については、目安の効果を検証した10行目から15行目を、11ページの23行目から下に移動されております。

それから、歳出の各分野の改革の実効性の重要性を指摘した13ページの16行目から19行目については、14ページの20行目から23行目に移動されております。

続きまして、14ページでございますが、4行目から5行目、神津委員から、グリーンやデジタルに資源を傾斜していくべき、平野委員から、DXやカーボンニュートラル等官民が力を合わせて重点的投資を行うべきとの御指摘を踏まえ、修正されております。

下の注24、堀委員から、財審委員以外の一般の方にも意味が伝わるよう、EBPMについて脚注か補足説明を追記すべきとの御指摘を踏まえて、脚注を追記されております。

15ページの5行目から9行目、平野委員から、病院数、病床数の記載は、諸外国に比べて人口1人当たりの病床数、病院数が多過ぎると明記すべきである、それから医療機関の再編、統合の必要性も併記すべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

15ページの14行目、神津委員の指摘を一部反映いたしまして、「できるよう」にという文言を追記いただきました。

18行目から22行目、平野委員から、デジタルシフト化による行政効率化に関して、デジタルシフトは新たな価値の創造とともに劇的なコスト削減をもたらすものであるが、これは金と人との両面で今後の成長分野に投入すべきリソースの捻出につながる、そうした考え方を盛り込むべき、別所委員から、手続の簡素化は質の向上なので「質を向上させ」でよいのではないか、安永委員から、行政の効率化について、より活力のある社会経済のためには広域連携の視点が重要であり、広域化、広域連携の視点も重要であるという旨を追記すべきである、横田委員から、行政のデジタル化に関して、デジタル化の強みを生かしたサービスの向上の文脈を追記すべきとの御指摘を踏まえ、修正をされております。

15ページ、23行目でございます。大槻委員の御指摘を踏まえて修正されております。

同じ15ページの27行目から16ページの1行目、平野委員から、コンパクトについて、病院や学校、上下水道なども含めて総合的に検討すべきとの指摘を踏まえまして、修正をしております。併せて、省庁の推進体制がばらばらであってはいけないとの御指摘も踏まえまして、注26を追加されております。

その下、注25ですが、冨山委員から、特別定額給付金を配布する際の非効率性といった課題に言及すべきではないかとの御指摘を踏まえ、脚注を追記されております。

16ページ、9行目、大槻委員の御指摘を踏まえて修正をされております。

14行目から15行目でございますが、村岡委員から、民間投資を促すインセンティブとなる仕組みづくりが必要との御指摘を踏まえて追記されております。

同じ16ページの下、注26でございますが、平野委員から、省庁の推進体制がばらばらである点について、各論の審議でも複数回指摘があったが、こうした問題意識をこの項目のどこかで言及できないかとの御指摘を踏まえて、脚注が追記されております。

次の17ページの9行目から10行目でございます。別所委員の御指摘を踏まえて修正されております。

その後、16行目、横田委員から、紙資料のアップロードは良いと思うが、今後、データ化につなげていくところまで記載すべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

同じページの17行目から18行目、堀委員から、事業報告書について、後ろの医療と介護にもそれぞれ損益計算書、財務諸表等の記載があるが、表記を統一すべきとの御指摘を踏まえて修正をされております。また、1.社会保障の36ページの4行目とか、54ページの19行目、20行目でも同じようなことがありましたので、同じような修正をされております。

17ページの21行目でございます。別所委員の御指摘を踏まえて修正されております。

注28、佐藤委員から、個人情報保護条例やローカルルールなど利活用のボトルネックを検証して、見直すべき旨を記載してもよいのではないかとの御指摘を踏まえて、修正されております。

続きまして、19ページ以降の社会保障の修正点でございます。

19ページの11行目から13行目、大槻委員から、総論で新型コロナへの対応について触れている一方、その柱となる社会保障、あるいは医療のところにほとんど新型コロナへの対応に係る記述がないので、少し入れておいたほうが良いのではないかとの御指摘を踏まえて修正されております。

20行目でございます。別所委員から、「先送られている」を「先送りされている」と直すべきであるということで修正されております。

続きまして、20ページに移ります。7行目から10行目、平野委員から、負担面からの取組の記述について、少なくとも昨秋の建議並みの記述にすべきとの御指摘を踏まえて修正をされております。

21ページの3行目から5行目、別所委員から、「既に述べたように」とあるが、述べられていないのではないか。また、この一文は意味が少し分かりにくいので、保険料につきましては「受益者の負担となるため、その変化がシグナルとして捉えられ、受益(給付)の水準を調整する牽制作用が働きやすい」としてはどうか、との御指摘を踏まえて修正されております。

23ページでございます。12行目から13行目、及び注42、横田委員から、「働き方に中立的」の意味が少し通りにくいので、表現を工夫するべきではないか、また、第3号被保険者の当事者がネガティブに捉えてしまうおそれがあるのではないか、との御指摘を踏まえて修正されるとともに、脚注が追記されております。

24ページの11行目、宮島委員から、「翻って医療分野では」という記載は、年金に劣後している印象を与えるのではないかとの御指摘を踏まえて修正されております。

25ページの8行目、別所委員から、「専門調査会が、」の読点を削除すべきという御指摘がありましたので、修正されております。

9行目から10行目、別所委員から、括弧を半角から全角にすべきとの御指摘も踏まえて修正されております。

25ページの22行目、26ページの4行目、別所委員から、「給付費/GDP比」、GDP比分の給付費の表記を一般的な表記にすべき等の御指摘を踏まえて修正されております。

26ページの7行目から8行目、佐藤委員から、(2)医療、①総論の最後「15年来の医療費適正化の蹉跌からの立て直し」と言うのであれば、PDCAサイクルに基づく診療報酬の見直しを含んだ、実効性のある医療費の総額管理の検討というところまで踏み込んでもよいのではないかとの御指摘を踏まえて修正されております。

26ページ、17行目から18行目、十河委員、宮島委員から、国民の関心がコロナで高まっていることが分かる記載ぶりとすべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

28ページの5行目、十河委員、別所委員、宮島委員から、「新型コロナの感染拡大を迎えた」という一文が同じ文中に2回あって、重複しているという御指摘を踏まえて修正されております。

続きまして、同じ28ページの8行目、それから30ページの26行目、十河委員の分かりやすい見出しに修正すべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

31ページの22行目、神津委員から、地域医療構想調整会議への多様な設置主体の医療機関の参画を強く促し、透明性の確保を担保すべく、国としても構想のPDCAサイクルを強化し、進捗管理、都道府県の取組の支援を強化することが重要との御指摘を踏まえて修正されております。

32ページの注55です。宮島委員から、国民一人一人が自分たちの医療制度を守るためにどうしたらよいかについて追記すべき、安永委員から、コロナ禍で重要性、緊急性の低い患者が受診する機会が減ったという実需が明らかになった、実需を踏まえた適切な医療の受診に対する考え方をもう少し国民の多くに徹底してもらう必要がある、との御指摘を踏まえて脚注が追記されております。

33ページ、5行目から6行目、堀委員から、「普及のために」と書くのであれば包括化ではなく、かかりつけ医の普及を促進する診療報酬の在り方の検討といった表現にすべきではないかとの御指摘を踏まえ、修正をされております。

同じ33ページの12行目から13行目、平野委員から、今年末に佳境を迎える診療報酬改定の議論に向けて、診療報酬に関して医療サイドから次期診療報酬改定に向けた要望が提出され始めている。そうした状況に鑑み、医療提供体制の改革をいかに進めていくべきなのか、改革の具体化に向けた検討を急ぐ必要がある旨が記載できないかと、そうした御指摘を踏まえて修正されております。

34ページの14行目から17行目、4月15日の社会保障の審議において、宮島委員から、新型コロナ対応をしている補助金の効果を検証すべきとの指摘を頂いておりました。データを従来から厚生労働省にお願いしておいたところでございますが、ようやく提供いただきましたので、これは溶け込み版になりますが、資料Ⅱ-1-32を付け加えまして、それと併せて34ページに文章を付け加えております。公的なコロナ患者を受け入れている医療機関ですが、補助金の収入によって前年度並みの収支か、それ以上の収支を確保できております。最も補助金の多い医療機関では、前年度の収支より13億円改善との推計結果が示されております。

36ページに移ります。27行目、十河委員から、分かりやすい見出しに修正すべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

38ページ、5行目から6行目、堀委員から、「このようなまやかしに決別し」という表現は適正化したほうが良いのではないかとの御指摘を踏まえて修正されております。

少し後ろに行きまして、41ページの24行目、堀委員から、表現が伝わりにくいとの御指摘を踏まえて修正されました。

45ページに移りますが、注73、別所委員から、「カウンター越しに販売される」について、正確な記載とすべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

49ページの13行目、神津委員から、人手不足感が強まっており、新型コロナの影響による離職者の介護分野への職業転換を一層強化すべきであるとの御指摘を踏まえて、修正されております。

57ページの28行目、広瀬委員から、雇用調整助成金について、感染再拡大の状況等を注視し、地域特例、業況特例の延長や生産指標の要件緩和等、柔軟に対応すべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

58ページの注91でございますが、神津委員、広瀬委員から、国庫負担割合について引き上げるべきとの御指摘を踏まえて、脚注が追記されております。

59ページの1行目でございますが、安永委員から、衛生対策にかかる負担を過度に事業主に押しつけるべきではないとの御指摘を踏まえて修正をされております。

続いて、61ページ以降、地方財政の修正点です。

63ページ、注95ですが、佐藤委員から、歳出改革の優良事例について長期推計をするには、その標準モデル、国の経済、財政の見通しを国がつくって、それを自治体が活用できるようなインフラの環境を整備すべきとの御指摘を踏まえて、注釈が追記されております。

64ページの10行目、それから注96ですが、佐藤委員から、地方創生臨時交付金について、さらに、その使途及び効果についての検証が必要なこと、仮に当初予算で地方一般財源の総額がコントロールできたとしても、臨時交付金のような補正予算による措置があれば尻抜けになりかねないこと、よって地方財政についても、当初予算にとどまらず、補正予算を含めて、総額の管理、検証が求められる旨を記載すべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

同じ64ページの24行目から25行目、平野委員から、「少なくとも3割削減する」という表現は、更に高い目標を目指すという趣旨の記載を追記できないかとの御指摘を踏まえて修正されております。

65ページの12行目から14行目、及び注98ですが、伊達委員から、マイナンバーカードの活用促進のためにもう少し踏み込んだ言及をすべき、神津委員から、カード取得率の向上を通じた行政サービスの質と効率の両立を目指していくことが重要であると、そうした御指摘を踏まえて修正されております。

67ページの6行目、平野委員から、総合管理計画の対応策として長寿命化対策のみが挙げられていますが、それにとどまらず、将来の人口規模に合わせてインフラをコンパクトに再編成していくことが不可欠である旨を明記すべきであるという御指摘を踏まえて、修正されております。

続いて、68ページ以降の文教・科学技術の修正点です。

68ページの22行目、熊谷委員から、これからのグローバルの最大のキーワードの一つはダイバーシティーであると、文教・科学の分野はそれこそが重要であるということで記述を追記すべきという御指摘を踏まえて、修正されております。

70ページの10行目から11行目でございます。神津委員から、教員の採用倍率の低下が指摘されているが、まずは労働環境の改善をはじめとして、本来の魅力ある教育職場を取り戻す施策を実施すべきとの御指摘を踏まえて、修正されております。

71ページ、13行目から23行目ですが、佐藤委員から、学校教育のICT化について、ICT化の推進に当たってボトルネックの検証と課題解決を図るべき、ICTを現状の教育手法の延長としてではなく、抜本的、非連続的な教育の在り方の見直しが求められる、そうした旨を強調したらどうかとの御指摘を踏まえて修正されております。

71ページの16行目ですが、別所委員から、「ICT(情報通信技術)」について、初出はもう総論部分にあったので括弧書きは不要と、それからAIについては括弧書きがないので、そうしたことを踏まえて記載を統一すべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

続いて、79ページ以降の社会資本整備の修正点です。

79ページの注112、別所委員から、本文の「国際比較の面から捉えると、我が国の公共事業関係費は引き続き相対的に高水準と考えられ」とあるのと、脚注の「固定資本形成はGDP比でOECD諸国の中で中位」というのが矛盾しているのではないか、高水準とは言えないと思うので、「低くはない」等の表現のほうが良いのではないかという御指摘を踏まえて修正されております。

82ページ、5行目から6行目、神子田委員から、ソフト・ハードが一体となった防災・減災対策のところで、全体としてソフトの書き込みが弱いように思われる、国民の命を守るためには、早めに災害につながる情報をつかんで、早めに避難できるような情報を伝達するということが大事である、その旨の修文をすべきと。佐藤委員から、居住地の誘導について、政策金融や補助金の活用のほかに、固定資産税等の税制の活用、危険区域における新築住宅への軽減措置の廃止や、所得税の住宅ローン減税の対象からの除外、そうしたこともあってしかるべきではないか。住宅や賃貸の不動産情報として、リスク情報の掲載の義務化も一案ではないかとの御指摘を踏まえまして修正されております。

84ページの19行目から22行目、遠藤委員から、衛星を活用した災害対策の迅速化、高度化の最後の一文について、「このため、他の衛星の活用も重要であり、切れ目のない観測・監視が可能な静止衛星の活用についても」といった書き出しとすべきではないかという御指摘を踏まえて、修正されております。

27行目から30行目ですが、木村委員から、建設公債の増加の抑制の意義について、なぜ今回、これを取り上げるのかという背景があるのであれば触れるべきであるという御指摘を踏まえて、修正されております。

85ページから86ページでございます。注118もそうですが、別所委員から、費用便益分析の略称として、B/Cを使っているが、B/Cは便益費用費のことであって、費用便益分析の略称はCBA(コストベネフィットアナリシス)である、B/Cが行われていないという表現はおかしいのではないかとの御指摘を踏まえて修正がされ、脚注が追記されております。

87ページ、1行目から3行目、それから16行目ですが、赤井委員から、エ)、オ)の費用の適正な管理と徹底のところで、あえてタイトルに北陸新幹線の金沢・敦賀間、北海道新幹線の新函館北斗と入れると、その新幹線以外のところは費用の適正な管理とか徹底はしなくてもよいと、そうした意味合いが出てしまうのではないかという御指摘を踏まえて、修正をされております。

89ページの4行目から5行目です。平野委員から、ア)市町村区域を越えた立地適正化の推進の項目では、「都道府県も加えた、市区町村の連携と役割分担を踏まえた立地適正化計画の策定を進めることが望ましい」だけでは不足感が否めない、統廃合、再編を含めたコンパクト化に向けて、計画を具体的に作成されることを志向すべきである旨、書きぶりを修正できないかと御指摘がありましたので、これを踏まえて修正をされております。

続いて、91ページ以降の農林水産でございます。その修正点でございます。

94ページの4行目から5行目、秋池委員から、「現地における供給体制まで包含した戦略」とありますが、種苗等の知財の保護も非常に重要なので追記すべきとの御指摘を踏まえまして、修正されております。

94ページの28行目ですが、神津委員から、食料安全保障の観点からは、農業、水産業の安定した経営基盤の構築、及び生産性の向上、持続可能な健全な発展を通じて、我が国の食料安全保障の根幹となる、食料自給力の向上を戦略的に推進すべきとの御指摘を踏まえまして、修正されております。

続いて、99ページ以降のグリーンの修正点です。

99ページの19行目から20行目、広瀬委員から、グリーン政策のグランドデザインに相当するような一言を入れるほうが良いとの御指摘を踏まえまして、修正されております。

続いて、100ページの2行目から4行目、平野委員から、カーボンニュートラリティーといった国家戦略的であり、かつ極めてチャレンジングな取組を行う上では政府が強いリーダーシップを発揮すべき、安永委員から、政府においても野心的な目標を掲げた以上は、それに挑戦して実現するという意気込みをしっかり書き込むべきであるとの御指摘を踏まえまして、修正されております。

下の注136ですが、大槻委員から、末尾は「必要がある」と文章で終わったほうが良いとの御指摘を踏まえて修正されております。

続きまして、101ページの16行目から102ページの3行目、秋池委員から、グリーンイノベーション基金については、グランドデザインにふさわしく、その14分野に配分されるということが重要なので、そうした表現を入れてはどうか、遠藤委員から、「研究開発で終わらず社会実装まで行うため」の意味が取りづらい、それから表現の重複感があるのではないかと御指摘を踏まえて修正されております。

102ページの8行目、遠藤委員から、冒頭の「また、」は不要ではないかとの御指摘を踏まえて修正されております。

10行目から11行目、神津委員から、米国、欧州の例はいずれも財源確保が伴った対策の必要性を述べるにとどまると理解するも、支出の基本となる目的と使途を押さえておくことが必要との御指摘を踏まえて修正されております。

続きまして、102ページの24行目から103ページの1行目、遠藤委員から、グリーンはグリーン政策とすべきではないか、河村委員から、地球環境の問題は現世代の我々が今の生活水準を化石燃料に依存する形で維持する代償として生じた問題であって、持続可能な地球環境を次世代に引き継ぐ責任が我々にあるということを記載すべき、別所委員のペイアズユーゴー原則の平仄の御指摘を踏まえて修正されております。

104ページの2行目から3行目、遠藤委員から、「ESG投資は政府としても推進することとされており」とありますが、主体的な表現に改めるべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

続きまして、104ページの7行目から8行目、神津委員から、総論の16ページ、28行目に「普及しており、そのための評価基準や情報開示のルール整備が進むことで、市場を通じリターンを得ながら民間資金を様々な社会課題の解決に活用していく」と、そうした記述がありますが、それを反映すべきとの御指摘を踏まえて修正されております。

このほか、少し前に戻っていただいて、例えば5ページの22行目、今回、説明を省略した修正もございますが、いずれも起草委員の先生方に御議論いただいた内容を踏まえた修正でございます。

それから、委員の皆様からの御指摘を踏まえつつ、本文に合わせて概要も修正されております。溶け込み版の107ページから、概要は載っております。少し印刷が間に合わなかったのですが、公表資料では109ページ、介護・障害福祉のところです。この3ポツ目に、いきなり「利用者のニーズを適切に把握した上で地域の実態を踏まえた事業所の指定が必要」という記述になっておりましたが、分野を明らかにするために、冒頭に「介護・障害福祉について、」と付け加えて、「介護・障害福祉について、利用者のニーズを適切に把握した上で」という形で、公表版では少し追記をさせていただこうと思っています。

私からの説明は以上でございます。

増田分科会長代理御苦労さまでした。

前回の会議の後、相当多くの御意見を頂戴しまして、文意を明確にする上では大変有益な御意見いただきました。起草委員の先生の方に、非常に丹念にそれを拾っていただいて、御手元にあるような形でまとまったということです。今日の会議の目的は、この文書を確定させて、5時半を予定してございますが、大臣に提出するという段取りに実はさせていただいているということでございます。

本文と、それから、今、ございました概要版も、従来、4ページだったと思いますが、今回、1枚増やして、やはりボリュームがどうしても多くなってきましたので、分かりやすくする上で、思い切って1枚増やして5ページで概要版を作ってございます。こちらもセットになってございますので、もし本文、それから概要版についても、何か御意見等あればお願いしたいと。いろいろなその後の関係もお酌み取りいただいて、御意見いただければと思っているところでございます。

どの部分でも結構でございますので、いつもどおりネームプレートを立てていただければ、それからテレビ会議システムの方は「挙手する」ボタンをクリックして合図をしていただければと思います。それでは、佐藤委員、宮島委員という順番で、それから熊谷委員、神子田委員と、こうした形でいきましょうか。

佐藤委員、どうぞお願いいたします。

佐藤委員ありがとうございます。

本文の中身のことではないのですが、前回、欠席していたので、議論があったら申し訳ないですが、今回の建議の中に出てきていないのが防衛と中小企業関係の経費です。別に懸案がないわけではない分野であると思いますので、特に持続化給付金、雇用調整助成金等、中小企業に関わる話も多いので、どこか、今さら文章は変えられないでしょうが、別に載せていないから無視、問題ないと言っているわけではないということは明確にしたほうが良いかと思いました。中小企業と防衛はこれから重要な分野なので、少し扱い注意かと思いました。

以上です。

増田分科会長代理はい、承りました。

それでは、宮島委員、どうぞ。

宮島委員ありがとうございます。

非常に意見を受け入れていただいて、特に概要ですが、2枚目か3枚目、文字だらけでどうしようかと思うページがあったのですが、それが本当に分かりやすくなったので、良かったと思います。

あとはここからですが、今までも記者が分かりやすいかどうかということを、私は申し上げてきましたが、もう今や記者ではなくて、ダイレクトに財務省のホームページを見る人たちに訴える必要があると思います。ですので、他省庁は政策そのものをやっているので、同じように簡単にはできないかもしれませんが、例えば農水省はeMAFFを通じたり、あるいは白書のホームページへの記載の仕方を工夫していたりということがありますので、やはり財務省もホームページを見に来てもらう工夫をすべきです。そして、見に来てくれている人にも、ちゃんと分かってもらうということに努力をしていただきたいと思います。

さらに、医療体制に関しては、本当に今、話題であり、普通の人が、何でこうなっちゃったの、どうすればよいの、ということを普通の会話としてする時代になってきました。これは、本当にレアな機会であるとは思いますので、まさに今、どういうようにすればよいかということ。これは、構造だけではなくて、私たち一人一人もどうすればよいかということも含めて、厚労省と相談しながら打ち出す。そうしたことを、これからまた秋に向かって具現化していただきたいと思います。

増田分科会長代理ありがとうございました。

熊谷委員、お願いします。

熊谷委員ありがとうございます。

5ページの1行目から6行目のところ、前回、私が申し上げたことを加えていただきまして、誠にありがとうございます。わが国は民主主義国家なわけですから、その意味では、国民に対してどうやって適切な広報活動を行っていくかということ、また、財政再建の必要性を国民の方々に「自分事」として捉えていただくということ、これらがやはり最大のポイントであると思いますので、今後もぜひそうした方向でやっていただきたく存じます。

そして、もう建議の内容については、本当にすばらしい内容で、全く異議はございませんが、今後のやはり留意すべき点としては、市場の日本国債に対する信認はやはり一瞬にして崩れるリスクがあるということ、これを肝に銘じておかないといけないのではないでしょうか。重要なことは、やはりそうした形で財政の信認が崩れたときには、我が国に政策的な手段が残されていないと、これがやはり最大の問題です。例えば国債が暴落をして、円安が進行し、輸入インフレになったときに、本来であれば利上げをしなければいけないわけですが、それをやると利払い費が雪だるま式に膨らんでしまうので、どうしてもやはり対応ができなくて、スパイラル的に国債の暴落、そして円安、輸入インフレが進行するリスクがあるわけです。

その意味では、世界第3位の経済大国である我が国は、やはりこうした事態を回避するということが責務です。これは、もう釈迦に説法でございますが、今後も引き続きそうした意識の下で、この審議会においても、今回から私は末席に加えていただきましたが、非常に勉強になりましたので、ぜひともまた御指導を賜りたいと考えております。ありがとうございます。

増田分科会長代理それでは、神子田委員、お願いします。

神子田委員私の意見もお酌み取りいただきまして、ありがとうございました。大先生に生意気な注文をつけて、どうも失礼いたしました。

3点ありますが、1つは、2025年度のプライマリーバランス目標堅持ということで、ちまたでは、こんなに財政が悪くなって無理なのではないかという意見も聞かれるのですが、やはりここは歯止めということで、しっかり堅持してやっていくということが大事であると思います。

それで、4ページの9行目から11行目に、「新型コロナ等の非常時に財政が機動的に対応することが求められるとしても」「構造的問題への対応を先送ってよいということを意味しない」ということですが、私は財審として、やはり必要な財政は出すべきであるという意味では、コロナに対して出すものは出すという意見もあってしかるべきであると思うのですが、言いたいことは、コロナはなかなか長引いてはいるが一時的なもの、しかし、高齢化、人口減少は長期的なものと、ここを切り分ける必要があります。短期的なことは、出すものは出すが、長期的なことはずっと続けていくという姿勢を確認することが大事なのではないでしょうか。ですから、2025年度に関しても、仮定の話をしてどうかというのもあるのですが、コロナなかりせばどういう数字だったか、コロナのおかげでこうなった等、そこを切り分けて、コロナがなかったらどこまで進んでいたかという確認をしていくことが大事なのではないかと一つ思いました。

もう1つは、82ページの5行目、避難情報の充実に努める重要性を入れていただいて、ありがとうございました。これは、デジタル化、省力化投資等、いろいろなことに役に立ちますが、やはり災害時の防災で、資金面から縮減していくということにも活用できるのではないでしょうか。究極的には人の命を守るわけですから、津波警報があれば人は避難しますが、伝わらないと避難できないわけです。だから、どうやって個々の人々に伝えていくか。それは、やはりIT技術を使っていくということは大事なのではないでしょうか。

ここで、今日、たまたまうちのニュースでもやりましたが、84ページの19行目に衛星の話があって、地球の自転によって観測場所が毎回変わるという制約があったのですが、新しいニュースでは、NTTなどの光通信を使って宇宙空間の衛星同士で情報を共有できると。つまり、今、情報を取っている衛星からは、直接、地上には情報が伝わらないのですが、宇宙空間同士で別の場所にある衛星に情報が伝わると、そこからは地上に情報が取れると。そのようにして、いち早く災害の状況、あるいは危険が迫っている情報をつかんでいくことで人の命を救うということは、一々、ダムや堤防に莫大なお金をかけても救い切れないものがあるというところを、何とかそこを救っていくということに関しては、やはりテクノロジーでやっていくということが必要なのではないかと思いますので、秋の財審にかけてはそうしたことをまた意見していきたいと思います。

以上です。どうもありがとうございました。

増田分科会長代理それでは、平野委員、お願いします。

平野委員ありがとうございます。

銀行員の悪い癖で、細かいことをいっぱい書きまして、丹念にお読み取りいただき、また一部、修正を加えていただきまして、ありがとうございました。まずもって、起草委員の皆様と事務局の皆様に感謝を申し上げたいと思います。

私は、今回も一連の会議の中でいろいろなことを言ってきましたが、その背後にあるのはやはり現状に対する危機感です。今回も少し書いていただきましたが、日本の国際社会における位置づけが、この10年、20年、30年で、目を覆うばかりに下がっているということです。かつ、今、また世の中が大きく動き始めている中で、内向きになってはいけない、それから今の足元のことだけにとらわれてはいけないという思いから、いろいろなことを申し上げてきました。

今、神子田委員もおっしゃったのですが、もともとこの問題はコロナの前からあった構造的な問題で、これにチャレンジするということが我々に与えられたタスクであると思います。コロナを決して無視する必要はありませんし、してはいけませんが、逆に危機の中にあってこそ将来を考えるのがやはりリーダーの役割であると思います。まさに足元の課題と、それから将来の危機、課題に対する対応をきちんと切り分けて、時間軸の中で問題を提起、対応していく、これが大事であると思います。

そうした意味で言うと、今回も、まずはファクトをよく見ると、不都合な真実もきちんと見るということで、土居委員のスタディーは非常に画期的であると思います。これまでは、どちらかというと内閣府の数字、シナリオだけが独り歩きしていて、これを多角的に検証しようという姿勢が残念ながら政府には欠けていたということですが、我々もこの場で何度も議論したエビデンスベースドポリシーメーキングの精神に従って、客観的に幾つかのシナリオを置いて分析をしていただきました。その結果として、かなり不都合な真実が見えてきました。だから、そこから出発しなければいかんということです。

その上で、今、申し上げたような時間軸での対応、やはり両方が大事であるわけで、財政の健全化と、それから将来に向けての経済の成長、これらを両立させなければならないということです。したがって、やはり使うべきところには使うという意味では、デジタルと、それからグリーン、この2つの施策にはやはり十分な予算をつけなければいけないということで、メリハリをつけた対応が必要であると言いたかったということです。

その上で、それを不断に検証していく。今回、PDCAということをはっきり言っていただいていますが、これは非常に重要なことであると思います。新型コロナ対策の効果の検証もそうだし、もう1つ重要であると思ったのは、補正について事後検証ということを明記していただきました。本当は補正に正面から取り組みたかったところを、そこまでには至っていませんが、ただ、検証するぞと言ったということは、やはり大変大きな牽制効果になると思います。これもとても良かったと思います。

したがって、私は、本当に今回の皆様の御努力に心から敬意を表しますし、やるぞといったことをやはりこれから先、きちんとやっていくと。これは、すみません、財務省にもお願いしたいし、我が財審としても、自分たちで言ったことについては、きちんと責任を持ってフォローしていくという姿勢で臨んでまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

以上です。ありがとうございます。

増田分科会長代理それでは、安永委員、お願いします。

安永委員ありがとうございます。

コメントしたことを正確に反映いただきまして、本当にありがとうございます。

私が申し上げたいのは、建議の内容ではなく建議をまとめるプロセスについてコメントさせて頂きます。今回、初めて参加したので大変驚いたのですが、ペーパーレス化、デジタル化の余地がこれほどある作業はないのではないでしょうか。それから、真夜中に何本も分けてメールで送ってくるということは、我々、民間企業だったら、そんなことはやめてくださいと言わなければいけないような働き方を財務省の皆様がされているということは、やはり少し異常であると思わないといけないと思います。この働き方を、デジタルの力によってもっとストリームラインすることができるはずで、それこそが、デジタルと盛んにこの建議でも述べているのに、やっている仕事がアナログのままであっては問題であると思います。ペーパーレス化もそうです、これ(iPad)で物事は足りますので、ペーパーレス化、デジタル化については、やはり財務省としてももっと改善の余地があるように思います。

以上です。

増田分科会長代理ありがとうございます。

一言だけ、私のほうから。実は、いっときペーパーレス化で、iPadでやっていたのですが、コロナがありまして、それで紙に戻した、という経緯がございます。個人のiPadを持ってきてやるという格好であるとよろしいかと思います。

有利調査課長消毒とか、いろいろそちらの作業がかかっていたものですから、コロナになって、一度、紙に戻したのですが、平穏になったら、もう1回、iPadに戻すつもりです。

安永委員アクセスコードをどのように利用するかの問題であって、それは個人のツールからでも十分に、セキュリティー面はコントロール可能だと思います。

増田分科会長代理おっしゃるとおりです。セキュリティーの問題を解決すれば、個人のものでもよいと思っています。以前は、事実とすると、一昨年度まで財務省のiPadを使ってやっていました。昨年度から、こうした格好に少し変わったという経緯はございます。また事務局に、いろいろそこは考えていただくことにしたいと思います。

安永委員すみません、くどいですが、ペーパーレス化だけの問題ではなくて、作業プロセスそのものを…。

増田分科会長代理そちらが恐らく。はい。

安永委員そちらのほうが大事であると思います。はい。

増田分科会長代理恐らく、そちらのほうが本筋の話であると思います。これはまた、財務省にいろいろ進め方を考えてもらいます。

田中委員、どうぞお願いします。

田中委員どうもありがとうございました。

今回、本当に何が問題なのかということを分かりやすく提示いただいて、そして現実を直視して、未来に向けて行動しよう、しなければと思わせていただける建議で、しっかり読んでもらえたら、きっと納得感を得てもらえるだろうと思っております。

前回、宮島委員が、やはりこの概要を皆様が見ますよという話と、私も省庁の資料を見るときに、やはりいろいろ書いてあると、まず概要だけ見ようと思ってしまうので、これを充実させていただいたことはすばらしいということと、今回、やはりメッセージとしてはデジタルとグリーンが象徴的で、この追い風を生かして、将来世代のことも考えて、このグリーンで、デジタルで成長戦略を描いて実現していこうということ。また、企業も、個人も、この中ですが、少し余力ある人の持てる力を生かしていこうというような感じで、記者の方にもメッセージを受け止めていただければと思います。見る人たちも、ここからまたアクセスして、検索して、深掘りできるようなことがあると良いなと思いますので、これからの伝わり方をまた工夫していければと思うところです。建議で、厳しいですが、明るいメッセージがある、というようなことがまとめられたと思いますので、これを大切にしたいと思います。

ありがとうございます。

増田分科会長代理ありがとうございました。

それでは、この場での御意見は以上にさせていただいて、ウェブで参加されている方、神津委員と堀委員と合図がございましたので、初めに神津委員から御意見、どうぞお願いします。

神津委員ありがとうございます。

まず、起草委員各位の御尽力に敬意を表したいと思います。こちらから発言した内容や意見書からも、幾つか取り込んでいただきました。感謝申し上げたいと思います。

この建議書が、今後、予算編成の考え方のベースとなっていくと認識をいたします。ぜひ、この間あらわになった日本の社会の脆弱性を是正し、持続可能な経済社会につなげていくということが必要であると思いますので、そのことを期待しつつ、2つだけ、医療と雇用について手短に申し述べておきたいと思います。

医療については、地域医療構想の実現、ここに向けてが本当に大事であるということが、今般、痛感されたと思います。医療人材をはじめとした資源の適正配分が進むように、外来診療を含む全ての医療機関を対象に、地域医療構想を補強し、推進していくことが必要であるということは、建議書が強調されているとおりであると思います。そして、また、医療費の増加を抑制する取組が重要であると、様々な工夫が必要であるということも重要です。

一方で、患者負担の引上げによって受診抑制を進めるという手法は、所得格差による健康格差が生じるおそれがありますので、必ずしも有効とは思えません。専門診療と総合診療の区分けを明確にして、かかりつけ医を機能させる、そうした王道を地域医療構想とともに推進していくことが肝要であるということを申し述べておきたいと思います。

それから、雇用です。この間、世界中で雇用は大変大きな影響を受けていまして、先進各国で大規模な財政出動を図っています。我が国においても、特例を含めて一般財源を活用していただいているわけですが、雇用保険の活用がベースにあることも紛れもない事実でありまして、雇用保険の枠組みは、基本的にはリーマンショック等、これまで幾多の経済危機を乗り越えるときに使われてきた、労使の財源の積立てを活用してきておるものです。一方、このコロナ禍における緊急事態宣言をはじめとした諸施策は、そもそも感染症の危機を乗り越えるための政府主導による対策で、そのことによって雇用に影響が出ているということですから、基本的には、時々の状況に鑑みながら、政府の感染症対策として一般会計から支出するということが基本であると考えます。政府が雇用保険に国庫負担することの意義は、政府としての雇用に対する責任を明確化するものであると思います。その重たさを踏まえるべきであって、今回の局面で労使の雇用保険料が引き上げられるべきではないということは言うまでもないと思っています。

とにかく当面の危機を乗り越えなければいけません。その上で、本格的な失業なき労働移動のスキームを活用、確立をしていくということが重要であると思います。そのことが持続性ある雇用・社会を再構築することにつながるということを、改めて強調しておきたいと思います。

最後に、財源の安定的確保、それから財政健全化、これを同時に達成するため、税財政の抜本改革を一体的に行うことが不可欠であるということも付言しておきたいと思います。

以上です。ありがとうございました。

増田分科会長代理ありがとうございます。

それでは、最後になります。堀委員、お願いいたします。

堀委員建議の内容については、もう既に述べてきましたので、ここではあえて述べる必要はないかと思っております。取りまとめ、本当にありがとうございました。

宮島委員もおっしゃったように、ここで挙げられたものをどうやって、一般の人たちも理解できるようにメッセージとして届けていくかが非常に重要であると思っています。「善意の人の沈黙」というか無関心が、本当にこの世の中を破壊させるのではないかと思っております。コロナによる影響もあるかと思いますが、特に若い人たちに、政府のメッセージが届きにくくなっているように感じます。そのような中、財政に対するメッセージを言っても、本当は直接影響を受けるにもかかわらず自分たちには関係ないとなってしまうような危機意識が私自身にはあります。ぜひ、このコロナショックが若い人たちにとってコロナチャンスに変わるように、財審のメッセージも届くように、これまで以上の工夫が必要かと。例えばオンラインのイベントであるとか、今までであるとできなかったようなこともできる環境となっておりますので、そうしたものも考えてはどうかと思っております。ぜひ、この建議が社会に届くことを心から祈っています。

以上です。

増田分科会長代理ありがとうございました。

すみません、赤井委員を見落としていたようなので、赤井委員、どうぞ。

赤井委員すみません、ありがとうございます。最後に一言だけ。

お疲れさまでした。非常に良いものができたと思います。コロナの感染症がいまだ収まっていないということもありまして、関心はそちらに行きつつあると思いますが、この実際つくっていただいたものを、例年になくしっかりと行っていただくことも大事ですし、コロナ以外の部分はどうなっているのかというような関心を逆に持ち始めているような国民も多いと思うので、そうした国民に対してもこの書いたことをしっかり実行していくことが大事かなと思います。

以上です。

増田分科会長代理ありがとうございました。

意見は以上かと思っておりますが、起草委員から何かございますか。よろしいですか。

この場で頂きました御意見、策定プロセス、今後の浸透及び展開についての御意見、あるいは秋の財審等でまた議論すべき幾つかの問題等について御意見を頂いたかと思いますが、この建議の内容については、ただいまの皆様方のお話をお聞きしてもおおむね了承いただけているものと、このように理解をいたします。若干、文字等の精査等がまたあるかと思いますが、建議の内容につきましては分科会長に御一任をいただきたいと、このようにお願いしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

増田分科会長代理ありがとうございました。それでは、分科会長にお任せをして、最後、確定をさせたいと思います。

それでは、榊原分科会長から、最後に一言お願いします。

榊原分科会長委員の皆様におかれましては、これまで大変御熱心に議論いただきまして、ありがとうございました。

また、今回の建議の取りまとめに御尽力いただきました起草委員会の委員の方々へ重ねて感謝申し上げたいと思います。

先月、財政制度分科会の新体制が発足したわけですが、新任委員の方も含めて非常に活発な議論を行っていただきました。今体制最初の財政健全化に向けた建議でしたが、大変すばらしい建議をまとめ上げることができたと思っております

建議の私なりのポイントを申し上げたいと思いますが、最初は、やはり高齢化、あるいは現役世代の減少という構造的課題に直面する中で、新型コロナが発生し、将来世代の負担が更に増加しているということを指摘いたしました。

その上で、新型コロナの対応には引き続き万全を期す必要があるということですが、その際、民需の回復や今後、発生する令和2年度の繰越し分、あるいは令和3年度予算の執行、これら効果も踏まえる必要があるということを指摘しております。

3番目は、社会保障の受益と負担の不均衡による将来不安に伴う国民の消費抑制、あるいは短期国債の大幅な増発を踏まえますと、歳出、歳入両面の改革によって社会保障制度の持続可能性を高めていくと、それによってPBを黒字化する必要性を改めて指摘しております。

また、社会保障の見直しは、複数年度の継続的、安定的な取組が必要であるということを踏まえまして、今回、少なくとも令和4年度から3年間、歳出の目安を継続すると、そして歳出改革を引き続き実施すべきということを提案しております。

こうした基本的な考え方を盛り込んだ建議であったと思います。

また、財政制度等審議会は、質の高い医療提供体制の整備に向けて繰り返し提言を行ってきたわけですが、その改革が進まなかった結果として、今回、新型コロナにおける医療提供体制が困難な状況を引き起こしてしまったという認識を示した上で、各分野における個別の改革を確実に実行しなければ、国民生活に深刻な影響を与えかねないということも強く指摘をしております。このため、改革の実現に向けて、優先順位をつけて課題解決型の提言を目指して建議をつくってきたと。可能なものは改革の年限を区切るといった工夫も行いました。これは、今回の新しい方向であると思います。

冒頭、増田分科会長代理から話がございましたが、この後、起草委員の皆様、増田分科会長代理と共に、麻生大臣に対してこの建議を手交することになっております。皆様につくっていただいた建議に示されたメッセージをしっかりと大臣にお伝えして、今後の財務省の政策運営に生かしていただきたいということをお願いしたいと思っております。

この後、増田分科会長代理、起草委員の皆様には引き続きお手数をおかけしますが、建議の手交の場に御同席いただきたいと思っております。

私からは以上でございます。本当にありがとうございました。これからも引き続きよろしくお願いいたします。

増田分科会長代理分科会長、どうもありがとうございました。

今の御挨拶にもございましたとおり、この後、麻生大臣に建議をお渡しして、その後、分科会長と私で記者会見を行う運びとなっております。

ということで、今日は以上です。御手元に配付しております分厚い資料でございますが、右肩に会議後要回収と記載のある建議案と、別刷りにはなっておりますが、見え消しがございます。恐縮ですが、保秘の観点から会議後回収とさせていただきます。なお、建議ですが、本日、事務局において印刷、製本をいたしますので、来週、皆様方のお手元に届くようにお送りをいたします。

今日で、春の財審は一区切りということになりますが、また夏を過ぎた秋から精力的な審議が必要になってくるかと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

以上で、今日は閉会いたします。ありがとうございました。

午後5時00分閉会